2月2日のニュース:サバFAはインドネシアでのプレシーズン大会に参加、サバFAは新外国籍選手獲得を発表、パハンFAも新外国籍選手らの獲得を発表

サバFAはインドネシアでのプレシーズン大会に参加
 サバFAはFacebook上で2月10日からインドネシアのジャワ島で開催される東ジャワ州州知事杯大会に参加することを発表しています。
 先月には隣国フィリピンでプレシーズンのキャンプやフィリピン1部リーグのスタリオン・ラグナFCと練習試合をこなしたサバFAは、クルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督の母国インドネシアで開催される大会への招待を受けたことをサバFAを運営するサバ州サッカー協会SAFAのダト・ピーター・アンソニー会長が明らかにしています。
 この東ジャワ州州知事杯大会は、サバFA以外の7チームは全てインドネシアのクラブで、サバFAはマドゥーラ・ユナイテッド、プルセバヤ・スラバヤ、プルセラ・ラモンガンとともにグループAに入り、アレマFC、プルシク・ケディリ、プルシジャ・ジャカル、バヤンガラFCがグループBに組み込まれています。また、一部報道では、この大会にはスランゴールFCの参加も噂されていますが、その真偽は定かではありません。
 SAFAのアンソニー会長は、クラブは質の高い練習試合を希望する一方で、マレー半島にホームを持つクラブをサバFAのホームであるサバ州に招くのは難しいことから、この大会への参加を決めたこと、またこの大会では勝利もさることながら、2012年以来となるMFL1部復帰前にチーム内の連係を強化することを目的としていると話しています。
******
 同じマレーシア国内ながら、サバFAのホームがあるサバ州や、サラワク・ユナイテッド、クチンFAのホームがあるサラワク州(いずれもボルネオ島)と他のMFLクラブのホームがあるマレー半島は結構離れていて、例えばクアラルンプールからサバ州のコタキナバルまでは飛行機で2時間30分以上、サラワク州のクチンまでも飛行機で2時間近くかかります。
 ちなみにマレーシア成立の経緯から、クアラルンプールやペナン、ジョホールバルなどマレー半島でマレーシアに入国した外国人がサバ州あるいはサラワク州へ入る際には、マレー半島を「出国」し、サバ州あるいはサラワク州に「入国」するためパスポートが必要で、逆もまた同様です。

サバFAは新外国籍選手獲得を発表
 またサバFAは同じFacebookページで新外国籍選手との契約を発表しています。サバFAに加入するのは、2018年シーズン以来の復帰となるプエルトリコ出身のピトことFWエクトル・ラモス(29、エルサルバドルのアリアンザFCより加入)とFWデニス・ブシェニング(28、タイのチャイナート・ホーンビルFCより加入)の両選手で、タイとドイツの国籍を持つブシェニング選手はアセアン(東南アジア)出身選手枠での登録となっています。
 なお、サバFAは昨季も在籍した韓国出身のDFパク・テスーとセルビア出身のFWロドリュブ・パウノヴィッチが残留しており、5つ目の外国籍選手枠が空いている状況ですが、SAFAのアンソニー会長は、前述したインドネシアでの大会後に決定したいとしています。


パハンFAも新外国籍選手らの獲得を発表
 昨季プレーした外国籍選手5名のうち、DFエラルド・グロンを除く4選手との契約を更新しなかったパハンFAは、ディクソン・ヌワカエメらとの再契約の噂などが出る一方で、ここまで新外国籍選手との契約発表は皆無でしたが、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが、ブラジル人ストライカーと、フィリピンとイギリスの両国籍を持つ守備的ミッドフィールダーの獲得を報じています。
 キプロスのAELリマソールから加入する30歳のFWイヴァン・カルロス・フランサ・コエーリョは、インドネシアリーグのプルセラ・ラモンガンやプルシジャ・ジャカルタなどでもプレー経験がある選手です。
 またイギリス人の父親とフィリピン 人の母親を持つイギリス出身のMFアダム・マイケル・リードは、フィリピン代表でのプレー経験もあり、昨季プレーしたタイ1部リーグのチャイナート・ホーンビルFCより加入し、アセアン(東南アジア)出身選手枠での登録となります。
 また残る2つの外国籍選手枠について、パハンFAのチームマネージャーを務めるダト・モハメド・スフィアン・アワン氏は全くの未定であるとしながらも、フォワードとミッドフィルダーを候補にしているとしています。
 この他、パハンFAは同じMFLのジョホール・ダルル・タジムJDTから左サイドバックのムハンマド・ファズリー・マズラン(26)とストライカーのクマーハン・サタシバン(23)を期限付き移籍で獲得しています。

1月31日のニュース:ペラTBGは2名の新外国籍選手の入団を発表、ペラTBGのシンガポール遠征が新型コロナウィルスの影響で中止に、帰化選手としての登録の可否は来月中に決定

