3月18日のニュース:代表監督は合宿招集メンバーの顔ぶれへの疑問に回答、トレンガヌFCは映画館を利用したパブリックビューイングを計画、続報-トレンガヌが予定した第4節のパブリックビューイングは行わず、サッカー協会とブキジャリル運営会社が契約を延長-2025年12月まで代表の本拠地に

代表監督は合宿招集メンバーの顔ぶれへの疑問に回答
 英字紙スター電子版は、来週3月22日から30日までの予定で、Mリーグ1部JDTの施設を使って行われる代表合宿へタン・チェンホー監督が招集したメンバーの顔ぶれについてソーシャルメディア上で疑問の声が上がる中、自身の選考について反論しています。
 今回召集されたメンバーには、マレーシア人の両親などを持たない帰化選手でブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)や今季からJDTに移籍したMFダニエル・アミエル・ノーヒシャムが初めて召集された他、一昨年11月のW杯2022年大会アジア二次予選代表のメンバーだったMFシャマー・クッティ・アッバ、Fムハマドゥ・スマレ、FWアキヤ・ラシド、FWシャフィク・アフマド(いずれもJDT)が含まれていますが、これらの面々はここまでの第4節では明らかに不調であったり、所属するチームでレギュラーポジションが獲得できておらず試合の出場時間が極端に少ない選手であることから、これらの選手を招集したタン監督の選考に疑問の声が上がっています。
 その一方で開幕から好調なGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FWダレン・ロック(PJシティ)、FW S・クマーラン(マラッカ・ユナイテッド)といった選手たちが召集されず、ケガ人が出た際の控えメンバーとなっていることも疑問視されています。
 こういった疑問について、タン監督は今回の招集メンバーはこれまでのW杯予選を一緒に戦ってきた選手を選んだことを認め、その理由として自身の戦法や戦術を熟知しているからであると説明しています。
 「自身が所属するクラブで出場していない選手がいることも知っているが、(6月に再開されるW杯2022年大会アジア二次予選を前に)新しい選手を試す十分な時間がない。」と話すタン監督は、代表初招集となったデ・パウラ選手を招集したことを問われると「彼は既にトップクラスのストライカーという実績があり、現在の不調は(今季開幕直前に起こった)監督交代の影響だと思っている。そこで今回は彼に代表合宿に招集してチームに適応できるかどうか見てみたい。」と何やら矛盾する内容を述べたタン監督はさらに「今後もMリーグを視察し、他の選手を見て行く予定で、良い選手がいれば5月末に予定している次の代表合宿に招集する。」ともう何だかわからないことを述べています。
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 今回召集された28名中、JDTからは13名が召集されていますが、召集メンバーが発表される前のMリーグ第3節までにダニアル・アミエルとモマハドゥ・スマレは試合出場どころかベンチ入りすらしておらず、シャマー・クティ・アッバは合計6分間の出場、シャフィク・アフマッドとアキヤ・ラシドはそれぞれセカンドチームのJDT IIで1試合出場のみです。選手層が厚いJDTの控え選手の方がMリーグの主力選手より上という判断なのかもしれませんが、自分の戦術を理解していない新戦力を5月ではなく今月3月の合宿で試す方が、筋が通っているとは思いますが、ここまでは結果を出してきているタン監督にも考えがあるのでしょう。

トレンガヌFCは映画館を利用したパブリックビューイングを計画
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、第3節まで開幕3連勝と好調なMリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌFCが映画館を利用したパブリックビューイングを計画していると報じています。
 3月5日に開幕した今季のMリーグは無観客試合で行われています。
 マレーシアの映画館ではこれまでも英国1部プレミアリーグやW杯の試合がパブリックビューイングに使われたこともあり、トレンガヌFCもドルビーシステムなども駆使して、無観客試合による入場料収入の損失を補いたいとしています。その手始めとして今季第4節となる本拠地スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアムで開催されるトレンガヌ対マラッカ・ユナイテッド戦のパブリックビューイングが予定されているということです。
 Mリーグの試合は国内では地上波で放送されないため、インターネットのストリームング以外では、インド系ムスリムが経営するママック(Mamak)と呼ばれる店で上映される衛星放送を友人と一緒に観戦するのが一般的ですが、エアコンの効いた映画館でポップコーン片手に観戦するのはまた違った経験になるだろうと、ニュースとレイトタイムズの記事は結んでいます。

続報-トレンガヌが予定した第4節のパブリックビューイングは行わず
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、トレンガヌFCが計画した映画館でのパブリックビューイングはまだ最終調整が終わっておらず、第4節のホームゲーム、マラッカ・ユナイテッド戦では実現しないと報じています。
 トレンガヌFCのアブドル・ラシド・ジュソーCEOはパブリックビューイングは未だ計画段階で、上映を予定している映画館チェーンのロータス・ファイヴ・スター社(LFS社)との話し合いが行われている段階だとし、またMリーグを主催するマレーシアンフットボールMFLの承認も得られていないと話しています。またLFS社はMリーグ全試合をストリーミング配信するMリーグの公式スポンサーでもあるユニファイ社(Unifi)とも交渉中ということで、第4節のパブリックビューイングは間に合わなかったようです。

サッカー協会とブキジャリル運営会社が契約を延長-2025年12月まで代表の本拠地に
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、ブキジャリル国立競技場を運営するマレーシアスタジアム運営会社(PSM社)とFAMの間で交わされたブキジャリル国立競技場の使用契約を2025年12月31日まで延長したことを発表しています。これにより今後5年間はマレーシア国内での代表公式戦はブキジャリル国立競技場で行われることになります。
 ブキジャリル国立競技場で行われた契約延長の調印式には、FAMを代表してハミディン・アミン会長が、そしてPSM社はトニー・フェルナンデス会長が出席しました。
 なお2019年8月15日に結ばれたFAMとPSM社とのこれまでの契約では、2020年12月31日まで国内で開催する代表の公式戦はブキジャリルスタジアムでのみ開催とする一方、親善試合については国内の他のスタジアムでの開催が可能になっています。
 ハミディンFAM会長は、2019年8月の契約締結以降の代表戦となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選ではタイに2-1、インドネシアに2-0と現在の予選G組2位へとつながる貴重な勝利を挙げた一方で、2020年は新型コロナウィルスの影響でW杯予選が延期され、その勢いを削がれてしまったと話した上で、再びブキジャリルで代表戦が行われる際には観衆を入れて開催されると確信していると話しています。
 トニー会長はFAMと共同で敷地内へのスポーツ博物館建設なども検討中であることを明らかにした他、政府の支援によりピッチの張り替えを行うことが決定し、現在は張り替える芝の種類を選定中だとしています。

