Mリーグ1部スーパーリーグ第19節結果

 8月20日から22日にかけて、Mリーグ1部スーパーリーグ第19節が開催されました。今節もJDTが勝利し、次節にも今季優勝とリーグ8連覇が決まります。このために残り3節の注目はリーグ2位と3位に与えられるAFCカップ出場権争いと2部降格をめぐる争いとなりました。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年8月20日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 0-2 KLシティFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(48分)、ザムリ・ヤハヤ(71分)
 今年2度目のトランスファーウィンドウ期間に獲得したFWキリアン・ヌワブエズがチーム合流初戦で膝前十字靭帯損傷で今季絶望となったことから、本来のMFではなくFWとして起用されているロメル・モラレスが先制ゴール、後半にはザフリ・ヤハヤの今季2得点目となるゴールでKLシティFCが連勝し、無敗記録を9試合に更新しています。なおKLシティFCは今季これまでの勝利が全てホームゲームで、この試合で今季アウェイゲーム初勝利も記録しています。
 一方のスリ・パハンFCは今季初先発となったGKダニエル・ワフディン・サドゥンが活躍したものの攻撃陣の不発で連敗となり、10位に交代し、11位のペラFCまでとも勝点差が4と降格争いから抜け出せていません。

2021年8月21日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 0-3 スランゴールFC
得点者:オリヴァー・バフ(42分)、イフェダヨ・オルセグン2(45+2分、60分PK)
 スランゴールFCが得点王争いでトップに立つイフェダヨ・オルセグンの2ゴールで勝利し、4連勝。AFCカップ出場権の懸かる3位以内でリーグを終える可能性を残しました。
 一方のペラFCは、この試合前に「休養」させていたチョン・イーファット監督が今季最後まで指揮を取ることを発表していますが、この「休養」期間中にシャーリル・ニザム コーチが監督代行を務めたチームはこの試合も含め3得点10失点で3連敗、後半戦開幕以降では1分5敗となり2部降格が一段と近づきました。

2021年8月21日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 0-2 JDT
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ(27分)、モハマドゥ・スマレ(83分)
 JDTはエースのベルグソン・ダ・シルヴァのゴールなどで快勝しています。この勝利で勝点48となったJDTは今季3節を残し、2位のトレンガヌFCとの勝点差が11に、試合数が3試合少ないクダ・ダルル・アマンFCとも勝点差が16となり、次節第20節のスリ・パハン戦に勝利すれば今季優勝とリーグ8連覇が決まります。
 PJシティFCは4試合連続でゴールなしの4連敗となり、11位のペラFCとは勝点差5のままとなっています。

2021年8月21日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 1-2 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:トレンガヌ-ドミニク・ダ・シルヴァ(70分)、クダ-ラビー・アタヤ(45+3分)、シャズワン・ザイノン(50分)
 首位JDTと直接対決を残すトレンガヌFCでしたがホームでクダ・ダルル・アマンFCに敗れる痛い敗戦で優勝争いから脱落したどころか2位の座も危なくなってきました。
 新型コロナ陽性者が出たことで、消化試合数が少ないクダ・ダルル・アマンFCは連勝で3位のスランゴールFCに勝点で並び、得失差で4位となっています。またこの日の勝利でクダ・ダルル・アマンFCは乗り試合を全勝し、JDTが残り試合全敗となれば、JDTの優勝を阻止できる唯一のチームとなりました。なおこの試合でDFロドニー・ケルヴィンが肩を負傷して途中退場し、その後の報道では今季残り試合の欠場が発表されるほどの重症と判明しました。

2021年8月22日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 0-1 ペナンFC
得点者:ペナン-カサグランデ2(38分、55分)、シェリディン・ボボエフ(68分)
 前節で敗れたクダ・ダルル・アマンFC戦ではベンチ入りもしなかったカサグランデとエンドリックのブラジル出身コンビが復帰したペナンFCはそのカサグランデが3試合ぶりのゴールを決め3位を死守しています。
 サバFCは後半戦開幕以来3分3敗と未だ勝ち星がなく、7位ながら降格圏の11位まで勝点差6と残り3試合で下位のクラブ相手に取りこぼすことがあれば降格もあり得ます。

2021年8月22日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 UITM FC
得点者:マラッカ-S・クマーラン(45分)、UITM-ヴィクター・ニーレノルド(88分)
 UITM FCが終盤に主将のヴィクター・ニーレノルドのゴールで執念のドローに持ち込み、首の皮一枚のところで1部残留の可能性を残しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第19節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1915314483648
2TFC19114431161537
3PEN1910453126534
4SEL1995537271032
5KDA16102429191032
6KL196942317627
7SBH194782026-619
8PJ184681121-1018
9MU194872024-417
10PHG184592029-917
11PRK1934121741-2413
12UITM181314837-296
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第19節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)22
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)20
3クパー・シャーマン(KDH)11
4カサグランデ(PEN)10
5パウロ・ジョズエ(KL)9
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

8月11日のニュース:ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表、今月の代表合宿開催却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望

