7月23日のニュース:MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望、第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望、ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める、ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も

MFLは地域リーグにもSOPの遵守を要望
 新型コロナウィルスの新たな感染者数が連日一桁だった先週とは打って変わって二桁代となっているマレーシアでは、感染の第二波が心配されています。公共の場でのマスクの着用を義務化とそれを破った場合には罰金あるいは禁固刑が検討されるなど、マレーシア政府は必死の対応で感染拡大を防ごうとしています。
 3月半ばから続く活動制限令も当初のいわゆるロックダウン状態から、現在ではそれが大幅に緩和され、徐々に日常が取り戻されつつありますが、その一方で、商業施設などでは現在も義務化されている入店の際の検温や追跡アプリの入力のチェックが行われず、店側も客側も対応がおざなりになっているのを目にすることも多くなっています。
 そういった雰囲気の中、7月15日よりサッカーなど身体接触を含むスポーツを行うことが可能になっていますが、ここで感染者が多発する様なことがあれば、Mリーグの再開に支障があるのではという懸念が広がっています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、このサッカー解禁に伴い、地域のアマチュアリーグなどが再開され、 マレーシアサッカー協会FAMや青年スポーツ省による標準作業手順SOPが守られずにそこでクラスターが形成されることがあれば、Mリーグの再開許可が取り消される可能性もあると報じています。
 これについてMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、「各地域のアマチュアリーグの運営者に対してSOPの遵守を徹底することを強く求めたい。試合を実施する際に感染予防対策が撮れているとは正直思えない。MFLが身体接触を含めた練習の解禁直後に練習試合を許可していないのは、予防対策に万全を期すことが理由だが、各地域のアマチュアリーグもそういった対策を講じた上で運営されることを強く望んでいる。」と話しています。

第一子の出産に立ち会えなかったUITM FCのフランス人DFは一時帰国を希望
 Mリーグ1部UITM FCのフランス出身のMFウスマン・ファネは、活動制限令発令後も帰国せずマレーシア国内に残っていましたが、そのために第一子のしゅっさに立ち会うことができなかったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 「数ヶ月もサッカーをせず、しかも家族が一緒にいなければ多くの人は影響を受けるだろうが、自分は強い意志を持っており、サッカーが自分の仕事であるので、そういったことでサッカーへの集中が妨げられることはない。」と話すファネ選手のリーグ再開前に一時帰国して家族と再会したいという希望に対して、UITM FCもそれを許可する方向で話が進んでいるということです。
 残り7試合は全て出場したいと話すファネ選手は、クラブの目標であるリーグ8位以内を実現できるよう、リーグ再開後はできるだけ多くの勝ち点を詰みあげたいと話しています。

ケランタンFAの監督はチームの現状をポジティブに受け止める
 Mリーグの多くのクラブは身体接触を含まない練習が解禁された6月15日を皮切りにに練習を再開していましたが、練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかったとされるMリーグ2部ケランタンFAは、一昨日7月21日から練習を再開しています。
 このブログでもケランタンFAについて取り上げるときは未払い給料問題に関連する話題ばかりですが、ニューストレイトタイムズ電子版によると、ユスリ・チェ・ラー監督はポジティブな気持ちで練習再開を迎えているということです。
 「シーズン再開に向けての準備の時間が多くないことは理解しているが、試合までに選手全員が試合をするだけの体力を取り戻しているだろう。」と話していいます。
 ケランタンFAは今季第2節のUKM FCとの試合が激しい雷雨で中止になっており、その再戦のため他のクラブに先駆けて7月22日に再開後の初戦を迎えます。これについてユスリ監督は「UKM FCも(練習再開に必要な書類がMリーグを運営するMFLに提出されていなかった)問題から練習を再開したの数日前であり、この初戦はどちらにも勝つチャンスがあると思っている。活動制限令MCO中に(韓国出身の)カン・サンジョが退団しており、残っている選手でやりくりするしかないが、リーグ再開までにこれ以上退団する選手がでないことを祈っている。」と話しています。
 渡邉将基選手も在籍するケランタンFAは新型コロナウィルスによるリーグ中断までの3試合で1勝1分1敗の7位となっています。

ワン・クズリは次回のU19代表合宿に不参加の可能性も
 アメリカ出身で現在開催中のU19代表候補合宿に参加中のワン・クズリ・ワン・カマルは8月3日から始まる二次合宿には参加しないと、マレー語紙ハリアンメトロが報じています。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ワン・クズリ選手が所属するアメリカ2部リーグUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーとの最初の取り決め通り、この第一次合宿が終了後直ちに、アメリカへ帰国することを明かしています。
 新型コロナウィルスの新たな感染者が増える傾向にあることから、マレーシア政府は自国民、外国人を問わず入国の際には政府指定のホテルで2週間の検疫期間を過ごすことを再び義務化しており、再び合宿に参加する場合でも入国から2週間は合流することができません。
 マロニー監督は「ワン・クズリ選手はこの合宿では良いプレーを見せており、周りともうまくやっているようである。二次合宿に参加してくれれば、さらに良くなるだろうと期待している。」と話し、ワン・クズリ選手の二次合宿参加については問題なく参加できる方法を模索していると話しています。
 今週末に一時合宿を終了するU19代表は10月14日から31日までウズベキスタンのタシケントで開催されるAFC U19選手権に出場することになっています。

7月22日のニュース:PDRM FCの外国籍FWが退団、マラッカUはアセアン枠DFと契約解除、クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定、U19代表候補合宿は最終週

