7月17日のニュース:スランゴール州のクラブは暫定本拠地でホームゲーム開催、CEO辞任のペラFCは後任は当面置く予定なし

スランゴール州のクラブは暫定本拠地でホームゲーム開催
 新型コロナウィルス新規感染者が1日あたり1万人超の大台に乗ったマレーシア。感染拡大防止策として取られている強化行動制限令EMCOはクアラルンプールに続きスランゴール州でも解除されたものの、スランゴール州単体では新規感染者が5000人を超えていることから、これは感染者数減によるものではなく、経済効果への影響を考えての政治判断のようです。
 EMCOが解除されたとは言え、様々な制限は残っていることからMリーグを運営するMFLは、Mリーグ後半戦が始まる7月24日を前にスランゴール州に本拠地を持つクラブについて、試合会場や日程の変更を公式サイトで発表しています。
 スランゴール州に本拠を持つのは1部スーパーリーグのスランゴールFC、PJシティFC(いずれもMBPJスタジアムを使用)、UITM FC(UITMスタジアムを使用)、2部はスランゴールFCのセカンドチーム、スランゴールFC2(MPSスタジアムを使用)がありますが、この内、スランゴールFCは暫定本拠地としてKLフットボールスタジアム(クアラルンプール)とハンジェバスタジアム(マラッカ州)を、UITM FCはマンジュン市営スタジアム(ペラ州)を使用することが発表されました。またスランゴールFC2も同じマンジュン市営スタジアムを暫定本拠地として使用することが発表されています。
 なおPJシティFCは、今季はスランゴールFCと本拠地を強要していますが、何故か暫定本拠地に関しては何も発表されていません。
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 この日程発表では同時に試合日や試合時間の変更も発表になっていますが、スランゴール州のEMCOが解除となったことで、各クラブは従来の本拠地での試合開催が可能になる可能性もあります。
 活動制限令に関する政府決定はその時期や内容が二転三転するだけでなく、今回のスランゴール州のEMCO解除のようにその日の午後に発表され、その日の深夜に解除といった急な変更も度々あり、MFLも各クラブとも政府の方針転換に振り回されている感もあります。とは言え、無観客ではなるものの予定通り7月24日より後半戦が始まりそうなのは嬉しいことです。

CEO辞任のペラFCは後任は当面置く予定なし
 Mリーグ1部のペラFCはリザル・アリ・ナイザリ前CEOの辞表を正式に受理したこと発表したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 開幕当初から給料未払いの噂が絶えなかったペラFCはそれが事実であることが発覚すると、その責任を取る形でリザルCEOは今年5月10日に辞意を表明しましたが、ペラFCの理事会はそれを正式に認めていませんでした。しかし、ペラFC運営会社理事の1人でペラ州政府のカイルル・シャーリル・モハメド理事はこの辞表を正式に受理したこと明らかにした上で、当分は後任のCEOは置かず、運営会社の理事会が共同でCEOの職を全うすると話しています。
 カイルル理事は後任を置かないことによる影響がチームに及ぼす影響はないと話し、その理由として経営陣と選手との相互理解があることを挙げています。
 なおペラFCは前半戦終了後、今年2度目のトランスファーウィンドウ期間中に主力の6選手が給料未払いを理由に他のMリーグクラブへ移籍する事態が起こっています。
 CEOの辞任問題が解決し、理事会メンバー全員でCEOの職を引き継ぐことで現状を乗り切れると判断したと話すカイルル理事は、今後はメディアとの対応などはチームマネージャーのイシャハム・シャハルディン氏が担当すると話す一方で、チョン・イーファット監督からは新戦力も含め全選手が後半戦に向けて良いコンディションを保っているという報告を受けているとし、1部残留はもちろん、上位5位内でのフィニッシュという開幕時の目標も変わっていないと話しています。


7月10日のニュース:Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定、完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ、今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定、U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ・ラオス・モンゴルと同組に

 マレーシアはワクチン接種が進んではいるものの、昨日は国内全体で新規感染者数が9,180名と連日新記録が更新されています。一部の州では完全ロックダウンが解除されてはいますが、クアラルンプールとスランゴール州を含む首都圏では現在も完全ロックダウンが続いています。

Mリーグ1部2部とも7月24日より再開決定
 Mリーグを運営するMFLは公式サイトで5月9日より中断中のMリーグが1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグともに7月24日より再開されることを発表しています。この中断はFIFAワールドカップアジア2次予選に出場するマレーシア代表や、AFCチャンピオンズリーグ予選、そして結局は中止となってしまいましたがAFCカップ予選に出場するMリーグクラブを考慮してのものでした。なお、Mリーグ2部は当初、7月3日に再開の予定でしたが、国内に完全ロックダウンが施行されたことで再開延期が発表されていました。
 また中断前に豪雨により順延されていた2部のスランゴールFC2対サラワク・ユナイテッドFC戦と選手が新型コロナウィルス感染により延期されていたペラFC II対ケランタンFC戦はいずれも7月17日への日程変更に加え、強行日程緩和のため1部では8月13日からの第19節から最終節第22節まで、2部では7月27日からの第14節から最終節第22節までで試合日程が変更になることも発表になっています。
 変更された1部スーパーリーグの日程はこちら、2部プレミアリーグの日程はこちらです。

完全ロックダウン施行地域のクラブは本拠地以外でホームゲーム開催へ
 MFLは完全ロックダウン施行地域に本拠地を持つクラブに対し、新たなホームゲーム開催地を確保するように求めています。
 MFL公式サイトによると、Mリーグの全てのクラブは練習場と宿舎間の移動のみが許される合宿形式で練習を行なっていますが、完全ロックダウン施行地域では練習試合も含めてMリーグの試合を行うことが許可されていないことから、MFLはこの地域に本拠地を持つ1部と2部のクラブに対してホームゲームを開催する「暫定本拠地」の確保を求めていくとしています。
 現在、完全ロックダウンが施行されているのはクアラルンプール、スランゴール州、ヌグリスンビラン州の各州と地域ですが、ここにはクアラルンプールに本拠地を持つKLシティFC(1部)、PDRM FC(2部)、スランゴール州に本拠地を持つスランゴールFC、PJシティFC、UITM FC(以上1部)、スランゴールFC2、MSN-FAMプロジェクト(以上2部)、ヌグリスンビラン州に本拠地を持つヌグリスンビランFC(2部)の8チームがあり、この8チームは7月24日ののMリーグ再開前に完全ロックダウン施行地域外に新たに暫定本拠地を設けることが求められています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは現在、Mリーグクラブが使っていないスタジアムに加えて、あるいはMリーグクラブが既に使用しているスタジアムの共用も許可すると話しており、上記の8チームは開幕までの2週間ほどで試合会場を確保する必要があります。

