Mリーグ1部スーパーリーグ第14節結果

 いよいよスーパーリーグ後半戦開幕!と盛り上がるはずでしたが、マレー半島北部ダービーとして注目されていた3位クダ・ダルル・アマンFC対4位ペナンFCの試合が新型コロナ感染者発覚により延期となってしまいました。
 各試合のハイライト映像はMFLのYouTubeチャンネルよりお借りしています。(PJシティFC対サバFC戦のハイライト映像はまだMFLのチャンネルにアップされていないので、ここでも後ほどアップします。)

2021年7月24日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌFC 5-0 ペラFC
得点者:トレンガヌ-ファイザル・ハリム(18分)、デヴィッド・ダ・シルヴァ(23分PK)、チャーリー・マシェル(42分OG)、ハキミ・アブドラ(70分)、ニック・アキフ・シャヒラン(90+5分PK)
 前半戦の好調を維持するトレンガヌFCが大量点で圧勝しています。トレンガヌは18分にファイズ・ナシルのクロスにファイザル・ハリムが合わせて先制すると、23分にはそのファイザル・ハリムがペナルティーエリア内で倒されてトレンガヌがPKを得ます。これをデヴィッド・ダ・シルヴァが決め、トレンガヌがリードを2点に広げます。さらに42分にはファイズ・ナシルのパスをクリアしようとしたペラのチャーリー・マシェルがオウンゴールし、トレンガヌが3-0として前半が終了します。後半に入っても攻撃の手を緩めいないトレンガヌはペラのゴールに迫りますが、ペラはGKハフィズル・ハフィスの好守で凌ぎます。しかし70分には途中出場のハキミ・アブドラのゴールで4-0、90+5分にはペナルティエリア内で自身が倒されて得たPKをニック・アキフ・シャヒランが決めてトレンガヌが完勝しています。
 主力選手の退団により前半戦とは大きくメンバーが変わったペラは、後半戦も厳しい試合が続くことを予想させる大敗で、2部降格圏にまた一歩近づきました。

2021年7月24日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティFC 1-1 スランゴールFC
得点者:KL-パウロ・ジョズエ(40分)、スランゴール-オリヴァー・バフ(43分)
 首都圏を流れるクラン川にちなみクラン渓谷とも呼ばれる首都圏に本拠地を持つ両クラブの対戦は代々クラン渓谷ダービーと呼ばれてきましたが。今季2度目のクラン渓谷ダービーは、スランゴールFCのホームで行われた前回の対戦同様、1-1の引き分けに終わっています。
 ペラFCから移籍のケニー・パッラジと J・パルティバンの新加入コンビが機能するなどKL有利の展開で進むも、チャンスを活かせなかったKLですが、40分にペナルティーエリアの外で得たフリーキックを主将のパウロ・ジョズエが直接、決めて先制しました。しかしスランゴールもすかさず反撃に転じ、43分にはノー・ハキムのクロスからのこぼれ球をオリヴァー・バフが押し込み同点としてます。結局、その後は両チームとも無得点に終わりました。

2021年7月24日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティFC 1-0 サバFC
得点者:PJ-スニル・チャンドラン(89分)
 前半戦最後の3試合を1分2敗で終えていたPJシティが後半戦を白星てスタートさせています。
 試合はサバ優勢で進むものの、両チームとも無得点のまま終盤へ。このまま終了かと思われた89分、途中出場のスニル・チャンドランが放ったロングレンジのシュートがサバGKロブソン・レンディ・リニンの横をすり抜け、これが決勝ゴールとなりPJシティは今季4勝目を挙げています。

2021年7月25日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハンFC 1-0 マラッカ・ユナイテッドFC
得点者:パハン-マヌエル・イダルゴ(1分)、マラッカ-ワン・ザハルニザム(88分)
 9位と10位の対戦となったこの試合は、開始1分もしないうちにマヌエル・イダルゴがゴールを決めたパハンFCが終始ボールを支配するも、エラルド・グロンがPKを失敗するなど追加点を奪えないまま1-0で終盤を迎え、このまま終了かと思われた88分にパハンDF陣の足が止まった隙をついて、マラッカのワン・ザハルニザムが同点ゴールを決め、試合途中に照明が消えるアクシデントもあったこの試合は両チーム痛み分けに終わりました。

2021年7月25日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
JDT 3-1 UITM FC
得点者:JDT-ゴンザロ・カブレラ(50分)、サファウィ・ラシド(75分)、ベルグソン・ダ・シルヴ(88分)、UTIM-ジョエル・ヴィニシウス(43分)
 今季未勝利のUITM FCが新加入のジョエル・ヴィニシウスのゴールで首位JDTに先制するまさかの展開も、終わってみればJDTが後半に3ゴールを挙げて勝点3を獲得しています。

*7月24日に予定されていたクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC(ダルルアマンスタジアム-クダ州アロースター)は、クダ・ダルル・アマンFCの選手2名が試合前の検査により新型コロナ陽性となったため延期されています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第14節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT149313172433
2TFC1493225121330
3KDA138232113826
4PEN136431814422
5SEL145542321220
6KL144641815318
7PJ144641114-318
8SBH144461718-116
9PHG143471723-613
10PRK143381426-1212
10MU143651620-4*12
12UITM140213533-282
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第14節終了時)

選手(クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)12
ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)12
2クパー・シャーマン(KDH)9
3カサグランデ(PEN)7
4パウロ・ジョズエ(KL)8
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

7月24日のニュース:Mリーグ後半戦を勝手に予測(1部スーパーリーグ編)

 W杯アジア2次予選やAFCチャンピオンズリーグなどにより、Mリーグは5月8日より中断していましたが、いよいよ本日7月24日から再開されます。そこで前回の2部プレミアリーグ編に続き、今回はボラセパマレーシアJPによる勝手な後半戦予測の1部スーパーリーグ編をお届けします。
 とここまで書いたところで、クダ・ダルル・アマンFCに新型コロナの感染者2名が発覚し、本日のクダ・ダルル・アマンFC対ペナンFC戦が延期になったことがMFL公式サイトで発表されています。満を辞して始まる後半戦もいきなり新型コロナの洗礼に見舞われてしまいました。