3月16日のニュース:W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表、FAMはMリーグ第2節まで審判と選手に対する処分を発表

W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表
 マレーシアサッカー協会FAMは3月22日から3月30日までジョホール・バルのJDTの施設を利用して行われる代表合宿の取集メンバー28名を公式サイト上で発表しています。
 この代表合宿は6月3日からアラブ首長国連邦UAEで開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する選手選考のための合宿です。
 今回の招集メンバーには、新型コロナウィルスによる中断前の最後の試合となった2019年11月14日のタイ戦と同19日のインドネシア戦で召集された23名中、17名が再招集されており、残るGKハジック・ナジル(JDT II)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)、シャズワン・アンディック(JDT II)、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマン)、MFアジザン・ノルディン(サバ)、そして先日のUITM戦で怪我のため途中退場したFWサファウイ・ラシドの6名は今回の合宿には召集されていません。
 その一方で久々の代表復帰となるGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッド)や初招集となる18歳のGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、DFリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマン)、DFイルファン・ザカリア(KLシティ)、DFファズリー・マズラン (スリ・パハン)、FWファイザル・ハリム(トレンガヌ)、MFナズミ・ファイズ・マンソル、MFラマダン・サイフラー(いずれもJDT)、昨季のマレーシア人得点王のFWシャーレル・フィクリ(スランゴール)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、そしてブラジル出身で今季から帰化選手登録されているFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)の11名が召集されています。
 またタン・チェンホー監督はタイ1部のチョンブリーでレギュラーを獲得しているDFジュニオール・エルドストールと、期限付き移籍で加入したオーストラリア1部のニューカッスル・ジェッツでデビューを果たしたリリドン・クラスニキについては、現在、マレーシアへの渡航者には2週間の検疫隔離が義務付けられており、またマレーシアからそれぞれの国へ戻っても同様の検疫隔離があることからは今回は召集を見送ったと話しています。「両選手はそれぞれのクラブでプレーし、パフォーマンスが改善されていることは確認しており、今回はそのまま所属クラブでプレー時間を十分に確保してさらにレベルアップを図ってもらい、5月に予定している次回の代表合宿に招集する方が良いと考えた結果の判断である。」と述べたタン監督は、今回初招集となったルクマン・ハキム・シャムスディンについては、昨年から代表合宿への招集を予定していたことも明かし、今回の招集はルクマン選手のフィジカルのレベル、自信、そしてプレースタイルを首脳陣が把握することを目的としているとしています。
 この他、合宿でケガ人が出た際の補充要員としてGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・ケルヴィン(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FW S・クマーハン(マラッカ・ユナイテッド)、FWダレン・ロック(PJシティ)が待機しているということです。
(以下はマレーシアサッカー協会の公式サイトに掲載された代表合宿メンバーの告知)

FAMはMリーグ第2節までの審判と選手に対する処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ第1節と第2節に発生した試合中の複数の事例について、審判と選手を対象とした処分を発表しています。
1) Mリーグ2部プレミアリーグ第1節(3月6日)ケランタン対ペラII
a) モハマド・アミルル・アイザット・モハマド・ロディン主審はペナルティエリア内で適切でない位置に立っていたことにより、ケランタンFCのFWジャック・ヒンドルに両手で押し倒された。審判評価担当者からの報告によるとアミルル主審は試合全体を通しての判定は合格点ではあるが、FAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定する。
b) ケランタンFCのジャック・ヒンドルは、ビデオ映像で明らかになった「審判を両手で強く押したという行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(ケランタンFCによるハイライト映像。問題のシーンは2:45頃から)

https://youtu.be/H8oXPqGqXKE

2) Mリーグ1部スーパーリーグ第2節(3月10日)PJシティ対マラッカ・ユナイテッド
a) モハマド・ファイルジ・マット・デサ主審はPJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリによるペナルティーエリア内でのシミュレーションに気づかず、そのままPJシティにPKを与えたことにより、2週間の審判停止処分とする。またファイルジ審判はFAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定するが、まずは下部リーグでの審判を行い、スーパーリーグで再び審判を担当するのに十分な評価を得た上で、スーパーリーグの審判に復帰する。
b) PJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリはビデオ映像で明らかになった「シミュレーション行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
C) マラッカ・ユナイテッドのアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェスはビデオ映像で明らかになった「2点目のゴールの後、意図的に審判に向かってボールを投げつけた行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(シミュレーションの場面は2:40辺りから、ボール投げつけは最後にありますがこの映像ではよく見えません。

https://youtu.be/j5PAimUdvGA

3月15日のニュース:FAM役員選挙-ハミディン会長が再選を果たす、ハミディンFAM会長は兼務するMFL会長職辞任を表明、MFLはスタジアム外で集会を行ったサポーターに自粛を求める

FAM役員選挙-ハミディン会長が再選を果たす
 マレーシアサッカー協会FAMの第57回年次総会と2021年〜20 25年が任期となる役員選挙が3月13日に行われ、ハミディン・アミン現会長が対立候補が立たなかったことにより、無投票で会長職に再任されたことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。2018年にJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下に代わり就任したハミディン会長は、会長職2期目を迎えることになります。
 2人の会長代理は現職のモハマド・ユソフ・マハディ氏に加え、新任となる前副会長のS・シヴァサンダラム氏がこちらも対立候補が立たなかったことで無投票で当選しています。なおS・シヴァサンダラム氏の前任でマレーシアホッケー協会会長でもある政治家のスバハン・カマルは再任を望まず・推薦を辞退していました。
 また5名が推薦されていた4名の副会長職は、いずれも現職のロズマディ・イスマイル、モハマド・ジョハリ・モハマド・アユブ両氏に加え、現理事のモハマド・フィルダウス・モハメド氏、そして今回新たにサラワク州サッカー協会会長のポサ・マジャイス氏が当選した一方で、現職で前ケランタン州サッカー協会のアファンディ・ハムザ氏が落選しています。
 10名の理事職はその内の2名が女性に限定されていることから8名の枠が争われ、4名の現職と4名の新人が当選しています。現職当選者はジェフリー・ロー、モハマド・ヒサムディン・ヤハヤ、クリストファー・ラジ・アララントゥ、モハマド・ダリ・ワヒドの4氏、また今回新たに当選したのはヌグリスンビラン州サッカー協会のN・サアラン副会長、スランゴール州サッカー協会のシャーリル・モクタル会長代理、ペラ州サッカー協会のアドリ・シャー・アフマド・ター前会長代理、サイド・ヤジド・サイド・オマル クアラルンプールサッカー協会会長代理の4氏で、サイド・ヤジド新理事は、決戦投票で現職で王立警察PDRMサッカー協会のカマルル・アリフィン・シャハル氏を破って当選しています。なお2名の女性理事はマレーシアネットボール協会会長でクダ州議会議員でもあるスラヤ・ヤアコブ氏とマラッカ州女子サッカーチームのマネージャーでマラ工科大学UITMのシティ・ファイドゥル・マイサラ・アブドゥラ氏は対立候補が立たず、無投票で再認されています。
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 ハミディン会長は「我々はファン、政府、メディアそして出資者によって評価される立場にいる。言動ではなく行動が重要であることを理解して、4年間の任期に取り組んで欲しい。」と就任直後に新たな理事会メンバーに話したとされています。現場だけでなく運営側にもプロ意識を求めるハミディン会長の意思が理事会メンバーに伝わることを期待したいです。