ペラTBGは2名の新外国籍選手の入団を発表
 今季のMFL開幕まで1ヶ月を切り、所属各クラブの多くは外国籍選手を中心とした新戦力の獲得発表なども一通り終わっていますが、ここまでそういったニュースがなかったペラTBGも遅まきながら今季加入の外国籍選手2名ををFacebookで発表しています。
 昨季の終了後、ペラTBGからはブレンダン・ガン、ノー・ハキム・ハサン(ともにスランゴールへ移籍)、ナシル・バシャルディン(トレンガヌFCへ移籍)など退団者関連のニュースはあるものの、新加入選手のニュースはほぼ皆無でした。
 このブログでも紹介したFWギリェルメ・デ・パウラ(クアラルンプールFAから加入)の入団も、ペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAの会長のツイッターでの発表で、クラブの公式ツイッターやホームページでの発表はありませんでした。
 しかし、ペラTBGのFacebook上では、ここ数日の間に新加入選手としてオーストラリア出身のDF(センターバック)アントニー・ゴレック(インドネシア1部リーグのバダク・ランプンより加入)とカンボジア出身で昨季はトレンガヌFCでプレーしたMFチエリー・チャンタ・ビンの2名が紹介されています。今季のペラTBGは上でも述べたデ・パウラ選手の他、昨季から残留するFWカレッカことライアンデルソン・ダ・コスタ、MFレアンドロ・ドス・サントスと合わせて、5名の外国籍選手枠が埋まったことになります。
(ゴレック、チャンタ・ビン両選手の加入を伝えるペラTBGのFacebookページ)

ペラTBGのシンガポール遠征が新型コロナウィルスの影響で中止に
 上でも取り上げた通り、外国籍選手枠が埋まり、本格始動としたいペラTBGのシンガポール遠征が新型コロナウィルスの影響で中止になったと、英字紙スター電子版が伝えています。
 マレーシアの隣国シンガポールでは感染者数が7名となったことを受け、遠征を取りやめたということですが、ペラTBGを率いて4年目となるメフメト・ドゥラコビッチ監督は「遠征中止に慌てる必要はなく、2月28日のMFL開幕までにチームを仕上げる時間は十分ある。」と語り、「外国籍選手がそろったことで、今は彼らをチームのシステムに慣れさせることに専念し、開幕までの5週間で国内での練習試合を行なっていきたい。」語っています。

帰化選手としての登録の可否は来月中に決定
 同一国に5年以上の継続して居住歴を持つことで帰化選手となれるFIFAの規定を利用して、マレーシアで初めて両親、祖父母にマレーシア人を持たない帰化選手となったガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(25)は、所属するパハンFAだけでなく、マレーシア代表にとっても貴重な戦力となっていますが、二匹目のドジョウを狙って、マレーシアサッカー協会FAMはコソボ出身のリリドン・クラスニキ(26、JDT)とブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(33、ペラTBG)を候補にして、彼らの国籍取得準備を進め、帰化選手として登録したい意向を以前から明らかにしています。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によれば、この帰化選手登録申請は最終局面に来ており、クラスニキ選手とデ・パウラ選手の帰化選手申請のため、国際サッカー連盟FIFAの求めに応じてFAMは追加書類を提出済みで、その結果は来月中には明らかなるだろうと、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は話しています。
 両選手の出身国であるコソボとブラジルのサッカー協会からの回答などとともに2週間から3週間後には申請に対する回答が得られるだろうということです。
******
 JDTとペラTBGがこの2人を今季獲得したのは、この帰化選手申請が認められれば、彼らがMFLではマレーシア人選手登録となり、チーム内の外国籍選手枠が一つ空くことが大きな理由です。フィールド上に6人の外国籍選手を配置すれば、出場選手の半数以上が外国籍選手とすることも可能で、他のクラブに対する大きなアドバンテージとなるわけです。

1月26日のニュース:MFLクラブのシーズンパス比較

本日1月26日は日曜日の上、中国正月2日目とマレーシアでは3連休の中日です。大きなニュースもないため、今回は趣向を変えて、今季2020年のMFL各クラブのシーズンパスを比較します。 なお現時点で、価格や特典などが発表になっているMFL1部の5クラブとMFL2部ヌグリ・スンビランFAのの5クラブの比較です。(写真はいずれも各クラブのFacebookより)

ジョホール・ダルル・タジムJDT
現在は更新のみ受付中で、新規シーズンパスの募集は行われていません。
更新に関しては、以下の通りです。
シーズンパス(ユニフォーム付き):600リンギ(およそ1万6000円、1リンギ葉26.8円で換算)
シーズンパス(ユニフォームなし):400リンギ

スランゴールFC
VIPシーズンパス:399リンギ 
<特典>
・VIPパス保持者限定ポロシャツ
・VIPパス保持者限定マフラー
・VIPパス保持者専用駐車場利用券
・シーズンパス-全ホームゲームチケット(但し、カップ戦決勝は除く)
・2020年選手支給ユニフォーム
・選手ポスター
・ネックストラップ
オープンシーズンパス(ユニフォーム付き)199リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット(但し、カップ戦決勝は除く)
・2020年選手支給ユニフォーム
・選手ポスター
・ネックストラップ
オープンシーズンパス(ユニフォームなし)109リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット(但し、カップ戦決勝は除く)
子どもオープンパス:79リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット(但し、カップ戦決勝は除く)
・2020年ファンクラブ用ユニフォーム
・選手ポスター
・ネックストラップ

ペラTBG
プラチナシーズンパス:1,000リンギ
・プラチナパス専用駐車場利用券
・ハーフタイム食事券
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・ユニフォーム(ホームまたはアウェイ)
・ネックストラップ
・ペラTBGカレンダー
ゴールドシーズンパス:500リンギ
・ハーフタイム食事券
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・ユニフォーム(ホームまたはアウェイ)
・ペラTBGカレンダー
Aゲートテラス席シーズンパス:230リンギ
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・ユニフォーム(ホームまたはアウェイ)
Dゲートテラス席シーズンパス:230リンギ
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・ユニフォーム(ホームまたはアウェイ)

