1月19日のニュース
サバとトレンガヌがデンマーク1部クラブとタイで対戦
ジョホールのフットサルチームにさらに代表選手が加入

サバとトレンガヌがデンマーク1部クラブとタイで対戦

現在中断中のデンマーク1部リーグで5位のオーデンセBKは、クラブ公式サイトでタイでのトレーニングキャンプの日程を発表していますが、現地ではマレーシアスーパーリーグのサバ、トレンガヌと練習試合を行うようです。

1月31日から2月14日までの日程で、タイ1部のBGパトゥム・ユナイテッドの施設BGトレーニングセンターを使って行われるトレーニングキャンプ期間中、オーデンセBKは2月3日にはサバと、また2月12日にはトレンガヌと練習試合を行うと発表しています。またこの他、2月7日には タイ2部のナコーンパトム・ユナイテッドFCとの練習試合も行われます。なお、これらの試合の内、トレンガヌ戦はBGパトゥム・ユナイテッドの本拠地、BGスタジアムで開催されるということです。

オーデンセBKのクラブ公式サイトでは、練習試合のほか、地元の子供を対象としたサッカー教室やサイン会なども行うことが発表されています。

ジョホールのフットサルチームにさらに代表選手が加入

マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは来月2月に今季が開幕しますが、今季から参戦するジョホール・ダルル・タジムJDTは、2022年シーズンのリーグMVPアブ・ハニファ・ハサンとアワルディン・モハマド・ナウィ(いずれもパハンレンジャーズ)の両フットサルマレーシア代表選手の加入を発表しています。これを報じたサッカー専門サイトのマカンボラによると、アブ・ハニファ、アワルディン両選手はパハンレンジャーズとの契約がまだ1年残っているということですが、既にJDTの練習に参加しているようです。

昨季はMPFLでは2位、カップ戦のマレーシアカップでは準優勝に終わったパハンレンジャーズにとって、2019年にマラッカから加入し、優勝経験が豊富な上、10年以上代表チームでプレーする32歳のアブ・ハニファ選手と、10代から代表でプレーする25歳のアワルディン選手の退団は大きな戦力ダウンとなりそうです。

今季新参入のJDTは、既に昨季のMPFLチャンピオンであるスランゴールMACから代表GK(ゴレイロ)アズルル・ハディ・トーフィックら7名を獲得し、監督には前レアル・ベティスのフアニート・クピン氏が就任しており、1年目からサッカー同様、リーグ優勝を狙っています。

今季のMPFLは2019年のリーグ発足以来、史上最多となる18チームが参加し、クダ、KSMRカンガー、ペナン、クランタン、パハンレンジャーズ、トレンガヌ、マレーシア国軍ATM、マレーシア王立警察PDRM、そして大学選抜チームのKPT-PSTムスタングズがA組、シャーアラムシティ、スランゴールMAC、スランゴールTOT、KLシティ、クアラルンプール、ヌグリスンビラン、JDT、サバ、サラワクがB組に分かれてリーグ戦を行い、上位チームがノックアウトステージへ進む方式で2月から7月まで開催されます。

12月2日のニュース
Mリーグクラブが来季に向けて次々と新監督就任や選手獲得を発表

スペイン戦勝利おめでとうございます。W杯とは縁がないマレーシアサッカーは、月が変わった昨日12月1日には、多くのクラブが来季へ向けての補強を公表しています。

JDTはエステバン・ソラリ新監督の就任を発表

今季、スーパーリーグ、FAカップ、マレーシアカップの国内三冠を達成したMリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTは、クラブ公式ソーシャルメディアで、エクトル・ビドリオ監督のテクニカルディレクター就任とエステバン・ソラリ新監督の就任を発表しています。

ベネズエラ出身で54歳のビドリオ監督に代わって、来季から指揮を取るソラリ監督はアルゼンチン出身の42歳で、2019年1月からアルゼンチンU23代表のコーチを務めており、今月末まで契約が残っており、この任期を終えての就任となるようです。

ソラリ新監督就任を発表したJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、以前からこのソラリ氏を高く評価しており、アルゼンチン代表のユースやCAリーベル・プレート(アルゼンチン)などからもオファーを受けていた中、なんとか説得してJDTが獲得できたと、クラブの公式Facebookに投稿されたインタビューで説明しています。

ソラリ新監督就任に伴い、今季、クラブをマレーシアカップ優勝に導いたエクトル・ビドリオ監督はクラブのテクニカルディレクターに、そして今季までテクニカルディレクターを務めていたオーストラリア出身のアリスター・エドワーズはクラブCEOにそれぞれ就任することも発表されています。

2013年のクラブ創設以来、史上初の国内三冠に輝いたJDTですが、このソラリ新監督の就任以外にも、シーズン途中にケガで離脱したシェーン・ローリーに代わりに、セカンドチームから急遽起用された22歳のセンターバック、フェロズ・バハルディン、今季2部プレミアリーグでリーグ2位の9ゴールを挙げた20歳のFWダリル・シャムらのトップチーム昇格を発表したイスマイル殿下は、来季からスーパーリーグの外国籍選手枠が9名(ただしベンチ入り6名、ピッチ上5名)となることから、そして新たなブラジル人ストライカーや東南アジア枠での攻撃的MFとDFの獲得など、既に来季に向けての準備が着々と進んでいることも明らかにしています。

ナフジ・ザイン監督退任のトレンガヌはテクニカルディレクターのトミスラフ・スタインブリュックナー新監督就任を発表

トレンガヌFCは、今季、テクニカル・ディレクターを務めたトミスラフ・スタインブリュックナー氏が来季の新監督に就任することを、クラブ公式Facebookで発表しています。スタインブリュックナー氏はクロアチア出身の56歳で、2015年にもトレンガヌ州のサッカークラブで監督を務めており、いわばトレンガヌのサッカーを熟知した人物でもあります。

今季までの過去4シーズンを指揮し、7位、3位、4位、2位と順調にチームを作り上げてきたナフジ・ザイン監督が、クラブ経営陣の対応に不満を表明し、提示されていた来季の契約延長オファーを拒否して監督不在となったトレンガヌですが、その対応は早かった。(というか既定路線だった?)

ナフジ監督に次ぐ、来季の監督候補だったとされるスタインブリュックナー氏は、2015年に当時のT-TeamFC(現トレンガヌII)の監督に就任すると、2014年のMリーグ1部スーパーリーグで11位となり、2部プレミアリーグに降格したチームを率いてプレミアリーグで3位となっており、この時にはサファウィ・ラシド(現JDT)、ノルハキム・ハサン(原スランゴール)らを指導し、その後は自身もプレーしたクロアチア1部リーグのNKオシエクのU17やU19など、クロアチアのクラブで監督を務めたのち、今季からトレンガヌFCのテクニカルディレクターを務めていました。

すタインブリュックナー監督の契約は、昨日12月1日から来年11月30日までに1年であることも発表されています。

サバは代表FWダレン・ロックらの加入を発表

今季のMリーグ1部スーパーリーグでJDTに次ぐ2位に付けながら、最終節に敗れて3位に終わったサバFC。JDTには得点数で25点差をつけられ、リーグ全体でも4位と、優勝を狙うには攻撃力が課題となったシーズンでした。スーパーリーグでのチーム最多ゴールはDF登録のパク・タエスーの8点とストライカー不在に苦しんだサバでしたが、これまで噂に上がっていた通り、代表FWダレン・ロックを獲得したことをクラブ公式ソーシャルメディアで発表しています。

今季はスーパーリーグのPJシティFCのフォワードとして、マレーシア人最多の9ゴールを挙げてたロック選手は、PJシティが来季のスーパーリーグ撤退を発表したことから、その去就が注目されていましたが、来季のAFCカップ出場が決まっているサバが獲得に動いていることはネット上でも噂になっていました。

