Mリーグ2部プレミアリーグ2020年シーズン第10節結果

10月2日(金)から10月4日(日)の3日間に、2部プレミアリーグ第10節の6試合が行われました。以下結果です。(ホームチームが左側です。)
*10月5日に一部内容を修正しました。

10月2日(金)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッドFC 0-1 トレンガヌFC II
得点者:トレンガヌ-ジョーダン・ミンター(6分)
 前節第9節のケランタン・ユナイテッドFC戦でGKと接触し11分で交代した鈴木ブルーノ選手がハムストリングを痛めて今季絶望という報道があった他、トップチームのトレンガヌFCのDFババカル・ディアロのケガで開いた穴を埋めるため、DFアルグジム・レゾビッチがトップチームに昇格するなど外国籍選手2名を欠くトレンガヌFCでしたが、敵地でサラワク・ユナイテッドFCに勝利しています。
 トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手は前述の通り、ケガのためベンチ入りしませんでした。

MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール2 2-1 UKM FC
得点者:スランゴール-クェンティン・チェン(10分)、バジュラム・ネビヒ(34分)、UKM-ハフィジ・アミルディン(84分)

シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナンFA 4-0 ケランタン・ユナイテッドFC
得点者:ペナン-リ・チャンフン(18分)、アル・ハフィズ・ハルン(21分)、ボビー・ゴンザレス(53分)、カサグランデ(74分)
 ペナンFAは数字上優勝の可能性が残っていた2位のクアラルンプールFAがこの日の試合で引き分けたため、Mリーグ2部の優勝を決めています。ペナンFAにとっては2013年のFAMカップ(現M3リーグ)での優勝以来のタイトルとなります。
(下は優勝を報告するペナンFAのFacebook投稿と優勝を決めた試合のハイライト動画-いずれもペナンFA公式Facebookより)

MPMスタジアム(ペラ州マンジュン)
ペラII 0-0 クアラルンプールFA
得点者:なし

10月3日(土)
スルタン・ムハマド4世スタジアム(ケランタン州コタバル)
ケランタンFA 2-2 ヌグリスンビランFA
得点者:アミルル・シャフィク(29分)、ニック・アキフ・シャヒラン(83分PK)、ヌグリスンビラン-アルミール・ネト(15分PK)、イゴール・ルイス(87分)
 ケランタンFAの渡邉将基選手は警告累積により出場停止、一方、ヌグリスンビランFAの中武駿介選手は先発してフル出場しています。

10月4日(日)
サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
クチンFA 2-2 JDT II
得点者:クチンFA-ブライアン・ジョーンズ(23分PK)、鈴木雄太(58分)、JDT-フェルナンド・ロドリゲス(54分)
 今季からMリーグ2部でプレーするクチンFAが逆転勝ちの4連勝で5位以内を確定し、クラブ史上初のマレーシアカップ出場を確定させています。
 クチンFAの決勝ゴールを決めた鈴木雄太選手と谷川由来選手もいずれも先発してフル出場しています。
 JDT IIの廣瀬慧選手は先発して61分に交代しています。
 なお、クチンFAの勝利は地上波のニュースでも取り上げられました。

https://youtu.be/LqHz3Zr4Juc

マレーシアプレミアリーグ順位表(第10節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1+^ペナンFA108202471726
2+^クアラルンプールFA106312112921
3トレンガヌFC II106131614219
4JDT II104332016415
5+クチンFA104151519-413
5スランゴール2104151621-513
6ケランタンFA1043313112*12
8ヌグリスンビランFA103251118-711
9ケランタンU103071118-79
10UKM FC10235916-69
11サラワクU102251215-38
12ペラ II101541011-18
^ペナンFAとクアラルンプールFAは2位以内が確定し、2021年シーズンの1部昇格が決定しています。
+は上位5クラブに出場資格が与えられるマレーシアカップ出場権を獲得したクラブ(Mリーグ1部にトップチームを持つBチームにはマレーシアカップ出場資格はありません。)
*5位のケランタンFAは給料未払い問題により勝点3が剥奪されています。

マレーシアプレミアリーグ ゴールランキング(第10節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
9カサグランデペナンFA10
8エンドリックペナンFA10
8フェルナンド・ロドリゲスJDT II10
7フランシス・コネクアラルンプールFA10
6ダニアル・サアリスランゴール29
6ジョーダン・ミンタートレンガヌFC II10


10月4日のニュース:スランゴールFCが正式名称に、JDT選手関係者への観戦を「特別許可」したMFLに批判が集まる、本日のクダFA対マラッカU戦はクアラルンプールに会場を移して明日開催、サファウィ・ラシドがポルトガルへ出発

スランゴールFCが正式名称に
 Mリーグ1部と2部の全クラブに義務付けられた民営化の期限となっていた9月30日を過ぎ、マレーシアサッカー協会FAMから民営化認定を受けたクラブが続々と来季2021年シーズンから使用する新たな名称を発表する中、スランゴール州サッカー協会(スランゴール州FA)は公式サイト上で、Mリーグ1部のスランゴールFCは、正式名称をスランゴールFCとすることを発表しています。
 今季2020年シーズンからスランゴールFCの名称は使われていましたが、これまではあくまでも通称であり、今回の民営化を受けてスランゴールFCが正式名称となりました。またこの民営化により、スランゴールFCはスランゴール州FAから独立し、レッドジャイアント社が運営会社となり、スランゴールFCの他、BチームとしてMリーグ2部でプレーするスランゴール2の他、女子チーム、U21チーム、U19チーム、そしてフットサルチームがスランゴールFCの傘下となります。
 一方、スランゴール州FAは同州内サッカーの発展に注力し、コーチや審判の養成や州内のアマチュアクラブや学校対抗の大会の主催などを担うということです。