PDRM FCの外国籍FWが退団
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、Mリーグ1部のPDRM FCのFWアントニオ・ジャーマンが活動制限令MCO期間中に退団したようです。
 今季2020年シーズン開幕前にPDRM FCに加入した英国出身でグレナダ代表のジャーマン選手は英国2部リーグのクイーンズパークレンジャーズでもプレー経験があるFWで、昨季2019年シーズンには同じMリーグ1部のスランゴールFCに加入したものの、人種差別発言を受けわずか数試合に出場したのみで退団しています。
 ニューストレイトタイムズによると、新型コロナウィルス感染に伴う活動制限令MCOが発令されていた4月中に、ジャーマン選手は親族の不幸を理由に英国に帰国したということですが、これがクラブの承諾を得なかったことから契約違反となり、その結果契約解除となったようですが、ジャーマン選手はシーズン中の契約解除に対して数か月分の給料を賠償金として請求しており、現在は選手、代理人そしてクラブとの間で話し合いが行われているということです。
 PDRM FCのイシャク・クンジュ監督は、MCO期間中もジャーマン選手はクラブから各選手に与えられていた練習メニューをこなしていなかったということで、当初からリーグ再開後も起用の予定はなかったと話し、残る二人の外国籍選手(いずれもトルクメニスタン出身のMFセルダール・ゲルディエフとDFショフラト・ソユノフ)を中心に戦っていくと話しています。

マラッカUはアセアン枠DFと契約解除
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドとアセアン(東南アジア)東南アジア枠のナッザことDFナルポン・ワイルド・プッソーンとの契約解除を発表しています。
 こちらは両者合意の上の契約解除ということです。
 マラッカ・ユナイテッドのムハマド・アクラム・アブドラ チームマネージャーは、チームの戦力にとっては痛手ではあるものの、ナルポン選手の意思を尊重して、契約解除を決めたと話しています。
 また口頭での合意はできているものの、書面での合意には至っていないということで、アクラム チームマネージャーは、もし翻意をすることがあれば、いつでも再交渉の余地はあると話しています。
 その一方で、メディアからナルポン選手の退団の理由を問われたアクラム チームマネージャーは、その説明を拒否したということです。
 この他、アクラム チームマネージャーは8月26日のMリーグ再開に先立ち、練習試合が解禁される8月2日以降にMリーグ2部のヌグリスンビランFAとの練習試合を予定していることも発表しています。試合会場はヌグリスンビランFAのアブドルラーマンスタジアムということですが、日程については現在交渉中ということです。

クダFAはリーグ再開前に4試合の練習試合を予定
 8月26日のMリーグ再開に向け、クダFAのアイディル・シャリン・サハク監督は4試合の練習試合を予定していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 アイディル監督は、クアラルンプールとスランゴール州周辺のクラブと3試合、マレー半島北部のクラブと1試合を予定していると話しています。
 既に練習試合を希望する相手はクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに報告済みだと話すアイディル監督は、現在はKFAの経営陣から試合の実施許可を待っていると話し、できるだけ早く確定させたいと話しています。
 「選手のコンディションは良く、4試合の練習試合はリーグ再開前にチーム全体のレベルアップにとって非常に重要だ。リーグが再開すれば、4週間で7試合をこなす必要があり、しかもその間の移動も含めると、選手には体力と精神力の両方が求められる。」とアイディル監督は話しています。

U19代表候補合宿は最終週
 7月6日から始まったU19代表候補合宿は7月26日が最終日ですが、ハリアンメトロ電子版によると、ここまでの2週間は体力強化を中心に行ってきたU19代表は、3週目の最終週は戦術練習中心を行うようです。
 U19代表のブラッド・マロニー監督は、ここまでの2週間でどの選手も積極的に練習に取り組み、成長が見られると話しています。
 また最終週を前にいずれもGKモハマド・アズリアン・モハマド・アズランとMFモハマド・ナゼミザン・ナスロン(いずれもサバFA)、DFモハマド・ザリフ・シャミル・モハマド・ザマン、MFアブドル・ラジク・アブドル・ラヒム(いずれもマラッカFA)の4名がメンバー外となる一方、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省が運営するエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから元U16代表のGKシャミ・アディブ・ハイカル・モハマド・シュクリを召集しています。

7月21日のニュース:Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮、ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL、ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第

Mリーグは感染者急増のサラワク州の状況を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、サラワク州での新型コロナウィルス感染者が急増した事態を受け、国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは今後の状況を監視していく予定であると伝えています。
 3月半ばから中断中のMリーグは8月26日の再開が発表されていますが、Mリーグには2部プレミアリーグにサラワク州に本拠地を持つクチン FAとサラワク・ユナイテッドがあることから、サラワク州政府が今後、感染拡大を防ぐ処置を発動するかどうかを注視していくと、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは話しています。
 「クチンFAとサラワク・ユナイテッドはいずれも綿棒テストの結果をMFLに提出しており、再開後のリーグ参加は許可されているが、万が一、サラワク州の観戦状況が悪化することがあれば、MFLは両クラブのホームゲームを共有しているサラワクスタジアムではなく中立地で行うことも検討している。」と話しています。
 またガニ・ハサンCEOは、MFLがリーグ再開後の標準作業手順SOPのマニュアルを作成中で、1週間程度で完成し、Mリーグの各クラブに配布される予定であることも明かしています。これにはボールボーイからメディア関係者まで無観客試合で再開されるスタジアムに入場を許可されている全員を対象とした物となっていると言うことです。
 この他、観客の入場については、少なくとも最初の2試合は無観客で開催することは決定しているものの、その後は青年スポーツ省や保健省、国家安全保障委員会から許可が出れば、可能になると話しています。しかしその場合でもスタジアムの収容人数の1割程度の入場者受け入れとなるだろうとガニ・ハサンCEOは話しています。

