5月28日のニュース:W杯予選に臨む代表に「秘密兵器」?、移籍情報3題、トレンガヌのコナテがマリ代表招集

W杯予選に臨む代表に「秘密兵器」?
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会に向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のマレーシア代表に「秘密兵器」が投入されるのでは、とマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ブルナマによればこの秘密兵器とは、今季はデンマーク1部で2位のFCミッティランで21試合に出場したDFディオン・コールズです。ベルギー人の父親とマレーシア人の母親を持ち、これまでも何度か代表入りの話が出ては消えていたコールズ選手ですが、所属するFCミッティランの公式ソーシャルメディアでコールズ選手が初の代表招集を受けたことを明らかにしたことから、俄然、信ぴょう性が高まっています。
 サラワク州クチン生まれのコールズ選手は慎重185cmの右サイドバックで、U19やU21ベルギー代表の経験もあるほか、ベルギー1部クラブ・ブルッヘ在籍時にはUEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験もあります。
 左サイドバックやセンターバックのプレー経験もある185cmのコールズ選手が代表に加われば、代表の守備陣はマシュー・デイヴィーズ、ジュニオール・エルドストール、ラヴェル・コービン=オングと外国育ちながらいずれもマレーシア人の血を引く帰化選手による強力な布陣となりそうです。
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 さらにその後、FCミッティランの所属選手名簿からコールズ選手の名前が消えたことで、コールズ選手は代表入りだけでなく、そのままMリーグ1部JDTへの加入も噂されています。
 本日5月28日にはバーレーンのマナマで予選前最後の練習試合となるバーレーン戦が行われます。流石にぶっつけ本番ということはなさそうですので、この試合がコールズ選手の代表デビュー戦となるかもしれません。

移籍情報-マラッカUはブラジル出身FW2名の新加入を発表
 Mリーグ1部スーパーリーグで11位のマラッカ・ユナイテッドFCは公式Facebook上で新加入となるブラジル出身FW2選手を紹介しています。
 今季はここまで13試合で15ゴールと得点力不足に苦しむマラッカ・ユナイテッドですが、ブラジル4部のSERカシアス・ド・スルから加入するジョヴァンニ・ゴメス・ダ・シルヴァ(26)と、同じくブラジル4部のガウヴェスECから加入するアドリアーノ・アパレシド・ナルシソ(26)には1部残留に向けての活躍が期待されています。
 なお、マラッカ・ユナイテッドFCはこれに先立ち、FWステファン・ニコリッチ(モンテネグロ、今季4ゴール)とFWアレックス・ドス・サントス・コンカウヴェス(ブラジル、同3ゴール)との契約を解除しています。

移籍情報-ペラFC退団のナジルル・ナイムはサバFCへ移籍
 給料未払い問題で主力選手が次々と退団しているMリーグ1部のペラFCから新たな退団者です。同じ1部スーパーリーグのサバFCは、ペラFCを退団したDFナジルル・ナイム(28)の加入を公式Facebookで発表しています。
 ペラ州出身で2016年からペラFCでプレーするナジルル選手は、今季13試合中10試合に出場(内7試合は先発出場)しており、サバFCでも主力として活躍することが期待されています。
 各年代や代表でもプレー経験があるナジルル選手は、2013年には当時JFLのFC琉球のトライアルを受けた後に1年契約を交わしましたが、ケガのためJFLには1試合も出場することなく契約を解除しています。

移籍情報-ザフアン・アゼマンらがケランタンUに加入
 Mリーグ2部プレミアリーグのケランタン・ユナイテッドFCは、1部スーパーリーグのペナンFCよりFWザフアン・アゼマンを獲得したことをクラブの公式Facebookで告知しています。
 来月21歳になるザフアン選手は今季ここまでペナンFCに所属していたものの出場はわずか1試合にとどまっていました。マレーシアU19代表では、フル代表のアキヤ・ラシド(JDT)やニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(トレンガヌFC)らと共にプレーしたザフアン選手は、昨季はタイ3部のアーントーンFCに所属していましたが、新型コロナウィルスの影響などもあり契約が更新されず、今季開幕前にペナンFCに加入していました。
 またケランタン・ユナイテッドにはMリーグ1部のサバFCからMFアリアスディアス・ジャイスとDFエバン・ウェンズリー・ヴェンツェルも今シーズン終了までの期限付き移籍で獲得しています。
 両選手とも、開幕当初はチーム合流が遅れていた外国籍選手に代わってベンチ入りし、途中出場ながらも数試合にプレーしましたが、第3節に5名の外国籍選手全員が合流した後はベンチ入りもできていませんでした。

トレンガヌのコナテがマリ代表招集
 Mリーグ1部トレンガヌFCは、今季加入したMFマカン・コナテが母国マリの代表に招集されたことをクラブの公式Facebookで発表しています。コナテ選手はこれが代表初招集ということです。
 プロとしてプレーし始めて以来、ずっとこれを目標とし、待ち望んできたと話すコンテ選手は、自身がトレンガヌFCでプレーする映像を見た代表のコーチから直接、連絡を受け、6月1日から始まる代表合宿に参加するために直ちにマレーシアを出国するということです。
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 現在Mリーグ1部で2位のトレンガヌの快進撃の原動力となっているコナテ選手ですが、マリ代表の練習試合は6月15日まで組まれているということで、コナテ選手がこの最終戦まで代表チームに残れば、トレンガヌが出場し6月30日に初戦を迎えるAFCカップのグループステージへの出場が危ぶまれるなー、と思っていた矢先、国内で新規感染者数が増え始めたシンガポールサッカー協会FASがトレンガヌを含むグループI、そしてクダ・ダルル・アマンFCを含むグループHの両グループステージ開催を返上してしまいました。