マラッカ・ユナイテッド
クラウンシーズンパス:1,898リンギ
<特典>
・限定ウォーターボトル
・ノート
・フリッジマグネット
・万年筆
・キーホルダー
・キャップ
・ハーフタイムにロイヤルボックスにて食事可能
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
・マフラー
・ネックストラップ
・バッグ
・モバイルバッテリー
・スクリーンプロテクター
・コーヒーマグ
ダイアモンドシーズンパス:1,198リンギ
<特典>
・ハーフタイムにロイヤルボックスにて食事可能
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
・マフラー
・ネックストラップ
・バッグ
・モバイルバッテリー
・スクリーンプロテクター
・コーヒーマグ
プラチナシーズンパス:498リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
・マフラー
・ネックストラップ
・スクリーンプロテクター
ゴールドシーズンパス:498リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
・マフラー
・ネックストラップ
シルバーシーズンパス:198リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット
・2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
シルバーシーズンパス:118リンギ
<特典>
・シーズンパス-全ホームゲームチケット

トレンガヌFC
ゴールドシーズンパス:600リンギ 
<特典>
・試合観戦保険
・ゴールドパス保持者限定Tシャツ
・座席番号つきパス保持者用シート
・ウォーターボトル
・キャップ
・リストバンド
・クッション
・ゴールドパス保持者専用駐車場利用券
・シーズンパス-ホームゲーム15試合およびFAカップ、マレーシアカップのホーム開催となる準々決勝および準決勝観戦チケット
・2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
・チームポスター
・マフラー
・ネックストラップ
ホワイトシーズンパス:400リンギ
<特典>
・リストバンド
・ホワイトパス保持者専用駐車場利用券
・シーズンパス-ホームゲーム15試合およびFAカップ、マレーシアカップのホーム開催となる準々決勝および準決勝観戦チケット
・2020年選手支給ユニフォーム(ホーム)
・チームポスター
・マフラー
・キーホルダー
・ネックストラップ
ブラックシーズンパス:300リンギ
<特典>
・シーズンパス-ホームゲーム15試合およびFAカップ、マレーシアカップのホーム開催となる準々決勝および準決勝観戦チケット
・2020年選手ファンクラブ用ユニフォーム
・チームポスター
・キーホルダー
・ネックストラップ

ヌグリ・スンビランFA
シーズンパス:220リンギ
<特典>
・シーズンパス-1人2枚のリーグ戦とカップ戦のホームゲーム入場券
・アドミラル社製ヌグリ・スンビランFAのTシャツ(2枚)
・ヌグリ・スンビランFA公式グッズ10%割引特典

1月25日のニュース:スランゴールFCは中国遠征中止を決定、JDTはドバイで順調にキャンプを実施中

恭喜發財(ゴンシーファーチャイ)!マレーシアは今日が旧正月(中国正月)の初日で国民の祝日です。ちなみに日本の報道ではこの中国正月を表す言葉として「春節」という表現をよく見ますが、マレーシアではほとんど見かけません。冒頭の恭喜發財は、簡単に言えば「お金が儲かりますように」という表現ですが、日本の「あけましておめでとう」のような新年の挨拶のように交わされます。

スランゴールFCは中国遠征中止を決定
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは公式ホームページで、中国広東省で開催される梅州客家カップへの出場を予定していたスランゴールFCは、この大会への出場を取りやめた事を公表しています。
 昨日1月24日のこのブログでは、チームマネージャーが参加予定に変更なしの発言を取り上げましたが、FASのホームページでは、新型コロナウイルス患者数増加の状況で、選手およびスタッフの安全、さらにはマレーシア家族の安全などに関して各方面からの助言を受け、参加中止を決定したとしています。
******
 これを書いている時点で既に40名以上の方が亡くなられており、大会出場取り止めは正しい判断のように思えます。当たり前の結論に達するのにこれだけ時間がかかったのは、FASの危機管理能力の低さなのか、それとも主催者に対する対面を保とうとした結果なのでしょうか。

JDTはドバイで順調にキャンプを実施中
 マレーシアフットボールリーグMFLの各クラブは、インドネシアやフィリピン、カンボジアなど近隣諸国でプレシーズンのキャンプや練習試合をこなしていますが、MFL1部6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは、アラブ首長国連邦UAEのドバイに順調にキャンプをこなしているようです。
 昨季までは2年連続のタイキャンプを行っていたJDTですが、JDTオーナーでTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下は「質の高い練習試合の相手を求めて」ドバイキャンプを実施したとしています。
 JDTのFacebookには連日、現地の映像が上がっていますが、練習場までスーパーカーで移動したり、豪華な食事をしたりと他のクラブの選手が憧れるような映像も多く上がっていますが、その一方でTMJが話す通りラトビア1部リーグの昨季チャンピオン、リガFC(結果は0−2と敗戦)、今季UAEプロリーグ13位のアル=フジャイラSC(ジオゴのゴールで1-0と勝利)との練習試合を既に終え、この後はトルクメンスタン代表、MSKジリナ(今季スロバキア1部リーグ2位)、エミレイツSC(今季UAE2部リーグ首位)との試合が予定されています。
******
 先日のこのブログでは、バンコク・ユナイテッド監督の「JDT」リーグのままでは、MFLもマレーシア全体の発展にも寄与しない、というコメントを取り上げましたが、そのJDTがMFLのクラブ以上にアジアや世界を見据えている限り、打倒JDTは難しそうです。先日開催されたスランゴールアジアチャレンジを主催したスランゴールFC、今月末にACL本選出場をかけて試合に臨むクダFA以外は、国内リーグで精一杯、といったところかも知れません。

