マレーシアカップ2021-準々決勝第1戦結果

 情報が古くなってしまいましたが11月14日にマレーシアカップ準々決勝第1戦の4試合が行われました。今季のマレーシアカップ準々決勝に残ったののはJDT(今季のMリーグ1部スーパーリーグ1位)、クダ・ダルル・アマンFC(同2位)、トレンガヌFC(同4位)、スランゴールFC(同5位)、KLシティFC(同6位)、マラッカ・ユナイテッドFC(同8位)、サバFC(同9位)、サラワク・ユナイテッドFC(2部プレミアリーグ2位)の8チームです。ホームアンドアウェイ方式で行われるマレーシアカップはこの日の第1戦の後、第2戦は11月18日に予定されています。

マレーシアカップ準々決勝第1戦
2021年11月14日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 0-2 KLシティFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(14分)、ハディン・アズマン(82分)
 共に首都圏に本拠地を持つ両クラブの対戦は伝統的に*クランバリーダービーと呼ばれています。今季のMリーグ1部での対戦ではいずれも1-1の引き分けに終わっていることからこの試合も拮抗することが予想されましたが、グループステージからの好調を維持するロメル・モラレスがマレーシアカップに入ってから7試合で9ゴール目となる先制ゴールを挙げてKLシティFCがリードを奪うと、シャーレル・フィクリを中心にスランゴールFCは反撃を試みるもグループステージ6試合で4失点のKLシティFC守備陣がその前に立ちはだかります。数少ない好機もオフターゲットのシュートが目立つなど、ケガによりマレーシアカップには出場していない今季リーグ得点王のイフェダヨ・オルセグン、アラブ首長国のドバイで合宿中のシンガポール代表に招集されたサフアン・バハルディン、さらにはU23アジアカップ予選に出場しモンゴルから帰国後の検疫隔離期間が延長されてチームに合流できていないムカリ・アジマルら主力を欠くチームは少なくともこの試合ではKLシティFCの脅威とはなりませんでした。
 第2戦はKLシティFCのホーム、KLフットボールスタジアムで行われますが、今季のKLシティFCはリーグ戦11試合、マレーシアカップ3試合の計14試合でホームでは無敗記録を継続中です。

2021年11月14日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 1-2 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(52分)
 グループステージでは5勝1分と無敗で突破したマラッカ・ユナイテッドFCに対して、最終戦のPJシティFC戦に1-0と辛勝して準々決勝に進出したサバFCの対戦は、試合開始から好機を演出し続けたソニー・ノルデがマレーシアカップでは4ゴール目となる得点を決めて、アウェイとなるコタキナバルでマラッカ・ユナイテッドFCに貴重な勝利をもたらしています。

2021年11月14日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 0-0 JDT
得点者:なし
 2ヶ月分の給料未払いが封じられていたクダ・ダルル・アマンFCについて、試合前にはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下と、クダ・ダルル・アマンFCを運営するクダ州サッカー協会会長でもあるモハマド・サヌシ・モハマド・ノークダ州首相の舌戦がソーシャルメディア上で繰り広げられるなど場外でも賑わったこの試合は、試合前に未払い給料が完済されたとの報道もあり、クダ・ダルル・アマンFCの選手たちのモチベーションも上がっていました。
 今季のMリーグでは0-2、0-1とJDTに完敗しているクダ・ダルル・アマンFCは、直近の過去20試合の対戦でもJDTに対して2勝4分14敗と明らかに分が悪く、さらにこの試合ではFIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に出場するレバノンにラビ・アタヤが、またAFFスズキカップに向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のシンガポールが親善試合にアヌマンサン・モハン・クマールを招集、さらに今季のMリーグでチーム2位の10ゴールを挙げているチェチェ・キプレがケガと主力の外国籍選手3名抜きで今季のMリーグチャンピオンとの対戦となりました。
 そういった諸々の事情からクダ・ダルル・アマンFCのアイディル・シャリン監督はホームゲームにも関わらず守備重視の布陣を選択、「勝つ」ための戦術ではなく「負けない」戦術で臨みました。開始直後から双方はオンザボールはもちろん、オフザボールでも激しく当たり合うやや荒れ気味の試合になりましたが、レノン・アルヴェスとロドニー・ケルヴィンが最後まで守備陣をコントロールし続けたクダ・ダルル・アマンFCが守りきり、試合は結局0-0で終了しています。

2021年11月14日スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:トレンガヌ-ファイサル・ハリム(17分)、ファイズ・ナシル(51分)、サラワク-シャールル・ニザム(22分OG)
 Mリーグ1部スーパーリーグではシーズン終盤に失速して4位に終わったトレンガヌFCですが、リーグ戦後のマレーシアカップではセカンドチームでMリーグ2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのトレンガヌFC IIの選手も含めた選手層の厚さを見せつける形でグループリーグを5勝1分けと無敗で突破し、この準々決勝に進んでいます。試合ではマレーシアカップに入ってもリーグ戦からの好調を維持しているファイサル・ハリムがペナルティエリアの外から豪快にシュートを決めて先制し、オウンゴールで動転するもののこの試合ではたびたび好機を演出していた身長156cmの小兵ファイズ・ナシルが地震で決勝ゴールを決めて2-1でトレンガヌFCが勝利しています。
 一方、プレミアリーグ勢としては唯一、準々決勝に残ったサラワク・ユナイテッドFCはジャイキリを目論んでこの試合に臨みましたが、前半の序盤には構成を見せたものの、その後は守勢に回ることが多く、むしろ1点差で済んだのは幸いでした。しかしこの最小得点差のまま耐え切ったことで準々決勝第2戦ではジャイキリの機会が残ったとも言えそうです。


11月14日のニュース:迷走するペラFCはGMを解職して新CEOを任命もサッカー協会の規定に違反か、クダ・ダルル・アマンFCで給料2ヶ月分と勝利給の未払いが明らかに、クダ・ダルル・アマンFCのクパ・シャーマンはW杯予選出場のリベリア代表辞退しマレーシアカップ出場へ

迷走するペラFCはGMを解職してCEOを任命もサッカー協会の規定に違反か
 Mリーグ1部で11位となり来季は2部に降格するペラFCは、シーズン中に発覚した給料未払い問題から開幕戦先発XIの内8名が退団、さらにマレーシアカップでも遠征費用不足からペラ州選出の国会議員に寄付を求めるなどの窮状が明らかになっています。
 そのペラFCがアズマン・ノーGM(ゼネラルマネージャー)をクラブ運営会社の理事に任命すると同時にGM職を廃止しましたが、当のアズマンGMはこれについて知らされておらず、驚いているとマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 ソーシャルメディア上で自身の理事任命を知ったと話すアズマンGMは、ペラFCを実質的に運営しているペラ州サッカー協会からはこの理事任命については事前に何も知らされていなかったと述べています。11月11日のマレーシアカップグループステージ、スランゴールFC戦後に会見を開いた際に、自身が務めていたGM職がどうなるのかは不明であると述べる一方で、現在空席となっているクラブのCEOにペラ州サッカー協会のハイルル・アンワル・モハメド氏が新たに任命された人事に対しては疑問を呈しています。
 「(給料未払い問題が発覚し、その責任を取って辞任した)リザル・アリ・ナイズ・アリ前CEOの辞職後にはペラFCは今後はCEO職を置かないという声明を出している。しかも今回任命されたハイルル・アンワル氏ははペラ州サッカー協会の執行委員であり、マレーシアサッカー協会FAMはMリーグクラブの民営化実現に向けて、州サッカー協会内の人間がクラブ運営会社内に役職を持つことを禁じている。ハイルル・アンワル氏がペラFCのCEOとなるためには、ペラ州サッカー協会執行委員を辞職しなければならない。」と述べて、この人事が不透明なプロセスを経て行われていることを示唆しています。

クダ・ダルル・アマンFCで給料2ヶ月分と勝利給の未払いが明らかに
 今季のMリーグで2位となりAFCカップ出場権を獲得しているクダ・ダルル・アマンFCは、シーズン開幕直後から数ヶ月に渡り給料未払いが起こっていたことが発覚し、JDTの対抗馬一番手として期待されながらスタートダッシュに失敗していた理由が明らかになりまし。その後は順当に順位を上げて最終的には2位になり、リーグ戦後のマレーシアカップでもグループステージを突破して準々決勝に進出しています。
 しかしクダ・ダルル・アマンFCが再び給料未払い問題に見舞われているとウトゥサンマレーシアが報じています。本日11月14日の準々決勝初戦ではJDTと本拠地ダルル・アマンスタジアムで対戦するクダ・ダルル・アマンFCは既に2ヶ月分の給料が支払われていないことに加えて、リーグ戦で13勝、マレーシアかップグループステージは2勝しているチームに対して12試合分の勝利給も払われていないということで、ウトゥサンマレーシアは今夜のJDT戦に臨むチームのモチベーションは大きく下がってしまう可能性があると報じる一方で、マレーシアカップグループステージの最後の2試合(1-3で勝利した11月6日のクチンシティFC戦と0-2で敗れた11月9日のマラッカ・ユナイテッドFC戦)では選手たちは全力で試合に臨める心境ではなかったいうチーム内関係者の話も紹介しています。さらに経営陣からはチームの現状についてここまで何の説明がないことも選手たちを落胆させているということです。
 なおこれについてコメントを求めら得たクダ州首相でもあるムハマド・サヌシ・モハマド・ノー クダ州サッカー協会会長は、チームの苦境について何も知らされていないと話す一方で、クダ州サッカー協会はこれに感知しておらずクダ・ダルル・アマンFCが自身で解決するべき問題であると話しているということです。

