5月28日のニュース:クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束、カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり、国内フットサルリーグも9月再開の予定

クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束
 Mリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフには2月以降は給料が支払われておらず、その原因の一つが政変によるクダ州政府内の混乱が挙げられていますが、就任したばかり尾クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー新州首相は、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAを支援を行うことを表明しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、KFAは政府機関ではないものの、クダ州民によって高く評価されているクダ州のサッカーのために、クダ州政府は未払い問題問題解消のためにKFAへの金銭的な支援を行うとしています。
 クダ州政府庁舎で記者会見したサヌシ州首相は、マレーシアサッカー協会FAMにアドバイスを求め、それに従った方法でKFAの立て直しを行いたいと話しています。また5月19日に前州政権がKFAに配分することを承認したとされている150万リンギ(およそ3720万円)についてサヌシ州首相は「前政権が政権交代直前に承認を行ったと聞いているが、その分配については前政権下で審議されたもので、150万リンギは金額も大きいため、現政権のもとで再度審議を行う必要があると考えている。前政権の承認が妥当かどうかを検討したい。またその一方で別の形での未払い給料問題解決も模索したい」と話しています。
 またサヌシ州首相は、ムクリズ・マハティール前州首相に対して、「ムクリズ氏は州首相を辞任したが、兼任していたKFA会長職の辞任はKFAの総会中に行われるべきである。KFA会長辞任によって起こっているKFA内の問題の解決を求めたい。」とも話しています。

カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり
 マレー語紙ブリタハリアンによれば、ケランタン州サッカー協会KAFAとカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスとの間で、未払い給料問題解決に向けての再交渉がおこ縄える可能性があるようです。
 先日のこのブログでも取り上げましたが、FIFAによるカッシオ選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)の支払い命令に関する仲裁をKAFAがスポーツ仲裁裁判所CASへ申し立てた結果、その申し立てが受理されました。そして、その申し立て内容の精査に2週間かかることから、FIFAによる支払命令執行にも2週間の猶予が与えられています。
 その一方で、この再交渉についてカッシオ選手の弁護士であるザフリ・アミヌラシド氏は、カッシオ選手の権利が保障され、再交渉終了後に再び問題が発生しないよう、KAFAとカッシオ選手間の単なる再交渉ではなく、CASの仲介による「調停」とすべきであると主張しています。「両者が再交渉を行い、同意した結果、調停役のCASは文書で示されたその同意内容を承認するという形にすることを望んでいる。」と話すザフリ氏は、そうすることによってKAFAはCASが承認した調停内容に従う義務が発生し、選手の利益が損なわれる危険性がなくなるとしています。

国内フットサルリーグも9月再開の予定
 国内リーグMリーグは9月再開を目指して、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会の承認を待っているところですが、やはり中断中の国内フットサルリーグについても同様に9月1日からの再開を目指すことをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。
 マレー語紙ハリアンメトロによると、12チームが参加する国内のフットサルリーグ、マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは、試合数の変更などは行わず22試合を予定通り行う予定ということです。なお、MPFLは3月15日の第1節終了後にリーグが中断しており、各チームとも21試合が残っています。
 なおMリーグは日程を改編し、Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームの1回戦総当たり形式となることが決まっており、既に第4節まで終えている両リーグは9月中に全日程を無観客試合で行う予定が発表になっています。

5月25日のニュース:クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに、代表はW杯予選前の準備にMリーグクラブと対戦も、U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か

クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、クダFAの選手およびスタッフには、結局、ハリラヤ(イスラム教の断食月明け大祭)前に未払い給料が支払われることはなかったと報じています。
 このブログでも、辞任したムクリズ・マハティール前クダ州首相が辞任前に州政府からクダ州サッカー協会KFAへ200万リンギ(およそ4930万円)の配分を承認したとする記事を取り上げました。またその一部の50万リンギはハリラヤ前に選手およびスタッフに支払われると発表したKFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長も辞任しており、真相は闇の中です。
 しかしクダFAの数名の選手がソーシャルメディア上でKFAの対応を非難しており、シンガポール出身のシャキル・ハムザは自身のインスタグラム上で、(アスミルル名誉事務局長の発言に対して)「本当だったらよかったのに…。」とコメントし、アズリ・ガニはこれを自身のアカウントでシェアしている他、イファット・アクマル・チェック・カシムは自身の2月以降は全く給料を受け取っていなことをほのめかしています。
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 前州政権が配分を承認した200万リンギが、現政権によって反故にされる可能性もあり、そうなれば、既にモチベーションが下がっているであろうクダFAの選手たちにとって、さらにやる気を失わせる原因になるどころか、クダFAにとっても来季のクラブライセンス獲得の生姜になる可能性もあります。

代表はW杯予選前の準備でMリーグクラブと対戦も
 10月から再開予定とされるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前に、代表のタン・チェンホー監督は練習試合の必要性を訴えていますが、新型コロナウィルスの影響により移動制限などが課されている現状では試合を組めていないことから、マレー語紙ハリアンメトロは、Mリーグのクラブが代表の練習試合の相手になる可能性を取り上げています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、各国の新型コロナウィルスへの対応は異なり、感染拡大を防ぐために外国人の入国を禁じている国もあることから、国外遠征については現時点での日程の確定は難しいと話しています。
 そこで代案として上がっているのは、Mリーグのクラブとの対戦ということです。
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 素人目線では、Mリーグ外国籍選手選抜とマレーシア代表が試合をすれば、国外に出かけていく必要もなく、そこそこ質の高い相手との良いウォーミングアップになりそうだとも思いますし、サポーターの関心も集められそうですが、そう言うわけにはいかないのでしょうか。