1月16日のニュース:FAMが最後通牒を与えた3クラブはマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAと判明、MFLにVAR導入は時期尚早-MFL会長、MFLは今季の放映権について複数のメディアと協議中、ポドルスキーがJDT訪問

FAMが最後通牒を与えた3クラブはマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAと判明
 マレーシアサッカー協会FAMが未払い給料問題解決の遅れから最後通牒を与えた3クラブは、昨日のこのブログではまだ明かされていないと書きましたが、今日付のFAM公式サイトにてマラッカU、PDRM FC、ケランタンFAが該当クラブであることが発表されています。
 昨日も書きましたが、この3クラブは1月31日までに未払い給料完済、あるいは選手との間で支払い方法に関する合意に達しなければ勝点3が剥奪(はくだつ)され、それが2月28日(マレーシアフットボールリーグMFL第1節試合日)までなら勝点6が、3月30日まで解決されなければ今季のリーグ出場停止処分となります。
******
 開幕を例年より遅らせて2月末にしたにもかかわらず、開幕後まで問題解決の猶予を与えるFAMの姿勢は正直疑問です。昨季はMFL2部のプルリスFAに対する出場処分後が開幕後に決まったため、MFL2部の試合日程が途中で変更を強いられたように、今季もドタバタが起こるのかも知れません。
(最後痛料を出された3クラブを公表する告知。FAMのFacebookより。)

MFLにVAR導入は時期尚早-MFL会長
 昨日1月15日に開催されたMFL開幕イベントで、MFLのダト・スリ・ハミディン・アミン会長は、MFLへのVAR導入は時期尚早だと述べたことが英字紙ニューストレイトタイムズで報じられています。
 FAMの会長でもあるハミディン会長は、VARの導入はMFLの経営が安定してから導入されるべきという見解を述べた上で、MFLの最優先事項はマレーシア代表チーム強化につながるようなリーグ自体の向上であるとして、そのためにはまずリーグの商業価値を高め、その上でVAR導入に関する協議を行いたいと話しています。

MFLは今季の放映権について複数のメディアと協議中
 MFLは1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアFAカップ、マレーシアカップ、チャレンジカップの公式戦の放映権について、複数のメディアと協議の最終段階に入っていると英字紙スター電子版が報じています。
 MFLは今季の公式戦を配信元を1社に限らず、複数のメディアを通じて有料チャンネルだけでなく、無料の地上波やネット配信でも希望しているとされ、特にMFL1部スーパーリーグについては全試合の放映を求めているとしています。
 記事の中でMFLのハミディン会長は、2月中には詳細が確定し発表できるだろうとも述べています。

ポドルスキーがJDT訪問
 今季在籍したJリーグのヴィッセル神戸との新たな契約を結んでいないルーカス・ポドルスキが、MFL1部のジョホール・ダルル・タジムJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムを訪問したと、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 JDTでプレーすることに関心がある、と本人から連絡があったことをJDTのオーナーTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が公表したことから、すわJDT移籍かと日本のメディアも報じる中、JDTの新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムを訪れている様子が、JDTのFacebookで伝えられています。
 JDTのFacebookには、トゥンク・イスマイル殿下とポドルスキー選手のツーショットや話し合いを行なっている写真が掲載されています。(写真はJDTのFacebookより)

******
 個人的に確定していない選手の移籍の噂には興味はないのですが、日本でも関心が高いようなので、簡単に触れることにしました。
 今季のACLでは、JDTがヴィッセル神戸と予選グループに入ったことから、ポドルスキー選手がJDTに移籍して古巣と対決、のようなストーリーができている節もあるようですが、今季のJDTでプレーする5名の外国籍選手(ただし5名枠にはAFC枠1、ASEAN東南アジア枠1が含まれています)を考えるとあまり現実的ではない気がします。ポドルスキー選手が入団すれば、FWジオゴ、MFレアンドロ・ヴァレスケス、DFマウリシオのうちの一人が弾き出されることになりますが、JDTの今季の目標がACLで好成績を収めることだとすれば、いずれの選手も欠かせない選手ですので、ポドルスキー選手は今のチーム状況に適した選手には思えません。