クダのクパ・シャーマンはW杯予選出場のリベリア代表辞退しマレーシアカップ出場へ
 明日11月14日よりホームアンドアウェイ方式でマレーシアカップ準々決勝が始まりますが、JDTと対戦するクダ・ダルル・アマンFCのFWクパー・シャーマンはFIFAW杯2022年大会アフリカ予選を戦っている母国リベリア代表からの召集を辞退して、マレーシアカップに臨むとマレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。
 11月14日にはナイジェリアと、そして11月17日には中央アフリカと対戦するリベリアはアフリカ1次予選C組で4試合を終えて1勝3敗となっており1次予選敗退が既に決まっていることから、ピーター・バトラー監督に代表辞退の許可を求めたことを明かしています。なおバトラー監督は2000年台前半にはサバFA(現在のサバFC)やケランタンFA(現在のケランタンFC)などでも監督経験があります。
 「リベリア代表は残り2試合で既に予選敗退も決まっており、バトラー監督にはマレーシアに残ってクダ・ダルル・アマンFCのマレーシアカップ準々決勝の試合に貢献したいと説明した。」と話したシャーマン選手はMリーグ8連覇を達成し、リーグ優勝との2冠を目指すJDTとの準々決勝は厳しいものになることが予想されるが、全力で臨みたいとも述べています。
*****
 アフリカ1次予選でリベリアが挙げている唯一の勝利は中央アフリカ戦の1-0で勝った試合ですが、この試合の決勝ゴールを決めているのがシャーマン選手です。ハリアンメトロではクダ・ダルル・アマンFCのために残りたいとなっていますが、アフリカのスポーツ専門サイト「アフリカトップスポーツ」の記事では、シャーマン選手が保持している居住許可が11月21日に切れ、W杯予選のために出国すると再入国ができないという理由で代表召集を辞退していると報じられています。ハリアンメトロとアフリカトップスポーツのどちらの理由が本当なのかは別にして、W杯アジア最終予選に出場しているラビ・アタヤ(レバノン)、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のシンガポール代表に合流予定のアヌマンサン・モハン・クマールと既に外国籍選手2名が不在のクダ・ダルル・アマンFCにとってシャーマン選手がJDT戦に出場できるのは心強いでしょう。

マレーシアカップ-グループステージ第6節結果

 マレーシアカップのグループステージ最終節となる第6節が11月10日と11日に行われ、各組の上位2チームが進出する準々決勝の組み合わせが決定しています。
 11月14日と18日にホームアンドアウェイ方式行われる準決勝の組み合わせはA組1位のKLシティFC対B組2位のスランゴールFC、B組1位のトレンガヌFC対B組2位のサラワク・ユナイテッドFC、C組1位のマラッカ・ユナイテッドFC対D組2位のサバFC、そしてD組1位のJDT対C組2位のクダ・ダルル・アマンFCとなっています。
 (各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年11月10日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 0-1 KLシティFC
得点者:KL-ザフリ・ヤハヤ(83分PK)
 既に準決勝進出を決めているKLシティFCがスリ・パハンFCを破ってA組首位でグループステージを突破しています。
 マレーシアカップではここまでの5試合で8ゴールを挙げているロメル・モラレスや主将のパウロ・ジョズエ、さらにダニエル・ティンら主力メンバーを思い切って先発から外し休養させる余裕を見せたKLシティFCでしたが、0-0まま終了かと思われた83分にザフリ・ヤハヤが決勝ゴールを決め、グループステージ無敗でなんと29年ぶりとなる準々決勝に進出しています。その一方で前節のペナンFCで足首のケガを途中退場したDFイルファン・ザカリアがその後の診断で手術を要する重症で全治3ヶ月であることも発表されており、クラブにも代表にも文字通り痛い離脱となりました。KLシティFCは準々決勝では同じ首都圏に本拠地を持つスランゴールFCと「*クランバリーダービー」で対戦します。*クラン川に沿って発展したクアラルンプールとスランゴール州を含めた一帯の総称。
 今季のMリーグでは降格圏ギリギリの10位で1部残留を決めたスリ・パハンFCは、監督排斥運動が起こるほどの状況に陥っているペナンFC相手にに5-0、4-0と大勝したものの、結局、グループステージはこの2勝だけで、今季2部で2位だったサラワク・ユナイテッドFCにも2敗するなど、今後はドラー・サレー監督の進退が問われるのは必至です。まぁMリーグでの開幕2連敗で新監督のトマス・ドゥーリー監督を「休養」させて、昨季の不振を理由に一度は解任したドラー監督を再び監督に据えるような素人主導のフロント人事が来季も続くようであれば、来季は2部降格最有力候補となりそうです。

2021年11月10日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 1-2 ペナンFC
得点者:サラワク-クリスティ・ジャヤシーラン(7分)、ペナン-ジェフリ・フィルダウス・チュウ(13分)、アメル・アザハル(43分)
 KLシティFC同様、既に準々決勝進出を決めているサラワク・ユナイテッドFCはほぼ主力メンバーが先発しましたが、マレーシアカップでは未勝利だったペナンFCに初勝利を献上しています。
 1点を先制されたペナンFCは13分に巧妙なトリックプレーを使ったフリーキックで同点に追いつくと、その前にもゴールポストに阻まれるなど惜しいシュートを放っていたアメル・アズハルがエンドリックからジェフリ・フィルダウス・チュウと繋がったパスを受けて決勝ゴールを決めています。
 チーム内の混乱から外国籍選手を含めた主力選手の退団が噂されているペナンFCですが、この日のゴールを決めたジェフリ・フィルダウス・チュウとアメル・アズハル、また63分にサラワク・ユナイテッドFCが得たPKを好セーブで防いだブライアン・シーらが来季の主力となっているかも知れません。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組最終順位表(第6節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#KLC6420124814
2#SWU6312910-110
3SRP620411746
4PEN6114415-114
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC
#KLシティFCとサラワク・ユナイテッドFCのグループステージに進出が決定しています。


グループステージB組
2021年11月10日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 1-1 トレンガヌFC
得点者:クチン-鈴木雄太(33分)、トレンガヌ-ラーマット・マカサフ(19分)
 B組首位での準々決勝進出を既に決めているトレンガヌFCは、今週日曜日から始まる準々決勝初戦に備えてか主力の一部を休ませる布陣で臨みましたが、クチンシティFCのミスに乗じてラーマット・マカサフが先制ゴールを決め、前半はトレンガヌFCがリードして終了します。
 後半が始まってすぐの46分には、ペナルティエリアの外でボールを得た鈴木雄太がシュートを放つとトレンガヌFCのDFに当たって覚悟が変わったボールがそのままゴールに吸い込まれてクチンFCが同点に追いつきます。先制点を許していたミスに絡んでた鈴木選手が自身のシュートで同点に追いつく展開となったこの試合はこのまま1-1で終了しています。今季2部で5位のクチンFCは1部の3チームを相手に6試合で1勝2分3敗と胸を張れる成績でマレーシアカップを終えています。
 リーグ戦では終盤失速して4位となったトレンガヌFCはこのマレーシアカップ優勝と優勝チームに与えられる来季のAFCカップ出場権獲得を目指し、準々決勝ではサラワク・ユナイテッドFCと対戦します。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年11月10日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-2 スランゴールFC
得点者:ペラ-ロイザット・ダウド(10分)、スランゴール-シーン・セルヴァラジ(72分)、ワン・ザック・ハイカル(85分)
 グループステージ敗退が決まっているペラFCが先制し、そのまま1-0が続いた試合はかつては琉球FCにも在籍したワン・ザック・ハイカルなどの2ゴールでスランゴールが逆転勝ちしています。
 スランゴールFCは準々決勝ではKLシティFCと対戦しますが、U23アジアカップ予選に出場し、帰国後の検疫隔離中のMFムカイリ・アジマルやDFハリス・ハイカルらが次戦からは出場可能となり、グループステージとは違ったチームが見られそうです。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組最終順位表(第6節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#TFC65101641216
2#SEL6402128412
3KUC6123612-65
3PRK6014414-101
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年11月9日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-0 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:マラッカ-マヌエル・オット( 24分)、ジョヴァンニ・ゴメス・ダ・シルヴァ(89分)
 C組の2位となるとD組1位のJDTが準々決勝の相手となることから、両チームともC組首位での突破を目指して対戦しました。Mリーグ1部では今季8位だったマラッカ・ユナイテッドFCが試合開始から終始優勢を保って試合を進め、リーグ2位のクダを抑えてC組首位で順々決勝進出を決めています。この結果、マラッカ・ユナイテッドFCは準々決勝ではサバFCと、クダ・ダルル・アマンFCはJDTと対戦します。

