1月24日のニュース:スランゴールFCは中国遠征の予定を変更せず、元スランゴールFAのレジェンドはMFL2部のクラブと契約

スランゴールFCは中国遠征の予定を変更せず
 マレーシアのメディアは(おそらく世界中のどの国も)中国湖北省武漢市が発生地とされる新型コロナウイルスによる肺炎患者数日に日に増加している話を取り上げていますが、その武漢市からおよそ1000キロほど離れた広東省梅州市五華県をホームとする梅州客家(メイゾウハッカ)FCが主催する梅州客家カップへの出場を予定しているスランゴールFCは、1月24日から27日まで開催される大会への出場方針を変更しないと、マレーシア版Goal.comが伝えています。
 新型コロナウイルスによる肺炎患者発生のニュースが広がるにつれて、ソーシャルメディア上では、スランゴールFCの大会出場が疑問視されていましたが、チームマネージャーのマハフィズル・ルシディン氏は、大会参加は3ヶ月前に決まっていたことから、マレーシア政府による渡航禁止警告などが出されない限り、参加中止はできないとしています。また、専門医の意見をもとに状況を監視し、選手に対しても必要なアドバイスを行うなど、中国滞在中は充分な予防措置を取ることで心配する必要はないと、メディア向けに出された声明の中で述べています。
 この大会はホストの中国2部リーグの梅州客家FCとスランゴールFCの他、タイ1部リーグのチョンブリーFC、韓国1部リーグの尚州尚武FCの合計4クラブが参加します。
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 ケガから療養中のルフィアノ・セゴヴィア、ワン・ザック・ハイカル、ノーハキム・ハサンらはマレーシアに残るようですが、それ以外の主力は全員が参加するようです。しかしこの状況下で、中国まで出かけて行かなくても…と思うのですが、とにかくスランゴールFCの選手、スタッフ全員が無事に帰ってきてくれる事を祈りましょう。

元スランゴールFAのレジェンドはMFL2部のクラブと契約か
 昨季終了後、スランゴールFA(現スランゴールFC)のレジェンドで多くのサポーターからカルト的な人気を集めていたアムリ・ヤハヤは、バスカラン・サティアナタン監督と反りが合わない事を公言してスランゴールFAとの契約を1年残しながら退団しましたが、そのアムリ・ヤハヤがマレーシアフットボールリーグMFL2部のサラワク・ユナイテッドと契約したと、スポーツ専門サイトのフォックススポーツが報じています。
 昨日1月23日にKLFAスタジアムで行われたクアラルンプールFA戦にサラワク・ユナイテッドのメンバーとして出場したアムリ選手は、ケランタンFAから加入したファウジ・ロスランやフェルダ・ユナイテッドから加入したスピアー・チャントゥル、そして昨季はクアラルンプールFAでプレーしたサラワク出身のアスリ・チュチュらとともに、サラワク・ユナイテッドの若い選手たちを引っ張っていく役割が期待されていると、フォックススポーツは伝えています。
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 アムリ選手は退団の際に「スランゴールFAは来季、自分がプレーするチームに勝つことはできないだろう」と挑発的なコメントを残したのですが、MFL2部のサラワク・ユナイテッドがMFL1部のスランゴールFCと対戦するとすれば、リーグ戦ではなくカップ戦のマレーシアFAカップかマレーシアカップとなります。
 また同じフォックススポーツの記事では、M3リーグ2位のクチンFAとの入れ替え戦に敗れてM3リーグに降格になった昨季MFL2部最下位のサラワクFAは、サラワク・ユナイテッドのBチーム、サラワク・ユナイテッドIIとして今季はM3リーグでプレーするとMFLが発表しています。

1月21日のニュース:スランゴールFCは今季初タイトルを逃す、フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得、M3リーグ改革案が発表される

スランゴールFCは今季初タイトルを逃す
 スランゴール州のシャーアラムスタジアムで開催されていたスランゴールアジアチャレンジSACは、ホストのスランゴールFCとバンコク・ユナイテッド(タイ)がいずれも1勝1分得失差3で並んだ結果、PK戦が行われ、バンコク・ユナイテッドが4−2で勝利し優勝しました。
 スランゴールFCは初戦でプルシブ・バンドン(インドネシア)に3-0、バンコク・ユナイテッドは同じくハノイFC(ベトナム)に3-0と快勝しており、この試合が優勝決定戦でした。なお優勝したバンコク・ユナイテッドは、優勝賞金1万米ドル(およそ110万円)を獲得しています。
 また3位決定戦となったプルシブ・バンドン対ハノイFCの試合は、プルシブ・バンドンが前半2−0とリードしたところで、豪雨のため終了となっています。
(以下はスランゴールFC対バンコク・ユナイテッドの試合のダイジェストです-スランゴール州サッカー協会FASのYouTubeチャンネルより)