U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か
 昨年2019年末の東南アジア競技大会シーゲームズに出場するU22大表の合宿に招集されながら、結局は書類不備を理由にマレーシアU22代表に選ばれなかった、MSLのスポーティング・カンザスシティに所属するワン・クザイン・ワン・カマルの弟で、アメリカ2部リーグUSLのセントルイスFCでプレーするワン・クズリ・ワン・カマルが、10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表の候補合宿に招集される可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、現在18際のワン・クズリ選手はマレーシア代表としてプレーするの必要な書類は全部揃っているとブルナマの取材に答えています。
 来年2021年にインドネシアで開催されるFIFA U20W杯のアジア予選も兼ねる今回のAFC U19選手権で、マレーシアは予選を突破しての初出場を目指しています。
 AFC U19選手権予選を全勝で突破したU19代表の選手たちの他、U19を強化するために数名の選手の様子を追跡していると話すカマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手がその1人であるとした上で、「両親がいずれもマレーシア人であり、年齢が18歳のワン・クズリ選手はU19代表に参加できる条件を揃えており、さらにワン・クズリ選手本人も代表でプレーすることを望んでいる。」と話しています。
 カマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手の他に、U19代表の戦力強化につながるサバ州とマラッカ州出身の2選手を追跡調査していることも明かしています。

5月24日のニュース:ケランタン州サッカー協会は州政府に経済支援を依頼、U18代表はAFC U19選手権に向けてモチベーションを維持、Mリーグ1部のスポンサーはさらなる支援を表明

スラマッ・ハリラヤ・アイディルフィトリ!イスラム教の断食月が明けました。新型コロナウィルの影響で、今年は例年になく静かなハリラヤ(断食月明け大祭)です。

ケランタン州サッカー協会は州政府に経済支援を依頼
 運営資金不足に苦しむケランタン州サッカー協会KAFAは、ケランタン州政府への経済支援を求めていることを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するため立ち上げられたTRW社は、アフターイメージ社が株式の80%、KAFAが残る20%を所有していましたが、アフターイメージ社がTRW社の、つまりケランタンFAの運営から撤退を表明したことにより、最大のスポンサーを失ったKAFAがケランタン州政府に泣きついた、と言う図式のようです。
 KAFAの活動委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、「KAFAの経済的困窮に対して、ケランタン州政府の支援を求めたい。KAFAを支援することで、ケランタン州政府に対する人々の印象は良くなるだろう。」と勝手なことを述べています。
 先日、TRW社のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長が辞任し、TRW社の最大スポンサーであるアフターイメージ社が撤退を決めたことは、このブログでも取り上げましたが、新型コロナウィルスによりMリーグが中断し、入場料収入やグッズの売り上げ収入を失ったことで既に資金不足に陥っていたKAFAにとって、アフターイメージ社の撤退がさらに追い討ちとなったということです。
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 FIFAがKAFAに命じていた、かつてケランタンFAに在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスへの未払い給料の62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払い期限は昨日5月23日でしたが、これについては支払いが行われたという報道もなく、また2019年以前に在籍したマレーシア人選手からも、約束された未払い給料の分割払いも入金されていないことが明らかになっており、KAFAは八方塞がりの状況です。 

U18代表はAFC U19選手権に向けてモチベーションを維持
 今年10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表は、マレーシア政府が来月6月に発表する予定のサッカーの試合に関する対応を盛り込んだ標準作業手続きSOPに従って練習再開を目指していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシア国内では新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、あらゆるサッカー活動が中断しており、Mリーグ同様、各年代の代表チームの練習も行われていません。そんな中、U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、ブルナマの取材に対し、選手たちはコーチが用意した練習メニューを各自、自宅で行っており、選手の家庭訪問を行い、その様子を見る限りでは、選手たちはモチベーションを現在も高く維持できていると話しています。
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 このブログでも何度か取り上げた時代のエースと目されるルクマン・ハキムやムカイリ・アジマル(いずれもスランゴール2)を要するこの年代は、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府のスポーツ青年省が運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPを卒業したばかりの第1期生が中心で、U18時代にはASEANサッカー連盟AFF U 18選手権ではオーストラリアを破るなど、期待の高い年代です。またAFC U19選手権予選で優勝候補のタイや開催国のカンボジアを破り全勝で予選を突破しており、AFC U19選手権では上位4チームに与えられる来年2021年のFIFA U20ワールドカップ出場資格獲得を目指しています。
 なおマレーシアは、1997年に当時はFIFAワールドユース選手権の名称で開催されていた現在のU20ワールドカップの開催国となり、開催国枠で出場しているため、記録上は2回目の出場を目指しています。中村俊介選手、宮本恒靖選手、柳澤敦選手らを要した日本代表も参加したこの1997年の大会で、マレーシア代表はグループステージを0勝4敗として敗退しています。

