6月16日のニュース:Mリーグクラブの先陣を切ってヌグリ・スンビランFAが練習再開へ、来月予定の代表候補合宿にMリーグクラブは難色を示す、FAMは大人向け「サッカーへ戻ろう」指針も発表

Mリーグクラブの先陣を切ってヌグリ・スンビランFAが練習再開へ
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、中武駿介選手が所属するMリーグ2部のヌグリ・スンビランFAは選手の新型コロナウィルス検査結果の提出など標準作業手順SOPに基づく準備を終えたとして、Mリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLに練習許可の申請を行ったということです。
 この結果、ヌグリ・スンビランFAは新型コロナウィルス感染拡大による3月18日のリーグ中断後、初めてチーム練習が許可されるクラブとなりそうだと言うことです。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、ヌグリ・スンビランFAがMFLが各クラブに求めている練習再開の条件を全て満たしているとして、本日6月16日より練習の再開を許可したと話しています。
 「本日6月15日までにMFLが受け取った練習再開申請はヌグリ・スンビランFAを運営するヌグリ・スンビラン州サッカー協会NSFAからだけであり、NSFAの申請はMFLが求めるチームドクターによって承認された綿棒検査の結果や、練習中にSOPが守られているかどうかを監視する担当者の任命などMFLが求める条件を満たしていることから、練習再開の許可を承認した。」とアブドル・ガニCEOは話しています。

来月予定の代表候補合宿にMリーグクラブは難色を示す
 10月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、マレーシアサッカー協会FAMは来月7月に短期ながら代表候補合宿をことを検討していますが、英字紙ニューストレイトタイムズは9月に国内リーグMリーグ再開を控える各クラブがこの案に難色を示していると言うことです。
 マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会が、身体接触が起こらないよう練習環境のもとでサッカーの練習実施許可を出したことから、上の記事でも取り上げた通り、Mリーグの各クラブが練習再開に向けて準備を行なっています。
 代表チームのタン・チェンホー監督は、短期合宿については現在も議論が続いているとした上で、来月7月はMリーグのクラブはリーグ再開へ向け、選手全員がクラブの練習へ参加することを望むだろうと言うことも理解していると話しています。

FAMは大人向け「サッカーへ戻ろう」指針も発表
 マレーシアサッカー協会FAMは国内のアカデミー向けに練習再開のために「サッカーへ戻ろう」と題した指針を発表しましたが、地域リーグやヨカとしてのサッカーを楽しむ大人へ向けても同様の「サッカーへ戻ろう」と言う名称の指針を発表しています。
 マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会による標準作業手順SOPに沿う形で発表されたこの指針はFAMの公式サイトで発表され、屋内、屋外を問わず身体接触が起こらない環境を整えた上での練習が可能であること、その一方で試合やセレクションなどはまだ行いないこと、また練習中の飲み物の共有禁止など具体的で、サッカーをプレーする一人ひとりの安全を考慮に入れた、下部リーグから草サッカー まであらゆるサッカー活動を対象としたものであることも明記されています。
 詳しい内容は こちらでご確認ください。

6月12日のニュース:MリーグのSOP作成にラ・リーガが支援を申し出る、ケランタン州協会にFIFAから新たな未払い給料支払命令が届く、クダFAの主力選手が契約解除を申し出る

MリーグのSOP作成にラ・リーガが支援を申し出る
 マレーシアの通信社ブルナマは、9月の再開が予定されているMリーグの標準業務手順SOP作成にスペインのラ・リーガが支援を申し出ていると報じています。
 国内リーグのMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLは、実現可能なSOPを作成し、これをマレーシア政府保健省と国家安全保障委員会が了承することがリーグ再開のための条件となっています。このSOP作成について、ラ・リーガの国際事業開発担当のジョルジオ・ポムピリ・ロッシ氏は6月12日に再開するラ・リーガのSOPをもとに、マレーシアの環境に適したSOP作成の支援を行いたいと話しています。
 「Mリーグとのビジネスパートナーとして、是非とも(SOP作成に)協力したい。ラ・リーガによる規制はスペイン国内の環境を考慮したものだが、その内容はMFLがSOPを作成する際の参考になるはずである。」と話すロッシ氏によると、ラ・リーガの安全対策としては、試合は無観客で実施、ベンチ内の選手間の安全な距離の確保、試合後の記者会見はオンラインで実施などがあるということです。
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 Mリーグとラ・リーガは、クラブ経営が健全に行われることを監視する経済コントロールプログラムなどで協力関係にあり、その関連でこのような話が上がっていると考えられます。人口が5000万弱のスペインでは2万7000人が新型コロナウィルスで亡くなっており、人口3200万弱で亡くなった方の数は120人にも満たないマレーシアが参考にすることが果たしてあるかどうはここでは重要ではないようです。