1月12日のニュース:アキヤ・ラシドの移籍問題に裁定が下される、ペラTBGの今季新ジャージお披露目が無期延期に、U22代表新監督は3月頃までに決定-FAM

アキヤ・ラシドの移籍問題に裁定が下される
 フル代表やU22代表でもプレーするアキヤ・ラシドは2018年12月にそれまで在籍していたクダFAからジョホール・ダルル・タジムJDTへ移籍しましたが、この移籍について、アキヤ選手がクダFAとの契約期間中にJDTが入団交渉を行った「タッピングアップ」の疑惑が持ち上がりました。
 そこでクダFAはマレーシアサッカー協会FAMに提訴し、FAMはアキヤ選手には契約解除違約金25万リンギ(およそ670万円)の支払いと、JDTには育成費としてクダFAに7万5000リンギ(およそ200万円)の支払いを求める調停案を出しましたが、クダFAはこの金額がFAMとアキヤ選手の間で決められ、クダFAが関与していないことからこれを拒否し、アジア国際仲裁センターAIACにこの件を持ち込み、調停を求めていました。
 英字紙ニューストレイトタイムズによると、その裁定が昨日、発表されクダFAの申し立てを認めるものであったと報じています。(昨日取り上げた、JDTの練習にアキヤ選手の姿が見えなかった理由は、この裁定のためにクアラルンプールにあるAIACに来ていたのか知れません。)なお、ニューストレイトタイムズの記事によると、賠償金額などは確定していないということです。
 この裁定が出ると、JDTのFacebookではアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)が、この裁定にはJDTは関与しておらず、クダFAとアキヤ選手間の問題であるとの見解を発表しています。
 またJDTのオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下は自身のインスタグラムで、クダFAがアキヤ選手に対して30万リンギ(およそ805万円)の賠償金を請求していることを暴露しています。その上で、アキヤ選手は減額交渉を行うことも可能としながら、いくらであっても賠償金が払えるくらいアキヤ選手は裕福であるので心配は無用とコメントしています。

ペラTBGの今季新ジャージお披露目が無期延期に
 ペラTBGは昨日1月11日に予定されていた今季使用する新ジャージの発表と新入団選手紹介及びファン交流イベントを急遽、中止しました。
 サッカー専門サイトヴォケットFCによると、その理由は今季からユニフォームを供給するドイツのスポーツメーカーJAKO(ヤコ)社が事前に用意したユニフォームがペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAの求める品質でなかったことが理由と報じています。また、当日販売予定のユニフォームも全てメーカーに返却され、品質改善が求められたようです。
 JAKO社がこのような問題を起こすのは実は今回が初めてではなく、2017年シーズンにもパハンFAとの間で同様の問題が発生し、結局、パハンFAはその年はFILA(フィラ)社のユニフォームを採用しました。
 なお新たなイベントの日程は決まっていません。

U22代表新監督は3月頃までに決定-FAM
 優勝の期待も高かった東南アジア競技大会通称シーゲームでのグループステージ敗退により、新たに契約が延長されなかったU22代表のオン・キムスイ監督の後任は3月までに決定する予定であると、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が発表しています。
 現時点で外国籍4名を含む12名が候補者として名乗りをあげているようで、その候補者の中から、代表チーム運営委員会議長でもあるダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が直々に選別するとしています。また、ラマリンガム事務局長は、今年はU22が出場する大会もないことから、人選を急ぐ必要がないとも述べています。
 この他、監督としての契約が更新されなかったオン監督は、若手選手育成部門のトップとしてFAMと契約することも発表されています。
******
 現在アジアサッカー連盟AFCU23選手権がタイで開催中ですが、マレーシアはホーム開催となった予選で2勝1分ながら得失差で中国に次ぐグループ2位となり、2大会連続の出場を逃しています。シーゲームでの敗退だけでなく、AFC選手権への出場を逃したことも、オン監督との契約が更新されなかった理由と考えられています。

1月11日のニュース:JDTの新スタジアムでの練習公開でポドルスキ獲得の噂に拍車がかかる、トレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加も監督は沈黙を貫く、ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーする可能性が浮上

JDTが新スタジアムでの練習公開でポドルスキ獲得の噂に拍車がかかる
 ジョホール・ダルル・タジムJDTの新たなホーム、完成したばかりのスルタン・イブラヒムスタジアムでの練習の様子がJDTのFacebookで公開されています。
 しかしその様子を伝える映像に主力選手のアキヤ・ラシドとマウリシオの姿が写っていないことからある憶測がソーシャルメディアを賑わせています。
 JDTは現在、外国籍選手枠5名が全て埋まっていることから、新たな外国籍選手の獲得では現実的ではないとされていましたが、マウリシオが練習に参加していない様子から、ヴィッセル神戸を退団したルーカス・ポドルスキのために外国籍選手枠1名が空いたのではないかという憶測です。
 JDTオーナーのTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下はポドルスキ選手から連絡があったことを公表し、近いうちにJDTがあるジョホール州にやってくることも明かしています。
 またアキヤ・ラシドについては、今季から東南アジア出身選手枠が新設される韓国リーグへの移籍が以前から噂されていることに加え、フィールド外でのアキヤ選手の行動についてクラブ規範を守らないことで罰金を貸したことや、プロ選手としての自覚がないとTMJが批判したこともあり、移籍の可能性は大いにありそうでうす。
******
 ポドルスキ選手獲得の件については、既にジオゴやゴンザロ・カブレラといった攻撃陣を抱えるJDTが、DFのマウリシオを外し、FWのポドルスキを獲得するのは、今季のAFCチャンピオンズリーグACLでプレーする際にはリスクが大きすぎるのではないかとサッカー専門サイトのセムアニャボラが指摘するなど、噂で終わってしまう可能性もありますが、アキヤ選手については、素人から見ても明らかに伸び悩んでいると思いますので、個人的には他のクラブへ「修行」に出て、もっと(人間的に)成長してマレーシア に帰ってきて欲しいです。

トレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加も監督は沈黙を貫く
 今季開幕に向けて積極的な補強を行っているトレンガヌFCは、既に外国籍選手枠5名が埋まっていますが、そのトレンガヌFCの練習に新たな外国籍選手が参加していることをセムアニャボラが報じています。
 参加しているのはオーストラリア出身で昨季はオーストラリア2部リーグのクラブでプレーしていた22歳のクリストファー・フェイヤーズですが、トレンガヌFCは新加入のFWドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア、ベトナム1部リーグのサイゴンFCより加入)、DFババカー・ディアロ(セネガル、フィンランド1部リーグのクオピオン・パロセウラより加入)、MFファリス・ラムリ(シンガポール、シンガポール1部リーグのホーガン・ユナイテッドより移籍)と昨季から残留するMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)と主将のFWリー・タック(英国)の外国籍選手5名と既に契約しています。
 この状況で俄然、注目を浴びることになったのが主将を務めるリー・タックです。祖母がマレーシア人というタック選手は、これまでもマレーシア代表としてプレーしたいという希望を公言してきましたが、祖母がマレーシア人であることを証明する書類が見つかっていないということで、マレーシア国籍取得の申請ができていません。しかし、プレシーズン前の休暇で英国へ帰国していたタック選手がこれまで見つからなかった書類を見つけていれば、タック選手はマレーシア人選手として登録可能になり、もう一人外国籍選手の獲得が可能になります。
 これについてセムアニャボラは、トレンガヌFCのナフジ・ザイン監督に確認を取ろうとしたということですが、ナフジ監督からの返事はまだないと記事は結ばれています。

ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーする可能性が浮上
 他のMFLクラブに比べると景気の良い話が聞こえてこないパハンFA。先日も今期開幕に向けたプレシーズントレーニング初日の参加者が15名しかおらず、今期在籍が確定している外国籍選手はフランス出身のDFエラルド・グロン選手のみという記事をアップしました。しかしここにきて、昨季も在籍した「鉄人」ことFWディクソン・ヌワカエメが今季もパハンFAでプレーするのでは、という可能性が浮上しています。
 その根拠となるのが、ヌワカエメ選手のインスタグラムで「お気に入りの場所の一つ、クアラルンプール」とマレーシアにいることが伝わるような投稿を繰り返しています。
 パハンFAはヌワカエメ選手の去就について明言をしていませんが、ヌワカエメ選手はパハンFAサポーターの「パハンFAに戻ってきて欲しい」という呼びかけに対して、無給でプレーすると答えるなど、残留に向けての動きがありそうです。
(写真はヌワカエメ選手のインスタグラムより)


 

1月10日のニュース:マラッカ州サッカー協会会長の発言に選手らが反発、さらにそこから別の問題も発生

昨季のマラッカ・ユナイテッドの主将がFAMに宣誓供述書を提出
 昨季2019年はマラッカ・ユナイテッドに在籍し、主将も務めたシュコール・アダンは、シーズン途中に給料未払い問題を公表、その後は試合出場を拒否し、そのまま退団していました。今季2020年はクアラルンプールFA(KLFA)に加入したシュコール選手ですが、事前に取り決められていた期間内に解決されなかった給料未払い問題に業を煮やし、給料やボーナスなどに関する主張を記載した宣誓供述書をマレーシアサッカー協会FAMに提出したと、ニュース専門サイトアストロアワニが報じました。
 シュコール選手に加えて、昨季マラッカ・ユナイテッドに在籍した13名の選手も同様の行動を取ったようですが、シュコール選手は第三者を介さずに提出したのに対し、13名の選手はマレーシアプロサッカー選手協会PFAMを代理人として提出しています。
 マラッカ州サッカー協会MUSAは契約選手に対し、その契約内容に関してメディア向けに公式発言をすることを禁じていましたが、給料未払い問題を抱える選手の中には破産宣告を強いられた選手もいるとのことで、シュコール選手はこの行動は自分一人のためではなく、他の選手のためでもあると述べています。

マラッカ州サッカー協会会長はシュコール選手を非難し、謝罪を要求
 シュコール選手がFAMに宣誓供述書を提出したことを受けて、マラッカ州サッカー協会MUSAのダミアン・ヨー会長は、「シュコール・アダン、火遊びをするつもりなら、火をやるよ。(原文の”play with fire”は 「危険なことに手を出す」とでも訳せば良いでしょうか。「そんなことをすると、悪い結果や危険なことになるだろう」と忠告するときの表現です。)と自身のFacebookでシュコール選手の行動を非難しています。
 MUSAは昨シーズン、マラッカ・ユナイテッドに所属した14選手に対する未払い給料の支払いは分割で行うことが決まっている一方で、それが予定より2ヶ月遅れていることについてはその理由を説明し、さらに話し合う用意があるとしており、ヨー会長は、今回のシュコール選手の行動により、1月15日に予定されていた最初の支払いが遅れるだけでなく、問題解決により多くの時間がかかる可能性を示唆しています。
 その上で、シュコール選手に対し、もし未払い給料を直ちに受け取りたければ、FAMに提出した宣誓供述書を取り下げた上でMUSAに謝罪すべきであると述べています。
 またヨー会長は、シュコール選手が給料未払い問題をFAMに持ち込んだことにより、新外国籍選手獲得にも影響が出ていると非難し、その例として交渉中であった英国EPLのエバートンでプレー経験のあるFWヴィクター・アニチェベが交渉を取りやめたとしています。

