10月2日のニュース:代表のヨルダン遠征メンバーは2名減って22名に、スタジアム観戦再開に向けてMリーグ各クラブが期待

代表のヨルダン遠征メンバーは2名減って22名に
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで、タン・チェンホー監督率いる代表20名が本日10月2日午前3時15分にクアラルンプール国際空港KLIAからヨルダンの首都アンマンへ向けて出発したことを伝えています。え?24名召集したのになぜ20名?
 24名の内、「国外組」のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)とドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)は合宿地のヨルダンでチームに合流することが発表されており、KLIAからは代表22選手が出発する予定でした。
 マレーシア代表はヨルダンで代表合宿を行い、合宿中の10月6日にはヨルダン代表、10月9日にはウズベキスタン代表との練習試合を行うことになっていますが、これに先立って代表に招集された選手は昨日10月1日にはスランゴール州プタリンジャヤのFAM本部に集合して全体練習を行いましたが、ここで問題が起こりました。国外組を除く22名の内、今回初招集となったスランゴールFCのDFシャルル・ナジームはこの日FAM本部に集合したものの、ケガのため代表を辞退することが明らかになりました。また当初招集されていたDFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)がケガのため合宿参加を辞退したことにより代替招集されたトレンガヌFCのDFシャールル・ニザム・ロス・ハスニはこの日、FAM本部に現れなかったということです。FAMからはこの2選手に代わる選手の招集は告知されておらず、結局20名がヨルダンへ向かったというのが真相のようです。
*****
 新戦力を試したいというタン監督は、6月のFIFAワールドカップ2022年大会予選出場メンバー25名から主力選手のGKファリザル・マーリアス、DFラヴェル・コービン=オング、DFマシュー・デイヴィーズ、FWサファウィ・ラシドらJDTの選手を中心に半数以上の13名を外して、初招集の5名を含む12名と入れ替えています。直近のFIFAランキング154位のマレーシアにとって、今回は格上のヨルダン(同93位)、ウズベキスタン(同84位)との貴重な実践機会にも関わらず、試せる選手が24名から22名になってしまったのは残念です。今回の代表メンバーが発表になったのは9月23日ですが、今回辞退となったシャルル選手は9月26日から始まったマレーシアカップのグループステージ2試合にはいずれもベンチ入りしておらず、ケガの状況が代表に伝わっていたのかどうか不明です。また昨日FAM本部に現れなかったシャールル選手については、選手自身だけでなく所属するトレンガヌFCからも何の発表もありません。なおシャールル選手は9月29日のマレーシアカップ、スランゴールFC戦にフル出場しており、ケガということではなさそうです。ここで気になるのはFAMと代表の首脳陣はこういった場合に備えて代替選手の代替選手といったところまで準備していたのか、という点です。マレーシアに「根回し」という文化があるかどうかはわかりませんが、例えばそういった代替選手の代替選手候補にまで根回しをして、事前にパスポートの取得などを促しておけば、急な招集に雲隠れする選手も居なそうな気がします。

スタジアム観戦再開に向けてMリーグ各クラブが期待
 9月29日にイスマイル・サブリ・ヤアアコブ首相はワクチン接種を完了している18歳以上を条件に、サポーターのマレーシアカップでのスタジアム観戦戦を許可すると発表しましたが、これをうけてマレーシアカップ出場中の16チームは、10月29日から再開するマレーシアカップグループステージ第3節でのサポーターの入場に向けて準備をするめていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 KLシティFCのStanley・バーナードCEOは代表のヨルダン合宿などによる1ヶ月の中断期間がスタジアム観戦実施前に観戦の際の標準作業手順SOPを強化するのに良い準備期間になるだろうと述べています。「(KLシティFCの本拠地の)KLフットボールスタジアムは、昨季もSOP向上の実地例として活用されており、その際にはスタジアム観戦が実施された場合の問題となるとされた点は改善済みである。」と述べていつでもサポーターを迎え入れる準備ができていると胸を張っています。
 またクダ・ダルル・アマンFCのカマル・イドリスは今年5月9日以来となるサポーターのスタジアム観戦再開について、観戦に訪れるサポーターはMFLが設けるSOPを遵守してくれることを期待していると話す一方で、スタジアムにどのくらいの慣習を入れることができるのかは不明ながら、入場者を受け入れることによりチームの財政にも好影響が出ることを期待していると話しています。
 またマラッカ・ユナイテッドFCのジャスティン・リムCEOはマレーシア政府がスタジアム観戦を許可したことに感謝するとともに、、新型コロナ観戦の心配なくスタジアムで観戦できるよう、ワクチン接種完了者のみがスタジアム観戦を許されることを保証するとしています。
 マレーシアカップを主催するMFLは、マレーシア政府が新型コロナの感染状況に応じて設定している国家復興計画NRPの段階が州により異なることから、各試合会場よって入場可能なサポーターの人数が異なるとしていますが、その具体的な数字はまだ発表されていません。またマレーシアカップ中断期間中に各チームが予定している練習試合のスタジアム観客についても、現在、MFLは国内スポーツを統括する青年スポーツ省からの指示を待っている段階であると言うことです。
 なお現在最も規制が厳しい国家復興計画NRP第2段階がクダ州、ペナン州、ペラ州、ケランタン州、ジョホール州、サバ州に、第3段階がクアラルンプール、プトラジャヤ、スランゴール、マラッカ、プルリス、パハン、トレンガヌ、サラワク、そして最も規制が緩い第4段階がヌグリスンビランとラブアンに施行されています。
 ちなみに条件付き行動制限令CMCOが施行されていた時期はスタジアム定員の10%あるいは2000名が、復興に向けての行動制限令RMCO施行時には定員の25%あるいは8000名が上限としてスタジアムでの観戦が許可されていました。

