2月20日のニュース:サフィ・サリーはPJシティFCへ移籍か、サティアナタン監督は続投へ、ペラTBGはACLプレイオフで敗退

サフィ・サリーはPJシティFCへ移籍か
給料未払い問題の解決が進まないプルリスFAの元代表FWサフィ・サリーが移籍を決めたようです。現在の練習場となっているクアラルンプールのマラヤ大学グラウンドで、プルリスFAとの契約が解除されていないため移籍先のクラブ名はまだ明かせないものの、クランバリー(クアラルンプールとスランゴール州一体の総称)に本拠地を持つクラブへの移籍を決意したと述べています。
 この日がプルリスFAとの最後の練習となるだろうと述べたサフィ選手は、これまで既に5つのクラブからオファーを受けていることを認め、それらはかつて所属したスランゴールFAの他、プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC、ケランタンFA、UITM FCなどであると述べています。複数のメディアがPJシティFC入りの可能性が高いとしていますが、果たしてどのチームが2010年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップの得点王を獲得するのでしょうか。

サフィ選手の移籍先と噂されるPJシティFCのFacebookにはこんなティザー告知が…。

サティアナタン監督は続投へ
開幕からの3試合で0勝2分1敗と苦戦が続くスランゴールFA。第3節は同じシャー・アラムスタジアムをホームにするPKNS FCとの対戦でしたが0−4と大敗しました。この試合の後、サティアナタン監督は今後の進退については、スランゴール州サッカー協会に一任するとしていました。これについて州サッカー協会のジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、サティアナタン監督と州サッカー協会会長でスランゴール州皇太子のテンク・アミル・シャー・スルタン・シャラフディン・イドリス・シャー殿下が話し合いを持ったことを認め、その席では進退についての議論はなく、協会としてはサティアナタン監督を支え、クラブが抱えている問題をどう解決するかに時間を割いたことも述べています。
 また3試合で1得点と期待通りの働きができていないという非難が集まっているアントニオ・ジャーマンについては、トランスファーウインドウが閉じるまでに代わりを務める選手が見つからない限りは、契約解除の予定はないとしています。

ペラTBGはACLプレイオフで敗退
2月19日にアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL出場権を賭けたプレーオフを韓国の蔚山現代と戦ったペラTBGは5−1で敗れ、ACL本戦出場はなりませんでした。
 ペラTBGは23分にアミルル・アザン・アズナンのOGで失点したものの、前半は最小失点の0−1で折り返します。しかし後半に入ると蔚山現代のMFミックス・ディスケルドが56分、58分と立て続けにゴールを決められ突き放されます。その後もMFリ・ドンキョンが70分に、FWジュニオール・ネグラオが87分にそれぞれゴールし、ペラTBGもDFナジール・ナイム・ビン・チェ・ハシムのゴールで90分に1点を返しましたが焼け石に水。ペラTBGのACL本選出場は来年以降に持ち越しとなりました。

2月15日のニュース:ペラTBGのMFL日程が変更、国際大会への選手招集に応じたクラブへの補償措置をMFLが検討、PJシティFCがマンチェスターシティFCの抗議でロゴ変更

ペラTBGのMFL日程が変更
2月12日のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACL予選2回戦で香港のキッチーFC(傑志)を破ってプレーオフに進出することになったペラTBG。次のマレーシアフットボールリーグMFLの試合は、本日2月15日に予定されている敵地でのKLFA戦ですが、これが8日間で3試合目となることから、ペラ州サッカー協会PAFAは15日のKLFAの日程変更をMFLに申し入れていましたが、Fダト・スリ・アーマド・ファイザル・アズミPAFA会長はこの要求がMFLによって拒絶されたとしていました。MFLはこれを了承し、とりあえず本日のKLFAとの試合は延期となりました。
 ペラTBGは、来週2月19日にACL本選出場が懸かるプレーオフを蔚山現代FCと敵地で対戦します。2012年にはACL優勝の経験もある蔚山現代FCは勝つのが難しい相手ですが、ペラTBGにとってはしっかりと準備ができるような日程変更になって良かったです。

本日2月15日の試合が延期になったことを伝えるKL Hawks(KLFA)の告知(KL HawksのFacebookより)

国際大会への選手招集に応じたクラブへの対応をMFLが検討
2月17日から26日までカンボジアで行われるアセアンサッカー連盟AFFのU22選手権は、FIFAカレンダーに含まれていないため、各クラブが選手招集に応じる義務はありませんが、所属クラブが招集を拒否したことから主力選手を含む5人が出場を辞退しています。
 この問題について、マレーシアサッカー協会FAMでかつて規律委員会の委員長を務めた経験もあるカマルディン・アブドラ氏は、国際大会がFIFAカレンダーに含まれている、いないに関わらず、各クラブがFAMによる招集に応じることを義務付ける規則を作るべきだとしています。
 しかしこの問題は世界中に散見し、どの国も関係者全員が満足するような解決策が見つけられていないわけですから、カマルディン氏の言うように規則を作ってそれを一方的にクラブに押し付けるというのは、やや前時代的な対応に思えます。
 またMFLのケヴィン・ラムリンガンCEOは、スーパーリーグとプレミアリーグを運営するMFLとしてFAMにどのような協力ができるかを考えたいとし、例えば国際大会への選手招集に応じたMFLのクラブについては、各クラブに登録が認められている30名の選手枠を35名に拡大する案などを披露し、代表チームとクラブ双方とってウィンウィンになるような環境を作りたいとしています。

PJシティFCがマンチェスター・シティFCの「アドバイス」でロゴ変更
2019年シーズンから1部スーパーリーグに昇格したプタリン・ジャヤ(PJ)シティFCが、イギリスプレミア・リーグのマンチェスター・シティFCから「アドバイス」を受け、ロゴを変更していました。自身がマンチェスター・シティのファンであるというPJシティFCのオーナー、ダト・スリ・ヴィジェイ・エスワラン氏は大きな問題ではないとしています。ちなみにPJシティFCのホーム用ユニフォームもマンチェスター・シティFCと同じスカイブルーです。(写真は左からPJシティFCの旧ロゴ、マンチェスター・シティFCのロゴ、一番右がPJシティFCの新しいロゴです。)

PJシティFCのユニフォーム(PJ CITY FCのFacebookより)

2019年スーパーリーグチーム紹介(4):KLFA

2018年は、12チームの内、降格圏手前の10位でシーズンを終えたクアラ・ルンプール(KL)FA。KLFAに次ぐ11位で2部プレミアリーグに降格したケランタンFAの前監督ユスリ・チェ・ラーを新監督に迎えたKLFAの2019年の目標はとにかく1部スーパーリーグに残留することになりそうです。
 KLFAを運営するKLサッカー協会内部の権力闘争のとばっちりを受け、他のスーパーリーグが行う遠征も行わず、プレシーズンマッチはプレミアリーグのチーム相手中心になるなど、開幕前の準備は明らかに不十分な状態で2月1日の開幕戦でパハンFAと対戦します。しかも新鮮力として期待されていた帰化選手のハイル・ジョーンズ(マラッカ・ユナイテッドより移籍)とDFアクマド・ジュフリヤント(インドネシア)が揃ってケガのため開幕に間に合わないため、2018年に22試合で51失点を喫した守備陣が2019年も不安材料です。
 新鮮力として日本人MF苅部隆太郎(タイのチャイナート・ホーンビルFCより移籍)、FWシルヴァーノ・コンヴァリアス(オランダ、タイのスパンブリーFC)などを補強した一方、2018年アセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップにも出場したFWザクアン・アドハ(クダFAへ移籍)や給料未払い問題により代表チームでも主力選手のMFシャズワン・アンディック(JDTへ移籍)を失うなど、戦力も安定していません。
 そんな中で明るい話題といえば、MFインドラ・プトラ・マハユディンがあと5と迫ったスーパーリーグ通算100ゴールをいつ達成するかということでしょう。ペラ州イポー出身のインドラ・プトラ選手は、ペラFA、パハンFA、クランタンFAなどでスーパーリーグやマレーシアカップを経験している38歳の大ベテランです。また代表でも79試合に出場し31ゴールを記録するなど、まさにマレーシアの大黒柱として活躍してきた選手です。

1位のインドラ・プトラ選手以下、スーパーリーグの通算得点ランキング(2019年シーズン開幕時点)

チーム名  :クアラ・ルンプール(KL)FA
ニックネーム:ホークス、シティー・ボーイズと呼ばれることも
ホーム   :KLFAスタジアム(クアラ・ルンプール)80000人収容
2018年成績:スーパーリーグ10位(7勝12敗3分:勝ち点24)
2019年監督:ユスリ・チェ・ラー(マレーシア)