3月10日のニュース:スランゴール監督が人種差別的な発言を非難

スランゴール監督が人種差別的な発言を非難
 試合後の記者会見と言えば、試合を振り返ってのコメントが一般的ですが、3月7日(土)のペラTBGとの対戦後、スランゴールFCのサティアナタン・バスカラン監督は、記者会見に集まってメディアに対し、クラブの選手を対象とした人種差別的な発言がソーシャルメディア上で繰り返されていることを公表した上で、その行為を非難しています。
 英字紙スター、ニューストレイトタイムズなど複数のメディアが伝えるところによると、サティアナタン監督は、スランゴールFCのインド系マレーシア人のカナダサン・プラバカランがソーシャルメディア上でkeling(「クリン」インド系マレーシア人に対する蔑称)と呼ばれていることを公表しています。
 サティアナタン監督は、プラバカラン選手がプレーしたポジションにはカイリル・ムヒミーンやワン・ザック・ハイカルなど実績のある選手がいながら、プラバカラン選手が起用されたことから、「プラバ(プラバカラン選手の愛称)は(インド系マレーシア人である)私と肌の色が同じだから出場機会を得ていると言う中傷がある」とも話しています。
 この他にも「選手が聞いても喜ばないような軽蔑的な言葉を使う者は果たして本当にサポーターなのか。」「自分はマレー系マレーシア人が多く住む村で育ったが、そのような軽蔑的な言葉が使われるのを聞いたことがなかった。」「近頃、我々(非マレー系マレーシア人)を侮辱するような言葉を聞くたびに、そういった発言をする輩は本当に学校へ行ったのかどうか、と思う。」と話し、人種差別発言者を激しく糾弾しています。
 また、かつてのスランゴールFCの黄金期には、様々な人種がチームにおり、選手たちは一致団結して戦っていたことをサポーターは忘れてしまったのかと問うています。
 スランゴールFCは、昨季も人種差別発言を理由にアントニオ・ジャーマン(現PDRM FC)がわずか3試合でプレーした後に退団しています。
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 これに対して、スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は「どのような対策をとることが最善なのかを決めかねている」と話し、マレーシアフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEO、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガムCEOはともに自分たちのところには何も情報が上がってきていないとした上で、処分を下すには人種差別発言の証拠が必要であるとし、MFLは行っている人種差別撤廃キャンペーンがそういった問題を少なくしていくだろうといずれも呑気なことを言っており、現場が即時対応した先週のブンデスリーガとは意識の差があるのでしょう。
 サティアナタン監督はインド系マレーシア人で、民族構成の割合で見るとインド系は国内人口のおよそ7%にあたり、人口のおよそ22%を占める中華系とともにいわゆる少数民族です。これに対し約70%のブミプトラ(マレー系やサバ州やサラワク州の先住民族)がおり、マレーシアの人口箱の主要3民族で構成されています。
 多民族国家のマレーシアでは、人種差別は良くあるとは言わないまでも、そういった話題を耳にすることは少なくありません。その一つの理由として、特に近年は異民族間での寛容さが薄れてきたことがあるのではないかと思います。ここで言う「寛容さ」とは、何でも広く受け入れると言う意味ではなく、意見や考えなどが自分と異なる他者を否定しないと言う意味です。
 昔は良かった、と年寄りの戯言のように聞こえてしまうかも知れませんが、私が初めてマレーシアへやってきた30年ほど前には、まだこの「寛容さ」があちらこちらで感じられました。
 しかしその後、選挙に勝つために政治家が民族カードを切るようになり、個人の信仰だった宗教(イスラム教)が社会のルールになるにつれ、「マレーシアは(イスラム教徒である)マレー人の国である」という主張ばかりが聞こえるようになりました。当然ながら非マレー系はこれに反発しますが、そうすると「マレーシアに不満があるなら自国へ帰れ」と、既に何世代にも渡ってマレーシアに住んでいる非マレー系に向かって暴言を吐くマレー系の政治家すら出てくるようになりました。しかし非マレー系だけでなく良識あるマレー系もがその流れにNOを突きつけたのが、前回2018年の総選挙における、英国からの独立以来となる与党の大敗でした。しかし残念ながらそれは長続きせず、マレー系の大政翼賛会的な政府が選挙も経ずに先月、成立しました。
 話が逸れてしまいましたが、他者に対して人種差別をしたことがあっても、自分がされたことがないマレー系マレーシア人は、これがまさに寛容さに欠ける行為だと理解できていないのでしょう。相手を否定することでどうなるかと言うところまで考えが及ばない想像力の欠如です。記事の中でサティアナタン監督が「学校に行ったことないのでは」と述べているのも、知性が感じられない行為を指しての発言と私は読み取りました。

MFL1部スーパーリーグ 2020年シーズン第2節結果

マレーシアフットボールリーグMFLは、3月6日(金)と3月7日(土)の両日に、1部スーパーリーグMPLの第2節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

3月6日(金)
UITMスタジアム(スランゴール州)
PJシティFC 3-2 パハンFA
得点者:PJ-デンバ・カマラ(12分)、バラトクマール・ラマルー(60分)、コギレスワラン・ラジ(90+6分)、パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ(16分PK)、イヴァン・カルロス(52分)
 PJシティFCが昨季までパハンFAでプレーしたコギレスワラン選手の決勝ゴールで今季初勝利。昨季MFL1部2位のパハンFAは開幕2連敗です。
 この試合の観戦記はこちらです。

ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州)
マラッカ・ユナイテッド 3-1 PDRM FC
得点者:マラッカ-ウチェ・アグバ(18分)、サフィク・ラヒム(71分)、ワン・アミルル・アフィク(90+2分)、PDRM FC-アントニオ・ジャーマン(81分)
 マラッカが開幕2連勝。開幕からケガ人続出でベンチ入り17名で臨んだPDRM FCはまだ今季勝利がありません。

3月7日(土)
リカススタジアム(サバ州)
サバFA 3-1 フェルダ・ユナイテッド
得点者:サバ-ロドリュブ・パウノヴィッチ(12分)、パク・テス(39分)、マクシアス・ムサ(78分)、フェルダ-カイルル・アムリ(74分)
 サバFAは昇格後初勝利を挙げています。フェルダ・ユナイテッドは開幕から勝星がありません。
 フェルダ・ユナイテッドの恵龍太郎選手は先発しフル出場しています。

スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州)
ジョホール・ダルル・タジムJDT 2-1 UITM FC
得点者:JDT-ジオゴ(9分)、ナズミ・ファイズ(69分)、UITM-ヴィクトル・ニレノルド(20分)
 JDTは開幕2連勝、一方のUTIM FCは開幕2連敗です。

ブキジャリル国立競技場(クアラルンプール)
スランゴールFC 1-1 ペラTBG
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン(31分)、ペラ-シャレル・フィクリ(10分)
 今節最も注目のカードは引き分けでした。

ダルル・アマンスタジアム(クダ州)
クダFA 4-1 トレンガヌFC
得点者:クダ-レナン・アウヴェス(19分)、クパ・シャーマン(22分)、チェチェ・キプレ(61分)、トレンガヌ-ドミニク・シルヴァ4(3分、64分、82分、84分)
 トレンガヌFCのドミニク・シルヴァが4ゴールの活躍で今季初勝利に貢献しています。一方、JDTの対抗馬の1つと目されるクダFAは開幕2連敗です

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1マラッカ22005236
2JDT22003126
3ペラ21104224
4サバ21103124
5PJシティ21104314
6スランゴール21103214
7トレンガヌFC21015413
8フェルダU201124-21
9クダ200235-20
10パハン200235-20
11UITM200214-30
12PDRM 201113-2-2

ゴールランキング

ゴール数選手名所属試合数
4ドミニク・シルヴァトレンガヌFC2
2ギリェルメ・デ・パウラペラTBG2
2イヴァン・カルロスパハンFA2
2イフェダヨ・オルセグンスランゴールFC2
1マウリシオJDT2
1他26名

MFL2部プレミアリーグ 2020年シーズン第2節結果

マレーシアフットボールリーグMFLは、3月6日(金)と3月7日(土)の両日に、2部プレミアリーグMPLの第2節の6試合が行われました。以下結果です。
(ホームチームが左側です。)

3月6日(金)
スルタン・ ムハマド4世スタジアム(ケランタン州)
ケランタン・ユナイテッド 2-1 クチンFA
得点者:ケランタン-ガッサマ・アルフサイネイ(22分)、ラジマン・ラザリ(55分OG)、クチン-ラジマン・ラザリ(20分)
 MFL2部昇格クラブ同士の対戦となったこの試合は、昨季MFL3部優勝のケランタン・ユナイテッドが準優勝のクチンFAを破っています。
 クチンFAの鈴木雄太選手、谷川由来選手はいずれもスタメンでフル出場しています。

スルタン・ イスマイル・ナシルディン・シャースタジアム(トレンガヌ州)
トレンガヌFC II 2-0 ペラ II
得点者:トレンガヌ-鈴木ブルーノ(25分)、ズアシャラフ・ズルキフレ(86分)
 トレンガヌFC IIは2戦連続の完封勝利、一方のペラIIは2戦連続完封負けです。
 鈴木ブルーノ選手はスタメンでフル出場しています。