ACL出場のJDTには試合日程の配慮も-MFL
 Mリーグの再開が、マレーシア政府がサッカーの試合実施許可日とする8月15日ではなく8月26日と決まったことで、Mリーグで暫定の首位となっているジョホール・ダルル・タジムJDTは、ACLを控えていることから過密日程の心配が出ていると、ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 現在国内リーグ7連覇中で、今季2020年シーズンも4試合を終えた時点で勝点10と2位のペラTBGに勝点差2をつけて首位のJDTですが、8月26日に再開するリーグは9月中に終了する予定ですが、その後はこちらも連覇がかかるマレーシアカップが10月17日から開幕する一方で、再開されるアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグも10月17日に広州恒大淘宝FCとの試合が組まれています。
 この過密日程について、マレーシアカップを運営するMFLのガニ・ハサンCEOは「マレーシアを代表してACLに出場するJDTが不利にならないよう、マレーシアカップの試合日程については考慮したい。」と述べ、MFLとしてサポートする姿勢を明らかにしています。
 今季のACLは新型コロナウィルスによる大幅な日程変更を迫られた上、試合も各予選グループごとの1ヶ所開催で行うことが発表されています。JDTは初戦の広州恒大淘宝FC戦後は、10月23日の水原三星戦、10月29日のヴィッセル神戸戦、そして11月1日には再び広州恒大淘宝FCの予定が組まれており、11月4日に決勝が予定されているマレーシアカップとほぼ同時期の試合となっています。

ワン・クザリも他の選手もU19代表メンバー入りは実力次第
 現在行われているU19代表候補合宿に参加しているアメリカ出身のワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルは、アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップUSLCのセントルイスFCのアカデミー所属ということや、実の兄がマレーシア国内のサッカーを統括するマレーシアサッカー協会を監督する青年スポーツ省の大臣代理であることなどから注目を浴びています。
 このワン・クズリ選手についてU19代表のブラッド・マロニー監督は、チームにとって有用な戦力だが、23名のメンバー入りが保証されているわけではないとマレーシアの通信社ブルナマとのインタビューに答えています。
 国外からの入国者に義務付けられている14日の隔離措置が終了し、先週から10月のAFC U19選手権に出場するU19代表候補合宿に合流したワン・クザリ選手は、合宿合流前から多くのファンの期待や注目を集めている一方で、一部のファンからはその前評判ほどの選手ではないのではないかという疑念が出ています。
 これらの意見についてマロニー監督は、ワン・クズリ選手の代表合宿合流後の進捗状況には満足していると話しています。
 「外国出身ということを踏まえずとも、一人の選手が周りと違っているのは全く普通のことである。またこれまで数日間見た限りでは、ワン・クズリ選手はとても良い選手であり、チームにとって戦力となりうる。」と話しています。しかしその一方で、代表候補合宿に参加しているどの選手もメンバー入りを確約されている選手はおらず、誰もが実力でメンバー入りを勝ち取らなければならないと話しています。
 さらに今週土曜日7月25日に合宿が終了する前に練習試合を組みたいと話すマロニー監督は、実戦の中でワン・クザリ選手だけでなく、現在のチームの実力を見てみたいと話しています。
 なお、招集された35名から既に31名まで絞り込まれているチームは、次回の合宿を8月3日から行うということです。

7月18日のニュース:Mリーグの8月26日再開が決定、Mリーグ再開日程に対する各監督の反応、U19代表合宿にワン・クズリが合流

Mリーグの8月26日再開が決定
 マレーシア国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは3月半ばから中断しているリーグ戦を8月26日から再開することを公式Facebookなどを通じ発表しています。
 Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて3月16日以来中断しています。なお3部以下はすでに今季の中止が決定しています。
 リーグ再開についてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、各クラブの選手が試合を行う体調を取り戻すのに十分な時間を確保することがこの8月26日を選んだ理由のうちの一つとし、MFLが任命するマッチコミッショナーが再開前にリーグ戦で使用される各スタジアムの消毒や殺菌状況の確認を行うと話しています。
 この他、リーグ再開に先駆け、MFL各クラブは無観客を条件として8月3日からは練習試合が解禁になることや、試合会場が確保できないと言う前代未聞の理由で延期となったMリーグ1部第4節3月14日のPJシティFC対トレンガヌFC戦と、雷雨のため試合途中で中止となったMリーグ2部第2節3月6日のUKM FC対ケランタンFA戦の振替試合はこれに先立ち8月22日に開催されることも併せて発表になっています。
(8月26日からのリーグ再開を知らせるMFL公式Facebookページ

Mリーグ再開日程に対する各監督の反応
 マレー語氏ブリタハリアンは、8月26日からの再開が決まったMリーグについて、各クラブの監督の声を紹介しています。
 他のクラブに先駆けて8月22日に再開後の初戦を迎えるMリーグ1部PJシティFCのデヴァン・クップサミー監督は、選手たちはトレンガヌFCとの対戦に向けて用意ができていると語った上で、「選手たちの体調は満足いく状態になっており、ここまでケガ人が出ていないことも良い傾向である。」と話しています。
 Mリーグ1部スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、8月26日の再開に向けてどのクラブもチームを仕上げるのに十分な時間が与えられているとし、練習試合が解禁となる8月3日以降には練習試合を5試合ほど組みたい。残り試合が7試合しかない事から、全選手が再開後の初戦から全力でプレーができるように準備したい。」と話しています。
 またマラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン監督も試合感を取り戻すために練習試合は必要であると述べ、体調を仕上げるだけでは不十分であるとしています。
 一方、パハンFAのドラー・サレー監督は、再開が(当初予定されていた)9月1日でも8月26日でも違いはないとし、選手たちはボールのタッチなどの感覚を取り戻しつつあることから、再開まで1ヶ月間あるのでそこで集中的に練習を行うことができれば十分であると話しています。