ケランタン州協会にFIFAから新たな未払い給料支払命令が届く
 かつて在籍した外国籍選手への未払い給料問題を抱えるケランタン州サッカー協会KAFAに国際サッカー連盟FIFAより新たな未払い給料の支払命令が届いていると、マレー語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 2018年から2019年途中まで在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスに62万9820リンギ(およそ1570万円)、2018年に在籍したやはりブラジル出身のブルーノ・ロペスに14万1100リンギ(およそ352万円)の未払い給料があることはこのブログでも取り上げましたが、今回、FIFAから届いた支払命令は2018年に在籍したチュニジア出身のアレディン・ボスリミに対する15万7380リンギ(およそ393万円)です。
 FIFAからの命令を受け取ったことを明かしたKAFAのアーマド・ムザッキル行動委員会委員長は、外国籍コーチも含め合計で8件の支払命令が届く予定であることも明かした上で、KAFAは総額が500万リンギ(およそ1億2500万円)を超えるとされる未払い給料について、選手との再交渉などを行いながら、解決していきたいと話しています。
 またムザッキル委員長は、未払い給料解決のために支援を求めてサポーターに募っている寄付が、これまでにおよそ2万5000リンギに達していることも明かしています。

クダFAの主力選手が契約解除を申し出る
 未払い給料問題を抱えるクダFAでは、主力選手の一人が契約解除を求める手紙をクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAに贈り、それが受理されたとブリタハリアン電子版が報じています。なおその選手は現在、KFAからの返事を待っている状態だということです。
 記事の中では名前は明かされていないものの、5月29日付で契約解除を申し出たというこの選手はクダFAの主力選手で、2016年のクダFAのマレーシアカップ優勝に貢献した選手でもあるということです。
 ブリタハリアンとのインタビューの中でこの選手は、代理人を通じて契約解除を申し出たことを認め上で「個人的な事情で契約解除を申し出ており、今後は家族とより多くの時間を過ごしたい。また自分の契約が解除になれば、KFAの負担も減り、少しは役に立てると思っている。」とも話しています。
 なお、KFAはこの選手の契約解除については何も発表していないということです。
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 2016年のマレーシアカップ優勝に貢献とわざわざ書かれていることから、昨季のFAカップ優勝時には在籍していなかった選手の可能性があり、そうなると今季2020年シーズンにクアラルンプールFAから2年ぶりに復帰したDFアズミール・ユソフ辺りが当てはまりそうです。

6月10日のニュース:M3リーグ中止に安堵するクラブも、給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に、サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める

M3リーグ中止に安堵するクラブも
 一昨日発表されたMリーグ3部M3リーグの今季2020年シーズン中止について、関係者の安全に考慮した結果として受け入れるクラブがある一方で、慢性的な運営資金不足にクラブにとってはむしろ朗報だったとする記事を、マレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトが掲載しています。
 取り上げられているのはM3リーグのクラシコFCで、チームマネージャーのカイリル・アヌアル氏の話として、各クラブはリーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLによる今季の中止決定を正しい判断であると指示していると話す一方で、もしM3リーグ最下位となっていたら、クラシコFCはリーグ参加を辞退していた可能性があると話しています。
 「今季に向けて準備をしてきた他のクラブには申し訳ないが、リーグ中止の知らせには正直、安堵している。クラシコFCのスポンサーや広告主も新型コロナウィルスによる様々な影響を受けており、約束されていた広告収入の支払いが滞っていたり、スポンサーを辞退するケースも起きたりしている。我々のような状況にいる他のクラブにとっても、むしろ来季のスポンサー獲得により多くの時間をかけられるので、このリーグ中止を好意的に捉えているだろう。」と話しています。
 またクラシコFCは社会人選手が大半のため、月給制度ではなく、試合給を支払う形を取っていると言うことで、選手への給料支払いに関しては大きな影響は出ていないと話しています。
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 MFLはAFLの上部組織であることから、このような記事を掲載したのだと思いますが、AFLによる今後の予定の発表がないまま、リーグ中止の正当性をリーグ権傾斜ではなく、M3リーグのクラブ関係者に語らせるだけの記事には、個人的には無責任な空気を感じます。今年はM3リーグ改革年、2021年にはセミプロ化という大風呂敷を広げて始まった今季でしたが、改革は来年に持ち越されるのか、それとも頓挫してしまうのか、このブログでも見守っていきたいと思います。