*11月9日に予定されていたヌグリスンビランFC対ケランタン・ユナイテッドFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、ケランタン・ユナイテッドFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#MLU65101551016
2#KDA6402136712
3KLU6114812-44
4*NSE6105112-113
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
#マラッカ・ユナイテッドFCとクダ・ダルル・アマンFCのグループステージに進出が決定しています。
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年11月9日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFC 0-4 JDT
得点者:JDT-シャフィク・アフマド(48分)、レアンドロ・ヴェラスケス(60分PK)、ギリェルメ・デ・パウラ(62分)、シャールル・サアド(90+1分)
 今季のMリーグチャンピオンのJDTが6戦無敗で準々決勝に進出し、リーグ優勝とマレーシアカップ優勝の今季2冠達成にまた一歩近づいています。

2021年11月9日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 1-0 PJシティFC
得点者:サバ-リスト・ミトレフスキ(21分PK)
 勝った方が準々決勝進出となる直接対決はサバFCがPJシティFCの猛攻を耐え忍んで1-0で勝利しています。この試合に引き分けても準々決勝への進出となっていたPJシティFCでしたが、リーグ戦では2勝、このマレーシアカップでも初戦は引き分けていたサバFCに対し、21分にサバFCのパク・タエスをK・プラバカランがペナルティエリア内で倒して与えたPKの1点に泣いています。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組最終順位表(第6節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#JDT66001411318
2#SAB622269-38
3PJC612356-15
4KEL6024413-92
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC
#JDTとサバFCのグループステージに進出が決定しています。

11月10日のニュース:Mリーグでプレーする2選手がミャンマー代表に招集、今季3位のペナンFC監督は進退伺を提出か、ファンはスタジアムでの飲食解禁を求める

 東南アジアNo.1を決めるスズキカップまで1ヶ月を切ったことから、このスズキカップ関連のニュースが増えてきています。先日のブルネイ代表の大会辞退は残念なニュースでしたが、その一方で吉田達磨監督率いる開催国シンガポールはアラブ首長国連邦のドバイで、韓国出身のシン・テヨン(申台龍)率い、ペナンFCのリュウジ・ウトモやJDTのMFシャフリアン・アビマニュも代表に招集されているインドネシア、そしてこの後の記事でも取り上げるミャンマー代表はいずれもトルコでの代表合宿を既に開始しています。なお、シンガポールはキルギスやモロッコと、インドネシアはアフガニスタンやミャンマーと、そしてミャンマーはインドネシアの他にブルンジとの練習試合も予定しており、各国代表チームは大会に向けて着々と準備整えています。また東南アジア勢として唯一、FIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に出場し、明日は日本戦、その後にはサウジアラビア戦を控えるベトナムは11月19日から国内合宿を予定しており、国内リーグを優先しているのはタイとマレーシアだけです。タイはリーグ戦が11月28日まで続き、マレーシアはカップ戦のマレーシアカップ決勝が11月30日に予定されており、12月5日開幕のスズキカップ直前まで試合が続く両国代表が、シンガポールでどのようなパフォーマンスを見せてくれるのかが気になります。

Mリーグでプレーする2選手がミャンマー代表に招集
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会開幕まであと1ヶ月を切り、出場国の中には代表候補を発表する国も出てきています。そんな中、Mリーグでプレーする2名の選手がスズキカップに出場するミャンマー代表候補に招集されています。
 2019年10月に就任したドイツ出身のアントワーヌ・ヘイ監督が率いるミャンマー代表23名は既に先月10月下旬からトルコのアンタルヤで合宿中ですが、スリ・パハンFCでプレーするFWアウン・カウン・マン (23)とスランゴールFCでプレーするFWハイン・テット・アウン(20)の両選手がこの代表合宿に招集されたと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。
 ヴォケットFCによれば、既にマレーシアカップグループステージ敗退が決まっているスリ・パハンFCのアウン・カウン・マン選手はグループステージ最終戦となる今日11月10日のKLシティFC戦終了後に、また準々決勝進出を決めているスランゴールFCのハイン・テット・アウン選手はチームの敗退後直ちに代表に合流するということです。なお、スランゴールFCは11月14日と18日にホームアンドアウェイ方式での準々決勝を戦います。

今季3位のペナンFC監督は進退伺を提出か
 今季2部から1部に昇格するといきなりリーグ3位となったペナンFCですが、マレーシアカップに入った途端にここまでの5試合で0勝1分4敗、得点2失点14と全く別のチームになってしまっていることは、このブログでも何度か取り上げましたが。このペナンFCを率いるチェコ出身のトマス・トルカ監督がクラブに対して進退伺を提出したとマレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 よく似た風貌からマレーシアの「ユルゲン・クロップ(現リバプールFC監督)」と呼ばれているトルカ監督ですが、リーグ戦時からあまりにも変わってしまったチームの状態を受け、クラブのサポーターからは批判が集まっています。11月7日のKLシティFC戦後の記者会見では、クラブとの契約は残っていることから来季に向けてさらにチームを強化したいと話したトルカ監督はその一方で、実際の状況の判断はチームに委ねているとも述べています。
 トルカ監督自身は2部リーグとはプレーのレベルが異なる1部リーグに昇格し、1シーズンを全うしたことで主力選手にケガが相次いだことがリーグ戦時から急落したチーム状況の原因であると説明しています。「マレーシアカップ前にも説明したように、リーグ戦では複数の選手はケガからの回復が不十分なまま試合に出続けた。その結果が3位だったが、その代償として7名の主力選手が現在、ケガで試合出場ができなくなっている。」と述べたトルカ監督は、残る最終戦も現状の戦力で戦うことになるが、自身は選手のパフォーマンスに満足していると話しています。
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 リーグ戦3位からマレーシアカップは5試合で0勝とまさに天国から地獄といった変貌を遂げているペナンFCですが、1部昇格初年度で3位という快挙が既に忘れられた上での批判のように思えます。11月7日のKLシティFC戦はスタジアムで観戦しましたが、この試合ではエースのカサグランデ、代表GKのサミュエル・サマーヴィル、U23代表戦に出場し帰国後の隔離期間中のクエンティン・チェンなど主力を欠きながらもKLシティFCと互角に渡り合ったペナンFCは賞賛されることはあっても、批判されることはなさそうに見えました。2001年に当時の1部リーグだったリガ・プルダナ優勝以来の好成績をあげた監督への批判は、個人的には贔屓の引き倒しにしか思えず、これでトルカ監督が退任したとしても、来季は1部で下位に低迷することになった際に現在、監督批判を繰り広げているサポーターは何と言うのでしょうか。
 外国籍のトルカ監督を排斥して、昨季は監督として1部昇格に貢献したマレーシア人のマンズール・アズウィラ コーチ(1部で監督を務めるためのAFCプロ指導者資格を保持していないことから今季はコーチとしてベンチ入り)を復帰させるために監督批判をしているサポーターもいるようですが、そうなるとサポーターって何?と言う感じです。

ファンはスタジアムでの飲食解禁を求める
 10月29日のマレーシアカップグループステージ第4節からは入場者数制限はあるもののスタジアムでの観戦が解禁になっていますが、2度のワクチン接種を終えていることを条件にチケット購入はオンラインのみ、しかもチケットには氏名と身分証明書番号が記載されて、入場時にはパスポートなどで本人確認が行われるなど観戦実現のために様々な標準作業手順SOPが導入されています。試合中は常にマスクをしていること、観客同志は1.5メートル以上の間隔を空けて着席すること、「密」を避けるためハームタイムでのトイレの使用禁止などのSOPに加えて、スタジアム内では飲食が禁止されています。先日のこのブログではマラッカ・ユナイテッドFCの関係者が飲食している様子がソーシャルメディア上に流出してマレーシアカップを主催するMFLが捜査に乗り出す事態となっていることを取り上げましたが、これは明らかにSOP違反でした。
 とは言え、夜間でも気温が30度近いこともあるマレーシアで観客には水を飲むことすら許されていないことからスタジアムでの飲食解禁を求める声が出ているとウトゥサンマレーシアが報じています。マレーシアでは新型コロナ対策のための規制が徐々に緩和されており、現在は店内飲食の際に複数の客が同じテーブルに座ることが許可されている他、9月には映画館が営業を再開し、映画鑑賞中の飲食も許可される一方でスタジアムでの飲食が現在も禁止されています。
 素人考えでは、店内での飲食が許可されている現状では、閉鎖的な空間である映画館よりも屋外のスタジアムの方があらゆる面で安全なようにも思えますが、新型コロナ対策を担う国家安全保障委員会NSCはそうは考えていないようで、マレーシアカップを主催するMFLはNSCに対してスタジアム内での飲食の許可を求めているようです。
 マレーシアカップ第5節からはワクチン接種を終えていれば18歳以下の子どももでスタジアム観戦が可能となるなど、11月14日から始まるノックアウトステージに向けて、徐々に観客が増えていく可能性がありますが、飲食禁止によりスタジアム内で熱中症になっては笑い話にもならないので、MFLには積極的に飲食解禁を政府に働きかけて欲しいものです。
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 と書きましたが、そこはマレーシア。現状は大っぴらで無ければ飲食は黙認されています。私が観戦に訪れたMBPJスタジアムとKLサッカースタジアムでは、ハーフタイムになると入場ゲート越しに飲み物、食べ物を購入することができ、周りの関係者や警察もそれを止める様子はありませんでした。流石にスタンドまで飲食物を持ち込んでいるファンはいませんでしたが、ハーフタイムの間にスタンド下で水分補給をしているファンが多く見受けられました。