U19代表合宿にワン・クズリが合流
 マレーシアの通信社ブルナマは、アメリカ育ちのワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが、現在開催中のU19代表候補合宿に合流したと報じています。
 アメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップに所属するセントルイスFCのアカデミーでプレーするワン・クズリ選手は、現在マレーシアへの入国者全員に課されている2週間の自宅検疫期間を経て、さらに2度の綿棒検査で陰性が確認された後、35番目の選手としてチームに合流しています。
 国内メディアとの会見の席上で、ワン・クズリ選手はチームに貢献するために、自分ができることをやるつもりであると話しています。
 「自分は攻撃の起点になるのが得意な選手なので、多くのチャンスを作って多くのゴールに貢献したい。また機会があれば積極的に前でもプレーしたい。」と話しています。
 また同じブルナマの記事では、このワン・クズリ選手の兄でもあるワン・アーマド・ファイサル青年スポーツ相代理がU19代表合宿を訪れたことを伝え、その際に大臣代理の弟だと言うことで特別扱いをされることはなく、選手選考はブラッド・マロニーU19代表監督の専権事項であると話しています。
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 このファイサル青年スポーツ相代理のU19代表候補合宿は非公式なものでしたが、ネット上では本人が何と言おうと選手選考に悪い影響を与えることはあっても、良い絵鏡を与えることがないと言う批判が出ており、この二人の父親であるワン・アーマド・カマル氏も、ワン・クズリ選手がサッカーに集中しようとしている状況を妨げるようなことはすべきでないと、ファイサル青年スポーツ相代理を批判するコメントをソーシャルメディアに投稿しています。

7月17日のニュース:ペナン州協会は民営化手続きをほぼ完了、チーム最年少の18歳はリーグ再開後のスタメンを目指して奮闘中、一方U19代表主将は経験を武器にスタメンを狙う

ペナン州協会は民営化手続きをほぼ完了
 ペナン州サッカー協会FAPは民営化手続きがほぼ完了していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAPのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、民営化手続きを前にFAPが運営するMリーグ2部のクラブであるペナンFAをFAPから切り離す民営化の結果、クラブが独自で運営を行えるのかどうかを検証する必要があったと話しています。しかし、民営化はマレーシアサッカー協会FAM、アジアサッカー連盟AFC、そして国際サッカー連盟FIFAによって求められている他、9月30日までに民営化手続きを完了しなければ来季2020年のMリーグ参加が危うくなることから、民営化を決定したと話しています。
 FAPの臨時総会開催後の記者会見に応じたアマル・プリトパル会長は、民営化は選手の給料などの資金提供を受けていた州政府の財政負担を減らすことにもなるだけでなく、クラブ運営を健全化する機会でもあると話す一方、過去3ヶ月間未払いとなってペナンFAの選手の給料については、今週中に解決する見通しであると述べています。
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 最後にサラッと書きましたが、このペナンFAも給料未払い問題を抱えるクラブだったようです。FAMが押し進める民営化の結果、州政府からの支援がなくなるクラブが増えると、東南アジア各国の中では、比較的高給が支払われているとされるMリーグは選手にとっては魅力のないリーグになってしまう可能性もありそうです。

チーム最年少の18歳はリーグ再開後のスタメンを目指して奮闘中
 Mリーグ1部スランゴールFCのハリス・ハイカル・アダム・アフタルはチーム最年少ながら、スタメン入りを目指して奮闘中であると、スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロが報じています。
 今季2020年シーズンが開幕した2月の時点では、スランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2に登録されていたハリス・ハイカル選手はそのプレーぶりが評価され、現在はスランゴールFCの練習に参加しています。
 リーグ再開後はスランゴールFCの主力選手として試合に出たいと話すハリス・ハイカル選手は「自分はチーム最年少だが、サティアナタン監督に自分はAチームの同じポジションの選手よりも優れていることを示すために常に全力で練習に取り組んでいる。それを見て監督が出場機会を与えてくれれば、自分が1部でもプレーできることを示す自信はある。」と話し、さらにスランゴールFCで優勝してかつての栄光を取り戻し、マレーシアやアジアでスランゴールFCの名を知らしめたいとも話しています。
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 10月に開催予定のAFC U19選手権に出場するU19代表でも主力選手として期待されるハリス・ハイカル選手ですが、3月1日のMリーグ2部の試合で私もプレーを見ています。サッカーの素人の私にもわかるくらい突出して見えたハリス・ハイカル選手のAチーム昇格は当然であり必然という印象です。ハリス・ハイカル選手のセンターバックと言うポジションは、スランゴールFCの主将でもある外国籍選手のテイラー・リーガンとポジションがかぶりますが、サティアナタン監督がハリス・ハイカル選手をどう使うのが見ものです。

一方U19代表主将は経験を武器にスタメンを狙う
 スタジアムアストロは、上の記事で取り上げたハリス・ハイカルとともにスランゴール2からスランゴールFCへ昇格したムカイリ・アジマル・マハディについても取り上げていますが、こちらはMリーグ1部でのプレー経験を武器に、スランゴールFCのスタメン取りを狙う決意のようです。
 昨季はMリーグ1部のPKNP FC(現ペラII)に所属したムカイリ・アジマル選手は、Mリーグ1部初出場が17歳3ヶ月16日と衝撃的なデビューを果たしています。この時は67分からの途中出場でしたが、わずかな時間でも国内のトップレベルでの試合を経験したことで、試合の流れを読み、判断の速度を上げなければならないことを学んだと語っています。
 このムカイリ・アジマン選手に昨季終了前に獲得に興味を示したスランゴールFCがフェルダ・ユナイテッド、クダFA、ペナンFAとの争奪戦に勝ち、今年2020年からの3年契約を結んでいます。
 「スランゴールFCの練習に初めて参加した際は、サティアナタン監督が少し怖かったが、練習中には多くの励ましの言葉をかけられ、レギュラーを目指して努力するように言われて自信がついてきた。」と話すムカイリ・アジマル選手はU19代表でも主将を務めており、上記のハリス・ハイカル選手とともに代表でも次世代の主力として期待されています。

7月16日のニュース:JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人、代表監督は8月のリーグ再開を希望、U19監督は新戦力にも期待

JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTは公式Facebook上で、主要ソーシャルメディア上でのフォロワー数がMリーグで最多であることと発表しています。
 この発表によれば、JDTの公式Facebookページはおよそ250万人のフォロワーが、公式インスタグラムはおよそ90万人のフォロワーが、そして公式ツイッターはおよそ21万7000人のフォロワーがおり、合計でおよそ360万人のフォロワーがいるとしています。
 一方他のMリーグクラブについては、クダFAがおよそ90万2000人、スランゴールFCが50万5000人、そしてペラTBGが18万人のフォロワーを抱え、JDTに続いているとしています。
 またJDTのフォロワー数はマレーシア国内だけでなく、東南アジアでもトップクラスだとしており、インドネシアのプルシブ・バンドンの1490万人、プルシジャ・ジャカルタの660万人には劣るものの、タイのムアントン・ユナイテッドの260万人、ブリーラム・ユナイテッドの210万人やフィリピンのセレス・ネグロスFCの6万5000人、シンガポールのライオン・シティ・セーラーズFC(旧ホーム・ユナイテッドFC)の2万6000人より多くのフォロワーを持っているとしています。
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 ソースがないのでJDT以外のクラブのフォロワー数については、非公式なデータの可能性もありますが、それでも人口がおよそ2億6800万人のインドネシア、およそ1億70万人のフィリピン、6980万人のタイなどに比べ、人口がおよそ3200万人しかいないマレーシアのクラブながらこのフォロワー数の獲得は立派です。
 斯く言う私自身もJDTのソーシャルメディアのフォロワーの一人なのですが、JDTのソーシャルメディアが気に入っている点は、ページがマレーシア語と英語の2つの言語で書かれていることです。英語でも情報が得られるということでマレーシア国外にも一定数のフォロワーがいる可能性もあります。
(下はJDTの公式Facebookぺーじより)

代表監督は8月のリーグ再開を希望
 マレーシア政府はサッカーなど身体接触を含む競技の試合実施を8月15日から解禁とすることを発表していますが、国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、慎重な姿勢から当初の予定通り9月1日からのリーグ再開の可能性をほのめかしています。
 これに対してマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、リーグ再開を必要以上に遅らせることは、10月からのW杯予選を控えるフル代表にとっては好ましくないと述べていると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 再開日程についてMFLからはまだ公式な発表はないものの、多くのクラブが予定通り9月1日のリーグ再開を望んでいる一方で、リーグ再開が早まることで、収入が得られる時期も早まることから8月15日の再開を望んでいるクラブもあると、ニューストレイトタイムズは報じています。
 MFLやMリーグ各クラブの思惑とは別に、代表のタン監督はFIFAカレンダーで規定されている10月5日から13日の間で代表強化合宿を予定していることから、リーグ再開が早まれば3月半ば以降、実戦から遠ざかっている選手たちが自信や試合勘などを取り戻すことに使える時間が増え、それが代表チームにとっても好影響となると話しています。その一方で9月1日からの再開となれば各クラブは4週間で7試合から8試合を消化する日程となり、選手が疲労などからケガをする可能性が高くなることを心配しているとも述べています。
 この他にタン監督は、特に9月1日にリーグ再開となった場合、W杯予選前の実践は10月2日に予定されているバーレーン戦のみとし、Mリーグのクラブとの練習試合などは検討していないとしています。

U19監督は

U 19監督は新戦力にも期待
 10月に開催予定のアジアサッカー連盟AFC U19選手権は、開催地となるウズベキスタンで新型コロナウィルス感染者数が増加したことから、全国的なロックダウンが8月1日まで行われることが発表になっています。これが長引くことがあれば、U19選手権の開催も危ぶまれますが、このU19選手権に出場するマレーシアU19代表はそんな状況を気にせず、現在、強化合宿を開催中です。
 U19代表監督でオーストラリア出身のブラッド・マロニー監督は、7月6日から始まっている今回の合宿に初参加となるアダム・ナズミ・ザムリとザクリー・ライフ・ガジー・ヨーの両選手に注目していると、ニューストレイトタイムズの取材に答えています。
 初参加ながらコーチ陣の目に止まったというアダム選手はタイのプーケットにあるインターナショナルスクールに併設し、ブラジルのクルゼイロECが運営するアカデミー出身、またザクリー選手はイギリス中部レスターシャー州にあるブルックカレッジに併設するアカデミーの出身で、マレーシア国内のクラブ出身者や国家サッカー選手養成プロジェクトNFDP出身者が大半を占めるU19代表候補の中では異色の存在です。
 マロニー監督は、国外から参加の二人は既にチームに溶け込んでおり、その高い技術やサッカー選手としての質の高さは他の選手との良い意味での競争心を生み出していると話し、これにアメリカから参加し、今日7月16日には2週間の隔離が終わって練習参加が可能となるワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが加わることで、U19代表候補は最終選考へ向けてより高いレベルで競争できると話しています。

7月11日のニュース:Mリーグは8月15日から再開か、カリド選手のゴールデンブーツに125万円の値が つく、スランゴールFC監督はカリド選手に同情も引退後の準備不足も指摘

Mリーグは8月15日から再開か
 マレーシア政府による新型コロナウィルス関連の定例記者会見の席上で、身体接触を含むスポーツの練習が7月15日より、そしてサッカーなどの試合の実施が8月15日より許可されることが発表されています。
 英字紙スター電子版によると、イスマイル・ヤアコブ上級相は昨日7月10日に行われた定例会見の席上でサッカー、ラグビー、ホッケー、セパタクロー、バスケットボール、スカッシュなどの身体接触を含む球技と空手やテコンドー、シラットなどの格闘系競技の身体接触を含む練習が可能になることを発表しています。これに伴いフットサル場などの商業運動施設も営業が可能になるということです。
 また身体接触を含まないバドミントンなどの競技やモータースポーツはこの7月15日より試合実施が許可される一方、身体接触を含むサッカーやラグビーなどの競技の試合実施については、1ヶ月遅れて8月15日から可能になるということです。
 なお身体接触を含む競技か否かにかかわらず、どの競技も観客を入れた上での試合開催については許可されていません。
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 8月15日からの試合実施許可が出たことで、Mリーグの再開時期も当初予定されていた9月1日から前倒しになりそうです。当初はMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは9月中の4週間に各クラブが毎週2試合を実施してリーグ戦の残り8試合を消化する過密日程を発表していましたが、8月中旬のリーグ再開が可能となれば、日程に余裕が生まれ、各クラブも歓迎することでしょう。