Mリーグ1部のスポンサーはさらなる支援を表明
 マレーシアの国内リーグ、Mリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーであるCIMBは当初の予定通りのスポンサー料支払いに加えて、さらなるサッカー再興への支援を行う用意があることも表明しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によれば、Mリーグを運営するマレーシアフットボールMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、Mリーグのスポンサー各社のスポンサー料支払いについては特に変更はなく、MFLは各社と連絡を取り合っていると話しています。
 「Mリーグは(450億円とも言われる損失を出す可能性がある)世界規模でビジネスを行っている英プレミアリーグEPLとは異なり、マレーシア国内だけのビジネスでありその規模は大きくはない」と話すアブドル・ガニCEOは、スポンサー契約1年目のCIMBは当初の契約どおりのスポンサー料を支払うことになっている他、いわゆる「ニューノーマル」下でのサッカー再興のための追加支援が行われる可能性にも言及しています。
 しかしマレーシア第2の金融グループであるCIMBがスポンサー継続を表明する一方で、他のスポンサー企業、特に中小企業については状況は異なるようで、活動制限令発令によりビジネスが影響を受け、業績が落ち込んでいる企業の中にはスポンサーとしての義務を果たせない企業もあるようだと、ニューストレイトタイムズは伝えています。
 そういった企業の担当者は、業績悪化によりスポンサーとしての契約を果たすことが難しい一方で、Mリーグのスポンサー撤退は考えていないとして、今年のスポンサー料の減額、あるいは金額を変更せずに、来年以降もスポンサー契約を結びながらより少ない金額で複数年契約といった形で義務を果たしたいと話しています。

5月19日のニュース:クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる、代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持、ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請

クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる
 給料未払い問題が連日報道されているクダ州サッカー協会の次期会長の候補にクダ州皇太子が浮上していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 州政府内で起こっている政権交代により、マハティール・モハマド前首相の息子のムクリズ・マハティール氏が州首相を辞任し、同時に兼任していたクダ州サッカー協会KFAの会長も辞任しました。
 空席となったKFA会長には、慣例通り新州首相のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー氏の就任が有力ですが、一部にはクダ州王室のトゥンク・サラフディン・バドリシャー・スルタン・サレフディン皇太子殿下が就任するのではという噂もあります。
 KFAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、新会長選出はKFAの規則に則って行われることを強調しています。「KFAの会則では、KFAの会長職は自動的に州首相が指名されるものではない。資格がある個人は誰でも次期KFA会長の候補者となることができ、KFAの36加盟団体による選挙を経て、会長としての指名を受ける手順になっている。しかしその一方で、KFAの加盟団体はクダ州首相を候補として推薦する予定である。」と話しています。
 KFAに変革がもたらされることを期待するサポーターは、クダ州皇太子が会長となってリーダーシップを発揮することを歓迎していると、ハリアンメトロの記事は結んでいます。
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 皇太子と言えば、JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下が有名ですが、スランゴール州サッカー協会FASの会長もスランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャー殿下が勤めています。FAS内での権力闘争(報道によれば)で、FASが運営するスランゴールFAは国内で最大のクラブだったかつての栄光が霞むような状況でしたが、トゥンク・アミル・シャー殿下が2018年7月に就任した以降は、状況が改善しているとされています。

代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持
 10月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に臨むマレーシア代表は、これまでとほぼ同じチーム編成で戦うだろうと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表のタン・チェンホー監督は「代表選手は(W杯予選として最後に試合をした)昨年2019年11月から一度も集まってはいないが、現在でも選手間の理解が維持されていることを期待している。Mリーグが再開すれば、新戦力の発掘を行うつもりだが、現時点ではお互いを理解できているチーム編成を大幅に変更するつもりはない。」と話しています。
 なお、アジアサッカー連盟AFCは、マレーシア代表のW杯予選日程として10月8日にアラブ首長国戦(ドバイ)、10月13日にベトナム戦(ブキジャリル国立競技場)を予定しています。
 さらにタン監督は「Mリーグが9月に再開すれば、少なくとも選手は目標を持って練習を行うことができるが、万が一、Mリーグが中止となれば練習不足による選手の体調だけでなく精神状態も影響を受ける可能性がある。」と話しています。

ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、FIFAによって命じられている未払い給料の支払い命令について、スポーツ仲裁裁判所CASに仲裁を求めたと、ブルナマが報じています。
 かつて在籍したカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払いを5月23日を期限としてFIFAに命じられているケランタンFAは、支払い期限の延期を求めてスポーツ仲裁裁判所に仲裁の申請を行ったことを、KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド行動委員会会長が明らかにしています。
 KAFAは、FIFAによる未払い給料支払いの裁定に対して控訴中であり、FIFAの裁定が確定するまでの間は、支払を猶予するようCASに仲裁を求めているということですが、CASからの返事はまだ届いていないということです。
 また、KAFAがサポーターに募っている寄付は5月17日の時点で1万2400リンギが集まっているということで、今後もっと多くのサポーターが寄付してくれることを望んでいるとムザッキル委員長は話しています。

5月17日のニュース:ケランタン州協会の実際の未払い給料は4900万円超、代表監督は無観客試合でも試合観戦が可能に、マラッカ・ユナイテッドは3月と4月の給料が遅配

ケランタン州協会の実際の未払い給料は4900万円超
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、退団した選手の未払い給料を今月末までに支払うことを国際サッカー連盟FIFAに命じられていますが、KAFAにはこの他にも200万リンギ(およそ4920万円)を超える選手やスタッフへの給料が未払いになっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 かつてケランタンFAに在籍したカッシオ・フランシス・デ・ジーサスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ 1550万円)の支払い期限が迫る中、KAFAのフシン・デラマン事務局長はこの200万リンギを超える未払い給料は2017年シーズンから2019年シーズンの外国籍選手を含めた選手とスタッフのものであることを明らかにしています。
 「外国籍選手の未払い給料については、該当選手がFIFAへ訴え出て審査中のものが5、6件あるが、カシオ選手のような巨額のものはなく、総額は他の選手やスタッフの分を加えても200万リンギ程度である。」とフシン事務局長は話しています。
 これまでKAFAはFIFAが未払い給料として調査中のものが総額400万リンギを超えると冴えており、その中には今回のカッシオ選手の分も含まれていました。
 フシン事務局長は新型コロナウィルスの影響により、入場料収入が途絶え、スポンサーや広告主がスポンサー料や広告費の支払いも滞っており、未払い給料問題を解消するための予定が狂ってしまったとしており、未払い給料問題の解消は来年以降にずれ込む立とうと話しています。