前述したようにDFのパク選手が8得点、それに続くのがMFバドロル・バクティアルの6点と、今季は獲得した外国籍FWがほとんど機能しなかったサバにとっては大きな戦力アップとなりそうです。

またサバは今季、スーパーリーグのKLシティでプレーしたセンターバックのイルファン・ザカリアの獲得も発表しています。今季は4位のヌグリスンビランと並び、リーグ3位の26失点に終わったサバですが、来季はAFCカップもあることから試合数も増え、代表DFドミニク・タンを中心としたDF陣の選手層を厚くすることもチームの課題でした。なお、27歳のザカリア選手はU23代表、A代表でのプレー経験もあり、今季もKLシティでは21試合に出場しています。

この他、サバは現在行われているマレーシア代表候補合宿に初招集されたMFスチュアート・ウィルキンと新たに2年契約を結んだことも発表しています。

マレーシアカップ2022
準決勝 2NDレグ結果とハイライト映像(1)

一昨日行われたマレーシア下院選挙では、97歳のマハティール元首相が1969年以来となる落選し「時代の終わり」といった報道も出る一方で、野党連合「希望同盟」、与党連合「国民連盟」そして前回選挙では国民連盟を支えた「国民戦線」の三つ巴の争いの中、いずれの政党連合も単独で過半数の112議席を確保することができず、野党連合と与党連合がそれぞれ連立政権に向けた交渉を進めていると報じられています。

この総選挙の影響を受け、一部日程が変更になったマレーシアカップは準決勝のセカンドレグ、JDT対サバが11月20日に行われています。
*試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ2022準決勝 2NDレグ
2022年11月20日@スルタン・イスマイルスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 3-1 サバ(通算スコア:JDT 4-1 サバ)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(35分)、フェルナンド・フォレスティエリ(41分)、シャフィク・アフマド
⚽️サバ:加賀山泰毅(47分)
🟨JDT(1):ナズミ・ファイズ
🟨サバ(1):ジェラルド・ガディト
🟥サバ:ジェラルド・ガディト
MOM:ダミエン・リム(サバ)
 選手層の厚さの差か。
 リーグ戦終了後に行われるマレーシアカップは,準決勝となると各チームともシーズンの疲れも出てきます。ファーストレグで敗れているサバは,この試合ではMFバドロル・バクティアルやDFリザル・ガザリをケガで欠いた上、控えの選手がGK1名をふくめて5名と満身創痍の状態で臨みました。一方のジョホール・ダルル・タジムJDTは、ケガのDFシェーン・ローリーに代わり起用されてきたDFフェロズ・バハルディンが準決勝ファーストレグのレッドカードで、またMFレアンドロ・ヴァレスケスも警告累積でいずれもこの試合出場停止と、やはりベストメンバーで臨むことができません。しかしそこは選手層が厚いJDT。主力選手欠場を全く感じさせないどころか、試合開始から攻勢をかけ、前半は大半の時間がサバのサイドでプレーされる状況でした。
 しかしファーストレグでMOMとなったサバのGKダミエン・リムを中心にサバDF陣がこの試合でもJDTの前に立ちはだかり、ダミエン・リム自身も好セーブを連発して、JDTの猛攻を防ぎます。しかしサバの集中力が一瞬切れた35分、ラベル・コービン=オングの左からのクロスに完全にフリーで飛び込んだベルグソン・ダ・シルヴァが頭で合わせてゴールを決め、JDTが先制します。このゴールでベルグソン選手は今季のマレーシアカップで6ゴール目となり、ACLも合わせると今季45ゴールとまさにエースの活躍です。
 さらに41分にはアフィク・ファザイルがDFラインの裏へ出したパスを受けたアリフ・アイマンが横にいたフェルナンド・フォレスティエリに流すと、これをフォレスティエリがゴールし、JDTはリードを2点に広げ、前半を終了します。
 後半に入るとサバも反撃し、ペナルティーエリアの外から放ったパク・タエスーのシュートをJDTのGKファリザル・マーリアスが弾くと、これに詰めていた加賀山泰毅選手がこのこぼれ球を押し込んで1点差に迫ります。
 ファーストレグとの通算スコアが2点差となったJDTは、サファウィ・ラシド、アキヤ・ラシドを投入すると、ロスタイムの90+11分には左からドリブルでペナルティエリアへ持ち込んだアキヤ・ラシドをサバのジェラルド・ガディトが倒してPKを獲得しますが、サファウィ・ラシドがこれをゴールポストの上に外してしまいます。その直後の90+4分には、ジェラルド・ガディトが再び、アキヤ・ラシドを倒して2枚目のイエローで退場となると、90+5分には甘くなったDFのマークをかわしてシャフィク・アフマドがこの試合3点目となるゴールを決めて万事休す。JDTは昨季に続き、2季連続となるマレーシアカップ決勝進出を果たしています。
 ベストの布陣が組めず敗れたサバは、DFイルファン・ザカリア(KLシティ)や来季のスーパーリーグ撤退を発表したPJシティで今季マレーシア人選手最多ゴールを挙げた代表FWダレン・ロック、そして同じくPJシティのFW、S・クマーランの獲得に動いているという報道もあり、早くも来季に向けて動き出しているようです。
 サバの加賀山泰毅選手はは先発して、フル出場しています。

マレーシアカップ2022
準決勝1STレグ結果とハイライト映像

マレーシアサッカーの今季最後を飾るマレーシアカップはいよいよ準決勝。11月15日と16日にそれぞれ1試合ずつ行われています。各州の対抗戦として始まったマレーシアのサッカーの歴史を受け継ぐマレーシアカップは、リーグ戦とは違う「熱さ」をもっています。この準決勝2試合はいずれも観衆が1万4000人を超え、特にスランゴール対トレンガヌ戦は今季初めてチケットが売り切れるなど、サポーターが退去押し掛ければ、それに呼応するようにピッチ上でも選手が激しくぶつかりあいました。準決勝ファーストレグを見る限りでは、決勝進出がかかるセカンドレグはさらに「暑い」試合になりそうです。なお準決勝セカンドレグは11月20日にJDT対サバが、同21日にトレンガヌ対スランゴールがそれぞれ行われます。
*試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ2022準決勝 1STレグ
2022年11月15日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 0-1 JDT
⚽️JDT:アリフ・アイマン(34分)
🟨サバ(7):バドルル・アフェンディ、ファルハン・ロスラン、アムリ・ヤハヤ、ドミニク・タン、ジェラルド・ガディト、ハナフィ・トウキョウ、オン・キムスイ監督
🟨JDT(4):アリフ・アイマン、ベルグソン・ダ・シルヴァ、フェロズ・バハルディン、レアンドロ・ヴァレスケス
🟥JDT(1):フェロズ・バハルディン(🟨x2)
MOM:ダミエン・リム(サバ)
 マレーシアカップに優勝し悲願のAFCカップ出場権獲得を目指す今季リーグ2位のサバと、リーグ、FAカップに続き年間三冠を目指すジョホール・ダルル・タジムJDTの対戦は、両チーム合わせてイエローカード11枚、レッドカード1枚が出されるほどともに激しい闘志をむき出しにした試合となりました。
 試合はJDTが試合開始から好機を作るものの、マレーシアカップでは連戦、攻守を見せるサバGKデミアン・リムの活躍もあり得点にならない展開が続きました。しかしついに34分、若きエース、アリフ・アイマンがペナルティエリアの外からディフェンダーを交わしてシュート。これが決まってJDTが先制します。そしてここからがJDTの本領が発揮されます。ベルグソン・ダ・シルヴァを中心とした攻撃力が注目されるJDTですが、今季リーグ戦22試合で12失点とその守備力も今季未だ国内無敗を支える原動力でもあります。73分にはフェロズ・バハルディンが2枚目のイエローカード(これは素人目には先にボールに触っているようにも見えましたが)で退場となり10人となるも、この1点を守り切っています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。