 第13節まで終了している今季のスーパーリーグは本日7月24日と明日7月25日に開催される第14節から後半戦が始まり、10月27日と28日に予定されている最終節第22節までのおよそ3ヶ月で、各クラブは残り9試合を行います。スーパーリーグ現在の順位表は以下の通りです。

Mリーグ1部スーパーリーグ順位表(第13節終了時)

ClubGWDLGFGAGDP
1JDT139312862230
2TFC138322012827
3KDA138232113826
4PEN136431814422
5SEL135442220219
6KL134541714317
7SBH134451717016
8PJ133641014-415
9PHG133371622-612
10PRK133371421-712
11MU133551519-4*11
12UITM130211430-262
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

 現在、スーパーリーグ7連覇中のJDTは、今季も2位のトレンガヌFCに勝点差3をつけて首位を堅持し、優勝候補の大本命です。今年2度目のトランスファーウィンドウ期間中には同じスーパーリーグのペラFCからいずれもマレーシア代表のFWギリェルメ・デ・パウラとDFシャールル・サアドを獲得て代表選手コレクションに加え、またオーストラリア1部のニューカッスルジェッツに期限付き移籍させていたインドネシア各年代で代表経験のある22歳のMFシャーリアン・アビマニュを呼び戻すなど、首位にいながら補強に余念がありません。
 しかしその一方で、JDTは主力選手の多くがマレーシア代表選手でもあり、6月上旬にアラブ首長国連邦で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表選手たちは、そこからタイへ直行して6月下旬から7月初旬まで行われたAFCチャンピオンズリーグACLに出場するなど、強行日程をこなしており、そこから来る疲労は後半戦へ向けての不安材料の一つに思えます。また前半戦は11試合で11ゴールを量産したFWベルグソン・ダ・シルヴァはACLでは格上のチーム相手だったとは言え不振を極め、こちらも後半戦への不安要素となりそうで、2位に勝点差10をつけて優勝した2019年シーズンや、11試合に短縮されたリーグながら勝点差7をつけて優勝した昨季2020年シーズンと比べると、今季のJDTは攻略の隙が十分あります。

 そしてこのJDTの対抗馬1番手となりそうなのが現在2位のトレンガヌFC。前半戦ではJDTに 今季唯一の黒星を着け、首位とは勝点差3で前半戦を終えています。前半戦好調の立役者MFマカン・コナテや彗星のように現れJDT戦では決勝ゴールも挙げた快速ウィングのハキミ・アブドラ、やはり今季急成長したセンダーバックのモハマド・ファウジ、そのモハマド・ファウジと共に守備陣を支えるフィリピン代表DFカルリ・デ・ムルガらに加えて、トランスファーウィンドウ期間中には、スリ・パハンFCから昨季まで主将を務めていたMFリー・タックを期限付き移籍で獲得、さらにMFハビブ・ハルーン(バーレーン)を獲得するなど、着実な補強を進めています。リーグ優勝へ向けては、直接対決がある第21節まで勝点差3のままJDTに離れずについて行けるかどうかが鍵になりそうです。

 ボラセパマレーシアJPが今季開幕前に優種候補に挙げたクダ・ダルル・アマンは現在3位。JDT戦では何故かパフォーマンスが低下する「JDTアレルギー」により、今季も既に2敗しており自力優勝の目はないので。後半戦の現実的な目標はリーグ2位に与えられるAFCカップ出場権獲得が目標となりそうです。戦力的にはエースのFWクパー・シャーマンを中心に、MFチェチェ・キプレ、MFボドロル・バクティアルら現有戦力で後半に臨みます。

 前半戦の台風の目となったのは、昨季は2部で優勝し、今季から1部でプレーするペナンFCでした。昇格初年度でここまで4位の成績は、昨季は2部で得点王を取り、1部でもゴールを量産するFWカサグランデを中心とした攻撃陣と、トマス・トゥルチェ監督の抜擢に応えたスランゴールFCから期限付き移籍中の21歳DFクェンティン・チャンや1部でも安定したプレーを見せ続けて6月のW杯予選に招集されたGKサミュエル・サマーヴィルらが前半戦同様のパファーマンスを見せることができれば、トップ3入りはもちろん、AFCカップも見えてきます。

 5位は思い切った方針転換を行い、若手を積極的に起用しながら「育てながら勝つ」を実践するスランゴールFC。リーグ得点王のFWイフェダヨ・オルセグンを擁し、チーム総得点はJDTに次ぐリーグ2位の22得点ながら失点も22点と守備の破綻が目立ちます。開幕前のケガで前半戦を棒に振った期待の新戦力MFニック・シャリフ・ハセフィも復帰する攻撃面は万全なので、マニュエル・コンラッド、ティム・ホイバッハら外国籍選手がシャールル・ナジーム、シヴァン・ピレイといった若いDF陣をうまく引っ張って行ければさらに上位を脅かす可能性もありますが、前半戦を見る限りではトップ5に入れれば今季の目標達成となるのではないでしょうか。

 前半戦は上位のチームとは接戦を繰り広げながら、下位のチームに取りこぼすなど不安定な面もあった6位のKLシティFC。トランスファーウィンドウ期間中にペラFCから守備的MFケニー・パラッジとウイングJ・パルティバンといずれも主力選手を獲得、さらに第4節ペラFC戦で負傷しそれ以降出場のなかったFWドミニク・ダ・シルヴァに代わりFWキリアン・ヌワブエズを獲得するなど、選手層の薄さや攻撃力不足を補う着実な補強を行うなど、上位に食い込むには十分な戦力が整い、Mリーグでは実績のあるボジャン・ホダック監督率いるチームは後半戦の台風の目となりそうです。

 新型コロナによる影響で開幕時には外国籍選手が不在だったサバFCは開幕直後の4試合を0勝1分3敗と苦しいスタートを切り、早々とクルニアワン・ドゥイ・ユリアント監督更迭の噂まで出たものの、外国籍選手が合流した前半戦最後の5試合では3勝1分1敗と不振から持ち直して6位まで順位を上げています。40歳のFWアムリ・ヤハヤの復活など話題に富むチームではあるものの、前半戦途中では給料未払い問題(経営陣は単なる遅配と主張)が明らかになり、外国籍選手獲得の遅れも合わせて、現場ではなく経営陣の不手際が目立ってしまいました。戦力的には2部降格の心配はないものの、トップ5入りは難しいといったところなので、後半戦も6位から9位辺りを行き来することになりそうです。