給料未払い問題を抱えるクダ州FAはトップ3のポストが空席に
 今年2月からの給料未払い問題が明らかになったMリーグ1部のクダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAは、会長、副会長、事務長のトップ3のポストが空席になっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 昨日開かれたKFAの理事会後にプレスリリースを発表したアブドル・ラーマン・アブドラ会長代理によれば、ムクリズ・マハティール会長、アナス・ハフィズ・ムスタファ副会長、アミルル・アヌアル・アリス名誉事務長から提出されていた辞職願が理事会で受理されたということです。
 空席となった3つのポストについては、候補者の人選を進め、KFAに加盟する各組織に推薦者の有無などを問う連絡がされ、その後は臨時総会を開催して、空席となったポストを早急に埋めたいとしています。
 またアブドル・ラーマン会長代理は、選手やスタッフへの未払い給料問題についても、KFAの理事会が現在の経営状況に沿った解決方法を模索していくと話しています。
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 前州首相のムクリズ・マハティール氏が州政府内の与野党逆転により権力を失った結果、州首相を辞任、兼任していた州FA会長職も辞任という構図ですが、これまで伝統的に州首相が兼任してきたKFA会長職には、現州首相が就任しておらず、その結果として未払い給料問題も進展していないようです。選手の苦境を引き伸ばすことで、前政権のイメージを悪くするといった政治的な魂胆も見え隠れするだけに、それに巻き込まれた形の選手たちが最大の被害者ながら、さらに災難に巻き込まれた格好になっています。

サバFAは東マレーシアのクラブにも公平な日程を求める
 サバ州サッカー協会SAFAのピーター・アンソニー会長は、9月に再開が予定されているMリーグの日程について、日程を作成するマレーシアフットボールリーグMFLに対して、東マレーシアのクラブにとって負担にならない公平な日程作成を求めていると、英字紙スターが報じています。
 マレー半島から南シナ海を隔てて位置する東マレーシア(ボルネオ島)に本拠地を持つサバFA、サラワク・ユナイテッド、クチン FAは、半島部のクラブとの試合では飛行機による移動を強いられます。新型コロナウィルスの感染者数が減少しているとは言え、いわゆる「三密」状態となりやすい飛行機での移動、半島内を移動するクラブに比べると高額になる移動費用の負担など、東マレーシアのクラブが不利にならないような日程作成を求めたいとしています。
 2012年シーズン以来のMリーグ1部スーパーリーグ復帰となったサバFAは、リーグが中断した第4節終了時点で1勝2分1敗でリーグ4位につけています。

6月5日のニュース:犬を抱いたスマレの姿にサポーターが騒つく、ケランタン州協会はカッシオに未払い給料のディスカウントを求める、マットヨーは名誉毀損でマレーシアの英字紙を相手取って訴訟を起こす

犬を抱いたスマレの姿にサポーターがネット上で騒つく
 MリーグのパハンFAでプレーするモハマドゥ・スマレは、ガンビア出身ながら、マレーシアで初めてFIFAの規定による帰化選手となり、現在は代表チームの主力選手として活躍しています。
 このスマレ選手は、自身のインスタグラムでインスタグラムライブを行い、ファンの質問に答えることがあるのですが、、先日、自身のインスタグラムライブで犬を抱いている映像をアップしたことから、ネット上が騒ついているとマレー語紙ハリアンメトロ電子版が報じています。
 一般にイスラム教徒は犬を忌み嫌うのですが、イスラム教徒であるスマレ選手が犬を抱いている映像をアップしたことで、その行いを自身の宗教に反しているのではと問うコメントが直ちにあったということです。なお、ブリタハリアンによれば、スマレ選手は即座に反論することはなかったということです。
 そしてその後、改めて「犬を抱くことによって自分の信仰心が変わるものではなく、犬も神が創り出したものであり、愛情を注ぐことは間違っていない。」というコメントを返したスマレ選手は、その犬は自分が飼っているものではなく、訪ねてきた知人が連れてきたものであることも併せて説明したということです。
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 イスラム教徒と犬は確かに相容れないもののようで、国民の7割近くがイスラム教徒であるマレーシアでは、野良犬狩りはあっても、野良猫狩りの話は聞いたことがなく、野良猫は本当にあちらこちらで見かけます。
 ところでイスラム教では、犬をかうことが全面的に禁じられているわけではなく、家畜を追い込む牧羊犬や狩り、あるいは農耕のために飼う犬は問題がないとされていますが、その一方で愛玩用、つまりペットとして犬を飼うことについては多くの意住む京都が否定的な考えを持っています。