10月1日のニュース:朗報!10月末のマレーシアカップ第3節からスタジアム観戦解禁、ディオン・クールズら3名がケガにより代表のヨルダン遠征を辞退

朗報!10月末のマレーシアカップ第3節からスタジアム観戦が解禁に
 Mリーグを運営するMFLは、10月29日と30日のマレーシアカップからスタジアム観戦が解禁されることを発表しています。
 イスマイル・サブリ・ヤアコブ首相は10月1日付けで首都圏クランバリーとマラッカ州が国家復興計画NRPの第3段階に、北部のケダ州が同第2段階にそれぞれ移行すると発表しましたが、これにより最も厳しい移動制限措置が課せられる第1段階に指定されている州がなくなりました。さらに標準作業手順SOPについても変更が発表され、NRP第2段階から第4段階の地域では10月1日からワクチンを接種を完了した18歳以上に限り、マスク着用・飲食禁止の条件の下、スポーツの試合をスタジアム観戦できるようになります。
 これを受けてMFLは公式サイトで10月29日と30日に開催されるマレーシアカップグループステージ第3節よりサポーターによるスタジアム観戦を解禁すると発表しています。今年3月5日に開幕した今季2021年シーズンのMリーグは、新型コロナの感染拡大により5月9日以降は無観客で開催されたままシーズンが終了し、現在開催中のマレーシアカップグループステージも先週末の第1節と昨日、一昨日に行われた第2節は無観客での開催となっていました。
 なお10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に合わせて本日10月1日に招集されるマレーシア代表は明日からヨルダンでの代表合宿と現地でのヨルダン代表、ウズベキスタン代表との練習試合が予定されており、マレーシアカップグループステージはおよそ1ヶ月中断します。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサン会長はこのリーグ中断期間中にMFLとマレーシアカップに出場中のMリーグ各クラブがスタジアム観戦解禁に向けての準備を進めるとしています。またスタジアム観戦解禁後も、国家復興計画NRPの各段階により入場可能なサポーターの数が異なることから、その具体的な人数や、マレーシアカップ中断期間中に行われる各クラブの練習試合を有観客で開催可能かどうかなどについても国内スポーツを統括する青年スポーツ省からの指示を待っている段階であると言うことです。
 なお条件付き行動制限令CMCOが施行されていた時期はスタジアム定員の10%あるいは2000名が、復興に向けての行動制限令RMCO施行時には定員の25%あるいは8000名を上限としてサポーターの入場が許可されていました。

ディオン・クールズら3名がケガにより代表のヨルダン遠征を辞退
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで、ヨルダンで行われるマレーシア代表合宿と2試合の練習試合にデンマーク1部FCミッティランでプレーするDFディオン・クールズら3名が参加しないことを発表しています。
 FAMは今月9月23日にヨルダン代表、ウズベキスタン代表との練習試合を含むヨルダンでの代表合宿に参加する24名を発表していましたが、FAMの公式FacebookではDFディオン・クールズ、DFシャミ・サファリ(スランゴールFC)、FWアキヤ・ラシド(JDT)の3選手がいずれもケガのため代表合宿参加を辞退し、DFアリフ・ファルハン(クダ・ダルル・アマンFC)とDFシャールル・ニザム(トレンガヌFC)、FWファイヤド・ズルキフリ(クダ・ダルル・アマンFC)の3選手が代わって招集されたことを発表しています。
*****
 今回の代表合宿と練習試合は12月に開幕するアセアン東南アジアサッカー連盟選手権スズキカップに向けての色合いが強いものですが、このスズキカップ開催時期はFIFAの国際マッチカレンダー期間ではないことから、ディオン・コールズの招集は所属クラブのFCミッティランが拒否するだろうと当初から予想されており、来年2月のAFC選手権アジアカップ3次予選前に合流してくれえれば十分といったところでしょう。
 個人的に気になるのは今回の合宿にタイ1部チョンブリーFCでレギュラーのDFジュニオール・エルドストールが招集されなかったことです。今回の代表メンバーが発表になった時にエルドストール選手が含まれていなかったことに驚きましたが、ディオン・クールズが合宿に参加しなくなった今回もやはり招集されていないのは、タン・チェンホー監督の戦術に合わない選手なのかもしれません。ファリザル・マーリアス、サファウィ・ラシド、ラヴェル・コービン=オング、アリフ・アイマン(いずれもJDT)が招集されなかったのは、「新たな選手を試してみたい」と話すタン監督の方針だとしても、今年6月のFIFAワールドカップ予選でタン監督就任以来初の代表招集となったエルドストールは明らかに衰えが見えているアイディル・ザフアンの代わりとしても他の選手と連携を見てみても良いのではと思います。

9月28日のニュース:タイ1部リーグ第4節-エルドストールはフル出場もタンは4試合連続で出場なし、マレーシアカップは10月末からは有観客で開催か

タイ1部-代表コンビはエルドストールはフル出場もタンは4試合連続で出場なし
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第4節が9月25日と26日開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCとDFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCの試合が行われました。

タイ1部リーグ第4節
2021年9月25日@コーンケンスタジアム
コーンケン・ユナイテッドFC 0-7 チョンブリーFC
 前節に続き今節も今季1部昇格組のコーンケン・ユナイテッドFCと対戦したチョンブリーFCは、今季同じ1部のナコーンラーチャシーマー・マツダFCから加入したデニス・ムリーリョが4ゴール、ウォーラチット・カニッシーバンペンが3ゴールを挙げる活躍で2連勝を飾るとともに、今季初となる首位に浮上しています。
 なぜか10月の代表合宿には招集されなかったジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/RtaNJJXv8zk

