10月2日のニュース:JDTは優勝がかかるホーム最終戦でパブリックビューイング開催、クダFA対マラッカUの試合はマラッカUの自宅隔離措置を受け日程変更、スズキカップにベストメンバー招集は困難-タン代表監督、民営化後のクダFAの名称はダルルアマンFCに決定

JDTは優勝がかかるホーム最終戦でパブリックビューイング開催
 Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTは今節第10節で勝点1を獲得すれば今季2020年シーズンの優勝とリーグ7連覇が決定しますが、本日10月2日にJDTのホーム、スルタン・イブラヒムスタジアムで行われる第10節の対サバFA戦で、ドライブインシアターならぬドライブインパブリックビューイングが開催されることがJDTの公式Facebookで告知されています。
 新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、今季のMリーグ1部と2部の試合は無観客で開催されており、サポーターはスタジアム内で観戦することができません。
 告知ではJDTのシーズンパス保有者650名に加え、一般のサポーター先着1500名に無料のドライブインパブリックビューイング参加用パスが配布されるということです。
 そしてこのパスを持参してスルタン・イブラヒムスタジアムに車で乗りつければ、スタジアム外に設置される大型スクリーンでライブ中継を観戦できるということで、試合後には花火などのアトラクションも用意されているということです。
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 今季ホーム最終戦でもあり、現在、リーグ11位のサバFAとの対戦ということで勝点1どころか圧倒的な勝利を収めてサポーターの前で優勝を決め、一緒にそれを祝いたいというところでしょうか。なおJDTの公式Facebookでは、本日のパブリックビューイングの予想映像も投稿されています。

クダFA対マラッカUの試合はマラッカUの自宅隔離措置を受け日程変更
 Mリーグ1部今節第10節のクダFA対マラッカ・ユナイテッドFCの試合が本日10月2日から10月4日に変更されることが、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLの公式Facebookで告知されています。
 前節第9節の対サバFA戦を9月27日にサバ州コタキナバルで戦ったマラッカ・ユナイテッドFCは、新型コロナウィルスのクラスターが複数発生したサバ州からの渡航者全員に感染検査と検査結果が出るまでの自宅隔離をマレーシア政府が義務付ける方針を打ち出したことから、遠征から戻った後も練習ができない状況が続いており、MFLに対して日程変更を希望していました。
 MFLはこれを受け、対戦相手のクダFAの同意を得た上で日程変更を決定した経過を報告しています。

スズキカップにベストメンバー招集は困難-タン代表監督
 今年開催予定だった東南アジアサッカー連盟選手権AFFスズキカップは、来年2021年4月11開幕となったことは昨日のこのブログで紹介しましたが、FIFAが定める国際マッチデー期間ではない時期に開催されることから、大会に参加するマレーシア代表にはベストメンバーが招集できない可能性が指摘されています。
 国際マッチーで期間でなければ、Mリーグの各クラブは選手の招集に応じる義務が生じないことから、代表のタン・チェンホー監督は代表チームに有力選手が招集できない可能性を認めた上で、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLと対策を協議したいと、スポーツ専門サイトのアストロアリーナに話しています。
 「Mリーグが開催中であれば、各クラブの監督が主力選手を代表に合流させず、次チームの試合に出場させたいことは理解できるが、その一方で代表はスズキカップに出場して試合をする必要がある。そこで具体的ない方法はまだ決まっていないが、クラブと代表の双方にとって利点があるような方法をFAMと検討していきたい。」とタン監督は話しています。
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 前回2019年大会では決勝に進むもベトナムに敗れて準優勝に終わったマレーシアにとって、次回2021年大会では雪辱を期する大会となりますが、ここ数年ではベストメンバーと言われる布陣で大会に臨みながら、準決勝のタイには辛勝、決勝のベトナムにはスコア以上の差を見せつけられて敗れているだけに、どのようなメンバーで代表が構成されるのかで前回大会を大きく下回る結果にするなる可能性があります。

民営化後のクダFAの名称はダルルアマンFCに決定
 一昨日の9月30日が期限となっていたMリーグ1部と2部のクラブの民営化ですが、民営化ととなれば、州FAが運営しているクラブのうち、州FAの名称をそのまま流用しているクラブは新たな名称を使う必要があります。そんな中、クダFAは新たなクラブ名としてダルルアマンFCを選んだことが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロで報じられています。
 クダ州の正式名称がクダ・ダルル・アマン(ダルル・アマンは「平和な場所」とでも訳せるでしょうか」)であることから、新たなクラブ名がダルルアマンFCとなったようです。
 クダ州首相でもあるクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長はこの名前が選ばれた理由として、別に候補として上がっていたクダFCが省略されるとKFCとなり、ケンタッキーフライドチキンKFCと同じ名称となることを避けたかったという冗談とも本気とも取れる理由を披露したということです。

10月1日のニュース:スマレがいよいよタイへ出発、州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督、今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕

スマレがいよいよタイへ出発
 Mリーグ1部のパハンFAを離脱し、タイ1部リーグのポリス・テロFCと契約したムハマドゥ・スマレがいよいよタイ入りしました。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、スマレ選手は9月29日にクアラルンプール国際空港からバンコク行きの便に搭乗したということです。
 スマレ選手は出国前にメディアと会見し「タイリーグは自分にとっては未知の経験だが、失うものは何もない。タイでプレーをすることでより良い選手になることが自分の目的であり、自分がどこまでやれるかに挑戦したい。」と話し、今回の移籍が期限付き移籍ではなく、フリーエージェントとして移籍することを強調する一方で、前所属のパハンFAに関する質問には答えなかったようです。
 ポリス・テロFCとは6ヶ月契約を結んだことを明かしたスマレ選手は、今季の大リーグが閉幕する来年5月まで対でプレーする可能性もあると話し、移籍先にタイのクラブを選んだ理由として、パハンFAを離脱した時期がMリーグの移籍期間でなかったことを挙げています。
 なおスマレ選手が加入するポリス・テロFCには同じ代表選手のドミニク・タンが在籍していますが、タン選手とは仲が良いということで、タイでは世話になるだろうと話しているということですが、タイ入国後はタイ政府指定の検疫隔離施設で14日間を過ごした後、クラブに合流する予定ということです。

州FA内には信用できない人々がいた-サティアナタン前スランゴールFC監督
 Mリーグ1部スランゴールFCの監督職を9月21日に解任されたサティアナタン・バスカラン前監督は、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)には信用できない人々がいたと話しています。
 9月19日のMリーグ第8節の対ジョホール・ダルル・タジムJDT戦で6-1と大敗し、その2日後に解任されたサティアナタン前監督が当地の人気サッカー番組「ボラ@ママッ」に出演し、州FA内でも一部の人間しか知り得ない情報が外部に漏れていたと話しています。
 「(スランゴール州FA会長の)スランゴール州皇太子テンク・アミール・シャー 殿下からは契約が切れる4ヶ月前に、契約は更新しないことを伝えられていた。本来ならば1ヶ月前に伝えられるべきだったが、早めに伝えられたので、自分はそれを受け入れる一方で、殿下には他に誰が自分の契約について知っているかをお尋ねした。殿下はスランゴール州FAの数名が知るだけだと仰ったが、実際にはその2日後には選手全員が自分は来季はスランゴールFCno監督ではないことを知っていた。」
 「私の契約が更新されないことを選手に漏らした州FA内の人間は、私をできるだけ早く取り除きたかったのだろう。私が来季の監督でないことを知った選手が私に対してやる気を見せる必要がないのは当然である。いくら私にアピールしても何も得るものはない選手を責めることはできない。」
 またサティアナタン前監督は、スランゴール州FAの経営陣が現場にも介入してきたことを非難しています。
 「(インド系の)DFプラバカラン・カナンダサンが出場するたびに、スランゴールFCサポーターから人種差別的なヤジを受けて萎縮してしまっていたことから、経営陣には彼に代わる左サイドのディフェンダー獲得を依頼したが、監督の私よりもサッカーをよく理解していると自負する経営陣の背広組に拒否された。私は諦めたが、突如その背広組から許可が出たが、獲得したかった選手は既に他のクラブに加入していた。」
 「2019年3月以来、深刻な怪我で苦しんでいたルフィノ・セゴヴィアに代わる選手の獲得を依頼した際も拒絶された際には、サポーターからなぜ代わりのストライカーを獲得しないのかと聞かれ、スランゴール州FAにはその資金がないと答えたが、その発言を経営陣に咎められた。選手としては期待できないので、(Bチームの)スランゴール2でセゴヴィア選手をプレーさせるように頼んだが、セゴヴィア選手をBチームに落とせば、トップチームは代わりのストライカーが必要になるが、その資金がないので、トップチームに置いておくように言われ、結局、ストライカーは(イフェダヨ・オルセグン)一人で戦わねばならなかった。」とこれまで溜まっていたであろう不満をぶちまけています。
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 スランゴール州FAの経営陣に対しては、JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下も、自身の売名行為のためにサッカーを利用している輩がいるといった批判を繰り返しています。これまでマレーシアサッカーの盟主として君臨してきたスランゴールFCとスランゴール州FAが今後どこへ向かっているのか、サポーターの1人として注目していきたいと思います。

今年開催予定だったスズキカップは来年4月11日開幕
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップは隔年で開催されており、今年2020年が第13回大会開催予定の年でしたが、AFFはこの第13回大会が来年2021年4月11日から5月8日の日程で行われることを公式サイトで発表しています。
 今年2020年11月23日から12月31日までの予定で開催が予定されていたスズキカップですが、新型コロナウィルス感染拡大が続く中、新たな日程が発表になっています。
 大会形式は従来通り、一回戦からホームアンドアウェイで行われりということですが、実際には大会開催時の新型コロナウィルスの状況次第となっています。
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 一時は感染者がほとんど出なかったベトナムでの一国開催案も、その後の感染者数急増で立ち消えとなり、大会規模を縮小して年内開催となっていましたが、結局、年内開催は不可能でした。ただしW杯予選やAFC選手権の予選も来年に延期になっており、来年の代表チームの年間予定はかなり過密になりそうですが、そもそも予定されている時期までに新型コロナウィルスの感染状況がどうなっているかで、さらなる日程変更も十分あり得ます。

9月28日のニュース:ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表、ケランタンFCはTDとコーチを公募、タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド

ケランタンFCの新オーナーが練習施設建設予定を公表
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、ケランタンFCの新オーナーとなったノリザム・トゥキマン氏はケランタンFCの新たな総合練習施設の建設予定があることを明らかにしています。
 この練習施設には500万から1000万リンギ(およそ1億2600万から2億5300万円)の予算を割り当てるとし、ケランタン州の州都であるコタバル市内も含めた3か所が建設候補地として既に選ばれており、更衣室や休憩室、食堂といった設備を備える他、FIFAが設けた基準に沿った芝を植える予定もあるということです。
 胸スポンサーが更新された新ユニフォーム発表の席で貴社の質問に答えたノリザムオーナーは、ケランタン州のサッカーにかつての栄光を取り戻し、選手の競争力を高めるために、日本のクラブを含めた様々なクラブと練習試合を行いたいとも話しています。
 また今季についてはMリーグ終了後に開催されるマレーシアカップでトップ5に入ることを目指していると話したノリザムオーナーは、2025年までにはMリーグクラブ初のマレーシア証券取引所への上場も目指しているとも話しています。

新ユニフォーム発表に臨んだノリザムオーナー(中央)と新しいユニフォームを着用したケランタンFCの選手たち。胸スポンサーはノリザム氏が経営するZamburgerとなっています。-ケランタンFCの公式Facebookより

ケランタンFCはTDとコーチを公募
 またケランタンFCはこうしきFacebook上でテクニカルディレクターとコーチの公募も行っています。
 9月27日にアップされたポストでは、経験のあるテクニカルディレクターとコーチを求めているとし、その条件が書かれた書類も同時に掲載されています。興味深いのはこれが全て英語で書かれている点です。ケランタンFC公式Facebookの他の投稿はマレーシア語表記のみですが、この告知では英語が使われていることから、その本気度も伝わってきます。
 連絡先なども書かれていますので、海外での指導者を目指す日本人コーチの皆さん、いかがでしょうか。

テクニカルディレクターとコーチ募集を伝える告知-ケランタンFC公式Facebook

タイ1部リーグ第7節-ドミニク・タンはフル出場も痛恨のハンド
 タイ1部リーグの第7節が行われ、ポリス・テロFCに所属するマレーシア代表のドミニク・タンは2試合連続で先発し、フル出場しています。
 9月26日(土)に行われた試合はホームのブンヤジンダースタジアムにチョンブリーFCを迎えて行われました。
 2試合連続の先発となったタン選手は、28分に自陣のペナルティーエリア内で相手FWヘリオン・カイオンと競りますが、カイオン選手が蹴ったボールがタン選手の手に当たり痛恨のPKを与えてしまいます。これをカイオン選手自ら決めてチョンブリーFCが先制します。その後、ポリス・テロFCは63分に同点に追いついたものの、チョンブリーFCがその直後の65分に再びゴールを決め、そのまま2-1で逃げ切りました。(詳しくは下のハイライト映像でどうぞ。)
 なおタン選手はPKを与えた後も出場し続け、2試合連続でフル出場しています。
 またBGパトゥム・ユナイテッドに所属する同じ代表選手のノーシャルル・イドラ・タラハは2試合連続でベンチ入りしたものの、前節に続き出場はありませんでした。
 タイ1部リーグは、第7節を終えてBGパトゥム・ユナイテッドが5勝1分の勝点16で首位、ポリス・テロFCは4勝1分2敗の7位となっています。なお、BGパトゥム・ユナイテッドは9月13日に予定されていた第5節のブリーラム・ユナイテッド戦がブリーラム・ユナイテッドの選手にシンガ方コロナウィルス感染者が出たことから延期されています。

ポリス・テロFC対チョンブリーFC戦ハイライト-ポリス・テロの公式Youtubeチャンネルより

9月23日のニュース:低迷するスランゴールFCが監督解任、スマレは来季スランゴールFC入りか、タイ1部リーグ第6節-ポリス・テロFCのドミニク・タンは今季初のフル出場

低迷するスランゴールFCが監督解任
 Mリーグ1部第8節を終えて7位と低迷するスランゴールFCは、9月21日にサティアナタン・バスカラン監督を解任しています。9月19日に行われたMリーグ第8節でジョホール・ダルル・タジムJDTに1-6と粉砕されたスランゴールFCは、その大敗から2日も経たないうちに解任を発表しています。
 新型コロナウィルスにより中断されていたMリーグが8月28日に再開されて以降、スランゴールFCは1勝2分と上位進出のきっかけをつかめませんでした。そんなチーム状態で臨んだJDT戦で大敗したことで解任となった可能性があります。
 スランゴールFCの監督に就任した昨季2019年シーズンはリーグ3位とは言え、首位のJDTとは勝点差16をつけられ、マレーシアカップでは準決勝でJDTに、FAカップでは3回戦でフェルダ・ユナイテッドFCにそれぞれ破れるなど、サティアナタン監督は在任中は目立った結果は残せていませんでした。
 またスランゴールFCのレジェンドプレーヤーのアムリ・ヤハヤ(現サラワク・ユナイテッドFC)と対立して退団を余儀なくさせたことや、ライバルJDTとスランゴールFCの選手の質や選手層の差などを嘆く発言も多かったことから、一部のサポーターからは敗戦に対して自身の責任を認めず、言い訳ばかりが多いと批判されることも少なくありませんでした。
 9月21日の朝に解任が伝えられ、その日の午後に予定されていた練習で選手に挨拶することが許されなかったと話すサティアナタン監督は、マレーシアカップも含めた今季の残り試合で采配を振るえなかったことだけが残念だと話し、残り3試合となったリーグ戦の残り全勝とマレーシアカップでのチームの検討を期待しているとメディアに向けて話しています。
 なおスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASは、暫定監督としてスランゴールFCのBチームであるMリーグ2部のスランゴール2のマイケル・ファイヒテンバイナー監督が就任することを発表しています。
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 2017年にはフェルダ・ユナイテッドFCの監督として1部スーパーリーグ3位、翌年にはクラブライセンス問題で2部プレミアリーグに降格になったチームを1年でスーパーリーグ復帰させた後のスランゴールFC監督就任ということもあり、期待されていた分だけサポーターの失望も大きかったかも知れません。歯に衣着せぬ物言いで、選手やサポーターと衝突することも多かったサティアナタン監督ですが、結果が出なかったことで窮地に追い込まれてしまった様です。
 またFASは、例え今季優勝してもサティアナタン監督退任が既定路線だったことを明かしていますが、個人的には、スランゴールFCのBチーム、スランゴール2など若い選手を鍛え上げ、さらに強烈なプロ意識を教えることができる様な環境でまた監督をしてもらいたいですが、さすがにこの状況ではスランゴール復帰はないだろうなぁ。

スマレは来季スランゴールFC入りか
 Mリーグ1部が中断中に所属するパハンFAを離れ、タイ1部リーグのポリス・テロFCとの契約を明らかにしたモハマドゥ・スマレには、今季残りはタイでプレーするものの、来季はJDT入りと噂されていましたが、実際にはスランゴールFC入りが濃厚な様です。
 これが明らかになったのはJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下のインスタグラム投稿からでした。マレーシア語紙ブリタハリアン電子版では、イスマイル殿下が公開した自身のインスタグラムのスクリーンショットを掲載していますが、その中ではスマレ選手とスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FAS幹部(FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長とされています)との生々しいやりとりを公開しています。(以下は公開されているイスマイル殿下のインスタグラム上のスマレ選手とFAS幹部のwhatsappチャットのスクリーンショット)