今年11月開催予定の東南アジア競技大会が2022年に順延決定
 マレーシアの通信社ブルナマは今年2021年11月21日から12月2日まで開催予定だった東南アジア競技大会通称シーゲームズが新型コロナウィルス感染拡大を理由に2022年へ延期されたことを報じています。
 マレーシアオリンピック協会OCMの発表によると、東南アジア競技大会連盟はオンラインで会合を開き、ベトナムのハノイで開催予定だった今年のシーゲームズの2022年への延期を決定したということです。既に2022年にはさまざまな国際競技大会の日程が決まっていることから、これまでマレーシアを含めた大多数の国が延期に反対していましたが、今回やっと延期が決まった格好です。新たな日程に関しては、東南アジア競技大会連盟より後日発表されるということですが、なおベトナムの地元メディアでは来年3月あるいは6月への延期が有力ということです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーはオリンピックに準じて23歳以下代表同士が対戦しますが、マレーシアはマレーシアサッカー協会FAMが2024年パリオリンピック予選を見越して武者修行のためにU19代表を派遣する予定にしていました。

U23アジアカップ予選-マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同組に
 アジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)2022年大会はウズベキスタンで開催されますが、この大会の予選組み分け抽選が昨日7月9日にウズベキスタンのタシケントで行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となることが決まりました。
 今回の組み分け抽選では参加42チームを西地区23チームと東地区19チームに大別された後、さらに西地区は6組、東地区は5組に分ける形で行われ、東地区のマレーシアは予選J組に入り、タイ、ラオス、モンゴルと同組となっています。また今回の予選は各組とも集中開催方式で行われ、マレーシアが入ったJ組はモンゴルが集中開催地となり、10月27日にラオス、29日にモンゴル、31日にタイとの対戦カードが組まれています。
 なお来年2022年の本戦には、開催国のウズベキスタンと予選各組1位のチームと各組2位の内、成績上位の4チームの計16チームが出場します。
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 マレーシアが入る予選J組が集中開催されるモンゴルですが、ググってみたところ首都のウランバートルで10月下旬の平均気温は最高7度、最低-6度と、この組の東南アジア3チームにとってはそれだけでハンデになりそうな環境です。それでも東アジアの強豪国やオーストラリアとは別組みになった幸運に感謝しつつ、マレーシアは2018年中国大会以来となる2度目の本戦出場を目指します。ちなみに2018年大会ではマレーシアはイラク、サウジアラビア、ヨルダンと同組になりながら、サウジを破り、ヨルダンと引き分けるなどしてベスト16に進出しています。
 (下はU23アジアカップ2022年大会予選組み合わせ-AFCの公式サイトより)


6月15日のニュース:今晩はG組最終戦のタイ戦-出場停止3選手を欠くマラヤの虎は正念場をどう戦うか、スランゴールFC2に3人目のガーナ出身選手が加入、スタジアム観戦にワクチン接種義務化は国内のワクチン接種促進にも貢献

 6月4日に始まったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組はマレーシア時間の今晩0時45分に最終戦となるタイ-マレーシア戦、アラブ首長国UAE-ベトナム戦が行われます。
 予選開催国UAE入り後は練習試合での2試合も含め4連敗となったのマレーシア代表は、新型コロナの影響で対外試合が全くできず、当初は試合勘が不足している印象でしたが、敗れたとは言えベトナム戦ではチームとして機能し始めた印象もあり、また短期決戦ではその見極めが重要な使える選手、使えない選手も明らかになってきました。この予選の集大成ともなるタイ戦はアジアカップ3次予選出場がかかる重要な試合でもある一方で、ここで敗れてしまうとアジアカップ3次予選出場をかけたプレーオフに回るだけでなく、ここ数年の好調で高まってきた代表チームへ期待が一気に失望に代わる可能性があり、文字通り正念場の試合です。

今晩はG組最終戦のタイ戦-出場停止3選手を欠くマラヤの虎は正念場をどう戦うか
 ベトナム戦は5枚のイエローカードがマレーシアに出されましたが、これによりDFラヴェル・コービン=オング(JDT)、MFシャマー・クティ・アッバ(JDT)、FWモハマドゥ・スマレ(JDT)の3選手が累積警告によりタイ戦は出場停止となっています。
 この主力選手の出場停止について、タン・チェンホー監督は代わりの選手が臨機応変に対応してくれることを期待していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 中でも左サイドバックのコービン=オングの欠場は守備面での影響が大きいことを認めた上で、これまで先発機会のなかった選手も全力を尽くしてくれると信じていると話すはタン監督はコーチ陣と相談して布陣を決めたいとしています。
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 プレッシャーのかかる1戦なのは事実ですが、タイもFWティーラシン・デーンダー(BGパトゥム・ユナイテッド、前清水)、MFチャナティップ・ソングラシン(札幌)、DFテーラトン・ブンマタン(横浜F・マリノス)ら主力選手を欠いており、マレーシアにとってはFIFAランキングで47位離れているタイを倒す絶好の機会でもあります。このW杯予選でマレーシアは2019年11月14日にホームでタイに2-1と勝利しており、2018年スズキカップ準決勝も合わせれば直近の3試合では1勝2分となっており、ここでタイを叩いてまずはベトナムに続く東南アジアNo.2を目指したいところです。一方のタイは、W杯予選ではベトナムと引き分けた後、インドネシアとUAEを破りながら、このマレーシア戦敗戦以降は未勝利で、タイ国内では結果が出ていない西野監督への批判も高まっているという報道もあり、マレーシア戦には当然勝利を目論んで臨んでくるでしょう。しかしそんなタイを破ってこそ、マレーシアはワールドカップ最終予選出場云々を語る資格が得られるようになると思います。

スランゴールFC2に3人目のガーナ出身選手が加入
 Mリーグ1部のスランゴールFCは、セカンドチームでMリーグ2部のスランゴール2にガーナ出身で20歳のMFアレックス・アグヤルクワがガーナ2部リーグのアクラ・ライオンズFCから期限付き移籍で加入することを公式サイトで発表しています。
 スランゴールFCにはこのアクラ・ライオンズFCからいずれも20歳のDFジョーダン・アイムビラ、FWジョージ・アトラムが加入しており、アイムビラ選手はスランゴールFCで、アトラム選手はスランゴール FC2で今季はここまでプレーしていますが、アトラム選手はスランゴールFCの練習に参加しており、現在中断中のMリーグ再開後はスランゴールFCへ昇格するとも噂されています。
 獲得に関わってスランゴールFCのマイケル・ファイヒテンバイナー スポーツディレクターSDによると、アイムビラ、アトラム両選手のMリーグでの活躍を見て、さらにアクラ・ライオンズFCへオファーを出した結果、今季のガーナ2部リーグでは13試合中8試合でMOMを受賞したアグヤルクワ選手の獲得につながったということです。
 ファイテンバイナーSDは、来週マレーシアに到着するアグヤルクワ選手について、スランゴールFC2で「スランゴールサッカーのDNA」に慣れた後は、トップチームのスランゴールFC昇格も考えていると話しています。

スタジアム観戦にワクチン接種義務化は国内全体のワクチン接種促進にも貢献
 スタジアム観戦者に新型コロナウィルスワクチン接種を義務付けることは、スタジアム内での感染リスクを軽減するだけでなく、国内全体のワクチン接種促進に寄与する可能性があるとMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが公式サイトで報じています。
 MFLはMリーグの7月再開に向けて新型コロナ観戦拡大防止のため、Mリーグ各クラブのサポータークラブに向けて、ワクチン接種をスタジアムでの観戦に義務付けたいという提案を行なっていました。
 これに対してスランゴールFCのサポータークラブ会長のモハマド・ファイザル・ワヒド氏は、他国のリーグが実施しているように、ワクチン接種を義務付けた上でスタジアム観戦が許可されれば、多くのサポーターがスタジアムへ足を運ぶだろうと述べて、この提案を歓迎した上で、「ワクチン接種に懐疑的、あるいは消極的な場合でも、スタジアム観戦ではワクチン接種が義務付けられれば、考えを変えて接種を受けるサポーターも出てくるだろう。その結果として、マレーシア政府が目指すできるだけ多くのマレーシア人へのワクチン接種という方針にも貢献できる。」とも話しています。
 またスリ・パハンFCのサポータークラブのモハマド・ファウジ・アブドル・マナフ氏も、このMFLの提案に同意した上で、ワクチン接種が進んでいない現状を考慮して、接種者の数が一定数に達した段階でこの方針を実施して欲しいと述べています。「現時点ではワクチン接種者はまだ少ないが、数ヶ月もすれば集団免疫が達成できると期待している。そうすればスタジアムも他の場所と同じように足を運んでも安全な場所になるだろう。」
 現在中断中のMリーグは7月3日から2部プレミアリーグが、7月24日から1部スーパーリーグがそれぞれ再開予定ですが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナ観戦拡大後から再び無観客試合で行われてきたMリーグについてスタジアム観戦の許可を求めてマレーシア政府と交渉する用意があると話しており、その条件としてスタジアムでの観戦者にはワクチン接種を義務付けたい意向を表明していました。

6月9日のニュース:DFエルドストールはベトナム戦欠場か、ペラFCは再建に向けて外国籍選手を総入れ替え、スランゴールFC監督は現有戦力に自信

DFエルドストールはベトナム戦欠場か
 現在アラブ首長国連邦で開催中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選ではマレーシア代表は6月11日(現地時間)にベトナムと対戦しますが、この試合にはDFジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC-タイ)が欠場するようだと、スポーツ専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 スポーツ専門チャンネルのアストロ・アリーナのズルヘルミ・ザイナル・アザム記者のツイートを引用する形で書かれた記事では、エルドストール選手は途中出場となった先日のアラブ首長国連邦UAE戦でアキレス腱を痛め、現在は練習にも参加していないということです。
 主将のアイディル・ザフアン(JDT)に代わって69分から出場したエルドストール選手は、この試合が代表初戦となったDFディオン・コールズ(ミィティランFC-デンマーク)とともにセンターバックとしてプレーしましたが、チームは試合終了前の10分で3失点するなどし、0-4で敗れています。
 守備陣だけの責任とは言えないものの、UAE戦は4失点と大敗し、必勝が求められるベトナム戦を控えた状況でのエルドストール選手の離脱により、タン・チェンホー代表監督は、アイディル・ザフアン選手やコールズ選手の他、まだ起用していないアダム・ノー・アズリン(JDT)、ドミニク・タン(ポリステロFC-タイ)、イルファン・ザカリア(KLシティ)らも含めた守備陣の再編成を迫られています。
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 この情報が本当なら、大事な試合の前にベトナムにとっては有益、マレーシアにとっては不利益以外の何物でもないこういった情報は外部に漏らされるべきではないと思うのですが、代表には情報管理というのは概念はないようです。
 代表のマシュー・デイヴィーズ(JDT)がUAE戦敗戦後、インスタグラムに「ミスを修正して次戦に向けて集中します。」と投稿すると、JDTオーナーのTMJことトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子が「まずはソーシャルメディアを止めて集中しろ」とコメント欄で返信したことがサポーターの話題になっているのですが、これも外部に情報がダダ漏れしている現状を野放しにしているチームマネージャーや事務方の力量不足が露呈した形です。

ペラFCは再建に向けて外国籍選手を総入れ替え
 このブログでも何度も取り上げたMリーグ1部ペラFCの給料未払い問題とそれに伴う主力選手の流失ですが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、選手の流失は止まり、後半戦へ向けてチームの再建が始まっているようです。
 移籍が噂れながらも残留したペラFCのGKハフィズル・ハキムがアストロ・アリーナの取材に対応し、経営陣が問題解決に対して見せた取り組みにより、残留した選手たちはチームに対しての信用が回復し、2部降格を阻止しようという気持ちを持ち始めているということです。W杯予選開催に伴い現在中断中のMリーグ1部でペラFCは3勝3分7敗の成績で、降格圏の11位とは勝点差1の10位につけています。
 代表FWギリェルメ・デ・パウラやDFシャールル・サアドら流出した6名の主力選手に代わり、ペラFCは先月末に終了したトランスファーウィンドウ期間に英国出身のMFチャーリー・マシェル(カンボジア1部ビサカFCより加入)、いずれも元レバノン代表のDFジャド・ヌールディン(バーレーン2部アル・アハリ・マナマより加入)、MFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより加入)、カメルーン生まれのインドネシア人DFズバイロウ・ガルバ(インドネシア1部ペルセバヤ・スラバヤ より加入)、コートジボアール出身のDFジスラン・コナン(昨季は所属なし)と5名の外国籍選手を総入れ替えした他、マレーシア人選手4名もこのトランスファーウィンドウ期間に獲得しています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はセカンドチームでMリーグ2部のペラFC IIからの選手昇格も明言しており、ハフィズル選手ら残留した4名の主力選手に新たな外国籍選手、そしてセカンドチームから昇格する若手の融合チームで、ペラFCは1部残留を目指して後半戦に臨みます。

スランゴールFC監督は現有戦力に自信
 上の記事でも取り上げたペラFCを含めMリーグ1部の他のクラブが新戦力獲得に動く中、スランゴールFCはトランスファーウィンドウ期間に加入した選手はいませんでしたが、カルステン・ナイチェル監督は現有戦力で後半戦に臨むことに何の心配もしていないとスタジアムアストロが報じています。
 合宿形式での練習を再開したスランゴールFCには、開幕前に同じ1部のスリ・パハンFCから移籍しながらプレシーズンマッチでのケガにより前半戦を棒に振ったMFニック・シャリフ・ハッセフィ、やはり長期離脱中だったDFティム・ホイバッハ、DFサフアン・バハルディンらが復帰した他、セカンドチームでMリーグ2部のスランゴール2からも複数の選手を昇格させています。
 前半最終戦後から各選手とも十分な休養が取れたと話すナイチェル監督は、全選手が今季初めて揃ったチームは残る後半戦9試合に向けて練習を再開できることを喜んでいると話しています。
 スランゴールFCはMFブレンダン・ガンとDFシャミ・サファリがW杯予選を戦う代表に召集されていますが、この2人が戻りベストの布陣となったところで、自身の戦術や戦略を浸透させたいとないチェル監督は語っています。
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 正直なところ、今季はトップ3も現実的な目標ではないスランゴールFCですが、これまでのように次々に新戦力を獲得して目先の勝利を追及する方針から、育成しながら勝つ方針へと転向したことは中、長期的には良い結果をもたらす可能性が高そうです。前半戦終盤の試合で起用され始めた国内エリートアカデミーAMD出身者や20代前半の若い外国籍選手たちも1部のサッカーに慣れ、後半戦には期待が持てそうです。

Mリーグ1部スーパーリーグ第13節結果

 新型コロナ感染者が再び増加しているマレーシア。1日あたりの新規感染者が4000人前後で高止まりする日が続き、国内各地では活動制限令MCOや条件付き活動制限令CMCOが施行され、Mリーグの試合は無観客で開催されています。
 Mリーグに目を向けると5月3日から開いている今年2度目のトランスファーウィンドウ期間に加入した選手たちが今節の試合に出場し、中には早速ゴールを決めるなど活躍する選手も出ています。
 なおスーパーリーグは今節終了後、5月16日から始まる代表候補合宿、そして6月3日から始まるW杯アジア2次予選、さらにアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグやAFCカップが続くことから、2ヶ月の中断期間に入り、次節第14節は7月9日から再開します。
 各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年5月8日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 0-1 クダ・ダルル・アマン
得点者:サバ-、クダ-クパー・シャーマン(79分)
 激しい雨のため1時間近く中断した試合は再開後もボールが水たまりで止まってしまうような状況でしたが、それでも双方が激しくせめぎ合う中、サバ守備陣のミスをついてクパー・シャーマンが貴重なゴールを決めて勝利しています。
 サバは新加入のFWヨシプ・イヴァンチッチを起用するなど本拠地4連勝を目指しましたが、反撃も及びませんでした。

2021年5月8日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 1-1 KLシティ
得点者:UITM-クォン・ヨンヒョン(84分)、KL-シュコル・アダン(90+4分)
 今季ここまで未勝利のUTIMは終盤に新加入のFWクォン・ヨンヒョンのゴールで先制し、このまま逃げ切ると思われたロスタイムに失点を喫し、今季初勝利を逃しています。
 しかしこのシュコル・アダンの同点ゴールは映像で見るとヘディングに跳びながら手を高く挙げてゴールを決めた「神の手」ゴールに見え(写真下、写真はUITM FCの公式Facebookより、中央で手を挙げているのがシュコル選手)、UTTMの選手もこれに激しく抗議しましたが、主審はそれを認めませんでした。とここまでは手に触れていることを見逃した主審のミスということになりますが、FAMが発表した公式記録でもシュコル選手を得点者としていることから、Mリーグはシュコル選手の手を使ったゴールを認めたことになります。ちなみに41歳のシュコール選手はこのゴールで先日、サバFCのアムリ・ヤハヤ選手が作ったMリーグ最年長ゴール記録を更新しています。

2021年5月8日@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 0-3 JDT
得点者:JDT-サファウィ・ラシド(15分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(43分)、モハマドゥ・スマレ(51分)
 リーグ首位を快走するJDTは前節第12節で脳震盪(のうしんとう)を起こして退場したゴンザロ・カブレラに代わりセカンドチームからフェルナンド・ロドリゲスを昇格させ、またサファウィ・ラシドとアリフ・アイマンを初めてともに先発させるなど布陣を変えて臨んだ試合でしたが、ペナンを一蹴しています。
 DFリュウジ・ウトモをケガで欠くペナンFCはこれまで起用していたDFムハンマド・ファディル・イドリスに代えてベテランのDFアズミ・ムスリムを先発させるなどJDT対策を立てながらの完敗でした。また自身のゴールが認められなかったことに抗議してイエローカードをもらっていたエースのカサグランデがその後の反則で2枚目のイエローで退場、これに抗議したトマス・トゥルチャ監督も退場となるなどペナンFCにとっては後味の悪い敗戦となりました。

2021年5月9日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 0-0 PJシティ
得点者:なし
 本拠地では3連敗中のマラッカが終始、優勢に試合を進めるもPJシティのGKカラムラー・アルハフィズの好セーブなどもあり無得点。スーパーリーグで唯一、外国籍選手がいないPJシティと引き分けています。

2021年5月9日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 2-3 スリ・パハン
得点者:ペラ-レアンドロ・ドス・サントス(68分PK)、カレッカ(90+5分)、パハン-アウン・カウン・マン (35分)、ケニー・アティウ2(58分、88分)
 トランスファーウィンドウ期間中の新加入組の内、検疫隔離により合流が遅れていたミャンマーU22代表のアウン・カウン・マンが先発しデビュー戦で早速ゴールを決めています。また同じ新加入組ののケニー・アティウも2ゴールを決めるなど、新戦力の活躍でパハンが連勝しています。前節に1ゴール1アシストで勝利に講演したマヌエル・イダルゴとともに新戦力の加入で全く別のチームになったパハンは、リーグ再開後の台風の目となりそうです。
 一方のペラは給料未払い問題により退団が噂されているブラジル出身コンビがゴールを決めましたが、これは獲得を狙う他チームへの良いアピールとなったのではないでしょうか。またこの他にも退団の可能性が報道されたケニー・パッラジ・ダバラギやパルティバン・ジャナセカランの両主力選手はこの大事な試合にベンチ入りせず、移籍の可能性が濃厚です。

2021年5月9日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 1-2 トレンガヌ
得点者:スランゴール-イフェダヨ・オルセグン(50分PK)、トレンガヌ-エンク・ヌル・シャキル(73分)、カルリ・デ・ムルガ(87分)
 トレンガヌが敵地で逆転勝ちし、JDTとの勝点差を3として再び2位に浮上しています。
 引き分けを挟んで3連勝のスランゴールは前節のスリ・パハン戦に続き、終盤にゴールを許すなど勝ちきれない試合が続き、トップ3とは徐々に勝点の差が開き始めました。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第13節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT139312862230
2TFC138322012827
3KDA138232113826
4PEN136431814422
5SEL135442220219
6KL134541714317
7SBH134451717016
8PJ133641014-415
9PHG133371622-612
10PRK133371421-712
10MU133551519-4*11
12UITM130211430-262
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第13節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)12
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)11
3クパー・シャーマン(KDH)9
4カサグランデ(PEN)7
パウロ・ジョズエ(KL)7
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

5月8日のニュース:W杯予選-タン代表監督はケガの昨季のリーグ得点王を招集断念、ペラFC主将はスリ・パハンからの獲得オファーを認める、JDTがスーパーリーグ4クラブに選手を期限付き移籍

W杯予選-タン代表監督はケガの昨季のリーグ得点王を招集断念
 5月16日から予定される代表候補合宿を前に、タン・チェンホー代表監督はケガを負ったFWシャーレル・フィクリ(スランゴール)を招集しないことを明らかにしています。シャーレル選手は3月に行われた代表候補合宿にも招集されていました。
 5月5日のMリーグ1部第12節スリ・パハンFC戦の後半から途中出場したシャーレル選手は、ムスリム・アフマッドのタックルを受けて負傷し、プレー時間わずか10分で交代し、タンカで運ばれて退場しましたが、その後、腓骨の骨折が明らかになり、完治まで6ヶ月から8ヶ月と診断されています。
 マレーシアの通信社ブルナマの取材に対して、昨季2020年のスーパーリーグではペラでプレーし、マレーシア人選手として最多の11ゴールを挙げたシャーレル選手が招集できないことはチームに取って痛手であり、W杯予選に向けて別の戦略を立てる必要があると話したタン監督は、ギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)、シャフィク・アフマド(JDT)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(サラワク・ユナイテッド)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)らがシャーレル選手に代わるストライカー候補であると述べています。

ペラFC主将はスリ・パハンからの獲得オファーを認める
 Mリーグ1部スーパーリーグで今季は低迷するペラFCの主将で代表DFシャールル・サアドが同じスーパーリーグのスリ・パハンFCから獲得オファーを受けていることを、スポーツ専門サイトスタジアムアストロとのインタビューで明かしています。
 今季はケガで出遅れ、5月5日のスーパーリーグ第12節PJシティ戦が今季2試合目の出場となったシャールル選手ですが、移籍についてはスリ・パハンFCからのオファーを受けていることは認めながらも、今はまだ何も決定していないとして、現在はペラFCの選手として目の前の試合に集中したいとインタビューで答えています。
 ペラFCはシーズン開幕時から給料未払いが噂されており、5月3日から開いているトランスファーウィンドウ期間中に主力選手が流出するのではとソーシャルメディア上では話題になっており、今回のスタジアムアストロのインタビューはそんな中で行われたものです。ちなみに今週末の第13節でペラFCは、新加入のマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)ら新加入の選手らの活躍で前節第12節にスランゴールFCと引き分けたスリ・パハンFCと対戦します。

JDTがスーパーリーグ4クラブに選手を期限付き移籍
 Mリーグ1部スーパーリーグで首位のJDTは公式Facebook上で、同じスーパーリーグの4クラブへ選手を期限付きで移籍させることを発表しています。
 アリスター・エドワーズ テクニカルディレクター名で発表された告知では、サバ(現在リーグ7位)、マラッカ・ユナイテッド(同10位)、スリ・パハン(同11位)、UITM(同12位)が移籍先として明らかにされています。
 Mリーグは5月3日から5月30日までが今年2度目のトランスファーウィンドウ期間となっています。
 突然行われたこの告知の真意は不明で、JDTのどの選手が移籍するのかは発表になっていませんが、代表候補合宿に召集されているJDT所属の選手の中には、シャフィク・アフマドやアキヤ・ラシドなど試合出場時間が十分に確保できていない選手もいるので、この辺りの選手が移籍する可能性があります。また「飼い殺し」状態の選手を移籍させることで、下部組織からさらに若い選手の昇格なども見越しての戦略とも考えられます。

Mリーグ1部スーパーリーグ第12節結果

 今節第12節からいよいよ後半戦が始まりますが、今節の注目カードは何と言っても首位攻防戦のクダ・ダルル・アマン対JDTでした。また5月3日から開いているトランスファーウィンドウ期間に加入した新戦力を早速投入しているクラブもあり、そういった選手たちが、後半戦の局面を大きく変える可能性もあります。
 その一方で、今週半ばは試合が組まれていない2部プレミアリーグのケランタンFCの選手に新型コロナウィルス感染者が見つかり、今週末のペラFC II対ケランタンFCが延期されています。
 各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年5月4日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン 0-1 JDT
得点者:JDT-ベルクソン・ダ・シルヴァ(90+2分PK)
 新型コロナウィルスの影響で急遽、無観客試合となって行われたこの試合は、両チーム共にチャンスがありながらそれを活かせない展開が続き、このまま引き分けかと思われたロスタイム、クダの守備ラインをかわしてペナルティエリアへボールを持ち込んだJDTのムハマドゥ・スマレをレノン・アルヴェスが倒して万事休す。これで得たPKをベルグソン・ダ・シルヴァが蹴り込み、これが決勝ゴール。この日は活躍したクダGKシャアリル・サアリでも止められませんでした。
 残り数分は明らかな時間稼ぎをするJDTと試合を進めたいクダの選手との間で何度か争いも起き、試合終了後もそれが続く後味の悪い試合となりました。
 クダにとっては本拠地で最低でも勝点1が欲しい試合でしたが、開幕戦に続き、JDTに0封されての敗戦でした。
 またハイライト映像には写っていませんが、56分にはペナルティーエリア手前でドリブルで持ち込んだJDTのゴンザロ・カブレラをレノン・アルヴェスが「ブロック」して衝突。カブレラ選手は脳震盪(のうしんとう)を起こし退場となりましたが、その後の報道で無事に退院したことが伝えられています。

2021年5月4日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 3-1 ペナン
得点者:KL-パウロ・ジョズエ3(35分、52分PK、88分)、ペナン-ダニアル・アシュラフ(64分)
 昨季の2部プレミアリーグ優勝チームのペナンと同2位の対戦となったこの試合は、9戦負けなしでリーグ3位と好調のペナンが有利と目されていましたが、KLシティが主将パウロ・ジョズエのハットトリックで解消して、この日が誕生だったボジャン・ホダック監督に勝利をプレゼントしています。

2021年5月4日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 3-0 UITM
得点者:トレンガヌ-デヴィッド・ダ・シルヴァ(8分)、ファイザル・ハリム(10分)、モハマド・ラーマット・マカスフ(77分)
 トレンガヌが最下位のUITMに快勝し、JDTに敗れたクダに代わって再び2位に浮上しています。
 UITMは5月3日に開いたトランスファーウィンドウ期間に加入したMFウスマン・ファネ(フランス)とFWジョアン・ペドロ・フレイタス(東ティモール)の新戦力が先発しましたが、5試合連続無得点となりました。

2021年5月5日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 2-2 スランゴール
得点者:パハン-マヌエル・イダルゴ(48分)、アブドル・マリク・アリフ(90+5分)、スランゴール-ハイン・テット・アウン(76分)、イフェダヨ・オルセグン(87分)
 11位のパハンはトランスファーウィンドウ期間にDFエラルド・グロンを除く4名の外国籍選手を入れ替えましたが、その内、MFアブバカル・ヤクブ(ガーナ)とFWマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)が先発、FWケニー・アティウ(南スーダン/オーストラリア)が途中出場とこの試合でデビューしていますが、早速イダルゴ選手ががスランゴール守備陣のパスミスから作ったチャンスを生かしてゴールを決め、さらに同点ゴールにつながるFKでアシストを上げるなど活躍し、強烈な印象を残しています。ちなみにパハンのドラー・サレー監督はもう1人の新戦力FWアウン・カウン・マン (ミャンマー)も起用する予定だったようですが、国際移籍証明書ITCが試合までに
 スランゴールはエースのイフェダヨ・オルセグンの技ありの逆転ゴールで逃げ切るかと思われましたが、パハンの同点ゴールのきっかけとなったFKを与えたDFシャールル・ナジームが2枚のイエローで退場し、最後のセットプレーで数的不利となったことが悔やまれます。

2021年5月5日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-1 ペラ
得点者:セルヒオ・アグエロ(26分)
 引き分けを挟んで3連敗中だったペラが5試合ぶりの勝利で順位を一つ上げ9位となっています。
 ペラは新加入のFWナナ・ポク(前UITM)を獲得して得点力不足に悩む攻撃陣を補強し、この勝利から巻き返しを図りたいところですが、主将で代表DFシャルル・サアドがスリ・パハンからの獲得オファーを受けていることを明らかにしており、もしシャルル選手が移籍となれば、今度は守備陣が大きな痛手となるため、その行方が

2021年5月5日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 3-1 マラッカ・ユナイテッド
得点者:サバ-アムリ・ヤハヤ2(6分、47分)、モハマド・アジザン・ノルディン(16分)、マラッカ-モハマド・ファクルラー・ロスリ(66分)
 40歳のアムリ・ヤハヤの3試合連続ゴールで先制したサバは、その後もアムリ選手のこの日2点目となるダメ押しゴールでマラッカを突き放して勝利し、引き分けを挟んで3連勝を記録しています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第12節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT128312561927
2TFC127321811724
3KDA127232013723
4PEN126421811722
5SEL125432118319
6KL124441613316
7SBH124441716116
8PJ123541016-614
9PRK123361216-412
10MU123451519-4*10
11PHG122371320-79
12UITM120111329-261
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第12節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)12
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)10
3クパー・シャーマン(KDH)8
4カサグランデ(PEN)7
パウロ・ジョズエ(KL)7
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ

Mリーグ1部スーパーリーグ第11節結果

 前半戦最終節となった今節はJDTとKLシティの引き分けやペナンによるトレンガヌ戦勝利などもあり、1位から4位までが勝点差4の中に4チームがひしめく大混戦となっています。
 各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年4月30日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 1-1 JDT
得点者:KL-ロメル・モラレス(45+3分)、ハリス・ハルン(55分)
 試合前の予想通り前半からJDT優位で進んだ試合は、ハーフタイム直前にKLのロメル・モラレスがJDTのオフサイドトラップを交わして先制ゴールを決めKLが先制しましたが、55分にはJDTの主将ハリス・ハルンが今季初ゴールを決め同点に追いつきます。その後もJDTが押し気味に試合を進めますが、結局、KLゴールを割ることはできませんでした。
 KLシティはこの引き分けで、連敗を2で止めています。

2021年4月30日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 1-3 クダ・ダルル・アマン
得点者:マラッカ-ステファン・ニコリッチ(38分)、クダ-クパー・シャーマン2(18分PK、62分)、ボドロル・バクティアル(86分)
 前節は累積警告により出場停止だったクパー・シャーマンが戻り、今季初めて外国籍選手5名全員が先発メンバーに名を連ねたクダがマラッカを圧倒して2位に浮上、首位JDTとの勝点差を1としています。
 前半戦最終節となる次節では、クダはホームにJDTを迎える首位攻防戦が控えていますが、クダ州内で感染者急増を受け、この試合は無観客試合となることがマレーシアフットボールリーグMFLより発表されています。

2021年5月1日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 1-4 ペナン
得点者:トレンガヌ-ハキミ・アブドラ(60分)、ペナン-シェリディン・ボボエフ(8分)、エンドリック(21分)、カサグランデ2(66分、68分)
 前節JDTに21試合ぶりに土をつけたトレンガヌが8試合負けなしと好調のペナンをホームに迎えた今節注目のカードでしたが、結果は守備が崩壊したトレンガヌが惨敗に終わっています。
 この試合に勝てば、前日のKLシティとの試合が引き分けに終わったJDTと勝点で並ぶチャンスがあるトレンガヌは試合開始から積極的に攻め続けますが、ペナンのGKブライアン・シーの好守などもあり得点をあげることができません。その一方で守備ではペナン攻撃陣の高さの対応できず。1点目となったシェリディン・ボボエフのヘディングシュート、2点目の起点となったカサグランデのヘディング、3点目と4点目となったカサグランデのヘディングシュートはいずれもフリーで決められています。
 トレンガヌは前節のJDT戦に続いて21歳のハキミ・アブドラが2試合連続ゴールを決めたものの、反撃はこの1点のみ。順位を2位から4位に下げ、一方のペナンは4位から3位に浮上しています。

2021年5月1日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 5-0 UTIM
得点者:パハン-リー・タック(1分)、ペドロ・エンリケ(34分)、ムハマド・バキウディン・シャムスディン(66分)、エラルド・グロン(71分)、ムハンマド・ファーミ・モハマド・サブリ(73分OG)
 11位で今季ここまで1勝のパハンと12位で今季未勝利のUITMの対戦となったこの試合は、11位のパハンが12位のUITMを粉砕して、今季2勝目を挙げています。
 試合開始早々、リー・タックのゴールで先制したパハンはその後も得点を重ねで圧勝しています。一方のUITMはすでに契約解除となったのか、主将のヴィクトル・ニーレノルド以外の外国籍選手がベンチ入りせず、パハンの相手にはなりませんでした。

2021年5月2日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 1-2 スランゴール
得点者:PJ-V・ルヴェンティラン(25分)、スランゴール-イフェダヨ・オルセグン2(89分、90+3分)
 ともにスランゴール州を拠点とするスランゴールダービーでは、残り時間7分の間に一瞬、集中力の切れたPJ守備陣の隙をついてスランゴールのエースのイフェダヨ・オルセグンが同点ゴール、さらにロスタイムには決勝ゴールを決めて逆転勝ちしています。

2021年5月2日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 2-1 ペラ
得点者:サバ-アムリ・ヤハヤ(65分)、レヴィ・マディンダ(79分) 、ペラ-ナジルル・ナイム(27分)
 2勝4分4敗で9位のサバと2勝3分5敗で10位のペラが対戦し、40歳のアムリ・ヤハヤの2試合連続ゴールなどで終盤に得点したサバが逆転勝ちしています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第11節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT117312351824
2KDA117222012823
3PEN11641178922
4TFC116411511421
5SEL115331915418
6PJ1135310113-314
7KL113441412113
8SBH113441415-113
9MU113441416-2*10
10PRK112361116-59
11PHG112271118-78
12UITM110110326-231
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第11節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1イフェダヨ・オルセグン(SEL)11
2ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)9
3クパー・シャーマン(KDH)8
4カサグランデ(PEN)7
5ジョーダン・ミンター(TFC)他8名4
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

5月1日のニュース:スランゴールCEOは本田圭佑選手獲得を否定、MFLは選手をスポーツバブルの外に出さないよう再度クラブに通達、パハンにタイ代表FWアディサックが加入か、KLシティにはKL生まれオーストラリア育ちのMFが加入

スランゴールCEOは本田圭佑選手獲得を否定
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロはスランゴールFCのジョハン・カマル・ハミドンCEOとのインタビュー記事を掲載し、先日このブログでも取り上げた元日本代表の本田圭佑選手獲得の噂についてこれを否定しています。
 「現時点ではその噂は正確ではなく、本田圭佑選手に獲得オファーを出したことは一度もない。現在のチームが獲得を目指しているのは、大物選手ではなく、潜在能力が高い若い選手である。」と話したジョハンCEOは、DFシャルル・ナジーム、MFアリフ・ハイカルといったレギュラーポジションを掴みつつある若手選手を例に挙げて、外国籍選手は気候や日程などMリーグの環境に慣れるまでしばらく時間がかかったものの、現在はトップチームにいる若手選手と経験のある外国籍選手とでバランスのとれたチームができつつあると述べています。
 また5月3日から30日までのトランスファーウィンドウ期間中の補強については、代表チームのW杯予選出場によるMリーグ中断期間までの残り3試合の状況やケガ人の回復状況などを元に判断したいと話す一方で、現在のバランスがとれたチーム構成には満足しているとも話しています。
******
 本田選手移籍の噂を伝えるニュースを取り上げた際のブログでも書きましたが、チーム編成上は本田選手は現在のスランゴールが必要とする選手ではないように思います。もちろん興行的には本田選手がMリーグに加入してくれればその影響は大きいでしょうが、現在、Mリーグ各クラブに求められている「身の丈にあった」経営という観点からも本田選手のスランゴール入りは現実的ではなさそうです。

MFLは選手をスポーツバブルの外に出さないよう再度クラブに通達
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、Mリーグ各クラブに対して、チーム内での新型コロナウィルス感染を防止するため、厳格に標準作業手順SOPを厳守しいわゆるスポーツバブルの外に選手を出さないよう、改めて通達を出しています。
 さらに新型コロナウィルス感染者が出たクラブに対しては勝点剥奪(はくだつ)や対戦予定の相手を不戦勝とするなど厳しい罰則を科すことについても言及したアブドル・ガニCEOは、選手に対してはショッピングモールや娯楽施設など多くの人が利用する場所へ行くことを避けることを、そして各クラブに対しては選手たちが試合会場、練習会場と自宅というスポーツバブルの外へは出ないよう指導を強化することを求めています。
 アブドル・ガニCEOがこのように厳しいSOP順守を求めたのは、先週、マレーシア代表バドミントンチーム内で数名の感染者が確認された後、その数が一気に倍以上に増え、保健省の指導のもと練習が完全に中止され、現在もその練習が再開されていない状態が続いていることがあります。

パハンにタイ代表FWアディサックが加入か
 Mリーグ1部スーパーリーグ第10節を終えて1勝2分7敗で11位と不振を極めるスリ・パハンは、5月3日に開くトランスファーウィンドウ期間中に大幅にメンバーが入れ替わることが予想されていますが、その新戦力の一人がタイ代表FWのようです。
 スポーツ専門サイトのスカンズは、今季はタイ1部のムアントン・ユナイテッドFCからポートFCへ期限付き移籍していたタイ代表FWアディサック・クライソーンがスリ・パハンと今季2021年シーズンが終了する7月半ばまでの期限付き移籍で加入することが決定的で、所属先のムアントン・ユナイテッドFCとは契約内容で合意していると報じています。またスリ・パハンは現在、アディサック選手が所属しているポートFCに早期のリリースを求めているとも報じています。
 30歳のアディアック選手は今季は29試合に出場し11ゴールを挙げ、ポートFCの今季3位とAFCチャンピオンズリーグ出場資格獲得に貢献した他、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に出場するタイ代表候補47名にも含まれています。
 このブログでは既にミャンマーU23代表FWのアウン・カウン・マンのスリ・パハン加入について取り上げましたが、今回のアディサック選手の他にも、スリ・パハンはアルゼンチン出身で英国2部シェフィード・ウェンズデイFCU23でプレーした21歳のMFマヌエル・イダルゴや南スーダン出身で昨季までオーストラリア1部Aリーグのメルボルン・ヴィクトリーでプレーしたFWケニー・アティウといった選手の加入の可能性についてもこのスカンズは報じています。

KLシティにはKL生まれオーストラリア育ちのMFが加入
 今季1部スーパーリーグに昇格し、第10節を終えて3勝3分4敗で7位につけるKLシティに地元KL出身でオーストラリア育ちの選手が加入するとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 22歳のライアン・ランバートは、昨季はオランダ2部リーグのFCデン・ボスのU21チームで双子の兄でDFデクラン・ランバートとともにプレーしていました。
 デクラン、ライアン両選手とも英国やオーストラリアに加えてマレーシア代表としてプレーする資格もあるということなので、Mリーグでの活躍次第ではマレーシアU23代表、さらにはフル代表の新戦力となる可能性もあるとヴォケットFCの記事は結んでいます。

Mリーグ1部スーパーリーグ第10節結果

 開幕から1週間に2試合のペースで試合が行われてきたMリーグですが、イスラム教の断食月が始まった事により1週間に1試合となっています。そんな中、今節は大波乱が起こりました。
 各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。

2021年4月23日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン 3-2 KLシティ
得点者:クダ:モハマド・ファイヤド・モハマド・ズルキフリ・アミン(71分)、クダ:チェチェ・キプレ2(90+3分PK、90+6分)、KL-パウロ・ジョズエ(49分)、ジャンカルロ・ガリフオコ(79分)
 これ以上首位JDTには離されたくないクダはリードを許したまま終盤を迎えても集中力が切れず、最後は執念の逆転勝ちで3位をキープしています。
 クダはケガから調整が遅れていた守備のキーマン、レナン・アルヴェスが今季初出場を果たしたものの、累積警告による出場停止処分でチーム得点王のクパー・シャーマンを欠く攻撃陣が再三チャンスを作りながらもそれを生かせず、KLにリードを許したままロスタイムに入りました。しかし90+3分には途中出場のロザイミ・ラーマンがゴールエリアで倒されて得たPKをキプレが決めて同点、その3分後にはKLゴール前の混戦からレナン・アルヴェスがヘディングで競って落としたボールをキプレが決めて逆転勝利。1点目のアシストと含めて2ゴール1アシストのチェチェ・キプレがマンオブザマッチとなる活躍でチームを勝利に導きました。

2021年4月23日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 2-2 サバ
得点者:スランゴール:イフェダヨ・オルセグン2(57分、72分)、サバ:アムリ・ヤハヤ(31分)、ボビー・ゴンザレス(88分)
 スランゴール州出身でスランゴールで400試合以上した経験を持つレジェンド選手ながら、首脳陣の起用方法への不満から退団し、昨季は2部プレミアリーグでプレー、今季サバへ移籍したアムリ・ヤハヤが40歳3ヶ月と2日でMリーグ最年長得点者記録となるゴールを決めてサバが先制するも、スランゴールはエースのイフェダヨ・オルセグンの2ゴールで逆転し、このまま試合終了かと思われた88分にもう一人のベテラン37歳のボビー・ゴンザレスが同点ゴールを決め、サバが引き分けに持ち込んでいます。
 スランゴールはセカンドチームから昇格させたミャンマー出身の19歳MFハイン・テット・アウンを試合途中で投入しましたが、この試合では21歳のシャルル・ナジームやダニアル・アスリ、20歳のジョーダン・アイムビラやアリフ・ハイカル、そして19歳のムカイリ・アジマルの6名が先発しています。順位は5位ながら、上位陣との勝点差がすこしずつ開き始めており、今季の優勝は難しくなってきましたが、目先の勝利ではなく若い選手を育てながら勝とうという姿勢は早ければリーグ後半から結果が出てくるかも知れません。

2021年4月23日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダルプテリ)
トレンガヌ 1-0 KLシティ
JDT 0-1 トレンガヌ
得点者:トレンガヌ-モハマド・ハキミ・アブドラ(57分)
 昨季2020年から本拠地となったスルタン・イブラヒムスタジアムでは無敗神話を積み重ねてきたJDTがついに敗れる波乱となったこの試合は、3年越しとなるMリーグ22試合目にしてJDTが初めて負けた試合にもなりました。
 試合はJDT優勢で進むものの、現在リーグ得点王のベルグソン・ダ・シルヴァを初めてとする攻撃陣が得点機を生かせないまま、56分にJDTのDFアダム・ノー・アズリンとMFナチョ・インサのミスをついて21歳のモハマド・ハキミ・アブドラのシュートが決まり、トレンガヌが先制しました。それまでもアダム選手は不安定なプレーを見せていたので、そこをトレンガヌのFWデヴィッド・ダ・シルヴァが突き、そのミスを生かしてハキミ・アブドラ選手が得点した形です。JDTはそこからギアを上げて反撃に転じますが、それをトレンガヌが防ぎきり、2018年以来3年ぶりの対JDT戦勝利を挙げています。

2021年4月24日@シティースタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 3-0 スリ・パハン
得点者:エンドリック(11分)、ダニアル・アシャラフ(26分)、ジェフリー・フィルダウス・チュウ(90+1分)
 過去7試合負けなしのペナンと過去6試合勝ちがないパハンの勢いの差が如実に現れた試合はペナンが快勝しています。わずか開幕2試合でトーマス・ドゥーリー監督を「休養」させたもののチームの成績は変わらないどころか悪化しているようにさえ見えますが、ドラー・サレー監督を「休養」させられないスリ・パハン経営陣の責任はますます重くなっています。

2021年4月24日@UITMスタジアム(スランゴール州シャーアラム)
UITM 0-1 PJシティー
得点者:PJ-タミルマラン・マニマラン(82分)
 昨季は1部昇格直後のシーズンで6位と大健闘したUITMですが、経営陣はその功労者でもあるフランク・ベルンハルト監督との契約を延長せず、彼に代わる新たな指揮官との契約を模索しましたが結局、ベルンハルト監督の契約を更新。しかし今季は外国籍選手がほぼ入れ替えられたことで成績不振となり、その結果ベルンハルト監督は「休養」となりました。しかしこの試合の後にはベルンハルト監督の「休養」からの復帰が発表される迷走ぶりを見せるUITMがダントツの最下位なのは納得です。
 一方Mリーグ1部スーパ=リーグで唯一、外国籍選手を一人も登録せず全員がマレーシア人選手というチーム構成のPJシティーは開幕前の下馬評を裏切ってこの試合前までは7位という成績でしたが、UITM相手に接戦ながら勝利、現在の成績は外国籍選手云々が理由ではないと証明したような勝利でした。

2021年4月25日@ペラスタジアム(ペラ州イポー)
ペラ 0-1 マラッカ・ユナイテッド
得点者:ワン・ザハルルニザム・ザカリア(61分)
 9位ペラと10位マラッカ・ユナイテッドの対戦は、現在スランゴールでプレーするワン・ザック・ハイカルとともにFC琉球のトライアウトを受けたこともあるワン・ザハルルニザム・ザカリアの今季初ゴールで勝利し8位に上昇、敗れたペラは順位を一つ下げて10位になっています。

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第10節終了時)

 ClubGWDLGFGAGDP
1JDT107212351823
2TFC10631147721
3KDA106221711620
4PEN10541137619
5SEL104331715215
6PJ10352911-214
7KL103331211112
8MU1034313130*10
9SBH102441214-210
10PRK102351016-69
11PHG10127618-125
12UITM9019321-181
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
ラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ

2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第10節終了時)

選手(所属クラブ)ゴール数
1ベルクソン・ダ・シルバ(JDT)9
イフェダヨ・オルセグン(SEL)9
2クパー・シャーマン(KDH)6
3カサグランデ(PEN)5
4ジョーダン・ミンター(TFC)他5名4
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-クアラルンプールシティ