1月6日のニュース
FIFAはMリーグの試合数が不十分と指摘
FAMの新テクニカルディレクターにスコット・オドネル氏が就任
コーチ資格の名義貸しに関する不服申し立ての事実なし-MFL

FIFAはMリーグの試合数が不十分と指摘

1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームで構成されるマレーシアの国内リーグMリーグは、ホームアンドアウェイ形式で行われ、各クラブは年間22試合を行いますが、代表チームのレベルアップをするためには現在の試合数では不十分だとFIFAが指摘していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシアサッカーの現状について調査を行ったFIFAは、スズキカップ2020ではグループステージで敗退し、東南アジアのトップに遅れをとっているマレーシア代表を強化するためには、現在の年間22試合では不十分だとして国内リーグの試合数を増やすためにシーズンを延長し、各カードを現在の2回戦制から3回戦制とすることも提案しているということです。

FIFAによる提案についてマレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、他国と比べると独特なマレーシアの国内サッカー日程に適合させることができるかどうかを検討する必要があると話し、また代表チームのための十分な日程が確保できるかどうかも合わせて検討する必要があると、ブルナマの取材に回答しています。

オンラインで行われたFIFAとの会談でこの提案を受けたサイフディン事務局長は、FAMの技術委員会と育成委員会の会合でこの提案を議題とすると述べる一方で、この提案がマレーシア国内で実現可能かどうかも検討巣つ必要があると述べています。

FIFAによる調査では、マレーシアの国内リーグ年間22試合に対し、英国1部プレミアリーグやスペインのラリガ、イタリアのセリエAは38試合、ドイツのブンデスリーガは36試合が組まれているということです。また東南アジアではインドネシア1部が34試合、タイ1部とベトナム1部はそれぞれ30試合と26試合ということです。

ここ数年は新型コロナの影響で変則になっているものの、マレーシアの国内リーグは2月開幕、7月閉幕で、その後に1部の年間上位11チームと2部の同上位5チームが出場するマレーシアカップが8月から10月まで続くというのが標準的な年間予定です。FIFAの提案に沿ってMリーグが3回戦制となれば1チームあたり年間33試合、カップ戦やACL、AFCカップなどを含めると年間50試合近くプレーするチームも出てきて、先日のスズキカップ2020で他国の選手に比べてマレーシア代表に欠けていたとされるタフさは身に付きそうですが、試合数が増える分だけ運営コストもかさむ上、試合数が増えることで質の低下も考えられることから、FAMとMFLがどのような判断を下すの鏡ものです。

FAMの新テクニカルディレクターにスコット・オドネル氏が就任

マレーシアサッカー協会FAMは、昨年2021年9月にオン・キムスイ氏が辞任して以来、空席となっていたのFAMのテクニカルディレクターにオーストラリア出身のスコット・オドネル氏が就任したことを公式サイトで発表しています。インドサッカー協会などでもテクニカルディレクターを務めた54歳のオドネル氏とFAMの契約期間は3年ということです。

FAMのテクニカルディレクターは昨年2021年1月からオン・キムスイ氏が務めていましたが、Mリーグ1部のサバFCから監督オファーを受け、同年9月に退職していました。

FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、FIFAのコーチング指導者資格を持つオドネル氏の経歴に加え、東南アジアのサッカーに精通していることがテクニカルディレクターとしてオファーを出す際の決め手になったと話しています。

オドネル氏は、1994年から1995年にかけてMリーグのクアラルンプールFA(当時、現在のKLシティFC)でのプレー経験がある他、その後は2000年までシンガポールリーグのタンピネスローヴァーズやマリーンキャッスルユナイテッド(現ホウガンユナイテッド)でもプレーし、2003年から2005年まではゲイランユナイテッド(現ゲイランインターナショナルFC)の監督を、さらには2005年から2007年までと2009年から2010年まではカンボジア代表の監督も務め、2015年から2017年まではインドサッカー協会のテクニカルディレクターを務めていました。

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就任記者会見の席では、タン・チェンホー氏が辞任して空席となっている代表監督に外国籍監督が良いと思うと発言していますが、アジアカップ2023予選まであと6ヶ月を切っている中で、そんなに軽く発言しちゃっていいのか、と。代表チームが機能しなければテクニカルディレクターのあなたも詰腹を切らされることはわかってんのかな、この人。

コーチ資格の名義貸しに関する不服申し立ての事実なし-MFL

昨日のこのブログではプロコーチライセンスを保持するコーチが、その名義を貸して報酬を得ているという噂がある、というニュースを取り上げましたが、Mリーグを運営するMFLは、これについて誰からも不服申し立てはされていないと述べています。

マレーシア語紙ブリタハリアンの取材に対して、Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、チーム内でこの事実が隠蔽されていれば、MFLがそこに調査の手を入れるのは難しいと述べる一方で、この不正行為についての不服申し立ては受け取ってないと話しています。

「MFLはリーグ規定に則って、各Mリーグクラブのコーチが必要な資格を保持していることを確認しており、これはクラブライセンス発給の手順にも含まれている。万が一、不正行為が行われていることを知る者がいれば、MFLに報告して欲しい。マレーシアプロサッカーコーチ協会PJBMによって提起されたこの問題については、MFLにはこれまで(コーチ資格の名義貸しに関する)報告は何もない。各クラブが監督、コーチを登録した後は、誰が現場で実質的なコーチなのかまでMFLが調べることは困難である。」とスチュアートCEOは述べています。

1月5日のニュース
トレンガヌはアンブロと2年5000万円のサプライヤー契約
Mリーグでコーチングライセンスの名義貸しが横行?