フェルダUは退場者を出しながらタイトル獲得
 インドネシアのメダンで開催された大会に出場したフェルダ・ユナイテッドFCは、最終戦で退場者を出しながらも、ボーウング・ケット・アンコールFC(カンボジア)を1-0で破って優勝しています。
 メダンで開催されていたエディ・ラーマヤディカップには、ホストのPSMSメダン、フェルダ・ユナイテッド、ボーウング・ケット・アンコールFC、そして同じMFL(2部)のペナンFAが出場していました。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、初戦のPSMSメダン戦でもファイズ・マズランが退場になりながらも、新外国籍選手のニコラス・ヴェレズとアクマル・ハイカルのゴールで2−1と勝利しています。
 最終戦となったボーウング・ケット・アンコールFCでは、主将のジャサズリン・ジャマルディンが60分に退場となる展開となりましたが、その直後の65分にニコラス・ヴェレズが初戦に続きゴールを決め、1-0と逃げ切って優勝しています。
 フェルダ・ユナイテッドFCのニザム・ジャミル監督は、英字紙スター電子版のインタビューに対し、カウンター主体となるチーム戦術は改善の余地があるものの、両試合とも退場者を出し10名となりながらも、チーム全員が見せた勝利への執念を評価したいと述べています。
 フェルダ・ユナイテッドFCは、今季、外国籍選手を総入れ替えしましたが、今大会で2得点を挙げたFWニコラス・ヴェレズの他、加入後の初の対外試合となったDFニコラ・ラスポポヴィッチ(セルビア)のピッチ上でのリーダーシップ、右サイドでのMF恵龍太郎の動きなど、外国籍選手とマレーシア人選手の連携が改善したとする一方で、FWフレデリック・ビュロ(ガボン)にはもう少し時間が必要だろうと話し、開幕までのおよそ1ヶ月でその点を改善したいとも話しています。
 なお3位/4位決定戦に回ったペナンFCは、PSMSメダンとフルタイムで1-1となった後、PK戦5−4で3位を獲得しています。
(写真左はフェルダ・ユナイテッドFC、右はペナンFAのFacebookより)

M3リーグ改革案が発表される
 マレーシアフットボールリーグMFL3部にあたるM3リーグは、昨季は14クラブが参加し、プロとアマが混在するアマチュアフットボールリーグAFLという扱いでしたが、これを段階的にセミプロリーグとする案をAFLのダト・モハマド・ユソフ・マハディ最高責任者(チェアマン)が発表しています。
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、今季2020年シーズンのM3リーグは6クラブを新たに加え総勢20クラブでスタートし、今季終了後、成績上位クラブの内、クラブ運営において経済上の問題がないことが認められた12クラブは、そのまま来季2021年シーズンもM3リーグ所属となり、これ以外の残り8クラブはMFL4部にあたるM4リーグの今季上位4クラブとともに来季のM4リーグを構成するということです。
 この改革案についてモハマド・ユソフAFLチェアマンは、MFL2部プレミアリーグとMFL3部M3リーグとの間で入れ替え戦があることから、M3リーグのレベルアップに加え、両リーグ間のレベル差が離れ過ぎないようすることが目的であるとし、2021年シーズンからはM3リーグはセミプロリーグ、M4リーグ以下がアマチュアリーグという位置づけになるとしています。
 なお今季のMFL2部プレミアリーグには、昨季のM3リーグチャンピオンのケランタン・ユナイテッドが自動昇格、また昨季2位となった鈴木裕太選手が所属するクチンFAがプレミアリーグ最下位のサラワクFAとの入れ替え戦に勝利して、昇格を勝ち取っています。
 また、モハマド・ユソフAFLチェアマンは、チャレンジカップ(MFL1部と2部のクラブの内、マレーシアカップに出場しないクラブが出場するカップ戦)へM3リーグ所属クラブにも出場枠を設けるようチャレンジカップを主催するMFLへAFLから働きかけていることも明かしています。
 この他、モハマド・ユソフAFLチェアマンはM3リーグ所属のクラブに対し、そのリーグ所属権を他のクラブへ譲渡しないよう警告し、所属権譲渡の最終決定権はAFLにある事を強調しています。
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 興味深いのはモハマド・ユソフAFLチェアマンが最後に述べたリーグ所属権の譲渡についてです。上でも書きましたが、昨季MFL2部プレミアリーグで最下位だったサラワクFAは、クチンFAとの入れ替え戦に敗れてM3リーグ降格となりましたが、その後、サラワクFAは、プレミアリーグのスランゴール・ユナイテッドの経営権を買い取り、サラワク・ユナイテッドとチーム名を変えてプレミアリーグに残留するという荒技を駆使しています。
 MFL役員でもあるモハマド・ユソフAFLチェアマンは元記事の中で、リーグ所属権の譲渡を「健全でない文化」budaya tidak sehatと呼んで、この行為を糾弾していますが、下位リーグ降格危機を金銭で解決したサラワク・ユナイテッドの件が念頭にあるのは明らかです。

観戦記:1月18日ハノイFC対バンコク・ユナイテッドFC-セランゴールアジアチャレンジ@シャーアラムスタジアム

18分にはハノイFCがPKを得るも主将のグエン・バン・クエットのシュートはバーの上を超えていきます。
スタジアム内のスタンド下には、この大会を盛り上げるために、SACに参加するクラブの国の食べ物を売る屋台が出ていました。こちらはインドネシア料理を売る屋台です。
こちらはタイ料理の屋台。グリーンカレーなどが売られています。

1月18日のニュース:かつての同僚がSACで対戦、マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る

かつての同僚がSACで対戦
 本日1月18日から2日間の予定でスランゴール州シャーアラムスタジアムで開催されるスランゴールアジアチャレンジSACは、主催するスランゴールFCと東南アジアの3クラブが参加する大会です。
 参加クラブのうちの一つであるプルシブ・バンドン(インドネシア)の監督は、かつてマレーシアでも複数のクラブで監督の経験があるロバート・アルバーツ氏です。アルバーツ氏は1990年代に監督を務めたクダFAでリーグ優勝とマレーシアカップ優勝を経験している他、2000年代と2010年代にはサラワクFAでも監督を務め2部リーグで優勝、この他、インドネシアやシンガポールでもリーグ優勝経験があり、東南アジアサッカー界のカリスマ監督の一人です。
 またアルバーツ氏は、マレーシアサッカー協会FAMのもとで2005年から2008年までテクニカルダイレクターTDやU19代表の監督を務めた経験もあります。そしてそのTD時代に、同じFAMでU23代表の監督をしていたのが今回の大会のホストであるスランゴールFCを率いるサティアナタン・バスカラン監督です。長年の知り合いであるというこの二人はかつてアーセナルがマレーシアで開催するサッカーアカデミーで一緒に指導していた経験もあります。
 今回のプルシブ・バンドンは、経験の浅い若手選手や新外国籍選手候補など、この大会で契約獲得を目指す選手で構成されており、アルバーツ監督が「サティアナタン監督は戦略家だが、ウチのチームの情報はほとんど持っていないだろう」と軽くジャブを放つと、サティアナタン監督は「未契約選手が多いチームは、(契約獲得のために)コーチに好印象を持ってもらおうと全員が全力でプレーしてくるので厄介だ」と切り返し、大会前の公式記者会見でも火花を散らしています。