マレーシアカップ2022準決勝 1STレグ
2022年11月16日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 トレンガヌ
⚽️スランゴール:リッチモンド・アンクラ(37分)、カイオン(43分)、シャルル・ナジーム(57分)
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ(19分)
🟨スランゴール(1):ムカイリ・アジマル
🟨トレンガヌ(2):クパー・シャーマン、アザルル・ナザリス
MOM:リッチモンド・アンクラ(スランゴール)
 リーグ5位とはいえタン・チェンホー監督就任以来、リーグ戦からマレーシアカップにかけて8戦無敗と好調が続くスランゴールと、ここ3ヶ月ではFAカップ決勝でJDTに敗れたのが唯一の敗戦と、こちらもやはり好調なリーグ2位トレンガヌの対戦となったこの試合は、スランゴールが3つのゴールを決め、リーグ戦では2敗していたトレンガヌに雪辱を果たしています。
 試合はキャプテン、チェチェ・キプレのフリーキックで19分にトレンガヌが先制しましたが、スランゴールは37分、ムカイリ・アジマルからのコーナーキックをリッチモンド・アンクラが190cmの長身を生かしたヘディングで同点ゴール。さらに43分位は同じムカイリ・アジマルからのコーナーキックにエースのカイオンがダイビングヘッドでゴールを決め逆転します。さらに57分には再びムカイリ・アジマルのコーナーキックにシャルル・ナジームがやはり頭で合わせゴール!全く同じような3つのゴールでスランゴールが快勝し、リーグ最多となる34回目のマレーシアカップ優勝に向けて近づきました。
 一方のトレンガヌは、この日の敗戦で、リーグ戦からマレーシアカップへと続いた連勝が8でストップしています。さらにこの試合前日には、クラブとの関係が悪化したナフジ・ザイン監督がマレーシアカップ後に退任することが発表されましたが、選手の動きを見る限りでは、チームのモラルは低下しておらず、ホームに戻ってのセカンドレグではこのナフジ監督の花道を飾るべく、決勝を目指す戦いが見られそうです。

マレーシアサッカーの今季最後を飾るマレーシアカップはいよいよ準決勝。11月15日と16日にそれぞれ1試合ずつ行われています。各州の対抗戦として始まったマレーシアのサッカーの歴史を受け継ぐマレーシアカップは、リーグ戦とは違う「熱さ」をもっています。この準決勝2試合はいずれも観衆が1万4000人を超え、特にスランゴール対トレンガヌ戦は今季初めてチケットが売り切れるなど、サポーターが退去押し掛ければ、それに呼応するようにピッチ上でも選手が激しくぶつかりあいました。準決勝ファーストレグを見る限りでは、決勝進出がかかるセカンドレグはさらに「暑い」試合になりそうです。なお準決勝セカンドレグは11月20日にJDT対サバが、同21日にトレンガヌ対スランゴールがそれぞれ行われます。
*試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ2022準決勝 1STレグ
2022年11月15日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 0-1 JDT
⚽️JDT:アリフ・アイマン(34分)
🟨サバ(7):バドルル・アフェンディ、ファルハン・ロスラン、アムリ・ヤハヤ、ドミニク・タン、ジェラルド・ガディト、ハナフィ・トウキョウ、オン・キムスイ監督
🟨JDT(4):アリフ・アイマン、ベルグソン・ダ・シルヴァ、フェロズ・バハルディン、レアンドロ・ヴァレスケス
🟥JDT(1):フェロズ・バハルディン(🟨x2)
MOM:ダミエン・リム(サバ)
 マレーシアカップに優勝し悲願のAFCカップ出場権獲得を目指す今季リーグ2位のサバと、リーグ、FAカップに続き年間三冠を目指すジョホール・ダルル・タジムJDTの対戦は、両チーム合わせてイエローカード11枚、レッドカード1枚が出されるほどともに激しい闘志をむき出しにした試合となりました。
 試合はJDTが試合開始から好機を作るものの、マレーシアカップでは連戦、攻守を見せるサバGKデミアン・リムの活躍もあり得点にならない展開が続きました。しかしついに34分、若きエース、アリフ・アイマンがペナルティエリアの外からディフェンダーを交わしてシュート。これが決まってJDTが先制します。そしてここからがJDTの本領が発揮されます。ベルグソン・ダ・シルヴァを中心とした攻撃力が注目されるJDTですが、今季リーグ戦22試合で12失点とその守備力も今季未だ国内無敗を支える原動力でもあります。73分にはフェロズ・バハルディンが2枚目のイエローカード(これは素人目には先にボールに触っているようにも見えましたが)で退場となり10人となるも、この1点を守り切っています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。

マレーシアカップ2022準決勝 1STレグ
2022年11月16日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 トレンガヌ
⚽️スランゴール:リッチモンド・アンクラ(37分)、カイオン(43分)、シャルル・ナジーム(57分)
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ(19分)
🟨スランゴール(1):ムカイリ・アジマル
🟨トレンガヌ(2):クパー・シャーマン、アザルル・ナザリス
MOM:リッチモンド・アンクラ(スランゴール)
 リーグ5位とはいえタン・チェンホー監督就任以来、リーグ戦からマレーシアカップにかけて8戦無敗と好調が続くスランゴールと、ここ3ヶ月ではFAカップ決勝でJDTに敗れたのが唯一の敗戦と、こちらもやはり好調なリーグ2位トレンガヌの対戦となったこの試合は、スランゴールが3つのゴールを決め、リーグ戦では2敗していたトレンガヌに雪辱を果たしています。
 試合はキャプテン、チェチェ・キプレのフリーキックで19分にトレンガヌが先制しましたが、スランゴールは37分、ムカイリ・アジマルからのコーナーキックをリッチモンド・アンクラが190cmの長身を生かしたヘディングで同点ゴール。さらに43分位は同じムカイリ・アジマルからのコーナーキックにエースのカイオンがダイビングヘッドでゴールを決め逆転します。さらに57分には再びムカイリ・アジマルのコーナーキックにシャルル・ナジームがやはり頭で合わせゴール!全く同じような3つのゴールでスランゴールが快勝し、リーグ最多となる34回目のマレーシアカップ優勝に向けて近づきました。
 一方のトレンガヌは、この日の敗戦で、リーグ戦からマレーシアカップへと続いた連勝が8でストップしています。さらにこの試合前日には、クラブとの関係が悪化したナフジ・ザイン監督がマレーシアカップ後に退任することが発表されましたが、選手の動きを見る限りでは、チームのモラルは低下しておらず、ホームに戻ってのセカンドレグではこのナフジ監督の花道を飾るべく、決勝を目指す戦いが見られそうです。

マレーシアカップ2022
準々決勝2ndレグ結果とハイライト映像

 TMマレーシアカップ2022の準々決勝4試合のセカンドレグが11月12日と13日に行われ・いよいよベスト4が決定しています。準決勝進出を決めたのは、リーグ優勝、FAカップ優勝に続く三冠を目指すジョホール・ダルル・タジムJDT、リーグ2位のトレンガヌ、リーグ3位のサバ、そしてリーグ5位のスランゴールの4チームで、準決勝のカードはJDT対サバ、トレンガヌ対スランゴールと決まりました。なお、マレーシアカップの優勝チームには来季のAFCカップ出場権が与えられますが、スーパーリーグ1位として既にACL出場を決めているJDT、そしてスーパーリーグ2位となったことでAFCカップ出場権を獲得しているトレンガヌが優勝した場合には、スーパーリーグ3位のサバがAFCカップ出場権を獲得することが決まっています。
 なお準決勝ファーストレグは11月20日と21日に予定されています。
*試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより

マレーシアカップ2022準々決勝 2NDレグ
2022年11月11日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 1-1 クチンシティ(通算スコア:サバ 2-1 クチンシティ)
⚽️サバ:加賀山泰毅(94分)
⚽️クチンシティ:ウマレン・バチョク(83分OG)
🟨サバ(1):イルファン・ファザイル、アルト・リナス、ハナフィ・トウキョウ
🟨クチンシティ(1):アリフ・ハサン
MOM:加賀山泰毅(サバ)
 いずれも東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つ両チームの「ボルネオダービー」は、ファーストレグではMリーグ1部スーパーリーグ3位のサバが2部プレミアリーグ3位のクチンシティに1-0で勝利していますが、内容はほぼ互角で、セカンドレグでも接戦が予想されました。サバには加賀山泰毅、クチンシティには1回戦のペナン戦ではMOMにも選ばれている谷川由来選手が在籍しており、日本人選手対決ともなったこの試合は、豪雨で試合開始が30分遅れた上、ピッチに水が浮く最悪のコンディションの中で始まりました。
 試合はアウェイのクチンシティが試合開始からホームのサバを圧倒しましたが、クチンシティのシュートがゴールの枠を捉えることができず、また枠内に飛んだシュートには絶好調のサバGKダミエン・リムが立ちはだかり、得点を挙げることができません。またクチンシティのGKシャイフル・ワジジもこうセーブを見せ、前半は0-0で終了します。
 後半に入っても、クチンシティはサバゴールを破ることができないまま試合が進み、このままサバが逃げ切るかと思われた83分、クチンシティのコーナーキックは直接、シュートにはつながらなかったものの、ゴール前の混戦からサバのウマレン・バチョクに当たったボールがそのままゴールイン!土壇場でクチンシティが通算スコア1-1に追いつきます。
 90分内で決着をつけたいクチンシティはその後も好機を作りますが、またもやGKダミエン・リムの攻守に阻まれ、試合は延長に入ります。そして延長戦開始直後の94分、右サイドからのサディル・ラムダニのクロスに加賀山泰毅が頭で合わせゴール!通算スコア2-1とサバが再び、リードを奪います。クチンシティはその後もジョセフ・カラン・ティー、アイルトン・フェレイラが好機を生かせず、試合はこのまま終了し、加賀山選手の今季通算4ゴール目となるマレーシアカップ初ゴールが決勝点となり、サバが準決勝を決めています。
 クラブ史上初のベスト4進出を逃したクチンシティですが、スーパーリーグ12位のペナンを破り、同3位のサバとも接戦を繰り広げ、来季昇格するスーパーリーグでも堂々と渡り合えることを証明しました。今季限りで退任を発表していたイルファン・バクティ監督は、来季も指揮を取るという報道も出ており、来季のスーパーリーグでのクチンシティの活躍が楽しみです。
  クチンシティの谷川由来選手、サバの加賀山泰毅選手はいずれも先発して、フル出場しています。

マレーシアカップ2022準々決勝 2NDレグ
2022年11月11日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 5-0 クランタン(通算スコア:JDT 8-0 クランタン)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ3(12分、34分、37分)、シャーミ・サファリ(40分)、ナズミ・ファイズ(45+1分)
🟨JDT(1):ナチョ・インサ
🟨クランタン(3):ムハイミン・イズディン・アスリ、シャフィク・アル=ハフィズ、ズルファーミ・アブドル・ハディ
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 ファストレグでは、スーパーリーグ覇者のJDTがプレミアリーグ2位のクランタンを3-0で破っており、このセカンドレグではクランタンがホームのJDTを相手に、意地を見せられるかどうかだけが注目でした。
 JDTのエクトル・ビドリオ監督は、マレーシアカップ1回戦のPJシティ戦、そしてクランタンとの準々決勝ファーストレグと1度として同じ先発XIを起用していませんが、この試合でも過去3試合とは異なる先発XIを起用、しかも、この試合も含め4試合全てに先発した選手は1人もいません。しかし誰が先発しても今季のJDTは強い!この試合もJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァが前半だけでハットトリックを達成。ちなみにベルグソン選手はリーグ戦で29ゴール、FAカップで4ゴール、また今季のACLで6ゴールを挙げており、マレーシアカップはここまで5ゴールと今季通算44ゴール挙げ、準決2試合、そして決勝まで進めば年間50ゴールも見えてきます。JDTはさらにシャーミ・サファリ、ファイズ・ナズミもゴールを決めており、前半で5-0としたJDTが、後半は今季出場機会が少なかった選手を起用する余裕を見せ、通算スコア8-0でクランタンを粉砕しています。
 クランタンのリザル・ザムベリ・ヤハヤ監督にとっては、屈辱的な結果となりましたが、ノリザム・トゥキマン オーナーは、来季昇格するスーパーリーグに向けて、新監督を起用することを既に明らかにしており、まだ2年契約が残るリザル・ザムベリ監督は来季もコーチとして残るのかは未定です。
 クランタンの原健太選手は後半から出場して、試合終了までプレーしています。

マレーシアカップ2022準々決勝 2NDレグ
2022年11月12日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-2 スランゴール
⚽️ヌグリスンビラン:マテウス・アウヴェス(25分)、ザクアン・アドハ(45+1分)
⚽️スランゴール:カイオン(10分)、ヤザン・アル=アラブ(45分)
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、クザイミ・ピー、
🟨スランゴール(1):バハー・アブドッラフマーン
🟥ヌグリスンビラン(1):ズカイリ・ズルキプリ
MOM:シーハン・ハズミ(ヌグリスンビラン)
 スーパーリーグ4位のヌグリスンビランが、同5位のスランゴールをホームに迎えたセカンドレグは2-2の引き分けに終わったものの、ファーストレグで2-0と勝利していたスランゴールが通算スコアを4-2として、準決勝進出を決めています。
 試合はスランゴールがカイオンのゴールで先制するものの、ヌグリスンビランも相手ペナルティエリア内でザムリ・ラムリが倒されていたPKをマテウス・アウヴェスが決めて、すぐさま同点に追いつきます。その後、スランゴールも45分にゴール前の混戦から出たクリアボールをヤザン・アル=アラブが巧みなボレーシュートでゴールを決めて、再びリードを奪います。しかし、ヌグリスンビランも、サクアン・アドハが前半ロスタイムにゴールを決め、前半は2-2で終了します。
 その後は両チームともゴールがなく、試合は2-2で引き分けに終わり、ファーストレグのとの通算成績を4-2としたスランゴールが準決勝進出を決めています。
 ヌグリスンビランにとって痛かったのは、センターバックとしての守備だけでなく、コーナーキックやゴール付近でのセットプレーではその長身を生かした攻撃参加が脅威となるエロルド・グロンが、ファーストレグで出されたレッドカードによりこの試合は出場停止となっていたこと。ヌグリスンビランのK・デヴァン監督は、点を取らなければならなかったこともあり、ファーストレグの5-3-2から、この試合では3-4-3にシステム変更するなど、苦肉の策でこの試合に臨みました。また、試合終盤の81分にズカイリ・ズルキプリがダニアル・アスリを踏みつけて一発レッドで退場なったことも痛かった!10人になったヌグリスンビランにはスランゴール相手にゴールを挙げる力は残っておらず、ベスト8で敗退しています。またスランゴールはタン・チェンホー監督就任以来の無敗記録を8に伸ばしています。

マレーシアカップ2022準々決勝 1STレグ
2022年11月12日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 3-1 KLシティ(通算スコア:トレンガヌ 4-1 KLシティ)
⚽️トレンガヌ:マヌエル・オット(22分)、チェチェ・キプレ(63分)、クパー・シャーマン(89分)
⚽️KLシティ:ハキミ・アジム・ロスリ(45+1分)
🟨トレンガヌ(0)
🟨KLシティ(4):ジャンカルロ・ガリフオコ、アクラム・マヒナン、パウロ・ジョズエ
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
 ファーストレグを1-0で勝利していたスーパーリーグ2位のトレンガヌが、セカンドレグでも同5位で昨季のマレーシアカップ覇者、KLシティを破り、準決勝進出を決めています。
 マヌエル・オットのゴールで先制を許したKLシティは、前半終了間際に体調不良のロメル・モラレスに代わって先発したハキミ・アジム・ロスリのゴールで通算スコアを再び1点差とします。
 しかし、後半に入ると攻撃力の差が明らかになり、エース不在のKLシティに対して、63分にはtyチェ・キプレが、そして89分にはクパー・シャーマンがマレーシアカップ4試合で7ゴール目となるゴールを決めて、KLシティを突き放しています。がホームに迎えた試合は、1回戦2試合で5ゴールを挙げたトレンガヌのクパー・シャーマンがゴールを決め、トレンガヌが1-0で勝利しています。
 準決勝進出を決めたトレンガヌですが、この試合後の記者会見では、今月末に契約が切れるナフジ・ザイン監督が契約延長のオファーレターをクラブの経営陣からではなく、練習の際にキットマン経由で受け取ったことを認めています。クラブが設定した今季のKPI(重要業績評価指標)を達成したにもかかわらず、来季の契約内容についての話し合いの席も持たれなかったことも明らかにし、クラブには契約延長の可否を決める権利も、その伝達方法の選択の権利もあるとしながらも、過去3年間の自身の貢献が評価されているとは感じられないと述べたナフジ監督は、契約延長を受けるかどうかの返答は、近々クラブに対して行うと述べています。なお、ナフジ監督には来季のクダ監督就任の噂も出ており、リーグ2位監督が移籍すれば、スーパーリーグの勢力図が大きく変わる可能性があります。

8月26日のニュース
地元紙が加賀山泰毅選手を特集
タン前代表監督が来季から現場復帰か
サラワクで4ヶ月の給料未払い問題が発覚も、チームマネージャーは即時支払いを約束

ACLでは浦和が全北現代との死闘を制して東地区の王者となりました。浦和に敗れたJDTにとっては、このまま浦和が今季のACL王者となってくれれば、負けた甲斐もあろうかというところでしょう。西地区王者との決勝は来年2月とまだ先の話で、その際に浦和がどのようなメンバーになっているかはわかりませんが、日本だけでなく東南アジアの希望も背負って決勝を闘ってもらいたいです。

地元紙が加賀山泰毅選手を特集

英字紙ではマレーシアで最大発行部数を誇るザ・スターが、今季からMリーグ1部スーパーリーグのサバでプレーしている加賀山泰毅選手を特集しています。

T・アヴィネシワラン記者の署名入り記事では、右、左のどちらでもウィングとしてプレーできるだけでなく、攻撃的MFやストライカーとしてもプレーする加賀山選手の「多才さ」が、今季ここまでリーグ2位のサバの好調さに大きな影響を及ぼしているとしています。

チームの勝利に貢献するのであれば、試合ごとに異なるポジションでプレーすることを厭わないと話す加賀山選手は、「アタッキングサードではどのような役割を任せられてもやる気でいるので、オン(・キムスイ)監督がどこで使ってくれても、何かしらの貢献はできると思っている。」と記事の中で答えている加賀山選手は、「様々なポジションでプレーすることによって、より完璧な選手となることに近づけていると思う。」とも話しています。

加賀山選手は、ここまでサバの全試合(16試合)に出場し、ゴール数は2と少ないものの、数多くのアシストでチームの勝利に貢献しています。流れるようなドリブルや正確なパスの供給、そして計算されたポジショニングなどにより、加賀山選手をサバにとって欠かすことができない選手にしています。

チームの好調を維持するためにも、さらにゴールを挙げ、アシスト数も増やしたいと話す加賀山選手は、「チームが現在2位ではあるものの、まだ今季は何も成し遂げていない。順位について考えるのはあくまでもリーグ戦終了後であり、今は目の前の試合に集中しなければならない。」とも述べています。

また、最後にサバの好調の原因を問われると、チームワークと規律が保たれていることを挙げ、「我々は選手全員がハードワークし、全員がチームのために一生懸命になっている。」と説明しています。

タン前代表監督が来季から現場復帰か

英字紙ニューストレイトタイムズは、昨年12月の東南アジアサッカー連盟選手権AFFスズキカップを最後に代表監督を辞任したタン・チェンホー氏が来季2023年シーズンにはMリーグクラブの監督に就任する可能性が高いと報じています。

今季低迷し、今月8月にはミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督を更迭したものの、現在もリーグ戦4連敗中の1部スーパーリーグのスランゴールや、クラブ創設100周年という記念すべき年に2部プレミアリーグに降格し、その2部でも10チーム中9位と苦しむペラなどがその候補となるだろうと、この記事では紹介しています。

実際にソーシャルメディア上では、かつてはMリーグを席巻したスランゴールの復権をタン氏に期待する声がある他、タン氏がペラのボビー・ファリド・シャムスディンCEOと話し合いをしている場面を写した写真がSNSに上がるなど、実際に火のないところには煙は立たない、といった状況でもあります。

タン氏は「現場復帰について急ぐつもりはない」というコメントをこれまでも繰り返しており、ニューストレイトタイムズが最近、インタビューを行った際には、Mリーグでの監督復帰については「良い話があれば」と述べるに止まっています、その一方で、来季からスーパーリーグのチーム数が現行の12チームから18チームとなることにより、現場復帰の意欲をそそるような機会が得られる可能性にも言及しています。

「サッカーを愛する気持ちは変わっておらず、現場から長期間離れるつもりもない。来季(のリーグ再編)によりMリーグは面白くなると思うので、どのように面白くなるかに注目している。(今後、監督に就任する)クラブは未だ決めておらず、現在チームを指揮する監督にも配慮し、シーズン途中に監督に就任するつもりはない。複数のチームと接触していることは事実だが、何も決まっていることはない。」と述べたタン氏のMリーグは実績は錚々たるものです

2014年から2017年まで監督を務めたクダでは、2015年に2部から1部にチームを昇格させ、同じ年にはスランゴールに決勝で敗れたものの、マレーシアカップの決勝にチームを導いています。翌2016年にはマレーシアカップを優勝を果たすとともに、1部でもチームを3位に躍進させていますが、同時にイフワット・アクマル、アリフ・ファルハン、ファルハン・ロスラン(いずれもクダ)、シャフィク・アフマドやアキヤ・ラシド(いずれも現JDT)やハリム・サアリ(同スランゴール)ら現在もトップチームでプレする選手たちを育てた実績もあります。

「若い選手の育成、そして観客を楽しませるサッカーをするチームを築くことが現在の自分の希望なので、長期間にわたって関われるチームと仕事をすることを望んでいる。そのためには、健全に経営されていることがチームを選ぶ重要な要因になる。」とも話すタン氏の現場復帰はさほど遠い未来ではなさそうです。

サラワクで4ヶ月の給料未払い問題が発覚も、チームマネージャーは即時支払いを約束

新たな給料未払い問題が発覚しています。マレーシア語紙のブリタ・ハリアンは1部スーパーリーグのサラワク・ユナイテッド(以下サラワク)では、選手の給料が4ヶ月にわたって支払われていないと報じています。またマレーシアプロサッカー選手会PFAMも、サラワクの選手からも報告を受けていると、この事実を認めています。

PFAMは6月14日と7月8日の2度にわたってチームに対して、未払い給料問題の解決を求める書簡を送っているということですが、この記事が出た8月24日の時点では、未払い給料が完済されたという報告を選手からは受け取っていないという声明を出しています。さらにPFAMは6月にはチームの家賃滞納により、サラワクの選手たちが宿舎からの退去通知を受け取っていることも明らかにしています。

サラワクで給料未払い問題が明らかになったのは今回が初めてではなく、昨季も同様の問題が起こっています。その際にマレーシアサッカー協会FAMの役員であるポサ・マジャイス サラワク会長が「未払いではなく単なる遅配である」と嘯いた「前科」があるなど、そもそも運営に問題がある人材がトップを務めるチームです。

そして昨季同様、メディアで報道されると慌てて対応する状況も変わっておらず、この記事が出たその翌日には、ポサ会長は全ての未払い給料は来週中に完済される予定であるとメディアに話しています。

3月17日のニュース
代表ネタ3題
新型コロナ陽性のダレン・ロックに代わってザフリ・ヤハヤが代表初招集
代表招集拒否のリザル・ガザリは懲罰対象-FAM事務局長
ケガで辞退のナズミ・ファイズの代わりは招集せず-キム代表監督

新型コロナ陽性のダレン・ロックに代わってザフリ・ヤハヤが代表初招集

キム・パンゴン新監督就任後初の代表合宿が3月14日から始まっていますが、今回招集された30名の選手の中から、ダレン・ロック(PJシティ)が新型コロナ検査で陽性となり合宿参加を取りやめています。このロック選手に代わって予備候補メンバー5名の中から、ザフリ・ヤハヤ(KLシティ)が代表初招集されています。

抗原検査に続きPCRでも陽性となったことで、昨年末のスズキカップ前の代表合宿に続き途中事態となったロック選手はフォワード(ストライカー)の選手ですが、代わりに招集されたザフリ選手は中盤の選手です。この点についてキム監督はザフリ選手の能力をもとにミッドフィルダー以外のポジションについても試してみたいと話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

代表招集拒否のリザル・ガザリは懲罰対象-FAM事務局長

上のダレン・ロック以外にも、合宿前にシャーミ・サファリ(JDT)も代表合宿直前に三つ子が生まれて(!)合宿参加辞退を希望し、それが認められています。このシャーミ選手の代わりとして、クザイミ・ピー(ヌグリスンビラン)が2016年10月以来、およそ2年ぶりに代表招集を受けています。

しかし、クザイミ選手の前にやはり予備招集メンバーからリザル・ガザリ(サバ)が招集されたものの、リザル選手がこれを拒否していたことを、キム監督が明らかにし、マレーシアサッカー協会FAMはリザル選手に対して罰金や出場停止などの処分を課す可能性があると、ブルナマが報じています。

FAMのサイフィディン・アブ・バカル事務局長は、現在開催中の代表合宿はFIFA国際マッチデー期間中ではないため、処罰の対象とはならないとした上で、この国際マッチデー期間の3月21日から3月29日も代表合宿に参加しない場合には、FAMの懲罰委員会に諮り、処分を行う可能性があるとブルナマの取材に答えています。

キム監督からリザル選手不在の連絡を受けたことでその招集拒否が発覚したと述べたサイフディン事務局長は、リザル選手および所属するサバから事態についての公式な連絡を受けていないと述べています。また具体的な処分の内容について問われると罰金2万5000リンギ(およそ71万円)やMリーグ出場停止などが課される可能性があるとしています。

キム監督は右サイドバックのシャーミ選手に代わり、同じ右サイドバックのリザル選手を招集したかったものの、リザル選手の招集拒否により、チームではセンターバックのクザイミ選手招集せざるを得なかったことも明らかにしています。

******

リザル選手の「招集拒否」が明らかになると、所属するサバはクラブの公式Facebookで声明を発表し、クラブはリザル選手の代表「招集拒否」に関知していないことを明らかにするとともに、クラブとしてリザル選手と話し合いを持ち、「辞退」の詳細をFAMに説明するよう説得するとしています。

ケガで辞退のナズミ・ファイズの代わりは招集せず-キム代表監督

マレーシア代表はクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で合宿中ですが、その練習中に鼠蹊部(そけいぶ)を痛めてナズミ・ファイズ(JDT)が、代表を辞退しています。これについてキム代表監督はマレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookに声明を発表し、代わりの選手は呼ばず、残る29名で代表合宿を続けることを発表しています。



2022年シーズン開幕直前!
Mリーグ1部スーパーリーグクラブ紹介第5回
サバFC & スリ・パハンFC

Mリーグ2022年シーズンは2月26日のピアラ・スンバンシー(チャリティーカップ)で開幕しますが、今季開幕前に今季のMリーグ1部スーパーリーグの12クラブを紹介する第4回は、昨季Mリーグ7位のPJシティFCと同8位のマラッカ・ユナイテッドFCです。

サバFC(2021年シーズンスーパーリーグ9位)

本拠地:リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
2021年シーズン成績:9位(4勝7分11敗)得点21(リーグ9位)失点38(同10位)
過去5シーズンの成績:2017年2部7位-2018年2部6位-2019年2部1位-2020年10位-2021年9位
監督:オン・キムスイ(マレーシア)
外国籍選手:
 DFパク・タエス(韓国-AFC枠)
 *DFジャクソン・デ・ソウザ(ブラジル)
 *FWネト・ペソア(ブラジル)
 *FW加賀山泰毅(日本-AFC枠)
 FWサディル・ラムダニ(インドネシア-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 *#GKカイルル・ファーミ・チェ・マット(マラッカ・ユナイテッドFCより加入)
 *GKダミアン・リム(ヌグリスンビランFCより加入)
 DFロウィルソン・バタイル
 *#DFリザル・ガザリ(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 *#DFドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFCより加入)
 *DFバドルル・アフェンディ(サラワク・ユナイテッドFCより加入)
 *DFトミー・マワト(サラワク・ユナイテッドFCより加入)
 *DFナジルル・ナイム(ペラFCから期限付き移籍で加入)
 MFアルト・リナス
 *#MFバドロル・バクティアル(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 *MFイルファン・ファザイル(JDT IIより期限付き移籍で加入)
 *MFスチュアート・ウィルキン(JDT IIより期限付き移籍で加入)
 *MFゲイリー・スティーヴン・ラバト(JDTより期限付き移籍で加入)
 *MFアフィク・ユヌス(キナバルジャガーズ-M3リーグ-より加入)
 *FWアズハド・ハラズ(FAM-MSNプロジェクトより加入)
 *FWディルガ・スルギ(UITM FCより加入)
 FWアムリ・ヤハヤ
 FW N・タナバラン

チーム紹介:
降格圏から勝点差3の9位で1部スーパーリーグ残留を決めたサバFC(以下サバ)ですが、昨年10月にマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクターを務めていたオン・キムスイ氏が就任すると、元U23代表監督時代に培った人脈を通じて選手が集まっています。2011年の東南アジア競技大会通称シーゲーム優勝のU23代表からはバドロル・バクティアルやカイルル・ファーミ・チェ・マット、2017年シーゲーム準優勝のU23代表からはドミニク・タンらいずれも昨年末のスズキカップ2020に出場したA代表の選手たちが加入している他、FAMのテクニカルディレクターとして関わったFAM-MSNプロジェクトからは、昨季のプレミアリーグでマレーシア人選手として最多ゴールを挙げた地元サバ州出身で19歳のアズハド・ハラズを獲得するなど、今季のサバは新たな外国籍選手も含めると20名を超える新戦力を補強しています。

1996年には選手としてサバでの優勝を経験しているオン監督ですが、今季のスーパーリーグではトップ5入りを目標に上げています。メンバーを見る限りでは十分達成可能な目標ですが、今季のサバは言わば寄せ集め集団でもあり、選手間の理解や連携をどれだけ高められるかが今季の成績を決める鍵になりそうです。

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・加賀山泰毅
隣国タイやシンガポールのリーグに比べると日本人選手の数が少ないマレーシアリーグ。1部スーパーリーグで日本人選手がプレーするのは2020年の鈴木ブルーノ(当時トレンガヌFC)以来2年振り、サバで言えば2017年に地頭薗雅弥選手(現世田谷ユナイテッド代表)が在籍して以来5年振りの日本人選手となる加賀山選手ですが、気候も文化も異なるヨーロッパ(フィンランド1部FCインテル・トゥルク)から東南アジアへの移籍となる中で、どのようなプレーを披露してくれるのか期待が高まります。

・ドミニク・タン
U23代表では主将も務めたタン選手は、JDTから移籍したタイ1部ポリス・テロFCではレギュラーポジションを掴めず、リーグでの試合出場時間の短さが影響し、代表に招集されるものの活躍はできていません。代表のセンターバックはアイディル・ザフアン(JDT)が務めていますが、世代交代となればその一番手候補となるためにもまずはサバで試合出場時間を増やすとともに試合感を取り戻して欲しいです。

・アズハド・ハラズ
18歳ながらAFC U23選手権予選に出場したU22代表にも招集されたのは、昨季所属した2部プレミアリーグでプレーしたFAM-MSNプロジェクトでの活躍があったから。ライバルがいなかったFAM-MSNプロジェクトとは違い、今季のアズハド選手はチーム内での競争に勝って出場機会を得るところがスタートラインとなります。その才能に期待したサバが異例の4年契約を結んだアズハド選手がその競走に勝って1部スーパーリーグで出場機会を得られれば、サバにとってだけでなくU19代表やU23代表の強化にもつながります。

スリ・パハンFC(2021年シーズンスーパーリーグ10位)

本拠地:ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
2021年シーズン成績:10位(4勝6分12敗)得点23(リーグ8位)失点37(同9位)
過去5シーズンの成績:2017年2位-2018年4位-2019年2位-2020年8位-2021年10位
監督:クリストフ・ギャメル(フランス)
外国籍選手:
 *GKママドゥ・サマサ(マリ/フランス)
 *DFジョアン・マルシアル (フランス)
 MFマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)
 *FWマフムード・ザアタラ(ヨルダン-AFC枠)
 *FWビリー・ケトケオポムポン(ラオス/フランス-アセアン枠)

主なマレーシア人選手(*は新加入選手、#は2021年にマレーシア代表に招集された選手):
 GKヘルミ・エリザ
 GKザリフ・イルファン
 DFムスリム・アフマド
 DFアシャル・アル=アフィズ
 DFニコラス・スウィラッド 
 *DFアズワン・アリピン(ペナンFCより加入)
 *DFファイサル・ロスリ(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 DFファンディ・オスマン
 #MFアザム・アジー
 MFリー・タック
 *MFデヴィッド・ローリー(クダ・ダルル・アマンFCより加入)
 FWマリック・アリフ
 FWバキュディン・シャムスディン
 FWエセキエル・アグエロ 
 *FWシーン・ジャネッリ(KLシティFCより加入)

チーム紹介:
昨季は元アメリカ代表主将でフィリピン代表監督の経験もあるトーマス・ドゥリー新監督を迎えながら開幕からわずか2試合で「休養」させるなど、迷走したスリ・パハンFC(以下パハン)は、ドゥリー前監督と共に休養させたフランス出身のクリストフ・ギャメル コーチを今夏は監督に据える人事を敢行し、さらに昨季在籍した外国籍選手5名とマレーシア人選手14名との契約を更新せず、大幅なチームメンバーの入れ替えを敢行しています。昨季はトップチームでのコーチ「休養」後はU19チームを指導したギャメル新監督就任にあわせ、今季は若手を積極的に起用するのかと思いきや、クラブはMリーグでのプレー経験が5年を超えたリー・タック(イギリス)、エセキエル・アグエロ(アルゼンチン)両選手の帰化を進めマレーシア人選手として登録する方針を発表しています。パハンにはこの他にもニコラス・スウィラッド、デヴィッド・ローリー、シーン・ジャネッリらマレーシア人の血を引くハイブリッド帰化選手もおり、帰化選手だけで1チームができてしまうほどで、昨季主将を務めたムスリム・アフマッドらまで退団させた目的が、外国籍と外国生まれの選手に頼ったチーム再建なのか、という声が上がると、今度はムスリム・アフマッドと再契約するなど、経営陣の方針が全く不明な補強を行なっています。個々の選手の顔ぶれは上位のクラブとは引けを取らないものの、昨季のように経営陣が介入すれば、今季も降格争いに加わる可能性は十分あります。
 
 

ボラセパマレーシアJP的注目選手
・アザム・アジー
コロナ前の2019年予選も含めてほぼレギュラーポジションをつかんでいたにもかかわらず、昨年6月に再開されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選以降は代表招集がなかったアザム選手。スーパーリーグでも22試合中19試合に出場するなど不調だったわけではありませんが、スズキカップ2020では自身のポジションである守備的ミッドフィルダーに、当時のタン・チェンホー監督が攻撃的ミッドフィルダーのバドロル・バクティアルを起用するなど不可解な起用で代表招集はありませんでした。代表だけでなく、所属するパハンも突然の監督交代などでゴタゴタしたことから、シーズン終了後には他クラブへの移籍も噂されましたが、結局残留したのは、地元出身でユースからパハン一筋でプレーしてきたからかも知れません。ボラセパマレーシアJP的にはマレーシアでトップ3に入るデッドボール・スペシャリストだと思っているので、アザム選手には代表復帰のためにも、今季はクラブでの活躍を期待したいところです。

・マヌエル・イダルゴ
昨季2度目のトランスファーウィンドウ期間に加入すると、選手登録された最初の試合でゴールを挙げ、それまで2勝2分7敗と不調のクラブの雰囲気を一変させたイダルゴ選手は、加入直後の6試合を2勝4分で終える原動力となりました。その後は他クラブのマークなども厳しくなり、入団当初ほどの劇的な活躍は無くなりましたが、今季新加入のFWコンビの実力次第では攻撃的ミッドフィルダーとしてではなく、司令塔としてより多くのゴールを引き出す可能性もあります。

2月1日のニュース
エリートアカデミー3期生44名全員がMリーグ1部クラブと契約
加賀山泰毅選手を含む3名の新外国籍選手加入をサバが発表
アンドラ代表加入で2季連続2位のクダも外国籍選手の補強完了

今日2月1日は旧暦の1月1日。マレーシア風にいうとチャイニーズニューイヤー(中国正月)で、イスラム色の強い東海岸のいくつかの州を除くと今日と明日の2日間が祝日になっています。このブログを書いている時点でも、外からは爆竹の派手な爆音が聞こえてきます。当日は互いに「恭喜發財 ゴンシファチョイ」と新年の挨拶を交わして、日本のお年玉同様の紅包アンパオを配りますが、その相手は未婚であれば年齢は関係ないのが特徴です。

エリートアカデミー3期生44名全員がMリーグ1部クラブと契約

国家サッカー選手育成プログラムNFPDは、マレーシアサッカー協会FAMとマレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会が共同で運営するユース育成のプログラムですが、このプログラムの中核となるエリートアカデミー、モクタル・ダハリアカデミーの卒業式が行われ、2021年度生徒して卒業する第3期生の44名全員がMリーグ1部スーパーリーグのクラブと契約を結んだことがNFPDの公式Facebookで発表されています。2004年生まれの44名が契約したクラブの内訳はスランゴール20名、スリ・パハン10名、JDT6名、KLシティとトレンガヌがそれぞれ4名ずつとなっており、既に先月からクラブの練習に参加している卒業生もいるということです。。国費を投入してサッカー選手を育成するこのプログラムからはこれまでに第1期生34名、第2期生40名、そして今回の第3期生44名の合計108名が卒業しています。

加賀山泰毅選手を含む3名の新外国籍選手加入をサバが発表

昨季はMリーグ1部スーパーリーグで4勝7分11敗で9位に終わったサバは、昨年9月に元U23代表監督のオン・キムスイ氏をマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクター職から引き抜くとともに、このシーズンオフには非常に積極的な補強を行い、「ボルネオのJDT」とも呼ばれています。そのサバが、新たに外国籍選手3名の加入を発表しています。

まずはボラセパマレーシア注目のFW加賀山泰毅選手です。 フィンランド1部のFCインテル・トゥルクから加入する25歳の加賀山選手は過去3季はFCインテル・トゥルクの他、フィンランド2部のムサン・サラマやコッコラン・パロヴェイコトKPVでプレーし、トランスマルクトによれば昨季創設されたUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ予選の2試合を含めてフィンランド時代の3シーズンで80試合に出場し18ゴール15アシストを記録しています。なお加賀山選手は今季のMリーグ1部スーパーリーグでプレーする唯一の日本人選手です。

またサバには加賀山選手に加えてDFジャクソン・デ・ソウザとFWネト・ペソアのブラジル出身コンビも加入しています。31歳でセンターバックのデ・ソウザ選手は2008年から2010年にはブラジルの名門サンパウロで、またインテルナシオナルやパルメイラスなどでもプレー経験があるということです。一方27歳のブラジル3部のクルーベ・ド・レモから加入するネト選手は昨季は40試合で16ゴールを挙げています。なお、サバはDFパク・タエスー(韓国)とFWサディル・ラムダニ(インドネシア)の両選手が昨季から残留しており、今回の3名の新戦力加入で外国籍選手枠が埋まりました。

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サバは、MFバドロル・バクティアルとDFリザル・ガザリ両選手をクダから、GKカイルル・ファーミ・チェ・マットをマラッカから、そしてDFドミニク・タンをタイ1部のポリス・テロからと、昨年末のスズキカップ2020に出場した代表選手4名を新たに獲得しています。JDTから期限付き移籍するMFイルファン・ファザイルに加えバドロル、カイルル両選手は当時U23代表監督だったオン監督とともに2011年の東南アジア競技大会通称シーゲームズで優勝を飾っており、その絆で集まってきた選手たちと外国籍選手との意気が合えば、台風の眼どころか、上位進出を狙う他のチームの脅威にもなりそうです。

アンドラ代表加入で2季連続2位のクダも外国籍選手の補強完了

Mリーグ1部スーパーリーグで2季連続で2位となっているクダですが、昨季在籍した外国籍選手5名が退団した他、クダのレジェンドとも言えるバドロル・バクティアルや同じく代表のリザル・ガザリが退団するなど過去2シーズンとは大幅に布陣が変わりますが、その最後のピースとなるDFマルク・バレスの加入がクラブ公式Facebookで発表されています。31歳のゴンザレス選手はレアルマドリーのユースチームに在籍していたこともあり、母国アンドラのほか、スペイン、フィンランド、ノルウェイなどでもプレー経験やアンドラ代表としてこれまで78試合に出場しています。

クダは既に昨季は同じ1部スーパーリーグのトレンガヌでプレーしたMFデチ・マルセル(コートジボアール)、ヨルダン1部のアル・サルトSCから加入のFWロナルド・ンガ(カメルーン)、昨季2021年シーズンはUITM、2020年シーズンはサバでもプレーしたFWデニス・ブシェニング(タイ/ドイツ)、そして昨季まで3シーズンの間マラッカでプレーしたDFチャン ソグォン(韓国)と契約しており、また地元クダ出身の代表FWシャフィク・アフマドをJDTから期限付き移籍ながら獲得しています。なおゴンザレス選手の加入で、今季のクダのトップチーム30名全員が決定しています。



1月12日のニュース
・監督不在のA代表に代わりU23代表が国際マッチデーに試合を開催
・有能なマレーシア人指導者がいないことが外国人代表監督が必要な理由-元FAMテクニカルディレクター
・サバFCはインドネシア代表FWへの獲得オファーを拒否

監督不在のA代表に代わりU23代表が国際マッチデーに試合を開催

東南アジアサッカー連盟AFFスズキカップ2020でのグループステージ敗退の責任をとってタン・チェンホー監督が辞任したA代表に代わり、U23代表が今年1回目のFIFA国際マッチデーに試合を行うとマレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。。

2022年の第1回のFIFA国際マッチデー(AFC)は1月24日から2月1日に設定されていますが、スズキカップ2020の敗因分析すら終わっていないA代表は未だ新監督が決まっておらず、この時期に試合は組まれていません。そんなA代表に代わりU23代表がこの国際マッチデー期間に試合を行うとFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長が述べています。

来月2月にAFF U23選手権(カンボジア)が控えているU23代表は、他国のU23代表あるいはMリーグクラブとの練習試合を行うということですが、このAFF U23選手権に続き、5月には東南アジア競技大会(ベトナム)、6月にはAFC U23アジアカップ(ウズベキスタン)、さらには9月にはアジア競技大会(中国)と今年のU23代表は大会が目白押しになっています。

有能なマレーシア人指導者がいないことが外国人代表監督が必要な理由-元FAMテクニカルディレクター

タン監督が辞任したA代表は、次期代表監督候補者として様々な名前がメディアを賑わせていますが、そこで取り沙汰されているのはマレーシアカップで優勝したKLシティFCのボヤン・ホダック監督やU23代表のブラッド・マロニー監督らに加え、日本人や韓国人などの外国人ばかりで、マレーシア人の候補者については全く名前が上がっていません。

この状況について、前FAMテクニカルディレクターのピーター・デ・ルー氏は代表チームの質を高められるだけの能力を持つマレーシア人指導者の数が少なすぎるためにFAMは外国人監督を採用せざるを得ない、という発言をマレーシア語紙ブリタハリアンが紹介しています。

マレーシア代表はマレーシア人監督が指導するのが理想的と話すデ・ルー氏は、2017年から2021年まで自身がFAMでテクニカルディレクターを務めた経験に基けば、辞任したタン前監督以上のマレーシア人指導者には遭遇しなかったと述べ、そのタン前監督が辞任した以上、他のマレーシア人指導者を代表監督に据えても代表が今より強化されるとは思えないと話しています。

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自身がテクニカルディレクターを務めていた際に指導者研修などを行なってマレーシア人指導者のレベルアップを図ることは考えなかったのかな、という疑問は置いておくとして、Mリーグでも1部スーパーリーグの昨季上位6チーム中5チームが外国人監督に率いられたチームだったことを見てもわかるように、マレーシア人指導者に有能な人材が不足していることは否めません。選手が年代別代表を経てA代表になるようように、FAMには将来の代表監督を育てるための方針が必要に思えますが、U23代表のマロニー監督がU19代表の監督も兼任している状況を見ると、将来の代表監督育成は目に見える形では行われてはいないようです。

サバFCはインドネシア代表FWへの獲得オファーを拒否

Mリーグ1部スーパーリーグのサパFCは、所属するインドネシア代表FWサディル・ラムダニに対してセルビアのクラブから受けていたオファーを拒否したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

スズキカップ2020にも出場した4名の代表選手獲得を含め、オフシーズンには積極的な補強を行ったサバFCですが、マルズキ・ナシル チームマネージャーは、このタイミングでラムダニ選手を放出した際に代わりの選手を獲得するにはトランスワーウィンドウの残り期間が短すぎると話しています。なおMリーグの今年1回目のトランスファーウィンドウ期間は昨年2021年12月1日から今年2月20日までとなっています。

マルズキ チームマネージャーは、ラムダニ選手自身も今季のサバFCでのプレーを希望しており、既に本国からマレーシアに戻っているラムダニ選手はマレーシア政府が渡航者全員に求めている検疫隔離期間が終わる明日1月13日にはチームに合流する予定であることも明らかにしています。