ケランタン州協会はカッシオに未払い給料のディスカウントを求める
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するクランタン州サッカー協会KAFAは、FIFAよりその未払い給料を支払うことを命じられているカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手に未払いとなっている給料の支払額の減額を求める予定があると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 KAFAの行動委員会のアーマド・ムザッキル・ハミド委員長は、カッシオ選手への支払いが命じられている62万9620リンギ(およそ1600万円)の未払い給料について、減額を依頼するのも未払い給料解決の方法の一つと考えていると話しています。
 これまでに分割払いと支払い期限の延長といった方法が検討されていると話すムザッキル委員長は、これらの提案に加えて、支払額の減額も検討していくとしています。
 しかしカッシオ選手の弁護士を務めるザフリ・アミヌラシド氏は、カッシオ選手の権利をひじするため、KAFAとの再交渉は2社で直接行わず、スポーツ仲介裁判所CASの調停という形で行いたいとしています。
 また同じ記事の中でムザッキル委員長は、現在もKAFAがサポーターから募っている寄付は、カッシオ選手への未払い給料問題を解決するだけではなく、他の未払い問題の解決にも使うことを表明しています。これは先週、別の外国籍選手であるブルーノ・ロペスへの未払い給料14万1100リンギ(およそ360万円)の解決をFIFAに迫られただでなく、総額で200万リンギ(およそ5100万円)とされる未払い給料があるとされるケランタンFAのマレーシア人選手への支払いも視野に入れた発言だと考え

マットヨーは名誉毀損でマレーシアの英字紙を相手取って訴訟を起こす
 マレーシアの通信社ブルナマのマレーシア語電子版によると、タイのBGパトゥム・ユナイテッドでプレーするマットヨーこと、ノーシャルル・イドラン・タラハが、マレーシアの英字紙ニューストレイトタイムズとその編集者2名を相手取った訴訟をおこなしたことが報じられています。
 このブログでも取り上げましたが、昨季在籍したMリーグのパハンFAからBGパトゥム・ユナイテッドに移籍した際に、このノーシャルル選手がタイ国内の代理人業者のプロ24社とマレーシアやシンガポールを基盤に代理人業務を行うアブドル・ハリム・アブドル・シュコル氏の両者と契約したいわゆる二股契約であり、プロ24社がタイサッカー協会FATに報告し、これによりノーシャルル選手はFATにより出国を止められているとニューストレイトタイムズが報じました。
 これについてノーシャルル選手は、昨年2019年11月30日にパハンFAを退団後、プロ24社と契約し、移籍先を探し始め、その後、プロ24社によりタイ1部リーグのスコータイFCよりオファーを受けたものの、望んでいた給料とは開きがあったことから契約に至らなかったと、裁判所に提出した書類で明らかにしています。さらにその後、アブドル・ハリム氏によってBGパトゥム・ユナイテッドとの契約に至ったものの、新型コロナウィルス感染拡大により、タイリーグの各クラブが選手と給与削減交渉を始めた際にアブドル・ハリム氏が姿を消し、その理由が二股契約であったこともニューストレイトタイムズは報じました。
 これについてノーシャルル選手は、プロ24社によるFATへの訴えも、FATによる出国禁止措置もなかったこと、BGパトゥム・ユナイテッドとの契約時にはプロ24社とはすでに契約関係になかったことを挙げ、ニューストレイトタイムズの記事が事実に基づかない名誉毀損にあたるとして訴訟を起こしたとしています。
 なお裁判は7月22日予定されているということです。

 

5月28日のニュース:クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束、カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり、国内フットサルリーグも9月再開の予定

クダ州新首相はクダ州FAの支援を約束
 Mリーグ1部のクダFAの選手およびスタッフには2月以降は給料が支払われておらず、その原因の一つが政変によるクダ州政府内の混乱が挙げられていますが、就任したばかり尾クダ州のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー新州首相は、クダFAを運営するクダ州サッカー協会KFAを支援を行うことを表明しています。
 マレーシアの通信社ブルナマによれば、KFAは政府機関ではないものの、クダ州民によって高く評価されているクダ州のサッカーのために、クダ州政府は未払い問題問題解消のためにKFAへの金銭的な支援を行うとしています。
 クダ州政府庁舎で記者会見したサヌシ州首相は、マレーシアサッカー協会FAMにアドバイスを求め、それに従った方法でKFAの立て直しを行いたいと話しています。また5月19日に前州政権がKFAに配分することを承認したとされている150万リンギ(およそ3720万円)についてサヌシ州首相は「前政権が政権交代直前に承認を行ったと聞いているが、その分配については前政権下で審議されたもので、150万リンギは金額も大きいため、現政権のもとで再度審議を行う必要があると考えている。前政権の承認が妥当かどうかを検討したい。またその一方で別の形での未払い給料問題解決も模索したい」と話しています。
 またサヌシ州首相は、ムクリズ・マハティール前州首相に対して、「ムクリズ氏は州首相を辞任したが、兼任していたKFA会長職の辞任はKFAの総会中に行われるべきである。KFA会長辞任によって起こっているKFA内の問題の解決を求めたい。」とも話しています。