11月9日のニュース:タイ1部第11節-エルドストールはフル出場しタンは2戦連続出場、ペラFCの売値は2億7000万円も複数が関心、続報-ペラFC売却交渉は失敗か

 東南アジアサッカー連盟AFFスズキカップ2020年大会は12月5日にシンガポールで開幕しますが、この大会最後の出場枠をかけて12月1日に開催予定だったプレーオフではブルネイと東ティモールが対戦予定でした。しかしブルネイが「大会出場準備中の新型コロナ感染に関わる問題」を理由にこのプレーオフへの出場を辞退し、東ティモールがグループステージA組が加わることをAFFが発表しています。
 ブルネイは2010年大会でマレーシアが優勝した際に監督を務めていたK・ラジャゴパル氏が監督として今年から2年契約を結び、この大会でのグループステージを目標としていました。

タイ1部第11節-エルドストールはフル出場しタンは2戦連続出場 
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第11節が11月6日と7日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCに勝利し5位から4位に浮上、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCは今季1部に昇格したコーンケン・ユナイテッドと引き分けて10位と順位は変わっていません。

タイ1部リーグ第11節
2011年11月6日@コーンケンスタジアム
コーンケン・ユナイテッド 1-1 ポリス・テロFC
 ポリス・テロFCは今季1部に昇格したコーンケン・ユナイテッドと対戦し、1-1で引き分けています。前節第10節に今季リーグ戦初出場を果たしたドミニク・タンはこの試合では86分から途中出場しています。

2021年11月7日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 2-1 サムットプラーカーン・シティFC
 チョンブリーFCが2連勝で順位を一つ挙げて4位に浮上しています。前節第10節のベストXIにも選ばれたマレーシア代表のDFジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。
 石井正忠監督率いるサムットプラーカーン・シティFCにはMF坂井大将選手も在籍していますが、坂井選手も先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はタイリーグ公式Youtubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第11節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラム・ユナイテッド118121325
2バンコク・ユナイテッド11722923
3BGパトゥム・ユナイテッド10712522
4チョンブリーFC11533818
10ポリス・テロFC11344113
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

ペラFCの売値は2億7000万円も複数が関心
 ペラFCを所有するペラ州サッカー協会PAFAは、今季Mリーグ1部で11位となり、来季は2部に降格するペラFCに1000万リンギ(およそ2億7000万円)をめどに売却する用意があると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 ペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン・モハマド会長代行は、この価格はMリーグの他のクラブを参考にしてつけられたものだとし、チームには経験豊かな選手がいること(!)や、クラブが所有する施設なども含めた価格だと述べ、現在は3つの個人及び団体がペラFCの株式購入に関心を示しており、交渉が進行中であることを明らかにしています。
 「ペラFCのオーナーになるためには最低でも1000万リンギを用意すべきであるが、これはMリーグの他のクラブを参考に決定された価格である。ケランタンFC(の株式100%)を購入したノリザム・トゥキマン現ケランタンFCオーナーが支払った金額や他のクラブを参考に算定した。」と述べたヤザン会長代行は、交渉は2つの個人及び団体と50パーセントまで進んでいるとも話しています。
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 こういった記事が出る一方で、新たなオーナーの最有力候補とされ、株式51パーセント購入の交渉を行っていたコパ・アリーナ社は、交渉開始当初からの条件に「追加事項」が新たに含まれたとして、交渉を一時中断することを表明しています。同社は9月12日にペラ州サッカー協会に対して株式購入の意思と株式購入能力を証明する書類を提出し、その5日後には企業精査手続きの開始を依頼したということですが、同社はこの際にペラFCの運営を支援する現金を渡したことも明らかにしています。しかし10月12日にペラ州サッカー協会の事務局長が交代し、その際に「追加条項」が提案され、その中には追加の一時金支払いと当初より多額の負債の支払いが明らかになったということです。これに対して同社は今後もペラ州サッカー協会が利益の49パーセントを受け取り続けることから、この一時金の支払いを拒否したことも明らかにしています。

続報-ペラFC売却交渉は失敗か
 コパ・アリーナ社が交渉の一時中断を表明したことを受け、ペラ州サッカー協会のムハマド・ヤザン・モハマド会長代行は交渉は失敗に終わったことを表明し、コパ・アリーナ社の交渉中断の原因が自身にあるという批判も否定しています。
 ヤザン会長代行はコパ・アリーナ社が株式購入能力があることを純分に証明できなかったことが交渉失敗であるとして、同社を批判しています。さらに一時金の支払いを求めたことも否定し、求めたのは州内のサッカー発展のための支援と州サッカー協会運営の費用であったと説明しています。
 「ペラ州サッカー協会は、支払い能力のある個人や団体に株式を譲渡するつもりであり、ペラFCのオーナーになることを望むのであれば、ペラ州サッカー協会による州内サッカー育成への支援が必要である。」と述べています。
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 民営化されるべきクラブの株式譲渡と、州政府からの資金も投入される州内サッカー発展のための育成プログラムへの資金援助は無関係にも思えますが、このヤザン会長代行はそう考えてはいないようです。なお、上の記事でも取り上げた事務局長の交代もこのヤザン会長代行による人事です。このヤザン会長代行は、今季途中にペラFC内で給料未払いが明るみに出て選手から不満の声が上がった際には「文句があるならチームを去れ」と選手に直接、言い放ったとされる人物ですので、この人物の説明がどこまで正しいのかは疑わしいところです。それとは別にMFLは2022年のクラブライセンスの取得条件として、Mリーグのクラブは州サッカー協会が保有率が50%以下であることを求めており、株式譲渡を終えなければならないタイムリミットも迫っています。

マレーシアカップ-グループステージ第5節結果

 マレーシアカップのグループステージ第5節が11月6日と7日に行われ、A組ではKLシティFCがペナンFCに、サラワク・ユナイテッドFCがスリ・パハンFCに勝利し、それぞれベスト8進出を決めています。この他、B組のトレンガヌFCとスランゴールFC、C組のマラッカ・ユナイテッドFCとクダ・ダルル・アマンFC、D組のJDTの計7チームがノックアウトステージとなるベスト8進出を既に決めており、最終節となる次節第6節でベスト8最後のチームが決定します。
 (各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年11月7日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 ペナンFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(38分PK)
 A組首位のKLシティFCが接戦を制してグループ首位を確定させ、ベスト8進出を決めています。ペナンFCに攻め込まれる場面が多かったKLシティFCは、ゴール前の混戦からペナンFCの主将アズミ・ムスリムが痛恨のハンドでPKを得、これをロメル・モラレスがマレーシアカップ5試合で8ゴール目となるシュートを決めて先制し、そのまま逃げ切っています。KLシティFCはこれで今季はリーグ戦から14試合連続でホームで負けがなく(10勝4分0敗)、これはクラブの新記録ということです。(11/8に一部を訂正しました。)
 先日のこのブログでも取り上げた通り、リーグ戦の好調が嘘のような不振に陥っているペナンFCですが、この日は過去2試合で0得点11失点というのが信じられないほど攻守とも素晴らしく、過去2試合先発したGKブライアン・シーも何度もファインセーブを見せるなど、なぜこのチームがここまでの4試合で未勝利なのかが全くわかりませんでした。
 この試合はスタジアムに足を運びペナンFC側のスタンドで観戦しましたが、ゴール裏にはトマス・トルカ監督を糾弾する横断幕、そしてスタンドからはやはりトルカ監督を批判する声なども飛び交い、少なくとも現時点ではサポーターからの支持を得られていない様子が感じられました。