4月27日のニュース:本田圭佑選手にスランゴール入りの噂、FAMは選手が審判に「触れる」ことは容認、クダとトレンガヌが出場するAFCカップの日程が変更

本田圭佑選手にスランゴール入りの噂
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、現在、アゼルバイジャン1部リーグのネフチ・バクーPFCの退団が濃厚とされている元日本代表の本田圭佑選手にMリーグ1部のスランゴールFCが獲得オファーを出しているようです。
 今期は残り4試合を残しているネフチ・バクーPFCですが、アゼルバイジャンのメディア「スポーツインフォ」によると、34歳の本田選手はスランゴールFCからのオファーを検討中という事です。
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 配信された記事は短いもので、このニュース自体の信憑性は定かではありません。本田選手を獲得すれば、近年はJDTの後塵を拝しているかつての王者スランゴールにとっては集客、そしてメディアの注目という点で大いにプラスですが、現在、若手に切り替えつつあるチーム編成を考えると、本田選手にが加入することはむしろマイナスではないのかなという印象です。
 個人的には育てながら勝ちを目指しているのが今季のスランゴールだと思っていますが、トップチームで試合に出場し、そこで様々なことを学んだ20歳前後の若い選手たちが来季は主力になったとき、本田選手自身の持つ経験で足りないものを補ってもらえれば、単なる客寄せ目的以上の貢献をしてもらえるように思います。
FAMは選手が審判に「触れる」ことは容認
 今季のMリーグでは判定に不満を持った選手が審判を押したり、小突いたりする事例が複数件あり、それに対する審判の反応も何のお咎めなしから一発退場までと様々なことから、その裁定基準が統一されていないことが度々疑問視されてきました。
 これについてマレーシアサッカー協会FAMの審判委員会が会合を開き、S・シヴァサンダラム審判委員長は、委員会としての統一見解はなく、個々のケースによるという非常に「グレー」な見解を発表しています。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、シヴァサンダラム審判委員長は選手が無条件で審判に触れることを認めるわけではなく、注意を引こうとしたり、何かを説明しようとする場合に審判に触れるのは許されると話しています。「もし選手が審判に触れる度に審判がイエローカードを与えれば、試合は面白く無くなるだろう。」と述べたシヴァサンダラム審判委員長はその一方で、審判に対してはフィールド上では自身の解釈に基づいてのみ判断するべきではないが、審判にも状況に基づいた判定を下すことを認めるというなんともグレーで無責任なコメントをしています。
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 野球出身の筆者から見れば、理由の如何に関わらず審判に「触れる」ことは言語道断なことですが、サッカーはそういうことではないのですね。選手が試合中に冷静に審判に接触しようとするとは個人的には思えませんが、この新型コロナウィルス蔓延の中では、どんな理由であれ審判は触れて欲しくないでしょう。

クダとトレンガヌが出場するAFCカップの日程が変更
 アジアサッカー連盟AFCはAFCカップのアセアン東南アジアゾーンの日程変更を公式サイトで発表しています。
 集中開催で行われる予選各組は6月22日から28日までの日程で開催予定でしたが、クダ・ダルル・アマンが所属するG組は6月29日から7月5日まで、またトレンガヌが所属するI組は6月30日から7月6日へと変更になっています。なお今回の日程変更はAFCチャンピオンズリーグの東地区プレーオフの日程が6月22日と変更になったことが理由に挙げられています。
 昨季のMリーグ2位チームとしてAFCカップに出場するクダが所属するG組は、クダに加えてライオンシティー・セイラーズFC(シンガポール)、サイゴンFC(ベトナム)、そしてプレーオフの勝者で構成されており、試合はシンガポールの国立スタジアムで集中開催される予定になっています。
 一方のトレンガヌはゲイラン・インターナショナルFC(シンガポール)、カヤFC-イロイロ(フィリピン)、シャン・ユナイテッドFC(ミャンマー)と同組でしたが、国内情勢が不安定なことからシャン・ユナイテッドFCが出場を辞退しています。代わりの候補として2019年国内リーグ3位のプルシプラ・ジャヤプラ(インドネシア、インドネシア1部リーグの2020年シーズンは中止になったため。)の名前が上がっていますが、AFCの公式AFCカップページにはまだ記載されていません。

4月21日のニュース:M3リーグ参加予定の20クラブが確定、タイの国際大会に参加するフットサル代表が合宿開始、国外でプレーする代表候補選手はW杯予選前にマレーシア国内でのワクチン接種は行わず

M3リーグ参加予定の20クラブが確定
 6月開幕予定のMリーグ3部のM3リーグに参加予定の20クラブをM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLが公式Facebookで発表しています。
 3月末に既に発表されていた14クラブに加え、追加で行われた第1次書類審査を通過した6クラブをAFLのモハマド・ユソフ・マハディ会長が発表し、第1次審査を通過した全20クラブが揃いました。今回新たに発表された6クラブは以下の通りです。
1. イミグレーション(入国管理局)FC
2. KLローヴァーズFC
3. マーサ・プロタップFC
4. マレーシアン大学(連邦直轄地)FC
5. プルリス・ユナイテッドFC
6. アルティメイトFC
 この6クラブと既に発表された14クラブの計20クラブは、AFLのよる第2次書類審査を経て、今季のリーグ参加が決定されます。なお今季のM3リーグは外国籍の選手、監督およびコーチの登録が認められていないため、各クラブともマレーシア人によるチーム編成になります。
 Mリーグ1部スーパーリーグから撤退したフェルダ・ユナイテッドFCと同じく2部プレミアリーグから撤退したUKM FCのM3リーグの参加も噂されていましたが、両クラブともAFLによる書類審査は受けていないということです。

タイの国際大会に参加するフットサル代表が合宿開始
 マレーシアサッカー協会FAMは5月22日から27日かけてタイのバンコクで開催される招待制のフットサル大会SAT国際フットサル選手権に出場するマレーシア代表の合宿初日の様子を公式Facebookで紹介しています。
 5月17日までのほぼ4週間行われる長期の合宿には22名が招集され、昨年2月の大会に続き指揮を取るチュウ・チュンヨン監督は、昨年の大会出場選手14名中、アブ・ハニファ・ハサン、アワルディン・マット・ナウィ、リズワン・バクリ、サイフル・ニザム・モハメド・アリ、カイルル・エフェンディ・バーリン、アズワン・イスマイル(以上パハンレンジャーズ)、サアド・サニ、エクマル・シャリン(以上スランゴールMAC)、シャワル・サバルディン、ファリク・カビボール・ラーマン(以上ペラ)、イクマル・ナジミ・イスマイル(ペナン)の11名を再び招集しています。
 今回の合宿に招集された22名の選手中、9名が23歳以下となっており、チョウ監督は今回の大会で若手とベテランを融合させたチーム編成にしたいと話しています。
 なお今回の合宿は4月30日までの第一期、5月2日から9日までの第二期、そして断食月明けの祝日ハリラヤ後の5月14日から17日までの第三期に分けて行われ、最終的に14名に絞り込まれた代表チームは5月18日にタイのバンコクへ出発する予定だということです。
(写真は代表合宿の様子。マレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookより)