ペラFCがブラジルコンビの退団を公式に発表
 ペラFCはブラジル出身の2選手の退団を公式に発表しています。
 ペラFCのアズマン・ノー ゼネラルマネージャー(GM)は、退団の意思を示したレアンドロ・ドス・サントスとカレッカと今季残り試合の出場についての交渉を行ってきたが、交渉は決裂し、両選手はチームには戻らないことを明らかにしています。
 「当初、クラブは両選手の退団希望の理由が家族のビザが延長されていなかったことだと考えていたので、クラブがこの問題を解決した際には、両選手がチームに戻ると考えていた。しかし、レアンドロ、カレッカ両選手はすでに退団の意思を固めていたようである。現在、両選手は未払いとなっている給料に関する支払い訴訟を継続するかどうかを弁護士と相談中と聞いている。」とマレーシアの通信社ブルナマの取材に答えています。
 ペラFCは両選手に対して3ヶ月分の給料が未払いとなっていることを認めています。
 今月初めに「休養」となったペラFCのチョン・イーファット前監督は、7月26日に両選手が契約解除を申し出て、すでにチームを離れたことを明らかにしたことは、このブログでも取り上げました。
 さらにアズマンGMはトランスファーウィンドウ期間に獲得した新たな外国籍選手がチームに何の貢献していないだけでなく、その振る舞いにも不満を述べています。
 「新外国籍選手の態度には問題があり、中でも特にレバノン出身のDFジャド・ヌールディンとMFサミル・アヤスの両選手は振る舞いには問題がある。当初、この両選手はその力量を評価するために(2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームの)ペラFC IIでプレーすることを求めたが、ケガを理由に練習参加を貫いている。またDFズバイロウ・ガルバ(カメルーン)とFWジスラン・ゲッセン(コートジボアール)はパフォーマンスのレベルが低く、ペラFC IIのマレーシア人選手よりも低い。」と自身が獲得に関わらなかった4選手を批判したアズマンGMは、新たに獲得したDFアズハル・アパンディ、DFシャミン・バハルディン、DFアイザット・マイディン・コティの3名のマレーシア人選手も移籍証明書の提出がMFLの登録期間に間に合わなかったことで、今季は出場できなくなったことも明らかにしています。
*****
 経営陣がクラブをダメにする良い例が、今季のペラFCで起こっている未払い給料に伴う主力選手の大量退団です。クラブ史上初となる2部プレミアリーグ降格は残念ですが、クラブ民営化に伴う痛みを乗り越えて、現場だけでなくフロントにも求められるプロ化に向けて膿を出す良い機会かもしれません。

今月の代表合宿却下でタン監督は10月の合宿と練習試合を熱望
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は来月に希望していた練習試合の開催を諦めたと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。タン監督はFIFAの国際マッチデー期間の8月30日から9月7日に代表合宿や練習試合の開催を希望していました。
 このブログでも取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMは新型コロナウィルス対策を行うマレーシア政府の国家安全保障委員会に対して、スポーツバブル形式での練習試合の許可を申請していましたが、その申請が却下されていました。またこれを受けてMリーグを運営するMFLは8月30日から9月7日までの期間にMリーグの試合日程を組み込んだことで、代表合宿や練習試合の開催が不可能になっています。
 これについてタン代表監督は次のFIFAマッチデー期間である10月4日から10月12日までの期間には代表合宿開催と練習試合実施の許可が出ることを望んでいると話しています。
 「マレーシア国内の感染状況は改善していないので、10月のFIFAマッチデー期間には代表合宿と練習試合が国外、国内を問わず許可されることを期待しながら忍耐強く待たなければならない。10月に代表合宿や練習試合が行われる際に選手のパフォーマンスに影響が出ないよう、今後もMリーグが遅延なく開催されることも望んでいる。」とブリタハリアンの取材に答えたタン監督は、今年12月に開催予定されている東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして来年2月に開催が予定されているアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の準備となる10月のFIFAマッチデー期間に行う代表合宿と練習試合の重要性を強調しています。
 なお2021年のFIFA国際マッチデーは10月4日から12日と、11月8日から16日が残っています。


Mリーグ1部スーパーリーグ第18節結果

 8月7日と8日の両日、Mリーグ1部スーパーリーグ第18節が開催されました。なお後半戦開幕から2週間で5試合と詰まった日程だったMリーグですが、次節第19節は1週間空いて8月13日と14日に予定されています。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年8月7日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM FC 2-0 ペラFC
得点者:UITM-シーン・ガン・ジネリ(30分)、シャフィク・アル-ハフィズ(74分)
 11位と12位の対戦となったこの試合は、12位のUITM FCが11位のペラFCを破り今季初勝利を挙げるとともに、今季1部残留の可能性をわずかならがら残しました。
 一方のペラFCは後半戦5試合で1分4敗、しかもこの間3得点17失点とチーム崩壊が止まりません。

2021年8月7日@シティースタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 2-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:ペナン-ラファエル・ヴィトール(75分PK)、シェリディン・ボボエフ(90+3分)、マラッカ-ジョヴァンニ・ゴメス(90分)
 トップ3入りと来季のAFCカップ出場を目指すペナンFCは、66分にカイル・アズリン・カザリが2枚のイエローで退場なりながらも先制、そしてロスタイムには執念の逆転劇を見せて3位を維持しています。
 3試合ぶりにチャン・ソグォンとS・クマーランが先発メンバーに戻ったマラッカ・ユナイテッドFCは90分にジョヴァンニ・ゴメスの加入後初ゴールで一旦は同点に追いつくも、最後に失点し、降格圏から抜け出せませんでした。

2021年8月7日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティーFC 1-0 PJシティーFC
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(31分)
 KLシティFCは開幕時のストライカー、ドミニク・ダ・シルヴァがケガで前半戦の大半を棒に振ったことから、トランスファーウィンドウ期間に新たにキリアン・ヌワブエズを獲得。しかし、このヌワブエズも後半戦開幕戦となったスランゴールFCでまさかの膝前十字靭帯(ACL)損傷で今季残り試合の出場が絶望となり、そこからチームも4試合連続引き分けで、この間の得点も4と苦しい試合が続いています。一方PJシティFCも開幕直後の快進撃の原動力となったダレン・ロックが未だケガから復帰できず、後半戦4試合でわずか1得点(5失点)とこちらも得点力不足に苦しんでいます。
 そんなエースがいない両チームの戦いはKLシティFC主将のパウロ・ジョズエのゴールで雌雄が決しています。