2021年11月7日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 1-2 サラワク・ユナイテッドFC 0-0 スリ・パハンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ(13分)、サラワク-サンドロ・ダ・シルヴァ(31分)、アブドル・ラヒム・アブドル・ラザク(90+5分)
 スリ・パハンFCは13分にマヌエル・イダルゴのバックヒールパスを受けたアシャ・アル=アフィズのクロスをケニー・アティウが2戦連続となるゴールを決めて先制しますが、サラワク・ユナイテッドFCもゴール前の混戦に詰めていたサンドロ・ダ・シルヴァのゴールで同点に追いつき、試合はそのまま引き分けかと思われた後半ロスタイムに途中出場のアブドル・ラヒム・アブドル・ラザクが決勝ゴールを決め、最終節を残してサラワク・ユナイテッドが2部プレミアリーグのクラブとして唯一、マレーシアカップのベスト8へ駒を進めています。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#KLC5320114711
2#SWU531188010
3SRP520311656
4PEN5014214-121
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC
#KLシティFCとサラワク・ユナイテッドFCのグループステージに進出が決定しています。


グループステージB組
2021年11月7日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 0-0 トレンガヌFC
得点者:スランゴール-シャーレル・フィクリ(33分)、トレンガヌ-ファイサル・ハリム(15分)、ジョーダン・ミンター2(72分、90分)
 現在のチーム力の差が如実に現れた試合は、トレンガヌFCがマレーシアカップでも絶好調が続くファイサル・ハリムとジョーダン・ミンターの活躍でスランゴールFCを圧倒しています。
 ドリブルでスランゴールFC陣に切り込んだファイサル選手からパスを受けたエンク・ヌル・シャヒールがシュートを放つも、スランゴールFCのGKカイルルニザムがセーブ、しかしそのこぼれ球をファイサル選手自身が蹴り込んでトレンガヌFCが先制します。スランゴールFCもケガからの代表復帰を目指すFWシャーレル・フィクリが同点ゴールを決め、1-1のまま試合は後半へ。
 後半に入ると、今季のMリーグでは2部のトレンガヌFC IIで16ゴール、トップチームのトレンガヌFCで4ゴールを挙げながらトップチームでの先発機会に恵まれないことから先週は「チームが自分を必要としていないなら、来季もトレンガヌFCに残るかどうかはわからない。」と発言したジョーダン・ミンターが終盤に2ゴールを挙げる活躍を見せてトレンガヌFCが快勝し、B組首位でのグループステージ突破を決めています。

2021年11月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 0-1 クチンシティFC
得点者:クチン-ラフィク・シャー・ザイム(72分)
 クチンシティFCは72分、ジョセフ・カラン・ティーからのパスに反応してDFラインの裏へ抜け出したマイケル・イジェジがペナルティーエリアへ持ち込むも、ペラFCのGKファルハン・アブドル・マジッドが好反応してこれをブロック、しかしそのこぼれ球を詰めていたラフィク・シャー・ザイムがゴールして先制し、そのまま逃げ切り、記念すべきマレーシアカップクラブ史上初勝利を挙げています。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#TFC55001531215
2#SEL530210739
3KUC5113511-64
3PRK4013312-91
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年11月6日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッドFC 1-3 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:ケランタン-ファクルル・ザマン(73分)、クダ-シャズワン・ザイノン( 34分)、バドロル・バクティアル(36分)、ファイヤド・ズルキフリ(85分)
 多数の新型コロナ陽性者が出たヌグリスンビランFCがマレーシアカップを途中で辞退したことから前節、前々節と試合がなかったクダ・ダルル・アマンFCはマレーシアカップ初先発となる第3GKのイルハム・アミルラー・ラザリを先発させ、チェチェ・キプレをベンチスタートさせる余裕を見せましたが、15分にはクパー・シャーマンのPKをケランタン・ユナイテッドFCのフィクリ・チェ・ソーに止められるなど嫌な雰囲気で試合は進みましたが、34分にはシャズワン・ザイノンが、また36分にはバドロル・バクティアルがそれぞれゴールを決めて試合の主導権を掴むと、ケランタン・ユナイテッドFCを1点に押さえて勝利しています。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*11月6日に予定されていたヌグリスンビランFC対マラッカ・ユナイテッドFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、マラッカ・ユナイテッドFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#MLU5410135813
2#KDA5401134912
3*NSE5105112-113
4KLU5014512-71
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年11月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-2 JDT
得点者:PJ-R・ルヴェンティラン(11分)、JDTベルグソン・ダ・シルヴァ(14分PK)、マウリシオ(28分)
 相手ディフェンスのミスに乗じてPJシティFCがR・ルヴェンティランのゴールで先制。JDTはマレーシアカップ5試合目にして初の失点でしたが、この試合でも随所で素晴らしいドリブルを見せたJDTのアリフ・アイマンがペナルティエリアで倒されて得たPKをベルグソン・ダ・シルヴァが決めてすぐに同点とします。JDTはさらに28分にペナルティーエリアの外で得たPKからのこぼれ球をマウリシオが押し込んでリードを奪いそのまま逃げ切っています。
 この試合はスタジアムで観戦しましたが、得点力不足の代表に復帰して欲しいと個人的に注目していたPJシティFCのFWダレン・ロックにはほとんどボールが回らず、途中で交代しています。

2021年11月7日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 2-1 ケランタンFC
得点者:サバ-アムリ・ヤハヤ(7分)、サーリザン・サイディン(90+1分)、ケランタン-サフアン・ハズマン(5分)
 サバFCがこのグループステージで初勝利し、オン・キムスイ監督に初白星をプレゼントするとともに、次節最終節でのグループステージ突破の可能性を残しています。サバFCは次節は本拠地にPJシティFCを迎え、サバFCが勝てばサバFCが、引き分け以上ならPJシティFCがベスト8に進出します。
 ケランタンFCはオーナーのノリザム・トゥキマン氏がマレーシアカップに優勝すれば監督にポルシェをプレゼントするとしていましたが、チームはグループステージ敗退が決まりました。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#JDT5500101815
2PJC51225505
3SAB512259-45
4KEL502349-52
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC

11月7日のニュース:ペナンFCのマレーシアカップ不振の原因は疲労?準備失敗?それとも選手の造反?、ペラFCでは現在も給料未払い状態が継続中、最悪の場合には2023年クラブライセンスの交付が受けられない可能性をペラGMが言及、Mリーグクラブの民営化は失敗する可能性大-ケランタンFCオーナー

ペナンFCのマレーシアカップ不振の原因は疲労?準備失敗?それとも選手の造反?
 今季Mリーグ1部に昇格しながらいきなり3位と大躍進したペナンFCですが、マレーシアカップグループステージではここまでの4試合で0勝1分3敗、しかも得点2失点13とリーグ戦の成績とは大きくかけ離れた結果になっていることから、その原因について様々な憶測が流れています。
 リーグ戦での躍進を受け、マレーシアカップでも上位進出が期待されたペナンFCのトマス・トルチェ監督は現在の不振について選手層の薄さをその原因に挙げ、1シーズンでリーグ戦とカップ戦の両方で好成績を残すだけの選手がペナンFCには揃っていないという説明を繰り返していますが、特に直近の2試合では今季のMリーグで10位だったスリ・パハンFC相手に0-4、0-5という酷いスコアで連敗し、しかも選手の動きも決して良くないように見えることから、トルチェ監督の説明に納得がいかない多くのサポーターは何か他の理由があるのでは考えているようです。
 そんな中、マレーシア語紙ブリタハリアンは。マラ工科大学UITMのスポーツサイエンス学部のペカン・ラムリ教授とAFCエリートコーチングインストラクターのズラクバル・アブドル・カリム教授に意見を求めています。
 ペカン教授はペナンFCが現在陥っている極度の不振の原因を早急に調査するべきだと述べています。「マレーシアカップが始まって以来、ペナンFCは別のチームになってしまった。選手の動きもリーグ戦と比べると驚くほど変わってしまっており、スリ・パハンFCに大差で連敗したことも驚きで、チーム内で何か問題が起きているようにも思える。クラブの運営陣はこの問題の原因を速やかに解明するべきだ」とペカン教授が述べる一方で、ズラクバル教授はリーグ戦で好調だったチームがカップ戦でも同様に活躍するとは限らないと述べて、トルチェ監督のマレーシアカップでの経験不足が不振の原因ではないかと分析しています。「リーグ戦の時と比べると、選手の動きは目に見えて遅く、リーグ戦からの疲れが回復していないいのではないか。」と述べて、マレーシアカップに向けての準備の仕方をトルチェ監督が誤ったのではないかと述べています。
 これに対してサッカー専門サイトのスムアニャボラは、ペナンFCサポータークラブの一つペナンブラザーフッドの投稿を取り上げて、トルチェ監督とコーチ陣、さらにはトルチェ監督と選手の関係が悪化していることが現在の不振の元凶であり、ケガにも関わらずトルチェ監督が強行出場させたことでケガをさらに悪化させた選手らも複数いることからマレーシアカップでは選手たちは全力でプレーしておらず、今季終了後には主力選手の大半がクラブを去るだろう伝えていますが、これを裏付けるように、ペナンFCの主将のアズミ・ムスリムが「多くを語りたくはないが、おそらくは「彼」のせいで、多くの選手が残留を望まないだろう。」とツイートするなど(現在は削除済み)、ペナンFCには単なる不振では片付けられない問題が背後にはありそうです。.