国外でプレーする代表候補選手はW杯予選前にマレーシア国内でのワクチン接種は行わず
 6月3日に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表は、一昨日の4月19日より新型コロナウィルスのワクチンの接種を受け始めたことはこのブログでも取り上げましたが、残る選手や関係者は明日4月22日に第1回目のワクチン接収を行うと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお2度目の接種は全員が5月10日受ける予定も発表になっています。
 またマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、現在国外でプレーするルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)らについては、もし代表に招集された場合にはマレーシア国内でのワクチン接種は行わないことも明らかにし、その場合には各選手は滞在国から、予選前の練習試合が予定されているバーレーンでチームに合流することになると話しています。

4月9日のニュース:ペラFC関連3題-MFLは給料未払いの報告は受けていない、ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘、ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡、サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか、タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出

MFL-ペラFCの給料未払いの報告は受けていない
 英字紙スターのT・アヴィネシュワラン記者がペラFCの給料未払いが数ヶ月に及んでおり、選手たちに声を上げるべきとTwitterで明らかにしたことは、このブログでも取り上げましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ペラFCの給料未払いについての報告は受けていない述べていると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 過去3年間はMリーグ1部スーパーリーグで2位、5位、4位、カップ戦でも2018年はマレーシアカップ優勝、2019年にはFAカップ準優勝と安定した成績を残してきたペラFCは今季も上位を狙うチームと予想されましたが、開幕前にはメフメト・ドゥラコヴィッチ監督が突然辞任、そしてチームは第7節を終えて8位となっています。
 監督の辞任と給料未払いとで、主力選手の中には移籍を望んでいる選手も複数いるとされているペラFCの現状について、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在は来年2022年のクラブライセンス交付について各クラブと話し合いを行っている最中であるものの、ペラFCの未払い給料については報告を何も受けていないと話しています。

ペラ州首相は州政府への批判を筋違いと指摘
 上のような記事が出る一方で、ペラ州首相はペラFCの給料未払いについて州政府を非難するのは筋違いであると述べています。
 ペラ州のサアラニ・モハマド州首相はマレーシアの通信社ブルナマに対して、州政府はペラFCの選手への未払い給料分としてこれまでに既に400万リンギ(およそ1億550万円)を支払っていることを明らかにし、ペラ州政府が給料未払い問題に無関心であるというサポーターからの批判の声を否定した上で、州政府を批判するのは間違っていると述べています。
 「ペラFCの運営に州政府が100%の責任を持つことは、州内の他の競技にとっても公平ではない。しかもペラFCは州政府ではなく、ペラ州サッカー協会傘下の団体であり、州政府が給料の保証をする立場にもない。自分はその責任はないが、現在は複数の政府関連企業に対して支援を求めてい最中であり、サポーターは冷静にことの進展を見守って欲しい。」と述べています。
 その上でペラ州政府の資金は州民から集めた税金であり、ペラ州サッカー協会のものではなく、それは最終的には州民に返されるべきものであることも強調しています。

ペラFCは未払い給料支援対価にクラブ株式を譲渡
 ペラFCは騒ぎに紛れて未払い給料問題を抱えていることを公表すると同時に、株式譲渡を条件にしてスポンサーを募り、未払い給料解消を目論んでいるようです。
 ペラFC運営会社のカイルル・シャーリル・モハメド理事は、民間企業も含めて広くスポンサーを募り、チームの株式譲渡と引き換えに未払い給料問題解決の支援を求めたいと、ブルナマに述べています。
 「ペラFCを実際に運営する意思のあるスポンサーを現在も探している。これまでに複数の申し出は受けているが、支援の対価に州内の公有地を求めるなど、我々にとっては不利益が多い申し出であり、その内容も不透明な点があった。未払い給料問題解決を支援してくれるのであればどんな個人、企業で合っても歓迎し、株式を譲渡する事も含めて検討している。」とカイルル・シャーリル理事は話しています。
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 これまでメディアやSNSなどで噂となりながら、MFLは全く知らないと話しているペラFCの未払い給料問題がこうもあっさりと公になると、むしろMFLのMリーグクラブの管理能力が心配になります。本当に報告を受けていなかったのか、それとも知っていながらしらを切ったのかはさだではないですが、いずれにしてもその対応にはリーグ運営責任者としては不適格なような気がします。

サバFCでも給料未払い発生で選手が練習をボイコットか
 上のペラFCに加え、現在リーグ2位のクダ・ダルル・アマンでも給料未払いが噂されていますが、今度は新たにサバFCでも給料未払いが起こっているようで、昨日4月8日の練習を選手がボイコットしたと複数のメディアが報じています。
 サバFCは昨日午後4時から地元コタキナバルでチーム練習が予定されていましたが、選手や首脳陣の間で激しい議論が戦わされた後、練習が中止となったと報じているのはマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版です。
 ハリアンメトロの取材に対し、給料に関する問題で練習が中止になったことを明かした関係者は、明日(4月9日)には未払い分の給料が支払われることが選手には伝えられていたと話す一方で、すでに何度も同様の約束が破られていることから、我慢ができなくなった一部の選手が行動に出たのではないかと話しています。なお、昨日の練習は今週日曜日4月11日にペナンで行われるMリーグ第8節ペナンFC戦前の本拠地での最後の練習だったということです。
 なおサバFCのアフマド・マルズキ チームマネージャーはクラブは本日4月10日に公式声明を発表すると自身のFacebookで告知していますが、サバFCの公式Facebookには1500を超えるコメントが寄せられています。

タイリーグ-エルドストールのゴールでチョンブリーFCはFAカップ決勝進出
 2020/2021年シーズンが終了したタイリーグは、現在、FAカップの試合が行われていますが、4月7日に行われた準決勝で、マレーシア元代表で現在はタイ1部リーグのチョンブリーFCでプレーするジュニオール・エルドストールが決勝ゴールを決めて、チームを決勝戦に導いています。
 リーグでは12位に終わったチョンブリーFCは、同2位のブリーラム・ユナイテッドと対戦し、1-1の同点から58分にペナルティエリアの外でフリーキックを得ました。このフリーキックはブリーラム・ユナイテッドのGKに止められたものの、詰めていたエルドストール選手がそのこぼれ球を冷静に押し込み逆転し、チームはそのまま逃げ切りました。