JDT選手関係者への観戦を特別許可」したMFLに批判が集まる
 10月2日に行われたMリーグ第10節のサバFA戦に勝利し、今季のMリーグ1部優勝とリーグ7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTですが、今季のMリーグの試合は無観客試合で実施されることになっているにもかかわらず、選手の家族など関係者がスタンドで観戦していたことが発覚し、これを許可したMリーグ主催者のマレーシアフットボールリーグMFLに批判が集まっています。
 観戦が発覚したきっかけは、JDTのアキヤ・ラシドの彼女がこの日のスタンドからの観戦写真をインスタグラム上に投稿したことでした。この投稿に多くのファンがネット上で反応し、観戦禁止を通達しているはずのMFLに説明を求める声が上がりました。なお、この投稿は現在は削除されています。
 その後、MFLはアブドル・ガニ・ハサンCEO名で声明を発表し、その中でJDTから申請のあった「小規模」の選手関係者のスタンド観戦を「特別に許可」したことを認めています。
 その内容は「この日の試合は優勝が決まる可能性がある試合であり、優勝トロフィーの需要なども行われる可能性があったことから、JDT側から正式に選手の家族など関係者の観戦許可申請が出されていた。MFLは議論を重ね、試合会場の構造上、小規模の選手関係者がスタンドで観戦しても標準作業手順SOPが遵守できると判断して、入場時の体温測定やスタジアム内での自由な移動禁止などを条件に許可した。」というものでした。
 MFLの公式Facebookに投稿されたこの声明に対しては2900件を超える反応と、1900件を超えるコメントが投稿されており、「(2部優勝の)ペナンFAも家族をスタンドに呼ぶべきだ、」「結局、JDTだから許可されたのであって、他のクラブならこんな申請はMFLに一蹴される。」と言ったものから、「UEFAチャンピオンズリーグで優勝したリバプールFCですら家族はスタジアムで観戦できなかったのに。」「写真がネット上に出回ってから後追いのコメントとは。試合前にMFLがこれを公表できなかった理由は何か。」など、多くのファンがMFLの対応を批判しています。
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 MFLに対しては批判とは別に、何も期待していないと言った旨のコメントも散見され、ファンからの信頼が低いことが改めて露呈した形になりました。マレーシアに住んでいるといわゆる「ダブルスタンダード」に遭遇することはよくありますが、これだけはっきりしたケースは批判を受けるのは当然ですが、このようなことが続くと本当に現在のMFLにリーグ運営を任せても大丈夫なのかという不安も高まります。またこの一件でJDTの7連覇の偉業にも結局、ケチがついた形で残念です。

本日のクダFA対マラッカU戦はクアラルンプールに会場を移して明日開催
 Mリーグを主催するマレーシアフットボールリーグMFLは、公式Facebook上で本日10月4日に予定されているMリーグ1部第10節クダFA対マラッカ・ユナイテッドFC戦を明日10月5日にクアラルンプールのクアラルンプールフットボールスタジアムで開催すると発表しています。
 クダ州での新型コロナウィルス感染者が国内2位の102名(10月4日時点)となったことにより、クダFAの本拠地クダ州アロースターのダルルアマンスタジアムでの試合開催に懸念が持たれていました。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEO名で出された発表によれば、今回の変更はクダ州首相でもありクダFAを運営するクダ州サッカー協会の会長を務めるムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー氏とマラッカ州首相でやはりマラッカ州サッカー協会の会長であるスライマン・モハマド・アリ氏が試合会場と日程の変更に同意した結果によるものだとしています。
 この試合は当初、10月2日に予定されていましたが、前節第9節にサバ州でサバFAと試合を行ったマラッカ・ユナイテッドFCが、国内で最大の155名(10月4日時点)の新型コロナウィルス感染者が見つかっているサバ州から戻った際、マレーシア政府が導入したサバ州からの渡航者に対する新型コロナウィルス検査の義務化と検査結果が出るまでの隔離措置によって練習が行えなくなったことから、試合日が10月4日に変更になっていました。

サファウィ・ラシドがポルトガルへ出発
 Mリーグ1部で7連覇を達成したジョホール・ダルル・タジムJDTのサファウィ・ラシドが移籍先となるポルトガル1部リーグのポルティモネンセSCに合流するため、マレーシアを出国しました。
 2017年にJDTに加入したサファウィ選手は現在23歳で、JDT在籍の4年間で101試合に出場し、47ゴールと18アシストの成績を収めた他、2018年と2019年にはMリーグの最優秀選手賞も受賞しています。また今季2020年シーズンは10試合に出場し7ゴールを決めています。
 サファウィ選手のポルティモネンセSC移籍は、1年間の期限付き移籍ということです。