Mリーグ2部プレミアリーグ第11節結果

 今季は11チームが参加するプレミアリーグは今節から後半戦に入ります。前半のトップ3はヌグリスンビラン、サラワク・ユナイテッド、ケランタン・ユナイテッドでしたが、優勝争いはこの3チームに1部昇格権のないJDT IIやトレンガヌIIが絡む展開になりそうです。

2021年4月27日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-2 クチンシティー
得点者:クチン-モハマド・アリフ・ハサン(57分)、ジョセフ・カラン・ティー(90+3分)
 前節のケランタン・ユナイテッド戦から中三日での試合となったクチンがケガから復帰途中の代表CBシャルル・シャアドやトップチームの主力FWフィルダウス・サイヤディらが先発したペラIIを破り5試合ぶりの勝利を挙げています。
 クチンシティーの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年5月1日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 1-0 JDT II
得点者:サラワク-ノーシャルル・イドラン・タラハ(85分)
 サラワクはエースのウチェ・アグバを欠いたものの、代表FWのノーシャルル・イドラン・タラハが今季2度目のゴールを決めてJDTに勝利しています。前節第10節までにリーグ最多の8ゴールを挙げているウチェ・アグバが母親の死去に伴い母国ナイジェリアに帰国しており、次節第12節のケランタン・ユナイテッド戦も欠場となりそうです。
 JDTの廣瀬慧選手は先発してフル出場しています。

2021年5月2日@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 4-1 ケランタン・ユナイテッド
得点者:トレンガヌ:ジョーダン・ミンター3(4分PK、32分PK、70分)、アルグジム・レゾヴィッチ(55分)、ケランタン-アルフセイネイ・ガッサマ(40分)
 1部スーパーリーグのトップチーム、トレンガヌFCで今季4ゴールを挙げているトレンガヌIIのジョーダン・ミンターが2本のPKを含む3ゴールを決めて、トレンガヌが無敗記録を更新、3位に浮上しています。ミンター選手はトレンガヌIIに復帰した過去3試合で計7ゴールと量産しています。一方、今季最大の4失点となったケランタン・ユナイテッドは連勝が3で終わり、順位も一つ下げて4位となっています。
 トレンガヌの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場、本山選手は46分から交代出場し最後までプレーしています。

2021年5月2日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 0-1 ヌグリスンビラン
得点者:ヌグリスンビラン-A・セルヴァン(75分)
 ヌグリスンビランがA・セルヴァンの今季初ゴールで勝利し、首位を堅持しています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発してフル出場しています。

2021年5月3日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール2 3-1 ケランタン
得点者:スランゴール-ハリス・ハイカル(6分)、ムハマド・ファズルル・ファリズ・ゼキ(39分)、ジョージ・アトラム(45+2分PK)、ケランタン-ジャック・ヒンドル(71分PK)

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第11節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS10631169721
2SU96211741320
3TFC103701810816
4KU105141212016
5SEL94321812615
6JDT104331711615
7KEL104241010014
8KCH10244912-310
9PRK10235916-79
10PDRM10226914-58
11FAM10028732-252
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第11節はFAM-MSN プロジェクトの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第11節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)8
2ジョーダン・ミンター7
ジョージ・アトラム(SEL)7
3アラン・オコノ(NS)6
4ガッサマ・アルフセイネイ(KU)5
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

5月4日のニュース:不振のマラッカU監督に2試合の猶予、スリ・パハンの新外国籍選手4名は既に国内で検疫隔離中、ケランタンFCオーナーがインドネシア2部クラブを買収

 日本代表の浅野拓磨選手が所属するセルビア1部のパルチザンに対して度重なる給料未払いを理由とした契約解除がニュースになっています。同じように昨季のリーグ中断期間中にパハンFA(現スリ・パハン)に対して給料未払いを理由に契約解除し、タイ1部のポリス・テロFCを経て今季はJDTに加入したモハマドゥ・スマレはパハンFAとやはり泥仕合になりそうな気配でしたがが、続報がないところを見ると雇用主側に問題があったのかも知れません。まぁ今季の成績も含め、スリ・パハンは現場の責任だけを追求せず、経営陣にもメスを入れて欲しいクラブです。

不振のマラッカU監督に2試合の猶予
 Mリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドはザイナル・アビディン・ハサン監督に対して、次節の第12節とその後の第13節の2試合の結果いかんでは解任となることを通達したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 第11節を終えて3勝4分4敗の9位と低迷するマラッカ・ユナイテッドのモハマド・サイフル・マット・サピCEOは第12節のサバFC戦と第13節のPJシティ戦でのチームのパフォーマンスが評価の対象となることをザイナル監督に通達したことを明らかにしています。
 低迷するクラブに対してサポーターからはさまざまな声が聞こえてくる中、経営陣としては性急な判断は下したくないと話したモハマド・サイフルCEOは、ザイナル監督の後任候補などとの面談などは行なっておらず、そういった判断を行うのは第13節以降となると話しています。
*****
 マラッカ・ユナイテッドについては、何度も述べていますが、現場では対処しようがない未払い給料問題があり、昨季に続き今季も既に勝点3が剥奪されており、もしその3点が加算されれば7位のKLシティと同じ勝点になります。給料未払い問題は勝点剥奪だけでなく、選手のやる気、そして当然パフォーマンスにも影響を及ぼしますが、それが2年連続で起こしている経営陣の責任の所在は不明のまま、結果が出なければ監督の首をすげ替えるというのでは、今後も同じことが繰り返される可能性があります。