2021年8月7日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 2-0 スリ・パハンFC
得点者:トレンガヌ-デヴィッド・ダ・シルヴァ(12分)、ファイザル・ハリム(24分)
 打倒JDTの一番手と目されながら、降格争いをするマラッカ・ユナイテッドFCに敗れるなど後半戦は戦いが安定しないトレンガヌFCが2連勝を飾っています。
 トランスファーウィンドウ期間にスリ・パハンFCに加入するとそれまで不振のチームを1人で激変させたマヌエル・イダルゴ。そのイダルゴ選手を警告累積によりを欠いたスリ・パハンFCは6試合ぶりに無得点で敗れています。

2021年8月8日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 2-0 サバFC
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ(18分、21分)
 JDTはエースのベルグソン・ダ・シルバがリーグ得点王に躍り出る2ゴールを決めて快勝。
 一方、後半戦開幕以来3分1敗と勝ち星のないサバFCはパク・テスとヨシプ・イヴァンチッチをケガで欠く苦しい布陣で望みましたが、過去4試合で3得点の攻撃陣がこの試合でも機能しませんでした。

 今節、ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)で予定されていたクダ・ダルル・アマンFC対スランゴールFC戦は、チーム内で新型コロナ陽性者が見つかったクダ・ダルル・アマンFCが現在、隔離期間中のため延期となっています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第18節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
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12UITM171214736-295
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第18節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)19
2イフェダヨ・オルセグン(SEL)17
3クパー・シャーマン(KDH)9
パウロ・ジョズエ(KL)9
5カサグランデ(PEN)8
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

Mリーグ1部スーパーリーグ第17節結果

 8月3日から8月4日にかけてMリーグ1部スーパーリーグ第17節が開催されました。今節も首位JDTが勝利し、優勝が近づく一方で2部降格圏のペラFCとUITM FCが敗れ、降格チームも確定しそうです。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年8月3日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 3-5 ペナンFC
得点者:ペラ-ナナ・ポク3(15分、36分、58分PK)、ペナン-ラファエル・ヴィトール3(1分、8分、28分)、カサグランデ(21分)、アジム・ラヒム(86分)
 前節でJDTに0-5で敗れたペラFCと、同じく前節にスランゴールFCに1-4で敗れたペナンFCの対戦は、開始10秒でペナンFCが先制する大荒れの予感を感じさせる展開で始まりました。その後も先制ゴールを決めたラファエル・ヴィトールが8分、28分とゴールを決め試合開始から28分でハットトリックを達成、さらにエースのカサグランデが後半戦初ゴールを決めるなどする一方、ナナ・ポクの2ゴールで追いすがるペラFCは前半を2-4のスコアで折り返しました。51分にはPKを得たペラFCがナナ・ポクのこの試合3得点目となるゴールでペナンFCに1点差と迫りますが、86分にアジム・ラヒムがペナンFCのこの試合5点目を決めてペラFCを突き放し、両チームでハットトリックを記録した大荒れのこの試合はペナンFCが勝利しています。
 2試合連続の5失点、さらに後半戦開始からの4試合で15失点と守備陣が崩壊し、チョン・イーファット監督を「休養」させて臨んだペラFCでしたがシャーリル・ニザム監督代行でもこの悪い状況は改善されませんでした。なおペラFCは次節は最下位のUITM FCとアウェイで対戦します。また試合のなかったクダ・ダルル・アマンFCを抜いて今季最高位の3位に浮上したペナンFCは次節でホームでマラッカ・ユナイテッドFCと対戦します。

2021年8月3日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 0-1 JDT
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ(2分PK)
 この試合も開始20秒でJDTがPKを得ると、ベルグソン・ダ・シルヴァが今季17試合で16得点目となるゴールを決めてJDTが先制し、こちらも大荒れの予感でしたが、マラッカ・ユナイテッドFCのGKカイルル・ファミ・チェ・マットのファインセーブやJDT攻撃陣のシュートミスなどもあり、JDTが圧倒しながらスコアは1-0で終わっています。
 ボラセパマレーシアJPでは後半戦開幕前にマラッカ・ユナイテッドFCの展望として、前半戦13試合で19失点の守備が補強ポイントにもかかわらず新外国籍選手は2人だったことから補強ポイントが違うのでは、と書きましたが、それに反し、後半戦4試合で失点3と立て直してきています。
 僅差の試合となったものの、これで今季10試合目の完封勝利となったJDTは次節はホームでサバFCと、一方のマラッカ・ユナイテッドFCはアウェイでペナンFCと対戦します。

2021年8月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 2-0 UITM FC
得点者:シャルル・ナジーム(24分)、イフェダヨ・オルセグン(57分)
 シャルル・ナジームの今季初ゴールで先制したスランゴールFCは、後半にもリーグ得点王のイフェダョ・オルセグンが追加点を決め、ともにスランゴール州に本拠地を持つ「スランゴールダービー」はスランゴールFCがUITM FCを破っています。
 この試合でUTIM FCは不安定なスランゴールFCの守備をついて何度かチャンスを得たものの、スランゴールFCのGKカイルルアズハン・カリドの好守もあり無得点に終わっています。現在最下位のUITM FCは次節はホームに11位のペラFCを迎えますが、クダ・ダルル・アマンFCとの対戦が予定されていたスランゴールFCは、クダ・ダルル・アマンFCが新型コロナ感染者発覚による隔離期間中のため、次節は試合がありません。