代表監督は無観客試合でも試合観戦が可能に
 現在中断中の国内リーグMリーグは9月に再開となった場合でも無観客試合で実施されることが予想されていますが、その際にマレーシア代表のタン・チェンホー監督はスタジアムでの観戦が許可されるだろうと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 本日5月16日から再開されるドイツリーグは無観客試合が行われていますが、ヨアヒム・レーヴ独代表監督すらスタジアム内への入場が許可されていないようですが、マレーシアサッカー協会FAMはタン監督のスタジアム入場を認める他、一部コーチ陣も入場可能ということです。リーグ再開の翌月には中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選も再開されることから、選手の隊長確認や新戦力のスカウティングなどの目的で許可されているようです。
 この他にスタジアムへの入場が許可されるのは試合をする両チーム、審判、そして試合に直接関わる関係者のみということです。
 Mリーグが予定通りに再開されれば、代表候補選手はリーグ最終戦終了後の9月28日に合宿に招集され、そこから10月に予定されているW杯予選に臨むことになりそうです。

マラッカ・ユナイテッドは3月と4月の給料が遅配
 今季開幕以来、給料未払い問題により既に勝点3の剥奪(剥奪)処分を受けているマラッカ・ユナイテッドの選手およびスタッフは3月と4月の給料も未だ支払われていないと、英字紙スター電子版が報じています。
 マレーシア国民の7割近くを占めるイスラム教徒にとって1年間で最も大切な祝日の一つである断食月明けの祝日ハリラヤまであと1週間となり、選手の不満も高まっているようで、ラズマン・ロスマン主将は「未払い給料問題は新型コロナウィルス感染拡大前から存在しており、クラブの経営陣には直ちに支払うことを求める。」
 マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス発給審査を担当する第一審機関により、現在発令中の活動制限令MCO解除までに未払い給料を支払うという猶予期間を与えられていますが、MUSAはマレーシア国内の政変による州政府内の混乱なども理由に上げています。しかし、理由の如何に関わらず、この状況が続けば、マラッカ・ユナイテッドはさらに勝点を剥奪される可能性もあります。
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 マラッカ州も昨日取り上げたクダ州同様、国政での与党再編により州政府で政権交代が起きた州で、政権交代により新たに州首相となったスライマン・モハマド・アリ氏が慣例通り、3月19日にマラッカ州サッカー協会会長に就任しています。マラッカ州サッカー協会は、マラッカ州政府を最大スポンサーとしており、マラッカ州政府内の権力の構図が変われば、直接、影響を受ける立場にあります。州政府に依存する州協会という政治とサッカーがつながる図式による負の面の影響を受けているのがマラッカ・ユナイテッドの選手たちということです。。

5月16日のニュース:クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因、タイリーグの代表コンビも給料削減に同意、トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表、一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表

クダFA選手への給料未払いは混乱する州政府が原因
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、Mリーグ1部のクダFAで起こっている給料未払い問題は、クダ州政府内の権力闘争によってさらに複雑化していると報じています。
 以前の報道では、クダFAの選手は30%しか支払われていない2月の給料の残りを先週末に、全く支払われていない3月と4月の給料をイスラム教の断食明けの祝日ハリラヤ前に支払うと約束されていましたが、クダ州議会で起こっている権力闘争によって、その約束が守られておらず、本来ならば1年で最も賑やかに祝われるハリラヤが、今年はそうならないだろうとスタジアムアストロが報じています。
 ことの発端は今年2月にマレーシアで起こった政変による与党連合の再編でした。これにより旧与党連合が政権を握っていた多くの州政府では州首相の交代が起こっています。日本でも有名なマハティール・モハマド前首相の三男、ムクリズ・マハティール氏が州首相を務めるクダ州でも与党連合から複数の議員が離党したことで、与党勢が過半数を割り込み、これまで議会工作などによって政権にしがみついていたムクリズ氏の失脚、そして政権交代が今週中にも起こるだろうと言われています。
 そして州政府が最大のスポンサーであり、州首相が会長を兼任するクダ州サッカー協会KFAは。ここ数ヶ月続いているこの政治的混乱の影響を受けているとされています。
 現在は自宅のあるシンガポールに帰国しているアイディル・シャリン監督は「この給料未払いにより選手のモラルが低下しているのではないかと心配している。政権を担当するのが誰であれ、クラブの福利を考えてくれる人物を支持したい。」と話し、PKNS FCから今期、クダFAに加入したクパ・シャーマンは「この3ヶ月間は非常に苦しかった。クラブの全員が状況を理解してはいるものの、我々にも家族があり給料が必要だ。この状況を改善するために誰かが何かをしてくれるのを祈りながら待つしかできない。」と話しています。
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 同じような状況はマラッカ州でも起きており、マラッカ・ユナイテッドで起こっている給料未払い問題も、州首相の就任による政権交代が原因にあるのは明らかです。旧与党連合が政権を握っていたのはこの他にスランゴール州、ヌグリスンビラン州などがあり、こういった州のサッカー協会が運営するクラブでも、今後同様の問題が発生する可能性はあります。

