2月16日のニュース:Mリーグは今季も交代枠5人制と2度の給水タイムを採用、タイリーグ-ジュニオール・エルドストールは2試合連続フル出場、ケランタンFCは外国籍選手枠4名が全て埋まる

 昨日2月15日からMリーグ各クラブはMFLの承認を得た上でチーム練習が解禁されていますが、スランゴールやPJシティ、UITMなどが早速、練習を再開しているようです。

Mリーグは今季も交代枠5人制と2度の給水タイムを採用
 3月5日に迫った今季2021年シーズンのMリーグ開幕を前に、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは昨季に続き、交代枠5人制と2度の給水タイムを採用することを公式サイトで発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナウィルス対策の活動制限令施行により禁止されていたチーム練習が昨日2月15日から解禁となったものの、開幕まで3週間を切っていることから、昨季に続く交代枠増と給水タイム採用は、各クラブの監督、コーチにとってリーグ戦に臨むチームづくりの助けになるだろうと話しています。
 「開幕までの期間が短すぎるという不満がMリーグ各クラブの監督、コーチから出ているが、MFLはリーグ存続を第一に日程作成をしていることを理解してもらいたい。MFLは今季は各クラブが全22試合(1部のみ。今季は10クラブ参加の2部は全18試合)を実施することを目指している。昨季のような試合数削減を行えば、スポンサーにも影響を及ぼし、それは結局、リーグやクラブの運営にも悪影響を与えることになる。」として、各クラブに理解を求めています。

タイリーグ-ジュニオール・エルドストールは2試合連続フル出場
 2月13日から14日にかけてタイ1部リーグ第19節と2部リーグ第21節が行われました。1部チョンブリーFCのDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナダル・アマルハン・マデルナー)は2試合連続のスタメンフル出場を果たしましたが、チームはトラートFCを相手に0-0の引き分けています。
 また同ポリス・テロFCのDFドミニク・タンは2試合ぶりの出場を果たすも、86分からの出場でした。なおチームは上位のポートFC相手に2-0で勝利し、2連勝となっています。
 タイ2部ノーンブワ・ピッチャヤFCと契約したニコラス・スウィラッドは、検疫隔離のため、チームには合流していないようです。
タイ1部リーグ第19節(左側がホームチーム。順位は今節終了時の順位)
2月14日
タラートFC(15位-3勝2分14敗)0-0 チョンブリーFC(12位-7勝2分10敗)
チョンブリーFCのジュニオール・エルドストールはスタメンフル出場しています。
2月13日
ポリス・テロFC(10位-7勝4分8敗)2-0 ポートFC(2位-13勝1分5敗)
ポリス・テロFCのドミニク・タンは86分に交代出場し試合終了まで出場しています。
タイ2部リーグ第21節(左側がホームチーム。順位は今節終了時の順位)
2月14日
ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-14勝7分0敗)0-0 チェンマイ・ユナイテッドFC(4位-11勝7分3敗)
ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしていません。

ケランタンFCは外国籍選手枠4名が全て埋まる
 Mリーグ2部ケランタンFCは公式Facebook上でスペイン出身の守備的MFマリオ・アルケスの加入を発表しています。これでケランタンFCはMリーグ2部のクラブに割り当てられている4名の外国籍選手枠が全て埋まりました。
 29歳のアルケス選手はビジャレアルのユースチームなどを経験した後、昨季はインド1部リーグのケーララ・ブラスターズFC でプレーしています。
 このブログでも既報通り、ケランタンFCは今季の新戦力としてFWジャック・ヒンドル(英国)、DFクリストス・インジディス(ギリシャ)、FWナタナエル・シリンゴリンゴ(インドネシア)が既に加入しています。
(アルケス選手加入を伝えるケランタンFCの公式Facebookの投稿)

2月15日のニュース:「スポーツバブル」の外に出た選手には検疫隔離義務付けも、KLユナイテッドはフィリピン代表候補GKを獲得か、今度はサラワク・ユナイテッドで未払い給料問題発覚

「スポーツバブル」の外に出た選手には検疫隔離義務付けも
 活動制限令MCOにより禁止されていたMリーグクラブのチーム練習がいよいよ本日2月15日より解禁されますが、この解禁を前に国内スポーツを司る青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が記者会見し、Mリーグが設定する、いわゆる「スポーツバブル」の外に出た選手や監督、コーチに対してはクラブ外で隔離措置が取られると話しています。
 マレーシアの通信社ブルナマの報道によると、リーザル・メリカン大臣は、3月5日の今季Mリーグ開幕を前に各クラブの選手、監督、コーチ及び関係者に対して、練習解禁の条件として選手や監督、コーチを含む関係者を大きな泡(バブル)で包み込むかのように外部との接触を遮断するスポールバブル方式とそれに基づく標準作業手順SOPを採用することから、このスポーツバブル方式の「肝」となる合宿隔離と自宅隔離を厳格に守ることを求めています。その上で、バブル内にいる選手を含めた関係者は一旦このバブルの外に出ることがあれば、再度バブル内に戻る前にはPCR検査と3日間の検疫隔離などを義務付ける予定であると話しています。
 「現在、青年スポーツ省とマレーシアンフットボールリーグMFL、国家スポーツ評議会は、国家安全保障委員会や保健省とSOPの詳細を詰めている段階であり、安全面だけでなく実効性のあるSOPを作成したい。」とリーザル・メリカン大臣は話しています。

KLユナイテッドはフィリピン代表候補GKを獲得か
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、今季からMリーグ1部に昇格するクアラルンプール・ユナイテッド(KLユナイテッド)が東南アジア枠の新外国籍選手としてフィリピン代表候補GKケヴィン・メンドーザと契約間近と報じています。
 デンマーク生まれながらフィリピン人の母親を持つメンドーザ選手は26歳で、昨季はデンマーク2部リーグのヴェンシュセルFFでプレーしています。
 KLユナイテッドのボジャン・ホダック監督は「(現在の正GKで31歳の)ザミル・スラマットがこれまでチーム内で競争相手がいなかったことから、メンドーザ選手の加入によって今季は2人が健全な形で競い合うことができると考えている。」と話しています。
 今季のMリーグ1部ではUITMがクロアチア出身のGKドミニク・ピチャクと契約しており、メンドーザ選手がKLユナイテッドと正式契約となると、Mリーグでは久しぶりの外国籍選手GKが今季は一気に2人誕生することになります。