ペラFCでは現在も給料未払い状態が継続中
 現在、マレーシアカップに出場中のペラFCのアズマン・ノーGMが手持ちの現金不足から複数の国会議員に寄付を求めた、という記事を先日このブログでも取り上げました。その際には、クラブに資金がないわけではなく、手持ちの現金が「たまたま」なかったとアズマンGMは説明しましたが、マレーシア語紙ハリアンメトロは、現在も2ヶ月以上に及ぶ給料未払いが続いており、スポンサー探しに躍起になっていると報じています。
 2018年以来となる9度目の優勝を目指してマレーシアカップに参戦中のペラFCですが、現状は選手や懇篤、コーチへの給料支払いに加えてグループステージの残り試合に参戦するための宿泊費や移動費を支払う資金自体が不足しているとハリアンメトロが報じています。
 ハリアンメトロの取材に対してペラFCのアズマン・ノーGMは給料未払い問題があることを認める一方で、給料は近々支払われると述べ、クラブには様々な問題が起こってはいるものの、資金不足で給料が支払えないわけではないと主張しています。
 「現在は我々はスポンサーを探しているのは事実であるが、給料の未払いはわずか(!)2ヶ月分で、近いうちに支払うことができるだろう。側から見ればペラFCはひどい状況に見えるかもしれないが、実際はさほど深刻な状況ではない。」と語るアズマンGMですが、未払い給料に加えて直近の試合の経費を寄付で賄おうとしなければならない現状は、日本人に負けず劣らず体面を気にするマレーシア人、特にマレー人にとっては認めたくない事実なのかも知れませんが、この状況が速やかに改善されなければ来季以降にさらに大きな問題となると報じている次の記事に続きます。

最悪の場合には2023年クラブライセンスの交付が受けられない可能性をペラGMが言及
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、速やかに新たなスポンサーを見つけることができなければ、ペラFCが現在抱えている問題以上の難局に直面すると報じています。
 その難局の一つとして挙げられているのが再来年2023年のクラブライセンス獲得に関する問題で、運営資金不足といった金銭上の理由に加えて、制度上の理由でも2023年シーズンのクラブライセンスの交付が受けられなくなるとスタジアムアストロは指摘しています。
 ペラFCの運営会社の株式は現在、ペラ州サッカー協会が100%保有していますが、Mリーグを運営するMFLは、2023年までにMリーグ全クラブの民営化を実現するために、各州サッカー協会に対してこれまで保持してきたMリーグクラブ運営会社の株式を全て売却し、Mリーグクラブが各州サッカー協会から完全に独立することを2023年クラブライセンス交付の条件としています。
 これについて前の記事でも取り上げたペラFCのアズマンGMは、クラブのスポンサーあるいはオーナーとなる企業が未だ見つけられていない現状では、2023年までにペラ州サッカー協会の株式保有率が0%となることは容易ではないと述べ、その場合にはクラブライセンスが交付されなくなることから、最悪の場合にはペラFCはMリーグでプレーできなくなる可能性があると話しています。

Mリーグクラブの民営化は失敗する可能性大-ケランタンFCオーナー
 上の記事でも取り上げたMリーグクラブの民営化について、ちょうどケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが興味深い意見を述べています。
 2020年9月におよそ880万リンギ(およそ2億4000万円)でケランタン州サッカー協会KAFAが保有していたケランタンFCの株式を全て購入し、さらに当時KAFAが抱えていたかつて在籍した選手に対する未払い給料を完済してケランタンFCのオーナーとなったノリザム オーナーはMFLが行おうとしているMリーグクラブの民営化は失敗する可能性が高いと述べていると、ブリタハリアンが報じています。
 ノリザムオーナーは自身のFacebookに投稿し、マレーシアサッカー協会FAMが進めているMリーグクラブの民営化には様々な問題点があると指摘し、失敗に終わる可能性が高いと述べています。
 「民営化におけるFAMの役割は一体何なのか。(ケランタンFCの株式購入で)クラブの民営化に直接経験したが、FAMが行える役割が限られていることはその過程の中で経験済みである。」と述べた上で、未払い給料問題を抱えるクラブが複数あるMリーグの現状を踏まえて、FAMは金銭的な支援をする必要がある可能性にも言及しています。
 「ケランタンFC運営会社の株式取得の際には当時、ケランタンFCを運営していたケランタン州サッカー協会KAFAが抱えていた未払い給料を完済したが、これはKAFAとのクラブ運営会社の株式購入の際の条件だった。今後さらにKAFAによる過去の未払い給料が発覚すれば、それはもうケランタンFCの関知するところではない。」と述べたノリザムオーナーは、Mリーグクラブの民営化には未払い給料の支払いが伴うこと、そしてその際にはFAMからの支援は期待できないことを指摘して、現在の民営化の方法では、Mリーグクラブの新たなオーナーやスポンサー獲得が難しいと述べています。

11月6日のニュース:AFCU23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督は続投に意欲、サバFCのインドネシア代表選手が旧所属クラブの所得税未納で出国できず、MFLはSOP違反に厳格に対処-スチュアートCEO、JDTオーナーはガンによる給料半減の話は真実と改めて主張

AFC U23アジアカップ出場権獲得のU22代表監督は続投に意欲
 先日行われたアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会予選を突破したマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督は、来年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ本選で指揮をとることに意欲を見せていると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 マロニー監督が率いたU22代表はモンゴルのウランバートルで開催された予選J組では宿敵タイと引き分けるなど2勝1分でグループ首位となり、2018年の中国大会に次ぐ2度目の本選出場権を獲得しています。なおこの2018年大会では現在はサバFCの監督を務めるオン・キムスイ氏が監督を務め、マロニー氏はアシスタントコーチでした。
 マロニー監督とFAMの契約は今年末までとなっており、マロニー監督は最終決定権はFAMにあるとしながらも
 来年2022年の本大会出場のU23代表候補には、今回の予選でクラブの召集拒否にあったフル代表でもプレーするFWアリフ・アイマン(JDT)やMFワン・クズリ・ワン・カマル(米国アクロン大学)、負傷により今回の代表召集を辞退したシャールル・ナジーム(スランゴールFC)、いずれも膝前十字靭帯損傷から復帰途中のFWハディ・ファイヤッド(J2岡山からJ3沼津に期限付き移籍中)やGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)、さらには現在開催中のマレーシアカップで活躍するダニアル・アスリ(スランゴールFC)など、今回の予選に出場できなかったタレント軍団も控えており、アストロ・アリーナの取材に対してマロニー監督は「最終的にはFAMが決定することだが、このチームに対する私の信頼はとても大きく、また選手達を誇りに思っており、可能であるならばこのチームとともにできる限り長く戦いたい。」と従来の発言を繰り返しています。
 マロニー監督はウズベキスタンでの本選に向けては現在、50名以上の候補選手をリストアップしていることも明かす一方で、出場資格のある全ての選手に(本大会に)出場するチャンスがあるとも述べ、この50名のリストから選手を選ぶことには固執していないとも話しています。

サバFCのインドネシア代表選手が旧所属クラブの所得税未納で出国できず
 サバFCでプレーするFWサディル・ラムダニはインドネシアU22代表とフル代表でプレーする選手ですが、リーグ戦終盤のケガでベンチを外れ、アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップに出場するインドネシアU22代表に招集された際にはクラブがケガからの回復を理由に招集を拒否させるほどでした。
 そこで自国インドネシアへ戻って治療を受けようとしたラムダニ選手ですが、出国時の審査でおよそ4万3000リンギ(およそ117万円)の所得税未払いが発覚し、これを理由に出入国管理局に拘留されたことをインドネシアの全国紙、コンパスが報じました。この報道で明らかになったのは、所得税が未払いなのは現在、所属するサバFCではなく、2019年に在籍したパハンFA(現スリ・パハンFC)であることが報じられると驚きが広がりました。
 ラムダニ選手は全ての責任はかつて所属したクラブにあるとして、速やかな解決と即時の出国を求める事態になりましたが、スリ・パハンFCはこの報道が出ると直ちに対応したようで、クラブの公式Facebookでは内国歳入庁(日本の国税庁にあたる)と出入国管理局と交渉の結果、ラムダニ選手の出国が可能になったことを明らかにしています。
 この件についてはインドネシアのザイヌディン・アマリ青年スポーツ相がインドネシアサッカー協会PSSIとともにクアラルンプールのインドネシア大使館にラムダニ選手と接触するように求めるなどインドネシア側も巻き込んだ一騒動になっています。
 報道通りであれば、既にインドネシアに戻っているラムダニ選手ですが、これまではケガによりインドネシアU22代表とフル代表の監督を兼ねるシン・テヨン監督の招集に応じることができませんでしたが、12月にシンガポールで開催される東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップへの出場には意欲を見せているということです。