Mリーグ1部トレンガヌFCはクラブ公式サイトでイギリスのスポーツブランド「アンブロ」と総額180万リンギ(およそ5000万円)のサプライヤー契約を結んだことを発表しています。

2019年から2021年まではマレーシア国産ブランドのアル=イサン スポーツとサプライヤー契約を結んでいたトレンガヌFCは、このアル=イサン スポーツがそのマレーシア国内代理店となっているアンブロ社と2022年と2023年の2年間にわたるサプライヤー契約を結んだことを発表していますが、この契約はアンブロ社にとってはMリーグクラブと結んだ過去最大の契約となっています。またトレンガヌFCは今季2022年シーズンにアンブロ社と契約しているMリーグ唯一のクラブということです。

Mリーグでコーチライセンスの名義貸しが横行?

Mリーグの複数のクラブでプロライセンスを持つコーチを監督して登録しながら、実際にはライセンスを持たない人間が実質的な指導をしてると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

これを告発した元代表選手のジャマル・ナシル氏は、プロコーチライセンスを所持していない人物に監督をさせたいMリーグクラブが、プロコーチライセンスを持つ別のコーチを名目上の監督に据え、そのライセンスを使って意図する人物に指導をさせる不正行為が行われているケースや、クラブが経費を節約する目的でこの不正行為を行なっているケースもあると説明しています。

さらにジャマル氏は、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するMFLが気づいていないのか、気づいていないふりをしているのかはわからないが、この不正行為は既に数年前から続いているとも述べ、ライセンスを持つ指導者の能力が生かされず、ライセンスを持たない指導者が自由に指導できるこの不正行為が取り締まられない限り、代表チームの不振は今後も続いていくだろうと話しています

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これについてはマレーシア語紙ハリアンメトロも取り上げており、その記事の中でマレーシアサッカーコーチ協会PJBMのB・サティアナタン会長もこの名義貸しが行われているという話を聞いたことがあると認め、もしPJBMのメンバーがこの不正行為に加担していることが明らかになれば、厳重処分を科すと述べています。

元マレーシア代表監督でもあり、現在はサラワク・ユナイテッドFCのテクニカルディレクターを務めるサティアナタン氏は、PJBMのメンバーから具体的な報告を受けたことも明らかにしています。「(Mリーグ3部に当たる)M3リーグのコーチがあるクラブから監督就任の依頼を受けたが、その条件はそのクラブのアシスタントコーチが指揮を取り、このコーチには実権が与えられない、という内容だったようで、最終的にこのコーチからはその依頼を断ったと報告を受けている。」

また経費節約目的の名義貸しについては、プロライセンスを持つコーチの月給は最低でも10000リンギ(およそ28万円)、ディプロマ保持者なら25000から30000リンギ(およそ69万円から83万円)となる一方で、1ヶ月あたり2000から3000リンギ(およそ5万5000円から8万3000円)を支払ってその名義のみを借りることで、実際に雇用した場合との差額を節約できると説明しています。

この記事の最後でサティアナタン会長は多くの時間と費用を費やしてプロコーチライセンスを取得しても、不正行為を行う一部のコーチによって、それを活用する場が奪われてしまうとして、名義貸し行為はコーチが自分の首を絞めかねない自殺行為であると批判しています。

なおハリアンメトロの取材に対し、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長はコメントを控えるとし、MFLとこの不正行為疑惑について協議する予定があると回答しているということです。

1月4日のニュース:2022年シーズンのMリーグ外国籍選手枠数の変更は無し、AFCは今季も複数大会を一箇所集中開催で実施の可能性、パハンはクリストフ・ギャメル新監督の就任を発表

昨日はタン・チェンホー監督辞任のニュースで激震が走ったマレーシアサッカー界。スズキカップ2020でのグループステージ敗退を理由とした辞任ということが、それがタン監督だけの責任かどうかは別にして、この予想外の惨敗の影響はあちらこちらに現れており、今日取り上げる外国籍選手枠削減についての議論もその一つです。

その一方で2022年の国内シーズンの開幕も2月末に迫ってきています。また同じ2月には東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権があり、5月にはベトナムでの東南アジア競技大会通称シーゲームズ(U23代表が出場)、6月にはAFC U23アジアカップにAFCアジアカップ(A代表)最終予選と今年前半だけでも日程がてんこ盛りになっています。

2022年シーズンのMリーグ外国籍選手枠数の変更は無し

スズキカップ2020でマレーシア代表がグループステージで敗退したことを受け、Mリーグの外国籍選手枠が多すぎることにより、マレーシア人選手の出場機会が奪われていることもその原因ではないかという声が上がる中、マレーシアサッカー協会FAMは、今季2022年シーズンのMリーグの外国籍選手枠数の変更は行わないことを発表しています。

マレーシアの通信社ブルナマはFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長の話として、今季の外国籍選手枠数の変更を行うには時期が遅すぎると述べる一方で、Mリーグを運営するMFLとは今後も外国籍選手枠数の削減について話し合う用意があると話していることを報じています。さらに、Mリーグの外国籍選手枠についてはFAMの技術委員会が中心となって、維持すべきか削減すべきかを検討する予定であると述べたサイフディン事務局長は、外国籍選手枠の削減を行う場合でも、実施時期は最短で2024年からとなるという見解も伝えています。