2021年4月7日 タイFAカップ準決勝@タマサートスタジアム
チョンブリーFC 2-1 ブリーラム・ユナイテッド 
ジュニオール・エルドストールは先発してフル出場し、59分には決勝ゴールを決めています。

(下はこの試合のダイジェスト映像-チョンブリーFCの公式Youtubeチャンネルより)

https://www.youtube.com/watch?v=SiV7R0UDR_I

 チョンブリーFCはもう1試合の準決勝で細貝萌選手のいるバンコク・ユナイテッドを破ったチェンライ・ユナイテッドと今週日曜日4月11日に行われる決勝で対戦します。なお、タイリーグのFAカップ王者には2022年アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグのグループステージ出場権が.与えられるため、エルドストール選手とチョンブリーFCにとってはACL出場権もかかった大一番となります。
 3月の代表合宿はマレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離の都合から招集されなかったエルドストール選手ですが、チョンブリーFCではレギュラーとして活躍していることから5月に予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前の代表合宿への招集は間違い無いでしょう。

4月6日のニュース:Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱

Mリーグは断食月の試合日程変更を発表-トランスファーウィンドウも2ヶ月前倒しに
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、4月23日以降のMリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの日程を変更することを公式サイト上で発表しています。
 この日程変更は6月に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表合宿と、試合日程が変更になったAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップに出場するMリーグクラブを考慮しての変更ということです。
 マレーシア代表は6月3日にアラブ首長国連邦UAEとの試合を控え、このブログでも既報の通りマレーシアサッカー協会FAMは代表合宿をイスラム教の断食月が明けた5月16日から開催できるよう、MFLにMリーグ日程の変更を求めていました。
 またJDTが出場するACLは集中開催となるグループリーグが当初の4月21日から5月7日から6月21日から7月7日に変更となっています。
 この他、クダ・ダルル・アマンとトレンガヌが出場するAFCカップのグループステージも6月22日から28日の開催が発表されています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはMリーグ各クラブの代表者とオンラインでの会談を行い、日程の変更を通達済みだということです。
 なお今回の日程変更により、4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月の間に1部スーパーリーグの各クラブはは当初の2節(2試合)から5節(5試合)へ、また2部プレミアリーグの各クラブは3節(3試合)から4節(4試合)へ、それぞれ試合数が増えています。
 アブドル・ガニCEOは今回のMリーグ日程の変更により1部スーパーリーグは最終節が8月14日に、2部プレミアリーグの最終節は8月8日となることから、今年2度目のトランスファーウィンドウ期間が当初の7月5日から8月1日からおよそ2ヶ月早まり5月3日から5月30日となることも発表しています。

FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ出場続行に関する議論がさらに加熱
 Mリーグ2部プレミアリーグに今季初参戦中のFAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府の青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同運営するエリートアカデミーAMD出身者らで構成されている平均年齢17.23歳と若いチームですが、第6節を終了した時点で0勝0分6敗で得点4、失点20、得失差-16という成績で、先月のリーグ中断期間中にはリーグに残るべきかどうかがメディアやソーシャルメディア上で様々な議論が起こりました。
 そのFAM-MSNプロジェクトが第6節でもJDT IIに0-5と惨敗したことから、このチームの指揮を取るユスリ・チェ・ラー監督がJDT II戦後の記者会見で。短期間でこのチームが成長することは難しいと認めた上で「外野では様々なことが言われていることは承知しているが、このチームが育成目的であることは理解する必要がある。また外国籍選手がいるような(プレミアリーグの他の)クラブと渡り合うことはこのチームの選手にとっては容易なことではない。」とマレーシアの通信社ブルナマに語り、次節のクチンシティ戦では、チームが改善されたパフォーマンスを見せてくれることを期待しているとも話しています。
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 これに対し、FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参戦が決まった時点から一貫してリーグ参加に否定的な意見を繰り返し述べているのが元エリートアカデミーAMDの責任者でもあったリム・ティオンキム氏です。
 今回の敗戦後にも「FAMが『育成』と呼んで行っている(FAM-MSNプロジェクトのプレミアリーグ参加)行為は完全に間違いである。」とし、リーグ参加自体が無責任な判断であり、FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターはその責任責任を果たすべきであると批判しています。
 リム氏はサッカー選手の育成とは強靭な精神や個性を持った個々の選手を生み出すことであると定義し、FAMが行っているのは単に選手を集めてチームを作っているだけである、と話しています。またこのFAM-MSNプロジェクトの先例として挙げられるハリマウムダ(ヤングタイガーズ、2008年から2012年まで当時のMリーグ2部プレミアリーグに参戦し、2009年にはリーグ制覇したU21代表チーム)については、Mリーグが2009年から2011年までは外国籍選手の出場を認めていなかったことから、対戦チームには外国籍選手がおらず、FAM-MSNプロジェクトとハリマウムダを比較すること自体に無理があると話しています。
 「FAM-MSNプロジェクトの選手が対戦しているのはスピードがある上に体躯に勝り、経験もある国内トップクラスの選手である。ハリマウムダは当時のU21の代表選手を集めて結成されたが、FAM-MSNプロジェクトの選手28名中、FAMが主催する国内トップレベルのU19リーグに出場経験がある選手はわずか6名で、チーム自体が当時のハリマウムダのレベルには達していないが、それはここまでの試合結果を見ても明らかである。育成とは選手に自信を持たせ、他の選手に敬意を払いながらもフィールド上では自分自身で問題を解決する能力を身に付けさせることである。」というコメントを元バイエルン・ミュンエヘンU19チームのアシスタントコーチでもあったリム氏は現在居住しているドイツから発信しています。
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 FAMのシヴァサンダラム会長代理はスランゴール2との対戦ではFAM-MSNプロジェクトが2-4と「善戦」したことを引き合いに出し、リム氏のコメントが適切ではないと述べてていますが、リム氏はスランゴール2は大半の選手が20歳で30歳代の選手が1名しかチームにいない点を指摘しています。
 さらにリム氏はFAM-MSNプロジェクトの選手について0-2で敗れた第5節のヌグリスンビラン戦では90分間の試合中にアズハド・ハラズ・アルマンがボールを保持したのが23秒間、ウバイドゥラー・シャムスル・ファズリが5秒間だったことを指摘した上でこの両選手がチーム内で最も長くボールを保持できていた選手であり、試合中のボールタッチの数多ければ多いほど良いとされる若い年代にも関わらず、この両選手以外は試合中は走っているか、ボールを追いかけているかするだけであり、この状況を放置しておくことが果たして「育成」と呼べるものなのか、そしてサッカーをしていると言えるのかと疑問を呈し、FAMはボールに触れられていない選手をどう評価するのかとも述べています。
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 なお次節第7節で選手の平均年齢17.23歳のFAM-MSNプロジェクトは、プレミアリーグで最年長となる選手平均年齢30.26歳のクチンシティと対戦します。