ハミディンFAM会長は兼務するMFL会長職辞任を表明
 2025年までの任期で再任されたマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は現在兼務しているマレーシアンフットボールリーグMFLの会長職を6月を目処に辞任することを表明しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、ハミディン会長はFAM会長職に専念し、代表チームの強化や、草の根レベルや女子サッカーの発展といったことに取り組みたいと会長再選後の記者会見で述べたということです。なお、この会長戦に先立ち、先週、ハミディン会長はマレーシアオリンピック協会により、今年11月にベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズのマレーシア選手団統括責任者に任命されています。
 「MFL会長職は、国内リーグの今後の方向性を考える新たなリーダーに引き継ぐべきだと考えている。また予定している6月の退任前までには再興の手立てを示しておきたい。国内リーグのレベルアップのためにも、MFL会長職は兼務すべき職務ではないので、現在のFAM理事会野いずれのメンバーにもMFL会長職の兼務は認めない。」ともハミディン会長は話しています。

MFLはスタジアム外で集会を行ったサポーターに自粛を求める
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイト上で、Mリーグの試合が行われたスタジアムの外に集まったサポーターに対し、そのような行動がむ観客を条件に開催されている現在のMリーグにとって不利益を与える可能性があるとして非難した上で、そのような行動の自粛を求めています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが指摘しているのは、Mリーグ1部スーパーリーグ第3節のスランゴールFC対クアラルンプールシティFC戦が開催されたスランゴール州プタリンジャのMPBJスタジアムの外にサポーターの一団が集まった件についてで、アブドル・ガニCEOは、このサポーターの行動が政府が求めているMリーグの無観客試合開催期間中の集会の禁止に明らかに違反しているだけでなく、このような行動はMFLと青年スポーツ省が現在、国家安全保障委員会に対して申請している有観客試合の再開のための努力を無にするものであると強い調子で非難しています。
 MFLによる公式声明の中でアブドル・ガニCEOは「MFLはスタジアムの外で集会を行った一部のサポーターに対して非常に失望している。昨季からほぼ1年無観客で試合を開催したことを踏まえて、できるだけ早くMリーグの試合に観客を入れようと努力に水を差すものである。全てのサポーターは新型コロナウィルスが未だ終息していない現状では細心の注意を払うことが求められていることから、今回MBPJスタジアムの外で起こったようなサポーターによる集会が他の試合会場も含めて2度と起こらないことを希望する。」と述べています。

3月10日のニュース:タイ1部リーグ第23節から第25節と2部25節から第27節-代表組の近況、マットヨーにもタイ1部リーグ優勝メダルが贈られる、プレジデントカップとユースカップの開催方式が変更へ

タイ1部リーグ第23節から第25節と2部25節から第27節-代表組エルドストール、タン、スウィラッドの近況
 Mリーグが開幕で盛り上がっている一方、秋春シーズン制に移行したタイリーグは1部が第25節まで、2部は第27節まで進んでいます。以下、マレーシア関連選手の情報です。
 1部チョンブリーFCに所属する元代表DFジュニオール・エルドストール (タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)は第23節から第25節の3試合全てに先発フル出場しています。また同じ1部ポリス・テロFCに所属する代表DFドミニク・タンは2月24日の第22節からベンチ入りもしていませんでしたが、自身のSNSで2月26日に軽症の骨折による破片を取り除く手術を受けたことを明かし、また復帰も間近ということも報告しています。(下はタン選手のインスタグラム投稿)

 また2部のノーンブワ・ピッチャヤFCに加入した元代表DFニコラス・スウィラッドは、第25節のウタイ・タニFC戦で初めてベンチ入りしたものの出場機会はありませんでしたが翌第26節の馬場悠企選手や松村亮選手を擁するチェンマイFC戦では待望の2部リーグデビューを先発でフル出場を果たし、チームも4-1と快勝しています。続く第27節のチャイナット・ホーンビルFC戦では78分から途中出場し最後まで出場しています。
 開幕したばかりのMリーグの選手と比べ、実戦をすでに多くこなしているエルドストール選手には4月に予定されている代表合宿への招集に期待が高まります。また故障が言えればタン選手も、またレギュラーポジションを掴んで出場機会が増えればスウィラッド選手にも同様の期待ができそうです。
タイリーグ1部
第23節(2月28日)
チョンブリーFC 4-1 スパンブリーFC
 ジュニオール・エルドストールは先発でフル出場しています。
第24節(3月4日)
シンハ・チェンライ・ユナイテッドFC 4-3 チョンブリーFC
 ジュニオール・エルドストールは先発でフル出場しています。
第25節(3月7日)
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-0 チョンブリーFC
 ジュニオール・エルドストールは先発でフル出場しています。


タイ1部リーグ(第25節終了時、マレーシア人選手所属クラブのみ)

順位クラブ勝点
9ポリス・テロ251035
10ナコーンラーチャシーマー25934
11チョンブリー25930

タイリーグ2部
第25節(2月28日)
ウタイ・タニFC 0-0 ノーンブワ・ピッチャヤFC
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしましたが、出場はありませんでした。
第26節(3月3日)
ノーンブワ・ピッチャヤFC 4-1 チェンマイFC
 ニコラス・スウィラッドは先発でフル出場しています。
第27節(3月6日)
チャイナット・ホーンビルFC 1-1 ノーンブワ・ピッチャヤFC
 ニコラス・スウィラッドは78分から交代出場し、試合終了まで出場しています。