公開されたやり取りに加えて、イスマイル殿下はFASがスマレ選手に月給1万7000US米ドル(およそ178万円)の3年契約と違約金300万リンギ(およそ7620万円)の契約解除条項を提示したと明かしていますが、公開されたやり取りの中でスマレ選手が2万US米ドル(およそ210万円)を求める様子なども見ることができます。
 さらにこれに関しては続報がブリタハリアン電子版に掲載されており、そこではFASのハミドン事務局長がスマレ選手へのオファーを認めた上で、そのオファーはマレーシアサッカー協会FAMに可否を確認した上で行ったものであり、スランゴールFCによるオファーがスマレ選手のパハンFA離脱を促したものであるという批判に反論しています。
 またJDTオーナーのイスマイル殿下が明らかにした、FASによるスマレ選手へのオファーは月額1万7000米ドルであることも、ハミドン局長は正しいと認めた上で、このオファーを受けるかどうかはスマレ選手次第であると話しています。
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 このスマレ選手関連では、スマレ選手との契約が2022年まで残っていると主張するパハンFAがFAMの対応の遅さを非難し、この件をマレーシア国内のスポーツ裁判所へ持ち込むともしており、泥仕合が長期化しそうです。

ポリス・テロFCのドミニク・タンは今季初のフル出場
 9月19日に開催されたタイ1部リーグ第6節では、ポリス・テロFCに在籍するドミニク・タンがラーチャブリー・ミトポンFC戦で移籍後初のスタメン出場し、しかもフル出場を果たしています。試合はポリス・テロFCが終了間際にラーチャブリー・ミトポンFCに追いつかれて1-1で引き分けています。
 今季はここまで後半終盤からの途中出場が続いていたタン選手ですが、初のスタメン出場を勝ち取り、韓国出身のクォン・ダエヒーとともにコンビを組みましたがインジャリータイムでの失点を許しています。
(以下はポリス・テロFC対ラーチャブリー・ミトポンFCのハイライト映像-ポリス・テロFCのYoutubeチャンネルより)

 また同じ1部リーグのBGパトゥム・ユナイテッドのノーシャルル・イドラン・タラハはベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。
 なおBGパトゥム・ユナイテッドは、来季2021年AFCチャンピオンズリーグ出場に向けて、現在、Jリーグ清水でプレーするティーラシン・デーンダーを12月末に開くトランスファーウインドウ期間中に完全移籍で獲得するという噂が出ています。清水では絶対的なレギュラーポジションが獲得できていないティーラシン選手がBGパトゥム・ユナイテッドに移籍すれば、FWが飽和状態になり、そうでなくとも出場機会が少ないノーシャルル選手は1年契約ということもあり放出される選手の最右翼となりそうです。

7月29日のニュース:AFF選手権スズキカップは来年まで延期の可能性が浮上、JDTオーナーはサラリーキャップに否定的

AFF選手権スズキカップは来年まで延期の可能性が浮上
 サッカー専門サイトヴォケットはベトナムからの報道として、今年の開催が予定されているアセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップが来年まで延期となる可能性を報じています。
 ベトナムのトゥオイチェー電子版による報道では、AFFがオンラインによる臨時会合を開き、議長を務めたAFFのキエフ・サメト会長(カンボジア)が今年11月開催予定のスズキカップ延期についての議題を提案したということです。
 会合では、参加した多くの出席者が、新型コロナウィルスは今後も続く可能性があり、11月にスズキカップを開催すればその影響を受ける可能性があることを懸念していたということです。
 さらに複数の出席者が、新型コロナウィルスの感染が収まることを見越しつつ2021年までの延期を提案したということですが、AFFのトラン・コック・トゥアン副会長(ベトナム)は、2021年は東京オリンピックやインドネシアでのU20W杯など大きな大会が目白押しで、ファンの関心がそういった大会に向いてしまうことを危惧し、今年の開催を主張したということです。
 これについてトラン・コック・トゥアンAFF副会長は、スズキカップが延期されるか否については今後も検討を続けると話しており、7月30日の次回のオンライン会合でも引き続き話し合われるということです。

JDTオーナーはサラリーキャップに否定的
 予算を超えて給与が高額の選手との契約を交わすなど身の丈に合わない経営を行った結果、未払い給料問題を抱えるクラブが複数存在するMリーグでは、各クラブが給与に上限を設けるサラリーキャップ制度の導入がたびたび話題になりますが、Mリーグ1部で6連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーは真っ向からこれに反対していると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は自身のツイッターに投稿し、最も重要なことはサラリーキャップ制度ではなく、クラブを運営する州サッカー協会(州FA)の運営能力であるとしています。
 「選手には給料の上限は必要ない。選手を雇用する州協会が自らの支出を抑制する必要がある。それができない州FAの担当者はクラブ運営に関わるべきではない。」とするイスマイル殿下の投稿は、数日前にスランゴール州FAのジョハン・カマル・ハミドン事務局長がMリーグはサラリーキャップ制度を導入するべきだと対案したことへの反論とみなされています。
 サラリーキャップ制度については、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・モハマド・アミン会長がその導入に対して慎重な姿勢を表明している他、マレーシアプロサッカー選手会PFAMの会長でMリーグ1部のPJシティFCに所属するサフィ・サリーもサラリーキャップ制度導入に反対を表明しています。
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 昨日のブログでは、総額が1060万リンギ(およそ2億6200万円)にわたる未払い給料を昨年から抱えていたクダ州サッカー協会KFAに対して、新たにクダ州の州首相に就任し、KFAの会長にも就任したムハマド・サヌシ・ノーKFA会長が、これまでクダFAが頼りにしてきたクダ州政府の予算を未払い給料問題解決のためには使わないと明言しています。これに似た状況はクダFA以外でも見られることから、Mリーグ各クラブに予算内での選手獲得を促すための措置としてサラリーキャップ制度が検討されています。

7月16日のニュース:JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人、代表監督は8月のリーグ再開を希望、U19監督は新戦力にも期待

JDTのソーシャルメディアのフォロワー数は360万人
 Mリーグ1部ジョホール・ダルル・タジムJDTは公式Facebook上で、主要ソーシャルメディア上でのフォロワー数がMリーグで最多であることと発表しています。
 この発表によれば、JDTの公式Facebookページはおよそ250万人のフォロワーが、公式インスタグラムはおよそ90万人のフォロワーが、そして公式ツイッターはおよそ21万7000人のフォロワーがおり、合計でおよそ360万人のフォロワーがいるとしています。
 一方他のMリーグクラブについては、クダFAがおよそ90万2000人、スランゴールFCが50万5000人、そしてペラTBGが18万人のフォロワーを抱え、JDTに続いているとしています。
 またJDTのフォロワー数はマレーシア国内だけでなく、東南アジアでもトップクラスだとしており、インドネシアのプルシブ・バンドンの1490万人、プルシジャ・ジャカルタの660万人には劣るものの、タイのムアントン・ユナイテッドの260万人、ブリーラム・ユナイテッドの210万人やフィリピンのセレス・ネグロスFCの6万5000人、シンガポールのライオン・シティ・セーラーズFC(旧ホーム・ユナイテッドFC)の2万6000人より多くのフォロワーを持っているとしています。
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 ソースがないのでJDT以外のクラブのフォロワー数については、非公式なデータの可能性もありますが、それでも人口がおよそ2億6800万人のインドネシア、およそ1億70万人のフィリピン、6980万人のタイなどに比べ、人口がおよそ3200万人しかいないマレーシアのクラブながらこのフォロワー数の獲得は立派です。
 斯く言う私自身もJDTのソーシャルメディアのフォロワーの一人なのですが、JDTのソーシャルメディアが気に入っている点は、ページがマレーシア語と英語の2つの言語で書かれていることです。英語でも情報が得られるということでマレーシア国外にも一定数のフォロワーがいる可能性もあります。
(下はJDTの公式Facebookぺーじより)

代表監督は8月のリーグ再開を希望
 マレーシア政府はサッカーなど身体接触を含む競技の試合実施を8月15日から解禁とすることを発表していますが、国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、慎重な姿勢から当初の予定通り9月1日からのリーグ再開の可能性をほのめかしています。
 これに対してマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、リーグ再開を必要以上に遅らせることは、10月からのW杯予選を控えるフル代表にとっては好ましくないと述べていると、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 再開日程についてMFLからはまだ公式な発表はないものの、多くのクラブが予定通り9月1日のリーグ再開を望んでいる一方で、リーグ再開が早まることで、収入が得られる時期も早まることから8月15日の再開を望んでいるクラブもあると、ニューストレイトタイムズは報じています。
 MFLやMリーグ各クラブの思惑とは別に、代表のタン監督はFIFAカレンダーで規定されている10月5日から13日の間で代表強化合宿を予定していることから、リーグ再開が早まれば3月半ば以降、実戦から遠ざかっている選手たちが自信や試合勘などを取り戻すことに使える時間が増え、それが代表チームにとっても好影響となると話しています。その一方で9月1日からの再開となれば各クラブは4週間で7試合から8試合を消化する日程となり、選手が疲労などからケガをする可能性が高くなることを心配しているとも述べています。
 この他にタン監督は、特に9月1日にリーグ再開となった場合、W杯予選前の実践は10月2日に予定されているバーレーン戦のみとし、Mリーグのクラブとの練習試合などは検討していないとしています。

U19監督は

U 19監督は新戦力にも期待
 10月に開催予定のアジアサッカー連盟AFC U19選手権は、開催地となるウズベキスタンで新型コロナウィルス感染者数が増加したことから、全国的なロックダウンが8月1日まで行われることが発表になっています。これが長引くことがあれば、U19選手権の開催も危ぶまれますが、このU19選手権に出場するマレーシアU19代表はそんな状況を気にせず、現在、強化合宿を開催中です。
 U19代表監督でオーストラリア出身のブラッド・マロニー監督は、7月6日から始まっている今回の合宿に初参加となるアダム・ナズミ・ザムリとザクリー・ライフ・ガジー・ヨーの両選手に注目していると、ニューストレイトタイムズの取材に答えています。
 初参加ながらコーチ陣の目に止まったというアダム選手はタイのプーケットにあるインターナショナルスクールに併設し、ブラジルのクルゼイロECが運営するアカデミー出身、またザクリー選手はイギリス中部レスターシャー州にあるブルックカレッジに併設するアカデミーの出身で、マレーシア国内のクラブ出身者や国家サッカー選手養成プロジェクトNFDP出身者が大半を占めるU19代表候補の中では異色の存在です。
 マロニー監督は、国外から参加の二人は既にチームに溶け込んでおり、その高い技術やサッカー選手としての質の高さは他の選手との良い意味での競争心を生み出していると話し、これにアメリカから参加し、今日7月16日には2週間の隔離が終わって練習参加が可能となるワン・クズリ・ワン・アーマド・カマルが加わることで、U19代表候補は最終選考へ向けてより高いレベルで競争できると話しています。

7月4日のニュース:代表はW杯予選前にバーレーンと練習試合実施、FIFAからの支給金は各州FAには分配されず、マレーシア人マネージャーが明かすヤンゴンU成功の秘密

代表はW杯予選前にバーレーンと練習試合実施
 今年3月に予定されながら、新型コロナウィルス感染拡大により延期となり、その後は実施が危ぶまれていたバーレーンとの練習試合が行われることになったとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 10月2日に予定されているマナマでのアウェイマッチでは、最新のFIFAランキングで99位のバーレーンに同154位のマレーシアが挑むかたちですが、10月8日にやはりアウェイマッチとなるW杯予選のアラブ首長国連邦戦が控えるマレーシアにとっては、格好の腕試しとなるでしょう。
 代表のタン・チェンホー監督は、このバーレーン戦をUAE戦を控える代表にとって中東のプレースタイルと気候に慣れるための貴重な機会だと話しています。
 マレーシア代表はW杯アジア二次予選のグループDで現在、2位に付けており、残るUAE戦(10月8日)、ベトナム戦(10月13日ホーム)、タイ戦(11月17日アウェイ)の結果次第では、W杯三次予選への進出は難しくとも、開催国枠で出場した2007年以来のアジアカップ出場権獲得が期待されています。

FIFAからの支給金は各州FAには分配されず
 国際サッカー連盟FIFAから新型コロナウイルス感染による財政難への取り組みを手助けするために、マレーシアサッカー協会FAMに対して支給された150万米ドル(およそ1億6100万円)について、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、Mリーグクラブや、クラブを運営する各州FAに分配する予定はないことを明らかにしています。
 スチュアート事務局長がマレー語紙ブリタハリアンに語ったところによると、この支給金は新型コロナウイルス感染症の大流行で影響を受けたサッカーコミュニティーを手助けする救済が目的であり、未払い給料問題を抱えるクラブを支援することはFIFAの指針に反するものであるとして、剰余金が出た場合でもクラブへの分配は行わないとしています。
 6月29日にアジアサッカー連盟AFCのウインザー・ジョン事務局長は、FIFAが各国FAに対して150万米ドルを支給することを明らかにしており、スチュアートFAM事務局長の発言は、このAFCからの告知を受けて支援を求める可能性がある州FAに釘を刺すためのものと考えられています。

マレーシア人マネージャーが明かすヤンゴンU成功の秘密
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、ミャンマー1部リーグのヤンゴン・ユナイテッドFCのスポーツマネージャーを務めるマレーシア人のカイルル・アヌアル・アズミ氏とのインタビュー掲載し、ヤンゴン・ユナイテッドFCのビジネスモデルとその成功を紹介しています。
 2018年から現在の職についているカイルル・アヌアル氏によると、ヤンゴン・ユナイテッドFCはクラブ所有の施設が生み出す収入のおかげで、スポンサー代や広告料、入場料収入、グッズの売り上げといった収入に依存せずに運営ができていると話しています。
 ヤンゴン・ユナイテッドFCは4面の屋外フットサルコート、1面の屋内フットサルコート、バスケットボールコート、ジム、プール、バドミントンコートなどを所有し、これらを一般に開放して収入を得ている他、さらに所有する多目的ホールでは企業のイベントやディナーパーティー、そして結婚式の会場としても貸し出されているそうです。
 またサッカーアカデミー やスイミングスクールも併設されているということで、収入だけでなく地域社会のスポーツ文化育成などにも一役買っており、カイルル・アヌアル氏によれば、スポーツ施設を含めた施設の貸し出しで一月あたり15万リンギカラ17万リンギ(およそ376万円から426万円)の収入があるということです。
 今季もAFCカップに出場しているヤンゴン・ユナイテッドFCは、2013年からは横浜F・マリノスともパートナーシップ提携を行っているということです。
 この記事は、Mリーグのクラブもヤンゴン・ユナイテッドFCを見習って、より大きな視点でサッカークラブを運営するべきだと締めくくっています。
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 下はヤンゴン・ユナイテッドFCが所有するスポーツ施設の紹介映像ですが、これを見る限りでは総合スポーツ施設という感じで、ヨーロッパのスポーツクラブがモデルになっているような感じです。Mリーグのクラブは州政府の予算頼りのクラブが大半で、サッカークラブがビジネスとして成功するためには、公金に頼らないクラブ運営から始めなければなりませんが、その道はまだまだ遠そうです。

6月21日のニュース:U19代表はAFC選手権前に国外遠征実施か、今年のスズキカップは前回同様のホームアンドアウェイ形式で開催、UAEの国内リーグの今季中止が決定

U19代表はAFC選手権前に国外遠征実施か
 マレーシアの通信社ブルナマは10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表が、大会前に国外での練習試合を行う可能性を報じています。トルコでの4カ国対抗大会に出場する可能性を報じています。
 チームマネージャーのカマルル・アルフィン・モハマド氏はトルコのアンタルヤで開催される4カ国対抗大会への招待を受けていることを明かしています。ただし現在はマレーシア人の海外渡航が原則として禁じられていることから、出場するか否か、また国外遠征が可能かどうか関して国家安全保障委員会に意見を求めているとしています。
 カマルル・アルフィン チームマネージャーは「10月2日から9日の予定で開催されるトルコでの大会については、参加が確定しているわけではなく、現在も議論が続いており、国外の大会に参加が可能かどうかについて国家安全保障委員会の意見を待っているところである。」「すべてのサッカー活動は国家安全保障委員会の標準作業手順SOPに沿って行う必要があり、何も確定していない」と話しています。
 さらにカマルル・アルフィン チームマネージャーは、U19代表候補合宿は今月末から行うことが予定されており、完全隔離型で行うこと、またアメリカ在住のワン・クズリもこの代表候補合宿に参加することも明かしています。

今年のスズキカップは前回同様のホームアンドアウェイ形式で開催
 マレーシアのサッカー専門サイトのヴォケットFCによれば、今年11月から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップは、昨年同様の形式で行われることが決定したということです。
 新型コロナウィルスの感染者も少なく、他国ではリーグ中止や無観客試合が行われる中、世界で最初に観客を入れて国内リーグを開催したベトナムが、今年の大会全試合を同国で行う一国開催を提案していましたが、AFFはスズキカップ開催時期までには新型コロナウィルス感染も下火になるとの予想から、昨年同様、グループステージは変則ホームアンドアウェイ方式、ノックアウトステージはホームアンドアウェイ方式を採用することを決定したということです。なおグループステージの変則ホームアンドアウェイ方式では、各国がいずれも異なる相手とホームで2試合、アウェイで2試合を行います。前回2018年大会のグループステージではベトナム、ミャンマー、カンボジア、ラオスと同組となったマレーシアは、ラオスとミャンマーとはホームで、ベトナムとカンボジアはアウェイでそれぞれ対戦し、3勝1敗でノックアウトステージへ進出しました。
 またAFFは今大会に限り、各チームの登録選手枠を前回の23名から30名とすることも発表しています。

UAEの国内リーグの今季中止が決定
 アラブ首長国連邦UAEの1部リーグアラブガルフリーグは、新型コロナウィルスの感染拡大を受けて3月15日から中断していましたが、UAEサッカー協会UAEFAが今季のリーグ中止決定を発表したことを英字紙スター電子版が報じています。
 UAEは10月再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選でマレーシアと同組であり、再開後の初戦となる10月8日にマレーシアはUAEとのアウェイ戦を控えています。
 マレーシアメディアやサポーターの中には、このリーグ中止決定により、試合感覚を養う機会がなくなることで、マレーシア に有利に働くのではないかという論調があり、しかもUAEは昨年2019年に12月22日にファン・マルワイク前監督に代わって就任したのがセルビア人のイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監を解任しており、現在は代表監督が不在です。
 しかしマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、リーグ中止が決定したことで長期に渡る代表候補合宿を行うことができ、近々発表されるとする新監督もチームを把握し強化するのに十分な時間が得られるとして、むしろ今よりもチームが強化されるのではないかという見通しを述べ、楽観的な論調に釘を刺しています。
 「UAEはアジアでもトップクラスの実力があるだけでなく、さらに10月の予選再開からは3名の帰化選手も加わると聞いている。また予選グループDの4位となっているUAEは、これまで消化した試合数が他国よりも1試合少なく、現在の順位にプレッシャーは感じていないだろう。」

6月5日のニュース:犬を抱いたスマレの姿にサポーターが騒つく、ケランタン州協会はカッシオに未払い給料のディスカウントを求める、マットヨーは名誉毀損でマレーシアの英字紙を相手取って訴訟を起こす

犬を抱いたスマレの姿にサポーターがネット上で騒つく
 MリーグのパハンFAでプレーするモハマドゥ・スマレは、ガンビア出身ながら、マレーシアで初めてFIFAの規定による帰化選手となり、現在は代表チームの主力選手として活躍しています。
 このスマレ選手は、自身のインスタグラムでインスタグラムライブを行い、ファンの質問に答えることがあるのですが、、先日、自身のインスタグラムライブで犬を抱いている映像をアップしたことから、ネット上が騒ついているとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 一般にイスラム教徒は犬を忌み嫌うのですが、イスラム教徒であるスマレ選手が犬を抱いている映像をアップしたことで、その行いを自身の宗教に反しているのではと問うコメントが直ちにあったということです。なお、ブリタハリアンによれば、スマレ選手は即座に反論することはなかったということです。
 そしてその後、改めて「犬を抱くことによって自分の信仰心が変わるものではなく、犬も神が創り出したものであり、愛情を注ぐことは間違っていない。」というコメントを返したスマレ選手は、その犬は自分が飼っているものではなく、訪ねてきた知人が連れてきたものであることも併せて説明したということです。
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 イスラム教徒と犬は確かに相容れないもののようで、国民の7割近くがイスラム教徒であるマレーシアでは、野良犬狩りはあっても、野良猫狩りの話は聞いたことがなく、野良猫は本当にあちらこちらで見かけます。
 ところでイスラム教では、犬をかうことが全面的に禁じられているわけではなく、家畜を追い込む牧羊犬や狩り、あるいは農耕のために飼う犬は問題がないとされていますが、その一方で愛玩用、つまりペットとして犬を飼うことについては多くの意住む京都が否定的な考えを持っています。

ケランタン州協会はカッシオに未払い給料のディスカウントを求める
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するクランタン州サッカー協会KAFAは、FIFAよりその未払い給料を支払うことを命じられているカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手に未払いとなっている給料の支払額の減額を求める予定があると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 KAFAの行動委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、カッシオ選手への支払いが命じられている62万9620リンギ(およそ1600万円)の未払い給料について、減額を依頼するのも未払い給料解決の方法の一つと考えていると話しています。
 これまでに分割払いと支払い期限の延長といった方法が検討されていると話すムザッキル委員長は、これらの提案に加えて、支払額の減額も検討していくとしています。
 しかしカッシオ選手の弁護士を務めるザフリ・アミヌラシド氏は、カッシオ選手の権利をひじするため、KAFAとの再交渉は2社で直接行わず、スポーツ仲介裁判所CASの調停という形で行いたいとしています。
 また同じ記事の中でムザッキル委員長は、現在もKAFAがサポーターから募っている寄付は、カッシオ選手への未払い給料問題を解決するだけではなく、他の未払い問題の解決にも使うことを表明しています。これは先週、別の外国籍選手であるブルーノ・ロペスへの未払い給料14万1100リンギ(およそ360万円)の解決をFIFAに迫られただでなく、総額で200万リンギ(およそ5100万円)とされる未払い給料があるとされるケランタンFAのマレーシア人選手への支払いも視野に入れた発言だと考え

マットヨーは名誉毀損でマレーシアの英字紙を相手取って訴訟を起こす
 マレーシアの通信社ブルナマのマレーシア語電子版によると、タイのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーこと、ノーシャルル・イドラン・タラハが、マレーシアの英字紙ニューストレイトタイムズとその編集者2名を相手取った訴訟をおこなしたことが報じられています。
 このブログでも取り上げましたが、昨季在籍したMリーグのパハンFAからBGパトゥム・ユナイテッドに移籍した際に、このノーシャルル選手がタイ国内の代理人業者のプロ24社とマレーシアやシンガポールを基盤に代理人業務を行うアブドル・ハリム・アブドル・シュコル氏の両者と契約したいわゆる二股契約であり、プロ24社がタイサッカー協会FATに報告し、これによりノーシャルル選手はFATにより出国を止められているとニューストレイトタイムズが報じました。
 これについてノーシャルル選手は、昨年2019年11月30日にパハンFAを退団後、プロ24社と契約し、移籍先を探し始め、その後、プロ24社によりタイ1部リーグのスコータイFCよりオファーを受けたものの、望んでいた給料とは開きがあったことから契約に至らなかったと、裁判所に提出した書類で明らかにしています。さらにその後、アブドル・ハリム氏によってBGパトゥム・ユナイテッドとの契約に至ったものの、新型コロナウィルス感染拡大により、タイリーグの各クラブが選手と給与削減交渉を始めた際にアブドル・ハリム氏が姿を消し、その理由が二股契約であったこともニューストレイトタイムズは報じました。
 これについてノーシャルル選手は、プロ24社によるFATへの訴えも、FATによる出国禁止措置もなかったこと、BGパトゥム・ユナイテッドとの契約時にはプロ24社とはすでに契約関係になかったことを挙げ、ニューストレイトタイムズの記事が事実に基づかない名誉毀損にあたるとして訴訟を起こしたとしています。
 なお裁判は7月22日予定されているということです。

 

5月24日のニュース:ケランタン州サッカー協会は州政府に経済支援を依頼、U18代表はAFC U19選手権に向けてモチベーションを維持、Mリーグ1部のスポンサーはさらなる支援を表明

スラマッ・ハリラヤ・アイディルフィトリ!イスラム教の断食月が明けました。新型コロナウィルの影響で、今年は例年になく静かなハリラヤ(断食月明け大祭)です。

ケランタン州サッカー協会は州政府に経済支援を依頼
 運営資金不足に苦しむケランタン州サッカー協会KAFAは、ケランタン州政府への経済支援を求めていることを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するため立ち上げられたTRW社は、アフターイメージ社が株式の80%、KAFAが残る20%を所有していましたが、アフターイメージ社がTRW社の、つまりケランタンFAの運営から撤退を表明したことにより、最大のスポンサーを失ったKAFAがケランタン州政府に泣きついた、と言う図式のようです。
 KAFAの活動委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、「KAFAの経済的困窮に対して、ケランタン州政府の支援を求めたい。KAFAを支援することで、ケランタン州政府に対する人々の印象は良くなるだろう。」と勝手なことを述べています。
 先日、TRW社のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長が辞任し、TRW社の最大スポンサーであるアフターイメージ社が撤退を決めたことは、このブログでも取り上げましたが、新型コロナウィルスによりMリーグが中断し、入場料収入やグッズの売り上げ収入を失ったことで既に資金不足に陥っていたKAFAにとって、アフターイメージ社の撤退がさらに追い討ちとなったということです。
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 FIFAがKAFAに命じていた、かつてケランタンFAに在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスへの未払い給料の62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払い期限は昨日5月23日でしたが、これについては支払いが行われたという報道もなく、また2019年以前に在籍したマレーシア人選手からも、約束された未払い給料の分割払いも入金されていないことが明らかになっており、KAFAは八方塞がりの状況です。 

U18代表はAFC U19選手権に向けてモチベーションを維持
 今年10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するマレーシアU19代表は、マレーシア政府が来月6月に発表する予定のサッカーの試合に関する対応を盛り込んだ標準作業手続きSOPに従って練習再開を目指していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシア国内では新型コロナウィルス感染拡大を防ぐため、あらゆるサッカー活動が中断しており、Mリーグ同様、各年代の代表チームの練習も行われていません。そんな中、U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、ブルナマの取材に対し、選手たちはコーチが用意した練習メニューを各自、自宅で行っており、選手の家庭訪問を行い、その様子を見る限りでは、選手たちはモチベーションを現在も高く維持できていると話しています。
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 このブログでも何度か取り上げた時代のエースと目されるルクマン・ハキムやムカイリ・アジマル(いずれもスランゴール2)を要するこの年代は、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府のスポーツ青年省が運営する国家サッカー選手育成プログラムNFDPを卒業したばかりの第1期生が中心で、U18時代にはASEANサッカー連盟AFF U 18選手権ではオーストラリアを破るなど、期待の高い年代です。またAFC U19選手権予選で優勝候補のタイや開催国のカンボジアを破り全勝で予選を突破しており、AFC U19選手権では上位4チームに与えられる来年2021年のFIFA U20ワールドカップ出場資格獲得を目指しています。
 なおマレーシアは、1997年に当時はFIFAワールドユース選手権の名称で開催されていた現在のU20ワールドカップの開催国となり、開催国枠で出場しているため、記録上は2回目の出場を目指しています。中村俊介選手、宮本恒靖選手、柳澤敦選手らを要した日本代表も参加したこの1997年の大会で、マレーシア代表はグループステージを0勝4敗として敗退しています。

Mリーグ1部のスポンサーはさらなる支援を表明
 マレーシアの国内リーグ、Mリーグ1部スーパーリーグの冠スポンサーであるCIMBは当初の予定通りのスポンサー料支払いに加えて、さらなるサッカー再興への支援を行う用意があることも表明しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によれば、Mリーグを運営するマレーシアフットボールMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、Mリーグのスポンサー各社のスポンサー料支払いについては特に変更はなく、MFLは各社と連絡を取り合っていると話しています。
 「Mリーグは(450億円とも言われる損失を出す可能性がある)世界規模でビジネスを行っている英プレミアリーグEPLとは異なり、マレーシア国内だけのビジネスでありその規模は大きくはない」と話すアブドル・ガニCEOは、スポンサー契約1年目のCIMBは当初の契約どおりのスポンサー料を支払うことになっている他、いわゆる「ニューノーマル」下でのサッカー再興のための追加支援が行われる可能性にも言及しています。
 しかしマレーシア第2の金融グループであるCIMBがスポンサー継続を表明する一方で、他のスポンサー企業、特に中小企業については状況は異なるようで、活動制限令発令によりビジネスが影響を受け、業績が落ち込んでいる企業の中にはスポンサーとしての義務を果たせない企業もあるようだと、ニューストレイトタイムズは伝えています。
 そういった企業の担当者は、業績悪化によりスポンサーとしての契約を果たすことが難しい一方で、Mリーグのスポンサー撤退は考えていないとして、今年のスポンサー料の減額、あるいは金額を変更せずに、来年以降もスポンサー契約を結びながらより少ない金額で複数年契約といった形で義務を果たしたいと話しています。