マレーシアカップ2021-準決勝第2試合結果-決勝のカードはJDT対KLシティFCに決定

 11月26日にマレーシアカップ準決勝第2戦の2試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)が退場者を出しながらもトレンガヌFC(同4位)を3-0で一蹴し準決勝2試合通算のスコアを4-1として決勝進出をきめた一方、KLシティFC(同6位)対マラッカ・ユナイテッド(同8位)戦は90分を終えて1-1、さらに前後半合わせて30分の延長戦でも決着がつかず、PK戦へとも連れ込み、KLシティFCが5-3でマラッカ・ユナイテッドFCを振り切って、最後は日付が今日になっていた準決勝第2戦に勝利しています。この結果、11月30日にクアラルンプールのブキジャリル国立競技場で行われるマレーシアカップ100周年大会の決勝戦は、大会2連覇を目指すJDTと前回優勝した1989年以来32年ぶりの決勝進出となったKLシティFCの対戦となりました。
(試合の映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

マレーシアカップ準決勝第2戦
マラッカ・ユナイテッドFC 1-1 KLシティFC(通算スコア2-2、PK3-5)

2021年11月26日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
得点者:KL-J・パルティバン(9分)、シャミン・ヤハヤ(65分)
 停電により試合開始が1時間遅れて午後10時キックオフとなるなど波乱の予感が漂った試合は双方が総力戦で臨む中、パウロ・ジョズエのコーナーキックからのクリアボールを蹴ったアクラム・マヒナンのボールがゴール前に転がり、これをJ・パルティバンが振り向きざまにシュート。角度が変わったボールにマラッカ・ユナイテッドGKのカイルル・チェ・ファミが反応できずそのままゴールとなりKLシティFCが9分に先制し、そのまま前半は1-0で折り返します。
 後半に入るとマラッカ・ユナイテッドFCは65分にソニー・ノルデのコーナーキックからゴール前でアクマル・ザヒルが頭で流したボールをシャミン・ヤハヤが押し込んで同点とすると、その後は90分で決着がつかず、この試合は今大会初の延長戦に入りました。しかし延長前半、後半とも両チームがゴールを挙げることができず、120分で決着がつかなかった試合はPK戦に入りました。
 KLシティFCの先行で始まったPK戦は、1人目のキッカーに立った主将のパウロ・ジョズエからロメル・モラレス、インドラ・プトラ・マハユディン、ハディン・アズマンそしてジャンカルロ・ガリフォッコと5人全員がPKを決めたKLシティに対し、、マラッカ・ユナイテッドはアドリアーノ、マヌエル・オットと2人がいずれもPKを決めた後の3人目となったジョヴァンニ・ゴメスのシュートがゴールポストを叩いてい失敗となり、クラブ史上初のマレーシアカップ決勝進出はなりませんでした。

マレーシアカップ準決勝第1戦
JDT 3-0 トレンガヌFC(通算スコア4-1)

2021年11月26日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
得点者:JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ2(6分、15分)、ゴンザロ・カブレラ(11分)
 JDTのホームで行われたこの試合は、準決勝第1試合で負傷した主将カルリ・デ・ムルガ不在の影響もあり、試合開始直後から意思の疎通が取れていないトレンガヌFC守備陣の隙をついて7分にはエースのベルグソン・ダ・シルヴァがミドルシュートを決めて先制すると、11分にはゴンザロ・カブレラ、そして15分には再びベルグソン・ダ・シルヴァがゴールを決めるなど、試合開始からわずか15分でJDTが3-0として、勝負あったかと思われた試合でしたが、16分にはオフザボールの場面でJDTのサフィク・ラヒムがトレンガヌFCのファイサル・ハリムに頭突きを食らわせて1発レッドで退場となります。
 準決勝2試合の通算スコアが4-1となった試合展開にも関わらず元代表主将が起こした愚行はトレンガヌFCに有利に働くかと思われましたが、そこからのJDTは…いやぁ強かった。というかトレンガヌFCは好機にシュートが枠を捉えられず、またパスの精度も低くボールが繋がらない、繋がってもすぐにボールを奪われるなど、相手が10人という数的有利すら活かすことができず全くの完敗でした。10人全員が全力でボールに激しく寄せてくるJDTに対して、トレンガヌFCは緩慢な動きでパスのコースをことごとく潰され、最後はチャンスさえもほとんど作り出すことができず、個々の選手の技術や体力、さらにチーム力とすべての面でこの試合ではトレンガヌFCはJDTに完敗、審判の助けを借りずにで2019年に続く2連覇(2020年は新型コロナの影響でマレーシアカップは中止)、そして今季2冠を目指して決勝進出を決めています。

11月23日のニュース(1):マレーシアカップ2021-準決勝第1試合結果

 11月22日にマレーシアカップ準決勝第1戦の2試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)をホームに迎えたトレンガヌFC(同4位)、マラッカ・ユナイテッド(同8位)をホームに迎えたKLシティFC(同6位)がいずれも1-1で引き分けています。ホームアンドアウェイ形式行われる準決勝の第2戦は11月26日に予定されています。
(試合の映像はMFLの公式YouTubeチャンネルよりお借りしています。)

マレーシアカップ準決勝第1戦
KLシティFC 1-1 マラッカ・ユナイテッドFC

2021年11月22日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
得点者:KL-ザフリ・ヤハヤ(28分)、マラッカ-アドリアーノ(8分)
 準々決勝のスランゴールFC戦後にサポーターがピッチになだれ込んだことに対する処分として無観客で開催されたこの試合は、今季ホームでは無敗を誇るKLシティFCが先制を許すも、ザフリ・ヤハヤがパウロ・ジョズエのクロスに合わせたヘディングシュートで同点とし、そのまま引き分けて今季のホーム無敗記録を16に伸ばしています。
 マラッカ・ユナイテッドFCは先制ゴールを決めたアドリアーノやマレーシアカップでは好調なソニー・ノルデ、マヌエル・オットが連動し、試合前の豪雨で水が浮くピッチに悩まされながらもグループステージから続く果敢な攻撃を繰り広げ、1-1と引き分けたもののアウェイゴールのアドバンテージを得て次戦のホームゲームに臨みます。

マレーシアカップ準決勝第1戦
トレンガヌFC 1-1 JDT

2021年11月22日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(8分)、JDT-ベルグソン・ダ・シルヴァ(50分)
 今季のMリーグでJDTに唯一の黒星をつけているトレンガヌFCは、リー・タックのクロスにジョーダン・ミンターが頭で合わせて先制し、前半を1-0とリードして折り返します。後半に入ってもトレンガヌFCはジョーダン・ミンターが積極的にゴールを狙いますが、得点には至りません。追加点が奪えないまま試合が進んだ50分、JDTはアリフ・アイマンからのパスを受けたエースのベルグソン・ダ・シルヴァがとトレンガヌDFをかわして同点ゴールを決めています。
 トレンガヌFCはその後もジョーダン・ミンターを中心にゴールを狙いますが、このまま試合は引き分けに終わり、こちらも次戦はJDTがアウェイゴールのアドバンテージを持ってホームでトレンガヌFCを迎え撃ちます。

マレーシアカップ-準々決勝第2戦結果

 11月14日にマレーシアカップ準々決勝第2戦の4試合が行われ、JDT(Mリーグ1部今季1位)、トレンガヌFC(同4位)、KLシティFC(同6位)、マラッカ・ユナイテッド(同8位)の4チームがベスト4に進出しています。準々決勝と同様、準決勝もホームアンドアウェイ方式で行われ、第1戦は11月22日、第2戦は11月26日に予定されています。

マレーシアカップ準々決勝第2戦
2021年11月18日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 スランゴールFC(2試合通算:KLシティFC 3-0 スランゴールFC)
得点者:KL-ロメル・モラレス(51分)
 絶好調を維持するロメル・モラレスがマレーシアカップ8試合で10ゴール目となるゴールを決めたKLシティFCが準々決勝2試合に連勝して、1992年以来29年振りとなる準決勝進出を決めています。KLシティFCの今季ホーム無敗記録はこの日の勝利で15試合(12勝3分)に伸びています。
 ケガでグループステージでの出場がなかった今季のリーグ得点王イフェダヨ・オルセグンが復帰したスランゴールFCは準々決勝1回戦とは明らかに別のチームで、選手同士の連動も目に見えて良くなっていました。後半には検疫隔離明けのU22代表主将のMFムカイリ・アジマルを投入するなど総力戦で臨みましたが、総合力で上回ったKLシティFCの軍門に降りました。
 いずれも首都圏クランバリーに本拠地を持つ両チームが対戦した「クランバリーダービー」に連勝したKLシティFCは準決勝ではマラッカ・ユナイテッドと対戦します。

2021年11月18日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 サバFC(2試合通算:マラッカ・ユナイテッドFC 3-1 サバFC)
得点者:マラッカ-アドリアーノ(3分)、ソニー・ノルデ(77分)、サバ-リスト・ミトレフスキ(90+3分PK)
 マラッカ・ユナイテッドFCがソニー・ノルデの2戦連発となるゴールなどでサバFCを破り、クラブ史上初となる準決勝進出を決めています。

2021年11月18日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 0-0 クダ・ダルル・アマンFC(2試合通算:JDT 1-0 クダ・ダルル・アマンFC)
得点者:JDT-アリフ・アイマン(40分)
 2019年に続く連覇(2020年は新型コロナ感染拡大により中止)を目指すJDTが19歳のFWアリフ・アイマンのゴールで挙げた1点を守り切り、準決勝に進んでいます。
 今季のMリーグ1部1位と2位の対決となった準々決勝第1戦のホームゲームを0-0で終えたクダ・ダルル・アマンFCは初戦を欠場したチェチェ・キプレが先発し、GKシャーリル・サアリの好セーブを連発しましたが、今季ホームでは12勝1分1敗と圧倒的な強さを誇るJDTの前に敗れています。
 JDTは準決勝でトレンガヌFCと対戦しますが、今季唯一の黒星がホームでのトレンガヌFC戦です。

2021年11月18日UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 2-4 トレンガヌFC(2試合通算:サラワク・ユナイテッドFC 3-6 トレンガヌFC)
得点者:サラワク-サンドロ・ダ・シルヴァ(71分)、ウチェ・アグバ(89分)、トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(2分、64分)、ファイサル・ハリム(12分)、ファイズ・ナシル(45分)
 ホームでの準々決勝初戦に2-1と勝利していたトレンガヌFCはこの日もジョーダン・ミンターとファイサル・ハリムのFWコンビが絶好調。ミンター選手がマレーシアカップ4得点目となるゴールを決めて先制すると、ハリム選手も2戦連発となるマレーシアカップ5得点目となるゴールを決めるなど、前半で3−0、通算成績を5-1としてリードを広げて勝利したトレンガヌFCは、JDTと準決勝で対戦します。

11月18日のニュース:KLシティFCはモラレスの帰化を画策、ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明、タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明

 昨日は12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに出場する代表候補が発表されましたが、今季の代表戦7試合の総得点が4点という慢性的な得点力不足に悩む代表のタン・チェンホー監督は今季リーグ戦の大半を棒に振るほどのケガから復帰のシャーレル・フィクリ(スランゴールFC)とダレン・ロック(PJシティFC)の2人のFWを招集しています。そんな火力不足の攻撃陣に朗報、という話題から始めましょう。

KLシティFCはモラレスの帰化を画策
 マレーシアカップ準々決勝は今日11月18日にホームアンドアウェイ方式の第2戦が行われますが、グループステージから通算して7試合で9ゴールを挙げているKLシティFCのロメル・モラレスはチームのベスト16進出の原動力となっています。
 昨季2020年シーズンはトレンガヌFCでプレーしたドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)を獲得したものの開幕からわずか6試合で今季絶望の負傷を負い、後半戦に向けてシーズン中のトランスファーウィンドウ期間に獲得したキリアン・ヌワブエズ(アメリカ)に至っては加入後初出場となった試合で負傷しこちらも今季絶望となるなど、ストライカーを立て続けに失ったボジャン・ホダック監督はMFのロメル・モラレスをFWにコンバートするとこれが大成功。リーグ戦では5ゴールにとどまったものの、マレーシアカップに入ってからはゴールを量産しています。
 そんなモラレス選手が代表の救世主となるのでは、とマレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。24歳のモラレス選手は2018年にMリーグ1部のPKNS FC(当時、後にチームはスランゴールFCと合併)に加入し、2020年シーズンはマラッカ・ユナイテッドFC、そしてKLシティFCに移籍した今季がマレーシアでの4年目のシーズンになることから、来季2022年もマレーシアでプレーすればFIFAが認める「継続して5年間の居住歴を持つこと」というマレーシアの帰化選手となる条件を満たすことになります。
 KLシティFCのスタンリー・バーナードCEOはブリタハリアンの取材に対して、クラブとして支援していく計画があることも認めており、またコンバートを命じたホダック監督もモラレス選手の身体の強さや技術に加え24歳という年齢も帰化選手として代表に貢献できるだろうと話しています。
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 モラレス選手のコンバートについてホダック監督は「他に候補者がいなかったことに加えて、(モラレス選手は)守備をしたがらないから、とりあえず前線に置いてみた。」と冗談とも本気ともわからないコメントを述べていますが、FWとなってからは身体を絞り込むなど意識も変わったことに加えて、本人の努力がゴールという結果になって出ていることも好結果が続いている理由だろうと分析しています。
 マレーシアの帰化選手(マレーシア人の父母や祖父母を持たないマレーシア国外生まれの選手)は2018年4月にマレーシア国籍を取得し同年10月に代表に招集されてマレーシアサッカー史上初の帰化選手となったガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(27歳、JDT)、2020年2月にマレーシアサッカー協会FAMの支援で帰化したコソボ出身のリリドン・クラスニキ(29歳、JDTからインドスーパーリーグのオディシャFCに期限付き移籍中)、同じくFAMの支援で帰化したブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(35歳、JDT)の3選手がいますが、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では3選手ともに活躍することができず、国内サッカーファンからはFAMの帰化プログラムに避難が集中し、FAMもプログラム見直しを表明する事態となりました。

ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明
 今季開幕後に発覚した給料未払い問題により、主力の大半がシーズン途中に退団した結果、Mリーグ1部で11位となり来季は2部に降格するペラFCの正GKで主将でもあるハフィズル・ハキムは、来季もペラFCでプレーするとしながらもそのためにはゼネラルマネージャー(GM)とチームマネージャー(TM)の留任を条件としていると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 ペラ州イポー出身でペラFCのユースチーム上りでもあるハフィズル選手は、アズマン・ノーGMとラシディ・ラヒムTMが来季もペラFCに残るのであれば、自身もペラFCに残留すると話していますが、ペラFCは一昨日の11月16日にアズマンGMを理事に任命した上でGM職を廃止し、ペラ州サッカー協会の理事でもあるハイリル・アンワル氏をCEOに任命する人事を敢行しています。
 「アズマンGMとラシディTMに対しては自身の来季残留を約束したが、もし両名がクラブに残らなければ、約束を果たす義理もなくなるので、残留に関する自分の考えも変わる可能性がある。」と話すハフィズル選手は、同じMリーグ1部のペナンFCを含めた複数のクラブからのオファーがあることを明らかにした上で、近々予定されている新たに就任したハイリルCEOとの面談で直接、説明を聞いてから最終決定を行うとしています。
 ウトゥサンマレーシアの記事では既にU22代表のGKでスズキカップ出場の代表候補にも選ばれているGKアズリ・アブドル・ガニとMFアディブ・ラオプは既に他のクラブと移籍交渉を行っており、ペラFCが選手の不信感を払拭できなければさらに選手の流出は続くとしています。

タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補が昨日発表されましたが、そのメンバーから代表でも主力として活躍するJDTの選手が複数漏れていましたが、これについてタン・チェンホー代表監督がその理由を説明しています。
 Mリーグ1部で8連覇を達成したJDTの主力選手でもあり、代表でも今年の試合にはほぼ全て出場したGKファリザル・マーリアス、DF(左SB)のラベル・コービン=オング、DF(右SB)のマシュー・デイヴィーズ、そしてU22代表招集をチームが拒否したFWアリフ・アイマンらがスズキカップ出場の代表候補に選ばれなかった理由についてマレーシアの通信社ブルナマは、疲労と休養をタン監督が理由にしていると報じています。
 「6月のW杯予選、その直後のAFCチャンピオンズリーグ、さらにはMリーグ、マレーシアカップと今年1年間を通して代表とクラブの両方で国内外の試合に休まず出場してきた選手に疲労回復と休養を与えるために今回の招集を見送った。代表チームの首脳陣は彼らの能力を熟知しており、JDTの監督、コーチらとも話し合いを行った結果、今回の選手選考となった。」と説明しています。さらに主力が欠場するスズキカップは他の選手にとってはポジション奪取のための好機であるとも述べて、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ3次予選に向けて代表チームの選手層を厚くするための選手選考であるとも説明しています。
 この他、ノー・アザム・アジー(スリ・パハンFC)、シャマー・クティ・アッバ(JDT)、ブレンダン・ガン(スランゴールFC)についてもそれぞれヒザの負傷、太ももの負傷、精巣腫瘍の治療を理由に招集しなかったことを説明しています。
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 東南アジアNo.1の称号が懸かるスズキカップですが、今回の招集メンバーは現在の代表が目指すべきはこのスズキカップ優勝ではなく、来年6月のアジアカップ予選突破であるというタン監督の決意の表れとも理解できます。その一方で前回大会では準優勝したスズキカップでメンバーを落として結果がグループステージ敗退となれば、アジアカップの前に自身の更迭論にも発展しかねません。
 そうならないためにもタン監督の覚悟に今回招集された選手たちが応えることに期待しましょう。

マレーシアカップ2021-準々決勝第1戦結果

 情報が古くなってしまいましたが11月14日にマレーシアカップ準々決勝第1戦の4試合が行われました。今季のマレーシアカップ準々決勝に残ったののはJDT(今季のMリーグ1部スーパーリーグ1位)、クダ・ダルル・アマンFC(同2位)、トレンガヌFC(同4位)、スランゴールFC(同5位)、KLシティFC(同6位)、マラッカ・ユナイテッドFC(同8位)、サバFC(同9位)、サラワク・ユナイテッドFC(2部プレミアリーグ2位)の8チームです。ホームアンドアウェイ方式で行われるマレーシアカップはこの日の第1戦の後、第2戦は11月18日に予定されています。

マレーシアカップ準々決勝第1戦
2021年11月14日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 0-2 KLシティFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(14分)、ハディン・アズマン(82分)
 共に首都圏に本拠地を持つ両クラブの対戦は伝統的に*クランバリーダービーと呼ばれています。今季のMリーグ1部での対戦ではいずれも1-1の引き分けに終わっていることからこの試合も拮抗することが予想されましたが、グループステージからの好調を維持するロメル・モラレスがマレーシアカップに入ってから7試合で9ゴール目となる先制ゴールを挙げてKLシティFCがリードを奪うと、シャーレル・フィクリを中心にスランゴールFCは反撃を試みるもグループステージ6試合で4失点のKLシティFC守備陣がその前に立ちはだかります。数少ない好機もオフターゲットのシュートが目立つなど、ケガによりマレーシアカップには出場していない今季リーグ得点王のイフェダヨ・オルセグン、アラブ首長国のドバイで合宿中のシンガポール代表に招集されたサフアン・バハルディン、さらにはU23アジアカップ予選に出場しモンゴルから帰国後の検疫隔離期間が延長されてチームに合流できていないムカリ・アジマルら主力を欠くチームは少なくともこの試合ではKLシティFCの脅威とはなりませんでした。
 第2戦はKLシティFCのホーム、KLフットボールスタジアムで行われますが、今季のKLシティFCはリーグ戦11試合、マレーシアカップ3試合の計14試合でホームでは無敗記録を継続中です。

2021年11月14日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 1-2 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(52分)
 グループステージでは5勝1分と無敗で突破したマラッカ・ユナイテッドFCに対して、最終戦のPJシティFC戦に1-0と辛勝して準々決勝に進出したサバFCの対戦は、試合開始から好機を演出し続けたソニー・ノルデがマレーシアカップでは4ゴール目となる得点を決めて、アウェイとなるコタキナバルでマラッカ・ユナイテッドFCに貴重な勝利をもたらしています。

2021年11月14日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマンFC 0-0 JDT
得点者:なし
 2ヶ月分の給料未払いが封じられていたクダ・ダルル・アマンFCについて、試合前にはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下と、クダ・ダルル・アマンFCを運営するクダ州サッカー協会会長でもあるモハマド・サヌシ・モハマド・ノークダ州首相の舌戦がソーシャルメディア上で繰り広げられるなど場外でも賑わったこの試合は、試合前に未払い給料が完済されたとの報道もあり、クダ・ダルル・アマンFCの選手たちのモチベーションも上がっていました。
 今季のMリーグでは0-2、0-1とJDTに完敗しているクダ・ダルル・アマンFCは、直近の過去20試合の対戦でもJDTに対して2勝4分14敗と明らかに分が悪く、さらにこの試合ではFIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に出場するレバノンにラビ・アタヤが、またAFFスズキカップに向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のシンガポールが親善試合にアヌマンサン・モハン・クマールを招集、さらに今季のMリーグでチーム2位の10ゴールを挙げているチェチェ・キプレがケガと主力の外国籍選手3名抜きで今季のMリーグチャンピオンとの対戦となりました。
 そういった諸々の事情からクダ・ダルル・アマンFCのアイディル・シャリン監督はホームゲームにも関わらず守備重視の布陣を選択、「勝つ」ための戦術ではなく「負けない」戦術で臨みました。開始直後から双方はオンザボールはもちろん、オフザボールでも激しく当たり合うやや荒れ気味の試合になりましたが、レノン・アルヴェスとロドニー・ケルヴィンが最後まで守備陣をコントロールし続けたクダ・ダルル・アマンFCが守りきり、試合は結局0-0で終了しています。

2021年11月14日スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 0-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:トレンガヌ-ファイサル・ハリム(17分)、ファイズ・ナシル(51分)、サラワク-シャールル・ニザム(22分OG)
 Mリーグ1部スーパーリーグではシーズン終盤に失速して4位に終わったトレンガヌFCですが、リーグ戦後のマレーシアカップではセカンドチームでMリーグ2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのトレンガヌFC IIの選手も含めた選手層の厚さを見せつける形でグループリーグを5勝1分けと無敗で突破し、この準々決勝に進んでいます。試合ではマレーシアカップに入ってもリーグ戦からの好調を維持しているファイサル・ハリムがペナルティエリアの外から豪快にシュートを決めて先制し、オウンゴールで動転するもののこの試合ではたびたび好機を演出していた身長156cmの小兵ファイズ・ナシルが地震で決勝ゴールを決めて2-1でトレンガヌFCが勝利しています。
 一方、プレミアリーグ勢としては唯一、準々決勝に残ったサラワク・ユナイテッドFCはジャイキリを目論んでこの試合に臨みましたが、前半の序盤には構成を見せたものの、その後は守勢に回ることが多く、むしろ1点差で済んだのは幸いでした。しかしこの最小得点差のまま耐え切ったことで準々決勝第2戦ではジャイキリの機会が残ったとも言えそうです。


マレーシアカップ-グループステージ第6節結果

 マレーシアカップのグループステージ最終節となる第6節が11月10日と11日に行われ、各組の上位2チームが進出する準々決勝の組み合わせが決定しています。
 11月14日と18日にホームアンドアウェイ方式行われる準決勝の組み合わせはA組1位のKLシティFC対B組2位のスランゴールFC、B組1位のトレンガヌFC対B組2位のサラワク・ユナイテッドFC、C組1位のマラッカ・ユナイテッドFC対D組2位のサバFC、そしてD組1位のJDT対C組2位のクダ・ダルル・アマンFCとなっています。
 (各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年11月10日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 0-1 KLシティFC
得点者:KL-ザフリ・ヤハヤ(83分PK)
 既に準決勝進出を決めているKLシティFCがスリ・パハンFCを破ってA組首位でグループステージを突破しています。
 マレーシアカップではここまでの5試合で8ゴールを挙げているロメル・モラレスや主将のパウロ・ジョズエ、さらにダニエル・ティンら主力メンバーを思い切って先発から外し休養させる余裕を見せたKLシティFCでしたが、0-0まま終了かと思われた83分にザフリ・ヤハヤが決勝ゴールを決め、グループステージ無敗でなんと29年ぶりとなる準々決勝に進出しています。その一方で前節のペナンFCで足首のケガを途中退場したDFイルファン・ザカリアがその後の診断で手術を要する重症で全治3ヶ月であることも発表されており、クラブにも代表にも文字通り痛い離脱となりました。KLシティFCは準々決勝では同じ首都圏に本拠地を持つスランゴールFCと「*クランバリーダービー」で対戦します。*クラン川に沿って発展したクアラルンプールとスランゴール州を含めた一帯の総称。
 今季のMリーグでは降格圏ギリギリの10位で1部残留を決めたスリ・パハンFCは、監督排斥運動が起こるほどの状況に陥っているペナンFC相手にに5-0、4-0と大勝したものの、結局、グループステージはこの2勝だけで、今季2部で2位だったサラワク・ユナイテッドFCにも2敗するなど、今後はドラー・サレー監督の進退が問われるのは必至です。まぁMリーグでの開幕2連敗で新監督のトマス・ドゥーリー監督を「休養」させて、昨季の不振を理由に一度は解任したドラー監督を再び監督に据えるような素人主導のフロント人事が来季も続くようであれば、来季は2部降格最有力候補となりそうです。

2021年11月10日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 1-2 ペナンFC
得点者:サラワク-クリスティ・ジャヤシーラン(7分)、ペナン-ジェフリ・フィルダウス・チュウ(13分)、アメル・アザハル(43分)
 KLシティFC同様、既に準々決勝進出を決めているサラワク・ユナイテッドFCはほぼ主力メンバーが先発しましたが、マレーシアカップでは未勝利だったペナンFCに初勝利を献上しています。
 1点を先制されたペナンFCは13分に巧妙なトリックプレーを使ったフリーキックで同点に追いつくと、その前にもゴールポストに阻まれるなど惜しいシュートを放っていたアメル・アズハルがエンドリックからジェフリ・フィルダウス・チュウと繋がったパスを受けて決勝ゴールを決めています。
 チーム内の混乱から外国籍選手を含めた主力選手の退団が噂されているペナンFCですが、この日のゴールを決めたジェフリ・フィルダウス・チュウとアメル・アズハル、また63分にサラワク・ユナイテッドFCが得たPKを好セーブで防いだブライアン・シーらが来季の主力となっているかも知れません。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組最終順位表(第6節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#KLC6420124814
2#SWU6312910-110
3SRP620411746
4PEN6114415-114
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC
#KLシティFCとサラワク・ユナイテッドFCのグループステージに進出が決定しています。


グループステージB組
2021年11月10日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンシティFC 1-1 トレンガヌFC
得点者:クチン-鈴木雄太(33分)、トレンガヌ-ラーマット・マカサフ(19分)
 B組首位での準々決勝進出を既に決めているトレンガヌFCは、今週日曜日から始まる準々決勝初戦に備えてか主力の一部を休ませる布陣で臨みましたが、クチンシティFCのミスに乗じてラーマット・マカサフが先制ゴールを決め、前半はトレンガヌFCがリードして終了します。
 後半が始まってすぐの46分には、ペナルティエリアの外でボールを得た鈴木雄太がシュートを放つとトレンガヌFCのDFに当たって覚悟が変わったボールがそのままゴールに吸い込まれてクチンFCが同点に追いつきます。先制点を許していたミスに絡んでた鈴木選手が自身のシュートで同点に追いつく展開となったこの試合はこのまま1-1で終了しています。今季2部で5位のクチンFCは1部の3チームを相手に6試合で1勝2分3敗と胸を張れる成績でマレーシアカップを終えています。
 リーグ戦では終盤失速して4位となったトレンガヌFCはこのマレーシアカップ優勝と優勝チームに与えられる来季のAFCカップ出場権獲得を目指し、準々決勝ではサラワク・ユナイテッドFCと対戦します。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年11月10日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-2 スランゴールFC
得点者:ペラ-ロイザット・ダウド(10分)、スランゴール-シーン・セルヴァラジ(72分)、ワン・ザック・ハイカル(85分)
 グループステージ敗退が決まっているペラFCが先制し、そのまま1-0が続いた試合はかつては琉球FCにも在籍したワン・ザック・ハイカルなどの2ゴールでスランゴールが逆転勝ちしています。
 スランゴールFCは準々決勝ではKLシティFCと対戦しますが、U23アジアカップ予選に出場し、帰国後の検疫隔離中のMFムカイリ・アジマルやDFハリス・ハイカルらが次戦からは出場可能となり、グループステージとは違ったチームが見られそうです。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組最終順位表(第6節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#TFC65101641216
2#SEL6402128412
3KUC6123612-65
3PRK6014414-101
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年11月9日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-0 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:マラッカ-マヌエル・オット( 24分)、ジョヴァンニ・ゴメス・ダ・シルヴァ(89分)
 C組の2位となるとD組1位のJDTが準々決勝の相手となることから、両チームともC組首位での突破を目指して対戦しました。Mリーグ1部では今季8位だったマラッカ・ユナイテッドFCが試合開始から終始優勢を保って試合を進め、リーグ2位のクダを抑えてC組首位で順々決勝進出を決めています。この結果、マラッカ・ユナイテッドFCは準々決勝ではサバFCと、クダ・ダルル・アマンFCはJDTと対戦します。

*11月9日に予定されていたヌグリスンビランFC対ケランタン・ユナイテッドFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、ケランタン・ユナイテッドFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#MLU65101551016
2#KDA6402136712
3KLU6114812-44
4*NSE6105112-113
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
#マラッカ・ユナイテッドFCとクダ・ダルル・アマンFCのグループステージに進出が決定しています。
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年11月9日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFC 0-4 JDT
得点者:JDT-シャフィク・アフマド(48分)、レアンドロ・ヴェラスケス(60分PK)、ギリェルメ・デ・パウラ(62分)、シャールル・サアド(90+1分)
 今季のMリーグチャンピオンのJDTが6戦無敗で準々決勝に進出し、リーグ優勝とマレーシアカップ優勝の今季2冠達成にまた一歩近づいています。

2021年11月9日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 1-0 PJシティFC
得点者:サバ-リスト・ミトレフスキ(21分PK)
 勝った方が準々決勝進出となる直接対決はサバFCがPJシティFCの猛攻を耐え忍んで1-0で勝利しています。この試合に引き分けても準々決勝への進出となっていたPJシティFCでしたが、リーグ戦では2勝、このマレーシアカップでも初戦は引き分けていたサバFCに対し、21分にサバFCのパク・タエスをK・プラバカランがペナルティエリア内で倒して与えたPKの1点に泣いています。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組最終順位表(第6節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#JDT66001411318
2#SAB622269-38
3PJC612356-15
4KEL6024413-92
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC
#JDTとサバFCのグループステージに進出が決定しています。

マレーシアカップ-グループステージ第5節結果

 マレーシアカップのグループステージ第5節が11月6日と7日に行われ、A組ではKLシティFCがペナンFCに、サラワク・ユナイテッドFCがスリ・パハンFCに勝利し、それぞれベスト8進出を決めています。この他、B組のトレンガヌFCとスランゴールFC、C組のマラッカ・ユナイテッドFCとクダ・ダルル・アマンFC、D組のJDTの計7チームがノックアウトステージとなるベスト8進出を既に決めており、最終節となる次節第6節でベスト8最後のチームが決定します。
 (各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年11月7日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-0 ペナンFC
得点者:KL-ロメル・モラレス(38分PK)
 A組首位のKLシティFCが接戦を制してグループ首位を確定させ、ベスト8進出を決めています。ペナンFCに攻め込まれる場面が多かったKLシティFCは、ゴール前の混戦からペナンFCの主将アズミ・ムスリムが痛恨のハンドでPKを得、これをロメル・モラレスがマレーシアカップ5試合で8ゴール目となるシュートを決めて先制し、そのまま逃げ切っています。KLシティFCはこれで今季はリーグ戦から14試合連続でホームで負けがなく(10勝4分0敗)、これはクラブの新記録ということです。(11/8に一部を訂正しました。)
 先日のこのブログでも取り上げた通り、リーグ戦の好調が嘘のような不振に陥っているペナンFCですが、この日は過去2試合で0得点11失点というのが信じられないほど攻守とも素晴らしく、過去2試合先発したGKブライアン・シーも何度もファインセーブを見せるなど、なぜこのチームがここまでの4試合で未勝利なのかが全くわかりませんでした。
 この試合はスタジアムに足を運びペナンFC側のスタンドで観戦しましたが、ゴール裏にはトマス・トルカ監督を糾弾する横断幕、そしてスタンドからはやはりトルカ監督を批判する声なども飛び交い、少なくとも現時点ではサポーターからの支持を得られていない様子が感じられました。

2021年11月7日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 1-2 サラワク・ユナイテッドFC 0-0 スリ・パハンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ(13分)、サラワク-サンドロ・ダ・シルヴァ(31分)、アブドル・ラヒム・アブドル・ラザク(90+5分)
 スリ・パハンFCは13分にマヌエル・イダルゴのバックヒールパスを受けたアシャ・アル=アフィズのクロスをケニー・アティウが2戦連続となるゴールを決めて先制しますが、サラワク・ユナイテッドFCもゴール前の混戦に詰めていたサンドロ・ダ・シルヴァのゴールで同点に追いつき、試合はそのまま引き分けかと思われた後半ロスタイムに途中出場のアブドル・ラヒム・アブドル・ラザクが決勝ゴールを決め、最終節を残してサラワク・ユナイテッドが2部プレミアリーグのクラブとして唯一、マレーシアカップのベスト8へ駒を進めています。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#KLC5320114711
2#SWU531188010
3SRP520311656
4PEN5014214-121
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC
#KLシティFCとサラワク・ユナイテッドFCのグループステージに進出が決定しています。


グループステージB組
2021年11月7日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 0-0 トレンガヌFC
得点者:スランゴール-シャーレル・フィクリ(33分)、トレンガヌ-ファイサル・ハリム(15分)、ジョーダン・ミンター2(72分、90分)
 現在のチーム力の差が如実に現れた試合は、トレンガヌFCがマレーシアカップでも絶好調が続くファイサル・ハリムとジョーダン・ミンターの活躍でスランゴールFCを圧倒しています。
 ドリブルでスランゴールFC陣に切り込んだファイサル選手からパスを受けたエンク・ヌル・シャヒールがシュートを放つも、スランゴールFCのGKカイルルニザムがセーブ、しかしそのこぼれ球をファイサル選手自身が蹴り込んでトレンガヌFCが先制します。スランゴールFCもケガからの代表復帰を目指すFWシャーレル・フィクリが同点ゴールを決め、1-1のまま試合は後半へ。
 後半に入ると、今季のMリーグでは2部のトレンガヌFC IIで16ゴール、トップチームのトレンガヌFCで4ゴールを挙げながらトップチームでの先発機会に恵まれないことから先週は「チームが自分を必要としていないなら、来季もトレンガヌFCに残るかどうかはわからない。」と発言したジョーダン・ミンターが終盤に2ゴールを挙げる活躍を見せてトレンガヌFCが快勝し、B組首位でのグループステージ突破を決めています。

2021年11月7日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 0-1 クチンシティFC
得点者:クチン-ラフィク・シャー・ザイム(72分)
 クチンシティFCは72分、ジョセフ・カラン・ティーからのパスに反応してDFラインの裏へ抜け出したマイケル・イジェジがペナルティーエリアへ持ち込むも、ペラFCのGKファルハン・アブドル・マジッドが好反応してこれをブロック、しかしそのこぼれ球を詰めていたラフィク・シャー・ザイムがゴールして先制し、そのまま逃げ切り、記念すべきマレーシアカップクラブ史上初勝利を挙げています。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#TFC55001531215
2#SEL530210739
3KUC5113511-64
3PRK4013312-91
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年11月6日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッドFC 1-3 クダ・ダルル・アマンFC
得点者:ケランタン-ファクルル・ザマン(73分)、クダ-シャズワン・ザイノン( 34分)、バドロル・バクティアル(36分)、ファイヤド・ズルキフリ(85分)
 多数の新型コロナ陽性者が出たヌグリスンビランFCがマレーシアカップを途中で辞退したことから前節、前々節と試合がなかったクダ・ダルル・アマンFCはマレーシアカップ初先発となる第3GKのイルハム・アミルラー・ラザリを先発させ、チェチェ・キプレをベンチスタートさせる余裕を見せましたが、15分にはクパー・シャーマンのPKをケランタン・ユナイテッドFCのフィクリ・チェ・ソーに止められるなど嫌な雰囲気で試合は進みましたが、34分にはシャズワン・ザイノンが、また36分にはバドロル・バクティアルがそれぞれゴールを決めて試合の主導権を掴むと、ケランタン・ユナイテッドFCを1点に押さえて勝利しています。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*11月6日に予定されていたヌグリスンビランFC対マラッカ・ユナイテッドFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、マラッカ・ユナイテッドFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#MLU5410135813
2#KDA5401134912
3*NSE5105112-113
4KLU5014512-71
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年11月6日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-2 JDT
得点者:PJ-R・ルヴェンティラン(11分)、JDTベルグソン・ダ・シルヴァ(14分PK)、マウリシオ(28分)
 相手ディフェンスのミスに乗じてPJシティFCがR・ルヴェンティランのゴールで先制。JDTはマレーシアカップ5試合目にして初の失点でしたが、この試合でも随所で素晴らしいドリブルを見せたJDTのアリフ・アイマンがペナルティエリアで倒されて得たPKをベルグソン・ダ・シルヴァが決めてすぐに同点とします。JDTはさらに28分にペナルティーエリアの外で得たPKからのこぼれ球をマウリシオが押し込んでリードを奪いそのまま逃げ切っています。
 この試合はスタジアムで観戦しましたが、得点力不足の代表に復帰して欲しいと個人的に注目していたPJシティFCのFWダレン・ロックにはほとんどボールが回らず、途中で交代しています。

2021年11月7日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバFC 2-1 ケランタンFC
得点者:サバ-アムリ・ヤハヤ(7分)、サーリザン・サイディン(90+1分)、ケランタン-サフアン・ハズマン(5分)
 サバFCがこのグループステージで初勝利し、オン・キムスイ監督に初白星をプレゼントするとともに、次節最終節でのグループステージ突破の可能性を残しています。サバFCは次節は本拠地にPJシティFCを迎え、サバFCが勝てばサバFCが、引き分け以上ならPJシティFCがベスト8に進出します。
 ケランタンFCはオーナーのノリザム・トゥキマン氏がマレーシアカップに優勝すれば監督にポルシェをプレゼントするとしていましたが、チームはグループステージ敗退が決まりました。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第5節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1#JDT5500101815
2PJC51225505
3SAB512259-45
4KEL502349-52
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC

マレーシアカップ-グループステージ第4節結果

 本日11月4日はヒンドゥー教の新年に当たるディパバリと呼ばれる国民の祝日です。インド系の住民が総人口のおよそ7%を占める多民族国家のマレーシアでは、イスラム教以外の宗教に関連する祝日がいくつかあります。
 さて本題。マレーシアカップのグループステージ第4節が11月1日から3日にかけて行われ、B組のトレンガヌFCのスランゴールFC、C組のマラッカ・ユナイテッドFC、D組のJDTがノックアウトステージとなるベスト8進出を決めています。
 なお12月5日開幕の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ前にマレーシアカップを終了させたい主催者のMFLは、大半の選手とクラブとの契約が11月末までとなっていることもあり、かなり過密気味の日程を作成しています。10月29日(金)と30日(土)に開催された第3節から、クラブによっては移動日を含めてわずか3日後に第4節の試合が組まれています。また次節第5節は明日11月5日から7日となっており、日程消化のためとは言え、選手には酷なスケジュールが11月9日と10日の最終第6節まで続き、疲労によるケガなどが心配されます。
 (各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年11月3日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
サラワク・ユナイテッドFC 2-2 KLシティFC
 得点者:サラワク-ウチェ・アグバ2(22分、40分)、KL-ロメル・モラレス2(36分、74分)
前説に続きグループ1位と2位の直接対決となったこの試合は、前節ではKLシティFCに0-4と一蹴されたサラワク・ユナイテッドFCが、グループステージ開幕戦以来となるウチェ・アグバのゴールで先制しますが、絶好調のロメル・モラレスがこのマレーシアカップ4試合で6点目となるゴールを決めて同点とし、アグバ選手のゴールでサラワクが再びリードを奪うも、モラレス選手が再度、ゴールを決めて引き分けとなっています。

2021年11月3日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFC 0-5 スリ・パハンFC
得点者:パハン-ケニー・アティウ3(10分、35分、82分)、アブバカル・ヤクブ(21分)、アブドル・マリク(58分)
 前節はスリ・パハンFCの本拠地で行われた同一カードで0-4と大敗したペナンFCでしたが、本拠地へ戻って行われたこの試合ではさらに失点を重ねて0-5と惨敗しています。エースカサグランデと正GKのサミュエル・サマーヴィルがベンチから外れるなど万全の布陣ではないとは言え、Mリーグ1部で今季3位の片鱗を見せることなく敗れています。
 一方、今季のMリーグでは2部降格の10位ペラFCとは勝点差2で1部に踏みとどまったスリ・パハンFCですが、マレーシアカップでは2連敗の後、ペナンFCとの2戦では9得点無失点と調子を上げてきており、グループステージ突破も見えてきました。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1KLC422010468
2SWU421167-17
3SRP420210466
4PEN4013213-111
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC、


グループステージB組
2021年11月3日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
クチンシティFC 1-2 スランゴールFC
得点者:マイケル・イジェジ(67分)、スランゴール-ダニアル・アスリ(18分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(90+6分)
 前節の同一カードでは1-5と敗れているクチンシティFCは、この試合でもスランゴールFCに先制を許したものの前節同様、マイケル・イジェジの2試合連続となるゴールで同点に追いつきます。しかしこの試合ではスランゴールFCの攻撃を耐え忍んでこのまま引き分けかと思われたロスタイムに痛恨の失点で敗れ、残り2試合を残しマレーシアカップグループステージ敗退が決まっています。
 主力選手を欠きながらも土壇場での勝利でグループステージ突破を決めたスランゴールFCは、次節はグループ首位のトレンガヌFCを本拠地に迎えます。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年11月3日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 4-0 ペラFC
得点者:トレンガヌ-マカン・コナテ(13分)、デヴィッド・ダ・シルヴァ(20分)、デシ・マルセル(26分)、ファイサル・ハリム(63分PK)
 グループ首位のトレンガヌFCが4連勝で首位を堅持しています。トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督は前節の同一カードで4-1と圧勝したメンバーから外国籍選手を入れ替えて臨みましたが、リーグ戦では不調だったデヴィッド・ダ・シルヴァがマレーシアカップ初先発となったこの試合で初ゴールを決めるなど、選手をローテーションしても圧勝し、4戦無敗でグループステージ突破を決めています。
 トレンガヌFCとの2試合で8失点のペラFCは、クチンシティFCと入れ替わってグループ最下位に転落するとともに、マレーシアカップ敗退が決まっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1TFC44001221012
2SEL43019459
3KUC4013411-71
3PRK4013311-81
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年11月1日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン・ユナイテッドFC 3-3 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:ケランタン-谷川由来(22分)、ガッサマ・アルフセイネイ(39分)、シャフィジ・イクマル(78分)、マラッカ-ソニー・ノルデ(25分)、S・クマーラン(55分)、マヌエル・オット(84分)
 前節の同一カードでは1-2と敗れているケランタン・ユナイテッドFCは、ケランタンのレジェンド、バドリ・ラジからのパスを受けた谷川由来選手がペナルティエリアの外から豪快にシュートを決めて先制します。その直後に同点されるものの、エース、ガッサマ・アルフセイネイが逆転ゴールを決めて前半はケランタン・ユナイテッドFCがリードして折り返しました。後半開始直後に再び同点されるも、途中出場直後のシャフィジ・イクマルがゴールを決め、マレーシアカップ初勝利が見えたところで、同点に追いつかれ引き分けに終わっています。この結果、ケランタン・ユナイテッドFCのマレーシアカップグループステージ敗退が決まりました。
 マラッカ・ユナイテッドはFCは、前節でもケランタン・ユナイテッドFCの守備陣を悩ませたソニー・ノルデが同点ゴールを決め、さらに引き分けに持ち込んだゴールを演出するなど勝点1獲得に貢献し、グループステージ突破を決めています。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*11月2日に予定されていたヌグリスンビランFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、クダ・ダルル・アマンFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1MLU4310105510
2KDA330110379
3*NSE310318-73
4KLU401349-51
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年11月2日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-0 サバFC
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(6分)、 ベルグソン・ダ・シルヴァ2(34分PK、90+3分)
 マレーシアカップでもローテーションで選手を交代させながら戦っているJDTが4試合連続の完封勝利でグループステージ突破を決めています。
 一方サバFCは2試合連続の完封負けでケランタンFCと入れ替わって最下位に転落しています。

2021年11月2日@スルタン・モハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFC 0-0 PJシティFC
得点者:なし
 両チームとも決め手を欠いたこの試合は、同一カードで連敗を避けたいケランタンFCが本拠地でPJシティFCを相手に引き分けています。
 PJシティFCはケランタンGKの好守に阻まれたものの、Mリーグ同様、「負けない」試合運びで確実に勝点1を獲得してグループ2位を死守しています。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第4節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1JDT440080812
2PJC41214315
3KEL402237-42
4SAB402238-52
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC

マレーシアカップ-グループステージ第3節結果

 代表のヨルダン遠征などにより9月30日以来中断していたマレーシアカップのグループステージが再開し、第3節の7試合が10月29日(金)と30日(土)に開催されました。
 なおマレーシアカップ第3節からは一定の制限はあるもののスタジアムでの観戦が可能になっています。(各試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

グループステージA組
2021年10月30日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 4-0 サラワク・ユナイテッドFC
得点者:KL-ロメル・モラレス2(9分、12分)、J・パルティバン(55分)、ライアン・ラムバート(59分)
 1部スーパーリーグのKLシティFCがロメル・モラレスの2ゴールなどで2部プレミアリーグのサラワク・ユナイテッドFCに快勝。シーズン後半からストライカーにコンバートされたモラレスが3試合で5ゴールと好調維持しています。
 ここまで1部のペナンFCとスリ・パハンFCを撃破したサラワク・ユナイテッドFCは守備陣が崩壊して完敗。このブログでも取り上げましたが主将で守備陣の要となるテイラー・リガンが中断期間中の練習試合でのケガで今季絶望となったことが響きました。

2021年10月30日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 4-0 ペナンFC
得点者:アブドル・マリク・アリフ2(11分、55分)、マヌエル・イダルゴ(47分)、ヤクブ・アブバカル(72分)
 スリ・パハンFCが今季のマレーシアカップ3試合目で初勝利。リーグ戦から数えても8試合勝星のなかったスリ・パハンFCでしたが、リーグ戦でも連敗していたペナンFCを相手に大勝しています。
 どうしたペナンFC!? 今季のMリーグでは3位と大躍進したペナンFCは、エースのFWカサグランデと代表GKサミュエル・サマーヴィルを欠くなど苦しい布陣で臨んだこの試合は自慢の守備陣が崩壊し、良いところなく敗れています。

2021年マレーシアリーグ グループステージA組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1KLC32108267
2SWU320145-16
3SRP31025413
4PEN301328-61
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PEN-ペナンFC、KLC-KLシティFC、SPP-スリ・パハンFC、SWU-サラワク・ユナイテッドFC、

グループステージB組
2021年10月30日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴールFC 5-1 クチンシティFC
得点者:スランゴール-ハイン・テット・アウン(1分)、ダニアル・アスリ2(59分、80分)、サフアン・バハルディン(66分PK)、シーン・セルヴァラジ(90+4分)、クチン-マイケル・イジェジー(10分)
 1部のスランゴールFCが2部のクチンシティFCに圧勝しています。今季Mリーグ1部得点王のイフェダヨ・オルセングンら主力がベンチ入りせず、若手主体で望んだこの試合ではキックオフからいきなりハイン・テット・アウンのゴールで先制すると、一度は追い付かれたものの、クチンシティFCのミスなどに乗じて勝利しています。
 クチンシティFCは一度は同点に追いつきながら、追加点の好機を悉く生かすことができず、後半はミスなどで失点を重ねて敗れています。
 クチンシティFCの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年10月30日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラFC 1-4 トレンガヌFC
得点者:ペラ-セルヒオ・アグエロ(24分PK)、トレンガヌ-ファイサル・ハリム(7分)、ダニシュ・ハジク(47分OG)、リー・タック2(54分、83分)
 20年ぶりのマレーシア優勝とAFCカップ出場権獲得を目指すトレンガヌFCは、リーグ戦からの好調を持続する若きエース、ファイサル・ハリムのゴールを皮切り4点を挙げて大勝しています。
 今季11位と低迷し来季の2部降格が決まっているペラFCは、先週、選手外国籍選手4名との契約解除を発表した結果、トレンガヌFCの5名に対して3名の外国籍選手を先発させましたが、戦力差は明らかで太刀打ちできませんでした。

2021年マレーシアリーグ グループステージB組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1TFC33008269
2SEL32017346
3PRK301337-41
4KUC301228-61
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:TFC-トレンガヌFC、SEL-スランゴールFC、PRK-ペラFC、KUC-クチンシティFC

グループステージC組
2021年10月29日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッドFC 2-1 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:マラッカ-ソニー・ノルデ(25分)、アドリアーノ(54分)、ケランタン-深井脩平(43分)
 今季リーグ戦では8位だったマラッカ・ユナイテッドFCが3連勝を飾っています。ゴール前の混戦からソニー・ノルデのゴールで先制すると、一度は追いつかれたもののアドリアーノがペナルティエリアの外からシュートを決めて無傷の3連勝で首位を堅持しています。
 マレーシアカップ初出場のケランタン・ユナイテッドFCは深井脩平選手が記念すべきクラブ史上初となるマレーシアカップ初得点を決めて一度は同点としましたが、反撃はそこまででした。
 ケランタン・ユナイテッドFCの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場し、本山雅志選手はベンチ入りしませんでした。

*10月29日に予定されていたヌグリスンビランFC対クダ・ダルル・アマンFCの試合は、ヌグリスンビランFCの出場辞退により、クダ・ダルル・アマンFCが3-0で不戦勝となっています。

2021年マレーシアリーグ グループステージC組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1MLU33007259
2KDA32017346
3*NSE310215-40
4KLU300316-50
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDAークダ・ダルル・アマンFC、MLU-マラッカ・ユナイテッドFC、NSE-ヌグリスンビランFC、KLU-ケランタン・ユナイテッドFC
*ヌグリスンビランFCは新型コロナ感染者が多数発生したため、第3節以降を出場辞退しています。

グループステージD組
2021年10月29日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
JDT 2-0 サバFC
得点者:JDT-ハズワン・バクリ(5分)、ゴンザロ・カブレラ(13分)
 マレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターを辞職し、10月1日付でサバFCの監督に就任したオン・キムスイ監督にとって初采配となったこの試合は、いずれも守備陣のミスから試合早々に2失点したサバFCが敗れ、オン監督の初戦を勝利で飾ることができませんでした。
 一方JDTは3試合連続の完封勝ちでリーグ優勝との2冠に向けて、死角なしといったところです。

2021年10月29日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 3-1 ケランタンFC
得点者:PJ -ダレン・ロック2(11分、81分)、コギレスワラン・ラジ(19分)、ケランタン-クリストス・インツィディス(36分)
 今季リーグ戦の大半をケガで棒に振ったダレン・ロックがこの試合も2ゴールを決め3戦で3発と活躍。現在、ストライカー不足に悩む代表への復帰が見えてきました。

2021年マレーシアリーグ グループステージD組順位表(第3節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1JDT33005059
2PJC31114314
3SAB302135-22
4KEL301237-41
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:PJC-PJシティFC、SAB-サバFC、KEL-ケランタンFC

10月6日のニュース:KLシティFCがイランのセパハンFCと提携、今季途中加入のシェーン・ローリーがJDTとの契約を2年延長、クラスニキがインディアンスーパーリーグのオディシャFCに合流

 マレーシア代表のヨルダン合宿に招集されながらケガを理由にこれを辞退する一方で、所属クラブの試合に出場したディオン・コールズについて、代表サポーターからは非難の声が上がりましたが、タン・チェンホー代表監督はコールズ選手の体調不良は事実であると述べ、コールズ選手自身もソーシャルメディア上で理解を求めています。タン代表監督は選手が所属するクラブと緊密に連絡を取っており、コールズ選手の体調が代表招集には不十分だと理解していると述べていますが、それならなぜ一旦は招集しながら辞退させる、という手間のかかる方法をとったのかと素人的に考えてしまいます。辞退前提の形式的な招集などせずに、最初から「イカ釣り」事件のシャールル・ニザムを招集しておけば、そもそも「事件」は起こらず、シャールル選手も今頃はヨルダンにいたはずです。

KLシティFCがイランのセパハンFCと提携
 Mリーグ1部のKLシティFCは公式Facebookでペルシャンガルフプロリーグ(イラン1部リーグ)の フーラッド・モバラケ・セパハンFC(セパハンFC)との提携に関する基本合意書MOUに調印したことを報じています。
 オンラインで行われたMOU調印には、イランのアリ・アシュガル・モハマディ駐マレーシア大使、セパハンFCのモハマッド・レザ・サケット会長、KLシティFCを運営するクアラルンプール・ユナイテッドFC社のカリド・アブドル・サマド理事長、スタンリー・バーナードCEO、そしてKLシティFCのボジャン・ホダック監督らが出席しています。
 KLシティFCのスタンリーCEOによれば今回のMOU調印はMリーグクラブとイランのクラブとの間では初ということで、今後は練習試合の開催や選手の交流などが検討されているということです。
 国内リーグ優勝5回、優勝チームはAFCチャンピオンズリーグに出場する国内カップ戦のハズフィーカップ優勝4回、2007年のAFCチャンピオンズカップ準優勝といった実績を持つセパハンFCは、同様の協力関係をロシア1部プレミアリーグのFCゼニト・サンクトペテルブルクとも今年初旬に締結しています。(写真はKLシティFCの公式Facebookより)

3人、立っている人の画像のようです

今季途中加入のシェーン・ローリーがJDTとの契約を2年延長
 Mリーグ1部で8連覇を果たしたJDTは今季途中に加入したオーストラリア出身のDFシェーン・ローリーとの契約を延長したことをクラブ公式Facebookで発表しています。
 この契約延長を報じたマレーシアの通信社ブルナマは、今季途中のトランスファーウィンドウ期間に加入した際に6ヶ月の契約を結んでいたローリー選手の契約が2023年まで延長されたと報じています。
 今季出場したAFCチャンピオンズリーグACLでJDTは、昨年のACL水原三星ブルーウィングス戦でゴール挙げてチームの勝利に貢献したFWのゴンザロ・カブレラを登録メンバーから外してまで、このローリー選手を登録していました。
 31歳のローリー選手はリーズ・ユナイテッド、シェフィード・ユナイテッド、ミルウォール、レイトン・オリエントなど英国2部のクラブや、オーストラリア1部Aリーグのパース・グローリーなどでのプレー経験があります。

クラスニキがインディアンスーパーリーグのオディシャFCに合流
 Mリーグ1部からインディアンスーパーリーグISLのオディシャFCに期限付き移籍したリリドン・クラスニキが来月のリーグ開幕を前にチームに合流したとマレーシア語紙のハリアンメトロが報じています。
 モハマドゥ・スマレ、ギリェルメ・デ・パウラ(いずれもJDT)に続くマレーシア人の血を引かない帰化選手でもあるクラスニキ選手は、今年11月から来年3月までの続くISLの今季2021/2022年シーズンいっぱいの期限付き移籍で、買い取りオプションも付けられているということです。
 MリーグのクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)やマラッカ・ユナイテッドFCで通算5年以上プレーしたことで帰化選手としてマレーシア代表でもプレーする資格を得たクラスニキ選手は今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選でもプレーしています。
 29歳のクラスニキ選手がプレーするオディシャFCは昨季は11チームで構成されるISLでは最下位11位でした。
 クラスニキ選手は今年2月から8月まではオーストラリア1部Aリーグのニューカッスル・ジェッツに期限付き移籍し、全て途中出場で9試合に出場しています。