スリ・パハンの新外国籍選手4名は既に国内で検疫隔離中
 Mリーグ1部スーパーリーグで第11節を終え2勝2分7敗と不振を極めるスリ・パハンは4名の新外国籍選手が昨日5月3日から始まったトランスファーウィンドウ期間に移籍するようですが、スリ・パハンは既に開幕から5名の外国籍選手が在籍しており、どの選手がチームを離れるのかがサポーターの間で関心を呼んでいます。
 ハリアンメトロはこの4選手がFWアウン・カウン・マン(ミャンマー)、MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)、MFアブバカール・ヤクブ(ガーナ)、FWケニー・アティウ(オーストラリア)と報じており、このブログで取り上げたタイ代表FWアディサック・クライソーンの加入はなさそうです。
 スリ・パハンのモハメド・スフィアン・アワンCEOはこの4選手の加入を認め、既に3名はクラブの本拠地があるパハン州クアンタン入りしており、残る1名も明日5月5日には検疫隔離が終了するということです。
 この4人が加入すれば、4名の外国籍選手が退団となりますが、その4名が誰なのかは現時点では開かせないとハリアンメトロのインタビューに答えています。
 今季のスリ・パハンは主将で今季3年目のDFエラルド・グロン(フランス)、DFママドゥ・ワグ(フランス/レバノン)、MFリー・タック(英国)、FWイェウヘン・ボハシュヴィリ(ウクライナ)、FWペドロ・エンリケ(東ティモール)が在籍しています。

ケランタンFCオーナーがインドネシア2部クラブを買収
 Mリーグ2部ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが隣国インドネシア2部のクラブを買収したとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 今回買収したのはスマトラ島中部リアウ州を本拠地とするインドネシア2部PSPSリアウです。自身のFacebookで今回の買収を発表したノリザム オーナーは、自身が投資家でもあることから、今回の買収が将来を見据えたもので、直ちに利益を生み出すことは期待していないと話しています。
 一方PSPSリアウの公式Facebookでリアウとマレーシアの結びつきについて言及しながら、ノリザム オーナー就任を歓迎するコメントを掲載しています。
*****
 リアウはポルトガルが1611年にマラッカ王国を攻略した際に生き延びたマラッカ王国の末裔が設立したジョホール王国が勢力を拡大し、マラッカ海峡の両岸にかけて発展したジョホール・リアウ王国の一部でもありました。しかしその後、1824年の英蘭協約により、スマトラ島にあった英国の領有地やと当時オランダ領だったマラッカを交換し、スマトラ島とジャワ島をオランダが、マラッカやペナン、シンガポールといったマレー半島を英国がそれぞれ自身の勢力範囲としたことで、マラッカ海峡を挟んで現在のインドネシアとマレーシアに別れてしまった経緯があります。

Mリーグ2部プレミアリーグ第10節結果

 首位サラワク・ユナイテッドと2位ヌグリスンビランの直接対決が引き分けとなった隙をついて、いつの間にかケランタン・ユナイテッドが3連勝で3位に浮上。しかも7位までが勝点1で並ぶ大混戦となってきたMリーグ2部プレミアリーグ第10節の結果です。

2021年4月23日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
JDT II 1-1  ケランタン
得点者:JDT-フェルナンド・ロドリゲス(60分)、ケランタン-ヌルシャミル・アブドル・ガニ(71分) 
 JDTの廣瀬慧選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年4月23日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-0 MSN FAMプロジェクト

2021年4月24日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 1-1 サラワク・ユナイテッド
得点者:ヌグリスンビラン-アラン・オコノ(62分)、サラワク-ゴピ・ラマチャンドラ(1分)

2021年4月24日@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 2-2 スランゴール2
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(23分、57分)、スランゴール-ジョージ・アトラム(64分)、アルグジム・レゾヴィッチ(71分OG)
 トレンガヌの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。

2021年4月24日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
ケランタン・ユナイテッド 1-0 クチンシティー
得点者:ファクルル・ザマン・ワン・アブドラ・ザワウィ(52分)
 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、本拠地があるケランタン州内での試合が開催できないケランタン・ユナイテッドがクアラルンプールでホームゲームを開催し、クチンシティーを破り、今期最高位となる3位に浮上し、首位ヌグリスンビランとは勝点差2まで迫ってきました。
 日本人所属チーム同士の対戦となったこの試合で、ケランタン・ユナイテッドの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場、本山選手は62分から交代出場し最後までプレーしています。一方、クチンシティーの鈴木雄太選手も先発してフル出場しています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第10節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS9531159618
2SU85211641217
3KU9513118316
4JDT94321710715
5KEL942397214
6TFC9270149513
7SEL83321511412
8PRK9234914-59
9PDRM9225913-48
10KCH9144712-57
11FAM10028732-252
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第10節はPDRMの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第10節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)8
2ジョージ・アトラム(SEL)6
アラン・オコノ(NS)6
3R・バラトクマル(NS)他5名4
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

Mリーグ2部プレミアリーグ第9節結果

 イスラム教の断食月が始まりました。クアラルンプールでは午前5時55分頃となる日の出から午後7時20分ごろの日没までイスラム教徒は飲食を行いません。大半の選手がイスラム教徒であるMリーグは今節から断食月がおわるまで2部プレミアリーグは全試合が午後10時キックオフとなります。

2021年4月16日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 0-2 PDRM
得点者:PDRM-ラザラス・カイムビ(60分)、モハマド・ナビル・アフマド・ラトピ(87分)
 今季8戦で1勝のPDRMが、ここまで無敗のサラワク・ユナイテッドに今季初黒星をつけています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して今季初のフル出場をしています。

2021年4月17日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
MSN FAMプロジェクト 0-3 ケランタン・ユナイテッド
 得点者:ケランタン-ムハマド・アスラフ・アリフディン・ヤシン(43分)、ムハマド・ハリズ・カマルディン(86分)、アルフセイネイ・ガッサマ(90分)
 ケランタン・ユナイテッドは2試合連続となる3ゴールを決め、最下位のMSN FAMプロジェクトに快勝しています。
 ケランタン・ユナイテッドの深井脩平、谷川由来の両選手は先発してフル出場、本山選手は75分から交代出場し最後までプレーしています。

2021年4月17日@スルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州クアラトレンガヌ)
トレンガヌII 4-3 JDT II
 得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター2(41分、90分)、アルグジム・レゾヴィッチ(52分)、渡邉将基(83分)、JDT-ニコラス・フェルナンデス(22分)、フェルナンド・ロドリゲス2(45分、69分)
 トップチームのトレンガヌFCのFWデヴィッド・ダ・シルヴァのケガによる離脱から、ここ6試合はトップチームでプレーしていたジョーダン・ミンターが戻り、攻撃陣はベストメンバーがそろったトレンガヌが渡邉将基選手の今季初ゴールなどで開幕戦の勝利以来となる今季2勝目を挙げています。開幕当初の正GKのモハマド・スハイミ・フシンもトップチームGKムハマド・ラハディアズリ・ラハリムが膝前十字靭帯断裂で今季絶望となっていることからトップチームに昇格しており、セカンドチームとしては苦しい戦いを迫られていますが、その状況下でここまで2勝6分0敗は大健闘でしょう。
 トレンガヌの渡邉将基選手とJDTの廣瀬慧選手はいずれも先発してフル出場しています。

2021年4月18日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
スランゴール2 1-1 クチンシティ
得点者:スランゴール-ジョセフ・カラン・ティ(53分OG)、クチン-モハマド・アリフ・ハサン(24分)
 現在は人数制限を行いながらも観客を入れて試合を開催しているMリーグですが、この試合は無観客試合で行われています。試合会場のあるクアラルンプールやその周辺のスランゴール州などでは新型コロナウィルスの新規感染者数が再び増加してきていることもあり、その辺りとも関係があるかもしれませんが、その理由などは発表されていません。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年4月18日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-1 ケランタン
得点者:ヌグリスンビラン-モハマド・ザクアン・アドハ2(4分、70分)、ケランタン-マリオ・アルケス・ブラスコ(54分)

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第9節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS8521148617
2SU75111531216
3JDT8422169714
4KU8413108213
5KEL841386213
6TFC8260127512
7SEL7322139411
8PDRM9225913-48
9PRK8224914-58
10KCH8143711-47
11FAM9018732-251
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第9節はペラIIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第9節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
2フェルナンド・ロドリゲス(JDT)7
3ジョージ・アトラム(SEL)5
アラン・オコノ(NS)5
4R・バラトクマル(NS)他3名4
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

4月15日のニュース:Mリーグが断食月中の試合日程と会場変更を発表、W杯予選前に代表のワクチン接種を青年スポーツ相が発表、今季のM3リーグは外国籍選手および指導者の登録禁止

Mリーグが断食月中の試合日程と会場変更を発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、2部プレミアリーグのスランゴールFC2、ケランタンFC、ケランタン・ユナイテッドFCのイスラム教の断食月中の試合日程の変更を公式サイト上で発表しています。
 ケランタン州コタバルにあるスルタン・ムハマド4世スタジアムを共に本拠地とするケランタンとケランタン・ユナイテッドは、ケランタン州政府が断食月中は州内でのあらゆる娯楽活動を禁じることを発表したことを受け、日程変更を強いられています。
 ケランタンは4月18日に本拠地で予定されていたヌグリスンビランとの試合を同じ日にヌグリスンビランの本拠地トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアムで行う一方、ケランタン・ユナイテッドは4月24日のクチンシティ戦をクアラルンプールのKLフットボールスタジアムで、また5月7日のサラワク・ユナイテッド戦はトレンガヌ州のスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムで行うことが発表されています。
 また照明の光度が不十分なため試合開始時刻が午後4時45分となっているスランゴール州スラヤンのMBSスタジアムを本拠地としているスランゴール2は、4月18日のクチンシティ戦をKLフットボールスタジアムで午後10時から開催することが発表になっています。また4月24日にやはりMBSスタジアムで予定されていたトレンガヌII戦は試合会場をトレンガヌIIの本拠地であるトレンガヌ州のスルタン・イスマイル・ナシルディン・シャースタジアムで行うことも発表されています。
 この他、試合開始時間が午後9時15分となっているサバの本拠地での試合での観客の入場は午後7時から午後9時まで、また午後10時開始となるその他のMリーグ1部と2部の試合では7時45分から9時45分に制限することも併せて発表になっています。
******
 試合時間や会場の変更はイスラム教の断食が午後7時20分前後に明けることが理由です。例年、断食月中はイスラム教徒が少ない東マレーシアのサバ州とサラワク州を除き、1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも午後10時キックオフとなります。

W杯予選前に代表のワクチン接種を青年スポーツ相が発表
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表が、渡航前に新型コロナウィルスのワクチンの接種を受けること確定したと、マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 東京オリンピック開会式まで100日となった記念イベントの式場で、国内スポーツを統括する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が明らかにし、代表チームの選手や監督、コーチや関係者総勢78名が4月19日から順にワクチン接種を受ける予定になっているということです。
 この発表前には、マレーシアの通信社ブルナマの取材に対し、マレーシアサッカー協会のFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、W杯予選参加に際してワクチン接種は義務ではないとしながらも、5月19日には本番前の練習試合開催地であるバーレーンへ向けて出発予定の代表チームがワクチン接種を受けられるよう、国内スポーツを監督する青年スポーツ省と交渉を続けていると話していましたが、マレーシア国内の運動選手では、東京オリンピックとパラリンピックへの出場権が掛かる大会へ参加する選手や関係者、そして既に出場資格を持つ選手と関係者がワクチン接種では第一陣とされ、W杯予選に出場する代表チームへの接種は確約されていませんでした。

今季のM3リーグは外国籍選手および指導者の登録禁止
 Mリーグ3部にあたるM3リーグの今季2021年シーズンは6月に開幕の予定ですが、今季は外国籍選手および監督、コーチの登録を禁止するとM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLが発表しています。
 2019年に正式に発足したM3リーグは、これまで外国籍選手や監督、コーチの登録が認められてきましたが、英字紙ニューストレイトタイムズによると、既に1部スーパーリーグと2部プレミアリーグには外国籍選手、指導者とも十分な数がいるとして、これを3部まで広げるとマレーシア人選手や指導者の就労機会が奪われるという批判が出ているということです。
 M3リーグの中には既に今季開幕に向けて外国籍指導者と契約した国軍FCや外国籍選手の獲得を目論むクラブがあるということですが、AFLは今季の方針は変更しないとしています。
 AFLのモハマド・ユソフ・マハディ会長は、今回の外国籍選手および指導者の登録禁止についてオン・キムスイMFLテクニカルディレクターから、M3リーグはマレーシア人選手および指導者が経験を積む場とするべきであり、そしてた「発見」されていない才能豊かな選手や指導者の原石を見つける場とするべきとの提案があったと話しています。
******
 M3リーグは果たして選手の育成の場なのか、それても1部、2部に続く娯楽としてのサッカーを提供する場なのか。難しい選択だとは思いますが、結局中止になった昨季ですが日本人選手が複数名在籍するなど将来的にはセミプロリーグを目指すとしているM3リーグですので、外国人排除は今季に限ってのものである可能性が高そうです。

Mリーグ2部プレミアリーグ第8節結果

 今節はここまで無敗のヌグリスンビランが敗れ、代わって無敗を堅持したサラワク・ユナイテッドが首位に立っています。
 なお4月13日からイスラム教の断食月が始まるため、来節からMリーグ各試合は試合開始時間が午後10時(!)からとなります。

2021年4月9日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 1-2 ケランタン・ユナイテッド
得点者:ヌグリスンビラン-モハマド・ザクアン・アドハ(1分)、アラン・ティエリー・アコノ(60分)、ケランタン-アルフセイネイ・ガッサマ2(20分、52分)、モハマド・ハリズ・カマルディン(65分)
 ヌグリスンビランは主将のモハマド・サクアン・アドアのゴールで先制しますが、ここまで3試合連続無得点だったケランタン・ユナイテッドは本山雅志選手のセンタリングにドンピシャで合わせたアルフセイネイ・ガッサマのゴールで同点に追いつきます。その後ケランタン・ユナイテッドがガッサマ選手のゴールでリードを奪うも、ヌグリも現在リーグ得点王のアコノ選手のゴールで同点に追いつきます。そして65分、ゴールエリアの外で得たフリーキックはハリズ・カマルディンに当たり角度が変わりこれが決勝ゴールとなり、ケランタン・ユナイテッドは首位を快走しているヌグリスンビランに今季初黒星をつけています。
 ヌグリスンビランは前半のリズワン・スラマットがこの試合2枚目のイエローで退場となったことが誤算でした。
  ケランタン・ユナイテッドの本山雅志、深井脩平、谷川由来の3選手は全員が先発し、本山選手は51分に交代しましたが、深井、谷川の両選手はフル出場しています。

https://youtu.be/aDRS96Wimp0

2021年4月10日@スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタン 1-0 クチンシティ
得点者:ケランタン-ナタナエル・シリンゴ・リンゴ(45+1分)
 ケランタンは今季初となる本拠地の初勝利を挙げています。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年4月10日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 7-1 FAM-MSNプロジェクト
得点者:サラワク-ウチェ・アグバ4(15分、17分、30分、61分)、チャントゥル・スピア(45分)、アブドル・ラヒム・アブドル・ラザク(84分)、トミー・マワト(89分)、FAM-アズハド・アラズ・アルマン(57分PK)

2021年4月11日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 1-1 ペラII
得点者:PDRM-アミルル・アシュラフ・アリフィン(52分OG)、ペラ-アディブ・アブドル・ラオプ(50分)
 PDRMは第2節のケランタン・ユナイテッド戦で負傷退場した鈴木ブルーノ選手が6試合ぶりに出場した試合でしたが、引き分けとなり、監督交代後も勝ち星を挙げられていません。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手は77分に交代出場し、最後までプレーしています。

2021年4月11日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 0-0 スランゴール2
得点者:なし
 1部スーパーリーグでも強烈なライバル(といっても現状ではJDTが圧倒的優位ですが)争いをするJDTとスランゴールのセカンドチーム同士の争いはスコアレスドローに終わっています。クダ在籍中の2019年には1部スーパーリーグで9ゴールを挙げたフェルナンド・ロドリゲスや同じく2019年にはマレーシア代表でW杯予選も含めて5ゴールを挙げたシャフィク・アフマドを擁するJDT相手に、ハリス・ハイカル、ハイン・テット・アウン、ジョージ・アトラムといった10代トリオが主力のスランゴールが大健闘したというところかもしれません。
 JDTの廣瀬慧選手は59分に交代出場し、最後までプレーしています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第8節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1SU65101511416
2JDT7421155814
3NS7421127514
4KEL741274313
5SEL7312128410
6KU631378-110
7TFC71608449
8PRK8224914-58
9KCH6133610-46
10PRDM8125713-65
11FAM8017729-221
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第8節はトレンガヌIIの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第8節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ウチェ・アグバ(SU)8
2ジョージ・アトラム(SEL)5
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)5
アラン・オコノ(NS)5
3R・バラトクマル(NS)4
アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)4
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

Mリーグ2部プレミアリーグ第7節結果

 今節第7節から人数制限はあるものの、各スタジアムでの観戦が可能になったMリーグ。入場券もオンラインのみの販売など新型コロナ対策を行いながら、入場者数を徐々に増やしていきたいとしています。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年4月6日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラII 0-0 トレンガヌII
 セカンドチーム同士の戦いはスコアレスドローに終わっています。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手は前節のPDRM戦でのレッドカードにより1試合の出場停止処分を受けており、この試合はベンチ入りしませんでいした。

2021年4月6日@スルタン・ムハマド4世スタジアム
ケランタン・ユナイテッド 0-2 ケランタン
得点者:ケランタン-ジャック・ヒンドル(16分)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(90+1分)
 ケランタン・ユナイテッドを率いる東山晃監督とケランタンを率いるイタリア出身のマルコ・ラギニ監督の対戦となったことから「寿司対スパゲッティの争い」などとも称された今回のケランタンダービー。ケランタン・ユナイテッドは移籍後初先発となった本山雅志選手が主将を務め、Mリーグ史上初となる日本人選手3名同時先発を果たしています。その本山選手はマレーシアサッカー協会FAMの公式記録ではこの試合のプレーヤーオブザマッチとなりましたが、結果は昨季と同じ2-0でケランタンが勝利しています。
 ケランタン・ユナイテッドの本山雅志、深井脩平、谷川由来の3選手は全員が先発してフル出場しています。

2021年4月7日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 1-0 PDRM
得点者:JDT-フェルナンド・ロドリゲス(49分)
 JDT IIは引き分けを挟んで4連勝、一方のPDRMはここまでの7試合で6得点と攻撃力不足に苦しみ、ケガで欠場が続く鈴木ブルーノ選手の復帰が待たれます。
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発してフル出場しています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手はケガが完治せず、ベンチ入りしませんでした。

2021年4月7日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
FAM-MSNプロジェクト 2-2 クチンシティ
得点者:FAM-ムハマド・サフワン・マズラン(24分)、ムハマド・ファリス・イズディハム(81分)、クチン-鈴木雄太(10分)、モハマド・アリフ・ハサン(59分)
 開幕から6連敗中だったFAM-MSNプロジェクトがクチンシティに2度追いついて引き分け、今季初勝点獲得しています。
 今季初ゴールを決めたクチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

また、今節予定されていたスランゴール2対サラワク・ユナイテッド@MPSスタジアムは悪天候のため順延されています。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第7節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1NS6420104614
2JDT6411155813
3SU541080813
4KEL631264210
5SEL630212849
6TFC71608449
7KU521346-27
8PRK7214813-57
9KCH613269-36
10PRDM7115612-64
11FAM7016622-161
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第7節はサラワク・ユナイテッドの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第7節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ジョージ・アトラム(SEL)5
フェルナンド・ロドリゲス(JDT)5
2ウチェ・アグバ(SU)4
アラン・オコノ(NS)4
R・バラトクマル(NS)4
3アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)ら2名3
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト

3月30日のニュース:代表合宿は2日短縮して7日間で終了、FAM懲罰委員会が第5節までの処分を発表、鈴木ブルーノは所属クラブ監督が「休養」となったことを悔やむ

更新の間隔がだいぶ空いてしまいましたので、今回は過去5日分のニュースから抜粋しました。

代表合宿は2日短縮して7日間で終了
 英字紙ニュースストレイトタイムズ電子版は、ジョホール州ジョホールバルにあるMリーグ1部JDTの練習施設を利用して行われていた今年1回目の代表合宿が予定より2日早い3月28日に終了したと報じています。なお合宿解散後、各選手は所属チームに戻っています。
 タン・チェンホー代表監督は代表合宿を7日間に短縮したことについて、代表合宿参加者が4月2日から再開するMリーグ第6節までには疲労が回復しているようにという配慮からであると話しています。また、新型コロナウィルス感染の影響で合宿期間中には練習試合が組めなかったことも、合宿短縮の理由にあるということです。
 「これまでの戦術を選手がこなせるかどうかを見るという首脳陣の目的も果たせており、2週間で5節をこなした後にも関わらず、選手たちは練習に全力で取り組んでくれたことに満足している。」と話したタン監督は6月11日のベトナム戦から再開するFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー協会AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の前の5月に再び代表合宿を行うとした上で、残りのW杯予選に向けて、今回の合宿参加者がケガもなく、万全な状態で招集できることを望んでいるとも話しています。

FAM懲罰委員会が第5節までの処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上でMリーグ第5節まで試合により懲罰委員会への出頭を求められた選手に対する処分をバルジット・シン・シドウ委員長名で発表しています。

  1. ジャック・ヒンドル(ケランタン)
    処分対象:3月6日のMリーグ2部プレミアリーグ、ペラII戦での非スポーツマン行為 
    処分内容:厳重注意
  2. アレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(マラッカ・ユナイテッド)
    処分対象:3月10日のMリーグ1部スーパーリーグ、PJシティ戦での非スポーツマン行為
    処分内容:厳重注意
  3. アフマド・カイリル・アヌアル・アフマド・ザムリ(PJシティ)
    処分対象:3月10日のMリーグ1部スーパーリーグ、マラッカ・ユナイテッド戦で非スポーツマン行為
    処分内容:2試合の出場停止(4月2日のトレンガヌFC戦と4月7日のKLシティFC戦)
  4. ハイン・テット・アウン(スランゴール2)
    処分対象:3月6日のMリーグ2部プレミアリーグ、PDRM戦での非スポーツマン行為
    処分内容:1試合出場停止(4月2日のペラII戦)
    *****
     ヒンドル選手はプレー中に自分の前に立った主審を両手で押し倒した行為が、ゴンサウヴェス選手は投げたボールが主審に当たった行為、そしてカイリル・アヌアル選手は自身のシミュレーションによりPJシティがPKを得てそれが得点につながった行為が処分の対象になっています。
     一方で、ミャンマー出身のハイン・テット・アウン選手はゴールを決めた後に、下の写真のように三本指の敬礼をカメラに向かって行った行為がサッカーの試合中に「政治的なメッセージを持つシンボルを掲げた」ことで処分されています。19歳のハイン・テット・アウン選手がカメラに向かって見せたのは、クーデターを実行した国軍による国民の弾圧が続くミャンマーで、この軍事クーデターに反対するデモ参加者の間で、その象徴的な存在となった3本指を掲げるサインでした。ストを決行する公務員から学生デモなどで抵抗の印としてこの3本指のサインが広がった中での行為でした。
     なお、当初はハイン・テット・アウン選手が所属するスランゴールFC2の公式サイトでも下の写真は掲載されていましたが、今は削除されています。

鈴木ブルーノは所属クラブ監督が「休養」となったことを悔やむ
 マレーシアのスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、2部プレミアリーグのPDRMがマット・ザン・マット・アリフ監督を「休養」させたことについて、同チームでプレーする鈴木ブルーノ選手はチームに貢献できず、結果として監督の役に立てなかったと悔やんでいると報じています。
 昨季は1部で12位となり今季は2部に降格したPDRMは第5節を終えた時点で1勝4敗の9位に位置しており、現在は昨季はペナンFCのU21監督を務めた元代表のワン・ロハイミ・ワン・イスマイル氏がマット・ザン監督に代わり練習を指揮しているということです。
 「1勝4敗という厳しい状況ではあるが、ここで監督を交代させるということはPDRMが今季は本気で1部復帰を目指していることの現れである。監督の「休養」はサッカーでは珍しいことではなく、負け続ければ何かを変える必要がある。マット・ザン監督のもとで、自分自身はここまで出場が2試合で、しかもいずれもフル出場できていなかったことが残念だ。」とブルーノ選手はスタジアムアストロに語る一方で、続いている背中の痛みから次戦となる4月3日の古巣トレンガヌII戦への出場についてはまだわからないと話しているということです。

3月25日のニュース:FAMがMリーグ第5節で起こった審判関連事例の処分を発表、Mリーグ第5節までに目立った活躍をした選手、ケランタンFCオーナーは未払い給料支払いを求めた選手に「逆ギレ」

FAMがMリーグ第5節で起こった審判関連事例の処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは3月20日から21日にかけて開催されたMリーグ第5節で報告された審判関連の事例についての処分をシヴァスンダラム審判委員長が発表しています。

  1. 1部スーパーリーグ ペラFC対JDT戦(ペラスタジアム-ペラ州イポー)
    (a) 審判評価者によるマッチリポートによるとノー・アズリエル・バハルディン主審の裁定は試合全体を通して満足のいくものではあったが、その一方で改善の余地もあることから、ノー・アズリエル・バハルディン主審にはFAMの審判育成マネージャーの元に出頭することとする。
    (b) JDTのナチョ・インサは試合後に主審に詰め寄り、押したことが認められたことからFAMの懲罰委員会に出頭することとする。
  2. 1部スーパーリーグ サバFC対トレンガヌFC(リカススタジアム-サバ州コタキナバル)
    (a) 審判評価者によるマッチリポートによるとカイルルアズアン・キダム主審の裁定は試合全体を通して満足のいくものではなかったため、2週間の謹慎処分を課す。さらにFAMの審判育成マネージャーの元に出頭し、パフォーマンス改善プログラムの受講を求める。プログラム受講後は2部プレミアリーグで審判を再開し、改善が見られた後、1部スーパーリーグの審判に任命する。
    *****
     2.のカイルルアズアン主審は、トレンガヌFWジョーダン・ミンターとサバGKロブソン・レンディ・リニンが競った場面で、明らかにミンター選手の方が先に触れたシュートによる得点を無効とする明らかな誤審がネット上でも批判されていました。
明らかな誤審とわかるミンター選手の幻のゴールとなった問題の場面は11:25からです。

Mリーグ第5節までに目立った活躍をした選手
 英字紙スター電子版は3月5日に開幕し、3月21日に終了した第5節までで強烈な印象を残したMリーグ1部スーパーリーグの選手を特集しています。およそ2週間で5試合という強行日程の中で活躍した選手として同紙のT・アヴィネシワラン記者が選んだ選手は以下の通りです。

  1. マカン・コナテ(トレンガヌ)
    今季インドネシア1部のペルセバヤ・スラバヤから加入し、第5節までにすでに4アシストを記録しているコナテ選手はトレンガヌの快進撃の立役者です。マリ出身の29歳MFはFWデヴィッド・ダ・シルヴァ、FWジョーダン・ミンターの動きをよく理解しピンポイントでパスを供給するまさに司令塔で、これはミンター選手が既に3ゴールを挙げていることからも明らかです。トレンガヌがJDTの対抗馬となるためにも、ナフジ・ザイン監督が現在最も心配しているのはコナテ選手のケガではないかと、T・アヴィネシワラン記者は述べています。
  2. リュウジ・ウトモ(ペナン)
    インドネシア1部のペルシジャ・ジャカルタから期限付き移籍で加入したリュウジ選手に対するT・アヴィネシワラン記者は、背が高く、身体が強く、試合を読むのが上手い理想のセンターバックだと評しています。今季1部に昇格したばかりながらペナンのトーマス・トルチャ監督はトップ5入りを目指すとしており、そのキーマンの1人がこのリュウジ選手です。なおリュウジ選手はその名前からもわかるように母親が日本人ですが、25歳のインドネシア出身DFがこのまま素晴らしいパフォーマンスを維持できれば、今後はマレーシア国外から獲得を望むクラブも出るだろうと、T・アヴィネシワラン記者は述べています。
  3. ラビ・アタヤ(クダ・ダルル・アマン)
    昨季はUITMでプレーし、今季はクダ・ダルル・アマンに加入したレバノン出身31歳のMFアタヤ選手はFWクパー・シャーマンの3ゴールを引き出す活躍を見せています。一旦ボールを持てば、守備陣を翻弄するパスや自ら持ち込んでのシュートなど多彩なプレーを見せ、第5節までの最高殊勲選手の1人です。ここまで2アシストですが、これが増えてくればクダの成績も上昇していくでしょう。ボラセパマレーシアJPが一押しの選手でもあり、第5節の古巣UITM戦では自身が積極的にシュートを打つ場面も見られ、徐々に新チームに慣れてきた様子も見えました。
  4. レアンドロ・ヴァレスケス(JDT)
    第5節まで3勝2分で既に首位のJDTは、将来の代表のエースとも目される19歳のFWアリフ・アイマン、新戦力FWベルクソン・ダ・シルバ、そして今季は元気なMFナチョ・インサらの活躍が目立つ中、2アシスト、2ゴールとその上をいく活躍をしているのがヴァレスケス選手です。31歳のアルゼンチン出身攻撃的MFはセットプレー、ドリブル、パスとどれをとっても一級品のヴァレスケス選手は見ていて楽しい選手です。
  5. ダレン・ロック(PJシティ)
    昨季は活躍の場が2部プレミアリーグのトレンガヌII中心だったロック選手の1部スーパーリーグ第5節までの活躍は今季ここまでの最大の驚きの一つです。今季は既に3ゴールを決め、外国籍選手なしで1部スーパーリーグに臨んだPJシティ躍進の立役者です。31歳のFWは英国生まれながら父親がマレーシア人であることから帰化選手としてプレーするロック選手の活躍について、PJシティのP・マニアム監督は、ロック選手が現在の調子を維持できれば2017年以来となる代表復帰も夢ではないと話しています。

ケランタンFCオーナーは未払い給料支払いを求めた選手に「逆ギレ」
 マレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版は、支払われていない未払い給料についてマレーシアプロサッカー選手会PFAMを通じて支払いを求めた前ケランタンFC所属選手たちの行為に対し、ケランタンFCオーナーがこれを不当なものであると「逆ギレ」していると報じています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは他の選手が50%の給料削減に応じている中、全額支払いも求めている5選手の要求を不当であるとしているようです。
 「バルセロナのような世界でもトップのクラブですら新型コロナウィルスの影響を受けて70%の給料削減を行なっている。そのような豊かなクラブではないケランタンFCを運営するために自分は(自社製品の)ハンバーガーや精米を売っている。」と自身のSNSで述べたノリザム オーナーは「チームの90%の選手が2020年11月分の給料削減に応じている一方で、主力選手だった5名は同様の給料削減案を拒否している。ケランタンFCはこの5選手に給料削減に応じるよう求めたが、全員が全額支払いを求めている。」と述べ、この5選手が現在は無所属のナズリン・ナウィ、モハマド・ファリシャム・イスマイルといずれもトレンガヌFCとトレンガヌFC IIに移籍したニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット、シャールル・ニザム・ロス・ハスニ、そして渡邉将基選手であること、そして未払いとなっている総額が15万8857リンギ(およそ419万円)であることも明かしています。
*****
 ノリザム オーナーはこの5選手について「(11月は)9日間しかプレーしておらず、しかも全員が全試合に出場したわけではない。」と恨み節に近いことも言っているようですが、支払われるべき給料を受け取る権利を非難される筋合いはこの5選手には全くありません。むしろ給料削減に応じた(或いは応じざるを得なかった)選手にこそもっと感謝すべきではないでしょうか。

Many did not fancy former Terengganu II striker Darren Lok’s chances in the Super League. But he has made heads turn with his three goals. The work rate shown by the 30-year-old has been outstanding in every match. Despite the extra burden as the lone striker, he has carried the responsibility and is one of the leading scorers thus far. And coach P. Maniam has said that if Darren maintains his consistency he will certainly make his way back into the national team for the May training camp before the World Cup 2022 and Asia Cup 2023 qualifiers.

2021年Mリーグ2部プレミアリーグ第5節結果

 3月6日に開幕したMリーグ2部プレミアリーグは3月19日から第5節が始まります。各チームはおよそ2週間で5試合を戦う過密日程で疲労が溜まってきているところでしょう。なお3月22日から3月30日まではマレーシア代表合宿が開催されるため、この期間中はMリーグは10日間ほど中断し、次節第6節は4月2日からとなっています。
(試合の映像は各クラブの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。)

2021年3月19日@MPSスタジアム(スランゴール州スラヤン)
スランゴール2 1-0 ケランタン・ユナイテッド
得点者:スランゴール-ハイン・テット・アウン(35分)
 スランゴール2がミャンマー出身の19歳、ハイン・テット・アウンの今季2点目となるゴールで2連勝。本拠地に続き、この日も午後4時45分キックオフと夕方の試合が4連戦となったケランタン・ユナイテッドは、本拠地では負けなしですが、敵地では2連敗となりました。
 ケランタン・ユナイテッドの谷川由来、深井脩平の両選手は先発してフル出場、本山雅志選手は46分から出場し、試合終了まで出場しています。

2021年3月20日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
PDRM 1-2 クチンシティ
得点者:PDRM-リザラス・カイムビ(76分PK)、クチン-ムハマド・アダム・シリーン・タムビ(3分)、ハドソン・ジェズス(47分)
 クチンシティがいずれもPDRMのGKのミスに乗じてゴールを決め、待望の今季初勝利を挙げています。
 PDRMの鈴木ブルーノ選手はケガのため3節連続でベンチ入りしていません。
 クチンシティの鈴木雄太選手は先発してフル出場しています。

2021年3月20日@タンスリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアム(ジョホール州ラーキン)
JDT II 3-2 ペラII
得点者:JDT-  フェルナンド・ロドリゲス(17分)、ムハマド・フェロズ・バハルディン(62分)、ルイス・カブレラ(67分)、ペラII-ムハマド・アディブ・ラオプ(6分)、モハマド・ファリド・カザリ(38分)
 JDT IIの廣瀬慧選手は今季初めて先発から外れましたが、46分から出場し、最後まで出場しています。

2021年3月20日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-0 FAM MSNプロジェクト
得点者:ヌグリスンビラン-R・バタトクマル (73分)、アラン・オコノ(86分)

https://youtu.be/l6v9P580gto

2021年3月21日@ハンジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
サラワク・ユナイテッド 0-0 トレンガヌII
得点者:なし
 一進一退の展開となった試合は、両チームともゴール前までボールは運ばれるものの得点にならず引き分けに終わっています。
 トレンガヌIIの渡邉将基選手は先発してフル出場しています。

021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第5節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1NS5410104613
2SU431070710
3SEL43019459
4TFC51407347
5JDT42117527
6KEL32114317
7KU52124317
8KCH411247-36
9PDRM5104510-53
10PRK5104410-61
11FAM5005415-110
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第5節はケランタンの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第4節終了時)

選手名(所属クラブ)ゴール数
1ジョージ・アトラム(SEL)5
2ウチェ・アグバ(SU)4
アラン・オコノ(NS)4
R・バラトクマル(NS)4
3アズハド・ハラズ・アルマン(FAM)ら3名3
クラブ名:NS-ヌグリスンビラン、SU-サラワク・ユナイテッド、TFC-トレンガヌII、PRK-ペラII、SEL-スランゴール2、KEL-ケランタン、KU-ケランタン・ユナイテッド、KCH-クチンシティ、FAM-FAM MSNプロジェクト