TMJはヨー会長にアドバイスを送る
 元マラッカ・ユナイテッドのマシュコール選手とマラッカ州サッカー協会MUSAヨー会長のやりとりに、ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーTMJことジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下が興味を持ったようで、自身のインスタグラムで、シュコール選手が未払い給料の問題をFAMに持ち込んだことが明らかに不満なヨー会長に対して「まずは落ち着いて、(未払いの)給料をシュコール選手に払えよ」とアドバイスを送っています。

選手会会長はシュコール選手を支持
 またマレーシアプロサッカー選手会PFAMの会長を務めるPJシティFCのサフィ・サリーは、MUSAのヨー会長のシュコール選手の名誉を傷つける職業倫理に反する発言であると非難しています。
 サフィーPFAM会長は、シュコール選手は自らの権利を行使してだけであるとし、謝罪の必要はないとシュコール選手を支持しています。

ヨー会長はTMJに対して干渉をやんわりと拒絶
 TMJのアドバイスに対して、ヨー会長は自らのFacebookでこれを感謝しながらも、この問題についてはマラッカ州サッカー協会の内部規律に沿って対応するとし、やんわりと干渉を拒絶しています。

ヴィクター・アニチェベとの交渉決裂はシュコール選手とは無関係か
 マレー語紙ブリタハリアン電子版では、ヴィクター・アニチェベとMUSAの交渉が決裂したのは、シュコール選手がFAMに給料未払い問題を持ち込んだからではなく、単に選手側の要求確かすぎて応じられなかったからだという記事を掲載しています。
 記事によればアニチェべ選手の代理人は月額4万米ドル(およそ438万円)を要求し、MUSAがこれに応じられなかったとしています。

ヴィクター・アニチェべはMUSAとの交渉そのものを否定
 その一方でスポーツ専門サイトフォックスポーツは、ヴィクター・アニチェべ本人の話として、マラッカ州サッカー協会MUSAと契約交渉が決裂したどころか、交渉を行ったこと自体を否定していると報じています。
 フォックスポーツに対し、アニチェべ選手はMUSAとは交渉したこともなく、自分の名前を語る人や組織に何が起こっているのかについては全く知らないと述べています。
 このアニチェべ選手の発言により、MUSAのヨー会長が述べていたシュコール選手が給料未払い問題をFAMに持ち込んだことにより、アニチェべ選手の獲得交渉が不調に終わったという発言の信憑性が疑わしくなりました。
 フォックスポーツは、交渉中の選手が本当にアニチェべ選手だったのか、あるいは代理人に騙されていたのか、それともアニチェべ選手が事実を隠しているのか、真実は不明であるとしています。

 


 

1月2日のニュース:JDTはACLでヴィッセル神戸と対戦が決定、前U19代表監督はインドネシア1部リーグのクラブ監督に就任、未払い給料問題を抱えるPDRM FCは解決の期限を明言せず

JDTはACLでヴィッセル神戸と対戦が決定
 今季2020年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLの本選から出場する昨季2019年マレーシアンフットボールリーグMFL1部チャンピオンのJDTは、ACLの予選グループGに入っていますが、このグループは広州恒大(中国)、水原三星(韓国)が入ることは決まっていましたが、残りの1チームは日本の天皇杯優勝チームということになっていました。
 昨日1月1日の天皇杯決勝でヴィッセル神戸が2-0で鹿島アントラーズを破ったため、このグループGにはヴィッセル神戸が入ることが決まりました。
 イニエスタやポドルスキといったビッグネームが在籍することから、マレーシアでも注目が集まるヴィッセル神戸と対戦するJDTは、昨年の鹿島アントラーズに続き、また日本勢との対戦となりました。
 ヴィッセル神戸とJDTが同じグループになると直ちにJDTオーナーのジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下がチームのFacebookにメッセージを寄せています。(写真下)

前U19代表監督はインドネシア1部リーグのクラブ監督に就任
 昨年2019年5月までマレーシアU19代表の監督を務めたボジャン・ホダック氏がインドネシア1部リーグの強豪PSMマカッサルの監督として2年契約を結んだことが、AFCの公式サイトで報じられています。
 今季2020年のAFCカップ予選プレーオフで、東ティモールのレレノック・ユナイテッドFCと対戦するPSMマカッサルは、AFCカップ本選出場とリーグ戦優勝を目標にホダック氏と契約したされています。
 クロアチア出身のホダック氏は、プノンペン・クラウンFC(カンボジア)、山東魯能(中国)で監督、コーチを務めた後、ケランタンFA(2012年から2013年)、JDT(2014年〜2015年)、ペナンFA(2016年)とMFLのクラブを指導した他、マレーシア U19代表の監督を2017年〜2019年まで務め、東南アジアサッカー連盟AFF U19選手権では2018年大会でマレーシアを初優勝へ導き、さらにAFC U19選手権本選に12年ぶりの出場を果たしています。
******
 2012年にケランタンFAの監督に就任するとリーグ戦、マレーシアFAカップ、マレーシアカップのいわゆるトレブル(Treble、三冠)を果たし、続く2013年もJDTを破りFAカップ2連覇を果たしました。翌2014年にJDT監督に就任すると、MFL6連覇の始まりとなるリーグ初優勝をもたらしています。このように申し分ない実績を持つホダック氏は、U19代表監督時代もマレーシア サッカー協会FAMが求めた結果を全て残してきましたが、昨年7月にはU19監督としての契約更新が行われませんでした

