1月21日のニュース
東南アジア選手権がFIFA国際マッチデーカレンダーに組み込まれる可能性が浮上
プロ選手会がマラッカ・ユナイテッドに未払い給料7000万円の速やかな支払いを要求
ヨルダン出身の女子代表新監督がU20代表候補に43名を選出

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022で優勝したタイは、11月末から中断していた1部リーグが今日から再開されますが、マレーシアのサッカーファンの注目は、タイ1部でプレーする新旧4名のマレーシア代表選手です。その4名とは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)からラーチャブリーFCに加入したFWサファウィ・ラシド、同じくJDTから移籍し、タイリーグには2シーズン振りの復帰となるDFジュニオール・エルドストール(PTプラチュワップFC)、ブリーラム・ユナイテッドに加入するDFディオン・コールズ、そして既に今季の開幕からコーンケン・ユナイテッドFCでプレーするMFリリドン・クラスニキ(JDTから期限付き移籍)ですが、このボラセパマレーシアJPでは、この4名が出場する試合もフォローしていきます。

東南アジア選手権がFIFA国際マッチデーカレンダーに組み込まれる可能性が浮上

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022はタイの連覇で幕を閉じましたが、この大会がFIFAの国際マッチカレンダーに含まれる可能性があると、マレーシア語紙のブリタハリアンが報じています。ベトナムメディアの記事を引用する形で書かれたこの記事では、AFF選手権2022決勝セカンドレグを観戦に訪れたFIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が「東南アジアのワールドカップ」とも呼ばれるこのAFF選手権でのファンの熱狂振りを目の当たりにした上で、「AFF選手権を格上げして、FIFAカレンダーに含まれるようにするべきだ」と発言したということです。

インファンティーの会長はさらに「、AFFとFIFAが協力し、東南アジア諸国にとって重要なこの大会についてFIFAカレンダーに入れることで、AFF選手権はさらに大きな大会へと発展させられる。6億5000万人を超える人口を持つこの地域でのサッカー人気は高く、近年は男子、女子共に東南アジアのチームが良い結果を出している」と述べたということです。

AFF選手権はFIFAの国際マッチカレンダーに含まれていないことから、各国のクラブには選手を代表チームにリリースする義務はなく、今大会でもマレーシアでは国内リーグ9連覇を果たしてジョホール・ダルル・タジムからは11名の選手が代表チームへの参加を辞退した他、優勝したタイも前回2020年大会のMVPチャナティップ・ソングラシン(川崎)、スパチョーク・サラチャート(札幌)のJリーグ勢を欠いていました。

プロ選手会がマラッカ・ユナイテッドに未払い給料7000万円の速やかな支払いを要求

マレーシアプロサッカー選手会(PFAM)は、昨年7月から12月までの選手及び監督、コーチの給料230万マレーシアリンギ(およそ6950万円)が未払いとなっているマラッカ・ユナイテッドに対して、この事実を公表した上で、速やかな完済を求めています。

PFAMは「昨年11月4日にマラーシアサッカー協会FAMの紛争解決室(DRC)は、マラッカ・ユナイテッドに対して、まずは1ヶ月分の未払い給料を1月18日までに支払うことを命じたが、この命令は無視された。また残る5ヶ月分の未払い給料についてはDRCに報告が行われた。」と発表し、今月1月18日が支払い期限だったにもかかわらず、この期限を過ぎても6ヶ月分の未払い給料が支払われておらず、マラッカ・ユナイテッドに所属していた選手たちの生活が困窮しているとしています。

なおマラッカ・ユナイテッドはこの給料未払い問題未解決を理由に、今季のスーパーリーグに出場するための国内クラブライセンスが交付されませんでした。そしてPFAMによると、このマラッカ・ユナイテッドのオーナーシップが問題を複雑化させており、いずれの「関係者」も給料未払い問題解決に積極的に取り組んでいないことが最大の問題となっているということです。

昨季終了後の12月にマラッカ・ユナイテッドのジャスティン・リムCEOは、自身がCEOを務めるケンチーム社がクラブの株式70%を所有し、マラッカ州サッカー協会(MUSA)が残りの30%を所有していることを明らかにした上で、未払い給料に関してはケンチーム社が負担すべき分については既に支払いを終えたとして、残りはMUSAが負担するべきだと主張しています。その一方でMUSAはマラッカ・ユナイテッドとは別のマラッカFCを創設し、このマラッカFCで3部リーグに当たるM3リーグに参戦する方針を発表しています。

先日のこのブログではサラワク・ユナイテッドの昨季の未払い給料(こちらは40万マレーシアリンギ-およそ1200万円)が年が明けても支払われていないニュースを取り上げましたが、同じ理由で今季のクラブライセンスが交付されなかったマラッカ・ユナイテッドでも給料未払い問題は解決していませんでした。この状況について、マレーシアサッカー協会FAMノー・アズマン・ラーマン事務局長は、この両チームに対して更なる処分を課す可能性について述べていますが、具体的に何ができるのかは疑問です。

またマラッカFC、そしてサラワク・ユナイテッドFCが今季から参戦するセミプロリーグのM3リーグに所属するクラブからは、給料未払い問題が解決していない両クラブのM3リーグ参戦に疑問の声も上がっています。M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグ(AFL)は、M3リーグに参戦するマラッカFCがマラッカ・ユナイテッドとは別のクラブであることから参戦に問題がないと説明していますが、マラッカFCの運営母体は給料未払い問題の一端を担うMUSAから名称を変更したマラッカ州サッカー協会MAFAであり、実態は何も変わっていないことにAFLが目を瞑っていることがその理由の一つです。さらにマラッカFCには、昨季スーパーリーグでプレーした選手は1人も残っておらず、マラッカ・ユナイテッドとは全く別のチームであるならば、新規参入クラブとしてMリーグ最下位の5部M5リーグからスタートするべきだという意見もあります。

またAFLに対しては、給料未払い問題が解決していない上、昨季まで在籍した選手全員との契約を更新しなかったサラワク・ユナイテッドのM3リーグ参戦を認めたことへの批判もあります。FIFAはサラワク・ユナイテッドに対し、現在開いているマレーシアの第1回トランスファーウィンドウ期間中の新規選手獲得禁止処分を課しており、M3リーグに参戦するための選手をどのように確保するのかが不透明であり、クラブとしての体を成すかどうかも定かでないサラワク・ユナイテッドのM3リーグ参戦を認めているAFLに対して、参戦を認める根拠が説明されていないという批判です。

ヨルダン出身の女子代表新監督がU20代表候補に43名を選出

昨年12月にマレーシア女子代表監督に就任したソリーン・アル=ゾウビ氏は、U20代表候補として総勢43名を招集して合宿を行ったことを、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアが報じています。ソリーン監督は、2014年からヨルダンサッカー協会の女子部門のトップを務めた他、同協会のアシスタントTD(テクニカルディレクター)も務めていましたが、マレーシアサッカー協会FAMが女子代表監督として招聘しています。

昨日1月20日に終了した4日間のこの合宿がマレーシアサッカー協会FAMでの初仕事となったソリーン監督は、FAMが主催したマレーシア国内各地での女子サッカー大会に参加した選手たちの中から、自身の手で選んだ選手を招集したということです。

女子U20代表は今年3月にU20女子アジアカップ2024年大会の予選が予定されており、今回の候補合宿はこの予選のための準備の一環として行われ、合宿では「速さ」と「強さ」について各選手が測定を受けた後、ピッチでは強度の高い練習が行われたということです。

1月19日のニュース
サバとトレンガヌがデンマーク1部クラブとタイで対戦
ジョホールのフットサルチームにさらに代表選手が加入

サバとトレンガヌがデンマーク1部クラブとタイで対戦

現在中断中のデンマーク1部リーグで5位のオーデンセBKは、クラブ公式サイトでタイでのトレーニングキャンプの日程を発表していますが、現地ではマレーシアスーパーリーグのサバ、トレンガヌと練習試合を行うようです。

1月31日から2月14日までの日程で、タイ1部のBGパトゥム・ユナイテッドの施設BGトレーニングセンターを使って行われるトレーニングキャンプ期間中、オーデンセBKは2月3日にはサバと、また2月12日にはトレンガヌと練習試合を行うと発表しています。またこの他、2月7日には タイ2部のナコーンパトム・ユナイテッドFCとの練習試合も行われます。なお、これらの試合の内、トレンガヌ戦はBGパトゥム・ユナイテッドの本拠地、BGスタジアムで開催されるということです。

オーデンセBKのクラブ公式サイトでは、練習試合のほか、地元の子供を対象としたサッカー教室やサイン会なども行うことが発表されています。

ジョホールのフットサルチームにさらに代表選手が加入

マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは来月2月に今季が開幕しますが、今季から参戦するジョホール・ダルル・タジムJDTは、2022年シーズンのリーグMVPアブ・ハニファ・ハサンとアワルディン・モハマド・ナウィ(いずれもパハンレンジャーズ)の両フットサルマレーシア代表選手の加入を発表しています。これを報じたサッカー専門サイトのマカンボラによると、アブ・ハニファ、アワルディン両選手はパハンレンジャーズとの契約がまだ1年残っているということですが、既にJDTの練習に参加しているようです。