 今季のスーパーリーグで唯一、外国籍選手が1人もいないPJシティFCは、開幕からの5試合を2勝2分け1敗と大方の予想を覆してスタートしましたが、その好調さはFWダレン・ロックのケガとともに尻すぼみとなりました。それでも前半戦は8位で終える大健闘を見せましたが、降格圏となる11位のクラブとは勝点差4と安閑としていられる状況ではありません。今日の試合(サバFC戦)からロックは復帰するようですが、下位チームの補強状況を見る限り、後半戦は1部残留が目標となりそうです。

 スリ・パハンFCは前半戦終盤に開いたトランスファーウィンドウ期間に外国籍選手4名を入れ替えると、アルゼンチン出身の攻撃的MFマヌエル・イダルゴ、ミャンマーU23代表FWアウン・カウン・マン、南スーダン代表FWケニー・アティウと新加入の選手たちが続々とゴールを決め、前半戦最後の3試合を2勝1分とチームを立て直し、通算成績を3勝3分7敗の9位まで順位を上げています。とは言え、前半戦最後の3試合の内、給料未払いで主力の大半が流出したペラFCと今季未勝利のUITM FCから上げた2勝で、上位のスランゴールFCとは引き分けており、11位のクラブとは勝点差1と降格圏の一歩手前の状況なのは変わらず、今日のマラッカ・ユナイテッドFC以降の後半戦は全て上位のクラブとの対戦となります。後半戦直前には昨季はタイ2部で優勝したノーンブワ・ピチャヤFCでプレーしたDFニコラス・スウィラドも獲得し、こうした新戦力が果たして上位クラブとの対戦でも活躍するのかどうかに注目です。

 開幕前に監督が交代し、大方の予想に反して開幕当初から調子の上がらなかったペラFCは、前半戦途中に選手への給料未払いが発覚。トランスファーウィンドウ期間中には主力選手の大半が流出した結果が現在の10位という順位に反映されています。代表クラスを含む開幕戦の先発メンバー6名が退団する異常事態に、当初はセカンドチームで2部プレミアリーグでプレーするペラFC IIから選手を招集して…という話が出ていたものの、結局は外国籍選手を獲得しています。2018年にペラでプレー経験があるレバノン出身のDFジャド・ヌールディン、同じレバノン出身のMFサミル・アヤス、そしてUITM FCからFWナナ・ポクを獲得し、残留したブラジル出身コンビのFWカレッカ、MFレアンドロ・ドス・サントスと外国籍選手枠を埋めたものの、代表DFシャールル・サアドらの離脱の穴は大きく、セカンドチームから上がって来る若い選手と外国籍選手がそれを埋められるか否かが、チーム創設以来初となる2部降格を防げるかどうかの鍵になります。

 給料未払いにより昨季に続き、勝点3を剥奪される放漫経営のツケが周り、降格圏となる11位にとどまっているマラッカ・ユナイテッドは、トランスファーウィンドウ期間中に4得点を挙げているステファン・ニコリッチと3得点を挙げているアレックス・ゴンサウヴェスの両FWに代えてアドリアーノ、ジョバンニ・ゴメスの2人のFWを獲得しています。チーム総得点15点の内、7点を挙げていたFWを交代させてさらに挟撃力アップを、という目論みなのでしょう。しかし、前半最後の3試合で7失点しており、素人目にではむしろ守備の補強が急務にも見えますが、守備陣の補強はJDT IIから期限付きで移籍したゲイリー・スティヴン・ラバットのみで、いよいよ6年振りの2部降格が近づいてきました。

 前半戦では勝ち星を挙げられず勝点もわずか2、11位とは勝点差9の最下位のUITM FC。リーグが11試合に短縮されたとはいて昨季の5勝2分4敗の成績が嘘のような今季の成績です。昨季のチームからはクラブ運営予算上の問題により主将のDFヴィクトル・ニーレノルドを除く外国籍選手4名との契約を更新せず、主力選手の顔ぶれも変わりましたが、そういった今季こそ元U23代表監督でもあったフランク・バーンハート監督の手腕が試されるシーズンだったはず。しかし連敗が続くと経営陣はバーンハート監督を「休養」させ、状況が改善しないと再び「復帰」させるなど混乱状態のまま終わった前半戦でした。またトランスファーウィンドウ期間には一旦獲得した東ティモール代表FWジョゴ・ペドロとの契約を解除するなどこちらも迷走しています。結局、昨季もUITM FCでプレーしたMFウスマン・ファネを獲得した他、昨季はサバFCでプレーしたドイツ出身のデニス・ブシェニング、韓国出身のMFクォン・ヨンヒョン、そしてブラジル出身のジョエル・ヴィニシウスの両FWを獲得するなどの補強を行いましたが、2部降格濃厚の状況は変わりそうにありません。

7月16日のニュース:今季Mリーグ1部前半戦は2000万人以上がオンラインでライブ観戦、FAMのテクニカルディレクターがU20代表のAFCU23アジアカップ予選派遣について説明、JDT IIからマラッカUへ期限付き移籍のロバットが抱負を語る