MFLはSOP違反に厳格に対処-スチュアートCEO
 現在開催中のマレーシアカップは10月29日の第4節から人数制限があるものの、スタジアムでの観戦が可能になっていますが、その一方で観戦者に対してはスタジアム内での常時マスク着用の義務や飲食の禁止などの標準作業手順SOPの遵守が求められています。
 そんな中、第4節のマラッカ・ユナイテッドFC対ケランタン・ユナイテッドFC戦が開催されたハン・ジェバスタジアムの一室で会食が行われている写真がネット上に流失し、マレーシアカップを主催するMFLがマラッカ・ユナイテッドFCを優遇しているとの批判が出ていると、マレーシア語紙シナルハリアンが伝えています。
 これに対してMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOはこの批判に反論し、あらゆるSOP違反に対しては厳格に対応すると述べ、マラッカ・ユナイテッドFCに対する調査を開始していると述べています。「MFLは既に事実確認のためにマラッカ・ユナイテッドFCに問い合わせを行なった。またこの件はMFL理事会で議論されることになる。」と述べたスチュアートCEOに対し、マラッカ・ユナイテッドFCのモハマド・サイフル・マット・サペリ理事はMFLの調査を受けたことを認め、現在はMFLに判断を委ねていると述べ、今後はスタジアム内での会食は行わないと述べています。
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 この第4節直前にはチーム内で20名以上の新型コロナ陽性者が見つかったヌグリスンビランFCがクラスター化したことからマレーシアカップグループステージを途中辞退しており、MFLとしてもスタジアムでの観戦解禁に合わせて感染予防と対策に特に力を入れていた際に起こったこのSOP違反疑惑ですが、結局は毎度お馴染みのお咎めなしといったマレーシア特有の誰も悪者にしない灰色決着に落ち着くんだろうなぁ。

JDTオーナーはガンによる給料半減の話は真実と改めて主張
 JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が、ガン治療により試合に出場できない選手の給料を半減したクラブを批判し、これに該当すると思われるブレンダン・ガンと所属するスランゴールFCの双方がその事実を否定しているという記事をこのブログでも昨日取り上げましたが、スランゴールFCとガン選手が否定したことで、イスマイル殿下の情報が誤っている、さらにイスマイル殿下の発言はスランゴールFCへの当て擦りだという逆に批判的な声がネット上で上がる事態になっています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロは、そういった声に対しイスマイル殿下は改めて自身の発言を事実であると述べていると報じ、この事実は該当する選手のチームメートから直接聞いたと話しているということです。(昨日のブログでは「イスマイル殿下は本人から直接聞いたと話している」と書きましたが、私が読み間違えていたようです。お詫びして訂正します。)
 「この選手はチームメートに対して、クラブが来季の給料を半減したがっていると話し、このチームメートがそのことを私に知らせてくれた。」と述べたイスマイル殿下は、さらにクラブが給料の半減をしたがっているのは今季ではなく来季2022年の給料であることも述べています。(ここも私が誤解していました。お詫びして訂正します。)
 さらに「この選手はクラブに大変な貢献をしてきたにも関わらず、ガンになったという理由だけで給料を半減されようとしていることから私が声を上げた。このようなクラブの対応をこの選手も公にしたいのではないか。」と述べたイスマイル殿下ですが、改めて自身の発言を肯定したことで、この騒動はまだまだ沈静化しそうにありません。

11月5日のニュース:闇金から借りるなら国会議員から寄付を募る方が良い-ペラFC、サバFCは一部経営陣の「背任行為疑惑」を公式に否定、ガン治療中のブレンダン・ガンはスランゴールFCによる給料半減を否定

闇金から借りるなら国会議員から寄付を募る方が良い-ペラFC
 給料未払い問題が明らかになり主力選手が大量に流失したことから今季のMリーグ1部では10位となり来季は2部に降格するペラFCのGMの行動がソーシャルメディア上で話題になっています。
 ペラFCのアズマン・ノーGMは一部の国会議員に対して、現在マレーシアカップに出場中のペラFCの移動や宿泊の費用などの経費を補うため、一人当たり最低2万リンギ(およそ54万円)の寄付を求めていることがソーシャルメディア上で広まり、マレーシア語紙のハリアンメトロがアズマンGMに直接、問い合わせたところ、SMSやワッツアップ(WhatsApp-マレーシアで最も一般的なメッセンジャーアプリ)で寄付を募ったことを認めているということです。
 寄付を求めたのは先週末10月30日(土)に本拠地ペラスタジアム(ペラ州イポー)で開催されたトレンガヌFC戦のためだったと説明し、支払いに使える手持ちの現金がなかったことから国会議員への寄付を募ったとその経緯を述べています。
「クラブは金がないのではなく、小切手の現金化に問題があったことから、たまたま手持ちの現金が不足していた。そこで複数の国会議員にメッセージを送り現金の支援を求めたのが真相である。それ以上でもそれ以下でもないので、殊更にこの件を大袈裟にする必要ない。我々も深刻な状況であり、そんな時に国会議員に助けを求めるのは普通のことだと考えている。ありがたいことに即座に現金による支援を受け取ることができた。」と説明したアズマンGMはマレーシアカップの残り試合に必要な経費の資金源を探している一方で、ペラFCのサポーターからも支援が集まっていることを感謝していると話しています。
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 この記事のタイトル「闇金から借りるなら国会議員から寄付を募る方が良い」は新聞記事の見出しの直訳ですが、ここで言う闇金とはマレーシアではAh long(マレーシア語で悪徳高利貸しや闇金融)と呼ばれる個人あるいは企業です。「期限までに借金が返せず、家のドアに赤いペンキをぶちまけられた。」「借金を完済したにも関わらず追加融資を持ちかけられ、断ると拳銃が写った写真付きメッセージが送られてきた。」などマレーシアの新聞を読んでいるとこのAh longの恐ろしさを報じる記事をよく目にしますが、確かにそんなAh longに借りるくらいなら、選挙民のために働く国会議員にお願いするのは至極、筋が通っているということなのでしょう。

サバFCは一部経営陣の「背任行為疑惑」を公式に否定
 Mリーグ1部サバFCはニュースサイトが報じたクラブ経営陣の不正行為疑惑を真っ向から否定するとともに、法的措置も辞さないことをクラブの公式Facebookで発表しています。
 これは東マレーシア(ボルネオ島のサバ州、サラワク州など)をカバーするニュースサイトのボルネオトゥデイが、サバFCの関係者が、選手の代理人と共謀して選手の給与を実際よりも高く設定して支払う一方で、その差額を懐に入れているという背任行為を行なっているという疑惑を報じたことが発端です。サバFCは昨季2020年シーズンからパク・タエス(韓国)を除く4名の外国籍選手を入れ替え、今季中のトランスファーウィンドウ期間にも1名を入れ替えた他、一旦退団が公式発表されたレヴィ・マディンダと数日後に再契約を発表するなど変わった動きもしていました。
 ボルネオトゥデイの記事では、サバFCの一部関係者が選手の給料を3万3000リンギ(およそ90万円)としながら実際には1万5000リンギ(およそ41万円)しか支払わずその差額を私的目的に利用するといった背任行為を例に挙げ、選手の入れ替えが頻繁に行われているのは、一部の関係者がこの背任行為を「商売」にしているからだとし、この状況が続けば選手は搾取され、クラブの一部関係者は私服を肥すことになると指摘していました。
 さらにボルネオトゥデイはスタジアムの照明が当初の30万リンギ(およそ820万円)の見積もりから購入時には80万リンギ(およそ2190万円)が支払われた点や、練習中に選手が使用する心拍数測定器の価格が当初の300リンギから支払い時には13万リンギとなった点などについてもその変更理由が疑わしいとしていました。
 今回のサバFCの声明は、これら全ての疑惑を真っ向から否定した上で、選手の移籍は正式な方法で行われたことや、スタジアムの照明はサバ州までの輸送費用を含んでいること、心肺測定装置の購入には代理店などを介さずに行なっていることを説明し、ボルネオトゥデイの主張が正しければその証拠を示すよう求めています。さらに専門家による監査を喜んで受けるとする一方で、今後も根拠のない中傷が続くようであれば法的措置も検討するとしています。

