今節第12節からいよいよ後半戦が始まりますが、今節の注目カードは何と言っても首位攻防戦のクダ・ダルル・アマン対JDTでした。また5月3日から開いているトランスファーウィンドウ期間に加入した新戦力を早速投入しているクラブもあり、そういった選手たちが、後半戦の局面を大きく変える可能性もあります。
その一方で、今週半ばは試合が組まれていない2部プレミアリーグのケランタンFCの選手に新型コロナウィルス感染者が見つかり、今週末のペラFC II対ケランタンFCが延期されています。
各試合のハイライト映像はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの公式Youtubeチャンネルからお借りしています。
2021年5月4日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ・ダルル・アマン 0-1 JDT
得点者:JDT-ベルクソン・ダ・シルヴァ(90+2分PK)
新型コロナウィルスの影響で急遽、無観客試合となって行われたこの試合は、両チーム共にチャンスがありながらそれを活かせない展開が続き、このまま引き分けかと思われたロスタイム、クダの守備ラインをかわしてペナルティエリアへボールを持ち込んだJDTのムハマドゥ・スマレをレノン・アルヴェスが倒して万事休す。これで得たPKをベルグソン・ダ・シルヴァが蹴り込み、これが決勝ゴール。この日は活躍したクダGKシャアリル・サアリでも止められませんでした。
残り数分は明らかな時間稼ぎをするJDTと試合を進めたいクダの選手との間で何度か争いも起き、試合終了後もそれが続く後味の悪い試合となりました。
クダにとっては本拠地で最低でも勝点1が欲しい試合でしたが、開幕戦に続き、JDTに0封されての敗戦でした。
またハイライト映像には写っていませんが、56分にはペナルティーエリア手前でドリブルで持ち込んだJDTのゴンザロ・カブレラをレノン・アルヴェスが「ブロック」して衝突。カブレラ選手は脳震盪(のうしんとう)を起こし退場となりましたが、その後の報道で無事に退院したことが伝えられています。
2021年5月4日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 3-1 ペナン
得点者:KL-パウロ・ジョズエ3(35分、52分PK、88分)、ペナン-ダニアル・アシュラフ(64分)
昨季の2部プレミアリーグ優勝チームのペナンと同2位の対戦となったこの試合は、9戦負けなしでリーグ3位と好調のペナンが有利と目されていましたが、KLシティが主将パウロ・ジョズエのハットトリックで解消して、この日が誕生だったボジャン・ホダック監督に勝利をプレゼントしています。
2021年5月4日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴンバダ)
トレンガヌ 3-0 UITM
得点者:トレンガヌ-デヴィッド・ダ・シルヴァ(8分)、ファイザル・ハリム(10分)、モハマド・ラーマット・マカスフ(77分)
トレンガヌが最下位のUITMに快勝し、JDTに敗れたクダに代わって再び2位に浮上しています。
UITMは5月3日に開いたトランスファーウィンドウ期間に加入したMFウスマン・ファネ(フランス)とFWジョアン・ペドロ・フレイタス(東ティモール)の新戦力が先発しましたが、5試合連続無得点となりました。
2021年5月5日@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 2-2 スランゴール
得点者:パハン-マヌエル・イダルゴ(48分)、アブドル・マリク・アリフ(90+5分)、スランゴール-ハイン・テット・アウン(76分)、イフェダヨ・オルセグン(87分)
11位のパハンはトランスファーウィンドウ期間にDFエラルド・グロンを除く4名の外国籍選手を入れ替えましたが、その内、MFアブバカル・ヤクブ(ガーナ)とFWマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)が先発、FWケニー・アティウ(南スーダン/オーストラリア)が途中出場とこの試合でデビューしていますが、早速イダルゴ選手ががスランゴール守備陣のパスミスから作ったチャンスを生かしてゴールを決め、さらに同点ゴールにつながるFKでアシストを上げるなど活躍し、強烈な印象を残しています。ちなみにパハンのドラー・サレー監督はもう1人の新戦力FWアウン・カウン・マン (ミャンマー)も起用する予定だったようですが、国際移籍証明書ITCが試合までに
スランゴールはエースのイフェダヨ・オルセグンの技ありの逆転ゴールで逃げ切るかと思われましたが、パハンの同点ゴールのきっかけとなったFKを与えたDFシャールル・ナジームが2枚のイエローで退場し、最後のセットプレーで数的不利となったことが悔やまれます。
2021年5月5日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-1 ペラ
得点者:セルヒオ・アグエロ(26分)
引き分けを挟んで3連敗中だったペラが5試合ぶりの勝利で順位を一つ上げ9位となっています。
ペラは新加入のFWナナ・ポク(前UITM)を獲得して得点力不足に悩む攻撃陣を補強し、この勝利から巻き返しを図りたいところですが、主将で代表DFシャルル・サアドがスリ・パハンからの獲得オファーを受けていることを明らかにしており、もしシャルル選手が移籍となれば、今度は守備陣が大きな痛手となるため、その行方が
2021年5月5日@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 3-1 マラッカ・ユナイテッド
得点者:サバ-アムリ・ヤハヤ2(6分、47分)、モハマド・アジザン・ノルディン(16分)、マラッカ-モハマド・ファクルラー・ロスリ(66分)
40歳のアムリ・ヤハヤの3試合連続ゴールで先制したサバは、その後もアムリ選手のこの日2点目となるダメ押しゴールでマラッカを突き放して勝利し、引き分けを挟んで3連勝を記録しています。
2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ順位(第12節終了時)
| Club | G | W | D | L | GF | GA | GD | P |
1 | JDT | 12 | 8 | 3 | 1 | 25 | 6 | 19 | 27 |
2 | TFC | 12 | 7 | 3 | 2 | 18 | 11 | 7 | 24 |
3 | KDA | 12 | 7 | 2 | 3 | 20 | 13 | 7 | 23 |
4 | PEN | 12 | 6 | 4 | 2 | 18 | 11 | 7 | 22 |
5 | SEL | 12 | 5 | 4 | 3 | 21 | 18 | 3 | 19 |
6 | KL | 12 | 4 | 4 | 4 | 16 | 13 | 3 | 16 |
7 | SBH | 12 | 4 | 4 | 4 | 17 | 16 | 1 | 16 |
8 | PJ | 12 | 3 | 5 | 4 | 10 | 16 | -6 | 14 |
9 | PRK | 12 | 3 | 3 | 6 | 12 | 16 | -4 | 12 |
10 | MU | 12 | 3 | 4 | 5 | 15 | 19 | -4 | *10 |
11 | PHG | 12 | 2 | 3 | 7 | 13 | 20 | -7 | 9 |
12 | UITM | 12 | 0 | 1 | 11 | 3 | 29 | -26 | 1 |
*マラッカ・ユナイテッドは給料未払いのため、勝点3剥奪処分を受けています。
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJ-PJシティ、MEL-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ
2021年シーズンMリーグ1部スーパーリーグ得点ランキング(第12節終了時)
| 選手(所属クラブ) | ゴール数 |
1 | イフェダヨ・オルセグン(SEL) | 12 |
2 | ベルクソン・ダ・シルバ(JDT) | 10 |
3 | クパー・シャーマン(KDH) | 8 |
4 | カサグランデ(PEN) | 7 |
| パウロ・ジョズエ(KL) | 7 |
クラブ名:KDA-クダ・ダルル・アマン、TFC-トレンガヌ、PRK-ペラ、SEL-スランゴール、PHG-スリ・パハン、PJC-PJシティ、MU-マラッカ・ユナイテッド、SBH-サバ、PEN-ペナン、KL-KLシティ