昨季はMPFLでは2位、カップ戦のマレーシアカップでは準優勝に終わったパハンレンジャーズにとって、2019年にマラッカから加入し、優勝経験が豊富な上、10年以上代表チームでプレーする32歳のアブ・ハニファ選手と、10代から代表でプレーする25歳のアワルディン選手の退団は大きな戦力ダウンとなりそうです。

今季新参入のJDTは、既に昨季のMPFLチャンピオンであるスランゴールMACから代表GK(ゴレイロ)アズルル・ハディ・トーフィックら7名を獲得し、監督には前レアル・ベティスのフアニート・クピン氏が就任しており、1年目からサッカー同様、リーグ優勝を狙っています。

今季のMPFLは2019年のリーグ発足以来、史上最多となる18チームが参加し、クダ、KSMRカンガー、ペナン、クランタン、パハンレンジャーズ、トレンガヌ、マレーシア国軍ATM、マレーシア王立警察PDRM、そして大学選抜チームのKPT-PSTムスタングズがA組、シャーアラムシティ、スランゴールMAC、スランゴールTOT、KLシティ、クアラルンプール、ヌグリスンビラン、JDT、サバ、サラワクがB組に分かれてリーグ戦を行い、上位チームがノックアウトステージへ進む方式で2月から7月まで開催されます。

1月18日のニュース
昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴
今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上
タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見

昨季給料未払いが続くサラワクUの選手らが青年スポーツ相に仲裁を直訴

給料未払い問題を理由に今季の国内クラブライセンスが交付されず、Mリーグ1部スーパーリーグに参加できなくなったサラワク・ユナイテッドFCは、今季はMリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグで再出発することが発表されていますが、このサラワク・ユナイテッドで昨季プレーした選手や監督、コーチに対し、給料3ヶ月分が未だ未払いになっていると、英字紙スターが報じています。

選手や首脳陣による合同声明によると、クラブは完済を約束したにもかかわらず、3ヶ月分の給料や出場・勝利給を未だ支払っておらず、中には4ヶ月分の給料が未払いとなっていくケースも含まれているということです。なお、クラブは未払い給料を昨年12月末までに完済することを口頭でだけでなく、文書でも確約したにもかかわらず、既に年も明け、未だ何の進展もないことから、この状況を明らかにするとともに、この問題についてハンナ・ヨー青年スポーツ相による仲裁を求めたいとしています。

今年復活のムルデカ大会出場国にシリアとパレスチナが浮上

マレーシアの独立(マレーシア語で「ムルデカ」)を記念して1957年に第1回大会が開催されたムルデカ大会はこれまでに41回開催された、アジアでも最古の国際招待大会の一つで、かつては日本代表も何度も出場しています。今年9月に実に10年ぶりに復活するムルデカ大会について、これを主催するマレーシアサッカー協会FAMは西アジアから1カ国、東南アジアから2カ国を招待し、出場4カ国で開催することを検討していると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

この記事では西アジアの国としてシリア(直近のFIFAランキング90位)とパレスチナ(同93位)、また東南アジアの国としてはベトナム(同96位)とタイ(同111位)が招待国の候補に上がっているとしています。

この記事の中で、FAM競技委員会のフィルダウス・モハメド委員長は、現在FIFAランキング145位のマレーシアは、FIFAの国際マッチデー期間に開催予定のムルデカ大会では格上のチームとの対戦を希望しており、マレーシア代表はこの大会を来年2024年1月にカタールで開催されるAFCアジアカップへ向けての準備の一貫として使用する目的だと述べています。またこのムルデカ大会の試合形式については、4チームによる準決勝の後、準決勝の勝者は決勝を、敗者は3位決定戦を行うことで、各チームが2試合ずつ行える形式になるだろうとも述べています。

タイ1部ラーチャブリーFC移籍のサファウィ・ラシドが入団会見


タイ1部リーグのラーチャブリーFCは、Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTからいずれも期限付き移籍したマレーシア代表FWサファウィ・ラシドとマリ代表FWムサ・シディベの入団会見を行っています。

記者会見の席では、15歳で本格的にサッカーを始めた頃からタイリーグでプレーしてみたいと思っていたと話したサファウィ選手はその夢が実現したことを喜んでいると述べています。

ラーチャブリーFCには、いずれも三菱電機カップ2022に出場したミャンマー代表のGKミョー・ミン・ラット、DFハイン・ピョー・ウィン、DFナンダ・チョーが東南アジア(アセアン)枠の選手として在籍しており、サファウィ選手は、まず彼らとの出場権争いに勝利することが目標となります。

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東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電気カップ2022により11月下旬から中断していたタイ1部リーグは今週末1月21日(土)に再開します、サファウィ選手が加入したラーチャブリーFCは15試合を終えて8勝5分け2敗で、リーグ首位のブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差10の3位につけています。また1月21日の試合で対戦するコーンケン・ユナイテッドFCには、元JDTでマレーシア代表でもプレー経験があるリリドン・クラスニキも在籍しており、サファウィ選手とのマレーシア選手対決がいきなり見られるかもしれません。

なおサファウィ選手は、2020年にポルトガル1部のポルティモネンセSCにやはり期限付き移籍しながら、トップチームはおろか、セカンドチームでもほとんど出場機会を得られず、1年も経たずに退団、帰国した苦い経験もあります。その後はJDTでもレギュラーの座を昨季2年連続リーグMVPを獲得したアリフ・アイマンに奪われ、出場機会が激減し、先日マレーシア代表として出場した三菱電気カップ2022でも、かつてのような輝きは見ることができませんでした。まずは試合出場、そしてクラブで主力となることで、代表でも再びその勇姿が見られるのではないかとボラセパマレーシアJPは期待を寄せています。

1月17日のニュース
大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに
アセアンチャリティーシールド-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

東南アジアサッカー連盟AFF選手権は、今回から大会スポンサーがスズキ自動車から三菱電機に変わったことで、大会名称もスズキカップから三菱電機カップとなりました。その第1回(選手権通算では14回目)の優勝を飾ったのはタイでした。FIFA国際マッチデー期間外ということで、Jリーグでプレーするチャナティップ・ソングラシン(川崎)やスパチョーク・サラチャート(札幌)は参加しませんでしたが、それ以上に今回のタイが素晴らしかったのは、準決勝までで6ゴールとチーム最多ゴールを挙げていたティーラシン・デーンダーを決勝2試合とも欠きながら優勝したこと。今大会MVPに輝いたティーラトン・ブンマタンの強烈なキャプテンシーもさることながら、試合終了後のインタビューでも述べていたように今回の優勝はまさにチーム力の勝利でした。
 一方のベトナムは、東南アジアNo. 1に育て上げたパク・ハンソ監督の最終戦でしたが、花道を飾れませんでしたが、タイとともに東南アジアでは図抜けた存在であることを示しました。今大会を最後にパク監督が去り、またインドネシア代表のソン・テヨン監督も去就に注目が集まっており、東南アジアを席巻した「韓流ブーム」も、マレーシア代表のキム・パンゴン監督1人となってしまう可能性もあります。

大山鳴動して…18チームで開幕予定だった今季のMリーグは結局14チームに

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、今季2023年シーズンのMリーグ1部スーパーリーグの参加チームは14となることを発表しています。

MFLは昨年、国内トップリーグの試合数が少ないというFIFAの指摘を受け、Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグを統合して「真」スーパーリーグとする大規模な改革案を発表しました。スーパーリーグ12チームにプレミアリーグの6チームを加えた18チーム編成とし、リーグ戦での各チームの試合数は現行の年間22試合から34試合へと増える予定でした。

しかし、昨季終了後に次々と問題が明らかになりました。まずは国内のクラブライセンス交付を担う第一審機関FIBが2つのクラブにクラブライセンス不交付を決定しました。昨季スーパーリーグ10位のマラッカ・ユナイテッドFCに対しては、給料未払い問題を抱えており、来季のクラブ運営資金調達に関する書類に不備があるとして不交付を決定、また同11位のサラワク・ユナイテッドFCに対しては、かつてが在籍した外国籍選手への給料未払いに関して、FIFAの紛争解決室の支払い処分に応じていないことを理由に不交付を決定し、両クラブには不服申し立ての期間が与えられましたが、結局、りょうくらぶともFIBの判断を受けいれた結果、今季のスーパーリーグ参加資格を失いました。(その後、両クラブはセミプロリーグのMリーグ3部、M3リーグからの出直しを発表しています。)

マラッカ・ユナイテッド、サラワク・ユナイテッドの両クラブが不参加となったことで今季の参加チームが16になったスーパーリーグですが、問題はこれで終わりませんでした。