なお、MPSスタジアム(スランゴール州)で行われたUKM FC対ケランタンFAの試合は開始6分で雷雨のため試合中止となり、後日発表される日程まで延期となっています。

3月7日(土)
KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
クアラルンプールFA 3-1 ヌグリスンビランFA
得点者:クアラルンプール-フランシス・コネ2(47分、90+2分)、インドラ・プトラ(54分)、ヌグリスンビラン-イゴール・ルイス(67分)
 後半になって動いた試合は、クアラルンプールFAが今季ホーム初勝利を飾りました。一方のヌグリスンビランFAは開幕から2連敗です。
 ヌグリスンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。
 なおこの試合の観戦記はこちらです。

サラワク州立スタジアム(サラワク州)
サラワク・ユナイテッド 4-1 JDT II
得点者:アリフ・ハサン(26分)、パトリック・ロナウジーニョ2(36分、78分)、デメルソン(45+4分)、JDT-チェ・ラシド(73分)
 サラワク・ユナイテッドは今季初勝利、JDTは今季初黒星です。
 JDT IIの廣瀬慧選手はベンチ入りしませんでした.

シティスタジアム(ペナン州)
ペナンFA 4-1 スランゴール2
得点者:ペナン-カサグランデ3(54分、63分、67分)、エンドリック(35分)、スランゴール-バジラム・ネビヒ(89分)
 ペナンFAがカサグランデのハットトリックを含む4ゴールの大勝で首位に躍り出ました.スランゴール2は2連敗です。

MPL順位表(第2節終了時)

順位クラブ試合得点失点得失差勝点
1ペナン22008356
2トレンガヌFCII22003036
3ケランタンU22003126
4クアラルンプール21104224
5サラワクU21016513
6UKM FC11002113
7JDT II210145-13
8ケランタン10101101
9クチン FA200224-20
10ペラII200203-3
11ヌグリスンビラン200226-40
12スランゴール2200215-40

ゴールランキング(第2節終了時)

ゴール数選手名所属試合数
5カサグランデペナン2
3フランシス・コネクアラルンプール2
3パトリック・ロナウジーニョサラワクU2
2フェルナンド・ロドリゲスJDT II2
2エンドリックペナン2

観戦記:3月7日MFL2部プレミアリーグ第2節 クアラルンプールFA対ヌグリスンビランFA@クアラルンプールフットボールスタジアム、クアラルンプール

同じ時間に行われていたブキジャリル国立競技場でのスランゴールFC対ペラTBGにも惹かれたのですが、地元クラブのホーム初戦であること、そしてヌグリスンビランFAの中武駿介選手のプレーを見たいこともあり、こちらを選びました。

試合会場はクアラルンプールフットボールスタジアム。このブログのタイトルにも使っていますが、Bola Sepak(ボラ・セパ)はマレーシア語でサッカーのことです。(ちなみにインドネシア語だとSepak Bolaと逆になります。)

入り口横にはアウェイゲームとなるヌグリスンビランFAのロゴが大きく入った遠征移動用バスも止まっていました.

このスタジアムの楽しみの一つは、その前にあるフードトラックパーク。ハンバーガーからマレー料理までサマ座なトラックが出店しています。ここで購入した飲食物はスタジアム内へ持ち込み可能なので、私はいつもここで食料を調達します。

この日は下のトラックで、ラム肉のロティ・ジョン(グリルサンドイッチ)とチョコ入りアボカドドリンクを購入しました.

ロティ・ジョン(写真右)はチーズを追加したので11リンギ(およそ280円)、アボカドドリンクは7リンギ(およそ180円)でした.

続いてチケット購入。このスタジアムはメインスタンド側にもオープンスタンド席があるので、そちらを購入。値段は10リンギで、サンドイッチより安かったです。

オープンスタンド席からの眺めはこんな感じです。

試合開始はガラガラだったスタンドもこの後は、サポーターでそれなりに埋まっていました。

選手が入場してきました.赤がクアラルンプールFA、黄色がヌグリスンビランFAです。

国歌演奏などが終わり、両チームがフィールドへ。

クアラルンプールのウルトラスの皆さんも準備完了。

背番号7中武選手のフリーキックはキーパーがキャッチ。

ゴール近くで得たフリーキックもゴールには至らず。

前半は0-0で終了しました.

ハーフタイムの間にヌグリスンビラン側へ移動しました.

後半開始とともに、クアラルンプールFAはニコラス・ドゥルを投入しましたが、これが効果的な交代となり、後半はKLが攻勢に転じました.
 47分にはフランシス・コネがゴールを決め1-0。

 さらに54分には38歳のインドラ・プトラがゴールを決め、クアラルンプールFAが2ー0とリードを広げます。

 しかしヌグリスンビランも中武選手とのパス交換から抜け出したイゴール・ルイスがゴールを決め、2-1とクアラルンプールに迫りました.

 しかし逆にクアラルンプールFAがコネ選手のこの日2点目となるゴールを決めて万事休す。

 試合終了後にサポーターのところへ向かうクアラルンプールFAの選手たち。

 こちらはヌグリスンビランの選手たちとサポーター。

 素人目で見ても、ヌグリスンビランFAは連携が悪く、ストレスの溜まる試合でした.ただし試合後にお話しする機会をいただいた中武駿介選手からは、チームの状況は良くなっているという話も出ましたので、ここからヌグリスンビランFAの奮起に期待したいところです。

観戦記:3月6日MFL1部スーパーリーグ第2節 パハンFA対PJシティFC@UITMスタジアム、スランゴール州シャーアラム

 PJシティFCの本拠地MBPJスタジアムが改修工事中のため、MFLにより試合開催不可となったことから、今節のPJシティFCのホームゲームはMBPJスタジアムと同じスランゴール州内のUITMスタジアムで開催。私自身は3試合連続のUITMスタジアムでの観戦となりました。

 駐車場からスタジアムへの道すがらパハンFAのユニフォームを売る屋台が出ていました。左の写真は今季のユニフォームを、右の写真は懐かしい昔のユニフォームを売る店。タバコメーカーがスポーツイベントのスポンサーになることができた古き良き時代には、ダンヒルがリーグ全体のスポンサーになっており、各クラブのユニフォームには「ダンヒル」の文字が付けられていました。

 試合開始の30分ほど前に到着しましたが、なんとチケットブースには長蛇の列。雨が心配だったので屋根のあるメインスタンで観戦をするつもりでしたが、まさかのメインスタンド席は満席売り切れで、今回もオープンスタンド観戦になりました。しかしオープンスタンドのチケットブース前にも長蛇の列が。

 それでもなんとか無事購入できました。今回もバックスタンド席は15リンギ(およそ380円)でした。

 観客の入りはこんな感じです。

 今回はパハンFAサイドに座りました。こちらはパハンサポーターのチャントです。(1分ほど続きます。)

 試合は11分にデンバ・カマラのゴールでPJシティFCが先制しました。

 しかしパハンFAはペナルティエリア内でファイザル・ハリムが倒されて得たPKをディクソン・ヌワカエメが決めて同点に追いつきます。

 前半は1-1のまま終了しました。

 後半に入ると、PJシティFCがゴール前でPKを得るも、パハンFAのGKシャルビニー・アラウィー が好セーブで得点を許しません。

 一方、PJシティFCのGKシハン・ハズミも負けていません。

 その後は52分にパハンFAのイヴァン・カルロスが、60分にはPJシティFCのバラトクマール・ラマルーがそれぞれゴールを決めて、2-2となりました。その後は両チーム共に決め手を欠いたまま試合が進み、掲示板の時計も90分を示し、このまま試合終了かと思われれたその時でした…。

 パハンFAの最終ラインを守るカリル・カミスがPJシティFCのワシントン・ブランダオをペナルティエリアの外で倒してしまい、PJシティFCが再びPKを得ました。このPKを皮肉にも昨季までパハンFAに在籍していたコギレスワラン・ラジがゴールし、土壇場でPJシティFCが今季初勝利を手にしています。

観戦記:3月1日MFL2部プレミアリーグ第1節 スランゴール2対トレンガヌFC II@UITMスタジアム、シャーアラム

今更ですが、3月1日の観戦記です。前日2月29日のMFL1部スーパーリーグ、UITM FC対マラッカ・ユナイテッド戦に続き、2日連続のUITMスタジアム観戦でした。
 私はスランゴールFCのファンクラブに入っていてそのメンバーシップカードがあるとMFLのチケットが割引となるのですが、この日、聞いてみたところでは、割引があるのはMFL1部のスランゴールFCの試合だけで、Bチームのスランゴール2の試合には適用されないということでした。ちなみにこのメンバーシップカードがあると、ドミノピザが半額になったり、コールドストーンクリーマリーのアイスクリームが1スクープ無料になったりする一方で、肝心の試合で割引はないかぁ。
 ということで、普通にチケットを購入しました。オープンスタンドのチケット価格は前日のUITM FC対マラッカ・ユナイテッドの試合と同じ15リンギ(およそ380円)でした。

グッズを売る屋台も1店出ていましたが、2部の試合ということからかちょっと寂しい品揃えでした。

スタンドに入っても、オープンスタンドは観客がまばらでした…。

ちなみにこちらは前日のUITM FC対マラッカ・ユナイテッドの試合での同じスタンドです。

両チームが入場し、トレンガヌ州歌、スランゴール州歌、マレーシア国歌の斉唱が行われました。

いよいよ試合開始です。

トレンガヌFC IIの鈴木ブルーノ選手のフリーキックはGKの正面でした。

前半は両チーム無得点で終了。

後半も一進一退が続き、このまま引き分けで終了かという79分にトレンガヌFC IIが先制しました。

結局この1点をトレンガヌFC IIが守り切って、開幕戦初勝利を挙げています。

この試合の見所は両チームのキャプテン、スランゴール2のDFシャルル・ナジームとトレンガヌFC IIのFW鈴木ブルーノ選手の攻防でした。
(写真はスランゴールFCのツイッターより)

素人目では、このアフロヘアーのシャルル選手と最終ラインでコンビを組むハリス・ハイカルの2人はAチームでプレーするの見てみたいという印象を持ちました。エリート選手養成アカデミーのモクタル・ダハリアカデミーの第1期卒業生を大量に獲得したスランゴール2ですが、その中でもハリス選手は別格な感じでした。

3月6日のニュース:WCアジア二次予選は延期決定、MFLは延期の予定なし!、PJシティFCのホームゲームはUITMスタジアムに変更

WCアジア二次予選は延期決定
 アジアサッカー連盟AFCの公式サイトでは、今月3月から再開予定だったFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼2023年AFC選手権アジアカップ予選の延期を発表しています。
 FIFAとの協議の結果「全ての人々の幸福と健康が最優先である」として延期を決定したということで、新たな日程については後日発表されるようです。
 なおFIFAは世界保健機関WHOと連携して、今後も新型コロナウィルスに関する状況を今後も監視していくとしています。

MFLは延期の予定なし!
 AFCがWC予選を延期するその一方、マレーシアフットボールリーグMFLは公式サイトで、今季のMFLは予定通り行い、延期の予定はないことを発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEO名で出された発表では、保健省が新型コロナウィルス禍拡大について保険省(日本の厚生省にあたる官庁)で何か動きがあれば、MFLは取締役会議を開催して各クラブと協議を行う可能性は否定しないものの、多くの出資者が関わっているためリーグ延期の決断は簡単ではないとし、問題が発生しないようにしながらもリーグは通常通り開催したいとしています。
 アブドル・ガニCEOは、既にMFL所属の各クラブに対して、予防措置として試合当日には消毒液の用意や入場の際の体温検査、またサポーターへのマスク着用の奨励などを行うことも求める指示を出したと話す一方で、MFLは選手、スタッフ、サポーターの安全を常に最優先するとし、保健省からの指示があれば無観客試合や他の必要な手順を踏んでいくとしています。

PJシティFCのホームゲームはUITMスタジアムに変更
 いずれもスランゴール州に本拠地を持つスランゴールFCとPJシティFCは、出部も本拠地の仕様に問題がありとしてMFLから公式戦開催許可が下りていません。
 本日3月6日と明日7日にはそれぞれホームゲームが予定され、当初は両クラブともブキジャリル国立競技場で試合を開催するとしていましたが、MFL公式サイトでは、スランゴールFCは予定通りブキジャリル国立競技場を使用するものの、PJシティFCはUITM FCのホームであるスランゴール州シャーアラムにあるUITMスタジアムを使用すると発表されています。
 MFL1部スーパーリーグ第2節となる明日のパハンFA戦について、PJシティFCのスバハン・カマル会長は当初はスランゴール州外での開催を検討したものの移動などの問題から、ブキジャリル国立競技場での開催へと動いたものの、最終的にはUITMスタジアムに落ち着いたと英字紙スター電子版に語っています。
 本拠地であるMBPJスタジアムの改修工事は悪天候などにより遅れが出ているものの、次のホームゲームまでには全ての工事が完了する予定であるとしています。

3月5日のニュース:JDT3題-ACL勝利でクラブランキングがアセアン3位に上昇、MFL開幕戦とACLの2試合で2000万円ゲット、サファウィ・ラシドの不振でオーナーと彼女が舌戦

JDT3題-1. ACL勝利でクラブランキングがアセアン3位に上昇
 ジョホール・ダルル・タジムJDTは先日のAFCチャンピオンズリーグACLで韓国の水原三星を相手に2-1と勝利を挙げましたが、最新のAFCランキングを伝えるフッティランキングのサイトによると、この勝利によってJDTのAFCクラブランキング35位へ上昇しています。
 このAFC全体での35位というランキングは、ASEAN東南アジア域内のクラブに限って言えば、フィリピンのセレス・ネグロスFC(23位)、タイのブリーラム・湯鳴いてッッド(25位)に続く3番目の高ランキングです。
 またマレーシアフットボールリーグMFL所属でランキング150位以内のクラブとしては、今季のACLプレーオフでFCソウルに敗れて本選出場を逃したクダFAが122位、2017年のAFCカップ本選出場経験があるフェルダ・ユナイテッドFCが126位、昨年2019年のACLプレーオフで蔚山現代FCに敗れたペラTBGが133位となっています。
 また国別ランキング(カントリーランキング)では、マレーシアは1ランク上昇してAFC19位となり、18位のシンガポールとは0.435ポイントまで迫っています。
  なお、詳しいAFCクラブランキングフッティランキングのサイトからどうぞ。
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 過去4年間の各国のクラブのACLとAFCカップの成績、そしてフル代表の成績をもとに算出されるAFCクラブコンペティションランキングは、ACLやAFCカップへの出場クラブ枠決定に関わるランキングです。JDTはACLグループステージでさらにポイント(勝利が3ポイント、引き分け1ポイント)を稼げる可能性があるので、あとはフル代表がFIFAワールドカップ2022大会アジア二次予選でアラブ首長国連邦はもちろん、同じASEANのタイ、ベトナム相手に好成績を収めることができれば、さらなるランク上昇も期待できます。

JDT3題-2. MFL開幕戦とACLの2試合で2000万円ゲット
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、いずれもスルタン・イブラヒムスタジアムで開催されたMFL開幕戦クダFA戦とACL水原三星戦の2試合で、入場者数はおよそ60000人、また収入はおよそ80万リンギ(およそ2060万円)であったと報じています。
 2月28日(金)のクダFAとの試合には3万4252人、3月3日(火)の水原三星との試合には2万5524人と2試合で合計5万9776人が観戦に訪れていますが、チケット代を10リンギ(およそ258円)と見積もると、5万9776人×10リンギ=59万7760リンギ(およそ1540万円)の入場料収入となります。
 またACLでの勝利によりパフォーマンスボーナスとして5万米ドル(20万9000リンギ、およそ537万円)も獲得したため、合計が80万6760リンギという計算です。

JDT3題-3. サファウィ・ラシドの不振でオーナーと彼女が舌戦
 クダFA戦、ACL水原三星戦と新本拠地スルタン・イブラヒムスタジアムで2連勝と好調のJDTですが、その中で1人だけ調子が上がらないのが2年連続でリーグMVPに輝いているサファウィ・ラシドです。
 JDTのオーナーでTMJことジョホール州皇太子のトゥンク・イブラヒム殿下は、自身のソーシャルメディアでサファウィ選手の不振の原因がガールフレンドにあり、結婚を急かせようとプレッシャーをかけているからだとガールフレンドを糾弾、ガールフレンドもソーシャルメディア上で反論する事態になっていると、サッカー専門サイトがセムアニャボラが伝えています。
 トゥンク・イブラヒム殿下は自身のインスタグラムで、サファウィ選手のガールフレンドは、人気があり金持ちのボーイフレンドを失わないよう連日に渡って結婚するようプレッシャーかけ続けていると非難し、サファウィ選手を利用しないよう警告しています。また心ここにあらずでプレーしているサファウィ選手に対しては、この状態が続けばクラブを去ることも覚悟するよう述べています。
 これに対してサファウィ選手のガールフレンドで女優のシファ・メルヴィンさんは、この「個人攻撃」に対して、自分で使う金は自分で稼いでいるとした上で、結婚を強要したことも金銭を要求したこともなく、サファウィ選手の不振の責任は自分ではないとソーシャルメディア上で反論しました、その後はその投稿は削除されています。
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 この国では王族に面と向かって反論すれば不敬罪に問われかねず、トゥンク・イスマイル殿下への直接的な批判はないもの、「経営者が社員の私生活に口を出すべきでない。」といったものから、「プロなのだから成績が悪いことを他人のせいにするな。」など様々な意見がネット上を飛び交っており、サファウィ選手がフィールド上で活躍しない限り、まだまだ尾を引きそうです。

3月4日のニュース:またマウリシオが決めた!-JDTが今季ACL初勝利、前トレンガヌFCの選手が給料未払いを告発、タイ3部リーグの元U19代表は先発出場

JDTが今季ACL初勝利
 AFCチャンピオンズリーグACLのジョホール・ダルル・タジムJDT対水原三星の試合がJDTのホームであるスルタン・イブラヒムスタジアムで昨日3月3日に行われ、JDTが水原三星を2-1と破り、ACLの今季初勝利、通算2勝目を挙げました。
 この結果、JDTは通算成績を1勝1敗の勝点3としてグループGの2位に浮上し、昨季の韓国FAカップチャンピオンとしてACLに出場している水原三星は、ヴィッセル神戸にも敗れており通算成績を0勝2敗としています。
 試合は13分にナズミ・ファイズからのスルーパスを受けたジオゴがペナルティーエリア付近の際どいところで水原三星DFに倒されました。主審のアリレザ・ファガニー(イラン)はこのプレーにPKを与え、このPKをゴンザロ・カブレラが決めてJDTが先制、前半はこのままJDTが1ー0のリードで終了しました。
 一方、水原三星は後半開始とともに出場したテリー・アントニスがJDTのペナルティーエリア手前でフリーとなった51分、GKファリザル・マーリアスのポジショニングを見計ったようにシュートを決め同点に追いつきました。
 その後は目まぐるしく攻守が入れ替わる中、追いつかれたJDTは73分に水原三星DF陣の不十分なクリアを奪ったナズミ・ファイズがゴール前にクロスボールを上げ、これをマウリシオが決めてJDTが再びリードを奪いました。
 水原三星の猛攻をしのいだJDTは逃げ切ってACL今季勝利を挙げ、マウリシオはMFL開幕戦となったクダFA戦に続く2試合連続の決勝ゴールを決め、勝利の立役者になっています。なおこの試合のAFCのマッチリポートはこちらです。
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 新本拠地のスルタン・イブラヒムスタジアムでACL初勝利を挙げたJDTですが、この日はレアンドロ・ヴァレスケス、マシュー・デイヴィーズ、ハリス・ハルン、アイディル・ザフアンといった主力がベンチ入りすらしませんでした。(ただし、レアンドロ選手は外国籍選手の登録制限、デイヴィーズ選手はJDT加入がACL選手登録締め切り後だったためです。)
 しかし代わって先発出場したナズミ・ファイズやアフィック・ファザイル、ファドリ・シャスそして、ケガから復帰のナチョ・インサ、そして途中出場のシャマー・クティ・アッバらが十分に仕事をしたことから、今後のACLやMFLでの選手起用においてJDTのモラ監督は嬉しい悲鳴をあげることになりそうです。特にこの試合で2つのアシストを決めてナズミ・ファイズは、このまま使い続けられれば、JDTはおろか、中盤に人材が不足している代表のレギュラーも狙えそうです。
 一方の水原三星は一部報道では韓国からマレーシアまで移動するの18時間もかかたいうことですので、この試合の結果は国内リーグ延期による実戦不足に加えて移動の疲労などの影響があるかもしれません。

前トレンガヌFCの選手が給料未払いを告発
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、昨季はトレンガヌFCに所属し、今季はサバFAでプレーするワン・アズライ・ワン・テーが昨季の給料未払いについてトレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会PBSNTと何の合意にも至らないまま、給料が支払われていない状況が続いていると報じています。
 GKのワン・アズライ選手は、この状況が続けば、マレーシアプロサッカー選手協会PFAMに報告せざるを得ないとして、PBSNTに早急の対応を求めています。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOはトレンガヌFCからはこれまで2名の選手が給料未払いをPFAMに報告しており、いずれの選手も未払いとなっていた給料の一部は受け取っており、残りも今月末までに受け取ることになっていると話しています。
 トレンガヌFCについては、明るみに出ていないものの給料未払い問題が存在するという噂はこれまでもありましたが、ワン・アズライ選手の告発によって、単なる噂ではなかったことになります。
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 マレーシアサッカー協会FAMとマレーシアフットボールリーグMFLは、今季開幕前に各クラブに給料未払い問題の解決を求めており、期限までに解決できなければ勝点剥奪(はくだつ)処分を科すと明言しています。実際にPDRM FCは既に勝点3を剥奪されており、FAMとMFLの調査次第でもトレンガヌFCにも同様の処分が科せられる可能性があります。

タイ3部リーグの元U19代表は先発して勝利に貢献
 3月1日に行われたタイ3部リーグ第2節では、アーントーンFCに所属する元マレーシアU19代表のザフアン・アゼマンが第1節に続いて先発出場しています。
 ザフアン選手は前節同様、前半終了と同時に交代していますが、前節にチャチューンサオFCに0-4と完敗だったアーントーンFCは、ホームのアーントーン県スタジアムで開催されたワットボットシティFC戦に3-0と快勝し、今季初勝利を挙げています。

3月3日のニュース:MFL第1節の入場者は10万2712人、スランゴールFCとPJシティはホーム開幕戦をブキジャリル国立競技場で開催、JDTは今晩ACLホーム開幕戦

MFL第1節の入場者は10万2712人
 2月28日のジョホール・ダルル・タジムJDT対クダFAで開幕したマレーシアフットボールリーグMFLの第1節の入場者数が10万2712人だったと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 MFL1部スーパーリーグの平均入場者数は1万3680人、2部プレミアリーグは3438人ということですが、その一方で第1節では入場者数が1000人を割った試合がスーパーリーグで2試合とプレミアリーグで1試合あったとも報じています。
 スーパーリーグの2試合とはクアラルンプールのクアラルンプールフットボールスタジアムで開催されたPDRM FC対サバFA戦、そしてパハン州ジェンカのトゥン・アブドル・ラザクスタジアムで行われたフェルダ・ユナイテッド対PJシティFCの試合で、それぞれ入場者数は446人と546人だったようです。
 またプレミアリーグはスランゴール州シャーアラムのUITMスタジアムで開催されたスランゴール2対トレンガヌFC IIの試合でこちらは入場者数が814人でした。
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 入場者が1000名を切った3試合はいずれも3月1日(日)の午後9時からの試合です。私はクアラルンプールで1部昇格組同士の試合を見るか、シャーアラムで鈴木選手のプレーを見るか悩んだ末、結局2日連続でシャーアラムへ行きましたが、まさかクアラルンプールでの試合の方が入場者が少なかったとは驚きです…。

スランゴールFCとPJシティはホーム開幕戦をブキジャリル国立競技場で開催
 マレーシアフットボールリーグMFLは開幕前の施設検査でシャーアラムスタジアムとMBPJスタジアムに使用禁止処分を課しましたが、これにより本拠地の使用ができなくなったスランゴールFCとPJシティFCは、今週末に開催されるMFL1部スーパーリーグ第2節の試合をいずれもブキジャリル国立競技場で行うと、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 PJシティFCは3月6日(金)にパハンFAを、スランゴールFCは3月7日(土)にペラTBGをそれぞれホームに迎えて対戦予定でしたが、いずれのホームも使用不可となったため、代替試合会場を用意するようMFLから指示されていました。
 なおスランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会は、4月4日(土)に予定されている次のホームゲームとなるPJシティFC戦までには、シャーアラムスタジアムが使用可能となるよう、所有者であるスランゴール州政府と施設管理業者と協力する旨を公式声明として発表しています。
 またPJシティFCのスバハン・カマル会長は、改修工事が進められているMBPJスタジアムのピッチは2週間ほどで使用可能となるとして、第4節の3月14日(土)に予定されているトレンガヌFCとの試合はホームでの実施が可能だろうと話しています。

JDTは今晩ACLホーム開幕戦
 ジョホール・ダルル・タジムJDTは、今晩当地時間8時45分より水原三星をホームのスルタン・イブラヒムスタジアムに迎えて、AFCチャンピオンズリーグのホーム開幕戦を戦いますが、昨日3月2日に試合前記者会見が行われました。
 今季ACLのグループGの初戦でヴィッセル神戸(というかイニエスタ)に1−5と惨敗後の2試合目ですが、水原三星もスコアは0-1とは言えヴィッセル神戸に敗れており、ともに今季ACL初勝利を目指すクラブ同士の戦いです。
 MFL開幕戦となったクダFA戦の勝利が水原三星戦への良いモチベーションになっていると話すJDTのハリス・ハルン主将は、試合では多くの運動量が求められ、接触プレーが多くなるのではないかと予想していると記者会見で述べています。
 JDTのベンヤミン・モラ監督は、ヴィッセル神戸は水原三星の粘りによって試合の決着を簡単につけられなかったと分析しており、ヴィッセル神戸戦よりもよりスピード感のある試合展開になるだろうと予想しています。
 また水原三星のアダム・タガートは、JDTを外国籍選手とマレーシア人選手がうまく融合されたチームと見ており、ヴィッセル神戸戦の1-5というスコアは全く当てにならないと述べる一方、日本に足を運びヴィッセル神戸とJDTの試合を観戦したというイ・リムセン監督は自チームについて、マッチフィットネスという観点からは試合への準備が難しいことを認めた上で、ストライカー(ジオゴ)、左フルバック(ラヴェル・コービン=オン)、右ウイング(サファウィ・ラシド)を警戒したいと話しています。
(修正)水原三星の主将はアダム・タガートではなく、ヨム・ギフンです。
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 韓国の国内リーグは新型コロナウィルスの影響により試合実施が延期されており、水原三星は2月19日のACLのヴィッセル神戸戦を除けば、昨年12月以来、実戦から遠ざかっており、この点がJDTにどれだけ有利に働くかに注目したいところです。