未払い給料問題を抱えるPDRM FCは解決の期限を明言せず
 マレーシア王立警察を母体とするPDRM FCは今季、MFL1部に昇格しますが、昨年2019年分の未払い給料問題が未だ解決していないことを、スポーツ専門サイトフォックススポーツが報じています。
 同サイトの記事によれば4ヶ月間、選手に対する給料の支払いが滞っているようで、2月28日に迫った今季のMFL開幕に間に合うのかどうかどころか、今季のMFLへの参加が認められるのかどうかも怪しくなってきています。
 昨季2度目のトランスファーウィンドウ期間中に大型補強を行い、外国籍選手とマレーシア人選手の新戦力を獲得した結果、MFL3部への降格争いにいた状況から一気にリーグ3位となり今季MFL1部昇格を勝ち取るまでに至ったPDRM FCですが、その頃から給料未払い問題の兆候は現れており、フォックススポーツでも給料を受け取れていない選手の声が紹介されたこともありました。
 また昨季途中に就任し、チームを立て直したエラヴァラサン・ランゴワン監督は辞任し、昨季在籍した多くの選手は退団し、今季のチームは現職の警察官が選手全体の半数以上となるなど、チーム運営が厳しい状況下では、未払い給料問題の解決は容易ではなさそうです。

12月26日のニュース:AMD所属選手に「補償金」制度導入、スランゴールFC監督は「補償金」制度導入に反論、JDTオーナーが意味深なメッセージを公開

AMD所属選手に「補償金」制度導入
 モクター・ダハリアカデミーAMDは、マレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが運営し、国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーです。
 今年11月のアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選を1位で突破し、本大会出場を決めたマレーシアU19代表は、このAMDの1期生が中心で構成されていました。その中には今月12月にフィリピンで開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場したU22代表のメンバーに飛び級で招集されたルクマン・ハキムやウマル・ハキームもいます。
 そのAMDを運営するMSNのトップであるダト・アーマド・シャパウィ・イスマイル委員長が、今後AMDから選手を獲得を希望するクラブに対して「補償金」を請求する制度を発表したと、マレーシアの通信社ベルナマが報じました。
 これを支持する形で、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、マレーシア14州のサッカー協会(州FA)やマレーシアフットボールリーグMFLの各クラブが自前のアカデミーを持てば、AMDは必要でなくなるとし、それが実現できていない現状で、AMDの存在はむしろ各クラブの負担を軽くする役割を果たしていることから、「補償金」請求は理にかなっていると述べています。
 さらに国際サッカー連盟FIFAが規定する最低2千米ドル(およそ22万円)という補償金の額についても、ラマリンガム事務局長は、AMDはエリート選手養成アカデミーであるため、利潤追求をしないまでも、育成にかかる費用に見合った金額を補償金額に設定し、それをAMDに還元するとしており、補償金額はFIFAの補償金額よりもはるかに高額になると話しています。

スランゴールFC監督は「補償金」制度に反論
 スランゴールFCのバスカラン・サティアナタン監督は、MSNが導入する「補償金」制度について反論していると、マレー語紙シナールハリアン電子版が伝えています。
 一部では20万マレーシアリンギ(およそ530万円)とされるAMD出身選手獲得の際の「補償金」制度導入について、サティアナタン監督は、設定する金額が高すぎることに選手の出場機会を奪いかねないと反論しています。
 マレーシアプロサッカーコーチ協会の会長でもあるサティアナタン監督は、AMDは国民の税金で運営されていること、またAMD出身の選手はマレーシア代表となってその育成費用や労力を国家に還元する可能性を持っているとし、もしMSNが利益を追求するのであれば、MSNを民営化し、FIFAの規格に合わせたものにするべきだとしています。
 その一方で州FAや各クラブがAMDの選手獲得に何万、何10万と費やす必要があるのであれば、自前のアカデミーを設立するべきだと述べる一方で、自分も税金を払っている国民の一人としてAMDの利益を享受する資格があるとも述べています。
 さらにMSNの言い分がまかり通れば、例えば、企業は自社に優秀な学生を送り込む高等教育機関に「補償金」を払う必要があることになるとし、高等教育機関の役割は国民に教育を提供するの役割であり、MSNはスポーツで同様の役割を果たすべきとしています。

JDTオーナーが意味深なメッセージを公開
 ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナー、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身のインスタグラムに意味深なメッセージを掲載したことで様々な憶測を呼んでいます。

 メリークリスマスのメッセージとともに、現在、JDTでプレーしていない5選手の名前を挙げていますが、その中には今季2019年はインドネシア1部リーグのペルセラ・ラモンガンに在籍したMF廣瀬慧(ひろせけい)選手や、今季はクダFAでプレーしたものの契約が更新されなかったスペイン人FWフェルナンド・ロドリゲスの名前が挙がっています。また数日前には来季2020年にはJDT IIに日本人とスペイン人が新加入するとトゥンク・イスマイル殿下自身が告知しており、この2選手がJDT IIの新戦力かも知れません。
 またこの他にはスランゴールFCのエンドリック・サントスやマシュー・デイヴィーズ、モハマドゥ・スマレ(いずれもパハンFA)の名も挙げており、来季ではなく2021年にJDTに加入する選手ではないかという予測も出ています。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCでは廣瀬選手はペルセラ・ラモンガンとの契約を既に完了し、来季のJDT II加入の際の障害はないとしています。