Mリーグの外国籍選手枠は1部スーパーリーグが5名(ただしその内2名はそれぞれAFC加盟国選手枠と東南アジアサッカー連盟AFF加盟国選手枠が1名ずつ)、2部プレミアリーグが4名(内1名はAFC加盟各選手枠1名でAFF枠はなし)となっています。

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外国籍選手のせいで、マレーシア人選手が育たないという意見は代表チームの成績が下降する度に議論になる話題です。この記事では特にどのMリーグクラブでもストライカーが外国籍選手であることから、マレーシア人ストライカーが育たないという、まぁどこの国のリーグでも聞かれる意見が書かれています。またこの記事ではファンや評論家だけではなく、現役の選手からも外国籍選手枠削減についての声が上がっているとしています。

この記事を読んで思い出すのは、実際に外国籍選手の登録を禁じた2009年から2011年のシーズンです。それ以前の1999年から3年間に渡りMリーグが外国籍選手の登録を完全に禁じたことがありましたが、このときはアジア通貨危機の影響による経済上の理由でした。しかし2009年からの3年間の外国籍選手登録禁止は「マレーシアサッカーのレベルアップ」が理由でした。マレーシア人選手だけのクラブでリーグを行った結果、2009年と2011年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでU23代表が2大会連続金メダル、またA代表は2010年にはスズキカップで初優勝を飾っていることから、それなりの効果はあったのだとは思います。しかし、国内リーグは代表チーム強化のためだけにあるのではなく、興行としての目的もあるわけで、その「質」が維持できなければファンは当然離れていくので、リーグそのものが立ち行かなくなってしまいます。

今回スズキカップのベスト4各国の国内リーグを見ても、外国籍選手枠はタイはマレーシアと同じ5名(内AFC1名、アセアン1名)、インドネシアは4名(内AFC1名)、ベトナムは3名、シンガポールは5名となっており、これだけを見ればMリーグの外国籍選手枠を減らすことで代表チームが強くなるとは正直思えず、MリーグとFAMには常識的かつ論理的な判断を求めたいですが、果たしてどうなることでしょう。

AFCは今季も複数大会を一箇所集中開催で実施の可能性

アジアサッカー連盟AFCは2022年シーズンも複数の大会を集中開催する可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。この記事によれば、AFCのウインザー・ポール事務局長は2022年の日程について詳細は明かさなかったものの、ニューストレイトタイムズの取材に対して、ACLやAFCカップなどのAFC主催大会を昨年同様に1ヶ国を会場とした集中開催方式で行う可能性を示唆しています。

新型コロナの変異種オミクロン株の感染者が世界各国で急増し、アジアの各国でも渡航者に対する検疫隔離が厳格化されていることから、従来のホームアンドアウェイ形式での試合開催が困難になると予想されると述べたウインザー事務局長は、FIFAワールドカップ2022年大会が開幕する今年11月までに全ての年間日程を終了している必要があるとも話しているということです。

また今季2022年シーズンのACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選は今月1月17日に、また6月に開催されるAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の組み合わせ抽選は2月17日に、そして1月30日に開催地の立候補が締め切られるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選の組み合わせ抽選は2月24日にそれぞれ行われることも明らかにしています。

パハンはクリストフ・ギャメル新監督の就任を発表

昨季Mリーグ1部で10位だったスリ・パハンFCは、来季の監督にフランス出身のクリストフ・ギャメル氏が就任したとクラブ公式Facebookで発表しています。なお、かつてはフィジー代表の指揮を取った経験もあるギャメル監督との契約期間については明らかになっていません。

昨季2021年シーズンにスリ・パハンFCの監督に就任したトーマス・ドゥーリー監督と共にコーチとして加入したギャメル氏は、開幕から2試合でドゥーリー監督と共に「休養」をクラブから申しつけられて、その後はU21チームの指導を任されていました。

ドゥーリー、ギャメル両氏が「休養」となったことで、2020年にはスリ・パハンFC(当時はパハンFA)の監督を務めていたドラー・サレー チームマネージャーが代行監督に就任しましたが、チームは4勝6分12敗、降格した11位のクラブとは勝点差2という首の皮一枚の差で1部に踏みとどまりました。なおドラー監督代行は、今季は再びチームマネージャーに戻ることも合わせて発表されています。

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2020年シーズンに監督を務めた際にも10位、そして暫定監督として22試合中20試合の指揮を取った昨季も10位、しかもマレーシアカップはグループステージ敗退と2年間で目に見える成果は何も出せなかったドラー氏の留任の可能性はゼロであることは明らかでしたが、ギャメル監督の就任でやっと今季のMリーグの監督全員の顔ぶれが決まったことになります。

1月3日のニュース(3):速報-タン代表監督が辞任

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトでタン・チェンホー監督の辞任を発表しました。

FAMの発表によれば、先日終了したスズキカップ2020ではグループステージで敗退し、準決勝進出を逃した責任を取り、辞任を申し出ていたタン監督と話し合いを続けていたものの、翻意が困難と判断した結果、FAMは2022年末までとなっていたタン監督との契約を双方合意の上、解除することを決定したとしています。

2005年から2009年まではU20代表、2009年から2010年まではU23代表、またU23代表と同時にA代表のコーチも2009年から2013年まで務めていたタン監督は、この間、2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズではK・ラジャゴパル監督(現ブルネイ代表監督)の元でコーチとして優勝を経験し、翌2010年のスズキカップではA代表監督に就任したラジャゴパル監督を支えてマレーシアの代表のスズキカップ初優勝にも貢献しています。