2021年9月26日@ブンヤジンダースタジアム
ポリス・テロFC 1-1 サムットプラーカーン・シティFC
 2連勝中のサムットプラーカーン・シティFCをホームに迎えたポリス・テロFCは2連敗中な上、今季まだ勝ち星がありません。ポリス・テロFCは40分にアイザック・ホニーのゴールで先制しますが、51分にサムットプラーカーン・シティFCがスパナン・ブリーラットのゴールで追いつき引き分け、ポリス・テロFCの今季初勝利はお預けとなりました。
 10月の代表合宿に招集されたドミニク・タンはベンチ入りしたものの、この試合でも出場はありませんでした。今季開幕以来の4試合で一度もピッチに立っていないタン選手ですが、代表では実戦不足が不安です。

タイ1部リーグ順位表(第4節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1チョンブリー422098
2サムットプラーカーン・シティ422038
3ブリーラムU421147
15ポリス・テロFC4022-32
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

マレーシアカップは10月末からは有観客で開催か
 9月24日に国内スポーツを統括する青年スポーツ省は、国家復興計画第4段階で許可されることになっていたMリーグのスタジアム観戦について、これまで発表されていたスタジアム観戦手順を見直す必要があるとして、これを延期することを発表しましたが、マレーシア語紙のウトゥサンマレーシアは、10月末には現在開催中のマレーシアカップは有観客で開催できるようになる可能性があると報じています。
 先週末にグループステージ第1節が開催されたマレーシアカップは次節第2節(9月29日と30日)が終わると、マレーシア代表がFIFA国際マッチデー期間にあわせてヨルダンで代表合宿と練習試合を行うため中断期間に入り、第3節は1ヶ月ほど先の10月29日と30日に予定されていることから、マレーシアカップを運営するMFLのアブドル・ガニ・ハサン会長はこの第3節開催の時期には観客を入れての試合開催が可能になると確信していると話しています。
 「今回の解禁延期は一時的なものだと考えており、さほど心配はしていない。マレーシア政府が発表している国家復興計画の第4段階になれば、収容人員の50%を上限としてワクチン接種を完了したサポーターのスタジアム観戦が許可されることが決まっており、青年スポーツ省による最終調整が完了すれば、スタジアム観戦が実現するのは時間の問題である。」とウトゥサンマレーシアの取材に答えたアブドル・ガニMFL会長は、観戦が実現した後もホームゲームを主催するチームが観戦者に標準作業手順SOPを遵守させられない場合には、MFLの権限で無観客試合を実施するような処分を下す予定であるとも述べ、有観客試合実施に向けてMFL側も準備を進めていることも明らかにしています。

9月24日のニュース:10月の代表合宿メンバー発表、代表のヨルダン戦とウズベキスタン戦が確定、3部のランカウィシティFCがボルシア・ドルトムントとの提携を発表

10月の代表合宿メンバー発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で10月1日から始まる代表合宿の参加メンバー24名を発表しています。
 今年2021年6月にアラブ首長国連邦で行われたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選のメンバー26名からは主将のDFアイディル・ザフアン・アブドル・ラザク(JDT)、GKカイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)、DFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)ら12名が残り、残る12名は代表初招集となるGKカラムラー・アル-ハフィズ(PJシティFC)、DFクエンティン・チェン、FWアル-ハフィズ・ハルン(ペナンFC)、DFシャルル・ナジーム、MFムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ハキミ・アブドラ(トレンガヌFC)の6名と、今季Mリーグ1部スーパーリーグでマレーシア人選手最多の7ゴールを挙げているボドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)、2010年のスズキカップ優勝時のGKだったカイルル・ファアミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFC)らベテランが融合したチーム編成となっています。
 なお今回の代表合宿は国外で開催され、10月1日に集合する代表は翌日10月2日にヨルダンのアンマンへ向けて出発し、10月10日に帰国予定になっています。
 今回の合宿参加メンバー全員のリストはこちらです。

代表のヨルダン戦とウズベキスタン戦が確定
 FAMの公式サイトでは代表合宿参加メンバー発表とともに、ヨルダン、ウズベキスタンとの練習試合が決定したことも発表されています。
 FIFA国際マッチデー期間(10月2日から12日)に国際Aマッチとして行われるこれらの試合は、いずれも合宿地のヨルダンで行われ、直近のFIFAランキング154位のマレーシアは10月6日にはアンマンのキング・アブドラII世スタジアムで同93位のヨルダンと、また10月9日にはアンマン国際スタジアムで同84位のウズベキスタンと対戦します。
 これらの試合は12月5日に開幕するアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会、さらに来年2022年2月から始まるアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選に向けての準備の一環として行われます。

3部クラブがボルシア・ドルトムントとの提携を発表
 Mリーグ3部に当たるM3リーグのランカウィシティFCがドイツ1部のボルシア・ドルトムントとの育成を中心とした提携関係を結んだことをクラブ公式Facebook上で発表しています。
 いわゆるボルシア・ドルトムントの指導に基づき草の根レベルでの育成から、ユース向け大会などを開催する一方で、双方がスポーツツーリズムの観点なども踏まえて協力する内容になっています。
 なおこの提携は既に9月1日より発効しており、2023年12月31日まで継続されるということでです。
 この提携についてボルシア・ドルトムントのカルステン・クレイマーCEOはこの提携関係により双方がランカウィを含めたマレーシアの草の根レベルでの育成を支援という目的を果たせることを願っているというコメント寄せる一方で、ランカウィシティFCの支援者でもあり、ランカウィ島選手具の議員でもあるマハティル・モハマド元マレーシア首相も「今回の提携を喜ばしく思う。世界的な規模で見ても成功を収めているボルシア・ドルトムントからランカウィシティFCはピッチ内外で成功するために多くのことを学び、さらにそれがランカウィ島の住民にとっても実りあるものになることを望んでいる。」とコメントしています

9月23日のニュース:AFC女子アジアカップ予選-マレーシアはパレスチナに勝利、スズキカップ-初戦は12月6日カンボジア戦、ケランタンUのナズルラーワン監督に他のMFLクラブが関心

AFC女子アジアカップ予選-マレーシアはパレスチナに勝利
 パレスチナのエルサレムで開催中のアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選のマレーシア(FIFAランキング92位)対ペレスチナ(同120位)が9月22日行われ、マレーシアがパレスチナに2-0で勝利し、予選初勝利を挙げています。
 FIFAランキング32位のタイとの初戦では0-4と良いところなく敗れたマレーシアはタイ戦で先発したDFジェシカ・マイル(21)、MFファイカ・サフィナ(20)、MFペドロリア・シカユン(29)に代えてDFファティン・ロザニ(18)、MFリヤナ・ソベリ(22)、MFダドリー・ソフィナス(31)を先発に起用し、初勝利を目指しました。
 この試合が予選H組初戦となったパレスチナ、そしてこの予選で初勝利を目指すマレーシアの双方が試合開始から積極的に相手ゴールを目指す展開となりましたが、両チームともシュートの精度を欠くなどして得点に至らず前半は0-0で終了しました。
 後半に入ると57分に相手DFのクリアミスをアンドレア・リー・シンイーが押し込みマレーシアが予選初ゴールで先制しました。さらに82分にはペナルティエリアの外で得たフリーキックを主将のステフィ・サルジ・シンが蹴るとカーブのかかったシュートはパレスチナGKの手をすり抜けるようにゴールに吸い込まれ、マレーシアは2-0とリードを広げます。その後も試合終盤のロスタイムのピンチも凌ぎ切ったマレーシアはパレスチナを完封して予選初勝利を挙げています。
 予選H組の最終戦はタイ対パレスチナ戦が9月25日に予定されています。

AFC女子アジアカップ2022年大会予選H組
2011年9月22日@ファイサル・フサイニー国際スタジアム(エルサレム、パレスチナ)
マレーシア 2- パレスチナ
得点者:マレーシア-アンドレア・リー・シンイー(57分)、ステフィ・サルジ・シン(82分)
(先発XIと試合結果の画像はマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookページより、映像はマレーシアの衛星放送チャンネルスタジアムアストロ公式Youtubeページより)


スズキカップ-初戦は12月6日カンボジア戦
 先日組み合わせ抽選が行われたアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権アジアカップ2020年大会の試合日程がマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookで発表されています。
 2020年から順延され、また従来のホームアンドアウェイ方式から一箇所での集中開催方式へと変更になっている今回の大会は1回戦総当たりのグループステージの上位2チームが準決勝、決勝をそれぞれ2試合戦います。
 集中開催地は現在は発表になっておらず、今月中には決定するとされていますが、サッカー専門サイトのヴォケットFCはタイのサイアムスポーツの報道を引用して競技施設の状況に加えて医療施設が完備されている点を重視して現時点ではシンガポールが最有力候補とされている他、再来年2023年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて6万人収容の新たなスタジアムが完成したがカンボジアもスズキカップ開催を熱望していると伝えています。

ケランタンUのナズルラーワン監督に他のMFLクラブが関心
 Mリーグ2部プレミアリーグは最終節の第22節が終了しましたが、第21節の試合前の新型コロナ検査で陽性者が見つかったことにより検疫隔離となっていたケランタン・ユナイテッドFCは、順延されていたクチンシティFC戦を明日9月24日に行います。
 第22節では優勝の可能性もあったトレンガヌFC IIを1-0で破り、マレーシアカップ出場権獲得の可能性を残して最終戦を迎えるケランタン・ユナイテッドFCですが、先日の勝利で後半戦の通算成績が2勝1分5敗と苦しい試合が続いています。
 今季開幕から5勝1分5敗の4位で前半戦を折り返したケランタン・ユナイテッドFCでしたが、チームは後半戦開幕前に東山晃監督を突如、テクニカルディレクターへと配置転換し、さらにナズルラーワン・マクモルを就任させましたが、その結果が第22節を終えて2勝1分5敗で9位という成績です。明日のクチンシティFCとの試合に勝利すれば7位に浮上する可能性もありますが、外から見る限りではこの交代劇がチームに何も良い結果を齎してないように思います。
 そんな中、マレーシア語紙ブリタハリアンはこのナズルラーワン監督が他のプレミアリーグのクラブから来季の監督候補として関心を集めていると報じています。
 ブリタハリアンの取材に対して41歳のナズルラーワン監督は、マレーシアカップ出場権の懸かる試合を前に他のクラブと話し合いをする機会を持つことはできないと話す一方で、複数のクラブから監督就任のオファーを受けていることは認めています。
 「ケランタン・ユナイテッドFCの経営陣が来季も自分を必要してくれるのであれば、チームに残ることへの支障は何もない、しかしそうでなければプレミアリーグの他のクラブを指揮してみたいとも思っている。」と述べたナズルラーワン監督は魅力的な契約内容が提示されれば来季の監督継続を最終戦に検討すると話しています。

9月22日のニュース:Mリーグ2部優勝はヌグリスンビランFC、スズキカップ-マレーシアはベトナムと同組に

Mリーグ2部優勝はヌグリスンビランFC
 昨日9月21日にMリーグ2部プレミアリーグ最終節となる第22節が行われ、首位のヌグリスンビランFCが勝利し、リーグ優勝を果たしています。
 サラワク・ユナイテッドFC、トレンガヌFC Iiと三つ巴の優勝争いとなった最終節でしたが、勝利が条件だった2位サラワク・ユナイテッドFCはJDT IIと引き分け、3位のトレンガヌFC IIはケランタン・ユナイテッドFCに敗れたため、最後はあっけない幕切りとなりました。
 またこの第22節の結果、2部プレミアリーグからは来季1部に昇格するヌグリスンビランFCとサラワク・ユナイテッドFCに加えてクチンシティFCとケランタンFCもマレーシアカップ出場を決めています。プレミアリーグからマレーシアカップに出場する最後の5チーム目は、第22節でケランタン・ユナイテッドFCがトレンガヌFC IIを破ったことにより、順延されていた9月24日のクチンシティFC対ケランタン・ユナイテッドFCの結果次第となりました。この試合でケランタン・ユナイテッドFCが勝利するとケランタン・ユナイテッドFCが、また引き分け或いは負けの場合にはPDRM FCがマレーシアカップ出場権を獲得します。第22節の詳細はこちらからどうぞ。

スズキカップ-マレーシアはベトナムと同組に
 アセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会のグループステージ組み合わせ抽選が9月21日にシンガポールで行われ、マレーシアベトナム、インドネシアなどと同じB組となっています。
 AFFとして初めてのオンライン組み合わせ抽選はYoutbueなどでストリーミングで公開され、予選を戦うブルネイと東ティモールの組み合わせが決定した後、本選の組み合わせ抽選となりました。ポッド1にはベトナムとタイ、ポッド2にはマレーシアとミャンマー、ポッド3にはインドネシアとフィリピン、ポッド4にはシンガポールとカンボジア、そしてポッド5にはラオスが入り、Pod5から順に、予選A組とB組への振り分けが行われました。
 前回2018年大会優勝のベトナムと準優勝のマレーシアはそろってB組となり、これにインドネシア、カンボジア、ラオスが加わり、A組はタイ、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、そしてブルネイと東ティモール戦の勝者がそのメンバーです。
 2020年に予定されていた今大会は新型コロナ感染拡大の影響を受け順延され、今年12月5日から来年1月1日の決勝までを、従来のホームアンドアウェイ方式ではなく、一国での集中開催方式で行われることが決まっています。

9月21日のニュース:マレーシアカップグループステージの日程が発表、サッカー協会事務局長-練習試合はまだ確定していない、ケン・ワーデン元マレーシア代表監督逝去

 今日9月21日はマレーシア時間の午後3時(日本時間午後4時)からアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会(昨年から順延されたため「2020年大会」となっています)のグループステージ君合わせ抽選がオンラインで行われます。(こちらで視聴可能です。)またMリーグ2部プレミアリーグは最終節の第22節が行われ、ヌグリスンビランFC、サラワク・ユナイテッドFC、トレンガヌFC IIによる三つ巴の優勝争いの決着がつきます。またプレミアリーグから5チームが参加するマレーシアカップへの出場チームが決定する可能性もありなど、慌ただしい1日になりそうです。

マレーシアカップグループステージの日程が発表
 マレーシアンフットボールリーグMFLは、今季2021シーズンのマレーシアカップの試合日程を発表し、今大会が100周年記念と日本のサッカー天皇杯と並ぶアジア最古のカップ戦は9月26日(日)にグループステージが開幕します。
 MFLは今回の日程発表に関して、本日9月21日に予定されているMリーグ2部プレミアリーグ最終節の第22節後にもリーグ戦が予定されていること、また10月のFIFA国際マッチデー期間にマレーシア代表は国外遠征を予定しており、帰国後に必要となる検疫隔離期間を考慮したとしています。
 2部プレミアリーグでは、試合前の新型コロナ検査で陽性者が見つかったことから検疫隔離となっていたケランタン・ユナイテッドFCがクチンシティFCと対戦するカードが9月24日に順延となっており、さらにこの試合の結果次第でマレーシアカップ出場チームが変動する可能性があることから、最終的なグループステージの組み分けは9月24日の試合後に発表されるとしています。
 またマレーシア代表は10月4日から12日までのFIFA国際マッチー期間にヨルダンに遠征し、ヨルダン、ウズベキスタンとの練習試合が予定されていますが、マレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を義務付けており、マレーシア代表の選手たちもヨルダン遠征後にはこの検疫隔離となり、すぐに所属クラブに合流できないことから、MFLはこの点も考慮した日程を作成したということです。
 マレーシアカップグループステージの日程はこちらです。

サッカー協会事務局長-練習試合はまだ確定していない
 上のマレーシアカップ日程決定の経緯にもあるように、マレーシア代表は10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に国外合宿を検討しているとされていますが、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、この期間の活動について現時点では何も決まっていないと述べています。
 マレーシア語紙ハリアンメトロによると、新型コロナの1日あたりの新規感染者数が1万5000人を越え続けているマレーシアの現状を考えると、現時点で練習試合を計画するのは困難だと話しているということです。
 サイフディン事務局長は、10月の代表合宿に招集予定の選手が新型コロナ検査で陽性などによりこれに参加できなくなる場合に備えて、予備の代表候補をリストアップすることが重要だと話す一方で、実戦から離れている代表チームのために12月に開幕するAFFスズキカップの前には少なくとも2試合の練習試合を開催することを検討中であるとも話しています。
 「練習試合開催を打診するのが遅れたことと新型コロナの影響で練習試合の相手は現時点では決まっておらず、まずは代表合宿に招集する選手を決定した上で、練習試合を行うかどうかを確定する予定である。」とサイフディン事務局長は述べています。
 代表チームは12月5日から来年2022年1月1日の決勝まで続くAFFスズキカップと来年2月から始まるアジアサッカー連盟AFCアジアカップ2023年大会3次予選が控えていますが、スズキカップをいわば「ふるい」に使ってアジアカップ3次予選に出場する選手を選ぶという方針なのかも知れません。

ケン・ワーデン元マレーシア代表監督逝去
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで元代表監督を務めたケン・ワーデン氏の訃報を伝えています。昨日9月20日に亡くなったワーデン氏は享年78でした。
 英国のプレストンで1943年2月2日に生まれたワーデン氏はオーストラリアで選手、そして指導者としてキャリアを積んだ後、1991年にスランゴールFA(当時、現在のスランゴールFC)の監督に就任すると、この年にリーグ戦(セミプロリーグ1部-当時の国内トップリーグ)では5位だったものの、FAカップ優勝、そしてマレーシアカップ準優勝(優勝はジョホールFA)を達成します。
 すると翌1992年1月には代表監督に就任し1993年末まで代表の指揮を取りましたが、ザイナル・アビディン・ハサン(現マラッカ・ユナイテッド監督)、ドラー・サレー(現スリ・パハンFC監督)、ムビン・モクタル、アズマン・アドナンなどスター揃いだった代表チームはW杯1994年アメリカ大会予選はグループステージで敗退、そして1993年の東南アジア競技大会通称シーゲームシンガポール大会ではベスト4進出を逃しました。
 代表監督を退いた1994年にはライバルのシンガポール代表監督に就任しますが、その年の途中には再びスランゴールFAに戻り、1995年と1996年のマレーシアカップ連覇を果たしました。
 その後、一度はオーストラリアに戻ったものの2002年にはスランゴールFAで3度目となるマレーシアカップに優勝したほか、サバFA(現サバFC)やトレンガヌFA(現トレンガヌFC)でも監督を務め、2015年にMリーグ2部プレミアリーグのKL SPA(現在は廃部)での指揮を最後に監督業を引退していました。
******
 個人的には代表監督というよりもスランゴールFAの監督というイメージが強いワーデン氏には、1990年代にスランゴール州のPJオールドタウンにある仕立て屋で偶然に遭遇したことがあります。当時のスランゴール州では趙がつくほどの有名人だったワーデン氏に気づき、拙い英語で頑張ってください!というのが精一杯でしたが、満面の笑顔で「ありがとう」と返事をされて興奮したことを覚えています。店の外に出てもすぐに周りの人々から声をかけられて、それに丁寧に返事をしている姿も印象的でした。ご冥福をお祈りします。
(左はスランゴールFCの右はFAMの公式Facebookに掲載されたワーデン氏の訃報を知らせる投稿)

9月20日のニュース:AFC女子アジアカップ予選-タイの厚い壁を崩せず完敗、タイ1部-代表コンビはエルドストールはフル出場もタンは出場せず

AFC女子アジアカップ予選-タイの厚い壁を崩せず完敗
 アジアサッカー連盟AFC選手権女子アジアカップ2022年大会予選が始まり、マレーシアは初戦で前回大会ベスト4のタイと対戦し0-4で敗れています。
 予選H組で開催地となっているパレスチナ、タイと同じ組に入っているマレーシアは、ファイサル・フサイニー国際スタジアムでおこなれた初戦で岡本三代監督率いるタイと対戦しました。試合は開始からタイが積極的にマレーシアゴールを狙い、1分(正確には35秒)にはKanyanat ChetthabutrがSunisa Srangthaisongの右からのクラスに頭で合わせで先制ゴールを決め、さらに2分にはNutwadee Pram-Nakがペナルティーエリアの外からロングシュートを決めてタイがあっという間に2点をリードします。その後Kanyanat Chetthabutrは37分にもゴールを決めて、タイが3-0として前半を終了しました。
 FIFAランキング39位のタイは後半に入っても同92位のマレーシアを圧倒しますが、マレーシアGKヌルル・アズリン・マズランの再三にわたる攻守などもあり、このまま試合が終わるかと思われたロスタイムに集中力が一瞬切れたマレーシア守備陣の隙をついてKanyanat Chetthabutrがこの試合3点目となるゴールを決めてハットトリックを達成し、このままタイが4-0でマレーシアに完勝しています。
 今後の予選H組の日程では、マレーシアは9月22日パレスチナと、タイは9月25日にやはりパレスチナとそれぞれ最終戦を戦い、このH組からは1位のチームが来年2022年1月20日から2月6日までインドで開催される本大会に出場します。

AFC女子アジアカップ2022年大会予選H組
2011年9月19日@ファイサル・フサイニー国際スタジアム(エルサレム、パレスチナ)
マレーシア 0-4 タイ
得点者:タイ-Kanyanat Chetthabutr 3(1分、37分、90分)、Nutwadee Pram-Nak(2分)
(先発XIと試合結果の画像はマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookページより、映像はマレーシアの衛星放送チャンネルスタジアムアストロ公式Youtubeページより)

タイ1部-代表コンビはエルドストールはフル出場もタンは出場せず
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第3節が9月18日と19日開催に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCとDFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCの試合が行われました。

タイ1部リーグ第3節
2021年9月18日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 3-1 ノーンブワ・ピッチャヤFC
 チョンブリーFCが今季1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFCを一蹴して今季初勝利を挙げています。ノーンブワ・ピッチャヤFCは昨季はニコラス・スウィラッド(スリ・パハンFC)がアセアン東南アジア枠で在籍していましたが、クラブの1部昇格にともないスウィラッド選手の代表キャップ数不足が理由で1部での登録ができなくなり、スウィラッド選手は退団してマレーシアに戻りスリ・パハンFCと契約した経緯があります。
 ジュニオール・エルドストールタイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発してフル出場しています。
 (試合のハイライト映像はチョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://youtu.be/k72tJ708EzY

2021年9月19日@80周年スタジアム
ナコーンラーチャシーマー・マツダFC 1-0 ポリス・テロFC
 今季まだ勝ち星がないチーム同士の戦いは、ホームのナコーンラーチャシーマー・マツダFCが勝利しています。ポリス・テロFCは開幕戦引き分けの後は2連敗となっています。
 ドミニク・タンはベンチ入りしたものの、この試合でも出場はありませんでした。

タイ1部リーグ順位表(第2節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1ブリーラムU321067
2サムットプラーカーン・シティ321037
3チョンブリーFC312025
15ポリス・テロFC2012-31
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

9月19日のニュース:代表は10月にヨルダンとウズベキスタンと対戦、ペラ州協会は3部降格のペラFC II解散発表もチーム関係者は再考を求める

代表は10月にヨルダンとウズベキスタンと対戦
 10月4日から12日までのFIFA国際マッチデー期間に合宿を予定しているマレーシア代表は、ヨルダン、ウズベキスタンと練習試合を行うと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 8月30日から9月7日にかけての国際マッチデー期間に国内合宿と他国の代表を招いての練習試合を予定していたマレーシア代表は、マレーシア政府安全保障委員会NSCやマレーシア保健省から国内での練習試合開催を認められなかったことから、この期間は練習試合だけでなく合宿も行わず、日程がずれ込んでいた国内リーグの試合開催に充ててていました。
 そこで10月の国際マッチデー期間が再び無駄になることを避けるため、マレーシア代表はヨルダンの首都アンマンで、ヨルダン代表が主催し、ウズベキスタン代表が参加する3カ国間での練習試合に出場するということです。
 またこの練習試合でタン・チェンホー代表監督は、DFディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、FWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、DFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)ら「国外組」の招集を予定していることを明かしています。
 なおこの代表合宿後、マレーシア代表は今年12月5日開幕予定のアセアン東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ、そして2月から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選などが控えています。

ペラ州協会は3部降格のペラFC II解散発表も、チーム関係者は再考を求める
 今季Mリーグ1部スーパーリーグで11位となったペラFCは来季の2部プレミアリーグ降格が決まっていますが、今季2部プレミアリーグでプレーしたペラFCのセカンドチーム、ペラFC IIはMリーグを運営するMFLが定めた「トップチームとセカンドチームは同一リーグに所属できない」という規定により、来季は3部M3リーグへ降格となってしまいました。これを受けてペラ州サッカー協会のモハマド・ヤザン会長代行は、2年以内にペラFCを1部へ復帰させることが最優先課題だとして、ペラFC IIの解散を決定したと報じられましたが、ペラFCのモハマド・ラシディ・アブドル・ラヒムTM(チームマネージャー)は、ペラFC IIの解散を決定する前には十分な検討が必要であるとの述べています。
 マレーシアの通信社ブルナマはモハマド・ラシディTMの談話を掲載し、チームの解散は所属する選手や監督およびコーチに影響を与えるだけでなく、将来のペラFCへと続く選手育成へも直接影響を及ぼすとして、ペラ州サッカー協会に再考を求めていると報じています。
 「ペラFCはシーズン中に選手を入れ替えて(セカンドチームの)ペラFC IIの選手を起用することもある他、ペラFC IIの選手の中にはU21リーグのプレジデントカップやU19リーグのユースカップではプレーできない年齢の選手もおり、こういった選手たちはペラFC IIが解散した場合にはサッカー選手という職業を続けていくことを断念せざるを得なくなるという事実も考慮した上で(ペラ州サッカー協会には)最終決定を下して欲しい。」とのべるモハマド・ラシディTMは、ペラFC IIが降格するM3リーグは運営費用がプレミアリーグよりも低く抑えられること、またセミプロリーグのM3リーグに参加することで、現在ペラFC IIに所属する選手たちのさらなる技術向上が図れ、そこからトップチームのペラFCへ選手が供給できる可能性などを指摘した他、今季ペラFCで起こった給料未払い問題とそれによる主力選手の大量退団などで低下したクラブのイメージが、セカンドチームのペラFC II解散でさらに悪化する懸念もあると話しています。
*****
 ペラFC IIの前身はPKNP FCはペラ州政府機関のペラ州開発公社PKNPが母体のクラブチームで、2018年シーズンに1部スーパーリーグに昇格すると、このシーズンは9位、翌2019年シーズンは11位で2部降格となったことで、PKNP FCはペラFCに吸収合併される形でペラFC IIが誕生しました。ペラFC(合併当時はペラFA)、PKNP FCともにペラ州政府からの資金で運営されていたこともあり、運営の一本化が目的の合併でした。そんな経緯もあり、かつて1部スーパーリーグでもプレーしたクラブを「解散」するというペラ州サッカー協会の発表には驚きましたが、民営化されたはずのクラブに未だに州サッカー協会が「指導」する関係性が変わっていないことにも驚きです。


9月14日のニュース:これがリーグ8連覇の秘訣!?JDTは選手の規律違反に罰金100万円、タイ1部リーグ第2節-代表コンビのエルドストールはフル出場もタンは出番なし、女子アジアカップ予選出場の代表23名が発表、AFFフットサルカップにマレーシアから2チームが出場