タイ1部リーグ(第25節終了時、マレーシア人選手所属クラブのみ)

1ノーンブワ・ピッチャヤ271761
2チェンマイ・ユナイテッド271656

マットヨーにもタイ1部リーグ優勝メダルが贈られる
 3月5日に開幕したMリーグに対して、隣国のタイリーグは新型コロナウィルスによるリーグ中断により、昨季から秋春制シーズンに移行しています。そのタイ1部リーグでは今季開幕から圧倒的な強さを誇ったBGパトゥム・ユナイテッドが第24節を終えて21勝3分0敗、2位のブリーラム・ユナイテッドは残る6節に全勝しても勝点の差が縮まらないことから、BGパトゥム・ユナイテッドが2020/2021年シーズンの優勝を決めています。
 開幕からの無敗記録を更新しながらも、シーズン途中でJDTを退団したジオゴ・ルイ・サントやJリーグ清水から代表FWティーラシン・デーンダーを獲得するなど積極的な補強を行ったBGパトゥム・ユナイテッドですが、このBGパトゥム・ユナイテッドを昨年末で退団し、今季はMリーグ2部のサラワク・ユナイテッドでプレーするマットヨーこと代表FWノーシャルル・イドラン・タラハにも優勝メダルが贈られると、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。このメダル受領により、ノーシャルル選手はタイ1部で優勝した初めてのマレーシア人選手となると言うことです。
 ヴォケットFCが代理人を通じノーシャルル選手に取材を行い、このメダル受領が明らかになったと言うことで、既にBGパトゥム・ユナイテッドからも連絡を受け取ったことを明かしています。またMリーグが開幕していることからタイでのメダル授与式には参加できないものの、後ほど手元に送られてくることになっていると言うことです。
 2019年シーズンはタイ2部で優勝したBGパトゥム・ユナイテッドは昇格1年目での偉業達成で、今季優勝チームに与えられる2022年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ出場権も獲得しています。

プレジデントカップとユースカップの開催方式が変更へ
 マレーシアサッカー協会FAMは、FAMが主催するMリーグ各クラブのU21チームが出場するリーグ戦プレジデントカップ、同じくU19チームが出場するリーグ戦ユースカップの今季2021年シーズンの開催方式の変更を公式サイト上で告知しています。いずれも6月開幕予定ですが、今季この変更は暫定的に今季に限り採用されるということです。
 新型コロナウィルス禍の中、昨季はいずれも中止となったプレジデントカップ、ユースカップでしたが、今季はプレジデントカップには19チームが、ユースカップには20チームが出場を表明しているということです。
 マレーシアでは現在も国内では2000名前後で新型コロナウィルスの新規感染者が発生していることから、FAMは各チームの移動を最小限に抑えるため、今季はプレジデントカップ、ユースカップともホームアンドアウェイ方式で行うグループステージを地域ごとに3組に分て開催するとしています。
 このグループステージは8月までに終了する予定で、そこから上位16チームが次のステージへ進みます。なお、ベスト16から準決勝まではノックアウト方式ですが、決勝戦のみホームアンドアウェイ方式となると言うことです。
(以下はFAM公式サイトに掲載された今季の両リーグ戦のスケジュール)

3月9日のニュース:KLユナイテッドが開幕2日前にクラブ名変更、ケランタンFCオーナーがインドネシア2部のクラブ買収に関心、プロ審判化への第一歩-10名の審判がFAMのワークショップへ参加

KLユナイテッドが開幕2日前にクラブ名変更
 今季1部に昇格したクアラルンプール・ユナイテッドFC(KLユナイテッドFC)は、昨季はクアラルンプールサッカー協会が運営するクアラルンプールFAから名称変更したチームです。このKLユナイテッドが開幕まで2日を切った3月3日に突如クアラルンプールシティFC(KLシティFC)へとクラブの名称が変更されたと、英字紙ニュースとレイトタイムズが報じました。なお、変更は名称だけにとどまらず、ユニフォームの胸に付けられるチームのロゴも以下のように左のロゴから「改善」され、突如、虎の絵柄が入り、クアラルンプール市の紋章に酷似した中央のロゴへと変更になりました。(左がクアラルンプール市の紋章)

 突然の変更に納得がいかないKLユナイテッドのサポーターは、先月クアラルンプールサッカー協会が運営するフットサルクラブのKLシティFCの会長となった連邦直轄地大臣のアヌアル・ムサがこの変更に関わっているのではないかと、その関与を疑問視する声をあげました。
 この変更についてKLシティFCのスタンリー・バーナードCEOは、変更は事前に計画されていたものであったと話し、クラブがKLを基盤とし、昨季のロゴにもクアラルンプール市の紋章と似通った部分はあったと話しています。その上で、アヌアル・ムサ大臣はあくまでも相談役であり、理事会での話し合いを経ずに単独で物事を決められる立場にはないとしています。さらにクラブには長期的なプランがあり、全てに理由があるともスタンリーCEOは述べています。
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 今回のロゴの件然り、またボジャン・ホダック監督の前に監督就任が明らかになりながら契約解除騒動が起こった前東ティモール監督のシモン・エリゼッチ氏の件然り、クラブのイメージを損ねるような事例が続くと、長期的ビジョン云々が空々しく聞こえてきます。また連邦直轄地大臣としてプトララジャヤにクラブを立ち上げると言ったかと思えば、今度はKLのクラブに関わろうとするアヌアル・ムサ大臣は、出身地でもあるケランタン州FA時代にはサッカー振興の実績はあるものの、好意からかも知れませんが、同じことをKLでもやろうとするのはもう時代にはそぐわない気がします。

ケランタンFCオーナーがインドネシア2部のクラブ買収に関心
 サッカー専門サイトGoal. comインドネシア版は、Mリーグ2部ケランタンFCのオーナーのノリザム・トゥキマン氏がインドネシア2部リーグのクラブを物色中だと報じています。
 マレーシア国内で30以上を持つホテルチェーン「ザムバーガーホテルズ」を経営するノリザム氏は、インドネシアでの展開を目指してバリ島でホテルを物色中ということですが、同時に複数のインドネシア2部リーグのクラブと買収交渉中だということです。投資家としても知られるノリザム氏はすでに複数のクラブのオーナーと2ヶ月近く交渉を行っているとされ、買収実現が間近という噂もあります。
 交渉相手側からはいずれも好意的な反応を受け取っているとされ、その費用は数百万リンギ(1リンギはおよそ26.5円)とされていますが、インドネシアではケランタンFCでのノウハウをクラブ経営に持ち込むだろうとされています。
 この話を受けマレーシア語紙のハリアン・メトロがノリザム氏にインタビューを試みたところ、ニュース自体は認めたものの、詳細は語らなかったということです。

プロ審判化への第一歩-10名の審判がFAMのワークショップへ参加
 マレーシアサッカー協会FAMは今月30日に開催するプロ審判ワークショップに参加する10名の審判が選抜されたことを公式Facebook上に告知しています。
 今回のワークショップはマレーシアプロ審判システムMProRSプロジェクトの一環で、新型コロナウィルスの影響により昨年中に開催予定だったものが延期されていたとしています。
 最年長は38歳のズルカルナイン・ザカリア氏から最年少は26歳のモハマド・イズル・フィクリ・カマルザマン氏までの選抜された10名の審判は、今後複数回開催されるプロ審判ワークショップに最低でも3回は参加が義務付けられるということです。
 この10名からさらに選抜されるMProRSプロジェクトの第1期生は、カテゴリーAまたはBの審判資格を保持し、英語の4技能なども必要とされるということです。今後は、試合でのパフォーマンスや身体能力の審査や、ルールに関するテストなどを経て第1期生が選抜され、2022年のプロデビューを目指すということです。

3月2日のニュース:FAMが役員選挙を前に候補者を発表、ブラジル出身のデ・パウラが帰化選手として登録、MFLは今季9億円近いスポンサーを獲得、連邦直轄地大臣杯はKLユナイテッドが勝利もサポーターがモンキーチャント

FAMが役員選挙を前に候補者を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で2021年から2025年までの任期を務める新役員選挙を前に候補者のリストを発表しています。なお新役員選挙は3月13日に予定されているFAM年次総会で投票が行われます。
 今年1月13日から2月11日までが候補者の指名期間となっており、FAM傘下の各州サッカー協会など20団体から、会長、会長代理、副会長及び常任理事の候補者として全34名が指名を受けていましたが、この34名中、候補者となるために必要な最低指名数を得られなかった6名は候補から外れ、残る28名が正式な候補者となっています。なお会長候補者、会長代理候補者および副会長候補者は、それぞれ最低6団体、5団体、4団体からの指名が必要となり、常任理事は最低2団体からの指名が必要です。
 正式な候補者となった28名中1名が指名を拒否したことから、最終候補者は27名となりましたが、この27名はさらにマレーシア王立警察と汚職防止委員会の審査を経て正式候補となりました。
 なお、この27名の候補者のうち、会長は現職のハミディン・アミン会長が、さらに2名の会長代理も現職のモハマド・ユソフ・マハディ会長代理と、元スランゴール州サッカー協会財務担当者のS・シヴァスンダラム氏が、いずれも対立候補がいないことから無投票で当選が決まっています。この他、4名が選ばれる副会長には5名が、女性2名を含む10名の理事には女性2名を含む19名が候補者となっています。

ブラジル出身のデ・パウラが帰化選手として登録
 Mリーグ1部のペラは、ブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラが今季はマレーシア人選手として登録されることを公式Facebookで発表しています。
 2015年にスランゴールに入団し、その後はPDRM、クアラルンプールを経て昨季2020年シーズンからペラでプレーする34歳のデ・パウラ選手は、モハマドゥ・スマレ(JDT)、リリドン・クラスニキ(JDT II)に続くマレーシア人の血を引かない3人目の帰化選手となりました。
(デ・パウラ選手の帰化選手登録を伝えるペラFCの公式Facebookへの投稿)

MFLは今季9億円近いスポンサーを獲得
 マレーシアの通信社ブルナマは、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが今季リーグに向けて、放映権料を含めるとこれまでに3340万リンギ(およそ8億7800万円) のスポンサーを獲得したと報じています。
 今季のMリーグの開幕イベントの席上でマレーシアサッカー協会会長でもあるハミディン・アミンMFL会長は、その詳細を明かさなかったもののMFLは現在競技中のものも含まるとさらにスポンサーが集まる可能性も示唆しています。
 「現時点ではスポンサー料と放映権料も合わせると3342万8000リンギが集まっている。しかもこれはコロナ禍でなんとか集めたものであり、この他にも現在も協議中のスポンサーもおり、この金額は今後さらに増える可能性が高い。」とイベントの最後に行われた記者会見の席で話したということです。
 MFLは昨年11月に昨季のMリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーだった国内第二の金融グループCIMB社と格安航空会社のエアアジア社がスポンサー契約を中断しています。(ただしエアアジア社はその後、今季のスポンサー契約を検討すると発表しています。_

連邦直轄地大臣杯はKLユナイテッドが勝利もサポーターがモンキーチャント
 同じ首都圏に本拠地を持つスランゴールとクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が対戦した連邦直轄地大臣杯は、今季から1部スーパーリーグでプレーするKLユナイテッドが昨季1部で5位のスランゴールをPK戦4−2で破り、第一回のチャンピオンとなっています。
 KLユナイテッドの本拠地クアラルンプールフットボールスタジアムで行われたこの試合は、前半はスランゴールが、後半はKLユナイテッドが押し気味に進めたものの、90分間を終えて0-0となりPK戦へと突入し、KLユナイテッドは主将のパウロ・ジョズエ以下、ドミニク・ダ・シルヴァ、ハディン・アミン、インドラ・プトラ・マハユディンの4名がゴールを決めたの対し、スランゴールのゴールはサフアン・バハルディンとイフェダヨ・オルセグンの2選手が決めただけでした。
 しかし無観客で行われたこの試合では、スタジアムの外に集まったKLユナイテッドサポーターが発煙筒を焚いたり、明らかにオルセグン選手に向けて人種差別的なモンキーチャント(猿の鳴き真似)を行ったりするなど非常に悪質な行為を行なったことにより、印象が良くない試合となったと英字紙ニュースとレイトタイムズは報じています。

2月22日のニュース:ペラにさらに激震-ドゥラコビッチ監督契約解除か、サッカー協会会長が首相を表敬訪問、JDTは契約したばかりの新外国籍選手をインディペンディテへ期限付き移籍

ペラにさらに激震-ドゥラコビッチ監督退任か
 名将に退任の噂が。Mリーグ1部ペラはペラ州議会議員によるクラブ運営介入により混乱状態であることは先日のこのブログでも取り上げましたが、さらに状況を悪化させかねない噂をメディアが報じていますが、その内容は2017年からペラを率いるオーストラリア出身のメフメト・ドゥラコビッチ監督の契約解除が間近かだというものです。
 英字紙スター電子版はペラを運営するペラ州サッカー協会(ペラ州FA)が今年11月までとなっているドゥラコビッチ監督との契約を双方合意の上で契約解除とするための話し合いを行なっていると報じています。活動制限令により禁止されていたMリーグ各クラブの練習が解禁された今月15日から話し合いは行われており、2月19日の練習をドゥラコビッチ監督が欠席したとも報じています。スターの記事では、昨季までチームマネージャーを務めたアドリー・シャー・アフマド・ター氏に代わり新たに就任した前PKNP(現ペラII)のマネージャーでもあるリザル・ナイザリが混乱の元凶だとしています。また、ドゥラコビッチ監督が今季も指揮を取ることを理由にペラに残留した主力選手が多いとして、もし契約解除となればチームの士気への影響は計り知れないとしています。
 またスポーツ専門サイトのスタジアムアストロはこの噂を報じる一方、ペラの運営委員会のカイルル・シャーリル・モハメド委員の話を掲載し、運営委員会は契約解除の話し合いが行われていることは知らされていないと話しており、ドゥラコビッチ監督は現在も監督としての仕事についており、2月15日の練習欠席は体調不良によるものだとリザル・ナイザリ マネージャーから知らされているとも話しています。
 またマレーシア語紙ブリタハリアンは、ペラから公式声明は出されていないとしながらも、後任に2019年にKLFA(現KLユナイテッド)の監督代行を務めたチョン・イーファット氏の名前が上がっていると報じています。
 2017年の就任以来、チームはMリーグで2017年5位、2018年2位、2019年5位、2020年4位、また2018年にはマレーシアカップ優勝、2019年にはFAカップ準優勝と安定した成績を残しているドゥラコビッチ監督は2014年から2015年までスランゴールの監督も務めており、その際にも2014年2位、2015年2位、2015年マレーシアカップ優勝を達成しています。

サッカー協会会長が首相を表敬訪問
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長がムヒディン・ヤシン首相を訪問し、国内サッカーの将来の計画について説明を行なったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 FAMのアブドル・ガニ・ハサン副会長やスチュアート・ラマリンガム事務局長を率いてムヒディン首相を官邸に訪問したハミディン会長は、新型コロナウィルスへの対応で忙しい時期に訪問の機会を与えられたことを感謝し、今後の代表チームの予定やMリーグが来月3月に開幕することを伝えたということです。その際には厳格な標準作業手順SOPに基づいて今季のMリーグを行うこと、そしてMリーグ開幕後も滞りなくリーグを続けていけるよう、できるだけ速やかにサッカー界でもワクチン接種を行いたい希望を伝えたということです。この他、連邦直轄地プトラジャヤに建設予定のFAMの新たな本部の計画についても話し合ったと報じられています。

JDTは契約したばかりの新外国籍選手をインディペンディテへ期限付き移籍
 Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTは今月2月8日に契約したばかりのFWジョナサン・エレーラを出身国であるアルゼンチン1部リーグのCAインデペンディエンテへ買取オプション付きで期限付き移籍させることをマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 タイ1部BGパトゥム・ユナイテッドへ移籍したFWジオゴ・サントスに代わるストリカーとして移籍金80万米ドル(およそ8430万円)を支払って獲得したエレーラ選手ですが、この選手を130万ドル(およそ1億3700万円)の買い取りオプション付きでCAインデペンディエンテに期限付き移籍させるということです。クラブからの公式発表はありませんが、ブリタハリアンはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のTMJことトゥンク・イブラヒム殿下が自身のインスタグラムで明かしたということで、「(CAインデペンディエンテからの)オファーが拒否できなかったのは、現時点ではトロフィーよりもお金の方がより必要である。これもビジネスの一環である」というTMJのコメントも掲載しています。
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 「トロフィーよりもお金が大事」とは言ってもモハマドゥ・スマレも獲得しており、またAFCチャンピオンズリーグが4月21日から5月7日までの集中開催となったこの期間はMリーグが試合が組まれておらず、チームを二つに分けるローテーションも不要になるなど、お金を手に入れる上にトロフィーも手に入れられる環境は整っています。

2月14日のニュース:サラワク・ユナイテッドはホームゲームを首都圏で開催希望、FAM会長選-無投票当選確実のハミディン会長続投か、ケランタンFCは3名の新外国籍選手と契約

サラワク・ユナイテッドはホームゲームを首都圏開催希望
 ホーム アウェイ フロム ホーム。Mリーグ2部のサラワク・ユナイテッドは東マレーシア(ボルネオ島)のサラワク州クチンに本拠地を持つクラブですが、今季のホームゲームを首都圏で開催することを希望していると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 サラワク州は新型コロナウィルスの「レッドゾーン」(過去2週間で累積感染患者40名以上の地域)が州内に複数あることから、現在、州外からの渡航者に対し14日間の検疫隔離を義務付けています。Mリーグの試合でサラワク州入りするクラブもこの検査隔離の例外ではなく、3月5日に迫る今季のMリーグ開幕前に状況が改善することも見込めないことから、サラワク州サッカー協会(サラワク州FA)のポサ・マジャイス会長は、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに今季のホームゲームを首都圏で開催する許可を求めたいと話しています。
 「Mリーグ開幕後も検疫隔離が義務付けられれば、アウェイチームはサラワク州へ来たがらない可能性がある一方で、サラワク州政府は州内にレッドゾーンがある限り、検疫隔離義務を撤廃することはない。このため今季のサラワク・ユナイテッドのホームゲームをクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州を合わせた首都圏の通称)で開催できるよう、MFLの支援を求めたい。」とポサ会長は話しています。
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 サラワク州クチンには、やはりMリーグ2部で鈴木雄太選手が在籍するクチンシティも本拠地を持っていますが、状況はサラワク・ユナイテッドと同じです。義務付けられている2週間の検疫隔離期間を含めると州外から遠征してくるチームは2週間以上前からサラワク州入りする必要があることになります。またサラワク・ユナイテッドやクチンシティがマレー半島遠征後にサラワク州へ戻る際にも同様の検疫隔離が必要になることから、サラワク・ユナイテッドの要望はリーグ運営の際の問題点を一つ解消してくれることにもなりそうです。

FAM会長選-無投票当選確実のハミディン会長続投か
 対抗馬なしは手腕に対する評価か。マレーシアサッカー協会FAMの理事会選挙は3月13日に予定されていますが、その際、同時に行われる予定の会長選挙では、2018年からFAM会長を務めるハミディン・アミン現会長の対立候補が指名されなかったようだとニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお、今回の理事会選挙は2021年から2025年までの任期の理事を決める選挙です。
 FAM理事会選挙は、FAM傘下の各州サッカー協会(全13州のサッカー協会と連邦直轄地クアラルンプールサッカー協会)とマレー系、中華系、インド系の各マレーシア人サッカー協会、マレーシア王立警察と国軍のサッカー協会、そしてサッカーコーチ協会の全20団体が指名する候補者から理事10名、会長代理2名、副会長1名、そして会長1名を選出するものです。
 会長選候補者となるためには6協会以上から、副会長選候補者は5協会から、会長代理選候補者は4協会から、そして理事選候補者は2協会からの推薦が必要となっていますが、推薦受付は2月11日に終了しており、今回の会長選では2期目を目指すことを宣言しているハミディン会長は、6協会以上からの推薦を受けた唯一の候補者ということです。また同じく続投を目指すモハマド・ユソフ・マハディ会長代理も候補者となるために必要な推薦を得ているとされています。しかしその一方で、やはり現職のスバハン・カマル会長代理については必要な推薦数が得られているかどうかについては不明ということです。
 なお最終候補者はマレーシア王立警察とマレーシア汚職防止委員会による審査を経た上で3月6日に発表されます。

ケランタンFCは3名の新外国籍選手と契約
 Mリーグ2部のケランタンFCは公式Facebook上で新たな外国籍選手3名との獲得を発表しています。
 ギリシャ出身のDFクリストス・インジディスは189cmのセンターバックで、昨季はルーマニア2部リーグのCSコンコルディア・キアジナでプレーしています。また英国出身のFWジャック・ヒンドルは昨季は英国4部のバローAFCでプレーしたストライカーです。さらに東南アジア(アセアンASEAN)枠ではFWナタナエル・シリンゴリンゴをインドネシア2部リーグのスルット・ユナイテッドから獲得しています。
 現在21歳のナタナエル選手は一昨年2019年の東南アジア大会通称シーゲームズのフィリピン大会に出場したインドネシアU23代表合宿に飛び級で招集されたものの最終メンバーには残れませんでしたが、今年2021年末にベトナムで開催されるシーゲームズに出場するインドネシアU23代表候補に再び選ばれています。
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 Mリーグ2部の外国籍枠は4名で、ケランタンFCはさらにスペイン出身の選手(ポジション不明)を獲得するという噂があります。
(下は左からナタナエル選手、ヒンドル選手、インジディズ選手の加入を知らせるケランタンFC公式Facebookの投稿)

2月8日のニュース:Mリーグクラブは練習再開可能か、本山雅志選手がマレーシア入国、ケランタンUに深井脩平選手加入で日本人トリオ結成、パハン州FAはFIFAの裁定に徹底抗戦の構え

Mリーグクラブは練習再開可能か
 今季のMリーグは3月5日に開幕が予定されていますが、サラワク州を除くマレーシア全土に施行中の活動制限令によりMリーグ各クラブはチーム練習が禁止されています。活動制限令は2月16日までの施行とされていますが、英字紙スター電子版は、来週からクラブ練習が許可される可能性があると報じています。
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは国内スポーツを監督する青年スポーツ省、国家スポーツ評議会、そして新型コロナウィルス対策を担う国家安全保障委員会との会談後に記者会見し、Mリーグ1部と2部のクラブについて、厳格が標準作業手順SOPを遵守することを条件に、早ければ来週中にも練習の許可が出されるだろうと話しています。
 現在は国家安全保障委員会の承認を待っている状態だと話すガニCEOは、これまでに渡り交渉を重ねてきた結果、練習許可が出される可能性は高いとし、3月5日今季の開幕を迎えられるよう、今後も努力していくとも話しています。
 「(2月26日から3月5日に延期された)今季のリーグ開幕がこれ以上遅れることになれば、プロサッカー産業に大きな影響が出る。MFLの試算では開幕が延期されれば、各クラブの損失の合計額は1ヶ月あたり少なくとも1900万リンギ(およそ4億9200万円)となる。」と話すガニCEOは、Mリーグのトランスファーウィンドウをリーグ開幕2週間前まで延長することもFIFAに申請中で、現在は承認待ちであることも明らかにしています。
 なお、2月5日に青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が、MFL、マレーシアホッケーリーグ、セパタクローリーグなどについて、厳格なSOPを伴う完全隔離形式での練習許可申請を国家安全保障委員会に提案しています。

本山雅志選手がマレーシア入国
 Mリーグ2部ケランタン・ユナイテッドは公式Facebook上で今季加入する元日本代表の本山雅志選手がマレーシアへ到着したことを発表しています。
 今後はマレーシア渡航者全員に義務付けられている7日間の検疫隔離期間を経たのち、クラブの本拠地であるケランタン州コタバル入りするということです。
(クアラルンプール国際空港に到着した本山選手と深井脩平選手-ケランタン・ユナイテッドの公式Facebookより)

ケランタン・ユナイテッドに深井脩平選手加入で日本人トリオ結成
 マレーシアの通信社ブルナマは、ケランタン・ユナイテッドの4人目の外国籍選手としてDF深井脩平選手を獲得したと報じています。Mリーグ2部の外国籍選手枠は4名で、これでケランタン・ユナイテッドの外国籍枠は全て埋まったことになります。
 ケランタン・ユナイテッドを運営するKUFC社のアナス・カリミ・アフマド・タニ専務取締役は、28歳の深井選手を守備的MFであると紹介し、同じ2部のクチンシティに移籍したアイルトン・アレマオに代わって獲得したと話し、埼玉出身の深井選手は大宮アルディージャユースから北陸大学、その後はいずれもJ3のブラウブリッツ秋田、いわてグルージャ盛岡でのプレー経験があると発表しています。
 ケランタン・ユナイテッドは上の記事でも取り上げた本山雅志選手、昨季はクチンシティでプレーしたMF谷川由来選手がおり、Mリーグ初となる同一チームで日本人選手が3名プレーすることになります。ケランタン・ユナイテッドにはこの他にガンビア出身のFWガッサマ・アルフセイニイが在籍し、昨季はクチンシティを指揮した日本人の東山晃監督が今季から指揮をとります。
(深井選手を紹介するケランタン・ユナイテッドの公式Facebook投稿)