ガン治療中のブレンダン・ガンはスランゴールFCによる給料半減の噂を否定
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、マレーシア代表MFのブレンダン・ガンと所属するMリーグ1部のスランゴールFCが、いずれも給料半減の噂を否定していると報じています。
 事の発端は同じMリーグ1部のJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が「ガン治療中の選手が給料を半減されている。」と自身のインスタグラムで公表したことにあります。
 「その選手はガン治療中である。彼はこれまでクラブに貢献してきた選手にも関わらず、治療により試合に出場できないことを理由にクラブは彼の給料を半減している。このようなことをして選手の生活に責任を持っていると言えるのだろうか。多くの選手がこのクラブを出たいと言うのも理解できる。このクラブはソーシャルメディア上では良いことばかり発信しているが、その内実は反対のようである。クラブの成功に必要なものの第一は「人道」だ。」と投稿したイスマイル殿下ですが、ネット上ではこれがW杯予選後の7月に睾丸腫瘍の診断を受けて休養し、最近、練習を再開したスランゴールFCのブレンダン・ガンを指している可能性が高いと考えられています。
 イスマイル殿下のこのの投稿に対して、スランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOは自身のツイッターで反論し、ガン選手の給料半減を真っ向から否定するとともに、スランゴールFCは選手との契約を尊重し、病気やケガなどで出場できない選手も含めた選手全員が契約通りの給料を遅れることなく支払っていると説明しています
 さらにガン選手本人も「ソーシャルメディア上で話題となっている内容を読んだが、自分は今季2021年シーズンの給料全額をスランゴールFCから受け取っているという事実を明らかにしておきたい。」と述べて、ジョハンCEOの説明内容を肯定しています。
 ただしイスマイル殿下はこの件を本人から直接聞いたとも述べているだけに、謎は深まっています。
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 リーグ8連覇を達成し、現在のMリーグの盟主を自負するJDTに対し、現在開催中のマレーシアカップ100年の歴史の中で優勝33回、準優勝16回(2位はシンガポールの優勝24回、準優勝19回、ちなみにJDTは前身のジョホールFCと合わせても優勝4回、準優勝2回)と「伝統」という点では他のクラブを圧倒するスランゴールFCと図式の中で、イスマイル殿下はスランゴールFCに向けては敵意剥き出しとも言える厳しい意見や批判的な発言を行うことが少なくありません。実際、スランゴールFCの最後のMリーグ優勝は2010年、マレーシアカップ優勝も2015年が最後なのに対し、リーグ8連覇進行中のJDTはマレーシアカップでも2017年と2019年(昨季2020年はコロナ禍により中止)と優勝しており、イスマイル殿下からすれば「伝統」にあぐらをかき盟主然とし、マレーシアサッカー全体の向上といった大局的視点を欠いているように見えるスランゴールFCには小言の一つ二つも言いたくなるのも当然と言えば当然かも知れません。

マレーシアカップ-グループステージ第4節結果

 本日11月4日はヒンドゥー教の新年に当たるディパバリと呼ばれる国民の祝日です。インド系の住民が総人口のおよそ7%を占める多民族国家のマレーシアでは、イスラム教以外の宗教に関連する祝日がいくつかあります。
 さて本題。マレーシアカップのグループステージ第4節が11月1日から3日にかけて行われ、B組のトレンガヌFCのスランゴールFC、C組のマラッカ・ユナイテッドFC、D組のJDTがノックアウトステージとなるベスト8進出を決めています。
 なお12月5日開幕の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ前にマレーシアカップを終了させたい主催者のMFLは、大半の選手とクラブとの契約が11月末までとなっていることもあり、かなり過密気味の日程を作成しています。10月29日(金)と30日(土)に開催された第3節から、クラブによっては移動日を含めてわずか3日後に第4節の試合が組まれています。また次節第5節は明日11月5日から7日となっており、日程消化のためとは言え、選手には酷なスケジュールが11月9日と10日の最終第6節まで続き、疲労によるケガなどが心配されます。
 (各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年11月3日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 2-2 KLシティFC
 得点者:サラワク-ウチェ・アグバ2(22分、40分)、KL-ロメル・モラレス2(36分、74分)
前説に続きグループ1位と2位の直接対決となったこの試合は、前節ではKLシティFCに0-4と一蹴されたサラワク・ユナイテッドFCが、グループステージ開幕戦以来となるウチェ・アグバのゴールで先制しますが、絶好調のロメル・モラレスがこのマレーシアカップ4試合で6点目となるゴールを決めて同点とし、アグバ選手のゴールでサラワクが再びリードを奪うも、モラレス選手が再度、ゴールを決めて引き分けとなっています。

2021年11月3日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 0-5 スリ・パハンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ3(10分、35分、82分)、アブバカル・ヤクブ(21分)、アブドル・マリク(58分)
 前節はスリ・パハンFCの本拠地で行われた同一カードで0-4と大敗したペナンFCでしたが、本拠地へ戻って行われたこの試合ではさらに失点を重ねて0-5と惨敗しています。エースカサグランデと正GKのサミュエル・サマーヴィルがベンチから外れるなど万全の布陣ではないとは言え、Mリーグ1部で今季3位の片鱗を見せることなく敗れています。
 一方、今季のMリーグでは2部降格の10位ペラFCとは勝点差2で1部に踏みとどまったスリ・パハンFCですが、マレーシアカップでは2連敗の後、ペナンFCとの2戦では9得点無失点と調子を上げてきており、グループステージ突破も見えてきました。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1KLC422010468
2SWU421167-17
3SRP420210466
4PEN4013213-111
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC、


グループステージB組
2021年11月3日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
クチンシティFC 1-2 スランゴールFC
得点者:マイケル・イジェジ(67分)、スランゴール-ダニアル・アスリ(18分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(90+6分)
 前節の同一カードでは1-5と敗れているクチンシティFCは、この試合でもスランゴールFCに先制を許したものの前節同様、マイケル・イジェジの2試合連続となるゴールで同点に追いつきます。しかしこの試合ではスランゴールFCの攻撃を耐え忍んでこのまま引き分けかと思われたロスタイムに痛恨の失点で敗れ、残り2試合を残しマレーシアカップグループステージ敗退が決まっています。
 主力選手を欠きながらも土壇場での勝利でグループステージ突破を決めたスランゴールFCは、次節はグループ首位のトレンガヌFCを本拠地に迎えます。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年11月3日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 4-0 ペラFC
得点者:トレンガヌ-マカン・コナテ(13分)、デヴィッド・ダ・シルヴァ(20分)、デシ・マルセル(26分)、ファイサル・ハリム(63分PK)
 グループ首位のトレンガヌFCが4連勝で首位を堅持しています。トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督は前節の同一カードで4-1と圧勝したメンバーから外国籍選手を入れ替えて臨みましたが、リーグ戦では不調だったデヴィッド・ダ・シルヴァがマレーシアカップ初先発となったこの試合で初ゴールを決めるなど、選手をローテーションしても圧勝し、4戦無敗でグループステージ突破を決めています。
 トレンガヌFCとの2試合で8失点のペラFCは、クチンシティFCと入れ替わってグループ最下位に転落するとともに、マレーシアカップ敗退が決まっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1TFC44001221012
2SEL43019459
3KUC4013411-71
3PRK4013311-81
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年11月1日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッドFC 3-3 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:ケランタン-谷川由来(22分)、ガッサマ・アルフセイネイ(39分)、シャフィジ・イクマル(78分)、マラッカ-ソニー・ノルデ(25分)、S・クマーラン(55分)、マヌエル・オット(84分)
 前節の同一カードでは1-2と敗れているケランタン・ユナイテッドFCは、ケランタンのレジェンド、バドリ・ラジからのパスを受けた谷川由来選手がペナルティエリアの外から豪快にシュートを決めて先制します。その直後に同点されるものの、エース、ガッサマ・アルフセイネイが逆転ゴールを決めて前半はケランタン・ユナイテッドFCがリードして折り返しました。後半開始直後に再び同点されるも、途中出場直後のシャフィジ・イクマルがゴールを決め、マレーシアカップ初勝利が見えたところで、同点に追いつかれ引き分けに終わっています。この結果、ケランタン・ユナイテッドFCのマレーシアカップグループステージ敗退が決まりました。
 マラッカ・ユナイテッドはFCは、前節でもケランタン・ユナイテッドFCの守備陣を悩ませたソニー・ノルデが同点ゴールを決め、さらに引き分けに持ち込んだゴールを演出するなど勝点1獲得に貢献し、グループステージ突破を決めています。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*11月2日に予定されていたヌグリスンビランFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、クダ・ダルル・アマンFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1MLU4310105510
2KDA330110379
3*NSE310318-73
4KLU401349-51
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年11月2日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 サバFC
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(6分)、 ベルグソン・ダ・シルヴァ2(34分PK、90+3分)
 マレーシアカップでもローテーションで選手を交代させながら戦っているJDTが4試合連続の完封勝利でグループステージ突破を決めています。
 一方サバFCは2試合連続の完封負けでケランタンFCと入れ替わって最下位に転落しています。

2021年11月2日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFC 0-0 PJシティFC
得点者:なし
 両チームとも決め手を欠いたこの試合は、同一カードで連敗を避けたいケランタンFCが本拠地でPJシティFCを相手に引き分けています。
 PJシティFCはケランタンGKの好守に阻まれたものの、Mリーグ同様、「負けない」試合運びで確実に勝点1を獲得してグループ2位を死守しています。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1JDT440080812
2PJC41214315
3KEL402237-42
4SAB402238-52
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC