12月12日のニュース:スズキカップ2020-マレーシアがベトナムに完敗でグループ3位に転落

2021年12月12日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
マレーシア 0-3 ベトナム
得点者:ベトナム-グエン・クアン・ハイ(32分)、グエン・コン・フォン(36分)、グエン・ホアン・ドゥック(89分)

12月6日カンボジア戦、12月9日ラオス戦に続き3連戦となったマレーシアと、12月9日は試合がなく休養十分のベトナムの対戦となったこの試合は、格上のベトナムに対してタン・チェンホー監督は12月9日のラオス戦と同じ先発XIを起用。帰化選手のギリェルメ・デ・パウラらの「高さ」ではなく、アリフ・アイマン、ルクマン・ハキムら若い選手の「速さ」で勝負を挑みました。

試合直後は慎重な入りを見せたベトナムですが、すぐに正確なパスと素早いプレスでマレーシアを圧倒し、試合開始直後からマレーシアは自陣に釘付けになる時間が続きます。ベトナムの猛攻に耐えるマレーシアはカウンターを狙いますが、そこでも素早いプレスを受けてパスが繋がらず、ボールを奪われチャンスが作れない中、23分にはセンターバックで主将のアイディル・ザフアンがケガのため早々と交代となり、マレーシアはさらに押し込まれる場面が多くなります。

そして32分には左サイドから持ち込んだグエン・トゥアン・アンのマイナスのクロスをグエン・クアン・ハイが豪快に蹴り込んでベトナムが先制すると、その4分後にはグエン・クアン・ハイのバックヒールパスを受けたグエン・コン・フォンがマレーシアDFをドリブルで交わして2点目のゴールを決めます。

ベトナムの強固な守備を崩せないマレーシアはそれでも数少ないチャンスでルクマン・ハキム、シャフィク・アフマドがベトナムGKトラン・グエン・マンと1対1の場面を作りますが、得点には至りませんでした。

後半に入るとタン監督はルクマン・ハキムに代えてギリェルメ・デ・パウラを、ムカイリ・アジマルに代えてコギレスワラン・ラジを、71分にはシャフィク・アフマドに代えてシャーレル・フィクリを、シャールル・サアドに代えてアリフ・ファルハンをそれぞれ投入しますが、試合の流れを変えることができませんでした。そしてこの試合を象徴するような88分のゴールは、中盤の選手がパスコースを探している間にベトナム守備陣がしっかりコースを防ぎ、結局、苦し紛れに出したパスをカットされた結果でした。

試合終了後、マレーシアのテレビの解説者はフィットネスレベルの差、とか前線の選手が動いてスペースを作れていない、などコメントしていましたが、その前に個々の選手を比べても速さ、パスの精度が高い上に、約束事を守りチームとして機能しているベトナムとはおそらく100回やっても勝てそうにない印象で、6月のW杯予選で対戦した時よりも両チームはの差はさらに開いているように見えました。

(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020- インドネシアはラオスに初得点を許すも2連勝で2位浮上

2021年12月12日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
インドネシア 5-1 ラオス
得点者:インドネシア-アスナウィ・マンクァラム(23分PK)、イルファン・ジャヤ(34分)、ウィタン・スレイマン(56分)、エズラ・ワリアン(77分)、エヴァン・ディマス(84分)、ラオス-キダヴォン・スヴァニ

グループステージB組順位

順位チーム得失差勝点
1ベトナム220056
2インドネシア220066
3マレーシア220136
4カンボジア2011-40
5ラオス2002-100

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ220066
2シンガポール220046
3フィリピン210163
4ミャンマー2102-53
5東ティモール2003-110

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月19日(日)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月11日のニュース:スズキカップ2020-マレーシア代表は陽性反応者がこれ以上増えれば大会辞退も、FAM-MSNプロジェクトは来季もMリーグ2部参加、FAM-MSNプロジェクトの監督が辞任-ペラFCの監督就任か

 シンガポールで開催中のスズキカップに関する報道で、ベトナム代表のパク・ハンソ監督がインドネシア対カンボジア戦を視察しながら、その試合の前に行われたマレーシア対ラオス戦はアシスタントコーチを派遣し自身は視察を行わなかったことがマレーシアではニュースになっています。パク監督はマレーシアは眼中にないのかな。

スズキカップ2020-マレーシア代表は陽性反応者がこれ以上増えれば大会辞退も

 12月3日のシンガポール入国時の新型コロナ検査で陽性反応を示したカイルルアズハン・カリドとファイサル・ハリムに加え、12月9日のラオス戦当日朝の検査で陽性反応を示したアキヤ・ラシドとクェンティン・チェンの4選手が隔離となっているマレーシア代表ですが、デンマーク1部FCミッティランでプレーするDFディオン・クールズは12月13日の国内カップ戦後に代表チーム合流が予定されていることから、明日12月12日に予定されているベトナム戦では、出場可能な選手は19名となっています。しかも腹部のケガで休養を強いられているジュニオール・エルドストルも回復状況によってベトナム戦には出場できない可能性があり、そうなるとなんと18名の選手で東南アジアNo. 1にチームに挑むことになります。
 なお初戦のカンボジア戦で活躍しMOMを受賞したアキヤ・ラシドは、ここまでの2試合で4ゴールを挙げているサファウィ・ラシドと同室で、しかも試合後には他の選手と勝利を喜び合う写真などもソーシャルメディアに上がっていることから、今後マレーシア代表に陽性反応者が増える可能性も懸念されています。そうなれば最悪の場合、選手がいない…と言うことも起こりかねません。
 スズキカップに参加しているのは全部で10チームですが、スポーツバブルの仕組みを使って開催されているこの大会でマレーシア代表は4名の陽性反応者が出ているのに対し、他の9チーム全てを合わせても明らかになっている陽性反応者はミャンマー代表に1名だけとなっています。

FAM-MSNプロジェクトは来季もMリーグ2部参加

 今季Mリーグ2部プレミアリーグに参加したFAM-MSNプロジェクトが来季2022年シーズンもプレミアリーグに参加すると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会(マレーシア語での短縮名MSN)が共同運営するこのチームは、やはりFAMとMSNが共同で運営するマレーシア国家サッカー選手育成プログラムNFDP所属の選手の内、プログラム卒業となる18歳の時点でにプロ契約に至らなかった選手を中心に編成されたチームで、今季開幕前に設立され、そのままプレミアリーグに参戦しましたが、20試合で1勝3分16敗の成績で11チーム中ダントツの最下位で、得点12、失点56はいずれもリーグ最低でした。 
 FAM-MSNプロジェクトの来季参戦を発表したFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、今季のチームの内、17名の選手が来季もこのチームでプレーすることも明らかにした一方で、NFDPの中核をなすエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDから10名ほどの選手が加わる予定であるとも話しています。
 またサイフディン事務局長はAMDのU19選手の移籍についても言及し、正規のトランスファーウィンドウ期間にU19選手をMリーグのクラブに期限付き移籍をすることについてFAMはこれを禁止する予定はないとする一方で、国家スポーツ評議会MSNが運営するAMD在籍中はいずれの選手も気完全移籍ではなく毅然つき移籍のみが可能であると話しています。