A代表を離れ、2014年にMリーグ1部のクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)の監督に就任すると、2015年にはMリーグ1部優勝、2016年にはマレーシアカップ優勝を果たしました。

その後タン監督は、2017年5月にはポルトガル出身のネロ・ヴィンガダ氏がA代表の監督に就任するとともに再びA代表のコーチに就任しました。1996年にサウジアラビア代表監督としてAFC選手権アジアカップに優勝、2010年にはFCソウル監督としてKリーグ制覇と実績十分のヴィンガダ氏でしたが、マレーシア代表監督就任後の7試合で0勝2分5敗と1勝も挙げられず、さらにAFC選手権アジアカップ2019年大会予選で敗れたことにより、その就任からおよそ半年後の2017年12月に辞任し、それを受ける形でタン監督はコーチから昇格してA代表監督に就任しました。

A代表監督となった後の2019年に出場したスズキカップでは決勝でベトナムに敗れたものの、優勝した2010年以来7年振りにマレーシアを決勝進出させた他、新型コロナによる中断前のFIFAワールドカップ2020年大会アジア2次予選では一時はグループ2位につけるなど、2017年12月のA代表監督就任以来40試合で20勝4分16敗の成績を残しています。

 スズキカップ2020は惨敗でしたが、果たしてそれがタン監督だけの責任なのでしょうか。シンガポール出発直前にそれまでは「疲労」を理由に辞退していたアリフ・アイマンが加わる一方で、同じ「疲労」を理由に今年ほぼ全ての代表戦に出場してきたラヴェル・コービン=オング、ファリザル・マーリアスを招集せず(あるいは招集を認められず)、その一方で本当に代表に必要なのかが最後まで分からなかったギリェルメ・デパウラや今季試合出場時間がほとんどなかったシャールル・サアドが代わりに招集されましたが、ここで挙げた選手は全員がJDTの選手であることから、それが「偶然」と言われても疑念が拭いきれない代表選出でした。
 あるいはこの辞任は、自身が呼びたい選手を呼べず、それをサポートする気概も覚悟もなければ責任も取らないマレーシアサッカー協会にタン監督が三行半を突き付けたのかも知れません。しかしこのタン監督辞任で得をする人物がいるんだろうなぁ、マレーシアサッカー界には。
 いずれにしてもタン・チェンホー監督、お疲れ様でした。🙇‍♂️

1月3日のニュース(2):スズキカップ2020-決勝第2戦のインドネシアの攻撃的布陣は苦肉の策だった?、また代表選手がサバ加入-今度は代表GKがマラッカUから移籍、2部降格のUITM FCは今季出場辞退の可能性も

スズキカップ2020-決勝第2戦のインドネシアの攻撃的布陣は苦肉の策だった?

タイの優勝で幕を閉じた東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020ですが、決勝第2戦では逆転勝利を目指して攻撃的な布陣を採用したと見られていたインドネシア代表ですが、どうもうそういうことではなかったというチームの実情をAFPが報じています。

この記事によると、インドネシア代表でいずれもDFのリズキー・リド、エルカン・バゴット、ヴィクター・イグボネフォ、リズキー・ドウィ・フェブリアントの4選手がおよそ2時間の間、宿泊先のホテルを抜け出して「シャンプーと石鹸を買いに出た」ことが判明し、東南アジアサッカー連盟AFFの懲罰委員会による調査の結果、この4選手は新型コロナ感染対策予防手順に違反したとして、大会運営本部からタイ代表との決勝第2戦の出場を禁止されていたということです。

この4選手の内、リズキー・リド選手はタイ代表との決勝第1戦に先発し、バゴット選手も後半開始から途中出場しています。またヴィクター選手とリズキー・ドウィ・フェブリアント選手もベンチ入りしていました。

インドネシア代表のシン・テヨン監督は、決勝第2戦後の記者会見でディフェンダーの4選手が出場禁止となった理由は了承できると話す一方で、この4選手の欠場が決勝第2戦に影響を与えたことを認めて失望していると話しています。

また代表選手がサバ加入-今度は代表GKがマラッカUから移籍

昨季2021年シーズンは降格権から勝点3で1部スーパーリーグ残留を決めたサバFCは、シーズン終了後から大型補強を続けていますが、そこにまた大物が移籍です。

サバFCのクラブ公式Facebookでは、先日終了したスズキカップ2020でもマレーシア代表のゴールキーパーとしてグループステージ4試合全てに先発しフル出場したカイルル・ファーミ・チェ・マットがサバFCへの移籍を告知しています。

32歳のカイルル・ファーミ選手は、昨季途中からサバFCの指揮を取るオン・キムスイ監督のもとでプレー経験があり、2011年に東南アジア競技大会通称シーゲームズでオン監督率いるU23代表が優勝した際の正ゴールキーパーでした。

オン監督就任以来、このオフシーズンは同じスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCからMFバドロル・バクティアルとDFリザル・ガザリ、またタイ1部のポリス・テロFCからはDFドミニク・タンといずれもスズキカップ2020に出場した代表選手を獲得しています。

2部降格のUITM FCは今季出場辞退の可能性も

昨季2021年シーズンにMリーグ1部スーパーリーグで最下位となり、今季2022年シーズンは2部プレミアリーグ降格が決まっているUITM FCが経営上の問題から今季のリーグ出場を辞退する可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

昨季のスーパーリーグで3勝4分15敗で最下位となったUITM FCは、国立大学のマラ工科大学UITMを母体とするクラブで、2020年はに大学のクラブとして初めてスーパーリーグでプレーしています。しかもこのシーズンは新型コロナの影響で試合数が半減したとは言え昇格初年度で6位となるなど大きな話題となりました。しかし2020年シーズン終了後にこの大躍進に貢献した外国籍選手5名の内、4名が退団するなど、この時点で運営資金が潤沢ではないことは明らかでした。

2021年シーズンは開幕から連敗が続き、前年から指揮を取るフランク・ベルンハルト監督を交代、外国籍選手を入れ替えるなどしたものの、シーズン初勝利は開幕から17試合目(Mリーグの1シーズンは22試合)では、2部降格は避けられませんでした。

ニューストレイトタイムズの記事では、今季プレミアリーグ参戦のためのスポンサーの獲得に困難を極めているとされており、Mリーグを運営するMFLものスチュアート・ラマリンガムCEOもUITM FCからの状況説明を待っている状態であると話し、Mリーグも事態を憂慮しているとしています。


1月3日のニュース(1):スズキカップ2020-決勝第2戦は引き分けもタイが2大会ぶりの優勝

スズキカップ2020決勝第2戦

2022年1月3日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
タイ 2-2 インドネシア
得点者:タイ-アディサク・クライソーン(54分)、サーラット・ユーイェン (56分)、インドネシア-リッキー・カンブアヤ(7分)、エギィ・マウラナ(80分)

スズキカップ2020の決勝タイ対インドネシアの第2戦が行われ、インドネシアはタイと引き分けましたが、第1戦に4−0と勝利していたタイが通算スコアを6-2として、2016年大会以来2大会ぶりとなる通算第6回目の優勝を飾っています。

4点取らなければ優勝がないインドネシアはこの試合に攻撃的な布陣で臨みましたが、試合開始早々はタイに攻め込まれたものの、リッキー・カンブアヤが7分にゴールを決めて、通算スコアを1-4としました。次の1点がインドネシアに入れば2点差となり、勝負の行方がわからなくなりそうなところでしたが、後半に入るとタイがアディサク・クライソーン、サーラット・ユーイェンが立て続けにゴールを決めて逆に5点差に開きました。それでもインドネシアは80分にエディ・マウラナのゴールで1点を返しますが、第1戦のリードを生かして逃げ切ったタイが2大会ぶり6度目の優勝を決めています。

タイの強さはここまでの試合で分かっていたものの、この試合ではインドネシアが決勝まで進出してきた理由が分かったような気がします。新型コロナ前は競った試合になることはあっても、マレーシアが負けることはなかったインドネシアはシン・テヨン監督就任ととものメンバーも変わり、この試合で先制点を決め、MOMにも選ばれたリッキー・カンブアヤはシン監督が初めて代表に選出した選手で、2点目を決めたエディ・マウラナも代表初ゴールはシン監督のもとでプレーした今年になって初めて代表初ゴールを決めるなど、全く別のチームになっていました。6度目の決勝進出となったもの今回も悲願の初優勝には手が届きませんでしたが、インドネシアはシン監督のもとで着実に力をつけているのがわかるプレーぶりでした。

マレーシアのグループステージ敗退後には、チャナティップ選手のようにマレーシア代表の選手も国外のよりタフな環境でプレーして強さを身につけるべき、といった意見もソーシャルメディアだけでなく、現地紙など印刷メディアでも見かけましたが、そもそも海外のクラブがマレーシア人選手を求めるのか、また求められたとしておそらく今よりも低くなる給料を受け入れられるか、またでそういった挑戦をするモチベーションがそもそもあるのかどうかなどの議論が起こっていました。また、今回の結果で、これまではマレーシアでステップアップしてさらに他国のリーグを目指そうとしていた東南アジアの選手は、タイやシンガポール、さらにはインドネシアを飛び石にして、マレーシアには魅力を感じないのではないか、といった意見を掲載している現地紙もあり、いずれもマレーシアサッカーが東南アジアのトップから遅れをとっていることが明らかになった点を指摘しています。

マレーシアサッカーの2022年はタイやベトナム、さらにはインドネシアやシンガポールにどうやって追いつき、追い越すのかを模索する1年になりそうです。

(試合のハイライト映像はスズキカップ2020の公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日(月)
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム 0-0 タイ

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – タイ

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
タイ2 -2 インドネシア

1月1日のニュース:フットサルリーグ開幕が延期、協会はケランタンFC監督らに罰金処分

 新年あけましておめでとうございます。マレーシアの元旦は日本とは違い、国民の祝日の一つでしかありません。どの会社も大晦日も普通に仕事、今年は1月2日がたまたま日曜日ですが、例年なら2日からも通常業務です。そんな季節感のないマレーシアからお届けするこのブログですが、本日をもって4年目に突入します。

フットサルリーグの開幕が延期

マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで、FAMが主催するマレーシアプレミアフットサルリーグMPFL2022年シーズンの第1節を1週間延期して1月14日から16日に開催することを発表しています。FAMはその理由として試合会場となるパナソニックスポーツコンプレックスがあるスランゴール州シャーアラムを含めた複数の州や地域で洪水の被害が出ていることを挙げています。