 これがリーグ8連覇の秘訣!? JDTは選手の規律違反に罰金100万円
 マレーシア語紙ブリタハリアンは、JDTが規律違反した選手に対する処分内容を報じています。
 オーナーでジョホール州皇太子トゥンク・イスマイル殿下によれば、チーム内での規律を維持するため、選手と結ぶ契約書にはクラブが設ける様々な規律や行動規範がが明確に記載されており、それに違反した場合には選手、コーチ、監督を問わず、罰金処分が課されるということです。
 「選手がソーシャルメディアで不適切な投稿をした場合の罰金は4万リンギ(およそ106万円)、練習に遅刻した場合は1万5000リンギ(およそ39万8000円)が課せられる。(代表選手の)アキヤ・ラシドは遅刻してこの罰金処分を受けたことがある。また選手の夫人が不適切な投稿をしたクラブの名を汚すようなことをすればその選手に罰金を、また監督やコーチは練習開始2時間前に練習場に来ることを求めているので、これに遅れればチームマネージャーがその責任を負って罰金処分を受ける。もし罰金が支払えなければ、借金をしてでも払わせる。」と出演したテレビ番組内でイスマイル殿下が明かしたということです。
*****
 マレーシア人は時間に「寛容」なことはよく知られています。先日のパラリンピック東京大会でも一旦は金メダルを獲得した砲丸投げのマレーシア人選手が、競技前の呼び出しに遅刻したことから失格処分を受け、その処分が厳しすぎると国中がIOCに抗議する事態になりました。常識的に考えれば、決められた時間遅刻した時点でアウトですが、そういう思考にならないマレーシア人には不当な処分に映ったのでしょう。パラリンピックレベルですら時間厳守を気にしないのは、それが日常で容認されているからで、そういったマレーシアで選手に時間厳守や規律保持を求めるにはイスマイル殿下のように「痛み」を伴う処分が一番効果的かも知れません。失敗を「失敗」と認識しなければ、何も学べないですからね。

タイ1部リーグ第2節-代表コンビのエルドストールはフル出場もタンは出番なし
 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第2節が先週末に開催され、チョンブリーFCでプレーする代表DFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)は先発してフル出場しています。開幕戦ではベンチ入りしなかったポリス・テロFCの代表DFドミニク・タンはこの試合ではベンチ入りしましたが出場機会はありませんでした。

タイ1部リーグ第2節
2021年9月11日@チャンアリーナ
ブリーラム・ユナイテッドFC 3-1 ポリス・テロFC
 ブリーラムが逆転勝ちで2位に浮上。ポリス・テロのドミニク・タンは今季初のベンチ入りも出場機会はありませんでした。
(試合の映像はブリーラム・ユナイテッドFCの公式YouTubeチャンネルより)

2021年9月12日@SCGスタジアム
ムアントン・ユナイテッドFC 3-3 チョンブリーFC
 3-0から引き分けたチョンブリーFCでしたが、3点目献上のPKを与えたジュニオール・エルドストールは自身のTwitterでVARを批判していますが、映像を見る限りではどちらとも言えない微妙なPK裁定でした。エルドストール選手は2戦連続で先発してフル出場しています。
(試合の映像はチョンブリーFCの公式YouTubeチャンネルより)

https://youtu.be/Ut7u97zGh78

タイ1部リーグ順位表(第2節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1BGパトムU211024
2ブリーラムU211024
3シンハ・チェンライU211014
11チョンブリーFC202002
15ポリス・テロFC2011-21

女子アジアカップ予選出場の代表23名が発表
 マレーシアサッカー協会FAMはアジアサッカー連盟AFC女子アジアカップ2022年大会予選に出場する代表23名を公式サイトで発表しています。
 ジェイコブ・ジョセフ監督率いる女子代表は8月21日よりFAMの施設と国家スポーツ評議会NSCのブキジャリルにある施設で、候補選手25名を招集して合宿を行っていました。
 予選H組に入るマレーシアは集中開催地となるパレスチナへ向けて本日9月14日にKL国際空港を出発する予定で、パレスチナのアルラムで開催される予選H組ではタイ(9月19日)、パレスチナ(9月22日)との対戦が組まれています。
 代表23名のメンバーはこちらです。(下の告知はFAMの公式サイトより)

AFFフットサルカップにマレーシアから2チームが出場
 タイで開催される東南アジアサッカー連盟AFFフットサルカップ2021年大会に、マレーシアからスランゴールMACとパハンレンジャーズの2クラブが参加します。
 9月13日から17日までタイのナコーンラーチャシーマー(コラート)で開催されるこの大会は今回で6回目の開催となり、地元タイからはフリーファイア・ブルーウェーブ・チョンブリーとポートFCが、またカンボジアからはモハハンオールスターズFCが出場し、一回戦総当たり形式で行われます。
 過去5大会は全てタイのクラブが優勝しており、2015年から2017年はポートFCが、2018年と2019年はいずれもバンコクBTSがチャンピオンとなっています。(バンコクBTSはその後、PTTブルーウェイブ・チョンブリーと合併して現在のフリーファイア・ブルーウェーブ・チョンブリーとなっています)
 今回のAFFフットサルカップ2021年大会に出場するスランゴールMACは2019年のマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLのチャンピオンで、フットサルマレーシア代表GKアズルル・ハディ・トフィクをはじめ、アズリ・ラーマン、アズワン・イスマイルらが所属しています。またパハンレンジャーズはフットサル界のJDTとも呼ばれており、カイルル・エフェンディ・バーリン、アワルディン・マット・ナウィ、サイフル・ニザム・モハマド・アリ、アブ・ハニファ・ハサン、リズワン・バクリらが所属しています。
*****
 スランゴールMACとパハンレンジャーズが所属するMPFLは昨季に続き今季2021年シーズンも中止が決定し、2年間の実戦不足はかなり大きなハンデとなりますが、近年、フル代表はタイに対して好成績を残し、また先日のACLではJDTがラーチャーブリーFCを相手にやはり好成績を上げているので、フットサルクラブもそれに続いて欲しいですね