2021年8月4日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-3 トレンガヌFC
得点者:トレンガヌ-デシ・マルセル(13分)、デヴィッド・ダ・シルヴァ(87分)、モハマド・ラフマット・マカスフ(90+2分)
 JDT追撃の一番手と目されながら、ここ2試合は下位のチームに1分1敗と結果を残せていなかったトレンガヌFCが快勝し、後半戦2勝目を挙げています。次節はトレンガヌFCは今節、試合がなかったスリ・パハンFCをホームに迎え、PJシティFCは「クラン渓谷ダービー」となるアウェイのKLシティFCが控えています。

2021年8月4日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 0-0 KLシティFC
得点者:サバ-レヴィ・マディンダ(65分)、KL-ランディ・バルー(22分OG)
 後半戦開始からの3試合で2分1敗とまた勝ち星のないサバFCはホームでの勝利を身座しましたが、DFランディ・バルーのオウンゴールでKLシティFCに先生を許す嫌な展開でしたが、それを救ったのが一時は退団が発表されながら、この試合前に急遽、再契約が発表されたレヴィ・マディンダでした。とは言え、この試合も引き分けたサバFCはこれで4試合勝ち星がありません。
 一方のKLシティFCは後半戦開幕から4試合連続の引き分けとなっています。次節ではサバFCはJDTとのアウェイマッチ、KLシティFCはホームにPJシティFCを迎えます。

 今節第17節に予定されていたスリ・パハンFC対クダ・ダルル・アマンFC戦(ダルル・マクムルスタジアム-パハン州クアンタン)は、クダ・ダルル・アマンFCに新型コロナ感染者が発覚し、チームが隔離期間中のため延期となっています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第17節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1713314083242
2TFC17104328141434
3PEN168442521428
4KDA138232113826
5SEL177553025526
6KL174942017321
7SBH174762021-119
8PJ164661118-718
9PHG164572025-517
10MU174761922-3*16
11PRK1734101736-1913
12UITM160214536-312
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第17節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)17
ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)17
3クパー・シャーマン(KDH)9
4パウロ・ジョズエ(KL)8
カサグランデ(PEN)8
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

8月4日のニュース:シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団、低迷するペラFCにOB2人が支援を申し出、AFC U23アジアカップ予選出場のU20代表はチベットの合宿を検討

シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団
 Mリーグ1部のサバFCはMFレヴィ・マディンダとの契約完了をクラブ公式Facebookで発表しています。ガボン出身で29歳のマディンダ選手はサバFCと7月31日までの契約を結んでいましたが、クラブは契約更新を行わないことを決定し、契約が完了しています。3月13日の第3節クダ・ダルル・アマンFC戦から出場したマディンダ選手は7月28日の第15節スリ・パハンFC戦までの12試合中11試合に出場し3ゴールを挙げています。
 サバFCはクラブ公式Facebookでマディンダ選手に在籍への感謝の意を表し、マディンダ選手も自身のインスタグラムで契約完了を報告するとともにチームへの感謝を述べています。
 マディンダ選手の契約完了を取り上げたマレーシア語紙ハリアンメトロは、両者合意のもとでの契約完了であったものの、契約が延長されなかった理由は不明だとしています。
 マディンダ選手の退団により、現在リーグ7位のサバFCは残り6試合をパク・テース、リストロ・ミトレヴィスキ、ジョシップ・イヴァンチッチ、サディル・ラムダニの4名の外国籍選手で戦うことになります。
*****
 開幕当初の予定では7月中に第20節までが終了している予定でしたが、W杯予選やAFCチャンピオンズリーグなどの日程変更の影響で、現在は第15節までしか終了しませんでした。サバFCはリーグ終了後のマレーシアカップに向けて、各外国籍選手との契約内容を検討する予定だったと思いますが、日程変更に加え、度々噂されている運営資金不足による給料未払いなどの理由から、外国籍選手の数を減らす手段を取ったと考えられます。


低迷するペラFCにOB2人が支援を申し出
 チョン・イーファット監督の「休養」が発表されたMリーグ1部ペラFCの元選手がチーム状況改善のための支援を申し出ていると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 かつてペラFC(当時はペラFA)でリーグ得点王も獲得したカリド・ジャムラスとアズミール・ユソフは今季、ここまで11位と低迷するペラFCに対し、支援を申し出ています。
 2002年にペラFAでリーグ得点王を獲得したカリド氏は、機会が与えられれば今季16試合で14得点の攻撃陣を指導し、残り試合に向けて攻撃力を改善したいとソーシャルメディア上で発言し、また2010年、11年、14年、15年と4シーズン在籍したアズミール氏は、特に具体的な内容はあげていないものの無償で良いので指導したいとやはりソーシャルメディアに投稿しています。
 なお、このペラFCに対する両OBの申し出はサポーターの間では好感を持って受け止められているとブリタハリアンは報じていますが、昨日8月3日もペナンFCに3-5と2試合連続5失点で敗れ、降格圏脱出が遠のいたペラFCがこのOB2人の申し出を受け入れるのかどうか、そして受け入れたとしても1部残留のための特効薬となるのかどうかに注目です。

AFC U23アジアカップ予選出場のU20代表はチベットの合宿を検討
 マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック出場を目指すための強化策として今年10月に予定されているアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選ににU20代表を派遣することを明らかにしていますが、マレーシア語紙ハリアンメトロは予選前の合宿候補地としてチベットが上がっていると報じています。
 AFC U23アジアカップ予選では予マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと共に選J組に入ったマレーシアは今年10月27日から31日までモンゴルで集中開催される予選に出場しますが、10月下旬のモンゴルは気温が-1度から-5度で、年間平均気温が最高で31度、最低でも23度のマレーシアで育った選手たちには気温への適応が最大の課題となることから、予選前の合宿地とネパール、中国などとともにチベットが予選直前の合宿地候補となっているということです。
 U20代表のブラッド・マロニー監督はこれまで予定されていたアラブ首長国連邦のドバイでの合宿後に、寒冷地対策となる合宿を行うことが計画されていると話す一方で、このAFC U23アジアカップ予選は先日、北朝鮮が出場辞退を発表したことから、組み合わせ抽選のやり直しが行われることも承知しており、予選の組み分けが変わり、開催地がモンゴルでなくなる場合には、それにあわせた計画変更をFAMが予定していることも明らかにしています。

8月3日のニュース:AFC女子アジアカップ代表候補はオンラインで練習継続中、CEO不在のペラFCがGMを任命、さらにペラFCはチョン監督の「休養」も発表

AFC女子アジアカップ代表候補はオンラインで練習継続中
 マレーシアサッカー協会FAMはアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場するマレーシア代がオンラインでのトレーニングを行なっていることを公式Facebookで発表しています。
 アジアカップ2022年大会予選は9月13日から25日まで開催予定で、マレーシアはタイ、パレスチナと同組の予選H組となっています。
 ベテランと若手を組み合わせた28名の代表候補選手が既に7月12日からオンラインによるトレーニングを行なっていると話す女子代表のジェイコブ・ジョセフ監督は、「新型コロナの県戦拡大が止まらない状況下では代表合宿の開催許可が出ていないが、代表候補選手たちの士気は高く、オンライントレーニングにも積極的に臨んでいる。オンライントレーニングは予選に向けての理想的な準備方法ではないが、(国内の新型コロナ対策を統括する)国家安全保障委員会から合宿開催許可が出るまではこれを続けていくしかない。今月中にはスポーツバブル形式での代表合宿を行う許可が出ることを期待している」と話しています。

CEO不在のペラFCがGMを任命
 Mリーグ1部で11位と低迷するペラFCMリーグ1部のペラFCはセカンドチームペラFC IIのアズマン・ノー チームマネージャー(TM)をペラFCのジェネラルマネージャー(GM)に就任することを発表しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、8月1日付で就任したアズマンGMはペラFC理事会の同意を得て任命されたということです。
 ペラ州政府青年・スポール・コミュニケーション・マルチメディア委員会のカイルル・シャーリル委員長は「(Mリーグ1部の)JDTや(同2部の)ヌグリスンビランFCはCEOを置かず、GMを配置しており、ペラFCもこれに倣うことにした。アズマンGMは従来のCEOと同様にクラブの運営を担当する。」と話しています。
 給料未払い問題で主力が大量退団したペラFCは、リザル・アリ・ナイザリ前CEOが6月に辞任して以来、後任のCEOを置かないまま運営されてきました。
 また現在リーグ11位と低迷するペラFCの今後について問われたカイルル委員長は、首脳陣の処遇などは全てGMを含めた経営陣に一任していると話し、直接関与する意思はないとしています。

さらにペラFCはチョン監督の「休養」も発表
 新GM就任を発表したペラFCは、今度はチョン・イーファット監督が「休養」することをクラブの公式Facebookで発表しています。
 ペラFCは第16節を終了し3勝4分9敗の勝点13とリーグ11位に低迷しています。
 クラブの発表は「クラブの現状と(クラブ運営に関わる)ペラ州サッカー協会の勧告により、チョン監督を『休養』させることを決定した。この『休養』期間中はシャーリル・ニザム・カリル アシスタントコーチが監督代行として指揮を取る。」としていますが、シャーリル・ニザム監督代行の任期などは明記されていません。
 ペラFCは44歳のシャーリル・ニザム監督代行は今季開幕前に対談したメフメト・ドゥラコビッチ元監督のもとで2017年からペラFA、ペラFCのコーチを務めていますが、ペラFCが1部残留するためには、計算上は残る6試合で少なくとも4勝が必要なことから厳しい状況下での監督代行就任となりました。



Mリーグ1部スーパーリーグ第16節結果

 7月31日から8月1日にかけてMリーグ1部スーパーリーグ第16節が開催されました。今節も首位JDTが勝利し、2位のトレンガヌFCに勝点差7をつけて独走体制に入りつつあります。一方で2部降格圏内にいたスリ・パハンFCとマラッカ・ユナイテッドFCが勝ち点を積み重ねた一方で、ペラFCは2戦連続で大敗し、UITM FCと共に2部降格の可能性が高まっています。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年7月31日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 1-4 スランゴールFC
得点者:ペナン-デヴィッド・ローリー(39分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(15分PK、90+1分)、ダニアル・アスリ(49分)、シーン・シヴァラジ(57分)
 リーグ得点王のイフェダヨ・オルセグんの2ゴールなどでスランゴールFCが快勝しています。
 ペナンFCは2度のPKを失敗するなどチャンスでのミスが響きました。

2021年7月31日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 5-0 ペラFC
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ3(20分、47分、59分)、ゴンザロ・カブレラ2(83分、86分)
 試合開始から相手を圧倒したJDTがベルグソン・ダ・シルヴァのハットトリックなどで大勝して2位に今季最大となる勝点差8をつけています。
 ペラFCは後半戦3試合目でトレンガヌ戦に続く大量5失点と良いところなく敗れ、クラブ史上初の2部降格が見えてきました。