今度はサラワク・ユナイテッドで未払い給料問題発覚
 マレーシア語紙ハリアンメトロ電子版は2018年シーズンから2年間監督を務めたイアン・ギラン紙が、未払い給料の支払いを求めてFIFAへ不服申し立てを行なったと報じています。なおギラン氏の未払い給料は55万リンギ(およそ1430万円)ということです。
 この記事では弁護士を通じた問い合わせに対し、2年間以上もサラワク州サッカー協会(サラワク州FA)が全く返信をしていないことに業を煮やしたギリアン氏が、痺れを切らせてFIFAに不服申し立てをおこなったとしています。
 この未払い給料の支払いが行われなければ、FIFAによって今季のリーグ戦での勝点剥奪や、今季2度目のトランスファーウィンドウ期間での新選手獲得の禁止処分が下される可能性があります。
 昨季はクダ州サッカー協会のテクニカルディレクターを務めたギラン氏は、サラワク州FAが2017年11月から2018年12月分の自分の所得税を支払っていなかったことから、ビザの申請が困難になっている他、国外にいる家族への送金もできなくなっていると話しています。
 これについてサラワク州FAのポサ・マジャイス会長は、FIFAからの連絡は受け取っていないと話し、ギラン氏に今月中には支払う予定であると話しています。

2月14日のニュース:サラワク・ユナイテッドはホームゲームを首都圏で開催希望、FAM会長選-無投票当選確実のハミディン会長続投か、ケランタンFCは3名の新外国籍選手と契約

サラワク・ユナイテッドはホームゲームを首都圏開催希望
 ホーム アウェイ フロム ホーム。Mリーグ2部のサラワク・ユナイテッドは東マレーシア(ボルネオ島)のサラワク州クチンに本拠地を持つクラブですが、今季のホームゲームを首都圏で開催することを希望していると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 サラワク州は新型コロナウィルスの「レッドゾーン」(過去2週間で累積感染患者40名以上の地域)が州内に複数あることから、現在、州外からの渡航者に対し14日間の検疫隔離を義務付けています。Mリーグの試合でサラワク州入りするクラブもこの検査隔離の例外ではなく、3月5日に迫る今季のMリーグ開幕前に状況が改善することも見込めないことから、サラワク州サッカー協会(サラワク州FA)のポサ・マジャイス会長は、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLに今季のホームゲームを首都圏で開催する許可を求めたいと話しています。
 「Mリーグ開幕後も検疫隔離が義務付けられれば、アウェイチームはサラワク州へ来たがらない可能性がある一方で、サラワク州政府は州内にレッドゾーンがある限り、検疫隔離義務を撤廃することはない。このため今季のサラワク・ユナイテッドのホームゲームをクランバリー(クアラルンプールとスランゴール州を合わせた首都圏の通称)で開催できるよう、MFLの支援を求めたい。」とポサ会長は話しています。
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 サラワク州クチンには、やはりMリーグ2部で鈴木雄太選手が在籍するクチンシティも本拠地を持っていますが、状況はサラワク・ユナイテッドと同じです。義務付けられている2週間の検疫隔離期間を含めると州外から遠征してくるチームは2週間以上前からサラワク州入りする必要があることになります。またサラワク・ユナイテッドやクチンシティがマレー半島遠征後にサラワク州へ戻る際にも同様の検疫隔離が必要になることから、サラワク・ユナイテッドの要望はリーグ運営の際の問題点を一つ解消してくれることにもなりそうです。

FAM会長選-無投票当選確実のハミディン会長続投か
 対抗馬なしは手腕に対する評価か。マレーシアサッカー協会FAMの理事会選挙は3月13日に予定されていますが、その際、同時に行われる予定の会長選挙では、2018年からFAM会長を務めるハミディン・アミン現会長の対立候補が指名されなかったようだとニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお、今回の理事会選挙は2021年から2025年までの任期の理事を決める選挙です。
 FAM理事会選挙は、FAM傘下の各州サッカー協会(全13州のサッカー協会と連邦直轄地クアラルンプールサッカー協会)とマレー系、中華系、インド系の各マレーシア人サッカー協会、マレーシア王立警察と国軍のサッカー協会、そしてサッカーコーチ協会の全20団体が指名する候補者から理事10名、会長代理2名、副会長1名、そして会長1名を選出するものです。
 会長選候補者となるためには6協会以上から、副会長選候補者は5協会から、会長代理選候補者は4協会から、そして理事選候補者は2協会からの推薦が必要となっていますが、推薦受付は2月11日に終了しており、今回の会長選では2期目を目指すことを宣言しているハミディン会長は、6協会以上からの推薦を受けた唯一の候補者ということです。また同じく続投を目指すモハマド・ユソフ・マハディ会長代理も候補者となるために必要な推薦を得ているとされています。しかしその一方で、やはり現職のスバハン・カマル会長代理については必要な推薦数が得られているかどうかについては不明ということです。
 なお最終候補者はマレーシア王立警察とマレーシア汚職防止委員会による審査を経た上で3月6日に発表されます。

ケランタンFCは3名の新外国籍選手と契約
 Mリーグ2部のケランタンFCは公式Facebook上で新たな外国籍選手3名との獲得を発表しています。
 ギリシャ出身のDFクリストス・インジディスは189cmのセンターバックで、昨季はルーマニア2部リーグのCSコンコルディア・キアジナでプレーしています。また英国出身のFWジャック・ヒンドルは昨季は英国4部のバローAFCでプレーしたストライカーです。さらに東南アジア(アセアンASEAN)枠ではFWナタナエル・シリンゴリンゴをインドネシア2部リーグのスルット・ユナイテッドから獲得しています。
 現在21歳のナタナエル選手は一昨年2019年の東南アジア大会通称シーゲームズのフィリピン大会に出場したインドネシアU23代表合宿に飛び級で招集されたものの最終メンバーには残れませんでしたが、今年2021年末にベトナムで開催されるシーゲームズに出場するインドネシアU23代表候補に再び選ばれています。
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 Mリーグ2部の外国籍枠は4名で、ケランタンFCはさらにスペイン出身の選手(ポジション不明)を獲得するという噂があります。
(下は左からナタナエル選手、ヒンドル選手、インジディズ選手の加入を知らせるケランタンFC公式Facebookの投稿)

2月13日のニュース:MFLは選手登録期限の1週間延長を発表、スリ・パハンはフランス出身DFを獲得、ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開、JDTがアイスホッケーチーム設立 

ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開
 国家安全保障委員会NSCにより、2月15日よりMリーグ各クラブはチーム練習再開が許可されていますが、その際には合宿隔離方式あるいは自宅隔離方式での実施が条件となっています。Mリーグ1部のペラFCは州内にある国立大学の敷地内での合宿隔離方式で練習を再開するようです。
 ペラ州タンジュンマリムにあるスルタン・イドリス教育大学はその前身が1922年に創立された教員養成大学ですが、ペラFCは選手、監督、コーチ及びスタッフ全員がこの大学敷地内で宿泊と練習を行うということです。
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 マレーシア国内の大学は現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため原則として登校禁止、そして授業はオンラインで行われています。このためキャンパス内には学生がいないので、このような形の合宿隔離が可能となるのでしょう。

ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開
 国家安全保障委員会NSCにより、2月15日よりMリーグ各クラブはチーム練習再開が許可されていますが、その際には合宿隔離方式あるいは自宅隔離方式での実施が条件となっています。Mリーグ1部のペラFCは州内にある国立大学の敷地内での合宿隔離方式で練習を再開するようです。
 ペラ州タンジュンマリムにあるスルタン・イドリス教育大学はその前身が1922年に創立された教員養成大学ですが、ペラFCは選手、監督、コーチ及びスタッフ全員がこの大学敷地内で宿泊と練習を行うということです。
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 マレーシア国内の大学は現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため原則として登校禁止、そして授業はオンラインで行われています。このためキャンパス内には学生がいないので、このような形の合宿隔離が可能となるのでしょう。

MFLは選手登録期限の1週間延長を発表
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、今季2021年シーズン第1回目の選手登録期限を2月12日から2月19日と変更することを公式Facebook上で発表してます。
 今季のMリーグは当初は2月26日開幕が予定されていましたが、新型コロナウィルス対策となる活動制限令が施行されたことから、開幕日が3月5日となっていました。これに合わせて選手登録期限も延長されることが予想されていましたが、今回、FIFAの承認を得られたことから正式に発表されています。
 FIFAからの電子メールが届いたのが当初の登録期限の2月12日前日の2月11日の午後9時だったということです。

スリ・パハンはフランス出身DFを獲得 
 Mリーグ1部スリ・パハンはフランス出身のDFママドゥ・ワグと契約したことをマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。レバノン国籍も持つ31歳のワグ選手はアジア枠での登録となるということです。
 スリ・パハンのモハメド・スフィアン・アワンCEOによれば、今季3年目となるDFエラルド・グロンとこのワグ選手は当時フランス2部リーグのル・マンFCでもチームメートであった他、イラクのアル・ショルタSC在籍時の2018/2019シーズンにはイラク1部リーグ優勝なども経験しているということです。
 ワグ選手との契約で、グロン選手、FWリー・タック(英国、1部トレンガヌFCより加入)、FWセルヒオ・アグエロ(アルゼンチン、3部KLローヴァーズより加入)と5名中4名の外国籍選手が決定したスリ・パハンは、残る1枠となる東南アジア枠についてインドネシア1部アレマFCのFWクシェドヤ・ハリ・ユドの獲得に動いていると噂されています。
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 昨季は11試合で18失点(リーグ7位)と守備に苦しんだスリ・パハンですが、191cmのワグ選手が195cmのグロン選手と組むバックラインはリーグ屈指の高さとなります。

ペラFCは国立大学敷地内での合宿隔離方式で練習再開
 国家安全保障委員会NSCにより、2月15日よりMリーグ各クラブはチーム練習再開が許可されていますが、その際には合宿隔離方式あるいは自宅隔離方式での実施が条件となっています。Mリーグ1部のペラFCは州内にある国立大学の敷地内での合宿隔離方式で練習を再開するようです。
 ペラ州タンジュンマリムにあるスルタン・イドリス教育大学はその前身が1922年に創立された教員養成大学ですが、ペラFCは選手、監督、コーチ及びスタッフ全員がこの大学敷地内で宿泊と練習を行うということです。
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 マレーシア国内の大学は現在、新型コロナウィルス感染拡大防止のため原則として登校禁止、そして授業はオンラインで行われています。このためキャンパス内には学生がいないので、このような形の合宿隔離が可能となるのでしょう。

JDTがアイスホッケーチーム設立
 欧州型の総合スポーツクラブを目指すのか?昨季2020年までMリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは来月3月よりアイスホッケーチームを創設すること公式Facebookで告知しています。
 Facebookへの投稿によると、アイススケートリンクはジョホール州イスカンダル・プテリにあるトゥンク・マコタ・イスマイル青少年センター内に建設されるということです。さらにこの投稿ではJDTの名を冠したボクシングチームがあり、プロボクサーのファルハン・ハロンらを輩出しているということです。
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 マレーシアでアイスホッケー?と思われるかも知れませんが、2017年にクアラルンプールを中心に開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズではアイスホッケーが競技種目としてデビューし5カ国が出場しています。結果はフィリピンが金、タイが銀、マレーシアが銅のメダルを獲得しています。また続く2019年のフィリピン大会にも5カ国が出場しはタイが金、シンガポールが銀、フィリピンが銅メダルという結果でした。

2月12日のニュース:Mリーグクラブは2月15日より練習試合が可能にプロ選手会が未払い給料完済前に完済と発表したマラッカUを非難、そのマラッカ・ユナイテッドが新加入の外国籍選手を発表、スランゴールIIがミャンマーU23の有望株と契約

 本日2月12日は旧正月(中国正月)でマレーシアは国民の祝日です。例年ならばちょうど日本の年末年始のように帰省する人が多い時期ですが、今年は活動制限令MCOにより州境を超えての移動が禁じられており、恒例の帰省ラッシュもない静かな正月になりそうです。

Mリーグクラブは2月15日より練習試合が可能に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ各クラブに対して、マレーシア政府が設けた標準作業手順SOPを厳守する条件付きながら、2月15日より練習試合を行うことを許可すると発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは国家スポーツ評議会と協力して各クラブの代表者が出席するオンラインでのミーティングを開催し、2月15日から許可されるチーム練習についての説明を行なったとしています。
 これを報じたマレーシアの通信社ブルナマによると、このミーティングではチーム練習再開時に採用される合宿隔離方式と自宅隔離方式についても説明されたということです。なお合宿隔離方式とは選手と監督、コーチら関係者全員が一箇所に合宿して練習を行い、指定された場所でPCR検査を受ける方式で、自宅隔離方式とは選手は自宅から練習に通うことが可能方式です。また自宅隔離方式は、選手や監督、コーチは自宅から練習に参加できる一方で、練習に参加する本人だけでなく同じ家に住む家族全員がPCR検査を受ける必要がある他、自宅隔離機関中は居住者以外の訪問が全面的に禁止される方式で、いずれも新型コロナウィル感染を防ぐ手段として各クラブにいずれかの方式を採用することが求められているということです。

プロ選手会が未払い給料完済前に完済と発表したマラッカUを非難
 口を開く前に支払え。ここ数日このブログでも取り上げているMリーグ1部マラッカ・ユナイテッドの給料未払い問題については、マラッカ・ユナイテッドとクラブを運営するマラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)が未払い給料、諸手当、従業員積立基金EPF、そして所得税の総額91万5000リンギ(およそ2370万円)を完済したことを発表というニュースを紹介しましたが、さらに新たな展開がありました。
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、マラッカ州FAが完済を発表した時点では、未払い給料が実際に選手の手には渡っていないことを明らかにしています。
 PFAMのイズハム・イスマイルCEOは 「マラッカ・ユナイテッドの発表は非常に無責任なものである。発表が行われた時点では選手は誰1人として未払い給料を受け取っていない。マラッカ・ユナイテッドは未払い給料を支払ってから公表するべきであり、公表してから支払いを行うべきではない。」という投稿をTwitterに行い、PFAMに訴え出たマラッカ・ユナイテッドのトップチームの選手やU21チームの選手たちは誰1人として何も支払われていないことを明らかにしています。
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 これにはさらに続報があり、昨日2月11日にはブルナマがマラッカ・ユナイテッドのモハマド・サイフル・マット・サプリCEOの反論を掲載しています。
 「我々には支払い記録が証拠として残っており、(未払い給料を)支払わずに完済を発表するわけがない。ただし、銀行側の問題で入金が遅れている可能性があるかも知れない。」と述べています。またこのような発言によりマラッカ・ユナイテッドのイメージが損なわれるとして、PFAMが選手の福利を大事にしていることは理解できるが、ソーシャルメディアに投稿する前にクラブに直接、問い合わせをするべきだと逆ギレ気味に反論しています。
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 個人的にはどちらが正しいのか気になるところですが、自信があればすぐに名誉毀損で訴えるところですが、マラッカ・ユナイテッド側はPFAMに対する単なる非難でことを終わらせているところを見ると、どちらが本当のことを言っているかは一目瞭然でしょう。

マラッカ・ユナイテッドが新加入選手を発表
 昨季の選手には給料未払いでも、新戦力は獲得するのかぁ。Mリーグ1部マラッカ・ユナイテッドは3月5日に迫った今季開幕を前に2人の外国籍選手加入を発表しています。加入が発表されたのはブラジル出身のFWアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェスと、ドイツ出身でフィリピン代表のMFマヌエル・オットの両選手です。オット選手は東南アジア枠での契約となります。
 契約式はマラッカ州首相でもあるマラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)のスライマン・モハマド・アリ会長も出席し、州首相府で行われました。
 アレックス・ゴンサウヴェス選手は30歳で昨季はインドネシア1部リーグのプルシカボ1973でプレーしていました。一方、2010年から代表でプレーする28歳の「マニー」ことオット選手は昨季はフィリピン1部リーグのセレス・ネグロスでプレーし、タイ1部リーグのラーチャブリーでのプレー経験があります。
 またこの契約式では昨季もマラッカ・ユナイテッドでプレーした外国籍選手でハイチ出身のソニー・ノルデと韓国出身のジャン・スックウォンがそれぞれ1年契約で残留することや、JDT入りも噂されていたGKカイルル・ファミ・チェ・マットと2年契約を、DFラズマン・ロスランと単年契約を結んだことなども併せて発表されています。
 なおこの契約式を報じたブルナマは、5人目の外国籍選手となるモンテネグロ出身のFWステファン・ニコリッチが現在、クアラルンプールで検疫期間中であることも報じています。

スランゴールIIがミャンマーU23の有望株と契約
 ルクマンを手放したスランゴールはミャンマー版ルクマンを獲得。Mリーグ2部で同1部スランゴールのセカンドチームであるスランゴール2は、外国籍選手としてミャンマー出身のFWハイン・テット・アウンの獲得をクラブの公式サイトで発表しています。各年代の代表でプレーし、直近では飛び級でU23代表でもプレーしている19歳のハイン選手とは2023年までの契約となっているということです。
 昨季はミャンマー1部リーグのハンタワディ・ユナイテッドでプレーしたハイン選手について、スランゴールのマイケル・ファイテンバイナー テクニカルディレクターTDは、右ウィングが本職のハイン選手はミャンマーの若手有望選手の1人であると話し、スランゴールに加入することで、自身のサッカーキャリアを発展させていく良い機会となるだろうと話しています。
 なお、スランゴール2は今季、既にガーナ出身の20歳FWジョージ・アトラムと19歳DFジョーダン・アイムビラの両選手をガーナ2部のアクラ・ライオンズから期限付き移籍で獲得しており、昨季から残留したシンガポール出身の23歳MFアーミン・マイヤーと合わせてMリーグ2部クラブに認められている外国籍選手枠4名全てが埋まりました。

2月11日のニュース:サフィク・ラヒムがJDT復帰、マラッカ州FAが未払い給料2370万円を完済、今季のMリーグ公式試合球にナイキ社のFlightが決定、プロ選手会会長-感染者が出てもMリーグ中断をしないよう要望

サフィク・ラヒムがJDT復帰
 お帰りなさい、キャプテンマーベル。Mリーグ1部のジョホール・ダルル・タジムJDTとマレーシア代表で長年主将を務めたMFサフィク・ラヒムが3季ぶりに復帰することがJDTの公式Facebookで発表されています。
 2013年にスランゴールから移籍すると2014年から続いているJDTの連覇に貢献した他、JDTのアジア初タイトルである2015年のAFCカップ決勝イスティクロル・ドゥシャンベ(タジキスタン)戦ではマンオブザマッチMOMを獲得しています。また代表でも75試合に出場し、2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権では初優勝したマレーシア代表の主将としてもフル出場しています。
 2019年にマラッカ・ユナイテッドへ移籍する際には、JDTのトゥンク・イスマイル殿下からJDTで最も成功した選手、そしてクラブ史上最高の主将と評された上、いつでも戻ってこいと言われながらJDTを退団していました。
 なおサフィク選手の背番号は、退団前に着けていた8番となることも発表されています。
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 昨日のこのブログでも取り上げたモハマドゥ・スマレとジョナサン・エレラの加入に加え、サフィク選手の獲得により、今季のAFCチャンピオンズリーグでグループステージ突破を目指すJDTはさらに選手層に厚みが増し、いわゆるローテーションを行っても国内リーグで他を圧倒するのに十分な戦力を揃えつつあります。
(入団発表でのベンヤミン・モラ監督、サフィク選手、アリスター・エドワーズ テクニカルダイレクター(左から)、そして発表になった今季のJDTの布陣-いずれもJDTの公式Facebookより。)

マラッカ州FAが未払い給料2370万円を完済
 Mリーグ出場はギリギリセーフ!Mリーグ1部を運営するマラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)は総額91万5000リンギの未払い給料他を完済したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。この金額は未払い給料の他、諸手当や従業員積立基金などの積立金も合算した金額ということです。
 「我々はマラッカのサッカーのイメージを悪化させるような問題を避けるために、昨季在籍したウチェ・アグバ(Mリーグ2部サラワク・ユナイテッドへ移籍)と同じく昨季途中まで在籍したカラン・シン・ファーンズのの未払い給料と諸手当を支払った。またナルポン・ワイルド(タイ)の未払い給料についても早急に支払い、2度目のトランスファーウィンドウでの選手獲得禁止処分を受けないようにしたい。」と話すマラッカ・ユナイテッドのモハマド・サイフル・マット・サプリCEOは、このほかにも昨季のチームから選手18名と関係者17名が給料未払いとなっていることを明らかにし、こちらについても選手、関係者との間で分割払いとすることで同意を得ており、既に支払いを始めていることも明らかにしています。
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 こんな問題が開幕1ヶ月を切った段階で露呈してもリーグ出場禁止処分にもリーグ参加に必要なクラブライセンス剥奪にもならないようでは、クラブライセンス白球を担当する第一審機関FIBの資格審査能力に問題あり、とはならないのがマレーシアらしいです。

今季のMリーグ公式試合球にナイキ社のFlightが決定
 6年連続で公式試合球はナイキ社製に。Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは今季2021年シーズンのリーグ公式試合級としてナイキ社のFlightを採用することを公式Facebookで発表しています。Mリーグは2016年からナイキ社製のボールを公式試合球としています。
 このFlightは英国プレミアリーグ、イタリアのセリエAでも採用されており、アジアではオーストラリア(Aリーグ)、アラブ首長国連邦(UAEガルフリーグ)、中国(スーパーリーグ)、サウジアラビア(サウジプロリーグ)に続いてこのFlightを採用する5つ目リーグということです。
  このFlightは今季開幕戦となる3月5日のJDT対クダ・ダルル・アマン戦でお披露目となるということです。

プロ選手会会長-感染者が出てもMリーグ中断をしないよう要望
 スペインリーグに学べ。3月5日に今季開幕が予定されているMリーグについて、Mリーグ1部のクアラルンプール・ユナイテッドでプレーするサフィー・サリは、リーグ開幕後に新型コロナウィルス感染が選手間で発生しても、リーグを中断するべきではないと話しています。
 ブルナマはマレーシアプロサッカー選手会の会長でもあるサフィー選手の話として、Mリーグが業務提携をしているスペインのラ・リーガが感染者が出てもリーグを続行している点を指摘し、提携関係を活用してスペインリーグ主催者から学べるノウハウを採用するべきだとしています。
 ラ・リーガとMFLが共催したオンラインセミナーに出席したサフィー選手は「練習再開、そしてリーグ開幕が決まった今、最大の関心はMリーグ開幕後に出場選手に感染者が出た場合の対応である。選手間で感染者数が増えれば、リーグ中断、あるいは延期を、という声が上がる可能性があるが、その場合にはラ・リーガが採用している標準作業手順SOPをまねるべきだ。」と話し、これ以上のリーグ中断や延期が怒らないことを望んでいるとも話しています。

2月10日のニュース:Mリーグクラブに練習再開許可、ペラFCのロゴ問題-スルタンがコンペ開催を示唆、レジェンドFWがサバFCのテクニカルディレクターに就任、JDTがスマレら新入団選手を発表

Mリーグクラブに練習再開許可
 サラワク州を除くマレーシア全土に施行されている活動制限令によりチーム練習が禁止されていたMリーグの各クラブに朗報です。2月15日よりMリーグクラブのチーム練習が許可されることが昨日2月9日の新型コロナウィルス関連の定例記者会見で発表されました。なお許可されたチーム練習は選手や関係者が外部との接触を遮断される、いわゆる「バブル方式」で行われることも発表されています。
 これを受けてMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは公式Facebook上で今季の開幕日3月5日の変更がないことも改めて発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「練習許可が出たことで、今後は各クラブの選手、関係者全員が責任を持って標準作業手順SOPを遵守することが求められる。万が一この責任を果たせない者が出れば、新型コロナウィルス感染がリーグ内に発生する可能性がある。」と話しています。
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 練習再開が許可されなければ既に2月26日から延期されていた3月5日の開幕がさらに遅れる可能性もあっただけにMリーグ各クラブにとっては朗報です。しかし、この発表前からジムなどで集団練習していたクラブがあるとの噂も出ており、今後も自らが負っている責任の重さを理解しない不届き者が出ないことを祈ります。

ペラFCのロゴ問題-スルタンがコンペ開催を示唆
 ペラFCの新しいロゴがサポーターの間で不評というニュースはこのブログでも取り上げましたが、ついに州王スルタンが動く事態となりました。
 ペラ州のスルタン・ナズリン・シャー殿下はペラ州サッカー協会(ペラ州FA)に対し、今季開幕前にペラFCの新たなロゴを決定するコンペを行うよう「助言」したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 サポーターからの不評を無視して新たなロゴを採用しようとしたペラ州FAに対し、スルタンはサポーターの声を聞き、それに関心を持ち、さらに尊重するようにとの「助言」を受けたことを、ペラ州政府の青年スポーツおよびマルチメディア委員会のカイルル・シャーリル・モハマド委員長が明らかにしています。
 新たなロゴのコンペ参加条件などは近いうちに発表されるとしたカイルル委員長は、サポーターの投票前に応募作品から10程度のロゴを選び、5日間ほどの投票期間を設ける予定であるとしています。
 ペラ州FAのムハマド・ヤザン・モハマド副会長は1月30日にサポーターの不評にも関わらず、新たに発表したロゴを変更する予定はないと話していました。

レジェンドFWがサバFCのテクニカルディレクターに就任
 オールドファンには懐かしい名前が帰ってきました。1990年代後半、サバFCの前身サバFA時代に大活躍したオーストラリア出身のスコット・オルレンショー氏がMリーグ1部サバFCのテクニカルダイレクターに就任したことが、クラブの公式Facebookで発表されています。
 クラブの外国籍選手獲得やサバ州内の選手発掘などにも関わり、ユースプログラムの責任者も兼務するということです。
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 サバFA時代は赤毛のストライカーとして恐れられたオルレンショー氏ですが、下の写真では見る影もないですね。

JDTがスマレら新入団選手を発表
 JDTの帰化選手コレクション、いや代表選手コレクションにまた1人加わりました。Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは帰化選手のムハマドゥ・スマレとアルゼンチン出身のFWジョナサン・エレーラの加入を公式Facebookで発表しています。
 タイ1部BGパトゥム・ユナイテッドに移籍したジオゴ・サントスに代わる活躍が期待されるエレーラ選手ははアルゼンチン2部のCDリエストラから、スマレ選手は既にタイ1部のポリス・テロFCとの契約も満了していました。
 なおJDTは公式Facebookには「運転手さん、マレーシアでNo. 1のクラブに連れていってくれ。」というタイトルで始まり、スマレ選手がリムジンから降り立った先がJDTのクラブハウスだった、という映像を投稿しています。
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 パハン州サッカー協会がFIFAよりこのスマレ選手に対する給料未払い問題で490万リンギ(およそ1億2600万円)の支払いを命じる裁定を受けたニュースは先日取り上げましたが、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がスマレ選手に掛け合って要求額を下げさせるよう説得すると話す記事まで掲載されると、パハンFA(当時)退団から腰掛けのようなタイクラブ移籍(しかもそのクラブには元JDTのドミニク・タンが在籍)、そして今回のJDT入団と全てがつながり、実は最初から仕組まれていたのでは?という感もしなくはないです。
(JDT加入が発表されたスマレ選手(左)とエレーラ選手-JDT公式Facebookより)

2月8日のニュース:Mリーグクラブは練習再開可能か、本山雅志選手がマレーシア入国、ケランタンUに深井脩平選手加入で日本人トリオ結成、パハン州FAはFIFAの裁定に徹底抗戦の構え

Mリーグクラブは練習再開可能か
 今季のMリーグは3月5日に開幕が予定されていますが、サラワク州を除くマレーシア全土に施行中の活動制限令によりMリーグ各クラブはチーム練習が禁止されています。活動制限令は2月16日までの施行とされていますが、英字紙スター電子版は、来週からクラブ練習が許可される可能性があると報じています。
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは国内スポーツを監督する青年スポーツ省、国家スポーツ評議会、そして新型コロナウィルス対策を担う国家安全保障委員会との会談後に記者会見し、Mリーグ1部と2部のクラブについて、厳格が標準作業手順SOPを遵守することを条件に、早ければ来週中にも練習の許可が出されるだろうと話しています。
 現在は国家安全保障委員会の承認を待っている状態だと話すガニCEOは、これまでに渡り交渉を重ねてきた結果、練習許可が出される可能性は高いとし、3月5日今季の開幕を迎えられるよう、今後も努力していくとも話しています。
 「(2月26日から3月5日に延期された)今季のリーグ開幕がこれ以上遅れることになれば、プロサッカー産業に大きな影響が出る。MFLの試算では開幕が延期されれば、各クラブの損失の合計額は1ヶ月あたり少なくとも1900万リンギ(およそ4億9200万円)となる。」と話すガニCEOは、Mリーグのトランスファーウィンドウをリーグ開幕2週間前まで延長することもFIFAに申請中で、現在は承認待ちであることも明らかにしています。
 なお、2月5日に青年スポーツ省のリーザル・メリカン大臣が、MFL、マレーシアホッケーリーグ、セパタクローリーグなどについて、厳格なSOPを伴う完全隔離形式での練習許可申請を国家安全保障委員会に提案しています。

本山雅志選手がマレーシア入国
 Mリーグ2部ケランタン・ユナイテッドは公式Facebook上で今季加入する元日本代表の本山雅志選手がマレーシアへ到着したことを発表しています。
 今後はマレーシア渡航者全員に義務付けられている7日間の検疫隔離期間を経たのち、クラブの本拠地であるケランタン州コタバル入りするということです。
(クアラルンプール国際空港に到着した本山選手と深井脩平選手-ケランタン・ユナイテッドの公式Facebookより)

ケランタン・ユナイテッドに深井脩平選手加入で日本人トリオ結成
 マレーシアの通信社ブルナマは、ケランタン・ユナイテッドの4人目の外国籍選手としてDF深井脩平選手を獲得したと報じています。Mリーグ2部の外国籍選手枠は4名で、これでケランタン・ユナイテッドの外国籍枠は全て埋まったことになります。
 ケランタン・ユナイテッドを運営するKUFC社のアナス・カリミ・アフマド・タニ専務取締役は、28歳の深井選手を守備的MFであると紹介し、同じ2部のクチンシティに移籍したアイルトン・アレマオに代わって獲得したと話し、埼玉出身の深井選手は大宮アルディージャユースから北陸大学、その後はいずれもJ3のブラウブリッツ秋田、いわてグルージャ盛岡でのプレー経験があると発表しています。
 ケランタン・ユナイテッドは上の記事でも取り上げた本山雅志選手、昨季はクチンシティでプレーしたMF谷川由来選手がおり、Mリーグ初となる同一チームで日本人選手が3名プレーすることになります。ケランタン・ユナイテッドにはこの他にガンビア出身のFWガッサマ・アルフセイニイが在籍し、昨季はクチンシティを指揮した日本人の東山晃監督が今季から指揮をとります。
(深井選手を紹介するケランタン・ユナイテッドの公式Facebook投稿)

パハン州FAはFIFAの裁定に徹底抗戦の構え
 昨季所属したモハマドゥ・スマレ選手への未払い給料120万米ドル(およそ1億2600万円)の支払いをパハン州サッカー協会(パハン州FA)に命じる裁定をFIFAが下したことは先日のこのブログでも取り上げましたが、パハン州FAはこの裁定について争う姿勢を見せています。
 スター電子版は前パハンFA(現スリ・パハンFC)のチームマネージャーで、現在はスリ・パハンFCのCEOを務めるスフィアン・アワン氏はFIFAからの裁定を受け取ったことを認めた上で、「この件は弁護士に任せるが、まず弁護士からFIFAに採決決定の根拠を問い合わせ、その後の行動を決定したい。スポーツ仲裁裁判所CASへ控訴するべきか、それ以外の方法もあるのかどうかも検討する。」と話しています。
 なおこの件について、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はスマレ選手とパハン州FAの問題であるとして、静観する姿勢を見せています。

2月7日のニュース:今月予定の代表合宿が中止に、ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意、FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる、前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約

今月予定の代表合宿が中止に
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は今月2月に予定されていた代表合宿が中止になったことを報じています。代表が最後に合宿を行ったのは2019年11月で、来月3月に再開予定のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選を控え、1年3ヶ月ぶりの代表合宿が予定されていました。
 タン・チェンホー監督は1月13日にサラワク州を除くマレーシア全土に施行された活動制限令MCOが2月16日まで延期になったことを受け、このMCO中は各選手が所属するクラブの練習が禁止されており、招集する選手の体調が万全でないことを合宿中止の理由に挙げています。
 「(10日間が予定されていた)代表合宿に自宅のみで練習している選手を招集しても、簡単にケガをする可能性があり、そうなれば誰にとっても利益にならない。」と話すタン監督はマレーシアサッカー協会FAMと話し合いの末、来月のFIFAマッチデー期間に短期の合宿を行う予定であることも明らかにしています。
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 この次の記事でも取り上げますが、W杯アジア二次予選が6月の集中開催となることが濃厚となったことで、この時期に無理して合宿を行う必要がなくなったことが大きな理由でしょう。しかし、3月のFIFAマッチデー期間は3日しかなく、新戦力を試す時間もないため、6月に再開されるW杯予選に向けての選手選考は来月開幕するMリーグでの調子を見て、ということになりそうです。

ベトナムサッカー協会もW杯予選の6月集中開催に同意
 ニューストレイトタイムズはこれまで態度を表明してこなかったベトナムサッカー協会VFFが現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の6月集中開催案を支持することを発表したと報じています。
 W杯アジア二次予選ではベトナム、マレーシア、タイ、アラブ首長国連邦UAE、インドネシアが予選G組に入っていますが、ベトナムを除く4カ国は既に6月の集中開催案に同意しており、ベトナムだけが態度を表明していませんでした。
 トラン・クオック・トゥアンVFF副会長は、アジアサッカー連盟AFCの決定を尊重し、また多くの国が新型コロナウィルス感染によって苦境にあるとし、W杯アジア二次予選の残り試合を集中開催で行うことに同意すると発表しています。なおG組の集中開催地はアラブ首長国連邦が濃厚ということです。

FIFAがパハン州FAに未払い給料1億2600万円の支払いを命じる
 FIFAはパハン州サッカー協会(パハン州FA)に対し、未払いとなっている120万米ドル(およそ1億2600万円)の給料をモハマド・スマレに支払うよう命じたと、ニューストレイトタイムズが報じています。
 パハン州FAが運営するパハンFA(現スリ・パハン)に昨季まで所属していたスマレ選手は、新型コロナウィルスによるリーグ中断期間中の昨年8月に未払い給料を理由にチームを離れ、タイ1部ポリス・テロFCに電撃移籍していました。
 今回のFIFAによる支払裁定は、スマレ選手からFIFAに持ち込まれた未払い給料に関する訴えについて裁定を下した結果です。
 ニューストレイトタイムズは、スマレ選手とパハンFAの間で1年ごとに5000米ドルの昇給が取り決められていた一方で、スマレ選手は2017年のパハンFA加入後は一度も昇給していないと主張していることも報じています。なおFIFAが算定した120万米ドルは昇給予定分の総額と2020年および2021年の契約違反の罰金の総額だとし、この金額はFIFAの裁定によりMリーグの選手が受け取った金額としては、ケランタンFA(現ケランタンFC)がやはりかつて所属したカッシオ・デ・ジェズスに支払った62万9620リンギ(およそ1630万円)を超える過去最高金額だということです。
 なおこの裁定を受け、パハン州FAは45日以内にスマレ選手に120万米ドルを支払うか、10日以内にスポーツ仲裁裁判所CASに控訴することが可能で、いずれかの対応を行わない場合、パハン州FAはFリーグでの勝点剥奪や新たな選手獲得の禁止などの処分がFIFAにより課されるということです。

前スランゴールのスウィラッドがタイ2部クラブと契約
 昨季2020年シーズンはスランゴールでプレーしたDFニコラス・スウィラッドがタイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCと契約したことを英字紙スター電子版が報じています。
 29歳のスウィラッド選手は英国マンチェスター出身ですが、マレーシア人の母親を持つことからマレーシアの国籍取得後に帰化選手として2016年のJDT II加入以降、マラッカ・ユナイテッド、PKNSなどでもプレーしています。
 スウィラッド選手が加入するノーンブワ・ピッチャヤFCは現在、タイ2部リーグで14勝5分0敗、勝点47の成績で2位に勝点8差をつけて首位を快走しています。
 「(かつてJDT IIでチームメートだった同じく英国出身の帰化選手)ダニエル・ティングと今季はKLユナイテッドでプレーできると思っていたが、KLユナイテッドはレフトバックの選手を探していて実現しなかった。そんな時にノーンブアからの獲得オファーを受け、そこで早速、テイラー(リガン、サラワク・ユナイテッド)やブレンダン(ガン、スランゴール)、パトリック(ライヒェルト、タイ1部スパンブリーFC-かつてマラッカ・ユナイテッドでチームメート)らに相談し、タイ移籍を勧められた。」
 「ノーンブアは何もないところでバンコクからは8時間ほど離れているが、サッカーするには良い環境だと聞いているので、チャレンジすることを選んだ。」と話すスウィラッド選手は、この移籍が今後の代表チーム招集につながることも期待しているとも話しています。
 スウィラッド選手の移籍で、現在、タイでプレーするマレーシア人選手はドミニク・タン(ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(チョンブリーFC)に続き3人目となりました。

2月6日のニュース:W杯アジア二次予選-ベトナムを除く4カ国同意も6月延期は未だ確定せず、帰化選手のクラスニキがオーストラリアリーグへ期限付き移籍

W杯アジア二次予選-ベトナムを除く4カ国同意も6月延期は未だ確定せず
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選は新型コロナウィルス感染拡大により現在は中断中ですが、予定されている3月の再開に向け、感染状況が改善しないマレーシアは試合の6月延期と集中開催を同組内各国サッカー協会に提案しています。これまでアラブ首長国連邦UAE、タイ、インドネシアからは同意を取り付けているとされる一方、現在はG組で首位のベトナムは変更提案にに同意していないと報じられており、先日のこのブログでも予選G組5カ国中4カ国が同意している変更について、アジアサッカー連盟AFCからベトナムサッカー協会に対しこれに同意するよう働きかけをして欲しいいうマレーシアサッカー協会FAMの要望を取り上げました。しかし、 その要望は簡単に通りそうもないと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 AFCのウインザー・ジョン事務局長は、各国に自国での試合実施の権利があるとし、予選G組内の多数決では変更は認められないと話していると言うことです。
 「アジア二次予選は原則としてホームアンドアウェイ形式で開催されることが理解できていれば、各国にホームでの開催権が与えられていることは明らかである。(多数決で日程変更を認めるべきと主張する)多くのメディアはこの点を正しく理解していない。シンガポールを例に挙げれば、感染者数が少ない上、シンガポール人以外にも出入国を許可していることから、シンガポールにホームでの試合を取りやめて集中開催に同意することを強いることは筋が通らない。各国でホームアンドアウェイ形式での試合開催が不可能となった時点で集中開催が決定されるべきだ。」
 「またこの他に考慮するべきこととして、各国のサッカー協会が契約しているスポンサーへの義務や放映権などの問題があり、これら無視して試合開催を考えることはできない。」と話すウインザー事務局長は、予選G組を含めた各組に対し2月15日までに日程を確定するように求めており、この期日までに確定できない場合にはAFCが決定を行うとしています。
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 感染者数が少なかったベトナムも国内の感染拡大を受け、1月29日の今季第3節終了後に国内リーグが中断しています。W杯アジア二次予選ではマレーシアは3月30日にホームで予選G組首位のベトナムとの直接対決という重要なカードが組まれていますが、一昨年の11月から一度も代表合宿を開催していないマレーシアにとっては明らかに準備不足で臨むことになる3月開催は何としても避けたいところです。

帰化選手のクラスニキがオーストラリアリーグのクラブへ期限付き移籍
 オーストラリア1部Aリーグのニューカッスル・ジェッツは公式サイトでMFリリドン・クラスニキとシャーリアン・アビマニュをMリーグ2部JDT IIから期限付き移籍で獲得したことを発表しています。
 コソボ出身で29歳のクラスニキ選手は2015年にクダFA(現クダ・ダルル・アマン)に加入し、その後はマラッカ・ユナイテッドでのプレーを経て昨季からJDT IIに加入していました。Mリーグで5年間連続でプレーしたことから帰化選手申請の資格を得たクラスニキ選手は、昨年2月にマレーシアの国籍を取得しています。
 一方、JDT初のインドネシア出身選手でもある21歳のシャーリアン選手は各年代での代表チームでのプレー経験を持ち、インドネシア1部リーグのマドゥラ・ユナイテッドから昨年2020年12月に獲得したばかりの選手です。
 両選手は既にオーストラリア入りしており、渡航者に義務付けられている検疫隔離期間中ということで、Aリーグのトランスファーウィンドウが開く2月16日以降にチームに合流するとされています。
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 ニューカッスル・ジェッツは現在Aリーグ1部で1勝1分4敗の12位最下位と低迷しており、すでに開幕時の監督は更迭されて、後任監督が先日決まったばかりという状況です。帰化した直後には代表に召集されW杯予選の秘密兵器となるだろうと期待されながらMリーグでは結局、トップチームに定着できなかったクラスニキ選手ですが、この移籍を機会に活躍し、クダFA時代の監督でもあるタン・チェンホー代表監督から召集される日が来るでしょうか。
(写真は両選手を告知するニューカッスル・ジェッツの公式Facebook投稿)