タイリーグの代表コンビも給料削減に同意
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、タイ1部リーグでプレーするマレーシア代表のドミニク・タンとノーシャルル・イドラン・タラハがいずれも所属するクラブからの給料削減に応じたと報じています。
 ポリス・テロFCでプレーするタン選手は「新型コロナウィルスによって世界中で引き起こされていることを理解し、タイサッカー協会FATによって発表された50%の給料削減を受け入れた」と話しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするノーシャルル選手は先月から、給料が30%削減されていることを明かしています。さらに「クラブと自分との間で、3ヶ月間は給料を30%削減することで同意している。また、クラブがトップ3でリーグを終了すれば、削減された分の給料も支払われることになっている。」とも話しています。
 タン選手とノーシャルル選手は、リーグが再開した時点で契約通りの給料を受け取ることになっていることもスタジアムアストロは報じています。

トレンガヌFCがこのタイミングで?限定版ユニフォーム発表
 Mリーグ1部のトレンガヌFCは公式Facebook上で、新しいユニフォームの販売を告知しています。今季のトレンガヌFCのユニフォームサプライヤーのAl-Ikhsan Sports社製で1000着限定で発売されるこのユニフォームはblackout版と名づけられ、クラブのロゴも含めて全てが鉱物のオニキスに因んだ黒色のユニフォームで、速乾性のスマートドライという生地が使われています。
 本日5月16日より販売となり、価格は149リンギ(およそ3670円)でトレンガヌ州のスポーツショップのほか、クアラルンプール市内でも販売されることになっています。
 写真はトレンガヌFCの公式サイトより。鈴木ブルーノ選手とリータック選手がモデルになっています。
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 Blackoutとは停電ですが、漆黒の闇くらい黒いということでしょうか…。 

一方スランゴールFCはチャリティーTシャツを発表
 一方スランゴールFCは公式Facebook上で、Never give upの文字と、スランゴールFCの選手の顔がデザインされたTシャツの販売を発表しています。
 値段は35リンギで(およそ860円)で、このTシャツの売り上げの一部は、新型コロナウィルスの影響を受けている方々への支援に使われるということです。

5月15日のニュース:来季のMリーグは外国籍選手が減少の可能性、タイ代表に来季のJDT加入の噂、スランゴールFAは給料削減が11月までには終えられることを期待

来季のMリーグは外国籍選手が減少の可能性
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、経営難に苦しむMリーグのクラブの中から今後は高額外国籍選手との契約解除を行うクラブが出るの可能性を報じています。
 新型コロナウィルスの影響により3月中旬から国内リーグMリーグは中断していますが、その再開の可能性は早くとも9月とされており、収入不足から多くのクラブが給料削減を行っています。
 ハリアンメトロによれば、Mリーグの複数のクラブが外国籍選手の契約を来季まで延長しない、契約完了前の早期契約解除、所属する外国籍選手数の削減などの方法で、リーグ中断による経営難に対処しようとしているとしています。
 特に多くのクラブが検討中であるとされるのが、今季終了後に契約が切れる外国籍選手についてはその契約を延長しないケースです。ハリアンメトロはその理由として解約期間中の契約解除などと比べると法的問題が発生しないことを挙げています。
 マレーシアで代理人業務を行なっているエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏によれば、外国籍選手1人との契約を解除することで、クラブは1ヶ月あたり2万リンギ(およそ49万3000円)から5万リンギ(およそ123万円)の節約できるとし、今季終了時にそういった選手との契約を解除し、来季には代わりに給料がより安い外国籍選手を獲得するクラブがあるだろうと予想しています。
 「外国籍選手は各クラブに良い影響をもたらすものの、来季はMリーグでプレーする外国籍選手の数が減り、外国籍選手枠(Mリーグ1部は5名、2部は4名、3部は2名+U20 2名)いっぱいまで獲得しないクラブも出るだろう。」と話しています。
 なおハリアンメトロによれば、今季のMリーグ1部スーパーリーグの外国籍選手の平均給料はおよそ2万リンギということです。

タイ代表に来季のJDT加入の噂
 タイ代表の主力選手で現在はタイ1部リーグのムアントン・ユナイテッドに所属するDFサーラット・ユーイェンに来季、JDT入りの噂があります。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCによれば、サーラット選手に来季、Mリーグのクラブへの移籍の噂があり、獲得に関心を持っているクラブの一つがMリーグ6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTだということです。さらに現在、JDTの主将を務めるシンガポール出身のハリス・ハルンに代わって、来季の東南アジア枠での加入となるなどの詳細も噂されています。
 サーラット選手は現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権2023年大会予選で、マレーシアと同組となっているタイ代表の全試合にスタメン出場しており、また2014年と2016年のタイ代表の東南アジア選手権スズキカップの優勝メンバーでもあります。またクラブでは2012年と2016年のリーグ優勝や2016年と2017年のタイリーグカップ優勝なども経験しています。
 なお、この噂が出た後、サーラット選手はタイの英字紙バンコクポストの取材に対して「自分はムアントン・ユナイテッドに満足しているが、何人もの素晴らしい選手や大きなスタジアムを持つJDTのようなクラブに自分が関連づけられて噂されるのは興味深い。現時点では噂ではあるが、もしJDTから獲得オファーがあれば、クラブはその内容を検討するだろう。」と話し、完全に否定をしているわけではありません。
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 来季まで契約が残っているというサーラット選手にも、またクラブにも現時点では正式な獲得オファーは届いていないということですが、ムアントン・ユナイテッドは近年、チャナティップ・ソングラシン(コンサドーレ札幌)、テーラトン・ブンマタン (横浜F・マリノス)、ティーラシン・デーンダー(清水エスパルス)など主力選手を移籍、あるいは期限付き移籍させているということで、「火のないところに…。」といったところかも知れません。