2021年7月31日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:KL-ザフリ・ヤハヤ(50分)、マラッカ-チャン・ソグォン(90+8分)
 試合終了直前に同点に持ち込んだマラッカ・ユナイテッドFCが貴重な勝点1を積み上げ、降格圏から脱出しつつあります。
 KLシティFCは後半戦開幕3試合で未だ勝ち星がありません。

2021年8月1日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-0 サバFC
得点者:なし
 2位のトレンガヌにとっては前節のマラッカ・ユナイテッドFC戦敗戦に続く痛い引き分けとなり、首位JDTとの勝点差が8となりました。

2021年8月1日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 1-0 PJシティFC
得点者:パハン-アウン・カウン・マン (15分)
 降格圏にいたスリ・パハンFCはトランスファーウィンドウ期間に4人の外国籍選手を入れ替えるとそれ以降2勝3分けとそれまでの不振が嘘のような好調を保っています。

7月31日にダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)で予定されていたクダ・ダルル・アマンFC対UITM FC戦は、新型コロナ陽性者が見つかったクダ・ダルル・アマンFCが隔離中のため延期となっています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第16節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1612313982639
2TFC1694325141131
3KDA138232113826
4PEN157442018225
5SEL166552825323
6KL164841916320
7SBH164661920-118
8PJ154651115-418
9PHG154572025-517
10MU164751921-2*16
11PRK163401431-1712
12UITM150213534-292
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第16節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)16
ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)15
3クパー・シャーマン(KDH)9
4パウロ・ジョズエ(KL)8
5カサグランデ(PEN)7
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

7月29日のニュース:Mリーグクラブでの新規感染者発覚についてFAMが見解、Mリーグ各クラブは新型コロナ検査で陰性の選手の練習許可を希望、ペラFCのブラジル出身コンビが退団

Mリーグクラブでも新規感染者発覚についてFAMが見解
 マレーシアサッカー協会MFLのスチュアート・ラマリンガム事務局長は複数のMリーグクラブで新型コロナウィルスの新規感染者が発覚したことに対し、各クラブでの選手および関係者の感染対策について十分に管理はできていると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロとのインタビューで主張しています。
 7月24日から後半戦が始まったMリーグは1部スーパーリーグではクダ・ダルル・アマンFC、2部プレミアリーグではクチンシティFCとサラワク・ユナイテッドFCで新型コロナウィルスの新規感染者が発覚し、これまでに合計5試合の延期が発表されています。
 マレーシア国内では新型コロナウィルスの感染拡大が止まっていないことから、Mリーグ各クラブは練習場と合宿所以外での活動は行わず、外部との接触を断つスポーツバブル形式での練習と試合が行われてきましたが、ラマリンガム事務局長は今回の新規感染者発覚によってスポーツバブル形式を失敗であるとすることは適切でないと述べています。
 昨日はマレーシア国内全体で過去最高となる1万7402名の新規感染者が記録されるなど感染が拡大する中で、比較的安全とされるスポーツバブル内で発覚した新規感染はその感染経路が不明であると認めた上で、ラマリンガム事務局長はこれを直ちに標準作業手順SOP違反によるものとは断定できないと話しています。
 さらにクラブ内での感染者が発覚した後は、MFLがもうけたSOPを各クラブが遵守し、他の選手や関係者へ感染が拡大するクラスター化が防げているとし、むしろSOPが機能を果たしているとも述べる一方で、Mリーグのすべてのクラブに対し、選手及び関係者全員が自身の行動に責任を持ち、より厳格なSOPの適応が必要となるような事態を避けるための努力を求めています。

Mリーグ各クラブは新型コロナ検査で陰性の選手の練習許可を希望
 Mリーグ各クラブは新型コロナウィルス感染関連の政策を担う国家安全保障委員会NSCとマレーシア政府保健省に対して、新型コロナウィルス検査で陰性となった選手の練習許可と試合開催を求めていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在のMリーグによる標準作業手順SOPでは、各試合前に新型コロナ感染を調べる検査を行い、陽性反応を示す選手が見つかった場合には、陰性反応を示した選手や関係者を含めた全員が隔離措置を受けることになっています。
 これに対して、複数の選手および関係者の感染が発覚したクダ・ダルル・アマンFCのアイディル・シャリン監督は、全員隔離という措置により検疫終了後の試合への準備の目処立たないことから、検査で陽性となった選手、関係者への隔離は当然とした上で、陰性となった選手や関係者には練習参加や試合開催の許可して欲しいと話しています。さらに「(全員隔離措置では)今後、何試合が延期になるか分からず、リーグ開催期間もどのくらい延長されるかが全く不明である。今回の試合延期も(検査を試合前日に行ったことから)試合前日に知らされたが、陰性の選手たちは試合に臨む準備ができていた。このような直前の変更によってそれまでの準備が無駄になってしまう。ヨーロッパ各国のリーグや先日終了したユーロ2020でも陽性反応となった選手のみが隔離されており、Mリーグでも同様の対応を求めたい。」という声明もアイディル監督は発表しています。
 またやはりチーム内で陽性反応者が見つかったクチンシティFCのイルファン・バクティ監督も、同様の対応を求めたいと話しています。「感染防止のためにチームは全ての指示に従っており、全ての試合前に抗原検査を受けていることから、陽性者の隔離、そして陰性者には練習継続と試合参加には賛成である。」
 なおMリーグを運営するMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、国内スポーツを統括する青年スポーツ省と保健省に対してMリーグ開催の標準作業手順SOPの見直しを依頼したことを明らかにしています。

