6月3日のニュース:U19代表合宿がロックダウンにより中止に、主力選手流出のペラFCに9選手が加入、今年のスズキカップは一箇所での集中開催か

U19代表合宿がロックダウンにより中止に
 今年2021年11月からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて今月6月に予定されていたU23代表合宿が中止になったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 事前に関係各所から合宿開催許可を得ていたU19代表でしたが、新型コロナウィルス感染拡大が止まらないマレーシアでは6月1日から14日まで移動制限を含む完全ロックダウンが実施されたことで、今回の合宿も中止となったようです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーは各国のU23代表が出場しますが、マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック予選の準備としてU19代表を派遣する予定にしています。
 現在のロックダウン下では半径10kmを超えての原則として禁じられており、これによりスランゴール州プタリンジャヤにあるFAMの練習施設で開催予定だった合宿に選手が参加できない可能性があることなどが中止の理由とされています。
 オーストラリア出身のブライアン・マロニーU19代表監督は現時点ではチームをいつ招集できるかは不明だと話す一方で、新型コロナウィルスの感染状況やFIFAの国際マッチデーカレンダーなどを考慮しながら、次の合宿の予定を立てるとしています。
 U19代表はアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選を勝ち抜き、ウズベキスタンで開催予定だった本戦出場の資格を得ましたが、新型コロナウィルス感染拡大により大会そのものが中止になっています。なお、この2020年大会の中止決定後、AFCはこの大会を2023年よりAFC U20選手権として開催することを発表しています。

主力選手流出のペラFCに9選手が加入
 5月31日の今年2度目のトランスファー期間が終了したMリーグですが、給料未払い問題により主力選手が多数退団した1部スーパーリーグのペラFCは公式Facebook上で新たに9選手が加入したことを発表しています。
 9選手の氏名の公表はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLへの登録が正式に承認されるのを待って行われるということです。
 ペラFC経営陣の署名で行われたFacebookへの投稿では、主力選手6名の退団に伴うサポーターの憂慮を理解しているとした上で、残留した選手が継続して力を発揮できるよう、バランスの取れたチーム作りをするための補強を行ったとしています。
 給料未払い問題が発覚したペラFCからは帰化選手でマレーシア代表でもあるFWギリェルメ・デ・パウラと同じく代表選手のDFシャールル・サアドがJDTへ、MFJ・パルティバンとMFケニー・パッラジがKLシティFCへ、DFナジルル・ナイム・チェ・ハシムがサバFCと、いずれも同じMリーグ1部のクラブに移籍した他、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザは母国シンガポール1部のライオンシティセーラーズFCに移籍しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版は、ペラFCのイシャサム・シャールディン チームマネージャーは退団した主力選手6名に感謝の言葉を述べる一方で、この6選手の退団により1ヶ月あたりおよそ50万リンギ(およそ1330万円)の支出減となり、これは経営危機を乗り越えなければならないクラブにとっては重要なことだというコメントを紹介しています。

今年のスズキカップは一箇所での集中開催か
 アセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップは東南アジアナンバー1を決める大会です。これまではグループステージから決勝までをホームアンドアウェイ方式で行ってきたこの大会は昨年2020年11月に開催が予定されていたものの新型コロナ感染拡大により中止となり、一旦は今年2021年4月に延期されました。しかし東南アジア各国で感染拡大が止まらなかったことから、再度延期された結果今年の12月5日開幕、来年2022年1月1日決勝となる日程が発表されています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナの感染状況が各国とも改善されていないことからAFFが今年の大会を一箇所での集中開催に方式を変更する可能性があると報じています。
 AFFのKhiev Sameth会長は従来のホームアンドアウェイ方式で大会を開催するのが本意であるとしながらも、新型コロナの影響を考慮して、いくつかの選択肢を用意しておきたいと話しており、その一つが一箇所での集中開催方式だと言うことです。
 今年8月10日に組み合わせ抽選が予定されているスズキカップですが、開催方式についての発表は7月中に行われると言うことです。

6月1日のニュース:W杯予選-初戦出場停止のガンはチームの集中力に期待、MFL-ロックダウン中のMリーグクラブの練習は可能、KLシティFCにナイジェリア出身ストライカーが加入

 マレーシア政府は6月1日より6月14日までの2週間について、いわゆる「ロックダウン」を実施することを発表しました。生活に必要なビジネスのみが午前8時から午後8時までに限って営業が許可され、市民生活については生活必需品の買い物も含めて移動は自宅から半径10km以内、1台の車で外出できるのは1家族2名までなど昨年2020年3月に実施されたロックダウンとほぼ同様の内容ですが、現時点で累計感染者数およそ57万人も累計死亡者数およそ2800人と当時とは異なり、より深刻な状況下での実施となっています。

W杯予選-初戦出場停止のガンはチームの集中力に期待
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、初戦のアラブ首長国UAE戦は出場停止となっているブレンダン・ガンはチームに対して相手のことを気にかけるのではなく自分たちのプレーに集中すべきと述べています。
 いわゆるボックストゥボックスプレーヤーとしてしられるガン選手自身が出場できないことで、チームには穴が空いてしまいますが、ガン選手は予選G組の各チームはW杯予選中断前の2019年の時点より強くなっていると話す一方で、マレーシア代表も帰化選手のFWギリェルメ・デ・パウラ(JDT)、MFリリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)が新たに加わり、またDFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)が2016年6月以来となる代表に復帰したことで確実に強くなっていると話しています。
 初戦で対戦するUAEはFIFAランキングでは73位とマレーシア(同153位)より明らかに格上で、さらに2019年の対戦時以降はMFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ、FWカイオ・カネド(いずれもブラジル出身)、FWセバスティアン・ルーカス・タグリアブエ(アルゼンチン出身)ら帰化選手が新たにチームに加わっています。
 それでもガン選手は相手ではなく自分たちのプレーに集中すればチャンスがあると話し、むしろUAEの方がプレッシャーを感じていると指摘しています。「UAEはこの12ヶ月間で4人の監督が就任し、(2019年にマレーシアと対戦した際の)ベルト・ファン・マルワイク監督を解任しながら、その後任2名を解任すると再びファン・マルワイク監督を就任させている。まだ代表チームの選手の選考も混乱しているようだ。」と述べています。
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 ガン選手の指摘通り、UAEは2019年12月にベルト・ファン・マルワイク監督(オランダ)を任期わずか9ヶ月で解任し、その後任にはイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監督(セルビア)が就任するも新型コロナ禍の中、1試合も指揮をとることなく解任し、さらにその後任のホルヘ・ルイス・ピント(ポルトガル)監督も昨年2020年11月に解任すると、2020年12月からはファン・マルワイク監督を再登板させています。
 またホームのブキジャリル国立競技場(クアラルンプール)での試合とはいえ、2019年9月10日のW杯予選ではマレーシアはUAEをギリギリまで追い詰めたのは事実なので、6月3日の試合がガン選手が期待するように同じような接戦になるのかどうかに注目です。

MFL-ロックダウン中のMリーグクラブの練習は可能
 前述したようにマレーシア政府は6月1日より6月14日までの2週間はいわゆる「ロックダウン」を実施することを発表しましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ロックダウン期間中であっても合宿形式であればチーム練習は可能であるという声明を発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOによれば、新型コロナウィルス対策を決定するマレーシア政府の国家安全保障委員会、保健省、そして国内のスポーツを監督する青年スポーツ省より了承を得たことで、ロックダウン期間中であってもMリーグ各クラブは合宿形式での実施を条件に練習が可能になったとしています。
 この練習許可は今月6月下旬に予定されているAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTや*AFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFC、トレンガヌFCにとっては朗報だと話すアブドル・ガニCEOは、この練習許可はあくまでも合宿形式でのチーム練習を行うこと、さらには厳格な標準作業手順SOPを遵守することが条件であると強調した上で、MFLはこれまでにJDT、クダ、トレンガヌに加えて、1部ではUITM FC、2部ではトレンガヌFC IIとPDRM FCに対してチーム練習を許可したことも明らかにしています。
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 *AFCカップはクダ、トレンガヌが所属する予選H組とI組の集中開催地となっていたシンガポールが新型コロナ感染拡大を理由に開催権を返上したため、実際には6月下旬の開催となるかどうかは確定していません。

KLシティFCにナイジェリア出身ストライカーが加入
 Mリーグ1部のKLシティFCは公式Facebookでナイジェリア出身のFWキリアン・ヌワブエズの加入を発表しています。
 アルバニア1部のKFラチから加入する28歳のヌワブエズ選手は2019/2020年シーズンには36試合で23ゴールを挙げてリーグの得点王に輝いている他、このシーズンに出場したUEFAヨーロッパリーグ予選ではハポエル・ベエルシェバFC(イスラエル)相手にゴールも決めています。
 このヌワブエズ選手を取り上げたスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、KLのボジャン・ホダック監督からかつてパハンに所属していた同じナイジェリア出身のディクソン・ヌワカエメの映像を見るようにとアドバイスされたこと、さらにKLのスタンリー・バーナードCEOとの面談がKL加入の決め手となったことなどヌワブエズ選手のコメントを紹介しています。
 KLはトレンガヌFCから加入したドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)が第6節(4月3日)のサバFCとの試合で負ったケガで今季の出場は絶望となっており、ヌワブエズ選手はダ・シルヴァ選手欠場で空いた攻撃陣の穴を埋めることが期待されています。
 またKLはこのブログでも以前取り上げた、地元KL出身でオーストラリア育ちのMFライアン・ランバート(22)の加入も併せて発表しています。昨季はオランダ2部リーグのFCデン・ボスのU21チームでプレーしていました。ライアン選手は英国やオーストラリアに加えてマレーシア代表としてプレーする資格もあります。

5月31日のニュース:マレーシア代表モデルのG-SHOCK販売開始-その人気に乗じた便乗商法も、選手流出が止まらないペラFCは新たな外国籍選手獲得か、ペラFC IIのマネージャーが退団

マレーシア代表モデルのG-SHOCK販売開始もその人気に乗じた便乗商法も
 マレーシアサッカー協会FAM公認のマレーシア代表モデルG-SHOCK限定版の人気に乗じた便乗商法をオンラインメディアのマレーシアンガゼットが報じています。
 マレーシア代表のニックネーム「ハリマウ・マラヤ(マラヤの虎)」モデルと名付けられたこの限定モデルは代表のチームカラーである黄色と黒を基調にしたデザインで今年3月に発表されました。そして特製Tシャツとリストバンド付きで価格はRM579(およそ1万5400円)、数量は限定999個、しかもシリアルナンバー入りで6月1日より実店舗とオンラインの両方で販売が始まることが発表されました。
 しかし5月28日になると突然、FAMの公式Facebook上では翌日5月29日にこのハリマウ・マラヤモデルの販売開始が発表され、そこから24時間も経たないうちに今度は国内のG-SHOCK代理店が声明を発表し、北部クダ州アロースターのG-SHOCK専門店G-Factory、マレー半島東海岸のパハン州クアンタンのG-Factory、そして東マレーシアのサラワク州クチンのG-Factoryの3店舗を除き、G-SHOCKハリマウ・マラヤモデルは既に売り切れとなっていることを明らかにしています。
 明日6月1日にはオンライン通販サイトShopeeのG-SHOCK公式ストアで当初の予定通り販売開始となるようですが、マレーシアンアゼットはこれに先んじてこのShopeeのサイトにはこのハリマオ・マラヤモデルを3倍以上の1889リンギ(およそ5万500円)で出品する輩も現れていることも報じています。
 なおこのハリマウ・マラヤモデルのG-SHOCKは6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にむけてアラブ首長国連邦で合宿中の代表選手全員にも既に支給されているということです。
(下はFAM公式Facebookで告知されたG-SHOCKハリマウ・マラヤモデル販売開始の告知)

選手流出が止まらないペラFCは新たな外国籍選手獲得か
 給料未払い問題で選手の退団が止まらないMリーグ1部のペラFCは、期限が今日までとなったトランスファーウィンドウ期間中の戦力補強を進めているようですが、サッカー専門サイトのヴォケットFCによると、レバノン出身の選手が候補に挙がっているということです。
 当初、ペラFCはレバノン1部のアル・アンサールSCでプレーするセンターバックのフセイン・エル・ドーの獲得を目論んでいたということですが、両者間での合意に至らず、現在は同じレバノン出身でバーレーン1部アル・アハリ・ドバイFCでプレーする同じセンターバックのジャド・ヌールディンとの交渉が進んでいるということです。なおフセイン・エル・ドーは2019年に、ジャド・ヌールディンは2018年にそれぞれ当時のペラFAでプレー経験があり、ジャド選手はペラFCの2018年マレーシアカップ優勝にも貢献しています。
 この他、ペラFCはブルガリア生まれながらレバノン代表のMFサミル・アヤス、英国出身で昨季はシンガポール1部のホウガン・ユナイテッドFCでプレーしたMFチャーリー・マシェルとの契約合意も近いということです。
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 ペラFCのチョン・イーファット監督は、今回開幕から退団が噂されているブラジル出身のカレッカとレアンドロ・ドス・サントスは残留すると述べていますが、この記事を見る限りでは、ブラジルコンビの退団は確定的のようです。
 って言うか、給料未払い問題を抱えているクラブが新たな選手獲得はそもそも可能なのかどうか、それをFAMがゆるすのかどうかがとても気になります。

ペラFC IIのマネージャーが退団
 Mリーグ2部プレミアリーグのペラFC IIのチームマネージャーが退団すると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCのセカンドチームであるペラFCのチームマネージャーを務めるアザン・ノー氏は、今季Mリーグ3部のM3リーグのマンジュンシティFCのチームマネージャーに就任しますが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは複数のクラブでの要職の兼務を禁じていることから、ペラFC IIのチームマネージャーの職を辞するということです。
 ペラ州マンジュン地区サッカー協会の会長でもあるアザム氏は5月1日にペラFC IIのチームマネージャーに就任したばかりで、1ヶ月も経たない内での辞職となります。
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 一つ前の記事でも取り上げたようにペラFC IIのトップチームであるペラFCからは、給料未払いを理由に主力選手が続々と退団しています。ペラFCのチョン・イーファット監督は、主力選手の退団によってできた穴はセカンドチームのペラFC IIの選手を使って埋めたいと話しており、その通りペラFC IIの主力選手がペラFCへ昇格すれば、現在プレミアリーグで11チーム中10位に沈んでいるペラFC IIは来季は3部降格のせいもあります。
 

5月29日のニュース:代表はW杯予選前最後の練習試合でミス連発、タイ1部クラブ退団のニコラス・スウィラッドはパハンに加入、ヤクルトマレーシアはデフサッカーへの支援を継続

 1日の新規感染者数がついに8000人を超えたマレーシア。マレーシア政府は6月1日から2週間のロックダウンを行うことを発表し、6月19日から再開予定のMリーグ2部プレミアリーグ、7月9日から再開予定のMリーグ1部スーパーリーグとも試合日程の変更を迫られそうです。シンガポールの開催権返上で宙に浮いたAFCカップも含め、新型コロナウィルの影響はまだまだ続きそうです。

代表はW杯予選前最後の練習試合でミス連発
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の再開を6月3日に控えるマレーシア代表は予選前最後の練習試合となるバーレーン戦を行い、0-2で敗れています。
 試合前にはベストメンバーで臨むと話していたタン・チェンホー監督は、予選初戦は警告累積により出場停止となるMFブレンダン・ガンを先発から外し、代わりにリリドン・クラスニキを中盤に配置、さらに予選では先発が予想されるFWギリェルメ・デ・パウラがFIFAの帰化選手規定を満たしていないことから国際Aマッチとなったこの試合には出場できず、FWシャフィク・アフマッドがワントップに入る布陣で臨みました。
 試合開始から積極的に相手ゴールへ迫るマレーシアは9分にはDFマシュー・デイヴィーズが、先制された後も46分にはシャフィク・アフマドがいずれもシュートを放ちますが得点に至らず、前半を0-1で折り返しました。後半に入るとタン監督はイルファン選手に代えてDFジュニオール・エルドストールを投入、その後もノーシャルル・イドラン・タラハ、アリフ・アイマン、ルクマン・ハキム・シャムスディンと次々にFWを投入しましたが、結局無得点に終わっています。
 一方、バーレーンの1点目は41分に自陣ペナルティーエリア内でDFイルファン・ザカリアがバーレーンFWマフディー・アブドルジャバルを倒して与えたPKをマフディー選手自身がゴールを決め、2点目は41分にMFリリドン・クラスニキからのバックパスの処理にもたついたGKファリザル・マーリアスがバーレーンMFモハメド・マルフーンにボールを奪われルトそのままゴールを決められるなど、いずれもミスによる失点でした。
 FIFAランキングでは50位以上上のバーレーンを相手にしながら、中盤でシャマー・クティー・アッバと組んだクラスニキ選手が機能した反面、クウェートとの練習試合と合わせて2試合で6失点の守備陣、そして2試合で1得点の攻撃陣と予選に向けては不安要素も多かった試合でした。

タイ1部クラブ退団のニコラス・スウィラッドはパハンに加入
 昨季途中にタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤFCに加入し、チームの2部で優勝と1部昇格に貢献、来季の契約も結びながら、退団となったDFニコラス・スウィラッドがMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンFCに加入しことをマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 タイ1部で外国籍選手がプレーするには自国代表選手として最低3試合のプレー経験が必要ということですが、母親がマレーシア人のスウィラッド選手はマレーシア代表としてプレーしたことがないことから、契約を更新していたにも関わらず、ノーンブワ・ピッチャヤFCを退団していました。
 開幕から不振に苦しんだスリ・パハンFCはトランスファーウィンドウ期間に5人中4人の外国籍選手を入れ替える大ナタを振るい、そこからはマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)、アウン・カウン・マン (ミャンマー)ら新加入攻撃陣の活躍で1勝1分と復調の気配が見え始めています。今回、そこにスウィラッド選手が加わることで守備陣が補強され、後半戦ではスリ・パハンFCがリーグの台風の目になりそうです。
 

ヤクルトマレーシアはデフサッカーを含めたマレーシアデフスポーツ連盟への支援を継続
 マレーシアの通信社ブルナマは、ヤクルトマレーシア社が昨年に続き、今年2021年もマレーシアのデフ(聴覚障害者)スポーツ連盟への支援を継続することを発表したと報じています。なお支援は活動資金援助とヤクルト製品やスポーツ用具提供の形で行われ、その総額は4万リンギ(およそ106万円)ということです。
 ヤクルトマレーシア社は、昨年2020年にはデフサッカーワールドカップ初出場を目指すデフサッカーマレーシア代表の支援も行いましたが、韓国で開催予定だった大会は、新型コロナウィルスの影響で中止になっています。
 世界ランキング24位、アジアランキング6位のデフサッカーマレーシア代表は、来年2022年5月にブラジルで開催される聴覚障害者のための総合スポーツ大会、デフリンピック予選場が現在の目標ということで、ヤクルトマレーシア社はその支援を今後も行っていくということです。

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The former Kuala Lumpur City FC (KL City) midfielder, who has been playing in the Malaysia League (M-League) for 12 years, explained that UiTM FC were only lacking in experience, adding that this was evident from their match against KL City FC on May 8, which ended in a 1-1 draw.

“The coaches here (UiTM FC) saw some weaknesses in their midfield and asked me to join them to help the youngsters in the team.

“I noticed that the youngsters lack an experienced leader to give them instructions on the field,” he said in a statement issued by the Malaysian Football League (MFL) today. 

The 32-year-old Mohd Alif stressed that one of the weaknesses of the UiTM players was their lack of positional play, thus failing to close down space for their opponents to launch attacks.

UiTM FC are currently last in the 12-team Super League standings, having collected just two points from 13 matches.  

Mohd Alif, who is nicknamed ‘Elneny UiTM’ for having the same hairstyle as Mohamed Elneny, who is a midfielder with English Premier League giants Arsenal, is thankful that he could still continue his career as a professional footballer.

He was a household name among Negeri Sembilan fans and was one of the main pillars of the Hoben Jang Hoben’s glorious era during the 2009-2001 seasons.

Mohd Alif, who is known as a midfield hardman, played for Negeri Sembilan until 2014 and also featured for Sime Darby FC, Melaka, Felcra FC and Kuala Lumpur.

5月28日のニュース:W杯予選に臨む代表に「秘密兵器」?、移籍情報3題、トレンガヌのコナテがマリ代表招集

W杯予選に臨む代表に「秘密兵器」?
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会に向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のマレーシア代表に「秘密兵器」が投入されるのでは、とマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ブルナマによればこの秘密兵器とは、今季はデンマーク1部で2位のFCミッティランで21試合に出場したDFディオン・コールズです。ベルギー人の父親とマレーシア人の母親を持ち、これまでも何度か代表入りの話が出ては消えていたコールズ選手ですが、所属するFCミッティランの公式ソーシャルメディアでコールズ選手が初の代表招集を受けたことを明らかにしたことから、俄然、信ぴょう性が高まっています。
 サラワク州クチン生まれのコールズ選手は慎重185cmの右サイドバックで、U19やU21ベルギー代表の経験もあるほか、ベルギー1部クラブ・ブルッヘ在籍時にはUEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験もあります。
 左サイドバックやセンターバックのプレー経験もある185cmのコールズ選手が代表に加われば、代表の守備陣はマシュー・デイヴィーズ、ジュニオール・エルドストール、ラヴェル・コービン=オングと外国育ちながらいずれもマレーシア人の血を引く帰化選手による強力な布陣となりそうです。
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 さらにその後、FCミッティランの所属選手名簿からコールズ選手の名前が消えたことで、コールズ選手は代表入りだけでなく、そのままMリーグ1部JDTへの加入も噂されています。
 本日5月28日にはバーレーンのマナマで予選前最後の練習試合となるバーレーン戦が行われます。流石にぶっつけ本番ということはなさそうですので、この試合がコールズ選手の代表デビュー戦となるかもしれません。

移籍情報-マラッカUはブラジル出身FW2名の新加入を発表
 Mリーグ1部スーパーリーグで11位のマラッカ・ユナイテッドFCは公式Facebook上で新加入となるブラジル出身FW2選手を紹介しています。
 今季はここまで13試合で15ゴールと得点力不足に苦しむマラッカ・ユナイテッドですが、ブラジル4部のSERカシアス・ド・スルから加入するジョヴァンニ・ゴメス・ダ・シルヴァ(26)と、同じくブラジル4部のガウヴェスECから加入するアドリアーノ・アパレシド・ナルシソ(26)には1部残留に向けての活躍が期待されています。
 なお、マラッカ・ユナイテッドFCはこれに先立ち、FWステファン・ニコリッチ(モンテネグロ、今季4ゴール)とFWアレックス・ドス・サントス・コンカウヴェス(ブラジル、同3ゴール)との契約を解除しています。

移籍情報-ペラFC退団のナジルル・ナイムはサバFCへ移籍
 給料未払い問題で主力選手が次々と退団しているMリーグ1部のペラFCから新たな退団者です。同じ1部スーパーリーグのサバFCは、ペラFCを退団したDFナジルル・ナイム(28)の加入を公式Facebookで発表しています。
 ペラ州出身で2016年からペラFCでプレーするナジルル選手は、今季13試合中10試合に出場(内7試合は先発出場)しており、サバFCでも主力として活躍することが期待されています。
 各年代や代表でもプレー経験があるナジルル選手は、2013年には当時JFLのFC琉球のトライアルを受けた後に1年契約を交わしましたが、ケガのためJFLには1試合も出場することなく契約を解除しています。

移籍情報-ザフアン・アゼマンらがケランタンUに加入
 Mリーグ2部プレミアリーグのケランタン・ユナイテッドFCは、1部スーパーリーグのペナンFCよりFWザフアン・アゼマンを獲得したことをクラブの公式Facebookで告知しています。
 来月21歳になるザフアン選手は今季ここまでペナンFCに所属していたものの出場はわずか1試合にとどまっていました。マレーシアU19代表では、フル代表のアキヤ・ラシド(JDT)やニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(トレンガヌFC)らと共にプレーしたザフアン選手は、昨季はタイ3部のアーントーンFCに所属していましたが、新型コロナウィルスの影響などもあり契約が更新されず、今季開幕前にペナンFCに加入していました。
 またケランタン・ユナイテッドにはMリーグ1部のサバFCからMFアリアスディアス・ジャイスとDFエバン・ウェンズリー・ヴェンツェルも今シーズン終了までの期限付き移籍で獲得しています。
 両選手とも、開幕当初はチーム合流が遅れていた外国籍選手に代わってベンチ入りし、途中出場ながらも数試合にプレーしましたが、第3節に5名の外国籍選手全員が合流した後はベンチ入りもできていませんでした。

トレンガヌのコナテがマリ代表招集
 Mリーグ1部トレンガヌFCは、今季加入したMFマカン・コナテが母国マリの代表に招集されたことをクラブの公式Facebookで発表しています。コナテ選手はこれが代表初招集ということです。
 プロとしてプレーし始めて以来、ずっとこれを目標とし、待ち望んできたと話すコンテ選手は、自身がトレンガヌFCでプレーする映像を見た代表のコーチから直接、連絡を受け、6月1日から始まる代表合宿に参加するために直ちにマレーシアを出国するということです。
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 現在Mリーグ1部で2位のトレンガヌの快進撃の原動力となっているコナテ選手ですが、マリ代表の練習試合は6月15日まで組まれているということで、コナテ選手がこの最終戦まで代表チームに残れば、トレンガヌが出場し6月30日に初戦を迎えるAFCカップのグループステージへの出場が危ぶまれるなー、と思っていた矢先、国内で新規感染者数が増え始めたシンガポールサッカー協会FASがトレンガヌを含むグループI、そしてクダ・ダルル・アマンFCを含むグループHの両グループステージ開催を返上してしまいました。

5月25日のニュース:代表は2年ぶりの実戦でクウェートに惨敗、Mリーグ各クラブは第3次ワクチン接種プログラムで接種対象に、シャキル・ハムザも給料未払い問題のペラFC退団へ

代表は2年ぶりの実戦でクウェートに惨敗
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に向けて、アラブ首長国連邦UAEのドバイで合宿中のマレーシア代表は、5月23日に現地でクウェート代表と練習試合を行い1-4と敗れています。
 2019年11月19日のW杯アジア2次予選インドネシア戦以来551日ぶりの試合となったマレーシアは、ブラジル出身で帰化選手のギリェルメ・デ・パウラをワントップに据えたフォーメーションでこの試合に臨み、21分にアフマド・アルデフィリイがペナルティーエリアの外から放ったシュートでクウェートに先制されたものの、28分にはラヴェル・コービン=オングのクロスをデ・パウラが決めて代表初ゴールで同点とし、前半を1-1で折り返しました。
 マレーシアのタン・チェンホー監督はデ・パウラとMFシャマー・クティ・アッバを除く全員を入れ替える布陣で後半に臨みました。マレーシアはこちらも初招集となった19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンがチャンスを作るものの得点には至らず、逆に55分のファハド・アル・ハジリのゴールから13分間で3ゴールを決め、FIFAランキング148位のクウェートが同153位のマレーシアにランキング以上の差を見せつけて圧勝した試合となりました。
 マレーシアは今週金曜日5月28日にFIFAランキング99位のバーレーンとアジア2次予選ベトナム戦(6月3日)前の最後の練習試合を行います。
 
2021年5月23日
練習試合:クウェート対マレーシア@セブンズスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
クウェート 4-1 マレーシア
得点者:クウェート-アフマド・アルデフィリイ(21分)、ファハド・アル・ハジリ(55分)、シャバイブ・アルカルディ(61分)、ファハド・アル・アンサリ(68分)、マレーシア-ギリェルメ・デ・パウラ(28分)
(下は両チームの先発XI。写真はマレーシアサッカー協会FAMとクウェートサッカー協会の公式Facebookより)

Mリーグ各クラブは第3次ワクチン接種プログラムで接種対象に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシア政府が実施するワクチン接種プログラムの第3次プログラムでMリーグ1部と2部が接種対象となると述べたと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けてアラブ首長国連邦で合宿中の代表チームに加えて、6月22日に開幕する今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLに出場するJDTや、同じく6月29日に開幕するAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCはクラブ主導で既に新型コロナウィルスのワクチン接種を終えていますが、マレーシア政府は「より相応しい」個人や団体を優先してワクチン接種を行なっていることから、Mリーグ各クラブは第3次プログラム実施の際にワクチン接種の対象となる見込みであると述べています。
 またこれとは別件で、アブドル・ガニCEOは、Mリーグの日程変更についても言及しています。現在、マレーシア政府は全ての渡航者に対し14日間の検疫隔離を求めていますが、W杯アジア2次予選6月15日まで、JDTが出場しタイで開催されるACLは7月7日まで、クダとトレンガヌが出場しシンガポールで開催されるAFCカップは7月6日までとなっています。このW杯予選、ACLそしてAFCカップに合わせて現在中断中の1部スーパーリーグの再開予定日は7月9日、2部プレミアリーグの再開予定日は6月18日となっていることから、14日の検疫隔離期間後に各選手やクラブが練習の時間が取れるよう新たな日程を今週中に発表するとアブドル・ガニCEOは述べています。

シャキル・ハムザも給料未払い問題のペラFC退団へ
 給料未払い問題が発覚後、既に主力選手4名が退団したMリーグ1部スーパーリーグのペラFCからさらに退団者が出そうです。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザが既にクラブと退団で合意し、シンガポール1部Sリーグのタンジョン・パガーかライオンシティセイラーズに加入が予想されているということです。
 5月30日までがMリーグのトランスファーウィンドウ期間ですが、この期間中にペラFCからは代表でもプレーするギリェルメ・デ・パウラとシャールル・サアドがJDTへ、ケニー・パッラジとJ・パルティバンがKLシティへ既に移籍しています。
 また、この記事を取り上げたサッカー専門サイトのヴォケットFCは、DFナジルル・ナイムやFWフィルダウス・サイヤディもスーパーリーグの他のクラブが獲得を目指しているとし、ペラFCからの選手の流失はまだまだ止まりそうにありません。

5月23日のニュース:ペラ州FAは新オーナーがペラFCのユニフォームをピンク色にすることを容認、海外組がドバイの代表候補合宿に合流

ペラ州FAは新オーナーがペラFCのユニフォームをピンク色にすることを容認
 Mリーグ1部ペラFCの新オーナー候補にコスメ会社社長のハスミザ・オスマン氏が挙がっていることに関連し、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)はペラFCの再生のためにはユニフォームをピンク色にすることも厭わないと話しています。
 給料未払い問題により主力選手が次々に退団しているペラFCは、現在新たなオーナーを探している最中ですが、その候補に新オーナー候補に資産家でコスメ会社社長のドクター・ヴィダことハスミザ・オスマン氏が挙がっています。かつてケランタンFCのメインスポンサーとして2016年から2017年にかけて1600万リンギ(およそ4億2000万円)を支援したハスミザ氏は、本拠地のスルタン・モハマド4世スタジアムをピンク色に塗装し、またピンク色のユニフォームを採用するなどしたことがあることから、ハスミザ氏のインスタグラムにはペラFCサポーターからは新オーナーとしてチームの救済を求める声が上がる一方で、ユニフォームをピンク色にはしないで欲しいとコメントが見られました。
 この件についてペラ州FAのヤザン・モハマド会長代理は、現時点ではハスミザ氏からはペラFC買収について正式な交渉を開始する依頼は受け取っていないとする一方で、このハスミザ氏を含め複数の個人や企業と買収に関する話し合いを行っていることを認め、その際には伝統的な黄色と黒のユニフォームが維持されれば、それ以外にはピンク色をユニフォームに採用することは厭わないとしています。

海外組がドバイの代表候補合宿に合流
 マレーシアの通信社ブルナマは、海外組の1人のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が合流し、アラブ首長国UAEのドバイで行われている代表候補合宿に参加する全選手が揃ったと報じています。今回の代表候補合宿の海外組は、ルクマン選手のほか、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツ)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)の総勢4名です。
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表は、集中開催地となっているUAEで代表候補合宿を行っていますが、タン・チェンホー代表監督にとっては、自身が招集したい選手全員を集めることができた代表候補合宿は2019年11月以来となります。
 今回の代表候補合宿ではいずれも帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)とリリドン・クラスニキが代表初招集となっていますが、タン監督はこの両選手も含め全員を5月23日に行うクウェート戦、5月28日に行うバーレーン戦の練習試合2試合で精査し、予選で起用する選手を決めたいとタン監督はメディアとのオンライン記者会見で話しています。
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 国内メディアでは海外組への期待が高まっていますが、3月に閉幕したタイ1部リーグレギュラーとして試合に出続けたジュニオール・エルドストールを除けば、ケガでシーズン後半を棒に振ったドミンク・タン、今季のベルギー1部リーグでは2試合の出場のみのルクマン・ハキム・シャムスディン、そして今季は全て途中出場で最長でも45分しかプレーしていないリリドン・クラスニキと、海外にいるだけで出場機会がない選手に過度な期待をかけるのは、試合に出ない事実には目を向けず海外にいるだけ組をもてはやしたどこかの国のメディアと似ています。

5月22日のニュース:代表経験不足によりニコラス・スウィラッドはタイ1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFC退団へ、トレンガヌはバーレーン出身のMFを獲得か、ペラFCオーナー候補にコスメ会社社長が浮上

代表経験不足によりニコラス・スウィラッドはタイ1部昇格のノーンブワ・ピッチャヤFC退団へ
 タイ2部リーグのノーンブワ・ピッチャヤFCは今年3月に閉幕した2020/2021年シーズンで優勝し、1部への昇格を決めましたが、このチームにシーズン途中からに加入したDFニコラス・スウィラッドは2部での最終戦となったカセサートFC戦でゴールを決めるなどし、2021/2022年シーズンへ向けて契約が更新されたことも発表されていました。
 しかし残念ながらスウィラッド選手は来季は1部でプレーできず、チームを退団せざるを得なくなったとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 来季からタイ1部でプレーするノーンブワ・ピッチャヤFCですが、タイ1部リーグは外国籍選手登録について自国の代表チームで3試合以上出場していなければならないという規定があることから、マレーシア代表での試合出場経験がないスウィラッド選手を外国籍選手登録できなくなったということです。
 2019年3月の国際親善試合エアマリンカップでは、在籍していたPKNS FCでの活躍により代表に召集されたスウィラッド選手ですが、このときは鼠蹊部(そけいぶ)のケガで招集を辞退していました。
 英国出身のスウィラッド選手は母親がマレーシア人であることからマレーシア国籍を取得し、ノーンブワ・ピッチャヤFC移籍前の6年間はMリーグのPKNS FCやスランゴールIIでマレーシア人選手として登録されていました。

トレンガヌはバーレーン出身のMFを獲得か
 Mリーグ1部スーパーリーグのトレンガヌFCは、開幕時に登録した2名の外国籍選手がケガにより長期離脱していることから、5月30日まで開いているトランスファーウィンドウ期間に新たな外国籍選手を補強することを明言しています。既に昨季まで3年間トレンガヌFCでプレーしたリー・タック(英国)を同じ1部のスリ・パハンから期限付き移籍で獲得したを発表したことから、もう1人もやはり昨季まで2年間トレンガヌFCでプレーしたウズベキスタン出身のサンジャル・シャアフメドフを獲得するのではと噂されていましたが、現在ウズベキスタン1部のFCアルマリクでプレーするシャアフメドフ選手の獲得に失敗したことから、今度はバーレーン出身の21歳MFハビビ・ハルンが獲得候補に挙がっていると、マレーシア語紙ブリタ・ハリアン電子版が伝えています。
 現在はバーレーン1部のアル・リファーSCから2部のアル・カリディアへ期限付き移籍中のハビビ選手は、2019年にはアル・リファーSC時代には現在、スランゴールFCでプレーするイフェダヨ・オルセングンともチームメートだった経験もある他、昨季はAFCカップへの出場経験もあるということで、今季AFCカップに出場するトレンガヌFCにとっては経験者の獲得は貴重でしょう。現在、外国籍選手AFC(アジアサッカー連盟加盟国)枠のクリス・ハード(オーストラリア)がケガで離脱中のトレンガヌFCはバーレーン出身のハビビ選手を獲得した場合はこのハード選手に代わってAFC枠での登録が可能です。

ペラFCオーナー候補にコスメ会社社長が浮上
 給料未払い問題により今季開幕時のすでに主力選手4名が退団したMリーグ1部ペラFCは経営危機により新たなオーナーを探していますが、その候補に資産家で知られるコスメ会社社長が浮上しているとマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版が報じています。
 ドクター・ヴィダの愛称で知られているハスミザ・オスマン氏は自身のインスタグラム上にペラFCの本拠地ペラスタジアム前で撮影した自身の写真に「フォロワーに「新たな一歩を踏み出すべきでしょうか。(フォロワーの)皆さんの意見はいかがでしょうか。」というメッセージを加えて投稿しています。
 ウトゥサン・マレーシアによれば、この投稿に対する数千というペラFCサポーターが反応し、その内容は概ね良好だということですが、一部ペラFCサポーターからオーナーとなることは歓迎だが、ピンク色はチームカラーに採用しないで欲しいという声も上がっています。これはケランタン州出身のハスミザ氏は2016年から2017年にかけて同じMリーグのケランタンFA(当時、現在のケランタンFC)のメインスポンサーだったことに由来します。当時は本拠地のスルタン・モハマド4世スタジアムをピンク色に塗装し、チームにはサードユニファームとしてピンク色のユニフォームを導入したことを指していると思われます。
 ペラFCから接触を受けたことも認めたハスミザ氏は「自分では失敗とは思っていないが、(ケランタンFAのメインスポンサー時代は)サッカー界を騒がせてしまったことは事実である」と述べる一方で『前回の経験で様々なことを学んだので、今回は同じ失敗はしないだろう。」と述べています。
(下は投稿されたハスミザ氏がペラスタジアム前で撮影した写真-ハスミザ氏のインスタグラムより)

5月21日のニュース:代表が合宿地のアラブ首長国連邦へ出発、MFLはMリーグ各クラブにより厳格なスポーツバブル内での練習を義務付け、JDTはFWダ・シルヴァの完全移籍とDFローリーの加入を発表

代表が合宿地のアラブ首長国連邦へ出発
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表の候補選手と監督、コーチ他の関係者を含めた総勢45名が5月20日に代表合宿地のアラブ首長国連邦UAEのドバイへ出発したことを伝えています。
 FAMのハミディン・アミン会長に率いられたマレーシア代表団は、代表の公式エアラインでもあるマレーシア航空が用意したチャーター機。に搭乗し、クアラルンプール国際空港KLIAを午前9時に出発しました。
 代表チームはUAEでの合宿期間中、5月28日にはバーレーンのマナマでバーレーン代表との練習試合が予定されていますが、この際のドバイーマナマ間、マナマードバイ間の移動もマレーシア航空がチャーター便を用意してチームの移動をサポートするということです。
 またW杯予選終了後にはマレーシア航空が用意する、チームの愛称ハリマウ・マラヤ(日本語では「マラヤの虎」)に合わせて黄色と黒色主体に塗装されたチャーター便で帰国する予定ということです
(下は代表がマレーシア帰国時に搭乗予定のハリマウ・マラヤ仕様のマレーシア航空A330-300型機)

MFLはMリーグ各クラブにより厳格なスポーツバブル内での練習を義務付け
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、移動制限令MCOの施行が6月7日までとなったことを受け、Mリーグ各クラブに対してMCO施行地域でのチームトレーニングは合宿形式での実施のみ許可とすることを公式サイトで発表しています。
 MFLは今年2月15日より、チーム全員が一箇所に合宿し、外部との接触を遮断して練習を行う「合宿ベース」型と、選手は自宅から練習に通うことができる一方で、自宅と練習場以外への立ち寄り、さらに家族以外との接触や自宅への訪問者受け入れを禁じる「自宅ベース」型の二つのスポーツバブルを設け、各チームにはいずれかの形式を選択できるようにしていました。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナウィルスの新規感染者数が連日記録を更新する状況下で、国家安全保障委員会NSC、国家スポーツ評議会MSN、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省、そして保健省との会合を重ねた結果、MCO施行地域での「自宅ベース」型スポーツバブルの有効性が疑わしく、さらに感染拡大に寄与する可能性が高いとして、MCO施行地域での「自宅ベース」型の実施を禁止するとしています。
 さらにアブドル・ガニCEOは各クラブに対して、選手や監督、コーチだけでなく練習に関わる全員がPCR検査を受けること、合宿ベース型実施の際の練習場とチームの宿泊先をMFLに提出することを求め、その申請内容に基づいてMFLが練習を許可する方式とするとしています。
 この他、MCOより規制が緩和されている「条件付き移動制限令」CMCOが施行されているサラワク州とサバ州に本拠地を持つチームのうち、サバ州コタキナバルを本拠地とする1部スーパーリーグのサバFCは今後も自宅ベース型での練習が可能とする一方で、いずれも2部プレミアリーグ所属でサラワク州クチンを本拠地とするサラワク・ユナイテッドFCとクチンシティFCについては、サラワク州政府の危機管理委員会があらゆるスポーツ活動を現在禁止していることから、合宿ベース形式での練習を行うように求めています。
 またMCOよりさらに厳格な「強化移動制限令」TMCOが施行されているクダ州を本拠地とする1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCに対してはクダ州外のMCOあるいはCMCOが施行されている地域での合宿ベース形式で練習を行うよう求めています。

JDTはFWベルグソン・ダ・シルヴァの完全移籍とDFシェーン・ローリーの加入を発表
 1部スーパーリーグ首位のJDTは、期限付きで移籍していたブラジル出身のベルグソン・ダ・シルヴァの完全移籍とオーストラリア出身のDFシェーン・ローリーの加入を公式Facebookで発表しています。
 今季開幕直後にブラジルのフォルタレーザECからJDTに加入したダ・シルヴァ選手は第3節から出場し、第13節までの11試合で11ゴールを挙げていますが、6月30日までの期限付き移籍での加入であったことから、その後の契約が更新されるのかどうかに注目が集まっていました。
 一方、カタール1部カタール・スターズ・リーグのアル・アハリSCから新加入したローリー選手はオーストラリア出身ですが、リーズ・ユナイテッド、シェフィールド・ユナイテッド、ミルウォール、レイトン・オリエントなど英国のクラブでのプレー経験やオーストラリア1部Aリーグのパース・グローリーでのプレー経験もあるということです。
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 1989年生まれのローリー選手は2005年に英国1部のアストン・ヴィラと契約しましたが、その時に一緒に契約したのが、やはり1989年生まれで現在は同じMリーグ1部のトレンガヌFCでプレーするクリス・ハードだったということです。(ハード選手はケガのため長期離脱中です。)
 またJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はさらなる補強として、英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCのU23でプレーするMFナサニエル・シオ・ホング・ワンとも契約したことを明かし、後半戦開幕時にはチームに合流予定であるとしています。21歳のシオ選手はJDTを退団したハリス・ハルン選手の抜けた穴を埋める選手だとしており、母親がマレーシア人であることからマレーシア人選手として登録されると述べている他、さらにスペインのラ・リガからも選手が加入すると話しています。



 
 

5月20日のニュース:マレーシアの未払い給料申請件数は世界2位、UITMはKLシティからシーン・ジャネッリを獲得、リー・タックがスリ・パハンからトレンガヌに復帰、マラッカUは監督残留もCEOは辞任

マレーシアの給料未払い申請件数は世界2位
 FIFAがクラブ消滅による未払い給料の補助をマレーシアの147選手に支給したニュースは数日前に取り上げましたが、この147名はギリシャの291選手に続く世界第2位の件数です。これについてMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOはマレーシアにおける未払い給料が透明性を持って対応されている結果であると述べています。
 マレーシアからFIFAサッカー選手基金(FIFA FFP)への申請件数が多いのは、未払い給料問題が発生した場合、マレーシアサッカー協会FAMとMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLが該当クラブに厳しく対処する一方で、FAMとMFLが率先してFIFAに未払い問題を報告しているからであることを理由に挙げたアブドル・ガニCEOは、「他国リーグでも同様の給料未払い問題は起こっている可能性があるが、各国のサッカー協会や国内リーグ主催者がそれを公にせず、FIFAにも報告ししないという方法で対処している」と話し、マレーシアからの申請件数が多いということが他国に比べて未払い給料問題がより多く発生しているというわけではないと説明しています。

UITMはKLシティからシーン・ジャネッリを獲得
 Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティは、同じスーパーリーグで最下位のUTIMへMFシーン・ジャネッリとGKザミル・スラマットを期限付きで移籍することを発表しています。
 JDTのセカンドチームJDT IIでもプレー経験があるジャネッリ選手は、KLシティではレギュラーポジションを奪えず、今季出場の6試合はいずれも途中出場で、UTIM戦での68分からの出場が今季プレーした時間では最長です。
 UTIMではレギュラーポジションを獲得したいと話すジャネッリ選手は、2部プレミアリーグからもオファーを受けていたことも明かした上で、ザミル選手とともにチームに貢献したいと話しています。
 父親がイタリア人、母親がマレーシア人のジャネッリ選手はクアランプール生まれで、Mリーグではマレーシア人選手として登録されています。

リー・タックがスリ・パハンからトレンガヌに復帰
 スーパーリーグで2位のトレンガヌFCは公式Facebookで、同じスーパーリーグのスリ・パハンFCから英国出身のMFリー・タックを今季末までの期限付き移籍で獲得したこと明らかにしています。
 昨季2020年シーズンまで3年間トレンガヌに在籍し23ゴールを挙げたものの、昨季終了後には契約が更新されなかったタック選手は今季からスリ・パハンに加入していましたが、本来のMFではなくFWとして起用されるなどして期待通りの活躍ができていませんでした。その後、スリ・パハンは5月3日から始まっているトランスファーウィンドウ期間に新たな外国籍選手を獲得したことから、タック選手にはFWペトルス・シテンビ(ナミビア)とMFクリス・ハード(オーストラリア)両選手がケガで離脱中のトレンガヌに復帰の噂が出ていました。
 トレンガヌはさらに外国籍選手の獲得を計画しているとされ、その候補にやはり昨季まで2年間在籍したMFサンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)の名前も挙がっています。

マラッカUは監督残留もCEOは辞任
 スポーツ専門サイトのスタジアム・アストロは、解任が噂されていたスーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドFCのザイナル・アビディン・ハサン監督が今季終了まで指揮をとることが決定した一方で、サイフル・マット・サプリCEOの辞任を報じています。
 スタジアム・アストロによると新たに就任したジャスティン・リムCEOは、契約解除となったステファン・ニコリッチ(モンテネグロ)とアレックス・ドス・サントス・ゴンサウヴェス(ブラジル)の両ストライカーに代わる新たなストライカーの獲得についても言及し、SERカシアス・ド・スルからジョバンニ・ゴメス・ダ・シルヴァを今季末までの期限付き移籍で獲得したことも明らかにしています。26歳のジョバンニ選手は既にメディカルチェックを終えており、後日発表されるというもう一人の南米出身の選手とともに近々、正式に加入が発表されるということです。