今季Mリーグ1部前半戦は2000万人以上がオンラインでライブ観戦
 7月24日より再開まで10日を切り、Mリーグ各クラブは練習試合をこなすなど準備に余念がありませんが、Mリーグを運営するMFLは今季ここまでのMリーグ1部スーパーリーグの試合のライブ視聴者数が2100万人を越えていると公式サイトで発表しています。
 今年3月5日に開幕したスーパーリーグは5月9日に行われた第13節まで78試合が行われていますが、これらの試合を放映した国営放送RTM、MFLのスポンサーUnifi社の有料スポーツチャンネル、そして同社が運営する無料YouTubeチャンネルを合わせるとそのライブ視聴査数が2181万4979人となっていることをMFLの公式サイトが発表しています。
 さらにYouTubeでの録画視聴者数は、5月30日までの時点で4983万8140人とということです。なおUnifiの無料YouTubeチャンネルでは、今季のスーパーリーグ全試合の観戦が可能になっています。
 この他、中継された78試合中、ライブ視聴者が最も多かった節は第11節で6試合合計230万7698人、また最も視聴者が多かった試合は4月24日の第10節JDT対トレンガヌFC戦(スルタン・イブラヒムスタジアム、ジョホール州イスカンダルプテリ)で69万8341人が視聴したということも発表されています。
 このように様々なプラットフォームで視聴可能な1部スーパーリーグに対し、2部プレミアリーグについてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、プレミアリーグの各クラブには7月24日から再開される後半戦ではソーシャルメディアやストリーミングによる配信が許可されたことを明らかにしています。
 またMリーグ前半戦は4月2日の第6節から感染者拡大による無観客措置が取られた5月9日の第12節までは、首都圏など一部地域を除いて定員の10%から25%の条件付きながらスタジアムでの観戦も可能でしたが、この期間中はスーパーリーグとプレミアリーグ合わせて観戦可能だった41試合では6万2318人の有料入場者数を集め、その内。4月9日の第8節クダ・ダルル・アマンFC対トレンガヌFC戦(ダルル・アマンスタジアム、クダ州アロースター)が最大の5941人の有料入場者を記録したということです。

FAMのテクニカルディレクターがU20代表のAFCU23アジアカップ予選派遣について説明
 マレーシアサッカー協会FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクター(TD)は、現在のU20代表の2024年パリオリンピックの予選突破に向けた計画の中心人物の1人ですが、このたび、英字紙ニューストレイトタイムズの取材に応じ、自身の考えを明らかにしています。
 FAMは今年10月に開催されるAFC U23アジアカップ2022年大会(旧U23選手権)予選にU23代表ではなく、U20代表を派遣することを発表しましたが、これに対しては現在のU23代表の育成が等閑(なおざり)になるなど否定的な反応が出ています。
 こういった声に対し、前回2020大会予選にU23代表監督として臨みながら本戦出場を果たせなかったオンTDは、その成功が100%保証されるわけではないとはしながらも、自身の経験に基づき「選手が共に過ごす時間が長くなれば長くなるほど、より好ましい結果を生み出す可能性は高い」と考えていると話しています。
 「今年2021年から選手たちが一緒にプレーすれば、彼らは様々なレベルの大会に出場することができる、オリンピック予選突破について最優先されるのは現在のU20代表である。U20代表がAFCU23アジアカップの予選を突破することは容易ではないが、上の年代の選手たちと対戦する貴重な機会をチームとして活用したい。」と話すオンTDは、現在のU23代表の選手についていも(チーム参加の)扉は完全に閉じられたわけではない、とも述べ、将来的にはU23代表選手の参加に含みを持たせる発言をしています。
*****
 2020年大会予選では、中国と引き分け勝点で並びながら得失差で本戦出場を逃したU23代表からはサファウイ・ラシド、アキヤ・ラシど、シャマー・クティ・アッバ(以上JDT)、シャミ・サファリ(スランゴールFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)の5選手がFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場した代表に選ばれています。U23代表はフル代表への選手を供給する場でもあると思うのですが、このU23代表年代を冷遇すると、それは代表教科にも悪影響が出る可能性があります。またフル代表ではルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、アリフ・アイマン(JDT)らU20代表候補選手がいますが、フル代表レベルの彼らをパリオリンピック予選までU20代表に縛り付けてしまうのも、むしろ彼らの成長の芽を摘んでしまいかねないような気がします。U23代表にU20代表の有望選手を加えたチーム編成で、U23アジアカップ本戦出場を目指し、本戦でアジアの強豪との試合を経験する方が遥かに代表強化につながるような気がします。

JDT IIからマラッカUへ期限付き移籍のロバットが抱負を語る
 各年代代表だけでなくフル代表の経験もあるJDT IIの守備的MFゲイリー・スティーヴン・ロバットがマラッカ・ユナイテッドFCへ期限付き移籍しましたが、MFLの公式サイトではこのロバット選手を特集しています。
 今季は開幕からMリーグ1部スーパーリーグの覇者JDTのセカンドチームで、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIでプレーしてきたロバット選手は、代表キャップ数11の28歳です。豊富な運動量が売り物のロバット選手が期限付き移籍したマラッカ・ユナイテッドFCは3勝5分5敗でリーグ11位と降格圏にいるチームです。
 そんなチームに今季2度目のトランスファーウィンドウ期間に期限付き移籍したラバット選手は後半戦開幕初戦となる7月25日の第14節スリ・パハンFC戦を重要な試合と考えているとブル生に語っています。
 「まず自分がやらなければならないことは、ザイナル・アビディン・ハサン監督に対して自分がチームの戦力になることを証明することだ。より多くの試合出場時間を求めての移籍してきたことは事実だが、チームメートからも信用を得なければならないことも分かっている。スリ・パハンFC戦で出場機会が与えられれば、自分がどのくらいチームのために献身的にプレーできるかを見せたい。」と述べるラバット選手は、マラッカ・ユナイテッドFCを降格圏から脱出させることが自分に課せられた使命であるとも話しています。

7月11日のニュース:FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣、ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト、JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める

FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣
 昨日のコラムではアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会の予選組み分けが行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となり、モンゴルでの集中開催となることを取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこのU23大会にU23代表ではなく、U20代表を派遣することを公式サイトで発表しています。
 FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターTDによれば、このU20代表派遣は2024年のパリオリンピック出場を目指すU23代表強化プログラムの一環として行われ、オーストラリア出身のブラッド・マロニー現U23代表監督がこのチームの指揮を取る予定だということです。
 「このU20代表派遣は既にFAMの代表チーム運営委員会で提案され、FAM理事会の承認も得た上で決定されている。現在のU20代表を10月のAFC U23アジアカップ2022年大会予選、そして11月の東南アジア競技大会2021年ベトナム大会(この発表後に来年に延期が決定-筆者注)さらには、AFC U23アジアカップ2024年大会予選、東南アジア競技大会2023年カンボジア大会と継続して派遣していく予定になっている。これによりこの年代の代表チームは早い段階から様々なレベルで経験を積み重ね、長期間かけて(オリンピック2024年パリ大会予選に向けて)準備していくことができる。」とオンTDは話しています。
 またオンTDは10月のAFC U23アジアカップ予選前には次の国際マッチデー期間(8月30日から9月7日)にU20代表候補を招集して候補合宿も開催する予定も明らかにしています。
*****
 先月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも出場したFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)やFWアリフ・アイマン(JDT)、代表に招集されながら合宿中のケガで代表辞退となったといったGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)さらにMFムカイリ・アジマル、DFハリス・ハイカル(いずれもスランゴールFC)など才能豊かな選手がU20代表の主力になる可能性がある一方で、代表選手のFWアキヤ・ラシド(JDT)、先日終了したAFCチャンピオンズリーグ予選に出場したFWラマダン・サイフラー(JDT)、リーグでは好調のMFハキミ・アブドゥラ(トレンガヌFC)、FWダニアル・アサリ(スランゴールFC)そしてFWハディ・ファイヤッド(J3沼津)など順当ならU23代表候補となる選手たちが勝負の機会も与えられず、U23アジアカップ出場の選考対象ならないのはもったいない気もしますし、さらに言えばこのような育成のための「複数年計画」は、失敗した際にその前の年代も含めて代表強化の「空白期間」ができてしまうこともあります。個人的にはU20代表に限定するのではなく、U23代表に飛び級できる能力のあるU20代表の主力を加えたチームを編成し、彼らに同年代のタイやラオスと対戦されて、本大会出場を目指す方が一足飛びにオリンピック出場を目指すよりは遥かに現実的な目標に思えます。言い換えれば、既にフル代表でもプレーするルクマン選手やアリフ選手を敢えてU20代表でプレーさせることは、むしろ開きかけている才能の芽を摘みかねない気もします。

ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCは、7月24日より再開するMリーグを前に新たに獲得した外国籍選手をテストする予定だとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はいずれも2部プレミアリーグのPDRM FCとヌグリスンビランFCとの練習試合で、これまでは練習参加のみだった新外国籍選手を起用すると話しています。
 給料未払いにより主力5選手が他のMリーグクラブに流出したペラFCはトランスファーウィンドウ期間中に英国出身のMFチャリー・マシェル(昨季はシンガポール1部ホウガン・ユナイテッドでプレーし今季はカンボジア1部のビサカFCに移籍するも出場なし)、2018年にもペラに在籍したレバノン出身のDFジャド・ヌールディン(レバノン1部のアル・アヘドFCより期限付き移籍)、同じくレバノン出身のMFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより移籍)、カメルーン出身のDFゾバイロウ・ガルバ(昨季はインドネシア1部プルスバヤ・スラバヤでプレー)、フランス出身のFWジスラン・グゥエッサン(2019年にアルジェリア1部CAボルジュ・ブー・アリエージュでプレーも昨季はプレー記録なし)の5選手を獲得しています。
 なおペラFCにはMFレアンドロ・ドス・サントスとMFカレッカのブラジルコンビ、やはりトランスファーウィンドウ期間中に同じ1部のUITM FCから移籍したガーナ出身のFWナナ・ポク、そしてスリ・パハンFCから期限付き移籍しているFWセルヒオ・アグエロがおり、この9選手はペラFCに5名と2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのペラFC II4名がに配置される予定ということです。
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 別の報道ではブラジルコンビのレアンドロとカレッカは放出を希望していたものの、条件面でクラブとの合意に至らず、今季の残留が決まったと報じられています。守備的MFのレアンドロ、攻撃的MFのカレッカはいずれもリーグ中断前の第13節までに12試合に出場している主力選手ですが、この2人が残留となったことでペラFCではFWナナ・ポク、DFジャド・ヌールディン、DFゾバイロウ・ガルバの5名の外国籍選手が、残る4選手はペラFC IIでプレーするのではないかと予想されています。それにしてもペラFC IIは外国籍選手なしでスタートしながら、突然4名の外国籍選手を割り振られるなど、数ヶ月前までは給料未払い問題て揺れていたクラブとは思えないような大盤振る舞いです。

JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める
 Mリーグ1部スーパーリーグで7連覇中のJDTは、先日終了したAFCチャンピオンズリーグACLでは同組の名古屋グランパスと浦項スティーラーズ(韓国)にそれぞれ2敗、ラーチャブリーFC(タイ)とは1勝1分のグループ3位でノックアウトステージ進出を逃しましたが、ほぼマレーシア代表とも言えるメンバーを揃えながら、この結果に不満を持つ一部サポーターがソーシャルメディア上でベンヤミン・モラ監督の解任を求めている事態について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はモラ監督を擁護しているとブリタハリアンが報じています。
 自身のインスタグラムに投稿したイスマイル殿下は、ACLはJDTにとっては超えるには高い壁だとし、大志を持つことは良いことだが、現実に目を向けない大志はそうではないと述べ、モラ監督を批判するなら、モラ監督を採用した自分を非難するべきだと述べて、サポーターに現実的になることを求めています。
 2019年から連続してMリーグの唯一の代表としてACLに参戦できていることは名誉であるとも述べたイスマイル殿下は、JDTのレベルはACLのレベルには達していないと述べる一方で、2019年には鹿島アントラーズを、2020年には水原三星ブルーウィングス (韓国)を破ったことは事実だとして、今後もクラブのレベルアップを図っていくことをサポーターに約束しています。

7月8日のニュース:ACL予選G組マッチデー6-JDTはスコアレスドローでACL終了、名古屋は浦項と引き分けもベスト16進出決定

ACL予選G組マッチデー6-JDTはスコアレスドローでACL終了
 AFCチャンピオンズリーグ予選G組は最終日のマッチデー6となり、予選3位のJDTは4位のラーチャブリーFCとG組の3位と4位を賭けて対戦しました。
 激闘の名古屋戦から先発8名を入れ替えたJDTは、開始7分にサフィク・ラヒムがラーチャブリーGKカンポン・ファトマッカックルと1対1となるチャンスを得ながらシュートがゴールの枠を捉えられず先制機を逃します。
 JDTは37分には守備のキーマンDFマウリシオがケガで交代し、守勢に回るかと思われましたが、前戦の浦項スティーラーズ戦でのラーチャブリーの戦いぶりをベンヤミン・モラ監督が「勝とうとはせず、負けないような試合運びをした」と評したように、この試合でもラーチャブリーは自陣深くで守りカウンターを狙う戦術を選択しました。前半終盤には、ラーチャブリーが攻撃に転じる場面もありましたが、決め手を描く両チームはいずれもゴールを割れず0-0で前半を終了します。
 後半に入ると途中交代のモハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシドらがラーチャブリーゴールを狙いますが、ゴール前を固めるらーチャブリー守備陣の壁を破れないまま時間が過ぎ、結局、フラストレーションの溜まる試合はこのまま終了し、JDTの今季ACL最終戦はスコアレスドローに終わりました。
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 昨季、JDTがいたACL予選G組は新型コロナウィルス感染拡大により中断を挟んでカタールのドーハで集中開催となりましたが、当時、マレーシア政府が不要不急の海外渡航を認めていなかったことからJDTは途中棄権となりました。今回、満を辞してACLに臨んだJDTでしたが、国内リーグ得点王のベルグソン・ダ・シルヴァが6試合で無得点に終わり、不調のサファウィ・ラシドは先発どころか最終戦はベンチ入りすらせず、また、ラヴェル・コービン=オングがケガで2試合の出場に終わるなど思うような試合運びができず、2年ぶりのACL挑戦は今回も残念な結果に終わりました。

FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー6
2021年7月7日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT 0-0 ラーチャブリーFC
得点者:なし
(下は両チームの先発XI-JDTとらーチャブリーFCのFacebookより)


 G組のもう1試合は既にベスト16進出を決めている予選G組首位の名古屋グランパスが2位の浦項スティーラーズと対戦し、こちらの試合も先制した名古屋に浦項が試合終了間際に追いつき、1-1と引き分けに終わっています。
FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー6
2021年7月7日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ 1-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-前田直輝(51分)、浦項-ボリス・タシティー(88分)
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーと浦項のFacebookより)


ACL予選G組順位(マッチデー5終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋65101321116
2浦項632195411
3JDT611439-64
4ラーチャブリー6024010-102
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

7月5日のニュース:ACL予選G組マッチデー5-JDTは名古屋の無失点記録を破るも惜敗、ラーチャブリーは浦項と引分でACL初勝点獲得

ACL予選G組マッチデー5-JDTは名古屋の無失点記録を破るも惜敗
 前戦の浦項戦からラヴェル・コービン=オング以外の先発メンバー10名を入れ替えたJDTは開始3分でこの予選初先発となったアダム・ノー・アズリンが、これをマテウスが決め、名古屋が先制します。その後もJDTは落ち着く間も無く名古屋の連続攻撃にさらされ、致命的なチャンスを何度も逃した後、28分には阿部浩之がペナルティーエリアの外から文字通り美しいシュートを決めた名古屋がリードを2点に広げます。
 しかしJDTは守勢に回ることなく、積極的に攻め続けた42分、ペナルティーエリアの外からラヴェル・コービン=オングが放ったシュートは名古屋GKミッチェル・ランゲラックがパンチングで逃れるも、それに詰めていたラマダン・サイフラーがこぼれ球を押し込み、ここまで無失点の名古屋からゴールを奪ったJDTが1点差に迫ります。
 1−2で始まった後半は、開始からペースを上げた名古屋が攻め込むも、そこを持ち堪えたJDTも徐々に攻撃のリズムを掴み始め、62分にはハズワン・バクリがシュートを放つもゴールポストに阻まれます。その後は名古屋、JDTともチャンスを作りながらゴールに至らず後半は両チーム無得点となり、1-2でJDTが名古屋に敗れています。
 なお、この試合の結果、名古屋は勝点15となり、この前の試合でラーチャブリーFCと引き分けて勝点10となった浦項スティーラーズとの最終戦の結果に関わらず予選G組の1位突破とノックアウトステージとなるベスト16進出が決まりました。
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 警告累積などで先発XIを大きく入れ替え、Mリーグ1部では出場のなかったGKハジック・ナズリ、同じくリーグでは先発1試合のラマダン・サイフラーなど明らかに「メンツ落ち」かと思えた面々が、ここまでの5試合では最も見応えのある試合を演出しました。それでも名古屋の堅守に攻めあぐねてボール回しに終始する場面もあり、素人考えではギリェルメ・デ・パウラを投入して「高さ」というカードを切れば膠着した試合展開に変化を与えられたかも、という印象は残りました。
 いずれにせよ今日のJDTはここまでの5試合で名古屋に最も冷や汗を欠かせたチームであったのは事実なので、最終戦のラーチャブリーFC戦には高いモチベーションんで臨めるのではないでしょうか。

FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー5
2021年7月4日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 2-1 JDT
得点者:名古屋-マテウス(4分PK)、阿部浩之(28分)、JDT-ラマダン・サイフラー(42分)
(下は両チームの先発XI-名古屋のインスタグラムとJDTのFacebookより)

 G組のもう1試合はここまで4連敗だったラーチャブリーFCが浦項スティーラーズと引き分けてクラブ史上初のACL勝点を獲得しています。一方の浦項にボールポゼッションでは67%とラーチャブリーFCを圧倒しながら得点できず、この引き分けで2位でのグループリーグ突破が難しくなりました。
FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー5
2021年7月4日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリーFC 0-0 浦項スティーラーズ
得点者:なし
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーと浦項のFacebookより)


ACL予選G組順位(マッチデー5終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋55001311115
2浦項531184410
3JDT510439-63
4ラーチャブリー5014010-101
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月7日(水)マッチデー6
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