先月12月中旬にマレー半島を襲った豪雨は、最近よく聞く「観測史上最大の降雨量」だったということで、各地で洪水が発生したスランゴール州を中心におよそ7万人に被害が出たと報じられていいます。これにより1月7日に開幕予定だったMPFLは、この豪雨により複数の参加各チームのプレシーズンの予定も影響を受けたことが報じられていることから、1週間の延期が決定したと説明されています。

FAMはケランタンFC監督らに罰金処分

マレーシアサッカー協会FAMは12月31日に開催した懲罰委員会での審査内容を発表し、ケランタンFCのレザル・ザムベリ監督とJDTのサフィク・ラヒムに対する処分を発表しています。

懲罰委員会のバルジット・シン・シドウ委員長はレザル監督に対して最大で2ヶ月間のあらゆるサッカー関連活動の停止と罰金1万リンギ(およそ28万円)を、サフィク選手には3試合の出場停止をそれぞれ命じています。

レザル監督の処分は、9月30日のマレーシアカップグループステージ、ケランタンFC対サバFCの試合中の審判の判定に関し、審判を管理するFAMを抽象するような発言をメディアに対して行ったことに対するもので、バルジット委員長は12月30日から1ヶ月のサッカー関連活動停止期間中に問題が無ければ処分は終了するものの、問題があれば1月20日からさらに1ヶ月の追加停止処分を課すと話しています。また罰金処分については不服申し立てを行うことを認めるとしています。

一方のサフィク選手はは11月26日のマレーシアカップ準決勝のJDT対トレンガヌFC戦で、トレンガヌFCのファイサル・ハリム選手にみごとな頭突きを行ったことに対する処分です。なおサフィク選手はマレーシアカップ決勝で既に1試合の出場停止となっていることから、練習試合を除くMリーグ公式戦でさらに2試合の出場停止となること、さらに同様の懲罰対象行為が行われた場合にはより重い処分となることも併せて発表されています。


マレーシアサッカー2021年の10大ニュース

 今日は大晦日。ということで2021年のマレーシアサッカー界をボラセパマレーシアJP的視点で振り返ります。国内では、昨年同様、新型コロナに翻弄されたMリーグは日程が二転、三転しましたが、それでも2年ぶりに全試合が行われたシーズンになりましたが、その一方で複数のチームで給料未払い問題が明らかになりました。また国外ではU22代表がAFCU23アジアカップ本戦出場を決めた一方で、A代表はW杯予選、東南アジア選手権スズキカップといずれも思うような結果が残せなかった一年でした。

○KLシティFCが32年ぶりにマレーシアカップ制覇

 今季の国内カレンダー最後の大会となったマレーシアカップは今回が100周年記念大会でしたが、KLシティFCが戦前の下馬評を覆してJDTを2-0で破り、前身のクアラルンプールFA時代から数えると32年振りとなる優勝を飾りました。昨季はMリーグ2部プレミアリーグで2位となり、今季1部スーパーリーグに昇格したKLシティFCは、今季、リーグ戦、カップ戦ともホームのKLフットボールスタジアムでは無敗を誇り、来季は更なる活躍が期待されます。

○新型コロナの影響で3部リーグ以下やFAカップや各年代大会が中止

 Mリーグ1部スーパーリーグと2部プレミアリーグは全日程が開催されたものの、新型コロナの感染拡大を受け、日本の天皇杯にあたるFAカップが2年連続で中止となった他、Mリーグ3部に当たるセミプロリーグのM3リーグ以下の各リーグ戦、U21チームのリーグ戦であるプレジデントカップ、U19チームのリーグ戦ユースカップ、さらにはマレーシアプレミアフットサルリーグなどが中止となりました。

○複数のクラブで給料未払い問題発覚

 給料未払い問題はMリーグでは長年問題視されていましたが、新型コロナ禍ともあいまって各クラブとも経営が厳しくなった今季は、未払い給料を理由に開幕戦先発XIの内、最終的には何と9名が退団したペラFCの主力大量退団の他、クダ・ダルル・アマンFC、サバFC、サラワク・ユナイテッドFCなどでも同様の給料未払い問題が明らかになっています。これまではマレーシアの各州サッカー協会が運営していたMリーグクラブはAFCの指導により民営化が義務付けられましたが、州政府の予算を頼りに放漫経営されていたクラブは資金調達に失敗し、それによって選手や監督、コーチがとばっちりを受ける形になっています。

○JDTが前人未到のリーグ8連覇

 Mリーグ1部スーパーリーグではジョホール州皇太子がオーナーのJDT(ジョホール・ダルル・タジム)がリーグ8連覇を達成しています。22試合で16勝3分1敗、得点50失点9はいずれもリーグ1位で、2位のクダ・ダルル・アマンFCに勝点差14をつける圧勝でした。帰化選手を集め、他のクラブからも有力選手が集まる布陣はマレーシアA代表の選手でも控えに回ることがある選手層の厚さで国内では敵なしですが、アジアの壁は越えられず、AFCチャンピオンズリーグでは今季もグループステージ突破には至りませんでした。

○元日本代表本山雅志選手がMリーグでプレー

 隣国タイではかつては岩政大樹選手や茂庭照幸選手、ここ数年ではハーフナー・マイク選手や細貝萌選手など「元日本代表」の選手たちがプレーしていた時期がありましたが、ついにマレーシアにもその時が来ました。しかもこの国にやってきたのはあの本山雅志選手です。所属するケランタン・ユナイテッドFCはMリーグ2部プレミアリーグのチームですが、それでもその注目度は非常に高いものでした。
 ケランタン・ユナイテッドFCでは、深井脩平選手、Mリーグでは先輩に当たる谷川由来選手、さらに東山晃監督(現テクニカルディレクター)らとともに今季を戦った本山選手は、自身はケガなどもあり満足なシーズンとはならなかったかも知れませんが、それでもマレーシア人選手たちに対しては圧倒的な存在感は見せたMリーグ1年目でした。

○Mリーグのチケット販売が完全デジタル化

 無観客試合で開幕したMリーグがスタジアムでの観戦を許可したのは4月初旬でしたが、その翌月には再び無観客となり、それが10月下旬まで続きました。スタジアム観戦再開後は新型コロナ対策もありMリーグのチケットはスタジアムでの当日売りがなくなり、オンラインで購入し自身でプリントアウトする完全デジタル化に移行しました。チケット購入時には身分証明書番号、外国人であればパスポート番号の入力が必要になり、スタジアムでの入場の際もチケットとパスポートの提示を求められる徹底振りでした。まぁそこはマレーシアなんで、コロナが落ち着けば元に戻ってしまうかも知れません。

○外国籍選手ゼロのPJシティFCがスーパーリーグ7位

 今季のMリーグ1部スーパーリーグで唯一、登録選手全員がマレーシア人選手のみ、つまり外国籍選手ゼロだったPJシティFCは開幕前の大方の予想に反し、12チーム中7位と大健闘しました。チームからは10月の中東遠征でGKカラムラー・アル=ハフィズが初の代表招集となった他、スズキカップ2020に出場した代表にはこのカラムラー選手とMFコギレスワラン・ラジ、FWダレン・ロック(ただしケガで辞退)の3選手が招集されるなど、マレーシア人選手だけのクラブが外国籍選手を補強した他のMリーグクラブと対等に戦えることを証明しました。

○スーパーリーグ昇格初年度でペナンFCが3位に

昨季のMリーグ2部プレミアリーグで優勝し、KLシティFCとともに今季1部に昇格したペナンFC。昨季の優勝監督でもあるマンズール・アズウィラ監督が1部スーパーリーグで監督を務めるのに必要なAFCプロ指導者ライセンスを保持していなかったことから、マンズール関東はコーチとなり、チェコ出身のトマス・トゥルカ監督が監督に就任しました。するとチームはMリーグの台風の目となり、一時はAFCカップ出場権が与えられるリーグ2位も見えましたが、最後は力尽きて3位に終わりました。それでも昇格初年度の3位は立派ですが、リーグ戦後のマレーシアカップに入るとチームは勝ち星から見放され、グループステージで敗退するとトゥルカ監督退陣を求める一部サポーターも現れるなど、少なくともリーグ戦終了時は順風満帆に見えたペナンFCですが、来季に不安を残してシーズンを終えています。

○スズキカップ2020で代表はベスト4進出を逃す

 隔年で行われる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップの2020年大会がシンガポールで集中開催され、マレーシア代表はグループステージで敗退しています。2020年に予定されていた大会が順延となったことからスズキカップ2020と銘打たれたこの大会に前回2018年大会の準優勝チームとして出場したマレーシア代表でしたが、ラオス、カンボジアに勝利したものの、前回大会の覇者ベトナム、そしてFIFAランキングではマレーシアより順位が低いインドネシアに完敗しています。
 本来は選手30名を登録できるところを24名しかしないなど不可解なことも多く、代表選手選考には「見えない手」の影響があったのではなどとも言われていますが、真相は藪の中です。いずれにしても準決勝に進んだタイ、シンガポール、ベトナム、インドネシアには明らかに見劣りするプレーにタン・チェンホー監督更迭論なども出ましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこれを否定しました。

U23代表はAFC U23アジアカップ予選を突破

 愚兄賢弟と言えば言い過ぎ。A代表が思うような結果を出せなかった2021年ですが、U23代表は10月にモンゴルで開催されたAFC U23アジアカップ予選を突破し、来年2022年6月にウズベキスタンで開催される本戦出場を決めています。前回2020年大会予選では中国と同組になるも勝点で並びながら得失差で涙を飲んだU22代表でしたが、今回はタイとの引き分けを含む3試合全てを完封して予選J組を首位で突破しています。このU22代表は2月には東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権、5月には東南アジア競技大会通称シーゲームズも控えており、サポーターの信頼を失い気味の兄の分まで頑張って欲しいです。

12月30日のニュース(2):FAM-MSNプロジェクトはハサン・サザリ新監督を発表、アセアンの選手はMリーグに興味なし?

FAM-MSNプロジェクトはハサン・サザリ新監督を発表

今季Mリーグ2部プレミアリーグに参戦し、11チーム中11位の再開となったFAM-MSNプロジェクトは、来季もプレミアリーグ参戦が決まっていますが、今季を指揮を取ったユスリ・チェ・ラー監督は任期1年を残して既に退任していますが、その後任にハサン・サザリ氏が就任したことがマレーシアサッカー協会FAMの公式サイトで発表されています。

FAM-MSNプロジェクトは、マレーシアサッカー協会FAMと青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会MSNが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPとその中核をなすエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDに所属するする18歳から19歳の選手で構成されているチームで、今季初参戦となったプレミアリーグでは20試合で1勝3分16敗、得点12失点56という成績で10位とは勝点差11をつけられて最下位でした。

就任が発表されたハサン・サザリ新監督は、2010年代前半にハリマウ・ムダC(ヤングタイガーズC)と呼ばれていたU19代表監督の経験に加え、A代表やU23代表のアシスタントコーチやFAM内でコーチングコースの指導教官なども歴任しています。11名の候補者の中から選ばれたハサン新監督は今季から残留するコーチ陣とともに2022年1月1日より指導を開始するということです。

アセアンの選手はMリーグに興味なし?

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表はグループステージで敗退しましたが、マレーシアの英字紙ニューストレイトタイムズはこの結果によって、マレーシアの国内リーグMリーグでプレーするアセアン出身選手が激減する可能性を指摘しています。

サッカー選手の代理人に話を聞いているこの記事では、今回のスズキカップ2020での代表チームの早期敗退により、Mリーグの「質」に疑問が持たれ、その結果としてMリーグクラブがアセアン出身の選手を獲得することが難しくなるという声が紹介されています。さらにその結果としてアセアンのトップレベルの選手はタイリーグに活躍の場を求めるようになると指摘しています。

Mリーグクラブに所属しているアセアン出身選手にはKLシティFCのケヴィン・メンドーザ(フィリピン)、スランゴールFCのサフアン・バハルディン(シンガポール)、サバFCのサディル・ラムダニ(インドネシア)らがいますが、今後はMリーグが各クラブに認めているアセアン出身選手枠を使って有力選手を獲得することは難しくなるだろうと話す代理人もいます。またMリーグでプレーするくらいならむしろタイの2部リーグでのプレーを選ぶ選手や、レベルの高さからベトナムリーグを検討する選手も増えていると話すこの代理人は、今後はMリーグはスズキカップで露呈したマレーシア代表のレベルの低さから、Mリーグがアセアン出身の選手にとって「最後の選択肢」となるだろうと述べています。

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東南アジアのEPL(英国プレミアリーグ)となるべく進化し続けるタイリーグに比べれば、現在のMリーグが見劣りするのは紛れもない事実です。古くはキャティサック・セーナームアン(タイ)、バンバン・パムンカス(インドネシア)などアセアン各国の主力が集まっていたMリーグも今は昔。噂レベルですが、スズキカップ2020にも出場してたイエスペル・ニホルム(フィリピン)をMリーグクラブも獲得に動いていたようですが、結局タイリーグ入りしたようですし、タイリーグでプレーする選手たちもそこから日本や韓国、さらには欧州を目指す選手もいる中、Mリーグで満足する選手で溢れるマレーシア国内リーグはキャリアップの役には立たなそうです。

12月30日のニュース(1):スズキカップ2020-決勝第1戦はタイが圧勝

スズキカップ2020決勝第1戦

2021年12月29日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
インドネシア 0-4 タイ
得点者:タイ-チャナティップ・ソングラシン2(2分、52分)、スパチョク・サラチャット(67分)、ボディン・ファラ(83分)

スズキカップ2020の決勝インドネシア対タイの第1戦が行われ、タイがチャナティップ・ソンクラシンの2ゴールなどで4-0と大勝し、2022年1月1日の決勝第2戦に大きなアドバンテージを得て、2016年大会以来の優勝へ大きく前進しました。

試合開始からフィリップ・ローラー、トリスタン・ドーの両SBが高い位置でプレスをかけるタイは、開始2分でそのローラーがインドネシアDFに囲まれながらも、マイナスのパスをフリーのチャナティップ・ソングラシンへ。これをチャナティップがゴール右上に決めてタイが先制します。

37分にエリアス・ドラーが負傷退場すると、フォーメーションを変えたタイに対してインドネシアもチャンスを作るようになり、40分にはアルフェアンドラ・デワンガがタイGKシワラック・テースーンヌーンと1対1の決定機を得ますが、放ったシュートはゴールポストの遥か上に外れます。一方タイも前半ロスタイムにはボディン・ファラとやはり1対1になったインドネシアGKナデオ・アルガウィナタがパンチングでシュートを防ぎ、前半はタイが1点をリードして終了しました。

インドネシアのシン・テヨン監督は後半開始から長身のエルカン・バゴットに加えてエヴァン・ディマスとカデック・アグンを早々と投入し、セットプレーに正気を見出そうとしますが、逆に52分にはカウンターから前掛かり気味になっていたインドネシアDF陣をかわしてスパチョク・サラチャットがゴール前に持ち込むと、そこから走り込んできたチャナティップ選手へパス。これを決めたチャナティップ選手がこの試合2点目を挙げて、タイが2-0とリードを広げます。

インドネシアは61分にはイルファン・ジャヤがGKと1対1になりますが、ここでもタイGKシワラック・テースーンヌーンがシュートをブロックし、インドネシアはゴールを奪えません。

67分には再び右サイドのフィリップ・ローラーがクロス。これをポックラウ・アナンがスルーし、ペナルティエリアの外からスパチョク・サラチャットゴール左隅に決め、これでタイが3-0、さらに83分にはインドネシアのクリアミスを奪ったボディン・ファラのシュートが決まり、タイが4-0として勝負あり。最後は第3GKのカウィン・タンマサッチャーナンを投入する余裕まで見せたタイが、シュート数19、内オンターゲット9、一方のインドネシアはシュート数4、オンターゲット1と、最後はインドネシアをスコア以上に圧倒しました。決勝戦は2試合制で行われますが、第2戦の意味すら無くなりそうなタイの圧勝でした。

(映像はスズキカップ2020公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日(月)
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム 0-0 タイ

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – タイ

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
タイ – インドネシア(20時30分@シンガポール国立競技場)