カリド選手のゴールデンブーツに125万円の値がつく
 ペラFA(現ペラTBG)や代表でプレーしたストライカーのカリド・ジャムルスがMリーグ得点王を記念するゴールデンブーツやメダル、ユニフォームなどをオークションにかけたことはマレーシアのサッカーファンに様々な反応を引き起こしましたが、英字紙ニューストレイトタイムズによれば、そのゴールデンブーツに5万リンギ(およそ125万円)の値がつけられたということです。
 2002年のペラFA時代に22ゴールを挙げて獲得した記念の品に対して、サバ州からのオークション参加者によってつけられた5万リンギという値段は、カリド選手が最低落札価格として設定した1万500リンギ(およそ26万2000円)を大きく上回っています。
 カリド選手はゴールデンブーツの状態はとても良いわけではないが、他のクラブの外国籍フォワードと競った結果の品には尊重されるべき価値があるだろうと話しています。
 2児の父ながら過去3年間は無職というカリド選手は、同情は不要だが、今後は人生で意味のある仕事につきたいと話す一方で、支援を申し出たペラ州政府がこの5万リンギより高い値をつけるかどうかを1週間ほど待つと話しています。
 またカリド選手の苦境を知った青年スポーツ省のワン・アーマド・ファイサル・ワン・アーマド・カマル大臣代行とも面会したカリド選手は「自分は貴重な経験を持っているので、これを分かち合いたいと持っているが、コーチの職を与えられなければそれも無理で、(パハンFA監督の)ドラー・サレーや(マラッカ・ユナイテッド監督の)ザイナル・アビディン・ハサンのように選手から指導者へと転身することもできない。自分のような元選手は、そういった機会がなければ消え去るのみである。」と話しています。
 B級コーチライセンスを持っているというカリド選手は、ファイサル大臣代行との面会の内容は明かしていないということですが、ファイサル大臣代行はカリド選手はサッカー界の財産であるとして、青年スポーツ省として支援したいと話しています。
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 かつての名選手ということで同情する声も少ないくないですが、無職だった過去3年間に、Mリーグ1部や2部では無理でも、下部リーグやアマチュアリーグで指導経験を積むくらいの時間も余裕もあったと思うのですが、それもせずに泣きを入れる辺りは今後の指導者としての資質に疑問符がつきそうな気もします。

スランゴールFC監督はカリド選手に同情も引退後の準備不足も指摘
 Mリーグ1部スタンゴールFCの監督でもあるマレーシアサッカーコーチ協会MFCAのサティアナタン・バスカラン会長は、Mリーグ1部と2部を併せて24クラブしかない現状は、マレーシア人指導者にとってプロコーチの職に就くには厳しい環境であると述べています。
 現在のMリーグではある程度の実績を持つ指導者しか監督、コーチになることは難しいとした上で、いったんコーチとしての仕事を失えば、また実績を積むまでは次のクラブを見つけることは難しいと話しています。
 (マンCの)ペップ・グアルディオラや(リバプールFCの)ユルゲン・クロップなら、こちらがクラブを探さずともクラブの方から自分を見つけてくれるが、過去の名選手という程度で指導者としての実績がなければ、他のマレーシア人指導者や外国籍指導者との勝負に勝つ必要があると話しています。
 「マレーシア国内にはA級あるいはB級コーチライセンスを持つ指導者が何千人といる。元代表選手というだけでコーチの職に着けると考えているのであれば、アドバンストA級のコーチライセンスを持ちながら仕事がない元代表選手の名を何名でも挙げることができる。」と述べるサティアナタン会長は、上記のカリド選手の苦境について、自分がケランタンFA監督時代の選手であったこともあり、記念の品を手放さなければならないのは残念だと話しています。
 しかし誰もがコーチになれるわけではないという現実を認識するべきだとも話すサティアナタン会長は、選手の多くが現役引退後の生活についての計画がないことが問題だと指摘しています。その上で、マレーシア国軍が除隊後の生活のための教育プログラムを用意していることを指摘し、サッカー選手にも同様のプログラムを導入するべきかもしれないと述べています。

7月10日のニュース:ACLの日程発表-JDTの初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦、ケランタン州協会は来季のクラブのMリーグ残留に楽観的、今度は元スランゴールFCのGKが優勝メダルをオークションに

ACLの日程発表-JDTの初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦
 アジアサッカー連盟AFCの公式サイトでは、10月から再開予定のAFCチャンピオンズリーグACLAFCカップの新たな日程が発表になっています。
 ACLのグループGに入るMリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTの再開初戦は10月17日の広州恒大淘宝戦となっています。またその6日後の10月23日には水原三星戦、さらに10月29日にはヴィッセル神戸戦、そしてグループスタージ最終戦となる広州恒大淘宝戦は11月1日に予定されています。
 なお試合会場については、これまでのホームアンドアウェイ開催から一か所集中開催となることが発表になっていますが、具体的な場所はまだ発表されていません。
 またグループステージ終了後のノックアウトステージも、今季は12月5日に予定されている決勝戦までの全ての対戦がホームアンドアウェイ形式から一発勝負の形式となることも併せて発表されています。
 今季のACLでJDTは初戦のヴィッセル神戸戦(アウェイ)に1−5と大敗したものの、次戦の水原三星戦(ホーム)では2-1と快勝しましたが、その後、ACLは新型コロナウィルスの影響で中断されていました。
 この他、AFC主催の各大会の日程も以下の通り発表になっています。
AFC U19選手権:10月14日から31日までウズベキスタンで開催。
AFC U16選手権:11月25日から12月12日までバーレーンで開催。
AFC フットサル選手権:11月4日から15日までトルクメニスタンで開催。
AFC フットサルクラブ選手権:12月2日から13日までアラブ首長国連邦で開催。

ケランタン州協会は来季のクラブのMリーグ残留に楽観的
 Mリーグ2部ケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、複数の給料未払い問題を抱えるものの、来季もMリーグに残留できると楽観的な予測を持っていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMは、KAFAは要求に応じる形で未払い給料問題解決の期限を6月30日から8月31日まで延長していますが、KAFAのフシン・デラマン事務局長はこの2ヶ月間の間に未払い給料の支払いを分割で行うとしています。
 その一方で、KAFAのスポンサー委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は青年スポーツ省のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン大臣を表敬訪問し、未払い給料問題解決のため青年スポーツ省によるKAFAへの支援を依頼したとされています。
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 同じ記事の中では、ケランタンFAの練習再開が8月1日となることも明らかにされており、その理由として監督がリーグ開幕までの練習期間は1ヶ月で十分だとしたことが理由にされています。
 Mリーグの各クラブが次々と練習を再開する中、7月も自宅練習を選手に求める姿勢を見ると、ケランタンFAは練習再開に必要とされる標準作業手順SOPに必要とされる余分な費用など負担を避けることが目的ではないかと勘ぐってしまいます。

今度は元スランゴールFCのGKが優勝メダルをオークションに
 MリーグのペラFAや代表で活躍したカリド・ジャムルスが、経済的な困窮を理由に自身が獲得したMリーグ得点王のトロフィーであるゴールデンブーツやユニフォームなどをオークションに出した話は先日取り上げましたが、今度はかつてのスランゴールFA、現在のスランゴールFCでプレーしたGKが優勝メダルをやはりオークションにかけています。
 2005年にスランゴールFAでプレーしたジャムサリ・サビアンは、この年獲得したMリーグ2部プレミアリーグの優勝メダル、FAカップの優勝メダル、そしてマレーシアカップの優勝メダルの写真を自身のFacebookに挙げ、購入希望者を募っています。
 2003年に当時の1部リーグだったプレミアリーグ1(現在のスーパーリーグ)で13チーム中12位となり、2部リーグプレミアリーグへ降格となったスランゴールFAは、2005年には2部で優勝しただけなく、2部のクラブとしては初となる国内の二つのカップ戦を制覇していますが、ジャムサリ・サビアン選手はその3つの優勝記念メダルを手放すとしています。
 Facebook上では特に理由は述べられていませんが、これだけのものを手放すというのにはそれなりの理由があるのでしょう。
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 この2005年のスランゴールFAは現在はパハンFAの監督を務めるドラー・サレー監督と、やはり現在はクアラルンプールFAでプレーするシュコル・アダン主将が率い、マレーシアカップ決勝では9万3569人の観衆を記録したブキジャリル国立競技場でプルリスFAを3-0で破り、FAカップ決勝はペラFA(現ペラTBG)をやはりブキジャリル国立競技場で4-2で破っています。いずれの決勝戦もインドネシア代表で活躍し、インドネシアサッカー界のレジェンドであるバンバン・パムンカスが2得点を決めて勝利に貢献しています。
(写真はいずれもジャムサリ・サビアン選手のFacebookより。写真左は2部プレミアリーグ(Liga Premier)、FAカップ(Piala FA)、マレーシアカップ(Piala Malaysia)のメダル。写真右はGKユニのジャムサリ・サビアン選手とスランゴールFAのメンバー)

7月9日のニュース:一時帰国中の外国籍選手もマレーシア入国へ、青年スポーツ相がU19代表合宿を視察

パハンFAの外国籍選手はチーム合流に見通しが立たず
 英字紙スター電子版によると、Mリーグ1部パハンFAは、現在、国外滞在中の外国籍選手のマレーシア入国許可を出入国管理局より取得したものの、その選手たちのマレーシアへ来る手段がなくチームへの合流が遅れそうだということです。
 パハンFAにはMリーグ1部の規定通り5名の外国籍選手が所属していますが、その内、現在マレーシア国外にいるのがいずれも自国に帰国しているレバノン出身のカリル・カミスとフィリピン出身のアダム・リードです。
 パハンFAのチームマネージャーを務めるモハマド・スフィアン氏によると、出入国管理局のカイルル・ザイミー・ダウド局長自身がパハンFAを含めMリーグの複数のクラブの外国籍選手の入国申請の審査を行い、いずれの外国籍選手にもマレーシアの入国許可が認められたということです。
さらにモハマド・スフィアン チームマネージャーは「カリル、リード両選手も入国許可が出たものの、レバノンでは新型コロナウィルス感染が拡大中、またフィリピンでも新たな感染者が1000人単位で増加しているということで、航空会社の運行便数が制限されていることから、マレーシアへ戻る便を確保できてない。またマレーシア到着後も症状がなければ数日間の隔離検疫期間を経て、チームに合流できるだろう。」と話しています。
 今週から練習を再開したパハンFAの残る3名の外国籍選手であるディクソン・ヌワカエメ(ナイジェリア)、イヴァン・カルロス(ブラジル)、エラルド・グロン(フランス)は、活動制限令MCOが3月半ばに発令された際もマレーシアに残り、現在はチームの練習に参加しているということです。

クダFA監督は外国籍選手の早期合流を期待
 また英字紙ニューストレイトタイムズは、練習を再開しているMリーグ1部クダFAの外国籍選手のチーム合流が遅れる見通しだということです。
 フィリピンに帰国中のアミン・ナザリは、マレーシア入国に必要な綿棒検査を受け、既に新型コロナウィルスの陰性が確認されている一方、ブラジルに帰国中のレノン・アウヴェスは現在、綿棒検査の結果を待っているとされています。
 自身も綿棒検査を経てマレーシア入国を許可されたシンガポール出身のアイディル・シャリン監督はアミン、アウヴェス両選手が来週までには合流できることを期待していると話しています。

