1月19日のニュース:ケランタンFCサポーターがオーナー対FAM・MFL論争の即時解決を求める、JDTがジョナサン・エレーラを獲得

ケランタンFCサポーターがオーナー対FAM・MFL論争の即時解決を求める
 このブログでも連日、取り上げているケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーがマレーシアサッカー協会FAM、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLと繰り広げている場外バトルについて、ケランタン州のサッカーサポーターによるオンラインサポータークラブのKelet.Netは、不毛な論争を解決するためには三者が直ちに話し合いを持つべきだと提案しています。
 マレーシアの通信社ブルナマは、Kelete. Netのモハマド・ヌルル・モハマド・ユウソー会長は、三者の論争は見苦しく誰にとっても利益がないどころか、状況をより複雑化し、長引かせるものだと指摘し、速やかに話し合いをもつべきだという声明を発表しています。
 勝点剥奪処分から放映権料未払い、そして審判へ給料未払いなどの問題について、三者がそれぞれメディアや自身のソーシャルメディアを使って発言する一方、直接の対話が全く行われていないことを指摘しているモハマド・ヌルル氏は、対立解消のためにはFAMがノリザム オーナーとMFLともに話し合いを持つこと、またノリザム オーナーもFAMやMFLへの不満を安易にソーシャルメディア上で明かすのではなく、正式な方法で不服申し立てを行うべきであることなどを提言しています。

JDTがジョナサン・エレーラを獲得
 Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは、新たな外国籍選手としてアルゼンチン出身のFWジョナサン・エレーラの加入をクラブの公式Facebookで発表しています。
 JDTのスポーツディレクターであるマーティン・プレスト氏の名前で投稿されたエレーラ選手加入の発表では、プレースタイルや年齢(29歳)がJDTのサッカースタイルに適していることが獲得の理由に挙げられています。
 隔離期間が終了次第、エレーラ選手はメディアに公開されるということですが、この他、今回の投稿では他に2名の選手が新たにJDTに加わることも明かされています。
 またこれを報じたブルナマの記事では、このエレーラ選手は、昨季はアルゼンチン2部のCDリエストラでプレーしたということです。
 エレーラ選手は昨季いっぱいで退団し、タイ1部のBGパトゥム・ユナイテッドへ移籍したジオゴ・サントスの穴を埋めることが期待されています。

1月17日のニュース:今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か、JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開、代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り、クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任

今度はMFLとケランタンFCオーナーの場外バトル勃発か
 Mリーグ2部ケランタンFCは、昨季までケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が運営していましたが、このケランタン州FAが抱える給料未払い問題により、今季2021年リーグでケランタンFCの勝点が剥奪される可能性が浮上しました。これに噛み付いたのがケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏でしたが、 マレーシアサッカー協会FAMが勝点剥奪を否定したことで一件落着かと思われました。
 しかし今度はノリザム オーナーの発言がMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLの癇に障った倫理規定に違反した可能性を英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 ノリザム オーナーはFAMを批判する中で、MFLがMリーグ各クラブに対して放映権料を未だに支払っていないこと、そして審判の給料が未払いになっていることを指摘しました。しかしこれに対してMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、MFLがノリザム オーナーに対しその発言内容の説明を求める理由呈示命令書を送ったことを明らかにしています。
 「放映権料については、昨季分は既に全額を支払っており、今季についてはまだ発生していないことから、ノリザム オーナーの批判については特にコメントすることはない。また審判の給料未払いについては、先日Mリーグ各クラブのCEOと行ったミーティングの際に事情を説明し全員から理解を得ているので、なぜノリザム オーナーが改めて話題にしたのかが理解できない。」とアブドル・ガニCEOは話しています。
 「ノリザム オーナーはMリーグのステークホルダー(利害関係者)として、して良いこととするべきではないことを知っておく必要がある。言い換えれば、MFLの方針に相反する内容を公言することは、MFLの方針を否定していることになる。」とも述べて、ノリザム オーナーを非難しています。
******
 これまではサッカーについては全くの部外者であったビジネスマンのノリザム オーナーと、国内サッカーの言わば互助会的な関係で運営されてきたMリーグ各クラブ、MFLとFAMとではそれぞれの「常識」が大きく異なっているようです。ただし、FAMが積極的に進める(というよりもアジアサッカー連盟AFCに急かされている)民営化が本格化すれば、ノリザム オーナーのような「身内以外」の人間が国内サッカーに直接関わる機会もますます増え、従来は起こり得なかった今回のようなFAM批判やMFL批判が今後も起こることが想像できます。MFLとFAMはこれを民営化の「産みの苦しみ」として受け入れるのでしょうか、それともこれまで同様に権威主義を貫いて力でねじ伏せようとするのでしょうか。

JDTが新たな医療施設とトレーニング施設を公開
 Mリーグ1部で7連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTが新たに完成した医療施設とトレーニング施設を公開しています。
 これを報じたニューストレイトタイムズは、医師と物理療法士それぞれ複数名が常駐する施設としては東南アジアで初であると報じています。
 JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イブラヒム殿下は一人一人の選手のベストパフォーマンスを引き出すため、リハビリや回復のための施設も最高のものを用意していると話しています。
 オンライン上で公開された施設はトレーニング装置や遠赤外線サウナなどが完備されているほか、屋内のランニングトラックなども完備されています。
(私の中途半端な説明より下の映像を見ていただく方が早いです。-JDT TVより)

代表監督就任のラジャゴパル氏がブルネイ入り
 新型コロナウィルスによる影響がサッカー界でも散見される中、ブルネイ代表監督就任が決まっていたラジャゴパル・クリシュナサミー氏は既にブルネイ入りしており、予定通り指導を始めるとニューストレイトタイムズが報じています。
 元マレーシア代表監督としてU23代表を率いて2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズ優勝、そして翌2010年には東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ優勝などの実績を持つラジャゴパル氏は1月15に日にブルネイ入りしており、現在は入国後に義務付けられている隔離期間中ということです。
 ブルネイサッカー協会と2年契約を結んだラジャゴパル監督は、1996年以来となるアジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップの2023年大会本戦出場を目指し、今月1月末には代表候補選手を招集して合宿を開催する予定ということです。

クチンシティのアシスタントコーチに前UKM FC監督が就任
 前トレンガヌFC監督のイルファン・バクティ氏が新監督に就任したMリーグ2部のクチンシティFCのアシスタントコーチに、昨季2020年シーズンは同じMリーグ2部でプレーしたUKM FCで監督を務めたスライマン・フシン氏が就任したことをマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 マレーシア国立大学UKMが運営し、その学生を主体としたクラブだったUKM FCは昨季はMリーグ2部で3勝3分5敗の9位となりましたが、UKMがクラブ運営から撤退を表明し、その後の新たなスポンサーが見つからなかったことから、今季のMリーグには参加しないことが決まっています。
  現役時代はクアラルンプールFA(現クアラルンプール・ユナイテッド)などでプレーしたスライマン氏は、2008年にUKM FCでコーチに就任し、当時3部リーグに所属していたチームで2017年からは監督を務め、その年には3部リーグで優勝し2部昇格を果たし、昇格1年目の2018年、2019年と2年連続で*チャレンジカップ決勝へとチームを導いています。
*チャレンジカップとはマレーシアカップに出場できないMリーグ1部の12位のチームと2部の5位以下のチームが出場する大会で、UKM FCは2018年決勝はトレンガヌFC IIに。2019年決勝はJDT IIにそれぞれ敗れています。

1月16日のニュース:ケランタンFCオーナーがFAMを痛烈に批判-FAMは勝点剥奪処分を否定、ケランタンFCの新監督が決定、今季Mリーグ参加の全クラブにクラブライセンス発給完了

図らずも今回はケランタンFCの記事が集まってしまいました。開幕後も何かと話題になりそうなケランタンFCは今後も取り上げる機会が多くなりそうな予感がします。

ケランタンFCオーナーがFAMを痛烈に批判
 マレーシアサッカー協会FAMがケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)に対し、11名の選手への未払い給料を命じたことは、数日前のこのブログでも取り上げましたが、マレーシアの通信社ブルナマによると、ケランタン州FAが期限までに未払い給料を支払わない場合、今季2021年のMリーグに参加するケランタンFCが勝点3を剥奪される可能性があるという報道が出たことを受け、ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーが自身のFacebookにFAMを激しく非難するコメントを投稿しています。その内容はMリーグの各クラブに義務付けられた民営化の有効性、さらにFAMによる国内サッカーの運営方法への非難にまで及んでいます。
 「未払い給料問題はケランタン州FAの問題にもかかわらず、(民営化された結果、ケランタン州FAとは別の組織となった)ケランタンFCが勝点剥奪の対象となるとはどういうことか。民営化は一体何のためだったのか。FAMは民営化を支援する立場にありながら、ケランタン州FAにもケランタンFCにも事前に何の通告もせず、いきなりメディアに勝点剥奪について発表するべきではない。」
 「Mリーグの放映権料は未だ、各クラブに支払われておらず、Mリーグの審判も給料が未払いとなっているではないか。FAMは一体何をしたいのか。自らのオフィスの改築か。」ノリザム オーナーはこのような批判を展開していますが、これにとどまらずマレーシアの現在のFIFAランキングが153位であることを「恥ずべきこと」であるとし、一体どんな輩がこの国のサッカーを運営しているのか、とまで述べています。
 ノリザム オーナーは昨年9月に、680万リンギ(およそ1億7500万円)をケランタン州FAに支払ってケランタンFCの経営権を買い取っています。またケランタン州FAは、ノリザム オーナーがクラブを購入する1ヶ月前の昨年8月に、同様の給料未払い問題でリーグ戦の勝点3を剥奪される処分を受けています。

FAMは勝点剥奪処分を否定
 前述のMリーグ2部ケランタンFCのノリザム オーナーの非難を受け、マレーシアサッカー協会FAMは急遽、公式声明を発表し、ケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)が給料未払いとなっている11名の選手の給料を期限までに支払わない場合でも、ケランタンFCが勝点剥奪処分を受けることはないと明言しています。
 ブルナマによれば、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はそのような発言はしていないと否定しているということです。
 FAMの公式声明でも「残された録音音声を元に判断すると、ラマリンガム事務局長はレポーターからのケランタンFCの勝点剥奪に関する質問に答えないようにしている」としており、またケランタンFCのノリザムオーナーに対しては、事実を確認しないまま、ソーシャルメディア上でFAMに対して批判的なコメントを投稿するべきではなかったと非難しています。
 「ノリザム オーナーはFAMのスチュアート事務局長に直接連絡を取り、そういった発言があったのか、またその真意は何かなどを尋ねていればこのような問題はそもそも怒らなかった。」としています。

ケランタンFCの新監督が決定
 ケランタンFC関連の記事が続きますが、今回は新監督就任のニュースです。前任者のユスリ・チェ・ラー氏の退団により空席となってた監督に、サンマリノ出身のマルコ・ラギニ氏が就任するとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 欧州サッカー連盟UEFAプロライセンスを保持するラギニ氏は、イタリアサッカー協会でインストラクターを務めた経験があるほか、イタリア、スイス、ポルトガル、モンゴル、ナイジェリアでも監督やコーチの経験があるいうことです。
 ラギニ新監督の就任を自身のFacebookで告知したケランタンFCのノリザム オーナーはイタリア出身のGKコーチとスペイン出身のアシスタントコーチとフィットネスコーチを獲得したことも明かしています。

今季Mリーグ参加の全クラブにクラブライセンス発給
 マレーシアサッカー協会FAMの第一審査期間(FIB)は今季2021年シーズン参加のためのクラブライセンスを条件付きで発給されていた7クラブの内、UKM FCを除く6クラブが再審査を通過してフルライセンスを発給されたことを公式サイトで発表しています。
 この7クラブは今季Mリーグ2部に参加するクチンシティFC、ケランタンFC、サラワク・ユナイテッドFC、、1部に参加するペナンFC、スリパハンFC、マラッカ・ユナイテッドFCです。なおUKM FCの条件付きクラブライセンスは今回の審査を通過しなかったため、無効となったということです。
 昨年から断続的に施行されている活動制限令MCOや条件付き活動制限令CMCOなどのため、クラブライセンスの申請期間が昨年10月31日から12月31日まで延長された結果、上記の6クラブにはフルライセンスが発給される一方、このクラブライセンスはあくまでもマレーシア国内のみで有効で、アジアサッカー連盟AFC主催大会への参加はできないということです。
 なお、今回フルライセンスを獲得したクラブの内、マラッカ・ユナイテッドFCは国内歳入庁と従業員積立基金に合わせて27万6000リンギ(およそ709万円)を超える未納があるということですが、新たに設定された支払い期限までに納入できない場合には、クラブライセンスが無効となるということです。
******
 国内歳入庁に対し税金未払いがあり、期限までに納入できなければライセンスが無効になる状況にもかかわらず、マラッカ・ユナイテッドFCに支給される条件付きライセンスがフルライセンスになる理由が全くわかりませんが、いずれにせよ、シーズン中にライセンスが無効となり、リーグ開催期間中にクラブの数が減ることだけは勘弁していただきたいです。

1月14日のニュース:FAMはケランタン州FAとマラッカ州FAに未払い給料支払いを命令、ケランタンFCはチーム紹介とユニフォーム発表イベントをランカウィ島で開催、MFLは活動制限令延長の場合の対応も用意

FAMはケランタン州FAとマラッカ州FAに未払い給料支払いを命令
 マレーシアサッカー協会FAMは昨季2020年シーズンにMリーグ2部のケランタンFAを運営したケランタン州サッカー協会(ケランタン州FA)と、1部のマラッカ・ユナイテッドFCを運営したマラッカ州サッカー協会(マラッカ州FA)に対し、未払い給料の支払いを命じています。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、ケランタン州FAは11名の選手に対しての未払い給料の総額18万7778リンギ(およそ482万円)を、マラッカ州FAはカラン・シン・ファーンズに未払い給料9万7500リンギ(およそ250万円)を支払うよう、FAMのステータス委員会が決定を下したということです。
******
 未払い給料については、外国籍選手はFIFAへ、マレーシア人選手はFAMへ訴え出るのが普通で、昨年ケランタン州FAからチームの経営権を買い取ったオーナーのノリザム・トゥキマン氏は、かつてケランタンFAに在籍していた複数の外国籍選手の未払い給料を先月12月に完済し、FIFAにより課されていた新たな選手獲得禁止処分の解除に成功しています。

ケランタンFCは今季チーム紹介とユニフォーム発表イベントをケランタン州ではなくランカウィ島で開催
 昨日1月13日より施行されている活動制限令により、Mリーグの2月下旬開幕はその雲行きが怪しくなってきましたが、Mリーグ2部のケランタンFCは例年、開幕前に行なっている今季のチーム紹介とユニフォームのお披露目イベントを本拠地のあるケランタン州ではなく、クダ州ランカウィ島で行うと、ブルナマが報じています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは、ランカウィ島にありケランタンFCが運営するレッドウォリアーズ・ヴィラ・アバディリゾートで標準作業手順SOPに沿った非公開イベントとして2月1日に開催するということです。

MFLは活動制限令延長の場合の対応も用意
 昨日1月13日から連邦直轄地クアラルンプールやスランゴール州などでは活動制限令が施行されています。1月26日に終了が予定されているこの活動制限令が延長された場合でも、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLはその対応策を既に用意済みであるということです。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは昨年3月から5月にかけて施行された活動制限令の経験を活かし、今回の活動制限令が延長された場合に備えていわゆるプランBやプランCなど複数の代替策が既に用意されていると、ブルナマに語っています。
 「新型コロナスパイクの新規感染者数が増加している現状では、活動制限令が必要なことはMFLも理解しているが、今季のMリーグやマレーシアカップ、FAカップなどがスムーズに行われるよう活動制限令が延長されないことを切に願っている。」と話すアブドル・ガニCEOは、活動制限令が予定通り1月26日に終了する場合、Mリーグ各クラブは開幕まで十分な時間が確保できるとして2月26日の今季開幕日を変更する予定はないとも話しています。

1月1日のニュース:2020年フットボールアウォード発表-JDTの独壇場に、クラスニキが代表合宿初招集、FIFAはケランタンFCに対する選手獲得禁止制裁を解除

 明けましておめでとうございます。2021年もどうぞよろしくお願い致します。それでは新年1回目のニュースをお伝えします。

2020年フットボールアウォード発表-JDTの独壇場に
 12月30日に開催された2020年フットボールアウォード(年間表彰)では、大方の予想通りJDTの独壇場となりました。
 新型コロナウィルスの影響により史上初のオンライン開催となった今年の年間表彰では、ファン投票が全体の30%、Mリーグ1部と2部の24チームの監督、主将とメディア関係者の投票が70%として審査され、今季Mリーグ1部で7連覇を果たしたジョホール・ダルル・タジムJDTが審査対象となった6部門中5部門を受賞するなど、リーグ同様に圧勝でした。以下、受賞者です。

<最優秀GK:ファリザル・マーリアス(JDT)5度目>
 代表でもプレーするファリザル選手が2009年、2015年、2018年、2019年に続く5度目の最優秀GK受賞を果たしています。
<最優秀DF:アイディル・ザフアン・アブドル・ラザク(JDT)5度目>
 最優秀DFはやはり代表の主力でもあるアイディル・ザフアンが受賞。2009年、2010年、2012年、2015年に続く5度目の受賞です。
<最優秀MF:サファウィ・ラシド(JDT)2度目>
 ポルトガルリーグ挑戦では残念な結果に終わったサファウィ・ラシドですが、最優秀MFは一昨年2018年に続く2度目の受賞です。(ちなみに昨年2019年はFW部門でノミネートされて最優秀FWに選出されています。)今回はマレーシアの全サッカーファンに送られる特例となった最優秀選手部門では2018年、2019年と2年連続で選ばれている現在のマレーシアNo. 1選手ですが、来季から復帰するJDTでは、国外のクラブが獲得に乗り出すような活躍を見せて欲しいです。
<最優秀FW:シャーレル・フィクリ(ペラTBG)2度目>
 マレーシア人選手として今季リーグ最多の10ゴール(11試合)を挙げたシャーレル・フィクリが2017年に次ぐ2度目の最優秀FW受賞です。
<最優秀監督:ベンヤミン・モラ(JDT)初受賞>
 リーグ7連覇中のJDTも最優秀監督賞となると2015年のマリオ・ゴメス監督まで遡らなければなりません。メキシコ出身のモラ監督自身は初受賞です。
<最優秀クラブ:JDT 5度目>
 2014年、2016年、2018年、2019年に続く5度目の受賞です。前身のジョホールFC時代を含めると、表彰が始まった2009年から2020年までで7度目の受賞です。
*ここまでが審査員によって決まる表彰部門です。

<ゴールデンブーツ-1部リーグ得点王>
 イフェダヨ・オモスイ(スランゴールFC)12ゴール(11試合)
 チームに優勝の望みが無くなった最後の3試合で7ゴールの荒稼ぎをしたイフェダヨ・オモスイがゴールデンブーツを初受賞しています。
<年間最多ゴール>
 1部スーパーリーグ外国籍選手部門 イフェダヨ・オモスイ(12ゴール)
 1部スーパーリーグマレーシア人選手部門 シャーレル・フィクリ(10ゴール)
 2部プレミアリーグ外国籍選手部門 カサグランデ(ペナンFA-9ゴール)
 2部プレミアリーグマレーシア人選手部門 ダニアル・アサリ(スランゴール2-7ゴール)

クラスニキが代表合宿初招集
 マレーシアの通信社ブルナマはコソボ出身の帰化選手であるリリドン・クラスニキが今月1月15日から予定されている代表合宿に初招集されると報じています。
 Mリーグ1部JDTに所属する28歳のクラスニキ選手は2015年にクダFAに加入し、それ以来Mリーグでプレーし続けていることから、FIFAが規定する帰化選手条件を満たしたことからマレーシアサッカー協会FAMの支援により、昨年2020年2月にマレーシア国籍を獲得しています。
 初招集となったクラスニキ選手ですが、クダFA時代には当時クダFA監督だったタン・チェンホー代表監督のもとで2015年から2017年までプレーした経験もあります。
 ガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(ポリス・テロFC)に次ぐ、マレーシア人を血縁者に持たない二人目の帰化選手となったクラスニキ選手ですが、昨季2020年シーズンはJDTでレギュラーを確保できず、出場試合数は3試合でした。

FIFAはケランタンFCに対する選手獲得禁止制裁を解除
 ブルナマは国際サッカー連盟FIFAがMリーグ2部のケランタンFCに課していた選手獲得禁止の制裁措置を解除したことを報じています。
 ケランタンFCはかつて在籍した外国籍選手や監督に対して多額の未払い給料があり、この問題が選手や代理人によってFIFAに持ち込まれたことから、FIFAはこれを完済するまで選手獲得を禁止する制裁をケランタンFCに課していました
 昨年2020年9月にケランタンFCの新たなオーナーとなったノリザム・トゥキマン氏は、2018年から2019年にかけて在籍したブラジル出身のカッシオ・デ・ジェズスに対する未払い給料61万2632リンギ(およそ1570万円)を完済したことでFIFAによる制裁が解除となったことを明かし、この制裁解除によりクラブは可能となった選手の獲得を含め今季のチーム編成に専念できると話しています。
 さらにノリザム オーナーは「オーナー就任後、既に800万リンギ(およそ2億500万円)を費やして、これまでクラブを運営者していたケランタン州サッカー協会の作った未払い給料の支払いを行なってきたが、今回の制裁が解除となったことで外国籍選手も含めた最高の選手を獲得して今季リーグに臨みたい。」とも話しています。

12月24日のニュース:来季のMリーグチケットは全試合オンライン販売のみ、FAMはMリーグクラブに対して1月の代表合宿への理解を求める、ケランタンFCは未払い給料を次々と完済

来季のMリーグチケットは全試合オンライン販売のみ
 マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、来季2021年シーズンのMリーグのチケットはオンライン販売のみとなる様です。
 マレーシア政府は、来季のMリーグは開幕当初はスタジアムでの観戦者数を収容人員の10%のみ、しかも4000人を上限としており、この規制が適用されている間は、Mリーグ各試合のチケットはオンライン販売のみとし、スタジアムでは販売しないことをMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOが明らかにしています。
 オンラインのみでの販売はチケット売り場に人が集まることを避けるための処置であると話すアブドル・ガニCEOは、オンラインで販売されるチケットもアウェイチームのサポーターが州境を超えて移動することを防ぐため、ホームチームのサポーターのみが対象とするとしています。

FAMはMリーグクラブに対して1月の代表合宿への理解を求める
 先日のこのブログでも2021年1月15日から26日の予定で代表合宿が開催される記事を取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、Mリーグ各クラブに対し、招集された選手の代表合宿参加をクラブの開幕前練習より優先させることを求めています。
 来季のMリーグは2月27日にJDTとクダFC(来季から、今季まではクダFA)の対戦で開幕しますが、1月半ばはどのクラブにとってもプレシーズン期間の真っ最中であることは理解していると話すスチュアート事務局長は、12日間の代表合宿が各クラブの開幕前の計画を妨げるものではないと話しています。
 「プレシーズン期間は各選手の体力強化だけでなく、開幕に向けてチーム練習が必要な時期であることは十分理解した上で、各クラブの理解と協力を求めたい。また各クラブでのプレシーズン期間の練習によって代表選手の体力が良い状態になっていることをタン・チェンホー代表監督も期待している。クラブで体力強化ができていれば、代表合宿はその分の練習に費やす時間が不要になり、短期間で合宿を開催できる。」とスチュアート事務局長は話しています。

ケランタンFCは未払い給料を次々と完済
 ケランタンFC(来季から、今季まではケランタンFA)は公式Facebook上で、これまで給料未払いとなっていたかつて在籍した外国籍選手や監督に対し、未払い分を完済したことを明らかにしています。
 今季2020年シーズンも給料未払いによりリーグ戦での勝点剥奪処分をFIFAから受けていたケランタンFCですが、公式Facebookによれば、昨季2019年に監督を務めたマルコ・クラリエヴィッチへ99万7000リンギ(およそ2540万円)、2018年から2019年シーズンに在籍したカッシオ・デ・ジェズスへ67万9000リンギ(およそ1730万円)、2017年シーズンに在籍したアブー・バクル・アル=ミルへ96万9000リンギ(およそ2470万円)の未払い給料を完済し、さらにFIFAから課されていた罰金の支払いも完了したということです。

12月12日のニュース:前ケランタンFC監督の選手起用法は「育成チーム」向き、「育成チーム」にはMリーグクラブ所属選手も参加可能、選手会はMリーグ各クラブに新たな統一契約書を使用するよう忠告

前ケランタンFC監督の選手起用法は「育成チーム」向き
 マレーシアサッカー協会FAMと国家スポーツ評議会NSCによる「育成チーム」が来季のMリーグ2部に参戦すること、そしてそのチームの監督には今季ケランタンFCの監督を務めたユスリ・チェ・ラー氏が就任することは、昨日のこのブログで取り上げましたが、その詳細が明らかになってきました。
 前U23代表監督でもあるオン・キムスイFAMアシスタントテクニカルディレクター(ATD)は、若い選手により多くの機会を与えるユスリ監督の選手起用法が「育成チーム」監督招聘の理由の一つであるとしています。さらにユスリ監督の起用は暫定的措置ではなく、様々な検討の結果であると話し、現役時代は代表チームでプレーし、その後は様々なクラブでの指導経験があり、多くの若手選手を育てたユスリ監督は「育成チーム」の指導者としては適任であると述べています。
 1997年から2002年まで代表でプレーしキャップ数42のユスリ監督は、2007年の引退後は今季監督を務めたケランタンFCのほか、クアラルンプールFAなどでも監督の経験があります。
 マレーシアの通信社ブルナマは、この「育成チーム」(英語表記ではFAM-NSCプロジェクトチーム)にユスリ監督以下、アシスタントコーチにノー・ザイディ・ローマット、GKコーチにハムサニ・アフマド、コンディショニングコーチにノー・イクマル・マダルサの各氏が加わることも報じています。

育成チームにはMリーグクラブ所属選手も参加可能
 また英字紙ニューストレイトタイムズは、このチームがU20の選手およそ30名で構成されると報じ、パハン州にある国立のエリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDでトライアウトを行う他、トレンガヌ州、マラッカ州、クアラルンプール、そしてクダ州でも第一次のトライアウトが行われ、最終選考は来年1月7日から9日にかけてNSCがあるクアラルンプールのブキジャリルで行われるということです。
 NFDPプログラム卒業生で、既にMリーグクラブと契約済みの選手の参加もトライアウトに参加可能ということですが、その際には所属クラブからの了承が必要となるということです。
******
 Mリーグにはかつてマレーシア語名「ハリマオ・ムダ」、英語名は「ヤングタイガーズ」と呼ばれたU22代表チームがプレーしていた時期がありました。2007年からMリーグ2部プレミアリーグに参加したチームは、その後U22とU21、さらにU19の複数チームに分裂するなどした後、2015年に解散しています。その間、U23代表は2009年と2011年には東南アジア競技大会通称シーゲームズで連覇を果たし、2010年にはフル代表も東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップで優勝するなど結果を出しています。

選手会はMリーグ各クラブに新たな統一契約書を使用するよう忠告
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMはMリーグの各クラブに対し、今年11月19日より有効となった新たな統一契約書に基づいて契約を行うよう忠告しています。
 ブルナマによれば、新たな統一契約書には、契約期間中にクラブと選手の双方の利益を守るための修正事項が含まれており、その一つが2ヶ月以上給料が支払われなかった場合の契約解除の手順を定めた条項ということです。今季途中には給料未払いを理由にムハマドゥ・スマレがパハンFAを離脱するという事態が発生しましたが、この条項によって契約解除時の混乱を避けることができると、PFAMのイズハム・イスマイルCEOは述べています。
 またイズハムCEOは各クラブに対し、ケガや不調を理由に契約を解除することは出来なこと、さらに統一契約書の各項目と相反する追加条項をクラブの裁量で契約内容に付け加えることもできないことも強調しています。
 この他、選手側に対しては自身の利益保護のためにもFAMの登録済みの正規の代理人を使うべきであると述べ、その理由として不測の事態が発生した場合、FAMは正規の代理人以外とは交渉を行わないことを挙げています。


12月11日のニュース:ケランタンFC退団のニック・アキフらはトレンガヌFC加入、来季の2部リーグには国立アカデミー卒業生らの育成チームが参戦、FAMはコーチ教育部門他で新たな責任者就任を発表 

ケランタンFC退団のニック・アキフらはトレンガヌFC加入
 昨日のこのブログではMリーグ2部ケランタンFCの主力選手5名が補償不要で契約解除となったことを取り上げましたが、その内、MFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マットとDFシャールル・ニザム・ロス・ハスニは早速、Mリーグ1部のトレンガヌFCに加入しています。
 クラブの公式Facebookで正式加入が発表された22歳のニジェイことシャールル・ニザム選手とと21歳のニック・アキフ選手はいずれも2年契約を結んだということです。
 なおトレンガヌFCは既にパハンFAを退団した22歳のFWファイザル・アブドル・ハリムとも2年契約を交わしています。
 来季のAFCカップ出場を控えながら、主将のリー・タックの他、リーグ3位の7ゴールを挙げたドミニク・ダ・シルヴァら外国籍選手5名全員と契約を更新しなかったトレンガヌFCですが、ファイザル選手を含めたU23代表トリオの加入によって、若手中心でアジアの強豪と対峙することになりそうです。
(下はトレンガヌFCに加入したU23代表トリオ-トレンガヌFCのFacebookより)

来季の2部リーグには国立アカデミー卒業生らの育成チームが参戦
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、国立サッカー選手養成プログラムNFDPの卒業生で構成される育成チームが、来季のMリーグ2部プレミアリーグに参戦することを発表しています。
 マレーシア政府青年スポーツ省傘下の国家スポーツ評議会NSCと共同で運営されるこのチームには、国立エリートアカデミーのモクタル・ダハリアカデミーAMDを卒業した17歳の選手たちの他、各クラブのプレジデントカップチーム(U21)やユースカップチーム(U17)、さらに各州のスポーツ専門学校などから集まる30名で構成されるということです。
 来季のMリーグ2部は、同1部から降格予定だったフェルダ・ユナイテッドFCがリーグ脱退を表明し、また運営の主体であったマレーシア国立大学UKMが支援を打ち切ったUKM FCもリーグ参加が不可能となったことから、従来より2チーム少ない10チームが参加する予定でしたが、この育成チームが11番目のチームとなります。
 また監督には、今季2部のケランタンFA(今季まで、来季はケランタンFC)の監督を務めたユスリ・チェ・ラー氏が就任するということです。
 青年スポーツ省のリーザル・メリカン・ナイナ・メリカン大臣は、「NFDP卒業生の将来の進路は、国内サッカーが発展していく上で非常に重要であり、能力の高い選手は早い段階でMリーグクラブが注目されるが、遅咲きの選手については、この育成チームでプレーすることで、再度Mリーグクラブが注目する機会をもうけることができるだろう。」とFAM本部で開かれた記者会見の席上で話しています。
 このチームに参加する選手はNSCの施設で練習を行い、宿泊や食事、医療面でのサポートを受ける他、金銭的な手当も支給され、さらに希望者には大学で教育を受ける機会も与えられるということです。

FAMはコーチ教育部門他で新たな責任者就任を発表 
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上で、技術指導部門と育成部門の新たなスタッフ3名の就任を発表しています。
 元テクニカルディレクターTDのリム・キムチョン氏が、これまでオーストラリア出身のディヴィッド・アベラ氏が務めていたFAMのコーチ教育部門の責任者に就任しています。前NFDP責任者のリム・ティオンキム氏の兄でもあるリム氏は65歳で、プロコーチングライセンスを持ち、FIFAやアジアサッカー連盟AFCのコンサルタントなども務めるコーチ教育の専門家ということです。
 この他、クアラルンプールFAやパハンFAの監督経験もあるラジプ・イスマイル氏がユース部門の責任者に就任しています。この部署は前U23代表監督のオン・キムスイ氏がFAMのアシスタントTDに就任したため、空席になっていました。
 またキャメロン・レオン・ン氏がサミュエル・シュウ氏に代わり草の根サッカー指導部門の責任者に就任しています。

12月9日のニュース:卒業生獲得のクラブから国立アカデミーへの金銭補償なし、Mリーグ自身の給料未払い問題が明るみに、ケランタンFCは主力が流出

卒業生獲得のクラブから国立エリートアカデミーへの金銭補償なし
 マレーシア語紙ブリタハリアンは「JDTやスランゴールFCは幸せ者だ」という見出しの記事を掲載しています。
 国立のエリートサッカーアカデミーであるモクタル・ダハリアカデミーAMDの第2期卒業生40名の内、主力選手12名がMリーグ1部チャンピオンのジョホール・ダルル・タジムJDTとやはり1部のスランゴールFCと契約した話は、先日このブログでも取り上げました。
 ブリタハリアンによれば、マレーシア政府青年スポーツ省とFAMが共同で運営する国家サッカー選手養成プログラムNFDPの中核となるモクタル・ダハリ・アカデミーAMDの卒業生を獲得するクラブは、AMDに対して選手獲得への金銭補償を支払う必要がないということで、同紙は国内でもトップクラスの才能がある17歳の選手をタダで入手できることから「幸せ者」という表現を使っています。
 青年スポーツ省傘下の行政組織でAMDを監督する国立スポーツ評議会NSCは、今年2020年よりAMDから選手を獲得希望するクラブに対して補償を求める予定でいましたが、かつてAMDの責任者を務め、バイエルンミュンヘンのユースチームでのコーチ経験もあるたリム・ティオンキム氏をはじめ多方面から反対意見が続出しました。具体的にはAMDでトレーニングする選手たちとNSCの間に契約関係がないことなどから、NSCが監督することをのみ根拠としてAMD卒業選手の「価格」をNSCが設定することの正当性が問われた結果、この補償を求める計画が頓挫した経緯があります。

Mリーグ自身の給料未払い問題が明るみに
 今季のMリーグは第4節以降は全試合が無観客試合となりましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、Mリーグ1部の全試合でテレビ中継すると同時にYoutubeの公式チャンネルを通じて無料でストリーム配信も行い、国内の多くのサッカーファンがその恩恵を受けることができました。
 中継された試合はいずれもマレーシア語あるいは英語による実況解説を行うコメンテーターが配置されていましたが、このコメンテーターに対しMFLが給料を支払っていないことが明らかになりました。
 英字紙ニューストレイトタイムズは9名のコメンテーターが昨年からすでに給料を全額支払われておらず、今年に至っては全く給料を受け取っていないと報じています。
 今季中継されたのはMリーグ1部の121試合と1回戦終了後に中止が決まったマレーシアカップの7試合の合計128試合ということです。
 Mリーグ中継のコメンテーターには1試合あたり550リンギから800リンギ(およそ1万4000円から2万500円)が払われるということですが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは昨年は一部のみが支払われ、今年は給料が未払いとなっていることを認めた上で、現在は未払い分の支払いを行う準備を進めているとしています。

ケランタンFCは主力が流出
 Mリーグ2部のケランタンFC(来季より、今季まではケランタンFA)の主力選手が流出です。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、ケランタンFCは各選手に補償不要となる契約破棄用の書式を配布し、希望する選手が自由に契約を破棄できるようにした結果、MFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット、FWナズリン・ナウィ、DFシャールル・ニザム・ロス・ハスニ、そしてMFダニアル・アシュラフ・アブドラの5選手がこれを提出して、退団したということです。
 今回退団した選手は、今季やはり退団したユスリ・チェ・ラー監督の不在がこの5選手が退団を選んだ大きな理由であるとスタジアムアストロは報じています。
 ナズリン選手は「新たに提示された契約内容はこれまでのものとは大きく異なっており、その内容に同意できないので放出を希望した。」と語り、新オーナーの元、クラブの目指す方向が明らかでないことを退団の理由に挙げています。
******
 退団した5選手の中でも21歳のニック・アキフの補償なし放出には正直驚きました。地元ケランタン州出身でU19、U23と年代別代表でもプレーし、今季も全試合に出場、ケランタンFCでは将来が期待されている選手の一人だと思っていましたが、それをこうも簡単に放出するとは…。
 以前このブログでも100万リンギ(およそ2520万円)の契約解除違約金がニック・アキフに設定されていることを紹介しましたが、それが無くなればMリーグの多くのクラブが獲得に動くことは明らかですが、現在はMリーグ1部のトレンガヌFCとの契約が間近という噂です。

11月20日のニュース:トレンガヌFCはナフジ監督続投も今季のチーム得点王と契約更新せず、ケランタンFCはユスリ監督の契約を更新せず、フェルダUとUKM FCの来季Mリーグ不参加が確定

トレンガヌFCはナフジ監督続投も今季のチーム得点王と契約更新せず
 Mリーグ1部のトレンガヌFCは、ナフジ・ザイン監督の続投を発表する一方、大幅な選手の入れ替えを行うようだとマレーシア語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 既に退団を明らかにしたシンガポール出身のMFファリス・ラムリに続き、今季は11試合の短縮日程となったMリーグで9ゴールを挙げチーム得点王となったFWドミニク・ダ・シルヴァとの契約を更新しないことが、トレンガヌFCを運営するトレンガヌ州サッカー協会から発表されています。
 ベトナム1部リーグのサイゴンFCから加入して1年目のダ・シルヴァ選手は、他のMリーグクラブからのオファーの話があれば、国外よりもマレーシア国内での移籍を優先したいとも話しています。
 トレンガヌFCはダ・シルヴァ選手以外の外国籍選手との契約更改が行われていないことから、英国出身のMFリー・タック主将やウズベキスタン出身のMFサンジャル・シャアフメドフらの退団も噂されています。
******
 Mリーグで今季3位となったトレンガヌFCは、今季のマレーシアカップが中止となったことから、優勝チームに与えられることになっていた来季のAFCカップ出場権が与えられており、本来ならアジアで戦うため来季へ向けての戦力補強が必要そうですが、新たな獲得選手のニュースが報じられない一方で、これだけ今季の主力選手が流失すると、せっかく棚ぼたでAFCカップ出場権を得たにもかかわらずその先には暗雲が立ち込めています。

ケランタンFCはユスリ監督の契約を更新せず
 今季Mリーグ2部で6位となったケランタンFCは、ユスリ・チェ・ラー監督とアシスタンコーチのテンク・ハムザ・ラジャ・ハサン、アズリ・マムード・、イスマイル・チャワリット・アブ・バカルの3名との契約を更新しないことを発表しています。
 ケランタンFCのノリザム・トゥキマン オーナーは、クラブが1部昇格を達成するためには厳しい決断を下す必要があるとし、そのためには自分が求める「勝者のメンタリティー」を持つ指導者が必要だったと話しています。
 マレーシア国内からだけでなく、スペインやハンガリー、ドイツなどからも監督職への応募を受けていることを明かしたノリザム オーナーは経験豊かで選手とともに強いチームを作ることができる人材を応募者から選びたいと話しています。

フェルダ・ユナイテッドFCとUKM FCの来季Mリーグ不参加が確定
 民営化に伴い新たに獲得したオーナーによる支援の内容がクラブ運営には不十分であるとして、マレーシアサッカー協会FAMから来季のMリーグ参加が認められていなかったMリーグ1部のフェルダ・ユナイテッドFCと同2部のUKM FCは、FAMに再考を求めていました。
 これについてFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、両クラブからの再考依頼についてFAM内で協議を行った結果、やはり来季のリーグ参加資格を両クラブには与えないことを発表しています。
 「両クラブからの再考依頼を受け、追加提出された書類を精査した結果、FAMの決定は変わらず、来季のMリーグ参加は認められないことが決定した。なお、これは最終決定であり、これ以上の再考依頼は受け付けない。」とスチュアート事務局長は話しています。
 さらにスチュアート事務局長は、今回の決定により両クラブのMリーグ参加への道が完全に閉ざされたわけではなく、他の新規参入クラブ同様、まずはセミプロリーグのMリーグ3部であるM3リーグに参加し、そこから2部への昇格を目指す方法があるとも話しています。