FAM-MSNプロジェクトの監督が辞任-ペラFCの監督就任か

 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、今季Mリーグ2部プレミアリーグに参加したFAM-MSNプロジェクトのユスリ・チェ・ラー監督が辞任したことを発表しています。
 FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会(マレーシア語での短縮名MSN)が共同運営するこのチームは、やはりFAMとMSNが共同で運営するマレーシア国家サッカー選手育成プログラムNFDP所属の選手の内、プログラム卒業の18歳の時点でにプロ契約に至らなかった選手を中心に編成されたチームで、今季初めてMリーグに参戦し、20試合で1勝3分16敗、得点12、失点56の成績を残し、11チーム中最下位でした。。
 今季開幕前に発足したこのFAM-MSNプロジェクトの監督に就任したユスリ監督は、FAMと2年契約を結んでいましたが、FAMとユスリ監督の双方が合意の上、契約解除となったということです。
 なおFAM-MSNプロジェクトの監督を辞任したユスリ監督は、来季は2部プレミアリーグに降格するペラFCの監督就任が濃厚とされています。

12月10日のニュース:スズキカップ2020-マレーシアが開幕2連勝で次戦はいよいよベトナム戦、インドネシアはカンボジアに勝利で白星発進、マレーシアはさらに2名が新型コロナ陽性で試合出場可能な選手が19名に

スズキカップ2020-マレーシアが開幕2連勝で次戦はいよいよベトナム戦

021年12月9日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
マレーシア 4-0 ラオス
得点者:マレーシア-サファウィ・ラシド3(7分、34分、80分)、シャールル・サアド(78分)

 初戦のカンボジア戦ではMOMとなったアキヤ・ラシドが試合当日朝の新型コロナ検査で陽性反応をしめしたこともあり、タン・チェンホー監督は左ウィングにアリフ・アイマン、センターフォワードにはギリェルメ・デ・パウラに代えてルクマン・ハキムといずれも今大会初先発となる19歳コンビを起用しましたが、この起用がピタリとハマり、7分にはアリフ選手が左サイドからドリブルで持ち込み、そこからのクロスにサファウィ・ラシドが合わせてマレーシアが先制します。さらに34分にはアリフ選手のコーナーキックにファーサイドのサファウィ選手が頭で合わせ、再びJDTコンビの活躍でマレーシアが前半で2-0とリードして折り返します。
 結果的に全員が「ローカル」選手の布陣となったマレーシアは後半に入っても攻撃の手を緩めず、終盤の78分にはカウンターからこの試合ではセンターバックを務めたシャールル・サアドがオーバーラップし、バドロル・バクティアルがラオス守備陣の裏に出すたボールをゴールキーパーを交わしてゴールを決めて3-0とすると、80分にはコギレスラワン・ラジからやはり守備陣の裏に出たボールをサファウィ選手がきめてハットトリックを達成し、開幕から2連勝となりました。サファウィ選手はこの試合のMOMにも選ばれています。
 2018年、2019年といずれも当時最年少でMリーグMVPとなったサファウィ選手ですが、今季は所属するJDTでも出場時間が激減し、今季のMリーグMVPもチームメートで19歳のアリフ・アイマンに奪われるなど、今年24歳ながら「もう燃え尽きたのでは」などといった声も出ていましたが、この試合でのハットトリックで代表サポーターが求めていたサファウイ・ラシドが戻ってきたと言えるかもしれません。
 ネット上では八百長の疑いがかけられるほどの圧勝だったこの日の試合でしたが、2連勝とは言え、この後は前回チャンピオンで東南アジアNo. 1のベトナム戦(12月12日)、そして互いに永遠のライバルと目すインドネシア戦(12月19日)が残っています。また冒頭でも書いたアキヤ・ラシドに加えてクェんティン・チェンも新型コロナ検査で陽性反応を示したことも報じられており、新型コロナやケガなどで既に5名が出場でききなくなっているマレーシアは、次戦のベトナム戦は19名で臨むことになります。
(試合のハイライト映像はスズキカップ2020nの公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020- インドネシアはカンボジアに勝利で白星発進

2021年12月9日@ビシャンスタジアム(シンガポール)
インドネシア 4-2 カンボジア
得点者:インドネシア-ラフマト・イリアント2(4分、33分)、エヴァン・ディマス(17分)、ラメイ ルマキエク(54分)カンボジア-ユエ・サフィ(37分)、プラク・モニ・ウドン(60分)

スズキカップ2020-マレーシアはさらに2名が新型コロナ陽性で試合出場可能な選手19名に

 ラオス戦に関する記事でも取り上げましたが、マレーシア代表から新型コロナ陽性反応を示した戦車がさらに2名出ています。
 この日の試合前に行われた検査で陽性反応を示したのは、初戦のカンボジア戦でMOMとなったFWアキヤ・ラシドと今回が代表初招集となったDFクェンティン・チャンの両選手です。この結果、マレーシア代表はシンガポール入国時の検査で陽性反応を示したGKカイルルアズハン・カリドとFWファイサル・ハリムと合わせて計4名がシンガポール政府が義務付けている10日間隔離となっています。
 なおスズキカップの規定ではゴールキーパーに限り、ケガなどによる大会中の選手入れ替えが可能となっており、マレーシアサッカー協会FAMによる申請をこの大会を主催する東南アジアサッカー連盟AFFが承認していることから、代表候補合宿に参加していたU22代表正GKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)か6月のW杯予選では代表入りしていたサミュエル・サマーヴィル(ペナンFC)が代替招集されることが濃厚です。
 しかし、この4名の他、初戦で腹部を痛めたDFジュニオール・エルドストルも休養が必要ということでラオス戦ではベンチしておらず、24名でシンガポール入りした代表は、次戦のベトナム戦に出場可能なのは19名となっています。
 このような新型コロナ禍でのアクシデントを見越してベトナムのパク・ハンソ監督はゴールキーパー4名を含む総勢30名でシンガポールするなど準備万全ですが、その一方でわずか24名でこの大会に臨んだマレーシア代表とマレーシアサッカー協会は危機管理意識が欠如していると言わざるをえなそうです。

スズキカップ2020順位表(12月10日時点)

グループステージB組順位

順位チーム得失差勝点
1マレーシア220066
2インドネシア110023
3ベトナム110023
4カンボジア2011-40
5ラオス1001-60

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1シンガポール220046
2タイ110023
3ミャンマー2101-13
4フィリピン1001-10
5東ティモール2002-40
スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール – フィリピン(17時30分@シンガポール国立競技場)
タイ – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス – インドネシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ベトナム – マレーシア(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月15日(水)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月19日(日)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月9日のニュース:代表SBデイヴィーズが代表選出されなかった理由が明らかに、スズキカップ2020-ジュニオール・エルドストールがケガにより欠場へ、クダのエースがトレンガヌ移籍

 スズキカップが開催される一方で、Mリーグ各クラブは来季へ向けての巡撫を始めています。Mリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンFCは今季開幕から2試合で「アメリカ出身のトーマス・ドューリー監督とともに「休養」させられたアシスタントコーチのクリストファー・ギャメル氏の監督就任が濃厚となったようです。かつてはフィジー代表監督の経験もあるギャメル氏が今季10位とすんでのところで2部降格を免れ、今季所属の選手の内、外国籍選手5名や主将を務めたムスリム・アフマドら合計14選手との契約を更新しなかったスリ・パハンFCを立て直せるのでしょうか。
 また本山雅志、深井脩平、谷川由来の日本人3選手が所属する2部プレミアリーグのケランタン・ユナイテッドFCも、監督交代を含めた首脳陣刷新を発表しており、今季同じプレミアリーグのペラFCIIで指揮を取ったシャムスル・サアド氏に監督オファーを出しているとされています。

代表SBデイヴィーズが代表選出されなかった理由が明らかに

 現在シンガポールで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020に出場しているマレーシア代表には、タン・チェンホー監督が主力選手として起用してきた選手たちの中の数名が召集されていません。具体的には今季Mリーグ1部で8連覇を果たしたJDTのGKファリザル・マーリアスと、同じくJDTの両サイドバック、マシュー・デヴィーズとラヴェル・コービン=オングの3選手です。6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選など今年行われた代表戦にはほぼ全試合出場しているこの3選手を招集しなかった理由として、タン監督は「6月のW杯予選、その直後のAFCチャンピオンズリーグ、さらにはMリーグ、マレーシアカップと今年1年間を通して代表とクラブの両方で国内外の試合に休まず出場してきた選手に疲労回復と休養を与えるために今回の招集を見送った。代表チームの首脳陣は彼らの能力を熟知しており、JDTの監督、コーチらとも話し合いを行った結果、今回の選手選考となった。」と説明していました。
 特に先日のMリーグ年間表彰で今季の最優秀ディフェンダーを受賞したマシュー・デイヴィーズが代表に召集されなかったことで、その理由が「休養」と言う分かりづらい理由だったことからネット上はざわつきました。
 そんな中、マシュー・デイヴィーズが自身のインスタグラムに投稿し、マレーシア決勝にフル出場した後、ドイツに渡ってヘルニアの手術を受けていたことを明らかにしています。「ドイツでのスポーツヘルニア手術は成功。6ヶ月間苦しんできたので、早く痛みのない状態で体を動かしたい。JDTの手配のおかげで世界でもトップクラスの医師に執刀してもらうことができた。やっとくつろげる!」と言うコメントとともに、ベッドの上の写真を公開したディヴィーズ選手ですが、W杯カップ予選の時期にヘルニアを患ったようで、その後もACL、Mリーグ、そしてマレーシアカップを戦い切ったことが明らかになった今、その闘志に敬意を表するとともに来季に向けて術後の回復と休養を十分に取り、6月のアジアカップ最終予選にはベストコンディションで臨んでもらいたいです。

スズキカップ2020-ジュニオール・エルドストールがケガにより欠場へ

 スズキカップ2020に出場中のマレーシアは、入国時の新型コロナ検査で選手2名が陽性反応を示したことから隔離を強いられており、24名でシンガポールへ乗り込んだ代表は現在、22名となっています。ところがさらにケガ人が出たとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 初戦のカンボジア戦で試合開始からわずか27分で交代していたジュニオール・エルドストルについて、試合後のタン・チェンホー監督は戦術上の交代であったと説明していましたが、本当の交代の理由はこの試合中に腹部を痛め、痛みと張りを訴えたからのようです。試合後の検査では休養が必要と診断されたエルドストル選手はすぐに戻れると思うとコメントしているようですが、エルドストル選手の休養により代表が現在、試合で起用できる選手は21名となってしまいました。
 所属するタイ1部のチョンブリーFCではセンターバックとして出場しているエルドストル選手ですが、カンボジア戦でタン代表監督は一つポジションを挙げて守備的MFとして起用していますが、中盤の選手はこれでバドロル・バクティアルとムカイリ・アジマルの2名だけになってしまいました。
*****
 タン監督は所属チームで左サイドバックでプレーする選手が複数いるにも関わらず、本来は右サイドバックのシャミ・サファリを起用し、上でも書いたように所属チームではセンターバックのエルドストル選手を中盤で起用するなど思い切ったポジション変更を行なっています。

クダのエースがトレンガヌ移籍

 Mリーグ1部スーパーリーグで今季は4位に終わったトレンガヌFCは、同じスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCで今季プレーしたリベリア代表FWのクパー・シャーマンの加入を公式Facebookで発表しています。
 今季はFIFAマッチデー期間中にMリーグの試合が強行されたことから、全試合に出場することができませんでしたが、それでもリーグ戦とマレーシアカップを合わせて23試合に出場し、14ゴールを挙げています。
 トレンガヌFCはMリーグが11試合に短縮となった昨季に6ゴールを挙げたモーリタニア出身のドミニク・ダ・シルヴァに代えて、インドネシア1部リーグでは2シーズンで35ゴール(42試合出場)の実績を提げ今季開幕前に加入したブラジル出身のFWデヴィッド・ダ・シルヴァがわずか7ゴール(13試合出場)に終わり、チームの得点数もリーグ5位の33得点に終わっています。
 なおトレンガヌFCは、上記のデヴィッド・ダ・シルヴァの他、同じくインドネシアリーグから移籍したマカン・コナテ(マリ)、デシ・マルセル(コートジボアール)、カルリ・デ・ムルガ(フィリピン)ら外国籍選手の退団を発表しています。これにより新加入のクパ・シャーマンと今季途中にセカンドチームから昇格したジョーダン・ミンター(ガーナ)、アルグジム・レゾヴィッチ(モンテネグロ)、ハビブ・ハルーン(バーレン)らが中心にチームを作り上げていく方針が見えてきました。なお退団するダ・シルヴァ、コナテの両選手は前所属のインドネシア1部リーグ、プルスバヤ・スラバヤへの復帰が濃厚な一方で、マルセル選手はシャーマン選手と交代するかのようにクダ加入の可能性が取り沙汰されています。
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 クパー・シャーマンが退団するクダは、このシャーマン選手と彼がW杯予選で不在だったときの穴を埋めて活躍したチェチェ・キプレ(コートジボアール)の2人とは契約を延長する一方で、ラビ・アタヤ(レバノン)、レノン・アルヴェス(ブラジル)、アヌマンサン・クマール(シンガポール)らの退団を発表しており、シャーマン選手のトレンガヌ移籍によって、チームの強化作の見直しが必要になりそうです。またキプレ選手もKLやスランゴールが獲得に動いていると言う報道もあり、クダは今季プレーした外国籍選手全員が退団となる可能性が高くなってきました。
 今季Mリーグ2位となり来季のAFCカップ出場が決まっているクダは、マレーシア人選手については代表コンビのMFバドロル・バクティアルと右サイドバックのリザル・ガザリがいずれもサバFCに移籍する一方で、右ウイングのアミルル・アズハン(ペラより加入)、MFカイルル・アズリン、右ウイングのアル=ハフィズ・ハルン、左ウィングのアメル・アズハル、左サイドバックのアズミール・アリス(いずれもペナンより加入)らを獲得しています。

12月8日のニュース:スズキカップ2020-アキヤ・ラシド「『ローカル』選手の実力を見せたかった」、新型コロナにより隔離のGKの代替招集が可能に、トレンガヌFCのナフジ監督は続投へ

 スズキカップでは初戦のカンボジア戦に快勝したものの、この勝利で帰化選手不要論がこれまで以上に声高に語られ、交代時に水の入ったボトルを投げたギリェルメ・デ・パウラの行動や、下の記事でも取り上げたアキヤ・ラシドの発言から「帰化選手対ローカル選手」の対立構造まで持ち出す報道が出るなど、代表チームを報じるニュースも賑やかになってきました。感情論ではなく、チーム内での純粋なポジション争いが激化すればそれは代表チームにとってプラスなるはず。是非、皆さんでガツガツ争っていただき、代表チームには準決勝とは言わず決勝進出して外野を黙らせて欲しいです。

スズキカップ2020-アキヤ・ラシド「『ローカル』選手の実力を見せたかった」

 12月5日にシンガポールで開幕した東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは、初戦を白星で飾ったマレーシア代表。この試合でマンオブザマッチMOMに選ばれたのは22歳のアキヤ・ラシドでした。18歳で代表デビューすると、この天性のドリブラーはその試合でいきなりゴールを決め、その後の活躍が期待されました。しかしこの大会前まではキャップ数は26ながら、代表戦では途中出場のスーパーサブ的な起用にとどまり、デビュー戦のゴールも含めて通算4ゴールと期待に応えられていませんでした。
 そんなアキヤ選手が先日のカンボジア戦後のMOM表彰インタビューで発したのが冒頭の「『ローカル選手』の実力を見せたかった。」というコメントでした。
 ここ数年に渡り、マレーシアサッカー協会FAMは代表チーム強化のために帰化選手の活用を進めています。ここで言う帰化選手とは1)マレーシア国外で生まれ育ちながら父母や祖父母がマレーシア出身であることからマレーシア人の血を引く帰化選手(レガシー帰化選手)と、2)マレーシアジンの血は引かないものの国内で5年以上継続して生活しFIFAの規定によりマレーシア人として登録可能な帰化選手(ナチュラライズド帰化選手)に分かれます。1)で言えば、スズキカップ2020登録メンバーではドミニク・タン(シンガポール出身)、クエンティン・チェン(オーストラリア出身)ジュニオール・エルドストル(マレーシア生まれながらスウェーデンと英国育ち)、、ディオン・クールズ(マレーシア生まれながらベルギー育ちでU19代表経験あり)が、2)ではギリェルメ・デ・パウラ(ブラジル出身)が帰化選手です。また今回の代表には選ばれていないものの、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選で主力としてプレーしたラヴェル・コービン=オング、ブレンダン・ガン、マシュー・デイヴィーズはレガシー帰化選手、ガンビア出身のモハマドゥ・スマレやコソボ出身のリリドン・クラスニキはナチュラライズド帰化選手です。
 特にナチュライズド帰化選手については、マレーシアサッカー協会が帰化選手プロジェクト委員会を協会内に捕捉させ、協会が主導する形で帰化選手獲得を進めてきた結果、去年と今年の2年間でリリドン・クラスニキとギリェルメ・デ・パウラがマレーシア国籍を取得し、6月のW杯予選に出場しています。W杯予選初戦のアラブ首長国連邦戦では、この両選手とモハマドゥ・スマレのナチュラライズド帰化選手3名に加え、レガシー帰化選手も合わせると先発11名中6名が帰化選手でした。このように帰化選手が増えれば、国内で生まれ育った「ローカル選手」の出場機会が減るわけで、このW杯予選でも代表入りしていたアキヤ・ラシドもその影響を受けた1人だったと言えるでしょう。
 しかし登録規定の都合もありこのW杯予選直前になっての代表参加となったデ・パウラとクラスニキ、さらにスマレのナチュラライズド帰化選手3名はこの予選でほとんど活躍できなかったことから、代表チームがW杯2次予選敗退後は帰化選手不要の声がサポーターから上がり、この批判を受けて可動かは分かりませんが、その後マレーシアサッカー協会は帰化選手の代表チームへの影響を見直すことを理由に帰化選手プロジェクトの一時停止を発表しています。
 そんな中でのスズキカップ2020でしたが、このカンボジア戦は27分に「戦術上の理由で」ジュニオール・エルドストールがムカイリ・アジマルと交代し、65分にはデ・パウラがルクマン・ハキムと交代したことで、図らずも帰化選手が1人もピッチ上にいない「ローカル選手」だけの布陣となりましたが、これは2017年のタン・チェンホー監督就任以来、初めてのことかも知れません。

新型コロナにより隔離のGKの代替招集が可能に

 スズキカップ開催のシンガポール入国時に行われた新型コロナの検査では、GKのカイルルハズハン・カリドとFWファイサル・ハリムの両選手が陽性反応を示したことから10日間の隔離となっいますが、マレーシアサッカー協会はスズキカップを主催する東南アジアサッカー連盟AFFに対して、代替招集の許可を求めていました。スズキカップの大会規定では、ゴールキーパーに限り・負傷などの理由などからの大会期間中の代替招集を認めています。
 これについてマレーシア通信社ブルナマはFAMによる代替招集の申請が認められたと報じ、サイフディン・アブ・バカルFAM事務局長は、既にタン・チェンホー代表監督と代替招集候補選手について話し合いを始めていると述べています。
 ただし今大会では背番号1をつけるカイルルアズハン選手の代替選手を招集した場合には、代わりにカイルルアズハン選手の出場選手登録が取り消され、隔離期間中の検査が陰性となっても今大会には出場できなくなります。
 報道ではカイルルアズハン、ファイサル両選手とも特に症状が現れていないと言うことで、隔離期間中の追加検査で陰性となれば、今後の試合には出場が可能となることから、サイフディンFAM軸曲調は代替選手を招集するかどうかの最終判断はタン監督に委ねられていることも明らかにしています。

トレンガヌFCのナフジ監督は続投へ

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで4位、マレーシアカップは準決勝で敗退したトレンガヌFCは、ナフジ・ザイン監督に対して契約の延長をオファーしたことを明らかにしています。
 トレンガヌ州のアフマド・サムスリ・モクタル州首相が議長となり行われたトレンガヌFCの運営会社であるTFC社の理事会がこれを決定したと、ブルナマが報じています。
 TFC社のアブドル・ラシド・ジュソーCEOは、TFC社が来季の布陣を決定したことを受け、様々な要因を考慮した上で、来季の契約をオファーしたとしています。
 昨季は3位となったトレンガヌFCは今季、リーグ終盤に連敗するなどして最終的に4位となり昨季から順位を下げたことから、TFC社が設けた今季の重要業績評価指標KPIを達成していないとして、マレーシアカップも含めた今季の日程全てが終了した後もTFC社はナフジ監督の来季の契約に関して態度を表明していませんでした。
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 トレンガヌFCが来季の契約について時間をかけている間に、Mリーグの複数クラブがナフジ監督に接触したと言う噂もありますが、トレンガヌFCのサポーターは多くが続投を求めているとされ、またナフジ監督自身も今季終了後には来季の続投を希望していると話していることから、このオファーを受けるのは確実と見られています


12月6日のニュース:スズキカップ2020-本日カンボジアとの初戦に臨むマレーシア代表の2選手が新型コロナ陽性により隔離

スズキカップ2020-マレーシア代表は本日カンボジアとの初戦

 シンガポールで開幕した東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに出場しているマレーシアは、本日12月6日に本田圭佑GMと廣瀬龍監督が率いるカンボジア代表と対戦します。
 前回2018年大会は準優勝しているマレーシアですが、2018年大会準決勝のタイ戦はホーム、アウェイともいずれも引き分けたもののアウェイゴールルールにより決勝へ進出、同決勝のベトナム戦もホームで引き分けた後に敵地で0-1で敗れており、過去4試合で勝利がありません。
 また本日の対戦相手カンボジアとは国際Aマッチとそれ以外も含めるとこれまでに31回の対戦があり、通算成績は23勝4分4敗です。ただしこの結果には1970年台後半のクメール・ルージュによる大量虐殺が起こる前の時代の結果も含まれており、1990年代に国際社会に復帰して以降の対戦は12回対戦してマレーシアの11勝1分0敗、スズキカップに関して言えば、3-2(2000年)、3-2(2016年)、1-0(2018年)と3連勝中です。
 しかしA代表以外では、マレーシアサッカー史上最悪の結果となった2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでは、ルクマン・ハキムやハディ・ファイヤッドを擁して臨んだマレーシアU23はカンボジアU23に3-1と完敗して準決勝進出を逃しており、その試合でゴールを決めたシエン・チャンテア(ボーウング・ケットFC)、ケオ・ソクペン(ビサカFC)両選手は今回のスズキカップのメンバーに入っています。またコロナ禍前の行われた2019年のAFC U19選手権予選でもマレーシアU19はカンボジアU19と対戦し5-4と辛勝していますが、このカンボジアU19からもSoeuth Nava(ボーウング・ケットFC)ら複数の選手がメンバーしており、過去の対戦成績は今大会に関してはあまり参考にはならなそうです。

スズキカップ2020-マレーシア代表の2選手が新型コロナ陽性により隔離

 本日12月6日にカンボジア代表との初戦を迎えるマレーシア代表の2選手が新型コロナの検査で陽性となり隔離となったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 シンガポール入国時にチャンギ国際空港で行われた検査の結果により陽性が判明したのはGKカイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)とFWファイサル・ハリム(トレンガヌFC)の両選手で、幸いなことに発熱などの症状はなく、この2選手以外の選手の検査結果は全員陰性だったということです。
 代表チームのモハマド・ユソフ チームマネージャーによれば、この2選手がシンガポール政府保健省が設けている手順に従って10日間の隔離となり、この間は毎日、検査を受ける必要があるということです。また他の選手は試合に向けての練習を続けることが可能だということです。
 この2選手に代わる選手を召集するかどうかについては、モハマド・ユソフ チームマネージャーはタン監督と話し合いを行い速やかに決定したいと話しています。
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 この大会にはタン監督は当初の26名の予定からケガによる辞退者が出たことで最終的に24名の選手を引き連れて臨んでおり、その内GKはカイルルアズハン、カイルル・ファミ(マラッカ・ユナイテッドFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)の3名となっていることから、追加召集の可能性もありそうですが、ベトナム代表のパク監督はゴールキーパー4人を含む30名の選手をシンガポールに連れて行ったことが報じられるなど、他のチームは新型コロナ禍下での危機管理ができているところもある中で、2選手の隔離によって他の選手を急遽、マレーシアから招集するとなれば、マレーシアサッカー協会FAMはこのような事態を想定しての危機管理ができていたのかどうかが問題視されそうです。


12月4日のニュース:スズキカップ2020開幕!ボラセパマレーシアJP的スズキカップ直前予想(グループステージ編)

スズキカップ2020は明日開幕

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会がいよいよ明日12月5日に開幕します。東南アジアNo. 1を決めるこの大会は本来は隔年開催ですが、新型コロナ禍により昨年開催予定だった大会が中止されたことから、今大会では2020年大会の名前が使われています。また、開催方法も従来のホームアンドアウェイ方式から集中開催方式に変更され、今大会ではシンガポールでの開催となっています。

参加国と試合方式

東南アジアサッカー連盟所属の*11ヶ国が出場するこの大会は、ブルネイが直前に出場辞退を表明したことから、ブルネイとプレーオフで対戦予定だった東ティモールがそのまま本戦入りしています。この結果、10ヶ国中、タイ、フィリピン、ミャンマー、シンガポール、東ティモールがA組、ベトナム、マレーシア、インドネシア、カンボジア、ラオスがB組にそれぞれ分かれて1回戦総当りのグループステージを行い、両組の上位2ヶ国が2回戦制の準決勝に進出、さらにその勝者がやはり2回戦制の決勝を行い東南アジアNo. 1が決定されます。
*東南アジアサッカー連盟にはオーストラリアサッカー連盟も加盟していますが、このスズキカップにはオーストラリア代表は出場しません。

ボラセパマレーシアJP的グループステージ見どころ

マレーシアが入るB組では前回2018年大会優勝のベトナムの力が頭一つ、いや二つ、いや三つ・・・とにかくダントツで抜けています。東南アジアのチームで唯一、FIFAワールドカップ2022年大会アジア最終予選に残っていることからも明らかなように、今大会でも優勝候補筆頭です。マレーシアはこのベトナムとワールドカップ予選では同じ予選G組に入っており、予選の集中開催地となったアラブ首長国連邦のドバイで6月に対戦した際には、与えたPKが決勝ゴールとなり1-2で敗れています。少なくともこの6月の時点では個々の選手の身体の強さ、スピードなどではベトナムがマレーシアを圧倒していましたので、それからおよそ半年経った現在マレーシアが東南アジアNo. 1のチーム相手にどのようなサッカーを展開するかが見ものです。

ベトナム1強のB組ではマレーシアにとってはおそらくインドネシアが相手となる2位争いが熾烈を極めそうです。ワールドカップ予選ではやはり同じ予選G組に入っていたインドネシアとは新型コロナ感染拡大前の2019年にホーム、アウェイ共に対戦を終えており、6月のドバイでは対戦がありませんでした。ワールドカップ予選でマレーシアに連敗した後に就任した元韓国代表監督のシン・テヨン監督率いるチームはこのスズキカップに向けてトルコで合宿を行い、練習試合ではMリーグのペナンFCでプレーするリュウジ・ウトモに加え、やはり海外組の19歳エルカン・バゴット(英国2部イプスウィッチタウン)、20歳のエギ・マウラナ・フィクリ(スロバキア1部FKセニツァ)、21歳のウィタン・スレイマン(ポーランド1部レヒア・グダニスク)ら若い選手が加わったチームがミャンマーを破るなどチーム力も大きく変わっているようです。このインドネシアとはグループステージ最終戦で対戦することから、そこまでの3試合で確実に勝点を積み上げておきたいところです。そのためにもマレーシアは初戦の相手となる本田圭佑GM率いるカンボジア、2戦目のラオスにはいずれも勝利し、3戦目のベトナム戦を落としたとしても、インドネシアとの対戦までに2勝1敗としておけば、今大会では準決勝進出がノルマのマレーシアはプレッシャーを感じることなく自分たちのサッカーができるのではないでしょうか。

一方のA組は西野朗監督に代わりアレシャンドレ・ポルキン新監督が就任したタイ代表がチャナティップ・ソングラシン(札幌)、ティーラトン・ブンマタン(横浜)のJリーグ組に加え、その他の海外組も召集し、グループリーグ突破は順当です。ただし前回2018年大会準決勝ではホームでマレーシア相手に引き分け、アウェイゴールルールで決勝進出を逃しているだけに、AFF選手権最多優勝5回を誇るタイにとっては、優勝候補ベトナムとは決勝まで当たらないためにもグループリーグの1位突破を目指してくるでしょう。またB組同様、A組もおそらく開催国シンガポールとフィリピンの間で争われる2位争いが注目です。本来ならここにミャンマーが入ってくるべきですが、軍政と民主化との争いによる政情不安に加え、軍政反対への意思表示として代表招集を辞退する選手も出ており、戦力的にも今大会に関しては2位争いに絡んでくるのは難しそうです。

ということでボラセパマレーシア的には、A組がタイフィリピン、B組はベトナムと願望込みでマレーシアを準決勝進出と予想してこの記事を締めくくりたいと思います。

スズキカップ2020日程

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月8日(水)
ミャンマー – 東ティモール (17時30分@シンガポール国立競技場)
フィリピン – シンガポール (20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月11日(土)
東ティモール – フィリピン(17時30分@シンガポール国立競技場)
タイ – ミャンマー(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月14日(火)
フィリピン – タイ(17時30分@シンガポール国立競技場)
シンガポール – 東ティモール(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月18日(土)
タイ – シンガポール(20時30分@シンガポール国立競技場)
ミャンマー – フィリピン(20時30分@ビシャンスタジアム)

<グループステージB組>

2021年12月6日((月))
カンボジア – マレーシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ラオス – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月8日(水)
マレーシア – ラオス (17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – カンボジア (20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月11日(土)
ラオス – インドネシア(17時30分@ビシャンスタジアム)
ベトナム – マレーシア(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月14日(火)
カンボジア – ラオス(17時30分@ビシャンスタジアム)
インドネシア – ベトナム(20時30分@ビシャンスタジアム)

2021年12月18日(土)
ベトナム – カンボジア(20時30分@ビシャンスタジアム)
マレーシア – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
B組1位 – A組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月26日(日)
B組2位 – A組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
A組2位 – B組1位(20時30分@シンガポール国立競技場)

2021年12月23日(木)
A組1位 – B組2位(20時30分@シンガポール国立競技場)

<決勝第2回戦>

2021年12月29日(木)
準決勝勝者1 – 準決勝勝者2(20時30分@シンガポール国立競技場)

2022年1月1日(土)
準決勝勝者2 – 準決勝勝者1(20時30分@シンガポール国立競技場)

12月3日のニュース:JDTの19歳MFアリフ・アイマンらが代表に追加召集、Mリーグ3部は来年2月に2年ぶりの開催へ、日本人Mリーガーも出場する聴覚障害者スポーツ支援のチャリティーマッチが12月11日に開催

 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会はいよいよ今週日曜日の東ティモール対タイで開幕します。西野朗氏に代わってタイ代表の監督に就任したアレシャンドレ・ペルキンク氏率いるタイ代表でチャナティップ・ソングラシン(札幌)が主将に指名された、またベトナム代表のパク・ハンソ監督はケガ人を恐れて4名のGKを含む30名の大所帯でシンガポールに乗り込んだ、など大会関連のニュースも続々と入ってきていますが、マレーシア代表も今日12月3日にシンガポール入りが予定されています。

JDTの19歳MFアリフ・アイマンらが代表に追加召集

 12月5日に開幕するスズキカップ2020年大会に出場するマレーシア代表は、大会開催地のクアラルンプールへ向けて本日出発しますが、出発前の最後の練習が行われた昨日、MFアリフ・アイマン(JDT)とカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)が追加招集されています。
 11月17日にマレーシアサッカー協会FAMが発表した代表候補28名からは、代表合宿に参加していたFWダレン・ロック(PJシティFC)がケガのため合宿参加後に辞退していますが、11月30日に行われたマレーシアカップ決勝で負傷した箇所が重傷だったことから、MFアクラム・マヒナン(股関節)とMFケニー・パッラジ(膝靱帯)も代表参加を辞退しています。またこの日、MFモハマドゥ・スマレ(JDT)が家族の事情で、またGKアズリ・アブドル・ガニ(ペラFC)が肩の痛みを訴えて代表辞退を表明したことから、当初は追加召集を行わないと話していたタン・チェンホー監督は予備召集候補だったカラムラー選手に加えて、アリフ選手の招集にも踏み切ったようです。
 既に6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも召集されていたアリフ選手は、スズキカップでも当然代表入りすると思われていましたが、11月17日の代表候補発表の際には「今季の疲労を考慮して」スズキカップ出場の代表チームに招集しないとタン監督が発表していました。
 アリフ、カラムラー両選手が加わった結果、マレーシア代表は以下の24名でシンガポールに乗り込みます。

<GK>
カイルルアズハン・カリド(スランゴールFC)、カイルル・ファミ(マラッカ・ユナイテッドFC)、カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティFC)
<DF>
リザル・ガザリ、アリフ・ファルハン(以上クダ・ダルル・アマンFC)、シャールル・サアド、アイディル・ザフアン(以上JDT)、ドミニク・タン(サバFC)、クェンティン・チェン(スランゴールFC)、アリフ・ファジラー(トレンガヌFC)、ディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、シャミ・サファリ(スランゴールFC退団)
<MF>
サファウィ・ラシド、アリフ・アイマン、シャフィク・アフマド、アキヤ・ラシド(以上JDT)、バドロル・バクティアル(サバFC)、ムカイリ・アジマル(スランゴールFC)、ファイサル・ハリム(トレンガヌFC)、コギレスワラン・ラジ(PJシティFC)
<FW>
ギリエルメ・デ・パウラ(JDT)、ルクマン・ハキム(ベルギー1部KVコルトレイク)、シャーレル・フィクリ(スランゴールFC)