マレーシアとインドネシアのサッカーの違いをプルシブ・バンドンの監督が語る
 前述したように、マレーシアとインドネシアで指導経験が豊富なアルバーツ氏は、英字紙スター電子版で両国のサッカー界の違いを述べています。
 マレーシア人自身が「設備や施設は一流国並み、精神構造は三流国並み」という言い方を自虐的にすることがありますが、アルバーツ氏はサッカーにもこれが当てはまると指摘し、マレーシアのサッカー組織は一流だが、文化としてのサッカーは貧弱であるとし、以下のようなコメントを出しています。
 「マレーシアではいつからシーズンが始まるか分かっているので、それに合わせて各クラブはプレシーズンの練習を開始するが、インドネシアではいつ開幕かがわからないことがよくある」
 「プロサッカーでは目標を設定し、そこへ向かって努力するためにはそういったこと(スケジュールの確定)が欠かせないので、マレーシアの方が明らかに進んでいる」
 「組織という点では、インドネシアはマレーシアが現在、到達しているレベルを目指している状況である。しかしそのレベルまで達することができれば、サッカーへの情熱、豊かな才能といったことを考えると、インドネシアは東南アジアのサッカーを席巻できる可能性がある」
 「特にサッカーへの情熱という点では、インドネシアはマレーシアを凌駕している。どんな小さな街にでもスタジアムがあり、大半のスタジアムに多くのファンが常に詰め掛け、贔屓(ひいき)のクラブに対して情熱的なサポーターが多い。また、国内リーグという点では、インドネシアでは既にピラミッドが出来上がっており、多くのクラブがトップを目指して激しく競争している」
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 アルバーツ氏が述べているように、国内のクラブ同士の競争の熾烈さ、サポーターの熱狂度合いでは、インドネシアは既にマレーシアを上回っているように感じます。またインドネシアは人口が2億7000万人を超える一方で、マレーシアの人口は3300万人弱、他のアジアの国々と比べても、国の規模そのものが違っており、タレント持った選手が育つ確率が同じだとすれば、東南アジアどころかアジアのサッカー強国になる可能性するあります。


 
 

1月14日のニュース:前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に、カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了

前PKNS FC監督は国外のクラブでの指導を視野に
 スランゴールFA(現スランゴールFC)に吸収合併され、スランゴールFCのBチームとなったPKNS FC前監督のラヤゴパル・クリシュナサミ氏は、マレーシア国外での監督に興味を持っているとマレー語氏シナルハリアン電子版が伝えています。
 現役時代にもプレーしたPKNS FCの他、ケランタンFA、スランゴールFA、サラワクFAでも監督経験のあるラヤゴパル氏は、昨年2019年10月に開幕したインドスーパーリーグISLで、12試合を経過した時点で8位に低迷するチェンナイインFCの監督就任が噂されていました。しかしジョン・グレゴリー監督が解任され空席となった監督のポストにはオーウェン・コイル氏が就任したことから、この話は立ち消えになってしまいました。
 ラヤゴパル氏自身はシナルハリアンの取材に対し、現在も東南アジアのクラブでの監督就任を希望している一方で、新たなシーズンに向けて多くのクラブで監督がすでに決まっていることを認めています。
 ラヤゴパル監督は、フル代表の監督として2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝している他、その前年2009年にはU22代表監督として東南アジア競技大会通称シーゲームズでも金メダルを獲得するなど現役監督しての実績はトップクラスです。フル代表監督を退いた2014年にはベトナム代表監督候補という報道もでるなど、その評価は国外でも高いようなので、近いうちにどこかの国のクラブの監督に就任する可能性は大有りです。
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 国外で監督を務めたマレーシア人指導者としては、前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ(2007年にインドネシア1部リーグのプルシプラ・ジャヤプラで監督)やそのイルファン氏のコーチングスタッフとしてインドネシアに渡り、イルファン氏が帰国後もインドネシアに残り、現在はマレーシアよりもインドネシアで名前が知られているラジャ・イサ氏(現インドネシア2部リーグのPSPSリアウ監督)がいます。

カンボジアリーグ王者がマレーシアでのプレシーズンマッチツアーを終了
 マレーシアに遠征していた昨季2019年カンボジアリーグ王者のプレア・カン・リーチ・スヴァイ・リエンFC(PKRSR FC)が3試合のプレシーズンマッチを終えたとスポーツ専門サイトのフォックススポーツが伝えています。
 PKRSR FCはスランゴールFC、フェルダ・ユナイテッド、そして昨日のトレンガヌFCとMFL1部の3クラブと対戦し、それぞれ4−0、2-1、4-3と3戦全勝でツアーを終えています。
 このPKRSR FCは、昨季のカンボジアリーグでは20勝5分1敗(しかも1敗はリーグ最終戦)と国内リーグではダントツの強さを誇り、アイルランド出身のコナー・ネストー監督がアイルランドサッカー協会の育成コーチや国内リーグのリムリックFCのU19監督などを歴任後、カンボジアでの監督就任2年目で優勝チームを作り上げています。
 なお、PKRSR FCは1月22日と29日に行われるアジアサッカー連盟AFCカップの予選ラウンドではラオスのマスター7FCと対戦し、この試合に勝つとAFCカップ本選に出場します。

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 昨日のトレンガヌFCとの試合は、私も後半だけ観戦しました。主将のリー・タックらが出場していなかったせいもあるかも知れませんが、私が観戦した時間帯はほぼトレンガヌFCのハーフ内で試合が行われている印象で、トレンガヌFCは前線にボールが渡ることがあっても結局シュートまで結びつかず、私が観戦する前までにどうやって3点も取ったのだろうという印象でした。

12月28日のニュース:スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得 、スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる

スランゴール州サッカー協会がAMDから28名の選手を獲得
 スランゴール州サッカー協会FASは、モクター・ダハリアカデミーAMDの1期生28名と契約したことが明らかになりました。
 サッカー専門サイトのスムアニャ・ボラは、国家サッカー選手養成プログラムNFDPのサフィルル・アズリ・アブ・バカル元CEOが、NFDPの中核をなすエリート選手養成アカデミーであるAMDの第1期卒業生34名全員がFASからオファーを受け、その内、28名がFASと契約し、残りの6名はジョホール・ダルル・タジムJDTと契約したことを明らかにしたと報じています。
 FASと契約したAMD卒業生は、FASのプレジデントカップチーム(21歳以下)やユースカップチーム(19歳以下)に所属する他、FASが統括するマレーシアフットボールリーグMFL1部に所属するスランゴールFCのBチームで、MFL2部に所属するスランゴールFC IIでプレーする可能性もあります。
 その一方でスムアニャ・ボラでは、このAMD出身者の獲得がFASのプレジデントカップチームやユースカップチームでプレーした選手たち、さらにはスランゴールFCに「吸収合併」されてしまったPKNS FCのプレジデントカップチームやユースカップチームの選手たちの今後にどのような影響を与えるのか、と問題提起もしています。
 特に選手育成に定評のあったPKNS FCは今季も、プレジデントカップで優勝ユースカップでは準優勝と結果を出しているだけに、その選手たちがどのようになるのかは気になります。またスランゴールFCと名称を変更したスランゴールFAもプレジデントカップとユースカップでは準決勝に進出しており。AMD出身者の加入の影響はこちらにも出るでしょう。同じようにBチームを持つジョホール・ダルル・タジムJDTやトレンガヌFC(TFC)は、JDT IIIやTFC IVといった形でプレジデントカップやユースカップに出場しているので、スランゴールFC IIIやスランゴールFC IVが編成されることになると思いますが、元スランゴールFAのプレジデントカップチームの登録選手30名、ユースカップチームの登録選手30名、元PKNS FCの選手それぞれ30名ずる、そして今回獲得したAMD卒業生28名が、スランゴールFC IIIとスランゴールFC IVの30名ずつの登録枠を競い合うことになります。
 しかしそうなった場合、U17代表やU19代表などで国外大会の経験も豊富なAMD卒業生は明らかに有利な立場にあり、今季スランゴールFAやPKNS FCでプレーし、結果を出した若手の多くが他チームへの移籍、あるいは退団を迫られることになります。
 スムアニャ・ボラの記事は、今後もAMD出身者を獲得することで、FASは自らが育てた有望選手の才能の芽を摘むことにならないかを危惧していると結んでいます。

スランゴール州サッカー協会は自前のアカデミーを国内最高にする抱負を述べる
 上記のような記事が出る一方で、マレー語紙シナールハリアン電子版では、FASが自前のアカデミーを数年のうちに国内で最高のアカデミーとする抱負を述べていると報じています。
 FASのミハエル・フェイヒテンベイナーTD(テクニカルダイレクター)はシナールハリアンとのインタビューで、アカデミーでの選手の指導は短期間で結果が出るものではないとする一方で、新たに導入される選手の指導体系によって、数年後には変化の兆しが見えるようになるだろうと述べています。
 またスランゴールFCのBチーム、スランゴールFC IIの監督も務めるフェイヒテンベイナーTDは、スランゴールFC IIは選手育成に特化し、若い選手により多くの出場機会を与えたいとしています。
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 当初はスランゴールFC IIは外国籍選手を獲得せず、若手選手に出場機会を与えるとされていましたが、MFL2部から降格することになれば、高いレベルでの試合に出場する機会が減るとして、外国籍選手獲得可能性も示唆されています。クラブの目的が選手の育成なのか、MFL2部残留なのか、スランゴールFC IIが迷走しないか気になります。

12月17日のニュース:スランゴールFCのサードジャージが大人気、スランゴールFA IIは外国籍選手加入を否定せず、スランゴールFCがアジアチャレンジ2020を開催、KLFAはM3リーグでプレーするBチーム設立を検討

スランゴールFCのサードジャージが大人気
 スランゴールFC(スランゴールFAから名称変更)のサードジャージが大人気となっていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が伝えています。
 12月14日にホームのシャーアラムスタジアムで行われたスランゴールフットボールデー2019の席上でお披露目されたスペインのメーカー、ホマ社製サードジャージは上下、ソックスとも黒一色。しかも限定2000着となれば、マレーシア語で言うところの「揚げたてのゴレン・ピサンのように」よく売れているようです。(ゴレン・ピサンとは、マレーシアで好まれるバナナフリッター。写真下)

 胸スポンサーは、スランゴールFCのBチームとなってしまったPKNS FCの親会社PKNS(スランゴール州開発公社)が採用されているのは皮肉ですが、このスポンサー名は暗闇で光る仕様に、また背番号と選手名は白地になっています。
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 2019/2020年シーズンに創立100周年を記念して作られたボルシア・ドルトムントのパクリでは、などといった声もソーシャルメディア上で出ていますが、カッコ良いので細かなことは気にしません。ちなみに価格はサポーター使用、選手仕様ともに119リンギ(およそ3150円)となっています。

スランゴールFC IIは外国籍選手加入を否定せず
 MFL1部のPKNS FCを、同じMFL1部のスランゴールFA(現スランゴールFC)が吸収合併してBチーム化したスランゴールFC IIは、若い選手に出場機会を与えるというBチーム本来の目的を果たすため、来季2020年は外国籍選手とは契約しないとしていましたが、スランゴールFCとスランゴールFC IIを統括するスランゴール州サッカー協会のジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、MFL3部のM3リーグ降格の可能性がある場合には外国籍選手の獲得には躊躇(ちゅうちょ)しないと発言していると、マレー語紙シナルハリアン電子版が伝えています。
 外国籍選手との契約は、スランゴールFC IIのテクニカルダイレクターも兼任するドイツ人のミハエル・フェイヒテンベイナー新監督が必要とする場合に限るとしながらも、ジョハン・カマル事務局長は、スランゴールFC IIがM3に降格すれば、若手選手を高いレベルのリーグに参加させるというBチーム本来の目的を果たせないとして、当初の発言を翻しています。
 なお、同じ記事の中では、スランゴールFC IIの新監督が決定したことにより、PKNS FCのクリシュナサミ・ラヤゴパル監督との契約は解除となったことや、PKNS FCと契約が残っている選手はスランゴールFCでプレーすることなども合わせて報じられています。

スランゴールFCがアジアチャレンジ2020を開催
 この他のスランゴールFC関連のニュースとしては、来年2020年1月18日と19日の日程で、東南アジアの4クラブによるアジアチャレンジ2020と称する大会をがホームのシャーアラムスタジアムで開催されることも発表されています。今季MFL3位のスランゴールFCが主催する大会に参加予定のクラブは、ハノイFC(ベトナム、今季ベトナム1部リーグ優勝)、バンコク・ユナイテッド(タイ、同準優勝)、ペルシブ・バンドンFC(インドネシア、同7位)の3クラブです。
 スランゴール州サッカー協会のジョハン・カマル事務局長は、プレーシーズンマッチとしてだけでなく、アジアを目指すスランゴールFCが近隣諸国の強豪と対戦することで存在感を示すことが目的とていること、またこの大会では各クラブとも2試合ずつを行い、優勝クラブには賞金としては1万米ドルが与えられるとGoal. comの取材に答えています。
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 ブレンダン・ガン(ペラTBGより移籍)、サフワン・バハルディン(パハンFAより移籍)、ニコラス・スウィラッド(PKNS FCより移籍)などを獲得し、来季の優勝候補の一つに躍り出た新生スランゴールFCのお披露目となる大会ですが、個人的には、ブリーラム・ユナイテッドから元日本代表の細貝萌選手が移籍したことで話題になっているバンコク・ユナイテッドとの対戦が注目カードです。

KLFAはM3リーグでプレーするBチーム設立を検討
 来季はスランゴールFC IIとペラTBG IIが参加するMFL2部。既存のJDT IIとトレンガヌFC IIと合わせ、リーグ所属12チーム中4チームがBチームという少々不思議なリーグになっていますが、今季からこのMFL2部でプレーするクアラルンプールFA(KLFA)は、MFL3部にあたるM3リーグにBチーム設立を検討していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 今季MFL1部で最下位12位となり、MFL2部に自動降格となったKLFAは、2021年のMFL1部復帰を目指していますが、それとは別に若手選手の出場機会を増やすためのBチーム設立を検討していることを、クアラルンプールサッカー協会のノクマン・ムスタファ事務局長が明らかにしています。ムスタファ事務局長は、これまでの移籍選手に依存したチーム強化から、自らの下部組織出身の選手を育てることに注力したいと述べ、U19やU21チームの選手がAチーム入りするための準備として、出場機会のない若い選手たちにより多くの実戦経験を積ませたいとしています。
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 地元KL出身のKLFAの選手で代表チームに招集されたのは、今回のシーゲームズのU22代表にオーバーエイジ枠で招集されたイルファン・ザカリアが8年ぶりとなるほど(しかしイルファン選手も来季はクダFAでプレー)、KLFAには地元出身の有力選手が枯渇しています。今季フル代表に招集されたハディン・アズマン(クダFA)、ダニアル・アミール(フェルダ・ユナイテッド)やコギレスワラン・ラジ、ディネシュ・ラジャシンガム(いずれもパハンFA)などKL出身の有力選手は決して少なくはありませんが、KLFAを統括するクアラルンプールサッカー協会が人材流失を防ぐ努力をしてこなかった結果、地元に有力選手が残らず、KLFAもMFL2部で戦うことになったと言えるかも知れません。

12月15日のニュース:2021年のACLとAFCカップの割り当て決定、MFLは各クラブへ放映権料支給を取り止め、スランゴールFA監督がシーゲームズの結果についてコメント

2021年のACLとAFCカップの割り当て決定
 アジアサッカー連盟AFCが主催するアジアのクラブ王者決定戦AFCチャンピオンズカップACLは、2021年からは現行の32チームから40チームへと本戦出場チーム数が拡大しますが、これに伴いACLの各国割り当て枠が変更になり、マレーシアはこれまでの1+1(本戦出場枠1つと予選プレーオフ出場枠1つ)から1+0(本戦出場枠1つと予選プレーオフ出場枠0)へと、実質的には出場枠減になっています。
 なお来季2020年は、マレーシア国内最上位リーグとなるマレーシアフットボールリーグMFL1部優勝チームのジョホール・ダルル・タジムJDTがACL本戦に出場、全国レベルの国内カップとなるマレーシアFAカップ優勝のクダFAがACL予選プレーオフに出場となっています。
 なお今回の変更により東南アジアの各国は、AFC東地区でAFC加盟協会(MA-Member Association)ランキングが4位のタイが2+2、6位のフィリピンは1+1、8位のベトナム、9位のマレーシア、10位のシンガポールはいずれも1+0、12位のミャンマーは0+1の出場枠を割り当てられています。
 また今回のACLの出場枠割り当て変更に伴い、2021年AFCカップへの出場条件も変更になり、本選出場枠、予選プレーオフ出場枠を問わずACL出場枠が1つ以下のAFC加盟協会にはAFCカップの出場枠が与えられることになりました。この結果、マレーシアは本戦出場枠が2枠となり、来季2020年MFL1部2位のチームとマレーシアFAカップ優勝チームに出場権が与えられます。
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 ACL予選プレーオフ枠は減ったものの、AFCカップ出場枠が2つ増えたことで、より多くのクラブが東南アジアで、さらにはアジアで力試しをする機会を得ることになりました。ACLとAFCカップに出場するクラブは、結果を出し続けてACLの出場枠を従来の1+1に引き戻すことを目指して欲しいです。

MFLは各クラブへ放映権料支給を取り止め
 マレーシアフットボールリーグMFLは、ホームページで所属各クラブへ分配予定だった放映権料の残りの支給を行わないことを正式に発表しています。
 緊急臨時総会を開いたMFLのダト・ハミディン・アミン会長は、MFLが抱える不安定な経営状況を回復させる必要があることから今回の決定に至ったと説明する一方で、今年2019年7月にはその不安定な経営状況下で各クラブに約束していた放映権料の半額を支払ったことへの理解を求めています。今年7月の時点では、MFL1部クラブには150万リンギ(およそ3970万円)が、MFL2部クラブには50万リンギ(およそ1320万円)が支給されています。
 また来季2020年分の放映権料については、MFLが得る放映権料と商業利益が総額が1800万リンギ(およそ4億7600万円)以下の場合には従来のMFL1部300万リンギ、MFL2部100万リンギから見直しを行うこと、そして2021年以降は放映権料分配は年末に行うことも併せて発表しています。
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 このブログでも取り上げたマレーシアのマルチメディア企業テレコムマレーシアTMとMFLの間で2018年1月に締結された8年間で4億8000万リンギ(およそ127億円)という放映権料を含む巨大なスポンサー契約が今年2月に打ち切られたことにより、MFLには期待していた放映権そのものが全く入らない中、各クラブに約束していた金額の半分を支給した(噂では、資金源はジョホール州皇太子で前MFL会長のトゥンク・イスマイル殿下のポケットマネー)のが7月でした。残りは8月、11月と支給予定日を先送りしてきましたが、結局、無い袖は振れぬ、ということでした。

スランゴールFA監督がシーゲームズの結果についてコメント
 2019年東南アジア競技大会通称シーゲームズのサッカー男子に出場したU22代表は、大会前は準決勝出場間違いなし、そこから何色のメダルが取れるか、と言われていましたが、結果は予選グループで敗退し、準決勝に進出することができませんでした。
 シーズン末の大会であったことから疲労の蓄積、あるいは参加した選手の意欲の欠如など、様々な理由がメディアを賑わせましたが、スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督は、この大会に臨んだ選手たちの姿勢が問題ではないかと指摘しています。FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に出場しているフル代表のメンバー7名を含むU22代表のメンバーは近年でも最高のメンバーであるとする一方、代表チームでプレーするということはサッカー選手にとって最高の栄誉であることを理解していない選手がいたのではないかと述べています。
 今大会で優勝したベトナムにもフル代表でプレーする選手が含まれていたことからシーズン末の大会であることや疲労は理由にならないだろうとし、マレーシアが初戦のミャンマー戦の引き分け以降、低下していったことを指摘、選手たちが準決勝進出を諦めてしまったように感じたと述べています。
 またその一方で、ファンやサッカー関係者、メディアの何が何でもシーゲームズでは金メダル、という姿勢も変えるべきだとしています。金メダルを目指すこと自体は間違えていないが、時にはことの全体像を捉え、各大会ごとの目標を正しく設定すルことが重要とも指摘しています。サティアナタン監督は個人的な意見であると前置きした上で、(東南アジアのチームのみが参加する)シーゲームズの結果を選手やチーム評価基準として使うことには反対で、むしろ(アジアのチームが参加する)AFC主催の各大会を評価基準とするべきとし、例えば今回で言えば、U22代表ではなくU19代表をシーゲームズに出場させる、という考え方があっても良かったのではないかとも話しています。U19の選手にとって上の年代の選手との対戦は良い経験になるだけでなく、予選を突破したAFC U19選手権の準備にもなっただろうと述べていますが、同時に現在のファンやサッカー関係者、メディアの姿勢ではそのような方針は決して許されることはないだろうとも述べています。
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 マレーシアサッカーがその域まで達しているかどうかは別として、例えば昨年2018年のアジア競技大会はU23代表が出場する大会でしたが、日本はU21代表を派遣しています。また、今回U22代表のオン・キムスイ監督はU19代表でプレーする17歳のルクマン・ハキムとウマル・ハキームの2選手を招集するなど、現場レベルでは、サティアナタン監督の考えが理解されているようですが、マレーシアサッカー協会幹部や、メダルの数が気になるマレーシアオリンピック協会(シーゲームズはオリンピック協会が統括)幹部がこの考えを理解できるかどうかは、マレーシアサッカーに対してどのくらい先まで見越した方針を持てるかどうかによりそうです。