パハン州FAはFIFAの裁定に徹底抗戦の構え
 昨季所属したモハマドゥ・スマレ選手への未払い給料120万米ドル(およそ1億2600万円)の支払いをパハン州サッカー協会(パハン州FA)に命じる裁定をFIFAが下したことは先日のこのブログでも取り上げましたが、パハン州FAはこの裁定について争う姿勢を見せています。
 スター電子版は前パハンFA(現スリ・パハンFC)のチームマネージャーで、現在はスリ・パハンFCのCEOを務めるスフィアン・アワン氏はFIFAからの裁定を受け取ったことを認めた上で、「この件は弁護士に任せるが、まず弁護士からFIFAに採決決定の根拠を問い合わせ、その後の行動を決定したい。スポーツ仲裁裁判所CASへ控訴するべきか、それ以外の方法もあるのかどうかも検討する。」と話しています。
 なおこの件について、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はスマレ選手とパハン州FAの問題であるとして、静観する姿勢を見せています。

2月7日のニュース:今月予定の代表合宿が中止に、ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意、FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる、前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約

今月予定の代表合宿が中止に
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は今月2月に予定されていた代表合宿が中止になったことを報じています。代表が最後に合宿を行ったのは2019年11月で、来月3月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控え、1年3ヶ月ぶりの代表合宿が予定されていました。
 タン・チェンホー監督は1月13日にサラワク州を除くマレーシア全土に施行された活動制限令MCOが2月16日まで延期になったことを受け、このMCO中は各選手が所属するクラブの練習が禁止されており、招集する選手の体調が万全でないことを合宿中止の理由に挙げています。
 「(10日間が予定されていた)代表合宿に自宅のみで練習している選手を招集しても、簡単にケガをする可能性があり、そうなれば誰にとっても利益にならない。」と話すタン監督はマレーシアサッカー協会FAMと話し合いの末、来月のFIFAマッチデー期間に短期の合宿を行う予定であることも明らかにしています。
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 この次の記事でも取り上げますが、W杯アジア二次予選が6月の集中開催となることが濃厚となったことで、この時期に無理して合宿を行う必要がなくなったことが大きな理由でしょう。しかし、3月のFIFAマッチデー期間は3日しかなく、新戦力を試す時間もないため、6月に再開されるW杯予選に向けての選手選考は来月開幕するMリーグでの調子を見て、ということになりそうです。

ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意
 ニューストレイトタイムズはこれまで態度を表明してこなかったベトナムサッカー協会VFFが現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の6月集中開催案を支持することを発表したと報じています。
 W杯アジア二次予選ではベトナム、マレーシア、タイ、アラブ首長国連邦UAE、インドネシアが予選G組に入っていますが、ベトナムを除く4カ国は既に6月の集中開催案に同意しており、ベトナムだけが態度を表明していませんでした。
 トラン・クオック・トゥアンVFF副会長は、アジアサッカー連盟AFCの決定を尊重し、また多くの国が新型コロナウィルス感染によって苦境にあるとし、W杯アジア二次予選の残り試合を集中開催で行うことに同意すると発表しています。なおG組の集中開催地はアラブ首長国連邦が濃厚ということです。

FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる
 FIFAはパハン州サッカー協会(パハン州FA)に対し、未払いとなっている120万米ドル(およそ1億2600万円)の給料をモハマド・スマレに支払うよう命じたと、ニューストレイトタイムズが報じています。
 パハン州FAが運営するパハンFA(現スリ・パハン)に昨季まで所属していたスマレ選手は、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中の昨年8月に未払い給料を理由にチームを離れ、タイ1部ポリス・テロFCに電撃移籍していました。
 今回のFIFAによる支払裁定は、スマレ選手からFIFAに持ち込まれた未払い給料に関する訴えについて裁定を下した結果です。
 ニューストレイトタイムズは、スマレ選手とパハンFAの間で1年ごとに5000米ドルの昇給が取り決められていた一方で、スマレ選手は2017年のパハンFA加入後は一度も昇給していないと主張していることも報じています。なおFIFAが算定した120万米ドルは昇給予定分の総額と2020年および2021年の契約違反の罰金の総額だとし、この金額はFIFAの裁定によりMリーグの選手が受け取った金額としては、ケランタンFA(現ケランタンFC)がやはりかつて所属したカッシオ・デ・ジェズスに支払った62万9620リンギ(およそ1630万円)を超える過去最高金額だということです。
 なおこの裁定を受け、パハン州FAは45日以内にスマレ選手に120万米ドルを支払うか、10日以内にスポーツ仲裁裁判所CASに控訴することが可能で、いずれかの対応を行わない場合、パハン州FAはFリーグでの勝点剥奪や新たな選手獲得の禁止などの処分がFIFAにより課されるということです。

前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約
 昨季2020年シーズンはスランゴールでプレーしたDFニコラス・スウィラッドがタイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCと契約したことを英字紙スター電子版が報じています。
 29歳のスウィラッド選手は英国マンチェスター出身ですが、マレーシア人の母親を持つことからマレーシアの国籍取得後に帰化選手として2016年のJDT II加入以降、マラッカ・ユナイテッド、PKNSなどでもプレーしています。
 スウィラッド選手が加入するノーンブワ・ピッチャヤFCは現在、タイ2部リーグで14勝5分0敗、勝点47の成績で2位に勝点8差をつけて首位を快走しています。
 「(かつてJDT IIでチームメートだった同じく英国出身の帰化選手)ダニエル・ティングと今季はKLユナイテッドでプレーできると思っていたが、KLユナイテッドはレフトバックの選手を探していて実現しなかった。そんな時にノーンブアからの獲得オファーを受け、そこで早速、テイラー(リガン、サラワク・ユナイテッド)やブレンダン(ガン、スランゴール)、パトリック(ライヒェルト、タイ1部スパンブリーFC-かつてマラッカ・ユナイテッドでチームメート)らに相談し、タイ移籍を勧められた。」
 「ノーンブアは何もないところでバンコクからは8時間ほど離れているが、サッカーするには良い環境だと聞いているので、チャレンジすることを選んだ。」と話すスウィラッド選手は、この移籍が今後の代表チーム招集につながることも期待しているとも話しています。
 スウィラッド選手の移籍で、現在、タイでプレーするマレーシア人選手はドミニク・タン(ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC)に続き3人目となりました。