青年スポーツ相がU19代表合宿を視察
 マレーシアサッカー協会FAMと共同で国家サッカー選手養成プログラムNFDPを運営している青年スポーツ省のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン大臣が、AFCU19選手権に出場する代表選手候補合宿を見学し、チームの核となっているNFDP出身者を含めた選手を激励したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 スランゴール州プタリンジャヤにあるFAMの施設で行われているU19代表候補合宿をFAMのハミディン・モハマド・アミン会長と共に訪れたレーザル・メリカン青年スポーツ相は、NFDPの出身者がU19代表のレベルを高め、青年スポーツ省の予算を投入し、歴代大臣が関わってきたNFDPが結果を出すことを期待している、と述べています。
 本日7月9日には、現在は身体接触を含まない練習のみが許可されているスポーツの練習方法について、身体接触許可をを認めるかどうかの政府閣議が行われる予定で、現在は体力トレーニングが中心になっているU19代表も、数日以内に通常練習へと移行できる可能性を示唆した上で、10月にウズベキスタンで開催されるU19選手権へは万全の準備で臨んでもらいたいとも話しています。

7月8日のニュース:ペラ州政府がかつての名選手の支援を検討、FAMはアフリカ出身の帰化選手候補の審査を書類不十分により終了、「日本は東南アジアの才能豊かな若い選手に常に注目している」ヤクルト濱田社長

ペラ州政府がかつての名選手の支援を検討
 マレーシアの通信社ブルナマは、かつてペラ州サッカー協会PAFAが運営するペラFA(現ペラTBG)で活躍したストライカーのカリド・ジャムルスへの経済支援をペラ州政府が検討していると報じています。
 ペラ州のアーマド・ファイザル・アズム州首相は、ペラFAや代表で活躍したかつての名選手が苦境を聞くたびに心が痛むと話し、カリド選手に対してどのような支援を行えるかをPAFAと話し合ったことを明かしています。
 カリド選手は先週、現在の経済的困窮状況を明らかにした上で、2002年シーズンに17ゴールを決めて獲得したMリーグ得点王表彰のゴールデンブーツを1万500リンギ(およそ26万4000円)で手放したことを自身のFacebook上で明らかにしていました。このゴールデンブーツの他、現役時代のユニフォームや獲得した様々なメダルなどの記念品も併せてオークションで売却したとして、代表でも2004年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権で6ゴールを決めたかつての名選手の現状に同情が集まっていました。
 2012年を最後にMリーグでプレーしていないカリド選手は過去3年間は無職だったとも報じられています。

FAMはアフリカ出身の帰化選手候補の審査を書類不十分により終了
 マレーシアサッカー協会FAMは、コンゴ民主共和国出身のマルセル・カロンダから申請されていた帰化選手審査を終了すると公式サイトで発表しています。
 22歳のカロンダ選手は祖父がサバ州出身であるとしてマレーシア人の血筋を持つHeritage Playerの資格で帰化を申請していました。
 しかしFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長の発表によると、FAMはコンゴ共和国サッカー協会FECOFOOTや当地のコンゴ共和国領事館を取る一方で、カロンダ選手から提出されていた書類をマレーシア法務省下の国家登録局JPNに提出したところ、JPNからは一部の内容が無効であるという連絡を受け取ったということです。
 FAMは既にカロンダ選手に審査終了の連絡を通知したということです。
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 実はこのカロンダ選手については、3月頃から当地のサッカーファンの間では話題になっていました。しかし、その後も何の確証も現れず、単なる噂とカロンダ選手自身の主張のみを根拠に期待だけが大きくなっていったこともあり、このブログでは積極的には扱わないことを決め、取り上げたのも先月の一度だけでした。
 ここ数年は帰化選手の増加によってマレーシア代表の力が底上げされているのは事実ですが、マレーシア国内でプレーもせず、突然、マレーシア人の血筋を引いていると主張する外国籍選手は、所詮、現在居住する国では代表になれない選手たちが機会を求めているだけに過ぎないような気がします。
(下は公式Facebookに掲載されたカロンダ選手の審査終了の告知)

「日本はアセアンの才能豊かな若い選手に常に注目している」ヤクルト濱田社長
 マレーシアの国営テレビRTMにJ2岡山のハディ・ファイヤッド選手とヤクルトマレーシアの濱田浩志社長が出演したと、マレーシアのサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 「国外へ選手派遣は有意義か、時間の無駄か」と題されたこの番組の中で司会者のニニ・イブラヒム氏は岡山からオンラインで出演したファディ選手に対して、現地の気候や文化、日本の新型コロナウィルス対策などサッカー以外の話題なども含めたインタビューを行い、ハディ選手もAチーム入りを目指す強い決意を表明しました。
 続いて番組に登場したの濱田社長は、新型コロナウィルスによって現在は停止しているものの、ヤクルト社がこれまで行ってきたマレーシア国内の草の根レベルのサッカー支援、そして今年後半に予定されている国内大会への支援、そして優勝チームの日本派遣などについて説明しました。
 その後、司会者からハディ選手を支援する理由を尋ねられた際は、ハディ選手の支援は同社の企業の社会的責任活動CSRの一環であると述べています。さらに他のマレーシア人選手を今後日本へ派遣する予定があるかどうかを尋ねられた濱田社長は、同社はサッカー選手の代理人ではないので、日本国内のクラブへの橋渡しはするが、選手を受け入れるかどうかは先方のクラブ次第であると述べた他、もし自ら望んで日本へ行きたい選手がいれば、日本のクラブへ紹介することはできる、と答え、その際には日本はアセアン(東南アジア諸国連合)の才能豊かな若い選手に常に注目していると話しています。
 なお、この番組の映像はこちらからご覧になれます。