11月25日のニュース:クチンFAがMFL2部昇格、シーゲームズ前日会見で各コーチから不満続出、アムリ・ヤハヤ退団は監督との確執が原因

クチンFAがMFL2部昇格
 マレーシアフットボールリーグMFL2部11位のサラワクFAとMFL3部にあたるM3リーグ2位のクチンFAとの間で来季2部の座をかけて争われたプレーオフが、サラワクFAとクチンFAがともにホームとするサラワクスタジアムでおよそ5000人の観衆を集めて行われ、クチンFAがサラワクFAを3ー1で破り、MFL2部昇格を決めています。
 マレーシアの通信社ベルナマによると、サラワク州の州都クチンを本拠とするクチンFAがサラワク州サッカー協会が統括するサラワクFAを相手に、8分にはサハラン・アブドル・サマドのヘディングで先制します。52分にはサラワクFAのブラジル出身FWハドソン・ディアスのゴールで同点としますが、77分にはモハマド・ザイヌディン・ボハリ、85分には代表経験もあるジョセフ・カラン・ティがそれぞれゴールを挙げ、クチンFAがサラワクFAを突き放し、そのまま勝利しています。
 クチンFAには鈴木裕太選手が在籍しており、この試合でもスタメンでフル出場しています。

シーゲームズ前日会見で各コーチから不満続出
 本日11月25日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズの男子サッカーは、各チームのコーチによる前日会見が行われましたが、試合開始前から様々な問題が起こっているとベルナマが伝えています。
 この日の前日会見では、フル代表でも監督を務めるベトナムU22代表のパク・ハンソ監督は、会見が予定されていた時間通りに始まらないことで不快感を表していましたが、その原因はやはりフル代表とU22代表の両方で監督を務めるタイの西野朗監督の遅刻にありました。予選グループBの6チームの中で最後に登場した西野監督は、4分ほどの遅刻を詫びながらも主催者から伝えられていた会見の時間が違っており、チームと行動していたための遅刻であると平然としていたとベルナマは伝えています。
 この二人はおよそ1週間前にFIFAワールドカップ予選で対戦し、0ー0で引き分けたばかり。しかも試合後には西野監督がベトナムの選手を「アンプロフェッショナル」と非難した一方で、ベトナムサッカー協会はタイ代表のササ・ヴェスナ・トディックアシスタントコーチがパク監督の体躯について「アンプロフェッショナル」なジェスチャーをしたことでAFCに提訴しています。(なおgoal. comでは、この席上で西野監督がパク監督にササ・トディックコーチの非礼を謝罪したともほうどうされています)。会見ではこの二人の間にインドネシアU22代表のインドラ・シャフリ監督が座っていたことで二人が直接、接触することはなかったということです。
 また、西野監督はシーゲームズ主催者に対して練習会場まで移動に2時間かかったこと、実際の試合会場は人工芝にもかかわらず用意された練習場は天然芝だったこと、また宿舎で出されている食事にも注文をつけたようです。
 今回のシーゲームズでは、マニラ入りした東ティモール代表やカンボジア代表が空港で8時間以上も待たされる、宿泊先でないホテルへ連れて行かれるなど、ロジスティック面での問題がすでに起こっており、ミャンマーやタイなども主催者側に不満を述べる事態となっています。

アムリ・ヤハヤ退団は監督との確執が原因
 スランゴールFAを退団するアムリ・ヤハヤは、バースカラン・サティアナタン監督の確執が原因で退団するようだとスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 スタジアムアストロとのインタビューでは、サティアナタン監督の選手起用方が原因での退団と明言した上で、アムリ選手は来季の所属先を明らかにしなかったものの、スランゴールFAでは来季、自分がプレーするチームに勝つことはできないだろうと挑発的なコメントを残しています。
 アムリ選手の退団については、サティアナタン監督は自らの関与を否定し、アムリ選手自身意思によるものとしていますが、アムリ選手がより多くの出場機会を望む一方、サティアナタン監督は来季はアムリ選手をスランゴールFAのBチームでの起用を示唆するなど亀裂が深まっていました。
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 サティアナタン監督はこの報道の後、アムリ選手がマレーシアカップ準決勝のJDT戦での交代後、試合終了前に帰宅し、試合後のミーティングに参加しなかった件などを挙げ、チームの規律を乱す選手であることも暗示し、本人が残りたくないのであれば慰留はしないと話するなど、来季に向けて遺恨が残る事態になっています。
 マレーシアのスポーツ界では、今回のアムリ選手の様に自分が監督、コーチよりも上にいるかのような発言、行動をする選手の話を聞くことは少なくありません。実際にスーパースターであったり、フロントの子飼いの選手であったりと理由は様々ですが、今回アムリ選手が相手にしたのは絶対に選手を甘やかさないことで定評があるサティアナタン監督でしたので、いわゆる意地の張り合いの結果、当然ながら監督が一選手に勝利したという図式かと思われます。

11月24日のニュース:U22代表メンバー発表-ワン・クザインは含まれず、ブレンダン・ガンはスランゴールFAへ移籍か、スランゴールFA監督-アムリ・ヤハヤの退団は本人の意思、サフィク・ラヒムは来季もマラッカUでプレー

U22代表メンバー発表-ワン・クザインは含まれず
 今月11月25日からフィリピンのマニラで開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU22代表の最終メンバーがマレーシアサッカー協会のホームページで発表になっています。全員の選手名簿はこちらです。
 今回発表されたU22代表には、マレーシアで開催された前回2017年大会のチームからは7名が残っている一方で、今月初旬にカンボジアで行われたAFC U19選手権予選を全勝で勝ち抜けて本戦出場を獲得したU19代表からも3名が選ばれるなど、経験者と若手の融合したメンバー構成になっています。
 前回大会経験者は、GKハジック・ナズリ、MFシャマー・クティ・アッバ、FWアキヤ・ラシド、DFアダム・ノー・アズリン(以上JDT)、MFダニアル・アミル・ノーヒシャム(フェルダ・ユナイテッド)、DFイルファン・ザカリア(クアラルンプールFA)で、この内23歳のアダム・ノー・アズリンと24歳のイルファン・ザカリアはオーバーエイジ枠として出場します。
 またU19代表からはFWルクマン・ハキム・シャムスディンは、DFハリス・ハイカル・アダム・アフカル、FWムハマド・ウマル・ハキーム・スハルが初代表入りしています。
 この他、アメリカ生まれながらマレーシア人両親を持ち、メジャーリーグサッカーMLSでもプレー経験のあるワン・クザイン・ワン・カマルは、選手登録期限までに必要書類が揃わなかったということで、最終メンバーには残りませんでした。
 シーゲームズのサッカーは他の競技に先駆けて11月25日に開幕し、予選グループAに入ったマレーシアはミャンマー(11月25日)、フィリピン(11月29日)、東ティモール(12月2日)、カンボジア(12月4日)の順でグループステージを戦い、前回優勝のタイなどが入ったグループBの上位2チームとともに12月7日の準決勝、さらに12月10日の決勝と3位決定戦に進みます。

ブレンダン・ガンはスランゴールFAへ移籍か
 ワールドカップ予選タイ戦ではマンオブザマッチに選ばれるなど、フル代表でも主力選手の一人であるブレンダン・ガン(ペラTBG)にスランゴールFA移籍の噂が出ていると、スポーツ専門サイトフォックススポーツが伝えています。
 フォックスポーツの取材に対して、ガン選手はスランゴールFA移籍についての話し合いが進行中であることを認める一方で、ペラTBGには思い入れもあるとして、来季2020年のMFLでプレーするクラブを決めるにはもう少し時間が必要であると答えています。また、ガン選手はスランゴールFA以外にも複数のクラブが接触していること、自身の中にもプレーを希望するクラブがあることも認めた上で、結論が出たら速やかに報告したいと語っています。
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 オーストラリア生まれながら、マレーシア人の父親を持つガン選手は、サバFA、ケランタンFAでもプレー経験があり、昨季2018年からペラTBGでプレーし、昨季はマレーシアカップ優勝に貢献しています。パハンFAやクダFAもガン選手獲得に興味を持っているという噂もあり、スランゴールFAを含めた争奪戦に勝ったクラブは来季2020年は打倒JDTに一番手になる可能性が高くなります。

スランゴールFA監督-アムリ・ヤハヤの退団は本人の意思
 このブログでも取り上げたアムリ・ヤハヤのスランゴールFA退団について、契約を1年残しての退団となったことから、スランゴールFAの一部サポーターからは、アムリ選手退団の原因と槍玉に挙げられたバースカラン・サティアナタン監督が、退団はあくまでも本人の意思であると主張していると、スポーツ専門サイトスタジアムアストロが報じています。
 サティアナタン監督は、アムリ選手がチームに残るか否かの決定権は自分にはないと前置きした上で、「来季2020年はスランゴール州サッカー協会FASは(スランゴールFAとスランゴールFAのBチームとなることが決定したPKNS FCの)2つのクラブを持つが、FASはアムリ選手にはPKNS FCで若い選手を導く役割を期待していた」と述べています。
 MFLの規定では、各クラブのBチームは、Aチームと同じリーグでプレーすることができないため、もしアムリ選手がPKNS FCの登録となれば、MFL1部ではなくMFL2部でのプレーを余儀なくされることになり、それを嫌っての退団の可能性も考えられます。
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 スランゴールFAで400試合以上に出場し、100以上のゴールを挙げているアムリ選手は、いわばスランゴールFAのレジェンドの一人であり、スランゴールFAサポーターには「アムリ信者」も多いこと、また「モノ言う」指導者のサティアナタン監督に批判的なスランゴールFAサポーターも少なくないことが、このような批判につながった可能性があります。

サフィク・ラヒムは来季もマラッカUでプレー
 新たな外国籍選手やマレーシア人選手の移籍が次々と発表が報じられるマラッカ・ユナイテッドですが、フル代表では長年、主将も務めたサフィク・ラヒムが1年契約を新たに結んだことがチームのFacebookで告知されています。
 MFLで今季6位のマラッカ・ユナイテッドは、シーズン終盤のマレーシアカップ準々決勝第1戦を前に、主将のシュコール・アダンがマラッカ・ユナイテッドを統括するマラッカ州サッカー協会MUSAが過去2ヶ月間の給料を払っていないことをソーシャルメディア上で告発し、ベンチ入りどころか、スタンドにも姿を見せないという事態が起こり、準々決勝も2試合で1-6とパハンFAに大敗しています。
 サフィク選手は来季はチームのメンバーも大きく変わることが考えられるが、自分は全力を尽くしたいと抱負を述べる一方、MUSAのデミアン・ヨー・シェンリー新会長はシュコール・アダンの退団を受けて、サフィク選手がマラッカ・ユナイテッドの新キャプテンとなることも発表しています。