2月18日のニュース
サッカー協会が「ニセ」マレーシア代表の存在をFIFAとAFCに報告
PDRM FCは今季のホームスタジアムにMBPJスタジアムを使用
BRM FCがメインスポンサーを失いM3リーグ出場を辞退

サッカー協会が「ニセ」マレーシア代表の存在をFIFAとAFCに報告

英字紙ニューストレイトタイムズは、マレーシアサッカー協会FAMがニセマレーシア代表の存在をFIFAとアジアサッカー連盟AFCに報告したと報じています。 

サッカーコメンテーターのマーク・スタッフォード氏が昨年11月に自身のポッドキャストで明らかにしたところによると、米国1部メジャーリーグサッカーMLSのLAギャラクシーがマレーシア代表と親善試合を行い4-1で勝利しましたが、試合後にそのチームがマレーシア代表に成り済ました別のチームであることが発覚したということです。

FAMのハミディン会長は、近年、マレーシア代表はアメリカ合衆国へ試合のための遠征は行っておらず、誰かがマレーシア代表の名を語って試合を行ったと述べ、現在はその詳細を把握中だと説明し、またこの件はすでにFIFAとAFCにも報告済みであると述べています。. 

スタッフォード氏によると、サッカー賭博の胴元がLAギャラクシーに、AFC選手権アジアカップのための準備と称してマレーシア代表との親善試合を持ちかけ、その条件はスタジアム使用料などの経費は全てマレーシア代表持ちの上、試合報酬を支払うというものだったということです。その後は「マレーシアサッカー協会関係者」が公式に書面で試合を依頼したことで、LAギャラクシー側はこの申し出を受け入れ、実際の試合は¥LAギャラクシーが4-1で「マレーシア代表」に勝利したということです。

さらにスタッフォード氏は試合の時期を明らかにしなかったものの、この試合は八百長試合で「5ゴール以上」に賭けた八百長仕掛け人が数百万の利益を得たとしています。

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この他、2009年にマレーシア代表がFIFAの承認を得た国際Aマッチとしてジンバブエ代表とと7月12日と7月14日に試合を行い、マレーシア代表がそれぞれ4-0、1ー0で勝利しましたが、その後、ジンバブエサッカー協会はこの「ジンバブエ代表」はその名を語ったクラブチームであったと発表し、この手配をしたのが八百長仕掛け人として有名なウィルソン・ラジ・プルマルだったことを明らかになっています。また同じ2009年の9月11日に「レソト代表」と行いマレーシア代表が5-0で勝利した国際Aマッチも八百長が仕組まれていたことが明らかになっています。

また2015年にはマレーシアとガーナの両サッカー協会が知らない間にマレーシア代表タイガーナ代表の試合が開催され、この試合の開催が明るみに出ると、両協会とも試合を申し込んでも受け入れてもいないことを明らかにしています。

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このニセマレーシア代表については、昨年11月にも同じ様な記事がマレーシアの各紙で掲載されており、ニューストレイトタイムズがほぼ同じ内容の記事を再び掲載した理由は不明ですが、このブログでは昨年11月に出た記事をスルーしていたので、今回取り上げました。
 今回の記事では、マレーシア人選手が直接関わったのかどうかは不明ですが、マレーシアのサッカーの歴史を語る上で八百長の話題は、避けて通ることができない問題なのも事実です。このブログでも取り上げており、興味のある方は過去記事から「八百長」をキーワードで検索していただくと見つかると思います。
 上の記事で名が出ているウィルソン・ラジは、世界各地の試合で選手を買収する自称「世界一の八百長仕掛け人」として知られていた人物で、出身地のシンガポールだけでなく、フィンランドやハンガリーでも八百長で有罪となり実刑判決を受けています。

PDRM FCは今季のホームスタジアムにMBPJスタジアムを使用

今季3年ぶりにスーパーリーグに復帰するPDRM FCは、今季のホームスタジアムにスランゴール州プタリンジャヤのMBPJスタジアムを使用することを、スーパーリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOが正式に発表しています。

PDRM FCは2020年シーズンから昨季まではクアラルンプールにあるKLフットボールスタジアムをホームとしてKLシティFCと同居していましたが、今季はMBPJスタジアムをスランゴールFCと共用することになりました。MBPJスタジアムは昨季まではスランゴールFCとPJシティFCが同居していましたが、今季から変更されたスーパーリーグの方針とクラブの方針が一致しないとして、PJシティFCがスーパーリーグ不参加を決めており、PDRM FCはこのPJシティFCの後釜に入ることとなります。

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PDRM FCがMBPJスタジアムにホームを変更するのは、MFLが今季から設けた1スタジアムにつきホームとするチームは最大2チームという規定によるものだと思われます。KLフットボールスタジアムは、KLシティFCとKLシティFCのセカンドチームが使用することから、PDRM FCが入る余地が無くなってしまった様です。なお、MBPJスタジアムをホームとするスランゴールFCのセカンドチームは、やはりリーグを撤退したUITM FCが使っていたUITMスタジアムを、PDRM FCのセカンドチームはサイバージャヤのマレーシアマルチメディア大学(MMU)の持つスタジアムをホームとすることが、各セカンドチームが出場するMFLカップの日程表で明らかになっています。

BRM FCがメインスポンサーを失いM3リーグ出場を辞退

Mリーグ3部に当たるM3リーグは3月4日に今季が開幕しますが、開幕まで1ヶ月を切ったこの時期にBRM FCが、クラブ公式Facebookで今季のリーグ出場辞退を発表しました。昨季のM3リーグではノックアウトステージの準決勝まで残ったBRM FCは、今季は優勝を目指して5日前には今季着用の新たなユニフォームを発表しましたが、それからわずか4日後の2月17日に出場辞退を表明しています。

「今回のメインスポンサーの件で迷惑を被った関係者全員に謝罪する」というクラブCEO名義による謝罪投稿とともに発表された今回のリーグ出場辞退の原因は、新ユニフォームの胸に入っていたメインスポンサーのロゴでした。ペラ州クアラ・カンサーを本拠地とするBRM FCの新ユニフォーム発表では電子タバコ会社の名前がユニフォームの胸スポンサーとして掲げられていましたが、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグは電子タバコとは言え、タバコ会社であることも問題視していました。

最終的には、AFLはタバコ会社をスポンサーとすることを認めず、この結果、BRM FCは今季リーグ前にメインスポンサーを失うことになりました。開幕までおよそ2週間と迫ったこの時期に新たなスポンサー獲得は難しいと判断したBRM FCは、スポンサーなしでは今季のリーグに参戦できないとして、今季のリーグ出場を辞退しています。(下の写真は発表されたばかりのBRM FCの今季ユニフォーム。胸の黒地に金のロゴが電子タバコ会社のロゴです。)