Mリーグ3部は来年2月に2年ぶりの開催へ

 Mリーグ3部に当たるM3リーグ以下のリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのモハマド・ユソフ・マハディ チェアマンは、新型コロナの影響で2019年シーズンを最後に中止が続いている下部リーグについて、M3リーグとM5リーグは来年2022年の2月あるいは3月に新シーズンの開幕を、またMリーグ4部に当たるM4リーグについては2022年シーズン終了後にM3リーグからの降格クラブとM5リーグからの昇格クラブが決定することを受けて2023年より新シーズンを開幕すると発表しています。
 モハマド・ユソフAFLチェアマンは、来季2022年のM3リーグでは参加する20クラブを2つのグループに分けて2回戦制のリーグ戦を行い、各グループの上位4チームずつがホームアンドアウェイ形式で行われる準々決勝、準決勝を経て、2部プレミアリーグへ昇格する2クラブが決定されるということです。
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 スタジアムではなく、オープンフィールドで試合が行われることもあるM3リーグは、観衆の制限ができず新型コロナの感染拡大防止対策が十分行えないという理由で2年連続で中止となっていました。昨季が中止となったことを受け、AFLは今季の開催を模索し開幕時期をが2度延期したものの、最終的には9月半ばに正式に中止が発表されました。今季のM3リーグは外国籍選手及び外国籍指導者の登録禁止となりましたが、来季はこれまで通り、外国籍選手もプレーできるようになってくれることを期待したいです。

日本人Mリーガーも出場する聴覚障害者スポーツ支援のチャリティーマッチが12月11日に開催

 マレーシア聴覚障害者スポーツ協会の2022年の活動を支援するためのチャリティーマッチが12月11日にクアラルンプールのKLフットボールスタジアムで開催されます。
 この試合ではデフ(聴覚障害者)サッカーマレーシア代表のマレーシアデフタイガーズとヤクルトオールスターズが対戦しますが、ヤクルトオールスターズは先日のマレーシアカップで優勝を果たしたKLシティFCからインドラ・プテラ・マハユディン、さらにはザクアン・アドハ(ヌグリスンビランFC)、アズミ・ムスリム(ペナンFC)、ヌルシャミル・アブドル・ガニ(ケランタンFC)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(サラワク・ユナイテッドFC)など現役Mリーガーの他、先日引退を発表したシュコル・アダン氏やサッカー解説者のサイド・アドニー氏など錚々たるメンバーが顔を揃える一方で、本山雅志、谷川由来、深井脩平、東山晃(以上ケランタン・ユナイテッドFC)、鈴木雄太(クチンシティFC)、鈴木ブルーノ(PDRM FC)ら日本人Mリーガーや指導者もこのヤクルトオールスターズに参加します。
 ヤクルトマレーシア社が主催し、国家スポーツ評議会NSCが全面支援するこのチャリティーマッチのチケットですが、VIP席は既に売り切れとなっていますが、オープンスタンドの座席はこちらから入手可能です。

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11月23日のニュース(2):マレーシアカップ決勝のチケットは11月27日正午から販売、スズキカップに向けて代表が合宿開始、タイ1部第14節-代表コンビは揃って出場

マレーシアカップ決勝のチケットは11月27日正午から販売

 マレーシアカップを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式サイトでマレーシアカップ決勝戦のチケット販売についての詳細を発表しています。
 11月30日にクアラルンプールのブキジャリルスタジアムで開催される決勝戦は2021年のマレーシア国内サッカー最後のビッグイベントですが、チケット価格は一般席の50リンギ(およそ1,400円)からメインスタンドプレミアム席の150リンギ(およそ4,100円)まで全4種類あります。
 MFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは今年2021年決勝のチケット価格は2019年決勝から据え置きとなっている一方で、満席となれば87,000人が収容できるブキジャリル国立競技場での今回の決勝は観衆を20,000人に制限することから、コスト増加分はMFLが負担していると述べています。
 また国内のコロナ対策を統括する国家安全保障委員会に対しては、入場可能な観衆の数の増加や、現在は禁止されているスタジアム内での飲食の許可なども申請しているということです。
 なお決勝のチケットは11月27日の正午よりチケットホットラインのサイトで販売が開始されるということです。

スズキカップに向けて代表が合宿開始

 12月5日にシンガポールで開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補合唱が昨日11月22日からスランゴール州プタリンジャヤにあるマレーシアサッカー協会FAMの施設で始まっています。
 現在、国内ではマレーシアカップ準決勝が行われており、今回の合宿には、先日発表になった代表候補28名の中から、準決勝に残っているJDT、トレンガヌFC、KLシティFCとマラッカ・ユナイテッドFCを除いたクラブに所属する選手12名が招集されています。なお第二子が生まれたばかりのバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFC)も合宿初日となった昨日は練習に参加しなかったと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表合宿には11月28日にはマレーシアカップ準決勝で敗れたチームの選手が、そして12月1日からは決勝戦に出場した選手も含めた全員が練習に参加します。またジュニオール・エルドストール(対1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)、ディオン・クールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)の海外組4名は、シンガポールでチームに合流するということです。
 前回2018年大会ではベトナムに敗れて準優勝となったマレーシアは、今大会ではベトナム、ラオス、カンボジア、インドネシアと同じB組に入り、12月6日にラオスとの初戦が控えています。


タイ1部第14節-代表コンビは揃って出場

 2021/2022年シーズンのタイ1部リーグ第14節が11月20日と21日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはナコーンラーチャシーマーFCと引き分けたものの4位を堅持、DFドミニク・タンが所属するポリス・テロFCはプラチュワップFCとこちらもやはり引き分けて、順位を1つ下げて11位としています。

タイ1部リーグ第14節
2021年11月20日@80周年スタジアム
ナコーンラーチャシーマーFC 0-0 チョンブリーFC
 過去5戦を4勝1分と好調なチョンブリーFCはこの試合ではスコアレスドローに終わっていますが、3位の今節でポートFCに敗れた3位のBGパトゥム・ユナイテッドと勝点差1まで迫っています。
 ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場しています。

2021年11月21日@サームアーオスタジアム
PTプラチュワップFC 1-1 ポリス・テロFC
 この試合前は15位のPTプラチュワップFCと対戦した10位のポリス・テロFCは、開始直後の5分に先制し、そのまま逃げ切りを図りましたが後半ロスタイムに同点ゴールを許して引き分けています。
 ドミニク・タンは78分から出場し、81分にはイエローカードももらっていますが、試合終了までプレーしています。

タイ1部リーグ順位表(第14節終了)

順位チーム試合得失差勝点
1バンコク・ユナイテッド1410221732
2ブリーラム・ユナイテッド149231529
3BGパトゥム・ユナイテッド14824326
4チョンブリーFC147431125
11ポリス・テロFC14445-316
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFC、ポリス・テロFCのみ表示しています。

11月18日のニュース:KLシティFCはモラレスの帰化を画策、ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明、タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明

 昨日は12月5日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップに出場する代表候補が発表されましたが、今季の代表戦7試合の総得点が4点という慢性的な得点力不足に悩む代表のタン・チェンホー監督は今季リーグ戦の大半を棒に振るほどのケガから復帰のシャーレル・フィクリ(スランゴールFC)とダレン・ロック(PJシティFC)の2人のFWを招集しています。そんな火力不足の攻撃陣に朗報、という話題から始めましょう。

KLシティFCはモラレスの帰化を画策
 マレーシアカップ準々決勝は今日11月18日にホームアンドアウェイ方式の第2戦が行われますが、グループステージから通算して7試合で9ゴールを挙げているKLシティFCのロメル・モラレスはチームのベスト16進出の原動力となっています。
 昨季2020年シーズンはトレンガヌFCでプレーしたドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)を獲得したものの開幕からわずか6試合で今季絶望の負傷を負い、後半戦に向けてシーズン中のトランスファーウィンドウ期間に獲得したキリアン・ヌワブエズ(アメリカ)に至っては加入後初出場となった試合で負傷しこちらも今季絶望となるなど、ストライカーを立て続けに失ったボジャン・ホダック監督はMFのロメル・モラレスをFWにコンバートするとこれが大成功。リーグ戦では5ゴールにとどまったものの、マレーシアカップに入ってからはゴールを量産しています。
 そんなモラレス選手が代表の救世主となるのでは、とマレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。24歳のモラレス選手は2018年にMリーグ1部のPKNS FC(当時、後にチームはスランゴールFCと合併)に加入し、2020年シーズンはマラッカ・ユナイテッドFC、そしてKLシティFCに移籍した今季がマレーシアでの4年目のシーズンになることから、来季2022年もマレーシアでプレーすればFIFAが認める「継続して5年間の居住歴を持つこと」というマレーシアの帰化選手となる条件を満たすことになります。
 KLシティFCのスタンリー・バーナードCEOはブリタハリアンの取材に対して、クラブとして支援していく計画があることも認めており、またコンバートを命じたホダック監督もモラレス選手の身体の強さや技術に加え24歳という年齢も帰化選手として代表に貢献できるだろうと話しています。
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 モラレス選手のコンバートについてホダック監督は「他に候補者がいなかったことに加えて、(モラレス選手は)守備をしたがらないから、とりあえず前線に置いてみた。」と冗談とも本気ともわからないコメントを述べていますが、FWとなってからは身体を絞り込むなど意識も変わったことに加えて、本人の努力がゴールという結果になって出ていることも好結果が続いている理由だろうと分析しています。
 マレーシアの帰化選手(マレーシア人の父母や祖父母を持たないマレーシア国外生まれの選手)は2018年4月にマレーシア国籍を取得し同年10月に代表に招集されてマレーシアサッカー史上初の帰化選手となったガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(27歳、JDT)、2020年2月にマレーシアサッカー協会FAMの支援で帰化したコソボ出身のリリドン・クラスニキ(29歳、JDTからインドスーパーリーグのオディシャFCに期限付き移籍中)、同じくFAMの支援で帰化したブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラ(35歳、JDT)の3選手がいますが、今年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選では3選手ともに活躍することができず、国内サッカーファンからはFAMの帰化プログラムに避難が集中し、FAMもプログラム見直しを表明する事態となりました。

ペラFC主将は条件付きで2部降格クラブへの残留を表明
 今季開幕後に発覚した給料未払い問題により、主力の大半がシーズン途中に退団した結果、Mリーグ1部で11位となり来季は2部に降格するペラFCの正GKで主将でもあるハフィズル・ハキムは、来季もペラFCでプレーするとしながらもそのためにはゼネラルマネージャー(GM)とチームマネージャー(TM)の留任を条件としていると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 ペラ州イポー出身でペラFCのユースチーム上りでもあるハフィズル選手は、アズマン・ノーGMとラシディ・ラヒムTMが来季もペラFCに残るのであれば、自身もペラFCに残留すると話していますが、ペラFCは一昨日の11月16日にアズマンGMを理事に任命した上でGM職を廃止し、ペラ州サッカー協会の理事でもあるハイリル・アンワル氏をCEOに任命する人事を敢行しています。
 「アズマンGMとラシディTMに対しては自身の来季残留を約束したが、もし両名がクラブに残らなければ、約束を果たす義理もなくなるので、残留に関する自分の考えも変わる可能性がある。」と話すハフィズル選手は、同じMリーグ1部のペナンFCを含めた複数のクラブからのオファーがあることを明らかにした上で、近々予定されている新たに就任したハイリルCEOとの面談で直接、説明を聞いてから最終決定を行うとしています。
 ウトゥサンマレーシアの記事では既にU22代表のGKでスズキカップ出場の代表候補にも選ばれているGKアズリ・アブドル・ガニとMFアディブ・ラオプは既に他のクラブと移籍交渉を行っており、ペラFCが選手の不信感を払拭できなければさらに選手の流出は続くとしています。

タン代表監督はコービン=オングらJDT選手を招集しなかった理由を説明
 東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020年大会に出場する代表候補が昨日発表されましたが、そのメンバーから代表でも主力として活躍するJDTの選手が複数漏れていましたが、これについてタン・チェンホー代表監督がその理由を説明しています。
 Mリーグ1部で8連覇を達成したJDTの主力選手でもあり、代表でも今年の試合にはほぼ全て出場したGKファリザル・マーリアス、DF(左SB)のラベル・コービン=オング、DF(右SB)のマシュー・デイヴィーズ、そしてU22代表招集をチームが拒否したFWアリフ・アイマンらがスズキカップ出場の代表候補に選ばれなかった理由についてマレーシアの通信社ブルナマは、疲労と休養をタン監督が理由にしていると報じています。
 「6月のW杯予選、その直後のAFCチャンピオンズリーグ、さらにはMリーグ、マレーシアカップと今年1年間を通して代表とクラブの両方で国内外の試合に休まず出場してきた選手に疲労回復と休養を与えるために今回の招集を見送った。代表チームの首脳陣は彼らの能力を熟知しており、JDTの監督、コーチらとも話し合いを行った結果、今回の選手選考となった。」と説明しています。さらに主力が欠場するスズキカップは他の選手にとってはポジション奪取のための好機であるとも述べて、来年6月に予定されているAFC選手権アジアカップ3次予選に向けて代表チームの選手層を厚くするための選手選考であるとも説明しています。
 この他、ノー・アザム・アジー(スリ・パハンFC)、シャマー・クティ・アッバ(JDT)、ブレンダン・ガン(スランゴールFC)についてもそれぞれヒザの負傷、太ももの負傷、精巣腫瘍の治療を理由に招集しなかったことを説明しています。
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 東南アジアNo.1の称号が懸かるスズキカップですが、今回の招集メンバーは現在の代表が目指すべきはこのスズキカップ優勝ではなく、来年6月のアジアカップ予選突破であるというタン監督の決意の表れとも理解できます。その一方で前回大会では準優勝したスズキカップでメンバーを落として結果がグループステージ敗退となれば、アジアカップの前に自身の更迭論にも発展しかねません。
 そうならないためにもタン監督の覚悟に今回招集された選手たちが応えることに期待しましょう。