スランゴールFAは給料削減が11月までには終えられることを期待
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは、給料削減が11月までには終わるだろうという予測を立てていると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 自身も給料削減を受け入れているというFASのジョハン・ハミドン事務局長は、1980年代には国内で最も裕福な州FAと言われていたFASも新型コロナウィルスの影響で、3ヶ月間、10%から30%の給料削減を行っていると話す一方で、この状況は11月までには改善し、12月には給料の全額支給が可能になるよう、スポンサーや広告主に支援の継続を求めていることを明かしています。
 Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが予定している通り、9月に再開し、カップ戦も含めて11月までに全日程が終了すれば、クラブ運営の経費も少なくて済むと話すジョハン事務局長は、万が一、リーグが12月まで続くようだと、12月の試合のための予算を計上していないFASにとって大きな問題になるだけでなく、おそらく他のMリーグクラブにとっても問題になる、とも話しています。
 ジョハン事務局長は、リーグが再開されても無観客試合となる可能性があるMリーグについて、MFLによるリーグ再開の際の指針を待っていると話し、FASは年間パスを持っているサポーターに対して、今季の年間パスは来季も使えるようにする予定であると話しています。

5月9日のニュース:タイのクラブがジオゴ獲得を画策か、その一方でJDTはタイの選手獲得を画策か、そこでMリーグにお勧めのタイ代表5選手

リーグ中断が2ヶ月近く続き、給料未払い問題以外はMリーグ関連のネタが少なくなってきたので、今回は「噂」をもとにした記事3本です…。

タイのクラブがジオゴ獲得を画策?
 サッカー専門サイトのヴォケットFCによると、タイのバンコクをホームとするクラブが、Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTのエース、ジオゴ・ルイス・サントスの獲得を狙っているという「噂」がある様です。
 タイのサッカー関連のツイッターAll Things Thai Footballが以下の様な内容をツイートしているということです。
・バンコクをホームにするタイリーグの「トップクラブ」が、JDTのジオゴ・ルイス・サントス獲得についての問い合わせをJDTに対して行った。
・そのJDTはタイ代表でプレーする選手の獲得を目論んでいる。
この噂を取り上げたAll Things Thai Footballは、JDTとこのトップクラブとの間の交換トレードの可能性についても言及しているということです。
 この噂をもとにヴォケットFCが調べたところ、バンコクにホームを持つクラブは1部リーグ所属でマレーシア代表のドミニク・タンが在籍するポリス・テロFC、ポートFC、そして3部のバンコクFCがあり、この内、ポートFCは昨季2019年シーズンのタイFAカップのチャンピオンです。
 また経営的にはタイで最大のレムチャバン港とバンコク港を運営するタイ港湾公社もオーナーの一つであることから、ポートFCが上記の3クラブの中では最も可能性が高いクラブであるとヴォケットFCの記事は結んでいます。
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 JDT加入までの2015年から2018年まではタイ1部のブリーラム・ユナイテッドでプレーし、105試合出場したリーグ戦で、101ゴールを挙げるなど、驚異的な記録を残しているジオゴ選手は、2015年にはブリーラム・ユナイテッドのの国内5冠に貢献するなど

その一方でJDTはタイの選手獲得を画策?
 同じTwitter投稿をもとに、フットボール・トライブのマレーシア版はJDTのタイ代表選手獲得の噂を取り上げています。
 現在、中段中のMリーグはリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが9月再開を計画しているものの、マレーシア政府による認可を待っている状態です。そんな中でMリーグのクラブが選手の獲得に動くのかどうかはわかりませんが、フットボール・トライブは、JDTの外国籍選手全員が30歳を超えている事実を挙げて、その可能性を探っています。
 「ジオゴ選手は33歳でJDTで最年長の外国籍選手であり、主将のハリス・ハルンは今年30歳になる。しかし、選手の年齢は、選手がピークのパフォーマンスを維持できていれば問題にならない。現JDTのチームマネージャーを務めるルシアーノ・フィゲロアは35歳までJDTでプレーし、37歳で一度現役に復帰している。この事実からわかることは、JDTの外国籍選手はあと数年はプレーしても不思議ではない。」と、結局は噂扱いかと思いきや、「しかし、JDTがAFCチャンピオンズリーグでより上のレベルを目指すのであれば、選手を入れ替える可能性は否定できない。」とも述べています。

Mリーグにお勧めのタイ代表5選手
 JDTがタイ代表獲得、というのはあくまでも噂なのですが、少々気の早いヴォケットFCは、Mリーグでプレーすればリーグの質を高めてくれるだろうタイ代表選手5名を紹介しています。なお各選手の評価はヴォケットFCの評価をそのまま使っています。
1)FWスパチャイ・ジャディード (ブリーラム・ユナイテッド)
22歳のスパチャイ選手は、ウィングとしてもストライカーとしてもプレーできる現在、売り出し中の若手のエースです。
2)MFティティパン・プアンチャン(BGパトゥム・ユナイテッド)
昨季2019年シーズンはJリーグの大分でプレーしたティティパン選手は、その経験でクラブのプレーの質を高めてくれる選手です。
3)攻撃的MFエカニット・パンヤ(チェンライ・ユナイテッド)
昨季のタイ1部リーグのチャンピオン、チェンライ・ユナイテッドの主力として優勝に貢献したエカニット選手は、弱冠20歳ながらフル代表でもプレーしています。
4)DFアディソン・プロムラク(ムアントン・ユナイテッドFC)
タイでプレーするDFの中でもトップクラスのアディソン選手は、クラブでは2016年のタイリーグ優勝、代表では2012年と2014年のAFF選手権スズキカップ優勝など多くのタイトルを獲得しています。
5)エリアス・ドラ(ポートFC)
ポートFCの主力の1人で、西野朗氏のタイ代表監督就任とともに代表へ招集されるようになった優れたDFです。
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 2つ目の記事を参考にすると、ポートFCがジオゴ選手と交換で選手を放出するとなれば、当てはまるのはドラ選手となります。代表選手としての経験は少ないものの、年齢が27歳、しかも198cmのセンターバックはJDTの現職マウリシオよりも年齢で4歳、身長で13cm高く、ACLでは守備力が課題のJDTの補強ポイントとも合致します。

5月8日のニュース:ケランタンFAにリーグ除名の危機、PJシティFCは未払い給料問題なし、クダFAのサポーターグループが州FAに給料未払い問題の早期解決を要望

ケランタンFAにリーグ除名の危機
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、国際サッカー連盟FIFAはMリーグ2部プレミアリーグのケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAに対し、2018年シーズンに同クラブに加入し2019年シーズン途中に移籍した外国籍選手のDFカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス(現在はインドネシア1部リーグのバリトプテラに在籍)に対する未払い給料14万5944米ドル60セント(およそ1550万円)を30日以内に支払うことを命じたと報じています。
 4月23日付で発表されたこの決定により、もし期限内にKAFAが支払いを行われなければ、FIFAの懲罰委員会からの処分を受け、KAFAはマレーシア国内であらゆるレベルでのサッカー活動への参加が禁じられることになります。
 新型コロナウィルス感染拡大によりリーグが中断していることよって入場料収入が途絶え、マレーシア人選手への未払い給料も数千米ドルあると言われているKAFAにとっては、最悪の場合、リーグ再開を待たずにMリーグから除名となる可能性もあります。
 またFIFAは今年2回目と来年1回目の2回のトランスファーウィンドウ移籍期間中にケランタンFAが新たな選手を獲得することを禁じています。この措置はマレーシア人選手と外国籍選手の両方に適用され、現在、所属する選手との契約を解除しながら、新たな選手を獲得して同様の「違反」行為が行われることをFIFAが未然に防ぐための措置だとハリアンメトロは説明しています。
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 KAFAについては、昨日ちょうどこのブログでも、Mリーグが9月に再開となった場合には協会やクラブを支えるスポンサーの功績に報いるために、試合を中継することを望んでいるという記事を取り上げましたが、そうしないとスポンサーや広告主は約束していたスポンサー代や広告費を支払わない可能性もあることからの提言だったのだろうと思います。
 昨年2019年にはプルリス州サッカー協会PFAがやはり外国籍選手への給料未払いにより、FIFAから未払い給料を支払うまで、あらゆるサッカー活動の禁止を命じられ、その結果、PFAが運営していたプルリスFAは昨季途中でMリーグ2部プレミアリーグから除名されています。

PJシティFCは未払い給料問題なし
 上記のケランタンFAの様にMリーグの各クラブが経営に苦しむ中、PJシティFCには未払い給料問題がないと、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 PJシティFCのチームマネージャーであるK・ラジェンドラン氏によると、選手およびスタッフはこれまでの給料を遅延なく支払われていると話す一方で、選手およびスタッフに対する給料削減の内容については詳細を明かしていないということです。
 「削減額はクラブが選手およびスタッフとの間で合意されたものであり、強制したものではない。選手は新型コロナウィルスによってもたらされた現状を十分理解しており、今回の給料削減は、クラブと選手が妥協したものである。今後はマレーシアサッカー協会FAMによる給料削減に関する指針を考慮する。」「選手およびスタッフの給料削減を行うことで、最も重要な『遅配なく給料が支払われている』を強調したい。」と述べています。
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 PJシティFCは、州政府や政府機関から資金援助を受けていないMリーグのクラブのうちの一つで、Mリーグ1部と2部をあわせても、この他にはMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTとMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドしかありません。州政府や政府機関が新型コロナウィルス対策で予想外の支出を強いられ、そのしわ寄せが各クラブの運営費用に影響を及ぼし、給料の遅配や未払いにつながっている中、「民営化」されているクラブにも影響がないわけではないでしょうが、選手およびスタッフが不安になる様な事態にはなっていない様です。