ペラFCのブラジル出身コンビが退団
 給料未払い問題が発覚し、前半戦終了後のトランスファーウィンドウ期間に主力6選手が退団したMリーグ1部ペラFCからさらに退団者が出ています。
 ブルナマの報道によると、いずれもブラジル出身のFWカレッカとMFレアンドロ・ドス・サントスがチームを離れたということです。
 カレッカ、レアンドロ両選手はMリーグ後半戦の開幕戦となった7月24日のトレンガヌFC戦、そして一昨日7月27日のKLシティFC戦ではいずれもベンチ入りしていませんでした。
 ペラFCのチョン・イーファット監督は両選手の退団に驚いたと話す一方で「2人が退団するのではという噂が数日前からあったことは承知していたが、後半戦に向けてのチーム練習にも参加していたことからあまり気には止めていなかった。しかし、トレンガヌ遠征前になって突然、2人揃ってケガを理由に遠征帯同を拒否しており、我々が遠征から戻ると、2人が書面で契約解除を求めたことを事務方から知らされた。」とも話しています。
 2017年からペラFCでプレーする35歳のレアンドロ選手は守備的MFとしてペラFCの守備陣を支え、2018年のマレーシアカップ優勝に加えて、在籍した4年間で5位、2位、5位、4位と全てリーグのトップ5にも貢献してきました。またカレッカこと26歳のライアンデルソン選手は2019年からプレーしています。
 この両選手の退団により、ペラFCは今季開幕戦の先発XIの内、半年足らずで8名が退団したことになり、主力選手がほとんど失われた現在の順位が11位と降格圏にいるのも至極当然と言えそうです。


Mリーグ1部スーパーリーグ第15節結果

 7月27日から28日にかけてMリーグ1部スーパーリーグ第15節が開催されました。なお予定されていたクダ・ダルル・アマンFC対PJシティFC戦は、クダの選手に新型コロナウィルス感染者が出たため延期されています。
 試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。

2021年7月27日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 0-0 KLシティFC
得点者:なし
 前節のトレンガヌFC戦では0-5と大敗したペラFCは、トレンガヌ遠征の際にチームに帯同しなかったFWカレッカとMFレアンドロ・ドス・サントスの両選手が自ら契約解除を申し入れて退団し他ことを報じられ、今季開幕戦のスタメン11人の内、外国籍選手3人を含む8人が退団したことになります。開幕直前のメフメト・ドゥラコビッチ監督の退団に端を発したチーム崩壊は止まりそうにありません。
 この試合は試合前半は優勢に進めたKLでしたがペラ守備陣が守りきりると、後半は両チームとも決め手を描く展開となり、最後はペラに付き合うようにKLも無得点と引きわけに終わっています。

2021年7月28日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 2-2 スリ・パハンFC
得点者:サバ-(分)、(分)、パハン-(分)、(分)
 1-1のまま試合はロスタイムに入り、このまま終了かと思われた90+3分にここまで効果的なパスを連発していたスリ・パハンのマヌエル・イダルゴがサバDFラインの間を縫うように出したパスにアブドル・マリク・アブドル・アリフが走り込みそのままゴール!これで勝負あったかと思いきや、最後まで走り続けたホームのサバは90+4分にヨシプ・イヴァンチッチがこの試合2つ目のゴールを決め、土壇場で同点に追いつき引き分けに持ち込んでいます。

2021年7月28日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 1-3 JDT
得点者:すランゴール-イフェダヨ・オルセグン(62分)、JDT-ベルグソン・ダ・シルヴ(45+1分)、マシュー・デイヴィーズ(79分)、モハマドゥ・スマレ(分)
 23歳ながらクラブ100試合出場を果たしたシャミ・サファリがキャプテンを務めタスランゴールFCは、ピッチ改修の甲斐もなくJDTに敗れています。ベルグソン・ダ・シルヴァによる1点目はクロスの出どころを詰めることもなければ、そのクロスに頭で合わせたベルグソンと競るDFは1人もおらず、2点目を決めたマシュー・デイヴィーズ、3点目を決めたモハマドゥ・スマレがいずれも慌てることなくシュートを打てるだけのスペースを与えるなど、リーグ4位の24失点の守備陣を立て直さなければ、スランゴールFCは今後さらに順位を下げる可能性があります。

2021年7月28日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-0 トレンガヌFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(36分),アドリアーノ(78分)
 今節最大の番狂わせとなったこの試合は、ソニー・ノルデがフィジカルの強さを見せてトレンガヌDFを振り切って先制ゴールを決め、後半戦前に加入したアドリアーノが追加点を理想的な展開でマラッカが5試合ぶりの勝利を挙げるとともに降格圏の11位から
 一方、リーグ2位のトレンガヌFCにとっては、この日勝利した首位JDTと勝点差が6と開く痛い敗戦でした。

2021年7月28日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UTM FC 0-1 ペナンFC
得点者:ペナン-シェリディン・ボボエフ(81分)
 前節のクダ・ダルル・アマンFC戦がクダの2選手が新型コロナに感染が明らかになり、中止となったペナンFCはこの試合が後半戦の開幕戦となりました。前半は全体的に動きが悪く、最下位のUITM FC相手に苦しい展開でしたが、終盤にシェリダン・ボボエフの今季2ゴール目となるゴールで勝利し、4位を堅持しています。

*7月27日に予定されていたPJシティFC対クダ・ダルル・アマンFC(MBPJスタジアム-スランゴール州プタリンジャヤ)は、クダ・ダルル・アマンFCの選手2名が検査により新型コロナ陽性となったため延期されています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第14節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT1511313482636
2TFC1593325141130
3KDA138232113826
4PEN147431914525
5SEL155552424020
6KL154741815319
7PJ144641114-318
8SBH154561920-117
9MU154651820-2*15
10PHG153571925-614
11PRK153481426-1212
12UITM150213534-292
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第15節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)14
ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)13
3クパー・シャーマン(KDH)9
4パウロ・ジョズエ(KL)8
5カサグランデ(PEN)7
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

Mリーグ1部スーパーリーグ第14節結果

 いよいよスーパーリーグ後半戦開幕!と盛り上がるはずでしたが、マレー半島北部ダービーとして注目されていた3位クダ・ダルル・アマンFC対4位ペナンFCの試合が新型コロナ感染者発覚により延期となってしまいました。
 各試合のハイライト映像はMFLのYouTubeチャンネルよりお借りしています。(PJシティFC対サバFC戦のハイライト映像はまだMFLのチャンネルにアップされていないので、ここでも後ほどアップします。)

2021年7月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 5-0 ペラFC
得点者:トレンガヌ-ファイザル・ハリム(18分)、デヴィッド・ダ・シルヴァ(23分PK)、チャーリー・マシェル(42分OG)、ハキミ・アブドラ(70分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90+5分PK)
 前半戦の好調を維持するトレンガヌFCが大量点で圧勝しています。トレンガヌは18分にファイズ・ナシルのクロスにファイザル・ハリムが合わせて先制すると、23分にはそのファイザル・ハリムがペナルティーエリア内で倒されてトレンガヌがPKを得ます。これをデヴィッド・ダ・シルヴァが決め、トレンガヌがリードを2点に広げます。さらに42分にはファイズ・ナシルのパスをクリアしようとしたペラのチャーリー・マシェルがオウンゴールし、トレンガヌが3-0として前半が終了します。後半に入っても攻撃の手を緩めいないトレンガヌはペラのゴールに迫りますが、ペラはGKハフィズル・ハフィスの好守で凌ぎます。しかし70分には途中出場のハキミ・アブドラのゴールで4-0、90+5分にはペナルティエリア内で自身が倒されて得たPKをニック・アキフ・シャヒランが決めてトレンガヌが完勝しています。
 主力選手の退団により前半戦とは大きくメンバーが変わったペラは、後半戦も厳しい試合が続くことを予想させる大敗で、2部降格圏にまた一歩近づきました。

2021年7月24日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-1 スランゴールFC
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(40分)、スランゴール-オリヴァー・バフ(43分)
 首都圏を流れるクラン川にちなみクラン渓谷とも呼ばれる首都圏に本拠地を持つ両クラブの対戦は代々クラン渓谷ダービーと呼ばれてきましたが。今季2度目のクラン渓谷ダービーは、スランゴールFCのホームで行われた前回の対戦同様、1-1の引き分けに終わっています。
 ペラFCから移籍のケニー・パッラジと J・パルティバンの新加入コンビが機能するなどKL有利の展開で進むも、チャンスを活かせなかったKLですが、40分にペナルティーエリアの外で得たフリーキックを主将のパウロ・ジョズエが直接、決めて先制しました。しかしスランゴールもすかさず反撃に転じ、43分にはノー・ハキムのクロスからのこぼれ球をオリヴァー・バフが押し込み同点としてます。結局、その後は両チームとも無得点に終わりました。

2021年7月24日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-0 サバFC
得点者:PJ-スニル・チャンドラン(89分)
 前半戦最後の3試合を1分2敗で終えていたPJシティが後半戦を白星てスタートさせています。
 試合はサバ優勢で進むものの、両チームとも無得点のまま終盤へ。このまま終了かと思われた89分、途中出場のスニル・チャンドランが放ったロングレンジのシュートがサバGKロブソン・レンディ・リニンの横をすり抜け、これが決勝ゴールとなりPJシティは今季4勝目を挙げています。

2021年7月25日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 1-0 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:パハン-マヌエル・イダルゴ(1分)、マラッカ-ワン・ザハルニザム(88分)
 9位と10位の対戦となったこの試合は、開始1分もしないうちにマヌエル・イダルゴがゴールを決めたパハンFCが終始ボールを支配するも、エラルド・グロンがPKを失敗するなど追加点を奪えないまま1-0で終盤を迎え、このまま終了かと思われた88分にパハンDF陣の足が止まった隙をついて、マラッカのワン・ザハルニザムが同点ゴールを決め、試合途中に照明が消えるアクシデントもあったこの試合は両チーム痛み分けに終わりました。

2021年7月25日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 3-1 UITM FC
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(50分)、サファウィ・ラシド(75分)、ベルグソン・ダ・シルヴ(88分)、UTIM-ジョエル・ヴィニシウス(43分)
 今季未勝利のUITM FCが新加入のジョエル・ヴィニシウスのゴールで首位JDTに先制するまさかの展開も、終わってみればJDTが後半に3ゴールを挙げて勝点3を獲得しています。

*7月24日に予定されていたクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC(ダルルアマンスタジアム-クダ州アロースター)は、クダ・ダルル・アマンFCの選手2名が試合前の検査により新型コロナ陽性となったため延期されています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第14節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT149313172433
2TFC1493225121330
3KDA138232113826
4PEN136431814422
5SEL145542321220
6KL144641815318
7PJ144641114-318
8SBH144461718-116
9PHG143471723-613
10PRK143381426-1212
10MU143651620-4*12
12UITM140213533-282
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第14節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)12
ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)12
2クパー・シャーマン(KDH)9
3カサグランデ(PEN)7
4パウロ・ジョズエ(KL)8
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