3月31日のニュース:プロ選手会はケランタンFCオーナーを非難、JDTの選手に対する処分の遅れにダブルスタンダード疑惑も協会は否定、アジアサッカー連盟事務局長-各国協会の懲罰委員会の処分内容にはコメントしない

プロ選手会はケランタンFCオーナーを非難
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、「職業倫理に反する行為」を行ったとして、Mリーグ2部ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーを非難しています。
 このブログでも3月25日に取り上げましたが、ノリザム オーナーは未払いとなっている2020年11月分の給料の減額(給料が未払いの上、その減額を求めること自体が既に意味不明ですが)に応じなかったとされる元ケランタンFCの選手5名の名前を自身のFacebook上で明らかにした上で、公然と批判をしています。なお未払い給料の総額は15万8857リンギ(およそ422万円)であることも公表しています。
 この行為に対してMリーグ1部KLシティでもプレーするPFAMのサフィ・サリ会長はケランタンFCとPFAMが現在も交渉中であることを踏まえた上で、ノリザム オーナーに対して「職業倫理に基づいて」問題に対応することを求めると言う声明を発表していると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 「PFAMは該当する5選手に対し、現在も交渉が続いている未払い給料問題については公の場での発言を慎むように忠告してある。しかしその一方でケランタンFC自身がこの件を公表し、ソーシャルメディア上では該当選手に対して否定的な印象を与える原因を作り出している。意見があればノリザム オーナーは交渉相手であるPFAMに対して伝えるべきである。」とサフィ会長はノリザム オーナーを非難しています。
 さらにPFAMによる声明では「ケランタンFCが11月の給料を満額支払わないとする理由は到底、正当化できるものではなく、選手とクラブ間の契約で追うべき責任を果たすことを拒んでいる。ノリザム オーナーは満額支払わない理由として、ケガや出場停止処分などをに挙げているが、これらが給料減額の条件となることが選手との契約書内で明言されていなければ、ケガなどを給料減額の理由とすることはできない。」とも述べられています。
 またPFAMのイズハム・イスマイルCEOは、新型コロナウィルスを理由に給料削減を行おうとするクラブに対しては、マレーシアサッカー協会FAMがMリーグ再開後はクラブは選手に給料を満額で支払うことを命じているガイドラインに従うように求め、(試合数が少なかった)11月分の給料について、試合数決定権がない選手の給料を試合数が少ないことを理由に削減するといった不当な扱いをしないよう警告しています。

JDTの選手に対する処分の遅れにダブルスタンダード疑惑も協会は否定
 Mリーグ第5節までの1部スーパーリーグと2部プレミアリーグの試合中の行為でマレーシアサッカー協会FAMの懲罰委員会への出頭を求められた選手への処分が発表となったことはこのブログでも3月25日に取り上げましたが、その中で3月21日のペラFC戦後に審判に駆け寄って身体を押したJDTのナチョ・インサへの処分のみが発表されませんでした。
 この発表の遅れについて、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は懲罰委員会が意図的に処分を遅らせているのではないかと言う声を一蹴し、事情聴取と処分は近々発表されるとしていますが、同じように懲罰委員会に出頭を求められた他の4選手の処分が既に発表されているにもかかわらず、JDTのインサ選手の処分だけが遅れている点に対してFAMがJDTにはダブルスタンダードを適用しているのではと言う疑念が高まっているとニューストレイトタイムズが報じています。
 スチュアート事務局長は既に発表されたジャック・ヒンドル(ケランタンFC-2部プレミアリーグ)、アレックス・ドス・サントス・ゴンカウヴェス(マラッカ・ユナイテッド-1部スーパーリーグ)、カイルル・アヌアル(PJシティ-1部スーパーリーグ)、ハイン・テット・アウン(スランゴール2-2部プレミアリーグ)の4選手は第2節までに起こした行為に対する処分であったが、飲茶選手の行為は第5節に起こしたものであることから処分の発表が遅れていると説明し、選手に対する処分は証拠となるビデオを見て決定するといった単純なものではないと説明に躍起になっています。
 なお、このインサ選手への処分については、FAMのハミディン・アミン会長までが公正に処分を行うと言う声明を出す事態になっており、JDTに有利な処分となるのではと疑う声に対しては、懲罰委員会による処分には第三者の介入はないと話しています。
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 こういった疑惑を持ってみられるのはそもそも、これまでFAMがJDTに対していわゆる「忖度」を行ってきたのではないかと言う疑念が多くのサポーターの根底にあるからで、政治家でも皇族でもない初のFAM会長となったハミディン会長はその負のイメージを払拭することも期待されていることから、今回わざわざ声明を出したのではないでしょうか。

アジアサッカー連盟-各国FAの懲罰委員会の処分内容にはコメントしない
 Mリーグの選手は審判を両手で突き飛ばしても出場停止処分はなく厳重注意のみ。しかし同様の行為がアジアサッカー連盟AFC主催試合で起れば、間違いなく出場停止と罰金処分を課せられるのは、JDTの守護神ファリザル・マーリアスが2017年のAFCカップ、セレス・ネグロスFC戦でフ・ミン主審(中国)を押して12ヶ月の出場停止と罰金4万米ドルの罰金処分を課せられたことからも明らかです。(ちなみに出場停止処分はその後8ヶ月に短縮されています。)

2017年AFCカップのセレス・ネグロスFC対JDTのダイジェスト映像-ファリザル選手が主審を押した問題の場面は1:50頃から(AFCのYoutubeチャンネルより)

 一方、以下の映像ははケランタン対ペラIIにダイジェスト映像。2:40頃からケランタンのジャック・ヒンドルが主審を両手で突き飛ばしています。しかしFAMの懲罰委員会による処分は厳重注意だけでした。

https://youtu.be/H8oXPqGqXKE

 そうなるとFAMはAFCが設けた基準に従わず、選手に対する処分が寛容すぎるのではとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が疑問を呈しています。
 さらにAFCのウインザー・ポール事務局長にも取材を敢行。これに対してウインザー事務局長は各国内リーグの処分内容に対してAFCは介入しないと述べています。「AFCは審判に対しての暴力に独自の処分基準を設けている。もしAFCが審判の安全を守らなければ、いったい誰が彼らを守るのか。」と述べたウィンザー事務局長は、FAM懲罰委員会の処分内容についてはコメントする立場にないとした上で、AFCの処分と各国FAの処分を単純に比較することはできないと述べています。しかしその一方で、「こういった処分基準には厳格なものがあればそうでないものもあり、AFCは処分を決める際の基準を厳格に規定している。そしてもし各国FAがその厳格な基準に従うのであれば、それはとても良いことだ・」と話しています。

3月19日のニュース:Mリーグは第6節よりスタジアムでの観戦が解禁、JDTのACL対戦相手が変更-名古屋・浦項・ラーチャブリーに、タイ1部リーグ第28節と2部リーグ第30節-元代表トリオは出場なし

Mリーグは第6節よりスタジアムでの観戦が解禁
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、マレーシア政府の承認が得られたとしてMリーグ1部スーパーリーグ第6節(4月2日および3日)からスタジアムでの観戦が可能となることを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、まずスーパーリーグ第6節のJDT対マラッカ・ユナイテッド戦(4月2日、スルタン・イブラヒムスタジアム)とKLシティ対サバ(4月3日、KLフットボールスタジアム)の2試合で試験的に観衆をスタジアムに入れて開催することを発表しています。
 アブドル・ガニCEOは、この2試合は他のMリーグクラブがスタジアムに観客を入れて試合を開催できるかどうかの審査に使われ、その結果をもとにMFLは他の試合での観客の入場を認めるかどうかを判断するとしています。
 またMFLは、観戦許可が出た後もMリーグ各クラブに対して部外者との接触を避けるスポーツバブルを維持し、さらに今後も標準作業手順SOPを遵守することを求める一方で、スタジアムへ来場予定のサポーターに対しても同様にSOPの遵守を求めるとしています。
 なおスタジアムでの観戦解禁に際し、入場可能となる観戦者数は、最も制限が緩和される「回復のための行動制限令」RMCO施行地域では8000名あるいはスタジアム収容総人数の25%の内少ない方が、「条件付き行動制限令」CMCO施行地域では2000名あるいはスタジアム収容総人数の10%の内少ない方が上限となるということです。
 この他、現在は毎試合で必要されている抗原検査(RTK Antigen)が、今後は週1回でよくなることもアブドル・ガニCEOは発表しています。

JDTのACL対戦相手が変更-名古屋・浦項・ラーチャブリーに
 アジアサッカー連盟AFCは、AFCチャンピオンズリーグG組の江蘇FC(中国)が出場を辞退し、G組の残る1枠をプレーオフで争う予定だった浦項スティーラーズ(韓国)とラーチャブリーFC(タイ)の両クラブがともにG組に組み込まれたことを公式サイト上で発表しています。浦項スティーラーズとラーチャブリーFCは4月14日に予定されていたプレーオフで対戦し、その試合の勝者がG組に入る予定でした。なおこのG組にはMリーグ7連覇中のJDTと名古屋グランパスも所属しています。
 昨季中国1部リーグ優勝の江蘇FCはこのブログでも既報通り、運営停止が発表されており、今季のACLの出場が危ぶまれていました。
 このG組は6月下旬にタイを会場とした集中開催となることが決まっています。
 

タイ1部リーグ第28節と2部リーグ第30節-元代表トリオは出場なし
 タイ1部リーグ第28節が3月16日と17日に、また2部リーグ第30節が3月17日に開催されました。
 1部チョンブリーFCに所属するジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)は、前節第27節は警告累積により出場停止でしたが、今節はベンチ入りしたものの出場はありませんでした。またポリス・テロFCのドミニク・タンはケガが完治しておらず、こちらもベンチ入りしませんでした。
 この他、2部ノーンブワ・ピッチャヤFCのニコラス・スウィラッドもベンチ入りしませんでした。
タイ1部第28節
チョンブリーFC(12位-9勝3分16敗)0-2 サムットプラーカーン・シティFC(7位-13勝5分10敗)
 ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしたものの出場せず。
ラヨーンFC(16位-4勝2分22敗) 6-1 ポリス・テロ(11位-10勝5分13敗)
 ドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りせず。
タイ2部第30節
ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-18勝12分0敗)1-0 ウドーンターニーFC(16位-6勝10分14敗)
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りせず。

3月16日のニュース:W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表、FAMはMリーグ第2節まで審判と選手に対する処分を発表

W杯アジア二次予選出場の代表合宿参加メンバーが発表
 マレーシアサッカー協会FAMは3月22日から3月30日までジョホール・バルのJDTの施設を利用して行われる代表合宿の取集メンバー28名を公式サイト上で発表しています。
 この代表合宿は6月3日からアラブ首長国連邦UAEで開催されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する選手選考のための合宿です。
 今回の招集メンバーには、新型コロナウィルスによる中断前の最後の試合となった2019年11月14日のタイ戦と同19日のインドネシア戦で召集された23名中、17名が再招集されており、残るGKハジック・ナジル(JDT II)、DFドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)、シャズワン・アンディック(JDT II)、MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマン)、MFアジザン・ノルディン(サバ)、そして先日のUITM戦で怪我のため途中退場したFWサファウイ・ラシドの6名は今回の合宿には召集されていません。
 その一方で久々の代表復帰となるGKカイルル・ファミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッド)や初招集となる18歳のGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)、DFリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマン)、DFイルファン・ザカリア(KLシティ)、DFファズリー・マズラン (スリ・パハン)、FWファイザル・ハリム(トレンガヌ)、MFナズミ・ファイズ・マンソル、MFラマダン・サイフラー(いずれもJDT)、昨季のマレーシア人得点王のFWシャーレル・フィクリ(スランゴール)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、そしてブラジル出身で今季から帰化選手登録されているFWギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)の11名が召集されています。
 またタン・チェンホー監督はタイ1部のチョンブリーでレギュラーを獲得しているDFジュニオール・エルドストールと、期限付き移籍で加入したオーストラリア1部のニューカッスル・ジェッツでデビューを果たしたリリドン・クラスニキについては、現在、マレーシアへの渡航者には2週間の検疫隔離が義務付けられており、またマレーシアからそれぞれの国へ戻っても同様の検疫隔離があることからは今回は召集を見送ったと話しています。「両選手はそれぞれのクラブでプレーし、パフォーマンスが改善されていることは確認しており、今回はそのまま所属クラブでプレー時間を十分に確保してさらにレベルアップを図ってもらい、5月に予定している次回の代表合宿に招集する方が良いと考えた結果の判断である。」と述べたタン監督は、今回初招集となったルクマン・ハキム・シャムスディンについては、昨年から代表合宿への招集を予定していたことも明かし、今回の招集はルクマン選手のフィジカルのレベル、自信、そしてプレースタイルを首脳陣が把握することを目的としているとしています。
 この他、合宿でケガ人が出た際の補充要員としてGKサミュエル・サマヴィル(ペナン)、DFロドニー・ケルヴィン(クダ・ダルル・アマン)、DFアリフ・ファジラー・アブ・バカル、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ(いずれもトレンガヌ)、FW S・クマーハン(マラッカ・ユナイテッド)、FWダレン・ロック(PJシティ)が待機しているということです。
(以下はマレーシアサッカー協会の公式サイトに掲載された代表合宿メンバーの告知)

FAMはMリーグ第2節までの審判と選手に対する処分を発表
 マレーシアサッカー協会FAMは、Mリーグ第1節と第2節に発生した試合中の複数の事例について、審判と選手を対象とした処分を発表しています。
1) Mリーグ2部プレミアリーグ第1節(3月6日)ケランタン対ペラII
a) モハマド・アミルル・アイザット・モハマド・ロディン主審はペナルティエリア内で適切でない位置に立っていたことにより、ケランタンFCのFWジャック・ヒンドルに両手で押し倒された。審判評価担当者からの報告によるとアミルル主審は試合全体を通しての判定は合格点ではあるが、FAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定する。
b) ケランタンFCのジャック・ヒンドルは、ビデオ映像で明らかになった「審判を両手で強く押したという行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(ケランタンFCによるハイライト映像。問題のシーンは2:45頃から)

https://youtu.be/H8oXPqGqXKE

2) Mリーグ1部スーパーリーグ第2節(3月10日)PJシティ対マラッカ・ユナイテッド
a) モハマド・ファイルジ・マット・デサ主審はPJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリによるペナルティーエリア内でのシミュレーションに気づかず、そのままPJシティにPKを与えたことにより、2週間の審判停止処分とする。またファイルジ審判はFAMの審判育成担当者でプロ審判のナゴール・アミル・ノー・モハマドの指導の元、審判技量改善プログラムを受講することとする。なお、次の審判はこのプログラム終了後、その評価をもとに決定するが、まずは下部リーグでの審判を行い、スーパーリーグで再び審判を担当するのに十分な評価を得た上で、スーパーリーグの審判に復帰する。
b) PJシティのアフマド・カイルル・アヌアル・アフマド・ザムリはビデオ映像で明らかになった「シミュレーション行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
C) マラッカ・ユナイテッドのアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェスはビデオ映像で明らかになった「2点目のゴールの後、意図的に審判に向かってボールを投げつけた行為」についてFAMの懲戒委員会による処分対象とする。
(シミュレーションの場面は2:40辺りから、ボール投げつけは最後にありますがこの映像ではよく見えません。

https://youtu.be/j5PAimUdvGA

3月13日のニュース:ACL日程が変更へ-Mリーグも日程変更か、W杯アジア二次予選の集中開催地決定-マレーシアはアラブ首長国連邦、青年スポーツ省はスタジアム観戦許可を政府に申請へ

ACL日程が変更-Mリーグも日程変更が必至か
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上でAFCチャンピオンズリーグ(ACL)グループステージの日程変更を発表しています。
 Mリーグからは昨季1部スーパーリーグで7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTが出場する今季2021年シーズンのACLは、当初は4月21日から5月7日までの期間で各組ごとに集中開催で行われることが発表されていましたが、AFCは各国の新型コロナウィルス対策による渡航制限や検疫隔離実施状況などを考慮して6月から7月へと変更すると発表しています。
 またJDTと名古屋グランパス、江蘇蘇寧(中国)、プレーオフ3の勝者が対戦する東地区のG組は同F組、J組とも集中開催地がタイとなることも発表されています。
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 3月5日に開幕した今季のMリーグは第9節(4月16日から18日)から第10節(5月8日から10日)までのおよそ3週間は4月13日から始まる予定のイスラム教の断食月とJDTのACL出場に合わせてリーグ戦を組んでいません。また断食月はおよそ1ヶ月後の5月13日に終わりますが、6月にはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が6月3日から15日まで開催されることがAFCから発表されており、この時期にはACLが行われないでしょう。となるとJDTにとっては、Mリーグの試合が組まれてない6月後半から7月初旬にかけての時期にACLが開催されるのが理想です。7月のMリーグは4週間で8試合という日程が組まれており、しかもリーグ終盤の重要な時期なので、JDTにとってはたとえ隣国タイでの開催とは言え、リーグ8連覇のためには国内リーグに集中したいところでしょう。
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 ACLでJDTが所属するG組にはもう一つ問題があります。昨季の中国1部リーグでクラブ史上初の優勝を達成した江蘇蘇寧が債務超過を理由に解散する可能性が2月末に報じられれました。現在も無期限の活動停止中ということで、このままではACL棄権の可能性も取り沙汰されています。
 同じ中国1部リーグのクラブでは2月にもACLのJ組に所属する山東泰山(前山東魯能)がAFCへの債務未払いからAFCライセンスを剥奪されて出場権を失い、広州FCが変わって出場することがAFCから発表されてます。

W杯アジア二次予選の集中開催地決定-マレーシアはアラブ首長国連邦
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、未定となっていたFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の集中開催地を発表しています。
 マレーシアが所属する予選G組はアラブ首長国連邦UAEでの開催が決定し、このブログでも既報の通り、以下の日程が決まっています。

FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組日程
6月3日(木) 
 UAE対マレーシア および タイ対インドネシア
6月7日(月)
 UAE対タイ および ベトナム対インドネシア
6月11日(金) 
 マレーシア対ベトナム および インドネシア対UAE
6月15日(火) 
 UAE対ベトナム タイ対マレーシア
 
 その他の予選各組はA組(シリア、中国、フィリピン、モルディヴ、グアム)は中国、B組(オーストラリア、クウェート、ヨルダン、ネパール、台湾)はクウェート、C組(イラク、バーレーン、イラン、香港、カンボジア)はバーレーン、D組(ウズベキスタン、サウジアラビア、シンガポール、イエメン、パレスチナ)はサウジアラビア、E組(カタール、オマーン、アフガニスタン、インド・バングラディシュ)はカタール、F組(日本、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴル)は日本、そしてH組(トルクメニスタン、韓国、レバノン、北朝鮮、スリランカ)は韓国がそれぞれチュウチュ開催地に選ばれており、5月31日から6月15日までの期間に試合を行います。
(以下はAFC公式サイト上の集中開催国の告知)

AFC Asian Qualifiers

青年スポーツ省はスタジアム観戦許可を政府に申請へ 
 英字紙ニューストレイトタイムズは、国内スポーツを監督する青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣の話として、サッカーファンがMリーグをスタジアムで観戦できる時期はそう遠くないと報じています。
 リーザル・メリカン大臣はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに対してスタジアム観戦に必要な標準作業手順SOPを作成することを求め、それが用意でき次第、青年スポーツ省は国家安全保障委員会に対して、ファンでのサポーターの観戦許可を早ければ来週にも申請したいと話しています。
 「国家安全保障委員会の会合は不定期に行われるため、具体的な申請日程については確約できない。」と述べるにとどまったリーザル・メリカン大臣は、これまでMリーグ開幕から2ヶ月後を目処に行うとするとしていた申請について、2ヶ月以上先に行うことなく、もし開幕から1ヶ月程度で申請が行えれば「ボーナス」だと考えて欲しいと、ファンに理解を求めたということです。


3月12日のニュース:W杯アジア二次予選の日程が決定、タイ1部リーグ第26節・2部リーグ第28節-エルドストールとスウィラッドはいずれも先発、1部スーパーリーグ第1節は250万人以上がYouTubeで視聴

W杯アジア二次予選の日程が決定
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で6月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会の予選G組の試合日程を発表しています。
 この予選G組は現在、1位ベトナム(勝点11)、2位マレーシア(同9)、3位タイ(同8)、4位アラブ首長国連邦UAE(同6、ただし試合数は他国より1試合少ない)、5位インドネシア(同0)となっています。
 なお試合会場は後日発表されるということです。
FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組日程
6月3日(木) 
 UAE対マレーシア および タイ対インドネシア
6月7日(月)
 UAE対タイ および ベトナム対インドネシア
6月11日(金) 
 マレーシア対ベトナム および インドネシア対UAE
6月15日(火) 
 UAE対ベトナム タイ対マレーシア

タイ1部リーグ第26節・2部リーグ第28節-エルドストールとスウィラッドはいずれも先発
 タイ1部リーグ第26節と2部リーグ第28節が行われ、元マレーシア代表のジュニオール・エルドストールとニコラス・スウィラッドはいずれも所属クラブで先発しています。なお、ポリス・テロFCのドミニク・タンはベンチ入りしていませんが、骨折後の手術から回復していないと思われます。
 既にBGパトゥム・ユナイテッドが優勝を決めている1部リーグでは、チョンブリーFCに所属するDFジュニオール・エルドストールがそのBGパトゥム・ユナイテッドと対戦しています。また同じ1部のポリス・テロFCに所属するドミニク・タンは今節はベンチ入りしていませんが、既報通り、骨折後の手術から回復していないと思われます
 一方2部リーグで首位を走るノーンブワ・ピッチャヤFCに所属するDFニコラス・スウィラッドは本拠地のピッチャヤスタジアムで行われたランパーンFCとの試合に先発し、88分に交代しています。
タイ1部リーグ第26節
2021年3月11日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 0-1 BGパトゥム・ユナイテッドFC
 チョンブリーFCのジュニオール・エルドストールは先発出場し、59分に交代しています。
タイ2部リーグ第28節
2021年3月10日@ピッチャヤスタジアム
ノーンブワ・ピッチャヤFC 1-1 ランパーンFC
 ノーンブワ・ピッチャヤFCのニコラス・スウィラッドは先発出場し、88分に交代しています。

1部スーパーリーグ第1節は250万人以上がYouTubeで視聴
 3月5日に開幕したMリーグは無観客で試合が行われていますが、マレーシア最大の通信会社テレコムマレーシア社傘下のインターネット接続事業者Unifiは、Youtube上で1部スーパーリーグの全試合を配信しており、サポーターは無料で観戦が可能になっています。
 そしてマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版によると、その視聴者数が第1節の6試合の合計が250万人を超え、第2節では3月9日に開催されたJDT対ペナン、クダ・ダルル・アマン対サバ、トレンガヌ対スランゴールの3試合だけでなんと230万人を記録したということです。
 この数字を受け、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは昨季の延べ視聴者数1633万人を超えることが可能であると話しています。この視聴者数増はサポーターのサッカーに対する熱望が反映された結果の数字であると話しています。
 「昨季2020年シーズンはリーグ戦は半減し、マレーシアカップも予選グループの各クラブが1試合しただけである。サッカー観戦を心待ちにしていたサポーターの好意的な反応を見る限り、昨年の視聴者数超えは期待でき、さらにこの事実はMリーグや各クラブにとってもスポンサーを惹き付ける好材料となるだろう。」とアブドル・ガニCEOはウトゥサン・マレーシアの取材に答えたということです。