クダFAのサポーターグループが州FAに給料未払い問題の早期解決を要望
 クダFAのサポーターグループの代表が、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに対して、2ヶ月分の給料未払い問題の早期解決を求めていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 クダFAのサポーターグループ25団体を束ねる「赤鷲連合(クダFAのニックネームはHelang Merah赤鷲です)」を代表するモハマド・サファリザル・モハマド・ソブリ氏は、2月と3月の給料を支払っていないとされるKFAが選手およびスタッフの福利に責任を負わない姿勢に失望していると話しています。
 「KFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長は、未払い給料問題に直ちに対応するとメディアに発表しておきながら、状況は改善どころかさらに悪化している。クダFAサポーターグループは、この事態がこれ以上悪化しないためにも直ちに未払い給料を支払い、クラブのイメージをこれ以上悪くしないでもらいたい。」
 「もし、スポンサーからの支援や広告収入が滞っているのであれば。スポンサーとお交渉を続けつつも、直ちに状況を選手およびスタッフに説明し、理解を求める努力をすべきである。」とサファリザル氏は述べています。
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 別のメディアでは、クダFAの選手およびスタッフには2月分の給料は30%のみが支払われ、3月分については全くの未払いと報じられています。
 またこの状況については、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長も、クダ州サッカー協会KFAが選手およびスタッフの給料削減をFAMが作成した指針に基づいて行うことを望むのであれば、まずは遅配となっている2月と3月の未払い給料を支払うか、選手との間で遅配分を分割で支払うことの合意を得るかが必要であると述べています。

5月5日のニュース:AFCはMリーグの暫定日程を承認、国内フットサルリーグの再開を危ぶむ声、マラッカ・ユナイテッドは勝点剥奪を逃れる

AFCはMリーグの暫定日程を承認
 アジアサッカー連盟AFCは、マレーシアの国内リーグMリーグが9月から再開となった場合の暫定日程を承認したと、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが公式サイト上で報じています。なおMリーグはすでに7月からの練習開始と8月からのリーグ再開案がマレーシア政府に却下されており、現在は9月のリーグ再開許可を待っている状態です。
 AFCの事務局長でマレーシア人のウインザー・ポール・ジョン氏は、都合わずか3ヶ月の期間で終了するMリーグについて、AFCはMリーグに課せられた時間的制約を理解した上で、リーグに参加する全てのクラブが同意することとマレーシア政府による標準進行手順SOPを遵守することを条件に、暫定日程を了承するとしています。
 またリーグ参加の全クラブが同意していることを条件にMリーグ1部スーパーリーグとマレーシアカップの優勝クラブがAFC主催大会のAFCチャンピオンズリーグとAFCカップにそれぞれ出場することも併せて承認しています。
 さらにウインザー事務局長は、Mリーグよりも早く再開する他国のリーグの標準進行手順SOPを参考にするべきと話しており、AFCは各国で中断中のリーグ再開について、当該政府によるSOPの遵守が絶対条件になると話しています。

国内フットサルリーグの再開を危ぶむ声
 新型コロナウィルス感染拡大によりMリーグだけでなく、国内フットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLも中断していますが、マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、Mリーグが9月再開となった場合の暫定日程を発表していますが、MPFLに関しては何の告知も行われていません。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、このままMPFLの今季2020年シーズンが終わってしまうことを心配する声を取り上げています。
 3月14日に開幕した今季のMPFLは、この第1節終了後にマレーシア全土に発令された活動制限令の影響でリーグが中断しています。MFPLに所属するトレンガヌのモハマド・ロザイリ・アーマド監督は、Mリーグの暫定日程が発表になっている一方でMPFLについては何も発表がないことから、今季はこのまま中止となってしまうのでは心配していると話しています。
 昨季のMPFLでは3位となったトレンガヌのロザイリ監督は、MPFLを運営するFAMからも、またクラブを運営するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTからも何も情報が与えられていないと話す一方で、マレーシア政府の青年スポーツ省が6月に発表する予定のMリーグ再開の詳細が明らかになれば、MPFLの今後も明らかになるのではないかと話しています。

マラッカ・ユナイテッドは勝点剥奪を逃れる
 2019年分の給料未払い問題により、今季既に勝点3が剥奪(はくだつ)されているマラッカ・ユナイテッドは、この問題を4月末までに解決できない場合にはさらに勝点6が剥奪されることになっていましたが、マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、新型コロナウィルスのおかげで九死に一生を得たようだと報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はハリアンメトロの取材に対し、新型コロナウィルス感染拡大によりマラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAが直面している苦境を考慮して、クラブライセンス委員会の第一審機関(First Instance Body、FIB)が4月30日となっていた支払い期限を当面延期することを決定したと話しています。
 この決定はMUSAが選手との間で同意していた未払い給料の支払い期限を過ぎたにも関わらず、何も支払われていないことが発覚し、その結果として開催されたFIBで決まったとハリアンメトロは報じており、さらにFIBが期限延長を発表した後もMUSAからは何の発表もないということです。
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 2019年分の給料未払いは、新型コロナウィルス感染とは何の関係もなく、単なる放漫経営の結果ですが、それでもマラッカ・ユナイテッドが処分を逃れたのは、FAMのモハマド・ユソフ・マハデイ副会長がマラッカ州サッカー連盟MUSAの副会長でもあるということと無関係ではなさそうで、まぁマレーシアでは珍しくないダブルスタンダードのおかげと言えそうです。まぁこんなクラブをリーグでプレーさせないために、今季開幕前に、FAMはクラブの運営状況を把握する経済コントロールプログラムECPを導入したのですが、その審査は身内がいるクラブには大甘だったということでしょうか。
 9月に再開となった場合、リーグの残り試合は各クラブとも7試合です。万が一、マラッカ・ユナイテッドがここでさらに勝点6が剥奪されれば、勝点は-3となり、既にPDRM FCやUITM FCなど下位のクラブとの試合を終えているため2部降格が見えてきます。しかしそうなっても、今季は昇格と降格は行わない、などあらゆる手を使ってFAMがマラッカ・ユナイテッドを1部に残留させそうです。