昨季スーパーリーグ9位のPJシティFCは、今季の国内クラブライセンス交付を受けた後、リーグからの撤退を表明しました。2021年、2022年シーズンに渡り、外国籍選手抜きのマレーシア人選手のみでチームを編成してきたPJシティは、その方針が功を奏し、東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022に出場したマレーシア代表にGKカラムラー・アル=ハフィズ、MF V・ルヴェンティラン、FWダレン・ロックが選出されています。しかし「新」スーパーリーグ発足に伴い、各クラブの外国籍選手枠が9名(ただし試合に出場できるのはこれまで通り5名)となることから、外国籍選手0名という現在のクラブ方針では他のクラブと対等に戦うのは難しいとして、スーパーリーグからの撤退を表明しました。その後の一部報道では、新たなオーナー候補が見つかったといったものもありましたが、結局、徹底の方針は変わりませんでした。

また昨季プレミアリーグ7位のUITM FCも、PJシティ同様に、クラブライセンス交付を受けた後に撤退を決めています。大学が母体のクラブとして初のスーパーリーグクラブとなり、2020年シーズンにはリーグ6位となる躍進を遂げたUITM FCですが、2021年にプレミアリーグへ降格すると、母体となるマラ工科大学(UITM)がクラブ運営資金を削減し、選手の多くは大学生、外国籍選手もシーズン後半になって1名(スランゴールFCからジョージ・アトラム)が期限付き移籍するなど、苦しいメンバーでの戦いを迫られました。また「新」スーパーリーグでは参加クラブに対して、U23、U21、U19といった年代別チームを所有することを義務付けており、複数の年代別チームを持つことによる負担増がクラブ経営を圧迫するとして、リーグ参加表明を先延ばしにしてきましたが、MFLがこれ以上有用は与えないという形で、リーグ参加の道が断たれています。

これにより結局、今季のマレーシア1部スーパーリーグは、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)、トレンガヌ、サバ、ヌグリスンビラン、スランゴール、KLシティ、スリ・パハン、クダ・ダルル・アマン、ペナン、クランタン、クチンシティ、クランタン・ユナイテッド、PDRM、ペラの14チーム編成、試合数は各チーム年鑑26試合と試合数は4試合増えるだけとなっています。

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東南アジア諸国のトップリーグのチーム数は、人口2億7000万人越えのインドネシアが18チーム、人口9000万人越えのベトナムは14チーム、人口7000万人越えのタイは16チームといった数字を見ると、人口3500万人にも満たないマレーシアの市場規模から考えてもスーパーリーグの18チームというのはそもそも無理があるように感じ、むしろ14チームに落ち着いて良かったのでは、という印象すらあります。
 さらに言えば、給料未払い問題を抱えるチームはトップリーグではプレーできないというメッセージも明確に伝わり、今後は身の丈にあった運営をするクラブも増えてきそうです。しかし、その反面、2部プレミアリーグが今季と来季は一時的に中止になったことにより、少なくとも2シーズンは下部リーグへの降格や入れ替え戦がありません。全チームが今季どんなに成績が悪くともスーパーリーグに残留が可能になったことで、シーズン終盤になったときに下位のチームがどこまで真剣なプレーを見せてファンを楽しませてくれるのかどうかについて疑問が残ります。

アセアンシールド2023-タイ王者ブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴、さらに新加入の代表DFコールズを初披露

昨季はMリーグ2部プレミアリーグ2位に終わったクランタンFCと2020/2021年シーズンのタイ1部リーグチャンピオンのブリーラム・ユナイテッドFCが対戦するアセアンチャリティーシールドがタイ南部のソンクラー県にあるティンスラーノンスタジアムで行われ、石井正忠監督率いるブリーラム・ユナイテッドがクランタンに7-0で圧勝、大会2連勝を果たしています。

マレーシアとも国境を接するソンクラー県で行われたこの試合は、昨年に続く2回目の開催でした。なお昨年は6月にブリーラム・ユナイテッドの本拠地、チャーン・アリーナで開催され、ブリーラム・ユナイテッドがMリーグ1部スーパーリーグのヌグリスンビランを2-1で破っています。この時はブリーラム・ユナイテッドにとってはプレシーズン、ヌグリスンビランにとってはシーズン真っ只中、という時期でしたが、今回はクランタンがプレーシーズン、ブリーラム・ユナイテッドにとっては東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022開催によるリーグ中断期間中に開催されています。

この試合はクランタンチェ・ムンシク新監督にとって初采配となっただけでなく、新外国籍選手のアンドレアス・エッスヴァイン(フィリピン)のデビュー戦となりました。一方のブリーラム・ユナイテッドは1月3日に加入したばかりのマレーシア代表DFディオン・コールズを披露しています。

試合はスパチャイ・ジャイディードとスファナット・ムエンタの両代表FWを擁し、実力で勝るブリーラム・ユナイテッドが、そのスファナット・ムエンタのゴールで8分に先制すると、13分にはジョナサン・ボリンギ、17分にはスパチャイ・ジャイディード、さらに41分にはスファナット・ムエンタがこの試合2点目となるゴールを決めて、前半はブリーラム・ユナイテッドが4-0とリードして終了します。

後半に入っても49分には元スロベニア代表のFWハリス・ヴチキッチ、54分にはMFゴラン・チャウシッチがそれぞれゴールを決めて6-0とすると、終了間際の90分にはディオン・コールズのコーナーキックからタイ代表DFのナルバディン・ウェーラワトノドムが頭で合わせて7点目を挙げたブリーラム・ユナイテッドがクランタンを一蹴しています。

試合のハイライト映像はブリーラム・ユナイテッドの公式YouTubeチャンネルより

1月15日のニュース
Mリーグ新加入・移籍情報一覧 2023年1月15日版

マレーシア国内の2023年第1回のトランスファーウィンドウは、昨年12月2日から今年2月23日までとなっています。ここでは2023年1月15日現在までに発表されているMリーグの移籍、新加入、引退情報をまとめました。国名があるのは外国籍選手、国名がないのはマレーシア人選手です。なお今季はスーパーリーグに参加したものの、来季はスーパーリーグに参加しないマラッカ・ユナイテッドFC、サラワク・ユナイテッドFC、参加が未確定のPJシティFCとUITM FCの4チームについては、チームの新加入・移籍情報を掲載していません。
 なお今季のスーパーリーグは外国籍選手については9名(内アジア枠1名、東南アジア枠1名)が登録可能で、当日のベンチ入りはアジア枠、東南アジア枠を含めた6名を上限とし、同時にピッチ上煮立てるのは5名となっています。

ジョホール・ダルル・タジム
▽来季加入
監督エステバン・ソラリ(アルゼンチンU23代表コーチ)
FWジオゴ(ブラジル、前BGパトゥム・ユナイテッドFC)
MFオスカル・アリバス(スペイン、スペイン2部FCカルタヘナから移籍)
MFフアン・ムニス(スペイン、ギリシャ1部アトロミトスFCから移籍)
MFエンドリック(ブラジル、ペナンFCから移籍)
GKシーハン・ハズミ(ヌグリスンビランFCから移籍)
▼契約満了、移籍
監督エクトル・ビドリオ➡︎テクニカルディレクター就任
FWサファウィ・ラシド➡︎タイ1部ラーチャブリーFCに期限付き移籍
FWムサ・シディベ(マリ)➡︎タイ1部ラーチャブリーFCに期限付き移籍
DFダニエル・ティング➡︎サバFCに期限付き移籍
GKイルハム・タルミジ➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
DFアズリフ・ナスハルク➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
DFファドリ・シャス➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
DFシャズワン・アンディック➡︎スリ・パハンFCに期限付き移籍
MFスチュアート・ウィルキン➡︎サバFCから復帰し、その後完全移籍
DFジュニオール・エルドストール➡︎タイ1部PTプラチュワップFCに移籍

トレンガヌFC
▽来季加入
監督トミスラフ・スタインブリュックナー(テクニカル・ディレクター)
FWソニー・ノルデ(ハイチ、マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)

FWジョーダン・ミンター(ガーナ、KLシティへの期限付き移籍から復帰)
FWイヴァン・マムート(クロアチア、ルーマニア1部FCSBから加入)
MFアディサック・クライソーン(タイ、タイ1部ムアントン・ユナイテッドFCから移籍)
DFサルドル・クルマトフ(ウズベキスタン、ウズベキスタン1部PFCソグディアナ・ジザフから移籍)
DFドマゴイ・プシッチ(クロアチア、クロアチア2部NK BSKビイェロ・ブルドから移籍)
▼契約満了、移籍
監督ナフジ・ザイン(契約満了)➡︎クダFC監督
FWクパー・シャーマン(リベリア)➡︎スリ・パハンFCに移籍
FWチェチェ・キプレ(コートジボアール)➡︎KLシティFCに移籍
MFマヌエル・オット(フィリピン)➡︎クダ・ダルル・アマンFCに移籍
FWファイサル・ハリム➡︎スランゴールFCに移籍

サバFC
▽来季加入
FWジェィコブ・ンジョク(ナイジェリア、クランタン・ユナイテッドFCから移籍)
MFテルモ・カスタニェイラ(ポルトガル、アイスランド1部ÍBヴェストマンナエイヤ から移籍)
DFガブリエル・ペレス(ブラジル、ブラジル3部GEブラジウから移籍)
FWダレン・ロック(PJシティFCから移籍)
FW S・クマーラン(PJシティFCから移籍)
FWジャフリ・フィルダウス・チュウ(ペナンFCから移籍)
MFスチュアート・ウィルキン(JDTへ復帰、その後完全移籍)
DF R・ディネシュ(スランゴールFCから移籍)
DFイルファン・ザカリア(KLシティFCから移籍)
DFダニエル・ティン(JDTから期限付き移籍)
▼契約満了、移籍
FW加賀山泰毅(契約満了)
FWジョゼ・エンバロ(ギニアビサウ)➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
FW N・タナバラン➡︎3部ハリニFCに移籍
MFトミー・マワト➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
MFナアイム・フィルダウス➡︎3部イミグレーションFCに期限付き移籍
MFジェラルド・ガディット➡︎クランタンFCに期限付き移籍
DFナジルル・ナイム➡︎KLシティFCに移籍
DFバドルル・アフェンディ(契約満了)
DFアルト・リノス(契約満了)

ヌグリスンビランFC
▽来季加入
FWジョゼ・エンバロ(ギニアビサウ、サバFCから移籍)
FWシャーレル・フィクリ(スランゴールFCから移籍)
MF R・バラトクマル(PJシティFCから移籍)
MFトミー・マワト(サバFCから移籍)
MFマハリ・ジュスリ(PJシティFCから移籍)
DFアルーン・クマル(PJシティFCから移籍)
DFザイナル・アビディン(PJシティFCから移籍)
DFハスブラー・アブ・バカル(JDTから移籍)
GKトフィク・アル=ラシド(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
▼契約満了、移籍
FWマテウス・アウヴェス(ブラジル、契約満了)
MFオミド・ナザリ(フィリピン、契約満了)
FWリドゥアン・ドゥルファカル(契約満了)
MF K・サルクナン➡︎スランゴールFCに復帰
MFアリブ・ファリズ(契約満了)
DFクザイミ・ピー➡︎スランゴールFCに移籍
DFカイル・ジョーンズ(契約満了)
GKシーハン・ハズミ➡︎JDTに移籍

スランゴールFC
▽来季加入
MFヌール・アル=ラワブデ(ヨルダン、ヨルダン1部アル・ファイサリーFCから移籍)
FWファイサル・ハリム(トレンガヌFCから移籍)
MF K・サルクナン(ヌグリスンビランFCから復帰)
MF V・ルヴェンティラン(PJシティFCから移籍)
DFクザイミ・ピー(ヌグリスンビランFCから移籍)
▼契約満了、移籍
FWカイオン(ブラジル)➡︎KLシティFCに移籍
FWユーリ(ブラジル)➡︎ブラジル2部ヴィラ・ノヴァFCに移籍
MFバハー・アブドッラフマーン(ヨルダン、契約満了)
DFサフアン・バハルディン(シンガポール、契約満了)
FWシャーレル・フィクリ➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
MFニック・シャリフ(トレンガヌへの期限付き移籍終了➡︎復帰)➡︎トレンガヌFCへ完全移籍
MFハリム・サアリ(契約満了)
DF R・ディネシュ➡︎サバFCに移籍

KLシティFC
▽来季加入
FWチェチェ・キプレ(コートジボアール、トレンガヌFCから移籍)
FWパトリック・ライヒェルト(フィリピン、タイ1部PTプラチュワップFCから移籍)
FWカイオン(ブラジル、スランゴールFCから移籍)
MFセバスチャン・アヴァンジニ(イタリア、デンマーク1部ホブロIKから移籍)
DFマッコ・ジルダム(クロアチア、クロアチア1部NKスラヴェン・ベルポから移籍
MFフィルダウス・サイヤディ(ペラFCから期限付き移籍)
DFナジルル・ナイム(サバFCから移籍)
▼契約満了、移籍
DFイルファン・ザカリア➡︎サバFCへ移籍

スリ・パハンFC
▽来季加入
監督ファンディ・アフマド(シンガポール、テクニカル・ディレクター)
FWクパー・シャーマン(リベリア、トレンガヌFCから移籍)
FWルーカス・シルヴァ(ブラジル、ペナンFCから移籍)
DFステファノ・ブルンド(アルゼンチン、アルゼンチン2部エストゥディアンテス・ブエノスアイレスから移籍)
DFマイケル・グラソック(オーストラリア、オーストラリア1部シドニー・オリンピックFCから移籍)
DFアズリフ・ナスルハク(JDTから移籍)
DFファドリ・シャス(JDTから移籍)
DFシャズワン・アンディック(JDTから移籍)
GKイルハム・タルミジ(JDTから移籍)
▼契約満了、移籍
監督ドラー・サレ(契約満了)
MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)➡︎クダ・ダルル・アマンFCへ移籍
GKママドゥ・サマサ(マリ、契約満了)
MFリー・タック➡︎クダ・ダルル・アマンFCへ移籍
MFハスヌル・ザイム➡︎ペラFCへ移籍

クダ・ダルル・アマンFC
▽来季加入
監督ナフジ・ザイン(トレンガヌFC)
FWウィリアン・リラ・ソウザ(ブラジル、ヴァンフォーレ甲府から移籍)
FWエベネゼル・アシフアー(ガーナ、フランス2部ポーFCから移籍)
MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン、スリ・パハンFCから移籍)
MFマヌエル・オット(フィリピン、トレンガヌFCから移籍)
DFアミルベック・ズラボエフ(タジキスタン、フィリピン1部ユナイテッド・シティFCから移籍)
DFアラン・ロバートソン(南アフリカ、フィリピン1部ユナイテッド・シティFCから移籍)
DFボヤン・シガル(セルビア、ウズベキスタン1部PFCナフバホール・ナマンガンから移籍)
MFリー・タック(スリ・パハンから移籍)
GKカラムラー・アル=ハフィズ(PJシティから移籍)
▼契約満了、移籍
監督アイディル・シャリン・サハク(シンガポール)➡︎インドネシア1部プルシカボ1973監督就任
GKシャーリル・サアリ(契約満了)
FWロナルド・ンガ・ワンジャ(カメルーン)➡︎クランタンFCに移籍
MFデシ・マルセル(コートジボワール、契約満了)
MFサンワット・デーミット(タイ)➡︎タイ1部バンコク・ユナイテッドFCに復帰
MFマフムード・アル=マルディ(ヨルダン)➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
DFマルク・バレス(アンドラ、契約満了)
FWシャズワン・ザイノン➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
MFアザムディン・アキル(契約満了)

ペナンFC
▽来季加入
監督マンズール・アズウィラ(監督代行から昇格)
FWアドリアーノ(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
FWジオバネ・ゴメス(ブラジル、SERカシアス・ド・スルから移籍)
FWスーニー・サアド(レバノン、タイ1部PTプラチュワプFCから移籍)
FWカート・ディゾン(フィリピン、フィリピン1部ユナイテッドFCから移籍)
MFウスマン・ファネ(フランス、英国3部モアカムFCから移籍)
DFゾー・ミン・トゥン(ミャンマー、タイ1部チョンブリーFCから移籍
DFフセイン・エル・ドール(レバノン、レバノン1部シャバブアルサヘルFCから移籍)
DFアン・セヒ(韓国、ベトナム1部ホアンアイン・ザライFCから移籍)
FWヌル・イザット(スリ・パハンから移籍)
MFニック・アキフ(トレンガヌFCから移籍)
DFアズミール・アリフ(クダ・ダルル・アマンFCから移籍)
DFダニッシュ・ハジック(ペラFCから期限付き移籍)
DFリュウ・ヤマグチ(FCマラガシティアカデミーから移籍)
▼契約満了、移籍
GKハフィズル・ハキム➡︎ヌグリスンビランFCに移籍
DFラフィウディン・ロディン➡︎クチンシティFCに移籍
MF K・ティヴェンダラン(契約満了)
FWゴピ・リジキ(契約満了)
MFタム・シェンツン(契約満了)
FWアジム・ラヒム(契約満了)
DFラティフ・スハイミ➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
FWジャフリ・フィルダウス・チュウ➡︎サバFCに移籍
FWファイザル・タリブ(契約満了)
MFシュクリ・ハミド(契約満了)
MFアジザン・ノルディン(契約満了)
MFアリフ・アル=ラシド(契約満了)
DFシャズワン・ザイポル➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
MFダニエル・アシュラフ(契約満了)
MFエンドリック(ブラジル)➡︎JDTに移籍
FWルーカス・シルヴァ(ブラジル)➡︎スリ・パハンFCに移籍
DFクリスチャン・ロンティニ(フィリピン、契約満了)
FWカサグランデ(ブラジル、契約満了)

クランタンFC
▽来季加入
監督チェ・ムンシク(韓国、中国1部延辺富徳FC前監督)
FWロナルド・ンガ・ワンジャ(カメルーン、クダ・ダルル・アマンFCから移籍)
MFオミド・パパルザイ(アフガニスタン、バングラデシュ1部チッタゴン・アバハニ・リミテッドFCから移籍)
MFアンドレアス・エスヴァイン(フィリピン、フィリピン1部ユナイテッド・シティFCから移籍)
FWカイリル・アヌアル(サラワク・ユナイテッドから移籍)
MFジェラルド・ガディット(サバFCから期限付き移籍)
▼契約満了、移籍
監督ザムブリ・ヤハヤ(トップチームコーチ就任)
MFフェリペ・エレダ(ブラジル、双方合意の上契約解除)
FWニクソン・ギリェルメ(ブラジル、双方合意の上契約解除)

クチンシティFC
▽来季加入
DFミハイロ・ヨヴァノヴィッチ(セルビア、ウズベキスタン1部ディナモ・サマルカンドから移籍)
MFシロジディン・クジエフ(ウズベキスタン、ウズベキスタン1部ネフチ・フェルガナから移籍)
DFセリオ フェレイラ ドス サントス(ブラジル、タイ2部カセサートFCから移籍)
GKジュリアン・シュワルツァー(フィリピン、フィリピン1部ADTから移籍)
FWスディ・アブダラ(ブルンジ、イラク1部アル・ナフトFCから移籍)
MFアルハム・クッシャイリ(UITM FCから移籍)
DFバドルル・アフェンディ(サバFCから移籍)
DFカイヨム・マルジョニ(クランタン・ユナイテッドFCから移籍)
DFアルハム・クッシャイリ(UITM FCから移籍)
GK
▼契約満了、移籍

クランタン・ユナイテッドFC
▽来季加入
監督トマス・トルチャ(チェコ、元ペナンFC)
MFモルガロ・ゴミス(セネガル、スコットランド3部クライドFCから移籍)
FWシャズワン・ザイノン(クダ・ダルル・アマンFCから移籍)
FWインドラ・プトラ・マハユディン(ペラFCから移籍)
FWアキル・ヒルマン(ペラFCから移籍)DFシャズワン・ザイポル(ペナンFCから移籍)
FW S・シャルヴィン(スランゴールFC2から移籍)
FWディルガ・スルディ(サバFCから移籍)
DFラティフ・スハイミ(ペナンFCから移籍)
DFアフマド・タスニム・フィトリ(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
GKアシラフ・オマル(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
▼契約満了、移籍

PDRM FC
▽来季加入
FW鈴木ブルーノ(日本、タイ3部バンコクFCから移籍)
GKラマダン・ハミド(UITM FCから移籍)
▼契約満了、移籍
GKフィルダウス・イルマン➡︎ペラFCに移籍

ペラFC
▽来季加入
監督リム・ティオンキム(前マレーシアU16代表監督)
FWクリスチャン・オビオゾール(ナイジェリア、レバノン1部タダモン・スルから移籍)
FWハディ・ファイヤッド(J2岡山から移籍)
FWスニル・チャンドラン(PJシティFC から移籍)
FWアミルル・アクマル(FAM-MSNプロジェクトから移籍)
FWシャフィジ・イクマル(クチンシティFCから移籍)
FWファーミ・ダニエル(スランゴールFC2から移籍)
MFオズウィン・リム(PJシティFC から移籍)
MFハスヌル・ザイム(スリ・パハンFCから移籍)
MFファディル・イドリス(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
DFファーミ・ダニエル(スランゴール2から移籍)
DFシヴァン・ピレイ(PJシティFCから移籍)
DFファリス・ズディハム(FAM-MSNプロジェクトから移籍)
DFフェリックス・アドリアーノ(FAM-MSNプロジェクトから移籍)
DFハジック・プアド(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
DFラジャ・イムラン(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
DFハフィザル・モハマド(トレンガヌFCから移籍)
GKブライアン・シー(マラッカ・ユナイテッドFCから移籍)
GKフィルダウス・イルマン(PDRM FCから移籍)
GKトーフィク・アル=ラシド(サラワク・ユナイテッドFCから移籍)
▼契約満了、移籍
監督ユスリ・チェ・ラー(ペラFC U23監督)
FWインドラ・プトラ・マハユディン➡︎クランタン・ユナイテッドFCに移籍
MFスティッペ・プラジバット(クロアチア、契約満了)

1月14日のニュース
マレーシア人初のKリーガーが誕生-コギレスラワン・ラジがKリーグ2部の忠北清州FCと契約
ハディ・ファイヤッドがマレーシア復帰-ファジアーノ岡山からペラFCへ完全移籍
Mリーグにも韓流ブーム到来か-韓国出身のチェ・ムンシクがクランタンFCの監督に就任
JDTの代表選手コレクションが止まらない-代表GKシーハン・ハズミは噂通りジョホール加入

昨日の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の決勝ファーストレグは、大会2連覇を目指すタイと、今大会終了後に退任するパク・ハンソの花道を飾りたいベトナムが最後までスリリングな試合を見せてくれました。セカンドレグでホームに戻るタイはこの試合で欠場したティーラシン・デーンダーが復帰するのか、そしてこの試合でもゴールを決め、ティーラシン選手と6ゴールで並んだグエン・ティエン・リンとの大会得点王争いにも注目の、来週月曜日のセカンドレグが今から楽しみです。
 一方、準決勝で敗退したマレーシアでは、サポーターの関心は既に来月2月24日に開幕する2023年スーパーリーグへと移っています。各チームの陣容が整いつつある中、移籍、加入のニュースをいくつか紹介します。

マレーシア人初のKリーガーが誕生-コギレスラワン・ラジがKリーグ2部の忠北清州FCと契約

マレーシアの年代別代表やA代表でもプレー経験があるコギレスワラン・ラジがKリーグ2部の忠北清洲FCと契約したことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。「コギ」の愛称で呼ばれる24歳のコギレスワランは攻撃的MFで、昨季はMリーグ1部スーパーリーグのPJシティでプレーしていましたが、PJシティが今季のスーパーリーグから撤退する方針を発表したため、移籍先を探していました

昨季はセミプロリーグのKリーグ3部で14位だった清洲FCは、クラブ名を忠北清州FCとして今季からKリーグ2部に参加しますが、攻撃的MFのコギレスラワン選手はこの忠北清洲FCと1年契約を結んだということです。

今季のKリーグ2部にはインドネシア代表で今回の東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022にも出場したDFのアスナウィ・マンクアラムが安山グリナースFCへ加入することも発表されており、コギレスワラン選手が東南アジアからKリーグ2部に参加する今季2人目の選手となります。

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一時はシンガポール1部プレミアリーグのタンピネス・ローヴァーズへの移籍なども噂されていたコギレスワラン選手ですが、居心地良い東南アジアを飛び出した彼のチャレンジを応援するとともに、今後も続く選手が出るよう、まずはポジションを勝ち取って欲しいです。

Kリーグへ移籍したコギレスワラン選手だけでなく、今季は多くのマレーシア人選手がタイリーグへも移籍していることも注目です。1部リーグではディオン・コールズ(ブリーラム・ユナイテッド)、ジュニオール・エルドストール(PTプラチュワップFC)、サファウィ・ラシド(ラーチャブリーFC)、リリドン・クラスニキ(コーンケン・ユナイテッド)、2部リーグではザフアン・アゼマン(ウタイターニーFC)、スチュアート・ウォーク(カセサートFC)の合計6名がプレーします。近年では、タイリーグに移籍したノーシャルル・イドラン・タラハ(元BGパトゥム・ユナイテッド)、ドミニク・タン、モハマドゥ・スマレ(いずれも元ポリス・テロFC)らが全く活躍できなかっただけに、マレーシア人選手の評価を高めるような活躍を期待したいです。

ハディ・ファイヤッドがマレーシア復帰-ファジアーノ岡山からペラFCへ完全移籍

去る者もいれば戻って来る者もいる。

スーパーリーグのペラFCはクラブ公式SNSで、マレーシアの年代別代表でプレー経験があるハディ・ファイヤッドの加入を発表しています。ハディ選手はJDTのセカンドチームJDT IIを退団後、2019年に2月にJ2のファジアーノ岡山へ加入しており、Mリーグ復帰は5年ぶりとなります。

今月22日に23歳となるハディ選手は、マレーシア人選手として初めてJ2のクラブに移籍しましたが、岡山では出場機会を得ることができず、2021年には出場機会を求めてJ3のアスルクラロ沼津に期限付き移籍しました。しかし沼津へ移籍からわずか1ヶ月で右膝前十字靭帯(ACL)断裂の重傷を負い、このシーズンを棒に振りました。このケガから復帰した昨季は4月21日のヴァンラーレ八戸戦に84分から出場し、待望のJリーグデビューを果たしていました。その後も8月21日にはY.S.C.C.横浜で60分から、9月17日にはカターレ富山戦で83分から途中出場し、昨季の出場時間は合計43分、また出場した試合も含めベンチ入りは5試合でした。

ペラ州出身のハディ選手にとっては地元クラブでもあるペラFCは、一昨年に給料未払い問題により主力選手の大半が退団、移籍した結果、クラブ創設100周年となった年にクラブ史上初となる2部降格となっていました。またこの給料未払いの他、かつて在籍した外国籍選手への給料未払いもあったことから、FIFAは昨年1回目のトランスファーウィンドウ期間での新規選手の獲得を禁止する処分を課し、昨季のペラはシーズン前半はU23やU21の選手をやりくりして戦わなければならず、その結果、リーグ10チーム中で5勝2分11敗の9位に終わりました。しかし昨季終了後には携帯電話会社のXOX社がメインスポンサーとなり、元マレーシアU16代表監督で、バイエルン・ミュンヘンのユースチームコーチの経験もあるリム・ティオンキム氏が監督が就任すると、ベテラン選手を放出し、若い選手を多く獲得するなど、クラブの建て直しの過程にあり、その目玉の一つが今回のハディ選手獲得と言えそうです。

Mリーグにも韓流ブーム到来か-韓国出身のチェ・ムンシクがクランタンFCの監督に就任

来週月曜日1月16日に決勝戦セカンドレグが開催されフィナーレを迎える東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022では、準決勝に進んだ4チームの内、マレーシア、インドネシア、そしてベトナムの各代表チームは韓国人監督が指揮しており、東南アジアの代表チームには「韓流ブーム」がおとづれていますが、今季からスーパーリーグに加わるクランタンFCは、クラブ公式SNSで韓国出身のチェ・ムンシク(崔文植)監督の就任を発表しています。

元韓国代表のチェ氏は52歳で、韓国U16代表監督や、韓国の仁川で開催された2014年のアジア競技大会に出場したU23代表コーチなどを歴任している他、クラブレベルでは大田ハナシチズンFC(韓国)や延辺富徳FC(中国、2019年に解散)で監督経験があります。またMFだった現役選手時代の2001年にはJリーグの大分トリニータでもプレーしています。

なお昨季の監督を務めたザムベリ・ヤハヤはチェ監督のもとでコーチとして残留することも発表されています。

JDTの代表選手コレクションが止まらない-代表GKシーハン・ハズミは噂通りジョホール加入

三菱電機カップ2022準決勝で敗退したマレーシア代表のメンバーは、所属チームへ戻って2月24日に迫った今季の開幕に備えますが、昨季在籍したヌグリスンビランを退団することを表明し、三菱電機カップでは「無所属」となっていたGKシーハン・ハズミが噂通りジョホール・ダルル・タジム(JDT)に加入しています。

JDTのクラブ公式フェイスブックでは、新加入選手が本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムへリムジンで乗りつけるお約束の画像で加入が紹介されたシーハン選手は、背番号が33となることも明らかになっています。JDTオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はこれまでも、マレーシア人選手はトップクラスの選手しか獲得しないと明言していた通り、三菱電機カップでは代表の正GKとして6試合中5試合に出場したシーハン選手が、JDTがこのオフに獲得した唯一のマレーシア人選手です。

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昨季は大ブレークを果たし、Mリーグアウォーズで2022年シーズンの最優秀GK賞を受賞した26歳のシーハン選手は、2021年まで4年連続で同賞を獲得してきた37歳のファイルズ・マーリアスとチームメートとなったことで、昨季リーグ9連覇を達成したJDTには代表GKが2人揃いました。これによりJDT内での正GK争いは激しいものになりそうですが、それと同時にまさかの同一チームから2人のGKが代表に選出、といった事態が起こるかも知れません。

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1月11日のニュース
AFF選手権準決勝2ndレグ-タイに完敗のマレーシアは2大会ぶりの決勝進出を逃す

1月10日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ準決勝セカンドレグで、マレーシア代表はタイ代表に0-3で敗れ、ファーストレグとの通算成績でも1-3と敗れた結果、2大会ぶりの準決勝進出を逃しています。一方、決勝進出を決めたタイ代表は、もう一つの準決勝でインドネシア代表を破って決勝進出を決めているベトナム代表と大会2連覇を賭けて対戦します。

マレーシアのキム・パンゴン監督は、1-0で勝利していたファーストレグの先発から、4名を入れ替えています。ベトナム戦でレッドカードをもらい2試合の出場停止処分を受けていたアザム・アズミがクェンティン・チェンに代わって右サイドバックに戻り、左サイドバックにはファーストレグで唯一の得点を演出したV・ルヴェンティランに代わり、スランゴールでチームメートとなるファズリ・マズランが入りました。またリー・タックとサファウィ・ラシドに代わり、それぞれムカイリ・アジマルとノー・ハキム・ハサンを起用して前回大会チャンピオンに挑みました。

試合開始直後は高い位置でのプレスをかけていたマレーシアでしたが、それも開始から10分を過ぎた頃には徐々にラインが下がり始め、その後は防戦一辺倒になる場面が続く、ファーストレグとほぼ同じ展開となりました。それでもタイFW陣が好機をことごとく逸する展開に助けられたマレーシアの集中力が切れたのは19分でした。左サイドでフリーとなったティーラトン・ブンマタンからのクロスにティーラシン・デーンダーがシャルル・ナジームとドミニク・タンに挟まれながらも頭で合わせゴール!今大会の得点王争いのトップとなる6得点目を決めたタイのエースの活躍で、ホームのタイが先制します。

ファーストレグでは1-0で勝利しているマレーシアは、このゴールで通算成績が1-1となっただけでしたが、試合開始時と比べると意気消沈したようなプレーが出始めます。チームを鼓舞しようとしたキム・パンゴン監督がタイのアレクサンダー・「マノ」・ポルキン監督とともに、この試合の主審を務めたヨルダンのアドハム・マハドメ主審からイエローカードをもらう場面もありました。これに応えるようにマレーシアは左サイドのノー・ハキム・ハサンからクロスにダレン・ロックが頭で合わせ、この試合最初のシュートは放ちますが、これはタイGKカンポン・ファントムアカックルの正面となり、ゴールを破ることはできませんた。また41分には右サイドでFKを得たマレーシアですが、ムカイリ・アジマルのキックはやはりGKカンポン・ファントムアカックルが難なくキャッチ。その後、両チームとも激しいプレーが続くもスコアは変わらず、前半は1-0とタイのリードで折り返します。

後半に入ると、マレーシアのキム監督はファーストレグで先発したリー・タック、V・ルヴェンティランを投入しますが、この交代では状況は打開できず、むしろ守備に不安のあるV・ルヴェンティランのサイドから崩される展開となりました。55分には右サイドでパスを受けたエカニット・パンヤがペナルティエリア内から出たマイナスのクロスをマレーシアDF陣が完全にフリーにしてしまったボーディン・ファラがゴールして2点目を献上、通算スコアでもついにタイにリードを許しました。さらに71分にはやはりウィーラテップポンファンに右サイドから待ち込まれ、そこからのクロスを今季からMリーグのトレンガヌでプレーするアディサク・クライソーンがシュートするもポストにはじかれますが、そのルースボールに再び詰めてゴール!決定的なタイの3点目が決まるとともに、マレーシアの決勝進出の夢はつい得ました。

9(3)対39(11)。これはマレーシア代表とタイ代表の準決勝2試合を合計したシュート数(枠内へのシュート数)です。マレーシアは枠内シュート3本で1ゴール、タイは枠内シュート11本で3ゴールなので、シュート数に対するゴール数の割合はマレーシアガタイを上回っていますが、2試合で1ゴールでは勝てるはずもありません。また大会通算では6試合で11得点7失点を記録したマレーシアですが、ベトナム、タイといった強豪相手には3試合で1得点6失点と得点力不足が露呈し、この問題の克服がAFC選手権アジアカップ2023への最大の課題となります。

準決勝敗退は残念な結果ではありましたが、見方を変えれば、ジョホール・ダルル・タジム(JDT)所属選手の大量辞退によって、今回の大会はこれまで出場機会が与えられなかった選手を起用する機会にもなりましたし、また本来ならば代表合宿に呼ばれるかどうかのボーダーの選手を招集し、実戦で試してみる機会でもあったとも言えます。具体的に言えば、ラヴェル・コービン=オングがいないことでV・ルヴェンティランが、マシュー・デイヴィーズがいないことでアザム・アズミやクェンティン・チェンは出場機会を得ることができましたし、ファイズ・ナズミやアフィク・ファザイルが不在なことからスチュアート・ウィルキンやムカイリ・アジマルにフル出場の機会が回ってきたのは事実です。またキム監督も選手をやりくりする中で、ブレンダン・ガンをセンターバックで起用するとそれがはまるなど、選手の新たな可能性も探ることができたのは、選手たちにとって自信になったはずし、JDTの選手たちが代表に戻ってきても、キム監督にとっては今後の選手招集の選択肢を増やすことができた大会となったと言えるでしょう。

また今回の大会は、連日メディアでの注目を浴びたことで、EPLは見てもマレーシア国内リーグは見ない、といったマレーシアサッカーに無関心な層にもアピールしたようで、当初はBチームと呼ばれたメンバーが必死で戦う姿勢は、多くのマレーシア人の興味や関心を集めています。これも今大会はFIFA国際マッチデー期間外であることから、「選手は機械ではないので、休息が必要だ」というど直球の正論で自チームの選手を三菱電機カップに出場させなかったJDTのオーナー、トゥンク・イスマイル殿下がいたからで、殿下にはむしろ感謝しても良いくらいです。

準決勝敗退で2020年シーズンが終了したマレーシアサッカーですが、来月2月24日は2023年シーズンが開幕し、すでに多くのクラブがプレシーズンのトレーニングを始めています。今回代表としてプレーした選手たちにはまずは休息を取り、ケガを治療してもらい、それから来季に向けて準備を始めてもらいたいです。ハリマウ・マラヤ、お疲れ様でした。

AFF選手権三菱電機カップ2022 準決勝2ndレグ
2022年1月10日@タマサード・スタジアム(パトゥムターニー、タイ)
タイ 3-0 マレーシア(通算成績 タイ 3-1 マレーシア)
⚽️タイ:ティーラシン・デーンダー(19分)、ボーディン・ファラ(55分)、アディサク・クライソーン(71分)
🟨タイ(3):エカニット・パンヤ、サーラット・ユーイェン、ウィーラテップ・ポンファン
🟨マレーシア(4):ファイサル・ハリム、ドミニク・タン、エセキエル・アグエロ、サファウィ・ラシド
MOM:アディサク・クライソーン(タイ)

試合のハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

1月10日のニュース
マレーシア政府はAFF選手権準決勝セカンドレグ観戦用に国内全州にPV用スクリーンを設置
FAM会長が今季のMリーグにVAR導入の可能性を示唆
トレンガヌが今季の外国籍選手を発表

アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の準決勝セカンドレグ、ベトナム対インドネシアが行われ、ベトナムは2-0で勝利して2大会連続となる決勝進出を決めています。そしてもう一方の準決勝はいよいよ今日1月10日にタイのバンコク郊外にあるタマサートスタジアムでタイ対マレーシアのセカンドレグが開催されます。クアラルンプールで行われたファーストレグではホームのマレーシアが1−0でタイを破っており、このまま逃げ切って2大会ぶりの決勝出場を果たすのか、あるいはタイが勝利して2大会連続優勝に王手をかけるのか。試合は現地時間午後7時30分(日本時間午後9時30分)キックオフです。

マレーシア政府はAFF選手権準決勝セカンドレグ観戦用に国内全州にPV用スクリーンを設置

マレーシア政府の青年スポーツ省は、5万9000人分のチケットがわずか24時間で売り切れた1月7日のAFF選手権三菱電機カップ準決勝ファーストレグ、マレーシア対タイ戦を多くのマレーシア人が観戦できるようにと国内の14カ所に巨大スクリーンを設置しましたが、本日行われる準決勝セカンドレグではさらに11カ所増えた25ヶ所にスクリーンを設定することを明らかにしています。

ハンナ・ヨー青年スポーツ相が自身のツイッターで明らかにしたところによると、連邦直轄地のラブアンやマレー半島最北端のプルリス州や東海岸のクランタン州やトレンガヌ州など国内全13州と、3つある連邦直轄地全てで観戦が可能になるという事です。

FAM会長が今季のMリーグにVAR導入の可能性を示唆

マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、今季からのビデオアシスタントレフリーVARのマレーシアリーグ(Mリーグ)への導入について、近いうちにFAMの審判委員会が発表を行う予定があると話しています。

マレーシア語紙ハリアンメトロが選ぶスポーツリーダーシップ賞を受賞したハミディン会長は、この表彰式の席上で、FAMはMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLとの間でおよそ3ヶ月前からVAR導入について話し合いを続けいることを明らかにしています。

「順調に事が運べば、FAMの審判委員会は今季からVARを導入する予定である。ただしMリーグ全試合への導入ではなく、まずは例としてFAカップやマレーシアカップの準々決勝以降といった部分的導入になるだろう。FAMは既にVAR審判養成のために海外での研修に派遣している。」と説明したハミディン会長はファンにはVAR導入までもうしばらく待って欲しいと話しています。

トレンガヌが今季の外国籍選手を発表

昨季はスーパーリーグ2位に終わったトレンガヌFC(以下トレンガヌ)は、来月2月に開幕する2023年シーズンに向けての外国籍選手を発表しています。昨季、テクニカル・ディレクターを務めたトミスラフ・スタインブリュックナー氏が新監督に就任しましたが、今季は監督の母国であるクロアチアからDFドマゴイ・プシッチとFWイヴァン・マムートが加入しています。

ナフジ・ザイン前監督のクダ・ダルル・アマンFC(以下クダ)監督就任に合わせてクダへ移籍したMFマヌエル・オット(フィリピン)に代わる32歳のブシッチ選手はクロアチアU18代表でもプレー経験がある190cmのセンターバックで、クロアチア2部のNK BSKビイェロ・ブルドから加入し、背番号は8をつけるということです。またスリ・パハンFC(以下パハン)へ移籍したFWクパー・シャーマン(リベリア)に代わる26歳のマムート選手は192cmのセンターフォワードで昨季途中まではFCSB(かつてのFCステアウア・ブカレスト)でプレーしており、トレンガヌでの背番号は7ということです。なお、トレンガヌのアブドル・ラシド・ジュソーCEOによると、いずれもアジアでプレーするのは初めてという両選手とは1年契約を結んだということです。

なおトレンガヌは昨季から続けてプレーするMFハビブ・ハルーン(バーレーン)の他、東南アジア枠でタイ代表の攻撃的MFアディサック・クライソーン(タイ1部ムアントン・ユナイテッドFCから加入)、アジア枠でウズベキスタン出身のセンターバック、サルドル・クルマトフ(ウズベキスタン1部PFCソグディアナ・ジザフから加入)、そして昨季はマラッカ・ユナイテッドでプレーした元ハイチ代表のウィング、ソニー・ノルデと既に来季の契約を結んでいます。

1月9日のニュース
エアアジアがマレーシア代表サポーター向けにバンコク往復航空券を特別料金で提供
AFF選手権準決勝出場の代表はJDT所属選手ゼロもJDTが発掘した選手が活躍
マダム・ペンがマレーシア代表選手獲得に関心?

エアアジアがマレーシア代表サポーター向けにバンコク往復航空券を特別料金で提供

1月7日に行われた東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグでタイに先勝したマレーシア代表は、明日1月10日にバンコク郊外のタマサートスタジアムでタイ代表との準決勝セカンドレグに臨みますが、タイまで応援に駆けつけるマレーシア代表サポーターのためにマレーシアの格安航空会社エアアジアが期間限定でクアラルンプール・バンコク間の往復貢献を特別価格で販売することを発表しています。
 エアアジアの公式発表によるとクアラルンプール・バンコク間の航空券が500マレーシアリンギ(およそ1万5000円)で提供されるということです。なおこの500マレーシアリンギには空港税や燃料サーチャージなど諸々の諸経費が含まれた料金になっており、1月10日と11日の2日間で往復することが条件になっています。
 エアアジアは既にタイ代表サポーターのためにも1月7日と8日の2日間でバンコク・クアラルンプールを往復することが条件となる航空券を5000タイバーツ(およそ1万9500円)で販売していました。

AFF選手権準決勝出場の代表はJDT所属選手ゼロもJDTが発掘した選手が活躍

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝ファーストレグでタイに先勝したマレーシア代表は、大会前の代表候補合宿でジョホール・ダルル・タジムJDTから招集された選手13名中、11名が合宿参加を辞退、残った2名もラマダン・サイフラーは最終メンバーに残れず、サファウィ・ラシドはタイ1部ラーチャブリーFCへの期限付き移籍が発表されたことから、国内リーグ9連覇を達成したJDT所属の選手が1人もいない代表チームとなっています。
 しかし2大会ぶりにグループステージを突破した今回の代表チームもJDTと全く無関係ではないという記事を英字紙ニューストレイトタイムズが掲載しています。
 1月10日に三菱電機カップ準決勝セカンドレグを控えるマレーシア代表には、国外で生まれ育った後に帰化したマレーシア人選手が招集されています。ここでいう帰化したマレーシア人選手は大きく二つに大別され、一つは父母や祖父母がマレーシア人である「ハイブリッド」マレーシア人選手、そしてもう一つはそういったマレーシア人との血縁関係を持たない帰化マレーシア人選手です。前者で言えば、ダレン・ロック、スチュアート・ウィルキン、ブレンダン・ガン、ドミニク・タン、クェンティン・チェン、デヴィッド・ローリー、後者で言えばリー・タック、エセキエル・アグエロが該当します。
 英国で生まれ育ったスチュアート・ウィルキンとダレン・ロックは、いずれもJDTの才能発掘部門担当者の目に留まり、マレーシアへやってきました。英国人の父親とマレーシア人の母親を持つスチュアート・ウィルキンは英国プレミアリーグのサウサンプトンFCのアカデミーから、アメリカのミズーリ州立大学サッカー部へ進学、卒業後の2021年1月にJDTのセカンドチームJDT IIと契約したのがマレーシアへ来るきっかけとなりました。昨季はJDT IIから同じスーパーリーグのサバへ期限付き移籍し、今季は完全移籍でサバで2シーズン目を迎えます。
 また英国で生まれ育ち、マレーシア人の父親と英国人の母親を持つダレン・ロックは、英国6部リーグに当たるセミプロリーグのナショナルリーグ・サウスに所属するイーストボーン・バラFCで2012年から2016年までプレーした後、2016年7月にやはりJDT IIと契約してマレーシアへやってきました。翌2017年にはトップチームのJDTに昇格しましたが、2020年にはトレンガヌへ移籍、そして2021年にPJシティへ移籍したことで出場機会が増え、現在は代表チームの主力選手として活躍しています。
 今回の三菱電機カップでは、スチュアート・ウィルキンはシンガポール戦の2ゴールを含めた3ゴールを挙げ、ダレン・ロックもシンガポール戦で1ゴール1アシストを記録しています。

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 今回の代表チームには参加していないものの、JDTにはハイブリッドマレーシア人選手がマシュー・デイヴィーズ、ラヴェル・コービン=オングの両サイドバックやダニエル・ティン、ナチョ・インサ、ナサニエル・シオ、ダリル・シャム、帰化マレーシア人選手もギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、リリドン・クラスニキがおり、さらに今季Mリーグで6年目を迎えるブラジル出身のエンドリックのマレーシア国籍取得支援を前提に獲得しています。またJDTに続けとばかり、昨季スリ・パハンはリー・タックとエセキエル・アグエロのマレーシア国籍取得支援し、KLシティはブラジル出身のパウロ・ジョズエとコロンビア出身のロメル・モラレスのマレーシア国籍取得支援を明言しています。
 一昨日のニュースでは、スペイン1部のレアル・マドリードが120年を超えるクラブの歴史の中で初めて公式戦先発メンバー全員が外国籍選手となったことがニュースとなっていましたが、この帰化選手やハイブリッドマレーシア人選手増加の流れが続くと、マレーシア代表にマレーシアで生まれ育った選手が1人もいない、全員が外国生まれのマレーシア人選手というニュースが報じられる日が来るかも知れません。

マダム・ペンがマレーシア代表選手獲得に関心?

東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022準決勝でマレーシア代表と対戦するタイ代表のチームマネージャーのヌアルファン・ラムサム氏は「マダム・ペン」として知られていますが、このマダム・ペンがマレーシア代表の複数の選手に関心を示していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ブルナマの報道によると、タイ1部リーグのポートFCの会長でもあるマダム・ペンは興味を引いた選手としてMFスチュアート・ウィルキン、FWダレン・ロックといった名前を挙げているということです。
 この他には三菱電機カップ終了後にタイ1部ラーチャブリーFCへの期限付き移籍が決まっているFWサファウィ・ラシド、同じくタイ1部のブリーラム・ユナイテッドFC移籍が発表されたDFディオン・コールズにも関心を示しているということです。
 今回の大会を通じて自身が会長を務めるポートFCに適する選手を探していると話すマダム・ペンは、マレーシアには多くの良い選手がいると話し、「マレーシア代表対タイ代表の試合では、8番(スチュアート・ウィルキン)と9番(ダレン・ロック)に注目したと述べているということです。
 三菱電機カップ開催により現在中断しているタイ1部リーグでは、ポートFCは首位で勝点39を挙げているブリーラム・ユナイテッドFCとは勝点差17離れた7位(16チーム中)となっています。

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マレーシアのメディアに向けた社交辞令だとも思いますが、それでも今季は上記のサファウィ・ラシド、ディオン・コールズの他にもPTプラチュワップFCに加入するDFジュニオール・エルドストール(以前チョンブリーFCでプレーした際の登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナ)、既にコーンケン・ユナイテッドFCでプレーしているMFリリドン・クラスニキと1部だけでも代表経験のある4名のマレーシア人選手がおり、今回の三菱電機カップでマレーシア代表がさらに躍進すれば、ポートFCも含め、タイのクラブがさらに獲得に動く可能性もありそうです。

1月8日のニュース
AFF選手権準決勝1stレグ-マレーシアがタイに辛勝でホーム無敗記録を守る

昨日1月7日に東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップ2022の準決勝ファーストレグがブキ・ジャリル国立競技場で行われ、ホームのマレーシアがタイに2-0と解消しています。この勝利でマレーシアはタイ戦7戦無敗、またブキ・ジャリル国立競技場でのタイ戦は6戦無敗の記録を守っています。

前回2020年大会優勝のタイは、今回はFWチャナティップ・ソングラシン(川崎)、MFスパチョーク・サラチャート(札幌)ら主力を欠きながらも、グループステージA組ではインドネシアと1-1と引き分けた以外はフィリピンに4-0、ブルネイに5-0、カンボジアに3-1と、無敗のままmA組首位として準決勝に進出しています。一方のB組マレーシアは、初戦のミャンマー戦は1-0の僅差で勝利し、ラオス戦は5-0と快勝したものの、ベトナム戦では0-3と完封負け、そして準決勝進出には勝利が必要だったシンガポール戦を4-1で制して、B組2位で準決勝に進出しました。

相性の良いタイを相手に、マレーシアのキム・パンゴン監督は必勝で臨んだシンガポール戦からMFのムカイリ・アジマルに代えてMFリー・タックを起用した以外は変更なしというスターティングXIでした。(下はこの試合の両チームのスターティングXI)

しかし試合開始と同時に積極的な姿勢を見せたのはアウェイのタイでした。キックオフから防戦一方となったマレーシアは、クリアしたセカンドボールもことごとくタイに奪われ、自陣に釘付けになります。

そんな嫌な流れの中、先制したのはマレーシアでした。シャルル・ナジームが自陣からハーフラインを超えて左サイドからペナルティエリアに走り込んだV・ルヴェンティランへロングパス、これをV・ルヴェンティランがヘディングでゴール前に送ると、ファイサル・ハリムがダイレクトで押し込み、今大会4得点目となるゴール!今季からチームメートとなる3選手のプレーでマレーシアが先制しました。また27分にはファイサル・ハリムのパスを受けたクェンティン・チェンがタイGKと一対一になる場面がありましたが、シュートはゴールポストの上に外れるなど少ないチャンス生かすことができませんでした。一方、タイはボーディン・ファラ、ティーラシン・デーンダーらゴールを狙いますが、マレーシアは全員がペナルティエリアまで戻って守備をする必死のプレーで、前半はなんとか1-0で持ち堪えました。

後半に入ってもタイの猛攻が続く中、54分にマレーシアはフリーキックを得ました。リー・タックの蹴ったフリーキックがゴール前に上がると、タイDFと競り合いながらもドミニク・タンが頭で合わせたゴール!しかし、韓国のキム・デヨン主審はマレーシア側にファールがあったとして、ノーゴールの判定を下します。中継のスロー再生映像を見る限りではどこがファール?というプレーでしたが、VARが採用されていない今大会では判定が覆ることはありませんでした。グループステージ初戦のミャンマー戦での不可解なPK判定、ベトナム戦でフォールを見逃した佐藤隆治主審、そしてこの日のキム・デヨン主審と、今大会はなぜかマレーシアに不利な判定が相次いでいます。

最小得点差を守る展開はこの後も続きますが、この試合でもセンターバックに入ったブレンダン・ガンとシャルル・ナジームのスランゴールコンビ、そしてドミニク・タンの3バックを中心に再三のピンチを防いだマレーシアが逃げ切って、準決勝初戦で勝利するとともにタイ戦での無敗記録を7に伸ばしています。なお準決勝セカンドレグは来週火曜日1月10日にタイのタンマサート・スタジアムで行われます。

この試合は下のデータを見てもわかるようにボールの支配率、シュート数(枠内シュート数)、パスの数など数字的にはタイが圧倒しています。この他、コーナーキックもマレーシアの2に対してタイは7となっています。しかもマレーシアは枠内シュート数はわずか1ですが、その1本のシュートがこの試合の唯一のゴールだったというわけです。


AFF選手権三菱電機カップ2022 準決勝1STレグ
2022年1月7日@ブキ・ジャリル国立競技場
マレーシア 1-0 タイ
⚽️マレーシア:ファイサル・ハリム(11分)
🟨マレーシア(1):ファズリ・マズラン
🟨タイ(2):パンサ・ヘーミポーン、スパナン・ブリーラット
MOM:V・ルヴェンティラン(マレーシア)

ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより。