2019年のアジアのサッカーはアジアカップとともに幕を開けましたが、マレーシアは予選で惨敗したため、残念ながら出場しません。それでもここ10年近く暗黒の時代を過ごしていたマレーシアのサッカーにとって、昨年2018年はフル代表を含めた各年代で良い結果を残すことができた年でした。そこで今回から数回に分けて、各年代ごとにその成績を見ていきます。まずは一年間を通して好調であったU23代表から始めましょう。
U23代表チームはAFC U23選手権に初出場を果たしただけでなく、ノックアウトステージまで進む快挙を果たしました。前年にタイで行われた予選ラウンドでは、インドネシアを3−0、モンゴルを2−0で勝利し、タイには0−3で破れたものの、タイがモンゴル、インドネシアとそれぞれ引き分けてくれた恩恵もあり、予選グループを1位で突破し、今年1月に中国で行われた本戦では、イラク、ヨルダン、サウジアラビアと行った強豪と同組となったグループステージをなんと突破したのです。イラクには1−4と完敗でしたが、ヨルダンとは1−1で引き分け、そしてなんとサウジアラビアには1−0と番狂わせを演じて快勝しました。グループステージを2位で通過し準々決勝に進出したマレーシアは韓国と対戦し、戦前の予想に反して、一時は同点に追いつく接戦でしたが最後は1−2で負けてしまいました。しかし2018年のマレーシア国内ベストヤングプレーヤー、ベストミッドフィルダー、そしてMVPにも選ばれたサファウィ・ラシドを筆頭に攻撃陣が頑張った結果が、初出場ながらベスト8という輝かしい結果となりました。
U23代表チームは、8月にジャカルタで開催されたアジア競技大会でも快進撃を続けました。韓国、バーレーン、キルギスタンと同組になったグループステージでは、初戦のキルギスタン戦を3−1で快勝した勢いに乗り、続く韓国も2−1で撃破するこれまた大番狂わせを見せました。プレミアリーグのトットナムでプレーするソン・フンミンを先発から外す余裕を見せた韓国ですが、今回はマレーシアがAFC U23選手権のリベンジに成功しました。ちなみにこの試合で2点を挙げたのが、前述したSafawi Rasidでした。この勝利でグループステージ突破を確定させたマレーシアは、先発8人を入れ替えて主力を休ませたバーレーン戦は2−3と破れましたが、予選グループ2位でノックアウトステージとなるベスト16へ進みました。ベスト8を賭けた試合の相手はU21代表を送り込んできた日本でした。予選グループを1位で突破していれば相手がイランでしたので、U21の日本のほうがベスト8進出のチャンスが有るかと思いましたが、89分にPK(このPKを与えたファウルの判定は個人的には微妙と思いましたが)を与えてしまい0-1でした。日本のメディアでも「辛勝」「紙一重の勝利」などの見出しがつけられるほどの惜敗だっただけに残念!なお、Fox Sports Asiaと英字サッカー雑誌Four Four Twoのエディターによるこの大会のベスト11にSafawi Rasidが選出されました。
U23マレーシア代表 2018年戦績
<AFC U23選手権>
グループステージ
2018.01.10 1-4 イラク 得点者:サファウィ・ラシド
2018.01.13 1-1 ヨルダン 得点者:サファウィ・ラシド
2018.01.16 1-0 サウジアラビア 得点者:ダニアル・アミール
ノックアウトステージ(準々決勝)
2018.01.20 1-2 韓国 得点者:タナバラン
<アジア競技大会>
グループステージ
2018.08.15 3-1キルギスタン 得点者:サファウィ・ラシド, アクヤ・ラシド, シャフィック・アーマド
2018,08.17 2-1韓国 得点者:サファウィ・ラシド 2
2018.08.20 2-3バーレーン 得点者:シャミ・サファリ, サファウィ・ラシド
ノックアウトステージ(ベスト16)
2018.08.24 0−1日本 得点者:なし
中国で行われたAFC U23のメンバー(FAMホームページより)
ジャカルタアジア競技大会、2-1で勝利した韓国戦の1コマ(FAMホームページより)