7月2日のニュース:ACL予選G組-JDTは浦項に雪辱ならず、名古屋は4試合連続完封勝ち

ACL予選G組-JDTは浦項に雪辱ならず
 AFCチャンピオンズリーグ予選G組はこの日から後半戦となるマッチデー4の2試合が行われました。集中開催の会場となっているバンコクのラジャマンガラスタジアムでは連日2試合が行われますが、初めて1試合目に登場したJDTは3日前に対戦し1-4と敗れている浦項スティーラーズと対戦しました。
 JDTは開幕戦での負傷からラヴェル・コービン=オングが先発に復帰した一方、警告累積により出場停止となったDFマウリシオとMFレアンドロ・ヴァレスケスの両外国籍選手を欠く布陣で臨みました。
 試合開始早々ボリス・タシティがシュートを放つなど浦項優勢で始まった試合でしたが、それでもJDTは16分に敵ペナルティーエリアの外でPKを得ます。2試合ぶりの先発となったサファウィ・ラシドが得意とする位置からのキックでしたが、これがゴールポストに当たりJDTは絶好の先制機を逃します。その後は再び浦項ペースで試合が進み、33分にはイ・ソンモ、37分にはカン・サンウのゴールで浦項がリードして前半が終了します。いずれのゴールもJDT守備陣が浦項の選手に寄り切れず、完全に振り切られてのゴールで、両チームとも10日間で4試合目となるこの試合はコンディションの面では浦項がJDTを圧倒している様子が明らかでした。また、前半終了間際にはゴールにはならなかったもののカン・サンウからのクロスにイ・ソンモが反応するなど、JDTは防戦一方でした。
 後半に入っても浦項が攻勢のまま試合は進みますが、浦項攻撃陣のシュートの精度の低さに助けられてJDTは2失点で済んだ格好です。浦項のシュート数14(内オンターゲット4)に対し、JDTの攻撃はヴァレスケス不在が大きく影響してシュート数4(オンターゲットなし)と完全に封じられ、勝てる要素が全くない試合でした。
 JDTの主力は代表のW杯予選から連戦が続いている点を考慮しても、格下のチームが格上のチームにフィジカルで負けていてはそもそも話にならず、この敗戦でACL予選突破は来年以降に持ち越しとなりました。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー4
2021年7月1日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT 0-2 浦項スティーラーズ
得点者:浦項-イ・ソンモ(33分)、カン・サンウ(37分)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年7月1日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
得点者:名古屋-マテウス(50分)、柿谷曜一朗(73分)、山崎凌吾(79分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー4終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋44001101112
2浦項43018449
3JDT410327-53
4ラーチャブリー4004010-100
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月29日のニュース:ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅、名古屋は3試合連続完封勝

ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅
 JDTは初勝利を挙げたラーチャブリーFC戦からFWアキヤ・ラシドに代えてMFアフィク・アザイルを起用し、システムを4-3-3から4-1−4-1に変更し、ナチョ・インサを司令塔に、前戦でも攻撃に絡むことが多かったサフィク・ラヒムがより攻撃参加できる布陣で臨みましたが、その布陣が功を奏し、試合開始から格上の浦項にも守勢に回ることなく互角に渡り合いました。
 先制したのはJDTでした。17分にペナルティーエリア手前からレアンドロ・ベラスケスが放ったシュートが浦項ディフェンダーに当たって角度が変わり、GKカン・ヒョンムが反応できないまま浦項ゴールに吸い込まれ、JDTがリードします。
 しかしその10分後、左サイドからペナルティーエリアに切り込んできたコ・ヤングヨンをベラスケスが倒して浦項がPKを獲得、これをボリス・タシチーが決めて浦項が同点に追いつきます。さらに35分にはペナルティーエリア内でマウリシオが「フライング」タックルでマリオ・クヴェシッチを倒して再びPKを浦項に与え2失点目となりました。なおこの悪質な反則によりマウリシオにはイエローカードも出され、マウリシオは警告累積により次戦の出場停止が決まりました。なおオーストラリアのショーン・エバンス主審は前半だけでJDTに4枚のイエローカードを出すなどややイエローカード出し過ぎのきらいがある審判でした。
 浦項1点リードで折り返した後半は、試合開始から降る雨とこの日2試合目ということで、ピッチコンディションも悪化、早く同点に追いつきたいJDTは浦項ゴールに迫り、何度かチャンスを得るもベルグソン・ダ・シルヴァがいずれのチャンスも決めきれず、逆に浦項はオフィサイドと判断して足が止まったJDT守備陣を交わして82分にゴール、その後も焦るJDTは少しずつ「荒い」プレーが見られるようになり、ロスタイムにはマシュー・デイヴィーズがアレックス・グラントをまたもペナルティーエリアで倒し、この試合3度目のPKを与えて万事休すとなり、JDTは1-4で浦項に敗れています。
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 同じカードは7月1日に組まれていますが、この試合でイエローをもらった守備の要マウリシオとアリフ・アイマンが次戦は警告累積により出場停止となりました。またこの試合でも初戦で途中交代したラヴェル・コービン=オングはベンチしておらず、ベストメンバーとは程遠い布陣で浦項と再戦する事になります。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー3
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ 4-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(17分)、浦項:ボリス・タシチー(27分PK)、カン・サンウ(35分PK)、クワン・ギピョ(82分)、イム・サンヒュブ(90+1分PK)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は2戦2勝の名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-4 名古屋
得点者:名古屋-山崎凌吾3(26分、31分、46分)、斉藤学(65分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー3終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋33008089
2浦項32016426
3JDT310225-33
4ラーチャブリー300307-70
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月26日のニュース:ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに、名古屋は浦項を下して2連勝

ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに
 AFCチャンピオンズリーグACL予選G組はマッチデー2の2試合が行われ、JDTはラーチャブリー・ミトポンFCと対戦し1-0で予選初白星を挙げ、通算成績を1勝1敗としています。
 いずれも初戦で敗れている両チームの対戦となったこの試合は、初戦と同じメンバーで臨んだラーチャブリーに対し、初戦の先発メンバーからサファウィ・ラシド、ラベル・コービン=オング、アフィック・ファザイル、S・クナランの4名を入れ替えて臨んだJDTが、試合開始から積極的に仕掛けます。
 名古屋戦ではロスタイムのゴールが無効となるなどフラストレーションが溜まる試合となったJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァは27分にペナルティーエリア内で倒されPKを得ますが、自らが蹴ったPKもはラーチャブリーGKカンポン・パトマッカックルに止められるなど、この試合もフラストレーションが溜まる試合でしたが、その一方で今季はトップチームどころかセカンドチームでも試合出場がなかったアズリフ・ナスルルハクのサプライズ起用を筆頭に、サフィク・ラヒムやマシュー・デイヴィーズ、アキヤ・ラシドら予選初先発となった選手がベンヤミン・モラ監督の期待に応えるようにゴールに迫ります。しかしこの試合では度々好セーブを見せた絶好調のGKパトマッカックル、そしてJDT攻撃陣のフィニッシュの質の低さから両チームとも無得点で終了します。
 後半に入るとサファウィ・ラシドを押しのけて本来の右ウイングで先発したアリフ・アイマンがドリブルで持ち込み、これがベルグソンァからゴールを背にしたレアンドロ・ヴェラスケスに渡り、ベラスケスが振り向きざまに放ったシュートが決まり、JDTが47分に先制します。このゴールを境にラーチャブリーのテンポが上がり、JDT陣内までボールを運ばれるものの、マウリシオとシェーン・ローリーの両センターバックが決定機を作らせません。その後、JDTは再三チャンスを得るものの得点には至らず、ロスタイムの絶好機もサファウィ・ラシドのシュートが外れ、1-0のまま試合終了。シュート数で7-23(内オンターゲットは1-7)と相手を圧倒しながらも快勝とはいえない勝利でJDTが勝点3を獲得し、この日が誕生日だったベンヤミン・モラ監督へ勝利をプレゼントしました。この試合の結果、JDTは得失差で浦項を抜いて予選G組の2位に浮上しています。
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 名古屋戦では最後は足をひきづっていたラヴェル・コービン=オングがこの日はベンチから外れました。代わりに入ってアズリフ・ナスルルハクは守備面では必要最低限の仕事をしたものの、コービン=オングほどの攻撃参加はできず、多くのチャンスがありながら結局、1得点で終わったことからもその存在の沖さが改めて感じられました。また勝利したとは言え、エースのベルグソンも2戦連続で不発と次戦の浦項戦に向けて攻撃陣に不安も残ります。1点差のまま試合が進んだことで、シェーン・ローリー、マウリシオのセンターバックコンビとナチョ・インサは交代させることもできず、この予選G組で2位を狙うための重要な次戦の浦項戦での、この3選手の疲労度が心配です。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー2
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(47分)
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーとJDTのFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は名古屋グランパスが浦項スティーラーズ(韓国)を3-0で破っています。
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 3-0 浦項スティーラーズ
得点者:名古屋-柿谷 曜一朗(34分)、マテウス2(65分PK、82分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー2終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋22004046
2JDT21011103
3浦項210123-13
4ラーチャブリー200203-30
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月23日のニュース:ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗

 今季2021年AFCチャンピオンズリーグ東地区予選がいよいよ始まりました。JDTはバンコクで開催される予選G組で名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFCと同組になっています。集中開催ということで19日間で6試合という強行日程、しかも同じ試合会場ということで、疲労やピッチコンディションなどホームアンドアウェイ方式とは異なる要因も勝敗に影響を及ぼす可能性があります。

ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗
 AFCチャンピオンズリーグACL予選が開幕し、バンコクで集中開催となった予選G組は2試合が行われました。Mリーグ7連覇中のJDTは名古屋グランパスと対戦し0-1で敗れ、黒星スタートとなりました。
 外国籍選手登録枠の都合からFWゴンザロ・カブレラでなくDFシェーン・ローリーを登録するなど守備重視の布陣で臨んだJDTは、その守備が機能し、また試合会場となったラジャマンガラスタジアムは前の試合の影響でピッチ状態が悪かったこともあり、前半は名古屋が優勢に試合を進めながらも0-0で終了します。後半に入ると名古屋はさらに攻撃のペースを上げ、JDTは守勢に回りますがそれでも何とか持ちこたえ続けたものの60分に阿部浩之選手のゴールで名古屋が先制します。JDT守備陣がオフサイドと判断して足が止まった隙をついたゴールでした。ここから選手交代で守備を固めた名古屋に対し、JDTはボールは保持できるものの、この試合はコーナーキック0というデーターが物語る通りアタッキングサードまで持ち込ませてもらえず、このまま終了かと思われたロスタイムにJDTはマシュー・デイヴィーズからのクロスにベルグソン・ダ・シルヴァが頭で合わせて同点ゴール!しかしこれはベルグソン選手が木本恭生を押し倒した反則によりゴールと認められませんでした。結局、試合はこのまま終了し、JDTは3季連続ACL初戦黒星となりました。
*****
 攻守の要として安定のプレーを披露していたラヴェル・コービン=オングが試合中に受けたタックルで動きがわるくなったところを名古屋のマテウスがドリブルで持ち込み、それがゴールにつながりました。その後もコービン=オング選手は足を引きずる場面も見られるなど動きが悪く、次戦以降の出場が気になるところです。
 またテレビの解説者が指摘していましたが、ベルグソン選手の幻の同点ゴールはその直前に木本選手がベルグソン選手のシャツを引っ張っており、ベルグソン選手が木本選手を押し倒さず、引っ張られたまま倒れてしまえばむしろJDTがPKを獲得できた可能性があります。この辺りもMリーグでは経験できない駆け引きだったかもしれません。しかし少なくとも守備では名古屋と十分に渡り合えることを示したJDTは、攻撃陣の奮起が期待されます。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー1
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT(マレーシア) 0-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-阿部浩之(60分)
*試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより
(下は両チームの先発XI-JDTのFacebookと名古屋のツイッターより)

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は浦項スティーラーズ(韓国)がラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)を2-0で破っています。
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ(韓国)2-0 ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)
得点者:浦項-ボリス・タシチー(11分)、リム・サンヒュブ(80分)
試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより

ACL予選G組順位(マッチデー1終了時点)

TeamWDLGFGAGDP
1浦項11002023
2名古屋11001013
3JDT100101-10
4ラーチャブリー100102-20
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月25日(金)
名古屋-浦項、JDT-ラーチャブリー
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT