6月20日のニュース:元U23代表の主力5名にヨーロッパのクラブが触手、そのうちの一人のシャミ・サファリは国外移籍の意思なし、JDTのテクニカルダイレクターは海外クラブからの問い合わせの噂を否定

元U23代表の主力5名にヨーロッパのクラブが触手
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によれば、マレーシアU23代表の主力選手の内、少なくとも5名の選手に対してマレーシア国外のクラブが接触していると報じています。
 希望的憶測も含めたいわゆる「飛ばし記事」が掲載されることもあるブリタハリアンですが、取り上げられているのはサファウィ・ラシド、アキヤ・ラシド、シャマー・クッティ・アッバ(以上ジョホール・ダルル・タジム)、イルファン・ザカリア(クダFA)、シャミ・サファリ(スランゴールFC)の5名です。
 2018年に中国で開催されたAFC U23選手権に出場したマレーシアU23代表は、マレーシアサッカー史上初となるベスト8に進出するも、ノックアウトステージ初戦の韓国戦で一度は同点に追いつきながら、終盤に失点して1-2で破れましたが、このときの主力であったサファウィ選手やシャマー選手、そしてシャミ選手は、同年末のAFF選手権スズキカップではフル代表にも招集され、現在、中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選にも代表選手として出場しています。やはりU23選手に出場したイルファン選手、そして彼らよりも若い今年21歳のアキヤ選手らは今後のフル代表の主力選手となる人材です。
 ブリタハリアンはそんな彼らにベルギー、デンマーク、クロアチア、スイス、ブルガリアといったヨーロッパ各国の主に2部リーグのクラブを含めた海外のクラブが関心を示していると報じています。
 記事の中では当地の代理人の話として、スイス1部リーグのFCチューリッヒとチェコ1部のスパルタ・プラハがサファウィ・ラシドに、ベラルーシ1部リーグのBATEボリソフが関心を示していると報じられています。
 この代理人は「ヨーロッパのクラブから問い合わせを受けているのは、現在はフル代表でプレーする2018年のAFC U23選手権ベスト8入りメンバーで、25歳以下の選手についての問い合わせが大半である。アジア出身の選手は豊富な運動力チームに貢献するタイプ、古くはパク・チソン、最近ならばソン・フンミンに代表されるようなウィングができる選手が好まれている。その観点からも特にサファウィ選手やアキヤ選手に関心が集まっているのだろう。」と話しています。
 その一方で、この代理人はMリーグの主力選手の給料は、ヨーロッパの2部リーグでプレーすることで得られる給料よりも高額であることから、国外移籍に興味がない選手がいることも明らかにしています。
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 各年代の代表レベルの選手で現在、マレーシア国外でプレーしているのは、やはり2018年のAFC U23選手権メンバーでもあるドミニク・タンとハディ・ファイアッドがそれぞれタイ1部リーグのポリス・テロFCとJ2のファジアーノ岡山で、またノーシャルル・イドラン・タラハがタイ1部のPGパトゥム・ユナイテッドFCに在籍しています。また、ベルギー1部のKVコルトレイクと5年契約を結んだ18歳のルクマン・ハキム・シャムスディンは今年10月にウズベキスタンで開催されるAFC U19選手権の主力選手です。

そのうちの一人のシャミ・サファリは国外移籍の意思なし
 マレー語紙ハリアンメトロ電子版は、上で取り上げた元U23代表の主力の一人、スランゴールFCでプレーするシャミ・サファリとの一問一答を掲載しています。
 それによれば、シャミ選手は複数のクラブから接触があることを認める一方で、現時点では、Mリーグでプレーしたいと話しています。
 その理由としては、給料が下がることよりも、選手として常に試合に出られるようながあるかどうかに関心があると話しています。
 「(2018年の)U23選手権以降は複数のクラブから連絡を受けた。昨年はスエーデンのクラブから問い合わせを受けたが、マレーシアからの選手に対するヨーロッパのクラブの評価が不明なので、現時点ではヨーロッパでのプレーは考えていない。サファウィ選手やアキヤ選手もおそらく同じ理由を持っているのではないかと思う。」と話すシャミ選手ですが、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約したルクマン・ハキム・シャムスディンの動向は気になっていると話し、彼が活躍すれば、マレーシア人選手の評価も上がり、韓国や日本からの選手と同等の評価となるのではないかと話しています。
 海外でプレーしたい気持ちがあると話すシャミ選手は、その時が来れば是非、挑戦したいと話しています。
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 ヨーロッパが不安ならタイでも韓国でも日本でも挑戦する機会はありそうですが、結局のところ給料が下がるのが嫌なんでしょう。競争で勝ってポジションを掴む、という覚悟もなさそうです。マレーシアがアジアで上位を目指すためには、アジアの上位国のリーグに選手を送り込むのは得策だと思うのですが、チャレンジ精神が乏しいですねぇ。日本の様子なら岡山のハディ選手に聞けば概要はわかると思うのですが。

JDTのテクニカルダイレクターは海外クラブからの問い合わせの噂を否定
 また同じブリタハリアンは、JDTのアリスター・エドワーズTD(テクニカルダイレクター)の(前述の記事のような)海外のクラブからJDTの選手への問い合わせは全くないというコメントを掲載しています。
 エドワーズTDは「JDTの選手に興味があるクラブがまず連絡を取る相手はテクニカルダイレクターである自分か、あるいはスポーツダイレクターのマーティン・プレストのどちらかだが、私もマーティンも何も問い合わせを受けていない。」と話しています。
 さらに「海外のクラブからJDTの選手への問い合わせがあると主張する代理人がいるのであれば、それはその代理人の作り話か、その代理人が相手のクラブから金を騙し取ろうとしているかのどちらかだろう。万が一、JDTの選手に関心があるクラブが本当にあれば、我々に直接連絡をしてくるはずである。」
 「JDTはおそらくマレーシアで唯一の海外のクラブとのビジネス経験があるクラブだといって良いだろう。これまでの例としてFWホアン・マルティン・ルセロをメキシコ1部リーグのクラブ・ティファナに250万米ドル(およそ2億6700万円)で売った経験もある。」と話しています。

6月15日のニュース:今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に、クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も、スランゴールFCは6月22日より練習を再開

今季に限りMリーグは選手が3クラブでの登録が可能に
 マレーシアサッカー協会FAMは国際サッカー連盟FIFAによる臨時の規則変更に伴い、今季に限り、選手がシーズン中に異なる3つのクラブでの出場を認めると発表しています。
 FIFAは各国リーグの中断や早期終了に伴う世界的なサッカー選手の失業問題に取り組むため、今回の暫定的な規則変更を行うとしています。
 この規則変更により、各国のサッカー協会FAは今季終了前に従来のトランスファーウィンドウ移籍期間に加え、新たな移籍期間を設けることが可能になっています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、規則変更がFIFAの理事会で承認されれば、各国FAはそれに従う義務が発生することを認めた上で、6月9日に発表になったこの暫定的な規則変更案をまずは検討し、必要な修正を行いたいと話しています。
 なおマレーシアの今季2度目のトランスファーウィンドウは5月15日から6月11日となっていました。
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 東南アジアではミャンマーが既に今季2度目のトランスファーウィンドウを7月1日から7月25日に変更しています。なお、最新のトランスファーウィンドウ日程はこちらから確認できます。

クダFAはさらに退団希望者が続く可能性も
 Mリーグ1部のクダFAに所属する選手が5月29日付で契約解除を申し入れた話は、先日のこのブログでも取り上げましたが、英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、この選手の契約解除依頼を発端に、今後、さらにクダFAからの退団を希望する選手が出る可能性があることを報じています。
 クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは選手に対して2月分は一部のみ、3月分以降は全く給料を払っていない状況が続いていることが明らかになっています。
 5月29日に退団を申し出た選手は、退団が承認される前に解決しなければならない問題があるということで、未だ名前を明かしていませんが、KFAが承認すれば名前を明かすとしています。またこの選手は契約解除を希望する理由として、未払い給料問題のみが原因ではないとして、クダFAのサポーターに対して悲観をしないで欲しいと求めているということです。

スランゴールFCは6月22日より練習を再開
 Mリーグ1部のスランゴールFCは、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLが求める標準作業手順SOPに従って、6月22日から練習を再開することを発表しています。
 スランゴールFCを運営するスランゴール州サッカー協会FASのジョハン・カマル・ハミドン事務局長は、来週にも選手、監督およびコーチが新型コロナウィルスに感染していないかどうかの検査を受けた上で、練習を再開するとニューストレイトタイムズに語っています。
 ハミドン事務局長は、MFLのSOPに従って、スランゴール州シャーアラムにある練習場をマレーシア政府の通商産業省に登録したことも明かし、スランゴールFCは6月22日から、BチームでMリーグ2部に所属するスランゴール2はその翌週から練習を開始するとしています。

6月12日のニュース:MリーグのSOP作成にラ・リーガが支援を申し出る、ケランタン州協会にFIFAから新たな未払い給料支払命令が届く、クダFAの主力選手が契約解除を申し出る

MリーグのSOP作成にラ・リーガが支援を申し出る
 マレーシアの通信社ブルナマは、9月の再開が予定されているMリーグの標準業務手順SOP作成にスペインのラ・リーガが支援を申し出ていると報じています。
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、実現可能なSOPを作成し、これをマレーシア政府保健省と国家安全保障委員会が了承することがリーグ再開のための条件となっています。このSOP作成について、ラ・リーガの国際事業開発担当のジョルジオ・ポムピリ・ロッシ氏は6月12日に再開するラ・リーガのSOPをもとに、マレーシアの環境に適したSOP作成の支援を行いたいと話しています。
 「Mリーグとのビジネスパートナーとして、是非とも(SOP作成に)協力したい。ラ・リーガによる規制はスペイン国内の環境を考慮したものだが、その内容はMFLがSOPを作成する際の参考になるはずである。」と話すロッシ氏によると、ラ・リーガの安全対策としては、試合は無観客で実施、ベンチ内の選手間の安全な距離の確保、試合後の記者会見はオンラインで実施などがあるということです。
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 Mリーグとラ・リーガは、クラブ経営が健全に行われることを監視する経済コントロールプログラムなどで協力関係にあり、その関連でこのような話が上がっていると考えられます。人口が5000万弱のスペインでは2万7000人が新型コロナウィルスで亡くなっており、人口3200万弱で亡くなった方の数は120人にも満たないマレーシアが参考にすることが果たしてあるかどうはここでは重要ではないようです。

ケランタン州協会にFIFAから新たな未払い給料支払命令が届く
 かつて在籍した外国籍選手への未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会KAFAに国際サッカー連盟FIFAより新たな未払い給料の支払命令が届いていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 2018年から2019年途中まで在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスに62万9820リンギ(およそ1570万円)、2018年に在籍したやはりブラジル出身のブルーノ・ロペスに14万1100リンギ(およそ352万円)の未払い給料があることはこのブログでも取り上げましたが、今回、FIFAから届いた支払命令は2018年に在籍したチュニジア出身のアレディン・ボスリミに対する15万7380リンギ(およそ393万円)です。
 FIFAからの命令を受け取ったことを明かしたKAFAのアーマド・ムザッキル行動委員会委員長は、外国籍コーチも含め合計で8件の支払命令が届く予定であることも明かした上で、KAFAは総額が500万リンギ(およそ1億2500万円)を超えるとされる未払い給料について、選手との再交渉などを行いながら、解決していきたいと話しています。
 またムザッキル委員長は、未払い給料解決のために支援を求めてサポーターに募っている寄付が、これまでにおよそ2万5000リンギに達していることも明かしています。

クダFAの主力選手が契約解除を申し出る
 未払い給料問題を抱えるクダFAでは、主力選手の一人が契約解除を求める手紙をクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに贈り、それが受理されたとブリタハリアン電子版が報じています。なおその選手は現在、KFAからの返事を待っている状態だということです。
 記事の中では名前は明かされていないものの、5月29日付で契約解除を申し出たというこの選手はクダFAの主力選手で、2016年のクダFAのマレーシアカップ優勝に貢献した選手でもあるということです。
 ブリタハリアンとのインタビューの中でこの選手は、代理人を通じて契約解除を申し出たことを認め上で「個人的な事情で契約解除を申し出ており、今後は家族とより多くの時間を過ごしたい。また自分の契約が解除になれば、KFAの負担も減り、少しは役に立てると思っている。」とも話しています。
 なお、KFAはこの選手の契約解除については何も発表していないということです。
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 2016年のマレーシアカップ優勝に貢献とわざわざ書かれていることから、昨季のFAカップ優勝時には在籍していなかった選手の可能性があり、そうなると今季2020年シーズンにクアラルンプールFAから2年ぶりに復帰したDFアズミール・ユソフ辺りが当てはまりそうです。

6月10日のニュース:M3リーグ中止に安堵するクラブも、給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に、サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める

M3リーグ中止に安堵するクラブも
 一昨日発表されたMリーグ3部M3リーグの今季2020年シーズン中止について、関係者の安全に考慮した結果として受け入れるクラブがある一方で、慢性的な運営資金不足にクラブにとってはむしろ朗報だったとする記事を、マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトが掲載しています。
 取り上げられているのはM3リーグのクラシコFCで、チームマネージャーのカイリル・アヌアル氏の話として、各クラブはリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLによる今季の中止決定を正しい判断であると指示していると話す一方で、もしM3リーグ最下位となっていたら、クラシコFCはリーグ参加を辞退していた可能性があると話しています。
 「今季に向けて準備をしてきた他のクラブには申し訳ないが、リーグ中止の知らせには正直、安堵している。クラシコFCのスポンサーや広告主も新型コロナウィルスによる様々な影響を受けており、約束されていた広告収入の支払いが滞っていたり、スポンサーを辞退するケースも起きたりしている。我々のような状況にいる他のクラブにとっても、むしろ来季のスポンサー獲得により多くの時間をかけられるので、このリーグ中止を好意的に捉えているだろう。」と話しています。
 またクラシコFCは社会人選手が大半のため、月給制度ではなく、試合給を支払う形を取っていると言うことで、選手への給料支払いに関しては大きな影響は出ていないと話しています。
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 MFLはAFLの上部組織であることから、このような記事を掲載したのだと思いますが、AFLによる今後の予定の発表がないまま、リーグ中止の正当性をリーグ権傾斜ではなく、M3リーグのクラブ関係者に語らせるだけの記事には、個人的には無責任な空気を感じます。今年はM3リーグ改革年、2021年にはセミプロ化という大風呂敷を広げて始まった今季でしたが、改革は来年に持ち越されるのか、それとも頓挫してしまうのか、このブログでも見守っていきたいと思います。

給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に
 今年2月からの給料未払い問題が明らかになったMリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは、会長、副会長、事務長のトップ3のポストが空席になっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 昨日開かれたKFAの理事会後にプレスリリースを発表したアブドル・ラーマン・アブドラ会長代理によれば、ムクリズ・マハティール会長、アナス・ハフィズ・ムスタファ副会長、アミルル・アヌアル・アリス名誉事務長から提出されていた辞職願が理事会で受理されたということです。
 空席となった3つのポストについては、候補者の人選を進め、KFAに加盟する各組織に推薦者の有無などを問う連絡がされ、その後は臨時総会を開催して、空席となったポストを早急に埋めたいとしています。
 またアブドル・ラーマン会長代理は、選手やスタッフへの未払い給料問題についても、KFAの理事会が現在の経営状況に沿った解決方法を模索していくと話しています。
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 前州首相のムクリズ・マハティール氏が州政府内の与野党逆転により権力を失った結果、州首相を辞任、兼任していた州FA会長職も辞任という構図ですが、これまで伝統的に州首相が兼任してきたKFA会長職には、現州首相が就任しておらず、その結果として未払い給料問題も進展していないようです。選手の苦境を引き伸ばすことで、前政権のイメージを悪くするといった政治的な魂胆も見え隠れするだけに、それに巻き込まれた形の選手たちが最大の被害者ながら、さらに災難に巻き込まれた格好になっています。

サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める
 サバ州サッカー協会SAFAのピーター・アンソニー会長は、9月に再開が予定されているMリーグの日程について、日程を作成するマレーシアフットボールリーグMFLに対して、東マレーシアのクラブにとって負担にならない公平な日程作成を求めていると、英字紙スターが報じています。
 マレー半島から南シナ海を隔てて位置する東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つサバFA、サラワク・ユナイテッド、クチン FAは、半島部のクラブとの試合では飛行機による移動を強いられます。新型コロナウィルスの感染者数が減少しているとは言え、いわゆる「三密」状態となりやすい飛行機での移動、半島内を移動するクラブに比べると高額になる移動費用の負担など、東マレーシアのクラブが不利にならないような日程作成を求めたいとしています。
 2012年シーズン以来のMリーグ1部スーパーリーグ復帰となったサバFAは、リーグが中断した第4節終了時点で1勝2分1敗でリーグ4位につけています。

6月8日のニュース:クダFA監督は給料未払い選手のモチベーション低下を憂慮、代表復帰を目指すアペックは時間との勝負に挑戦、パハン監督は来季のフットサルリーグの早期開幕を希望

クダFA監督は給料未払い選手のモチベーション低下を懸念
 昨日のマレーシア政府は、サッカーなど接触プレーのあるスポーツの禁止は8月31日まで継続されることを発表し、Mリーグの8月中の再開の可能性が限りなく低くなりましたが、例えMリーグが再開となった場合でも、クダFAのアイディル・シャリン・サハック監督は給料未払い問題が解決していない選手のモチベーション低下を懸念していると英字紙ニュースとレイトタイムズ電子版に語っています。
 一説には総額200万リンギ(およそ5140万円)とされる、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAによる給料未払い問題について、アイディル監督はクダ州のサヌシ・モハマド・ノー新州首相が解決してくれることを期待しているとしつつも、「選手のモチベーション低下を防ぐためにも、KFAには直ちに問題を解決して欲しい。もし未払い給料問題の解決が遅れるようであれば、たとえシーズンが再開しても、自分だけでは選手のモチベーションを引き出すことは難しいだろう」と話しています。
 現在は自宅のあるシンガポールに戻っているアイディル監督は、チームに合流するため、既にシンガポールのマレーシア大使館に入国許可を申請中ということです

代表復帰を目指すアペックは時間との勝負に挑む
 Mリーグ1部のマラッカ・ユナイテッドのアペックことGKカイルル・ファミ・チェ・マットは2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権に優勝し、一気にスターの仲間入りをした選手ですが、タン・チェンホー監督が2017年末に代表監督に就任してからは、出場機会が減少し続け、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会予選では代表入りしていません。そんなカイルル選手は再び代表入りを目指しているものの、新型コロナウィルスの影響により時間との戦いであると、ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 代表に復帰するにはタン監督の目に留まることが必要ですが、現在中断中のMリーグは新型コロナウィルスの影響で日程短縮を余儀なくされ、今季は1回戦総当たり形式になることが発表されています。12クラブで構成されるMリーグ1部と2部はいずれも既に第4節まで終了しており、今季の残り試合は各クラブとも7試合です。
 「2020年の自分の目標は代表復帰だが、今季開幕から4試合全てに先発して、その気持ちがさらに強くなった。しかし新型コロナウィルスの影響で3ヶ月間、試合から遠ざかり、Mリーグの残り7試合で自分の評価を上げていくしかない。最終的にはタン監督が決めることではあるが、自分はできる限りの努力をするつもりだ。」とカイルル選手は話しています。
 ただしカイルル選手が所属するマラッカ・ユナイテッドは、選手への給料未払いによりMFLによって勝点3を剥奪されており、降格権の10位に低迷しています。
 これについてカイルル選手は「未払い給料については、1月から3月分までを受け取っており、4月と5月分の支払いを待っているところである。給料削減についての話し合いも進行中だが、試合に出場するとなれば、自分は全力でプレーする。」と話しています。
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 最後に代表でプレーしたのは昨年2019年3月の国内招待大会エアマリンカップでしたが、31歳と老け込むにはまだ早いカイルル選手。闘志を全面に出してチームを鼓舞するタイプのGKは、若い選手が多い今の代表には貴重な存在だと思います。個人的にも好きな選手なので、代表復帰に向けて頑張って欲しいです。

監督は来季のフットサルリーグの早期開幕を希望
 当初はMリーグとともに9月1日の再会が予定されながら、急転直下で今季の中止が決定したマレーシアプレミアフットサルリーグMPFLに所属するパハンレンジャーズFCのジェラール・カサス監督は、マレーシアサッカー協会FAMに対してより早い時期の開幕を期待したいと述べています。
 パハンレンジャーズFCのFacebookへの投稿の中で、自宅にあるスペインに帰国中のカサス監督は、マレーシア政府による新型コロナウィルスに対する対応を評価しながらも、今季2020年シーズンは強いチームを準備して臨んだ分、リーグ中止にがっかりしていると述べています。
 カサス監督は「初戦(対サラワク戦)は無観客試合で行われながら、9-1と圧勝した際に選手たちが見せた意気込みを思い出すと、リーグ中止には失望している。安全が第一なのでFAMの判断は正しいと思うが、今後、新型コロナウィルスの状況が改善することがあれば来季2021年シーズンは、早めに開幕して欲しい。」と述べ、さらに「国内にはフットサルのレベル向上を目指すクラブがあり、パハンレンジャーズFCはその一つである。FAMにはそういったクラブの努力を理解して欲しい」とも綴っています。

5月31日のニュース:国内リーグ再開についてFAMは安全を最優先することを強調、クダFA選手の苦境は続く、マラッカUにさらに勝点剥奪の危機

国内リーグ再開についてFAMは安全を最優先することを強調
 マレーシアサッカー協会FAMは9月1日に予定している国内リーグMリーグ再開に際して、安全を最優先することを強調しています。
 Mリーグの再開はマレーシア政府の承認待ちの状況ですが、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は再開の際には選手、サポーターそして全ての関係者の安全を最優先する形でのみ再開すると英字紙ニューストレイトタイムズ電子版に語っています。
 国内リーグが既に再開している他国の状況を注視していると話すラマリンガム事務局長は、マレーシア政府が発表する予定であるMリーグ開催のための標準業務手順SOPに従うことはもちろん、追加の予防策として協会としての「危機管理システム」を準備する用意があることも明かしています。
 「FAMは韓国やドイツなど国内リーグが再開した国のサッカー協会と連絡を取りあい、情報収集を行っている最中である。またベトナムについてはサポーターを入場させてリーグを再開しており、正直驚いている。FAMとしては、とにかくリスクを最小限にすることに全力を注ぐつもりである。」
 「リーグが再開した国々では人々が好感を持ってそれを受け入れているが、感情論だけで判断することはできない。実際、フランスやスコットランド、オランダ、ベルギーではリーグが中止となっている。」と話すラマリンガム事務局長は「危機管理システムについてもドイツリーグが採用している仕組みはマレーシアでの導入は不可能なほど高額である一方で、韓国リーグの仕組みは現実的で、採用可能なものである」とも話し、マレーシア政府保健省、青年スポーツ省、国家安全保障委員会に来月6月に再提出予定のリーグ再開嘆願の内容を調整していることも明らかにしています。

クダFA選手の苦境は続く
 クダ州政府内での政権交代により、ムクリズ・マハティール前州首相が辞任し、兼任していたクダ州サッカー協会KFA会長の職も辞任しましたが、ムクリズ前州首相が辞任直前にクダ州政府からKFAへ150万リンギ(およそ3720万円)の配分を承認したというニュースが報じられ、この配分により2月以降の給料の一部しか支払われていないMリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフの苦境が改善されるはずでした。
 しかし新たに就任したクダ州のモハマド・サヌシ・モハマド・ノー州首相が、この150万リンギについては新州政府の承認が新たに必要であり、その承認がまだ行われていないことを表明したことで、クダFAの選手間には失望が広がっていると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 2月の給料は一部のみが支払われ、3月以降は全く給料を受け取れていないままハリラヤ(イスラム教断食月明け大祭)を迎えた選手たちからは、150万リンギの配分が承認されたニュースに喜んだが、もはや何を言われても信用ができないという声が出ているということです。
 サヌシ州首相は150万リンギの配分について、その額が大きなこと、また旧政権辞任の直前に決定したことを理由に、その配分には現政権の承認が必要であることを強調し、その上で前KFA会長(=前州首相)のもとで選手と巨額の契約を結んだことがKFAの運営資金不足の根本原因であると前政権を批判しています。

マラッカUにさらに勝点剥奪の危機
 マレー語紙ブリタハリアン電子版は、マラッカ州サッカー協会MUSAが来月末までに未払いとなっている給料を支払わない場合、MUSAの運営するマラッカ・ユナイテッドがMリーグからの除名処分となる可能性を伝えています。
 MUSAは、未払い給料総額が80万リンギ(およそ1980万円)とされており、来月6月末までにこの未払い給料を支払わない場合には、マラッカ・ユナイテッドに対して勝点6の剥奪処分が下されることになっています。今季開幕後、同様の給料未払い問題が発覚し、今季既に勝点3を剥奪されているマラッカ・ユナイテッドは、さらに加点を剥奪されることに加え、最悪の場合にはMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLよりリーグ除名の処分となる可能性があるということです。
 これについてMUSAのモハマド・アシク・アブドル・サマド副会長は、処分の期限となる来月末前までには支払いを行えるだろうと話しています。「3月分の未払い給料は既に支払い終わっており、今月5月中には4月分の未払い給料も支払い終わる予定である。今季の未払い給料については、マラッカ州首相でもあるスライマン・モハマド・アリMUSA会長がその支払いを確約している。」と話し、前述の80万リンギはあくまでも昨季分の未払い給料であることを強調しています。
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 この前の記事のクダ州同様、マラッカ州も連邦政府での政変による与党再編の影響を受け、旧与党陣営に所属していた前州首相が辞任し、新与党構成政党出身のスライマン・モハマド・アリ州首相が3月9日に就任しています。未払い給料問題を前政権による不始末とするイメージ戦略も含めて、ここでもサッカーが政争の道具になっている可能性があります。

5月28日のニュース:クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束、カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり、国内フットサルリーグも9月再開の予定

クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束
 Mリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフには2月以降は給料が支払われておらず、その原因の一つが政変によるクダ州政府内の混乱が挙げられていますが、就任したばかり尾クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー新州首相は、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAを支援を行うことを表明しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、KFAは政府機関ではないものの、クダ州民によって高く評価されているクダ州のサッカーのために、クダ州政府は未払い問題問題解消のためにKFAへの金銭的な支援を行うとしています。
 クダ州政府庁舎で記者会見したサヌシ州首相は、マレーシアサッカー協会FAMにアドバイスを求め、それに従った方法でKFAの立て直しを行いたいと話しています。また5月19日に前州政権がKFAに配分することを承認したとされている150万リンギ(およそ3720万円)についてサヌシ州首相は「前政権が政権交代直前に承認を行ったと聞いているが、その分配については前政権下で審議されたもので、150万リンギは金額も大きいため、現政権のもとで再度審議を行う必要があると考えている。前政権の承認が妥当かどうかを検討したい。またその一方で別の形での未払い給料問題解決も模索したい」と話しています。
 またサヌシ州首相は、ムクリズ・マハティール前州首相に対して、「ムクリズ氏は州首相を辞任したが、兼任していたKFA会長職の辞任はKFAの総会中に行われるべきである。KFA会長辞任によって起こっているKFA内の問題の解決を求めたい。」とも話しています。

カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり
 マレー語紙ブリタハリアンによれば、ケランタン州サッカー協会KAFAとカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスとの間で、未払い給料問題解決に向けての再交渉がおこ縄える可能性があるようです。
 先日のこのブログでも取り上げましたが、FIFAによるカッシオ選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)の支払い命令に関する仲裁をKAFAがスポーツ仲裁裁判所CASへ申し立てた結果、その申し立てが受理されました。そして、その申し立て内容の精査に2週間かかることから、FIFAによる支払命令執行にも2週間の猶予が与えられています。
 その一方で、この再交渉についてカッシオ選手の弁護士であるザフリ・アミヌラシド氏は、カッシオ選手の権利が保障され、再交渉終了後に再び問題が発生しないよう、KAFAとカッシオ選手間の単なる再交渉ではなく、CASの仲介による「調停」とすべきであると主張しています。「両者が再交渉を行い、同意した結果、調停役のCASは文書で示されたその同意内容を承認するという形にすることを望んでいる。」と話すザフリ氏は、そうすることによってKAFAはCASが承認した調停内容に従う義務が発生し、選手の利益が損なわれる危険性がなくなるとしています。

国内フットサルリーグも9月再開の予定
 国内リーグMリーグは9月再開を目指して、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会の承認を待っているところですが、やはり中断中の国内フットサルリーグについても同様に9月1日からの再開を目指すことをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。
 マレー語紙ハリアンメトロによると、12チームが参加する国内のフットサルリーグ、マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは、試合数の変更などは行わず22試合を予定通り行う予定ということです。なお、MPFLは3月15日の第1節終了後にリーグが中断しており、各チームとも21試合が残っています。
 なおMリーグは日程を改編し、Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームの1回戦総当たり形式となることが決まっており、既に第4節まで終えている両リーグは9月中に全日程を無観客試合で行う予定が発表になっています。

5月25日のニュース:クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに、代表はW杯予選前の準備にMリーグクラブと対戦も、U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か

クダFAの選手には結局ハリラヤ前に未払い給料が支払われなかったことが明らかに
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、クダFAの選手およびスタッフには、結局、ハリラヤ(イスラム教の断食月明け大祭)前に未払い給料が支払われることはなかったと報じています。
 このブログでも、辞任したムクリズ・マハティール前クダ州首相が辞任前に州政府からクダ州サッカー協会KFAへ200万リンギ(およそ4930万円)の配分を承認したとする記事を取り上げました。またその一部の50万リンギはハリラヤ前に選手およびスタッフに支払われると発表したKFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務局長も辞任しており、真相は闇の中です。
 しかしクダFAの数名の選手がソーシャルメディア上でKFAの対応を非難しており、シンガポール出身のシャキル・ハムザは自身のインスタグラム上で、(アスミルル名誉事務局長の発言に対して)「本当だったらよかったのに…。」とコメントし、アズリ・ガニはこれを自身のアカウントでシェアしている他、イファット・アクマル・チェック・カシムは自身の2月以降は全く給料を受け取っていなことをほのめかしています。
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 前州政権が配分を承認した200万リンギが、現政権によって反故にされる可能性もあり、そうなれば、既にモチベーションが下がっているであろうクダFAの選手たちにとって、さらにやる気を失わせる原因になるどころか、クダFAにとっても来季のクラブライセンス獲得の生姜になる可能性もあります。

代表はW杯予選前の準備でMリーグクラブと対戦も
 10月から再開予定とされるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選前に、代表のタン・チェンホー監督は練習試合の必要性を訴えていますが、新型コロナウィルスの影響により移動制限などが課されている現状では試合を組めていないことから、マレー語紙ハリアンメトロは、Mリーグのクラブが代表の練習試合の相手になる可能性を取り上げています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、各国の新型コロナウィルスへの対応は異なり、感染拡大を防ぐために外国人の入国を禁じている国もあることから、国外遠征については現時点での日程の確定は難しいと話しています。
 そこで代案として上がっているのは、Mリーグのクラブとの対戦ということです。
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 素人目線では、Mリーグ外国籍選手選抜とマレーシア代表が試合をすれば、国外に出かけていく必要もなく、そこそこ質の高い相手との良いウォーミングアップになりそうだとも思いますし、サポーターの関心も集められそうですが、そう言うわけにはいかないのでしょうか。

U19代表はアメリカ2部リーグでプレーする選手を招集か
 昨年2019年末の東南アジア競技大会シーゲームズに出場するU22大表の合宿に招集されながら、結局は書類不備を理由にマレーシアU22代表に選ばれなかった、MSLのスポーティング・カンザスシティに所属するワン・クザイン・ワン・カマルの弟で、アメリカ2部リーグUSLのセントルイスFCでプレーするワン・クズリ・ワン・カマルが、10月にウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場するU19代表の候補合宿に招集される可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 U19代表のチームマネージャーを務めるカマルル・アリフィン・モハマド・シャハル氏は、現在18際のワン・クズリ選手はマレーシア代表としてプレーするの必要な書類は全部揃っているとブルナマの取材に答えています。
 来年2021年にインドネシアで開催されるFIFA U20W杯のアジア予選も兼ねる今回のAFC U19選手権で、マレーシアは予選を突破しての初出場を目指しています。
 AFC U19選手権予選を全勝で突破したU19代表の選手たちの他、U19を強化するために数名の選手の様子を追跡していると話すカマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手がその1人であるとした上で、「両親がいずれもマレーシア人であり、年齢が18歳のワン・クズリ選手はU19代表に参加できる条件を揃えており、さらにワン・クズリ選手本人も代表でプレーすることを望んでいる。」と話しています。
 カマルル・アリフィン氏は、ワン・クズリ選手の他に、U19代表の戦力強化につながるサバ州とマラッカ州出身の2選手を追跡調査していることも明かしています。

5月20日のニュース:プレジデントカップとユースカップは今季中止の可能性、ハリラヤ前にクダFA選手の遅配給料支給が始まる、タイ代表アディサク選手におすすめのMリーグの4クラブ

プレジデントカップとユースカップは今季中止の可能性
 英字紙スター電子版は、マレーシアサッカー協会FAMが主催するプレジデントカップとユースカップが中止になる可能性を報じています。
 新型コロナウィルスの影響で全てのサッカー活動が停止中のマレーシアでは、Mリーグ各クラブのU 21チームがリーグ戦形式で対戦するプレジデントカップは3月12日の第4節終了から、そしてU19チームが対戦するユースカップは3月15日の第5節終了からそれぞれ中断しています。
 U21チームとU19チームを運営するMリーグ各クラブはリーグ中断による観客収入減やスポンサー、広告主の撤退により財政を圧迫されていること、さらに両大会はスタンドなどがない会場で行われ、マレーシア政府が求める無観客試合として行うことが難しいこと、そして再開となれば無観客試合など多くの制約が課せられることからFAMは両大会の中止を検討しているとスターは伝えています。
 またFAMはU21とU19チームに所属する有望選手はMリーグでプレーできるよう、所属クラブに働きかける一方、新型コロナウィルスの感染拡大が収まれば、プレジデントカップをU22チームの大会として刷新した上で、今年11月より2021年シーズンとして行うことも計画しており、Mリーグ各クラブからの意見を募っている最中ということです。
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 マレーシアU19代表は、今年10月14日から31日にかけてウズベキスタンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権に出場しますが、U19のユースカップが中止となったことで新戦力の補強が難しくなったU19代表のブラッド・マロニー監督は、本大会でも予選を突破したチームの選手が主力となるだろうと話しています。

ハリラヤ前にクダFA選手の遅配給料支給が始まる
 マレー語紙ブリタハリアン電子版によると、2月の給料の一部を含め3月、4月分の給料が支払われていないクダFAの選手たちに対して、クダ州サッカー協会KFAが支払いを始めたと言うことです。
 KFAのアスミルル・アヌアル・アリス名誉事務長によると、先日、辞任したムクリズ・マハティール前クダ州首相が辞任の二日前に、州政府からKFAに対して200万リンギ(およそ4960万円)の配分を承認していたと言うことです。また、そのうち50万リンギは既に5月14日に選手およびスタッフに支払済みであることも明かし、残る150万リンギについては、新州首相率いる州政府がKFAに直ちに支払うことを期待しているとも話しています。
 アスミルル名誉事務長は、クダ州の新州政府がKFAの支援を続けてくれることも期待していると話しています。
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 断食明け大祭のハリラヤ前にクダFAの選手が一部とはいえ給料を受け取れたのはよかったです。今年のハリラヤはマレーシア政府が州境を跨いだ移動を禁じていることから例年のような大規模な帰省ラッシュは起こらないことが予想されますが、クダFAの選手たち、特にイスラム教徒の選手にとっては大事な祭りを少しは気分良く迎えられるのではないでしょうか。
 現在は自宅のあるシンガポールに戻っているアイディル・シャリン監督も、別の記事ではこのハリラヤ明けにはクダ州に戻ると話しており、開幕ダッシュに失敗したチームをリーグ再開までに立て直せるかどうかに注目です。

タイ代表アディサク選手におすすめのMリーグの4クラブ
 タイ代表のFWアディサク・クライソーンと言えば、2018年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ準決勝のマレーシア戦でPKを失敗(しかもその失敗によりマレーシアはアウェイゴールルールでタイを破って決勝進出)したことで知られていますが、このアディサク選手が引退する前に国外でのプレーを希望し、そこにMリーグも含まれていたことで一躍話題になっています。
 サッカー専門サイトのヴォケットFCは、早速、アディサク選手にうってつけのMリーグ1部スーパーリーグのクラブを独断と偏見に基づき4つ挙げていますので、与太話(失礼!)に付き合ってみましょう。
・パハンFA
 ディクソン・ヌワカエメが攻撃陣を率いるパハンFAですが、ヌワカエメ選手の衰えが見え始めている現在、その代わりとなれる選手としてアディサク選手をヴォケットFCは勧めています。
・フェルダ・ユナイテッド
 今季のフェルダ・ユナイテッドはカイルル・アムリが攻撃陣を牽引しています。ヴォケットFCは、攻撃陣の顔ぶれ変更を考えるのであれば、アムリ選手同様、東南アジアのサッカーを熟知する経験豊富なアディサク選手はクラブにとって理想的であるとしています。
・PJシティFC
 攻撃陣が弱点のため、今季のリーグでは10位に低迷するPJシティFCにとってFWの補強は最優先事項であり、アディサク選手はその目的に最適の選手であるとヴォケットFCはアディサク選手を勧めています。
・サバFA
 今季のサバFAの外国籍選手はロドリュブ・パウノヴィッチとギー・ナブユの両FWが4試合でそれぞれ1ゴールずつと活躍できていませんが、そのどちらかの代わりにアディサク選手を獲得することを考えてもいいのでは、とヴォケットFCは提案しています。

5月19日のニュース:クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる、代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持、ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請

クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる
 給料未払い問題が連日報道されているクダ州サッカー協会の次期会長の候補にクダ州皇太子が浮上していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 州政府内で起こっている政権交代により、マハティール・モハマド前首相の息子のムクリズ・マハティール氏が州首相を辞任し、同時に兼任していたクダ州サッカー協会KFAの会長も辞任しました。
 空席となったKFA会長には、慣例通り新州首相のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー氏の就任が有力ですが、一部にはクダ州王室のトゥンク・サラフディン・バドリシャー・スルタン・サレフディン皇太子殿下が就任するのではという噂もあります。
 KFAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、新会長選出はKFAの規則に則って行われることを強調しています。「KFAの会則では、KFAの会長職は自動的に州首相が指名されるものではない。資格がある個人は誰でも次期KFA会長の候補者となることができ、KFAの36加盟団体による選挙を経て、会長としての指名を受ける手順になっている。しかしその一方で、KFAの加盟団体はクダ州首相を候補として推薦する予定である。」と話しています。
 KFAに変革がもたらされることを期待するサポーターは、クダ州皇太子が会長となってリーダーシップを発揮することを歓迎していると、ハリアンメトロの記事は結んでいます。
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 皇太子と言えば、JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下が有名ですが、スランゴール州サッカー協会FASの会長もスランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャー殿下が勤めています。FAS内での権力闘争(報道によれば)で、FASが運営するスランゴールFAは国内で最大のクラブだったかつての栄光が霞むような状況でしたが、トゥンク・アミル・シャー殿下が2018年7月に就任した以降は、状況が改善しているとされています。

代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持
 10月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に臨むマレーシア代表は、これまでとほぼ同じチーム編成で戦うだろうと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表のタン・チェンホー監督は「代表選手は(W杯予選として最後に試合をした)昨年2019年11月から一度も集まってはいないが、現在でも選手間の理解が維持されていることを期待している。Mリーグが再開すれば、新戦力の発掘を行うつもりだが、現時点ではお互いを理解できているチーム編成を大幅に変更するつもりはない。」と話しています。
 なお、アジアサッカー連盟AFCは、マレーシア代表のW杯予選日程として10月8日にアラブ首長国戦(ドバイ)、10月13日にベトナム戦(ブキジャリル国立競技場)を予定しています。
 さらにタン監督は「Mリーグが9月に再開すれば、少なくとも選手は目標を持って練習を行うことができるが、万が一、Mリーグが中止となれば練習不足による選手の体調だけでなく精神状態も影響を受ける可能性がある。」と話しています。

ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、FIFAによって命じられている未払い給料の支払い命令について、スポーツ仲裁裁判所CASに仲裁を求めたと、ブルナマが報じています。
 かつて在籍したカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払いを5月23日を期限としてFIFAに命じられているケランタンFAは、支払い期限の延期を求めてスポーツ仲裁裁判所に仲裁の申請を行ったことを、KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド行動委員会会長が明らかにしています。
 KAFAは、FIFAによる未払い給料支払いの裁定に対して控訴中であり、FIFAの裁定が確定するまでの間は、支払を猶予するようCASに仲裁を求めているということですが、CASからの返事はまだ届いていないということです。
 また、KAFAがサポーターに募っている寄付は5月17日の時点で1万2400リンギが集まっているということで、今後もっと多くのサポーターが寄付してくれることを望んでいるとムザッキル委員長は話しています。