カッシオはケランタン州FAとの再交渉に応じる用意あり
 マレー語紙ブリタハリアンによれば、ケランタン州サッカー協会KAFAとカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザスとの間で、未払い給料問題解決に向けての再交渉がおこ縄える可能性があるようです。
 先日のこのブログでも取り上げましたが、FIFAによるカッシオ選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)の支払い命令に関する仲裁をKAFAがスポーツ仲裁裁判所CASへ申し立てた結果、その申し立てが受理されました。そして、その申し立て内容の精査に2週間かかることから、FIFAによる支払命令執行にも2週間の猶予が与えられています。
 その一方で、この再交渉についてカッシオ選手の弁護士であるザフリ・アミヌラシド氏は、カッシオ選手の権利が保障され、再交渉終了後に再び問題が発生しないよう、KAFAとカッシオ選手間の単なる再交渉ではなく、CASの仲介による「調停」とすべきであると主張しています。「両者が再交渉を行い、同意した結果、調停役のCASは文書で示されたその同意内容を承認するという形にすることを望んでいる。」と話すザフリ氏は、そうすることによってKAFAはCASが承認した調停内容に従う義務が発生し、選手の利益が損なわれる危険性がなくなるとしています。

国内フットサルリーグも9月再開の予定
 国内リーグMリーグは9月再開を目指して、マレーシア政府保健省と国家安全保障委員会の承認を待っているところですが、やはり中断中の国内フットサルリーグについても同様に9月1日からの再開を目指すことをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。
 マレー語紙ハリアンメトロによると、12チームが参加する国内のフットサルリーグ、マレーシアプレミアフットサルリーグMPFLは、試合数の変更などは行わず22試合を予定通り行う予定ということです。なお、MPFLは3月15日の第1節終了後にリーグが中断しており、各チームとも21試合が残っています。
 なおMリーグは日程を改編し、Mリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームの1回戦総当たり形式となることが決まっており、既に第4節まで終えている両リーグは9月中に全日程を無観客試合で行う予定が発表になっています。

5月22日のニュース:代表はぶっつけ本番でW杯予選へ、ケランタンFAの運営会社社長が辞任、ケランタンUは昨季のM3リーグ優勝賞金をチーム内で分配

代表はぶっつけ本番でW杯予選へ
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選が中断中のマレーシア代表は、
予定されている10月の予選再開前に練習試合を行わなわず、ぶっつけ本番で予選に臨む可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、タン・チェンホー代表監督は練習試合を予定していることを承知した上で、マレーシア政府を始め各国政府による新型コロナウィルス対策に移動制限なども含まれていることから、練習試合を行うことは難しいと述べています。
 「予選再開前の練習試合については何試合かを予定しているものの、新型コロナウィルス感染が鎮静化していないため、確定している試合はまだ一つもない。多くの国が出入国を制限しており、練習試合を組むことが難しいのが現状である。」と話すラマリンガム事務局長は、状況が改善することがあれば、練習試合を組むことも再検討したいと話しています。
 アジアサッカー連盟AFCが発表している暫定のW杯予選日程では、マレーシア代表は10月8日にアラブ首長国連邦とドバイで対戦したのち、10月13日にはベトナムをホームのブキットジャリルに迎え、二次予選の最終戦は10月17日のバンコクでのタイと対戦することになっています。

ケランタンFAの運営会社社長が辞任
 Mリーグ2部に所属するケランタンFAの運営会社社長が辞任したことを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ケランタン州サッカー協会KAFAと合弁で作られたチームレッドウォリアー社(TRW社)のワン・ラケミ・ワン・ザハリ社長は、ケランタンFAの運営会社であるTRW社を昨日5月21日に辞職しています。
 記者会見の席上でワン・ラケミ前社長は「新型コロナウィルス感染拡大の影響を精査した結果をもとに決断されたもので、突発的に決定されたものではない」と話し、今回の辞任に伴い、TRW社の最大株主でもある(自身が経営する)アフターイメージ社がケランタンFAの公式パートナーから撤退することも明かしています。
 「KAFAとTRW社は入場料収入、グッズ販売、スポンサー料及び広告料を収入源としているが、Mリーグが中断していることで、クラブの経費が底をついている。さらに昨季までの選手やスタッフに対する未払い給料問題が解決されておらず、アフターイメージ社はこれ以上、現在の厳しい経営状況に対処できない」と話すワン・ラケミ前社長は、同時にKAFA役員およびケランタンFAのチームマネージャーの職も辞するとしています。
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 ケランタン州サッカー協会KAFAは、苦しい財政の支援を州内の著名人や資産家に求めたにも関わらず、その反応が無かったことも公表しています。FIFAによって命じられたカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手への未払い給料およそ63万リンギ(およそ1560万円)の支払い期限は明日5月23日に迫る一方、サポーターに求めた寄付はおよそ1万3000リンギ(およそ32万円)ほどしか集まっておらず、来季のクラブライセンス剥奪が現実味を帯びてきました。

ケランタンUは昨季のM3リーグ優勝賞金をチーム内で分配
 ケランタンFAと同じくケランタン州に本拠を構えるケランタン・ユナイテッドFC(KUFC)は昨季はMリーグ3部のM3リーグで優勝し、今季の2部プレミアリーグへの昇格を果たしていますが、このケランタン・ユナイテッドKUFCが昨季のM3リーグの優勝賞金を受け取ったことを、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 KUFCのワン・モハマド・ズル・イクマン事務局長は、M3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLに感謝するとともに、優勝賞金の3万リンギ(およそ74万円)を、既に移籍、退団した選手も含めた昨季の在籍全選手とスタッフとに等しく分配することを明かし、この賞金が今季のMリーグ2部プレミアリーグでの好調を維持する動機付けになることを期待しているとしています。
 今季、2部昇格を果たしたKUFCは、Mリーグ中断前の第4節を終了して勝点9とし、リーグ1位のトレンガヌFC IIとは勝点3差のリーグ2位につけています。

5月19日のニュース:クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる、代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持、ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請

クダ州協会の次期会長候補にクダ州皇太子の名が上がる
 給料未払い問題が連日報道されているクダ州サッカー協会の次期会長の候補にクダ州皇太子が浮上していると、マレー語紙ハリアンメトロ電子版が伝えています。
 州政府内で起こっている政権交代により、マハティール・モハマド前首相の息子のムクリズ・マハティール氏が州首相を辞任し、同時に兼任していたクダ州サッカー協会KFAの会長も辞任しました。
 空席となったKFA会長には、慣例通り新州首相のムハマド・サヌシ・モハマド・ノー氏の就任が有力ですが、一部にはクダ州王室のトゥンク・サラフディン・バドリシャー・スルタン・サレフディン皇太子殿下が就任するのではという噂もあります。
 KFAのアブドル・ラーマン・アブドラ副会長は、新会長選出はKFAの規則に則って行われることを強調しています。「KFAの会則では、KFAの会長職は自動的に州首相が指名されるものではない。資格がある個人は誰でも次期KFA会長の候補者となることができ、KFAの36加盟団体による選挙を経て、会長としての指名を受ける手順になっている。しかしその一方で、KFAの加盟団体はクダ州首相を候補として推薦する予定である。」と話しています。
 KFAに変革がもたらされることを期待するサポーターは、クダ州皇太子が会長となってリーダーシップを発揮することを歓迎していると、ハリアンメトロの記事は結んでいます。
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 皇太子と言えば、JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル殿下が有名ですが、スランゴール州サッカー協会FASの会長もスランゴール州皇太子のトゥンク・アミル・シャー殿下が勤めています。FAS内での権力闘争(報道によれば)で、FASが運営するスランゴールFAは国内で最大のクラブだったかつての栄光が霞むような状況でしたが、トゥンク・アミル・シャー殿下が2018年7月に就任した以降は、状況が改善しているとされています。

代表監督はW杯予選再開後もこれまでと同様のメンバーを維持
 10月に再開が予定されているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に臨むマレーシア代表は、これまでとほぼ同じチーム編成で戦うだろうと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 代表のタン・チェンホー監督は「代表選手は(W杯予選として最後に試合をした)昨年2019年11月から一度も集まってはいないが、現在でも選手間の理解が維持されていることを期待している。Mリーグが再開すれば、新戦力の発掘を行うつもりだが、現時点ではお互いを理解できているチーム編成を大幅に変更するつもりはない。」と話しています。
 なお、アジアサッカー連盟AFCは、マレーシア代表のW杯予選日程として10月8日にアラブ首長国戦(ドバイ)、10月13日にベトナム戦(ブキジャリル国立競技場)を予定しています。
 さらにタン監督は「Mリーグが9月に再開すれば、少なくとも選手は目標を持って練習を行うことができるが、万が一、Mリーグが中止となれば練習不足による選手の体調だけでなく精神状態も影響を受ける可能性がある。」と話しています。

ケランタン州協会はFIFAによる支払命令の仲裁をスポーツ仲裁裁判所へ申請
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、FIFAによって命じられている未払い給料の支払い命令について、スポーツ仲裁裁判所CASに仲裁を求めたと、ブルナマが報じています。
 かつて在籍したカッシオ・フランシスコ・デ・ジーザス選手への未払い給料62万9620リンギ(およそ1550万円)の支払いを5月23日を期限としてFIFAに命じられているケランタンFAは、支払い期限の延期を求めてスポーツ仲裁裁判所に仲裁の申請を行ったことを、KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド行動委員会会長が明らかにしています。
 KAFAは、FIFAによる未払い給料支払いの裁定に対して控訴中であり、FIFAの裁定が確定するまでの間は、支払を猶予するようCASに仲裁を求めているということですが、CASからの返事はまだ届いていないということです。
 また、KAFAがサポーターに募っている寄付は5月17日の時点で1万2400リンギが集まっているということで、今後もっと多くのサポーターが寄付してくれることを望んでいるとムザッキル委員長は話しています。

5月17日のニュース:ケランタン州協会の実際の未払い給料は4900万円超、代表監督は無観客試合でも試合観戦が可能に、マラッカ・ユナイテッドは3月と4月の給料が遅配

ケランタン州協会の実際の未払い給料は4900万円超
 Mリーグ2部のケランタンFAを運営するケランタン州サッカー協会KAFAは、退団した選手の未払い給料を今月末までに支払うことを国際サッカー連盟FIFAに命じられていますが、KAFAにはこの他にも200万リンギ(およそ4920万円)を超える選手やスタッフへの給料が未払いになっていると、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 かつてケランタンFAに在籍したカッシオ・フランシス・デ・ジーサスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ 1550万円)の支払い期限が迫る中、KAFAのフシン・デラマン事務局長はこの200万リンギを超える未払い給料は2017年シーズンから2019年シーズンの外国籍選手を含めた選手とスタッフのものであることを明らかにしています。
 「外国籍選手の未払い給料については、該当選手がFIFAへ訴え出て審査中のものが5、6件あるが、カシオ選手のような巨額のものはなく、総額は他の選手やスタッフの分を加えても200万リンギ程度である。」とフシン事務局長は話しています。
 これまでKAFAはFIFAが未払い給料として調査中のものが総額400万リンギを超えると冴えており、その中には今回のカッシオ選手の分も含まれていました。
 フシン事務局長は新型コロナウィルスの影響により、入場料収入が途絶え、スポンサーや広告主がスポンサー料や広告費の支払いも滞っており、未払い給料問題を解消するための予定が狂ってしまったとしており、未払い給料問題の解消は来年以降にずれ込む立とうと話しています。

代表監督は無観客試合でも試合観戦が可能に
 現在中断中の国内リーグMリーグは9月に再開となった場合でも無観客試合で実施されることが予想されていますが、その際にマレーシア代表のタン・チェンホー監督はスタジアムでの観戦が許可されるだろうと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。
 本日5月16日から再開されるドイツリーグは無観客試合が行われていますが、ヨアヒム・レーヴ独代表監督すらスタジアム内への入場が許可されていないようですが、マレーシアサッカー協会FAMはタン監督のスタジアム入場を認める他、一部コーチ陣も入場可能ということです。リーグ再開の翌月には中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選も再開されることから、選手の隊長確認や新戦力のスカウティングなどの目的で許可されているようです。
 この他にスタジアムへの入場が許可されるのは試合をする両チーム、審判、そして試合に直接関わる関係者のみということです。
 Mリーグが予定通りに再開されれば、代表候補選手はリーグ最終戦終了後の9月28日に合宿に招集され、そこから10月に予定されているW杯予選に臨むことになりそうです。

マラッカ・ユナイテッドは3月と4月の給料が遅配
 今季開幕以来、給料未払い問題により既に勝点3の剥奪(剥奪)処分を受けているマラッカ・ユナイテッドの選手およびスタッフは3月と4月の給料も未だ支払われていないと、英字紙スター電子版が報じています。
 マレーシア国民の7割近くを占めるイスラム教徒にとって1年間で最も大切な祝日の一つである断食月明けの祝日ハリラヤまであと1週間となり、選手の不満も高まっているようで、ラズマン・ロスマン主将は「未払い給料問題は新型コロナウィルス感染拡大前から存在しており、クラブの経営陣には直ちに支払うことを求める。」
 マラッカ・ユナイテッドを運営するマラッカ州サッカー協会MUSAは、マレーシアサッカー協会FAMのクラブライセンス発給審査を担当する第一審機関により、現在発令中の活動制限令MCO解除までに未払い給料を支払うという猶予期間を与えられていますが、MUSAはマレーシア国内の政変による州政府内の混乱なども理由に上げています。しかし、理由の如何に関わらず、この状況が続けば、マラッカ・ユナイテッドはさらに勝点を剥奪される可能性もあります。
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 マラッカ州も昨日取り上げたクダ州同様、国政での与党再編により州政府で政権交代が起きた州で、政権交代により新たに州首相となったスライマン・モハマド・アリ氏が慣例通り、3月19日にマラッカ州サッカー協会会長に就任しています。マラッカ州サッカー協会は、マラッカ州政府を最大スポンサーとしており、マラッカ州政府内の権力の構図が変われば、直接、影響を受ける立場にあります。州政府に依存する州協会という政治とサッカーがつながる図式による負の面の影響を受けているのがマラッカ・ユナイテッドの選手たちということです。。

5月13日のニュース:代表監督はW杯予選再開時の選手の体調を憂慮、FAMはW杯予選代表選手候補合宿の早期招集を検討、ケランタンFAは来季のMリーグでプレーできない可能性も

代表監督はW杯予選再開時の選手の体調を憂慮
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、マレーシア代表のタン・チェンホー監督は現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選が再開した際に、試合に臨む選手の体調が不十分ではないかと憂慮していると報じています。
 W杯予選は10月再開の予定で、マレーシアサッカー協会FAMと国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールMFLは、8月からのチーム練習開始および9月1日からのリーグ再開許可をマレーシア政府に求めていますが、タン監督はチーム練習再開からW杯予選までの期間が短すぎるとして、選手の体調が心配だと話しています。
 「実戦から数ヶ月間遠ざかっている選手が1ヶ月の練習だけで試合に臨めば、ケガを追うリスクが大いにある。選手層がさほど厚いわけではない代表チームにとっては、どの選手をケガで欠いても戦力ダウンは否めず、予選グループ2位という好機を生かせない可能性がある。」「各自で練習しているとはいえ、屋内の狭いスペースでの練習では明らかに不十分な上、精神的にも試合に臨める状況になっているかどうかが不安である。」そして「(W杯予選で同組の)タイのクラブはすでに練習を開始しており、(やはり同組の)ベトナムは6月からリーグが再開する。これらの国の選手は、予選が再開すれば優位な立場に立つことになる。」とタン監督は話しています。

FAMはW杯予選代表選手候補合宿の早期招集を検討
 スポーツ専門サイトのアストロアリーナは、マレーシアサッカー協会FAMが9月初旬に代表候補合宿の招集を行う計画があると報じています。
 また3月21日に予定されながら、新型コロナウィルスの影響で中止となったバーレーンとのアウェイでの練習試合も、W杯予選の次戦となるアラブ首長国連邦UAE戦前の10月8日に実施される可能性もあることも合わせて報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は、W杯予選に出場する代表選手の体調を整えるために9月の招集も一つの選択肢と考えていると話しています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長も、チーム内の連携強化のために予選前に複数回の代表候補合宿を行う可能性に加え、FAMが国内リーグMリーグを運営するマレーシアフットボールリーグMFLとの間でリーグの試合日程が代表の招集日程と重ならないよう調整することで同意していることも明らかにしています。

ケランタンFAは来季のMリーグでプレーできない可能性も
 FIFAから、かつてケランタンFA在籍した外国籍選手への未払い給料を今月末までに支払うよう求められているケランタン州サッカー協会KAFAの話題は、このブログでも連日取り上げていますが、今度はマレーシアサッカー協会FAMが来季2021年シーズンのクラブライセンスを発給しない可能性に言及しています。
 KAFAが2018年シーズンから2019年シーズン途中まで在籍したブラジル出身のカッシオ・フランシスコ・デ・ジーサスへの未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)を今月末までに支払うことができなければ、FAMのクラブライセンス交付に関する審査を行う第一審機関FIBによる審査により、来季のMリーグに出場するために必要なクラブライセンス審が発給されない可能性があると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が述べていると、マレー語子ハリアンメトロ電子版が報じています。
 FIBは来季開幕前に、Mリーグの全てのクラブの今季2020年シーズンの給与支払い状況を精査し、その結果をもとに来季のMリーグ出場のためのクラブライセンスを発給するとしています。
 カシオ選手は2019年末までの契約をKAFAと結んでいましたが、契約満了前に契約解除となりましたが、この契約解除に同意していなかったカシオ選手がFIFAに不服申し立てを行った結果、FIFAは未払い給料の支払いをKAFAに命じています。

5月12日のニュース:ペラFAは今後の給料削減を検討、ケランタン州FAへの寄付は2日間でおよそ10万4000円、「今でも代表でプレーする準備はできている」-サフィー・サリ

ペラFAは今後の給料削減を検討
 新型コロナウィルスの影響で中断中のMリーグでは多くのクラブが給料削減を行っています。そんな中、ペラTBGを運営するペラ州サッカー協会PAFAは、これまで給料削減を行っていなかったものの、今後は給料削減について選手やスタッフと交渉を始める可能性があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 PAFAのモハマド・アズリン・ナズリ名誉事務局長は、ペラTBGの選手は契約通りの給料を支払われていると話す一方で、選手やスタッフにはまだ伝えていないとしながら、今後は給料削減交渉を行う準備を進めていると話しています。
 「クラブと選手およびスタッフの双方にとって納得がいくような交渉を行い、わずかでもPAFAの経済的負担が軽減されるようにしたい」とモハマド・アズリン名誉事務局長は話しています。
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 リーグが中断して間もなく2ヶ月になり、これまでこのブログでも多くのクラブが給料削減を行ったことを取り上げてきましたが、未だに給料削減を行っていないクラブがあったとは正直驚きです。給料削減だけでなく、給料未払い問題を複数のクラブが抱える中、開幕から負けなしの2勝2分、ジョホール・ダルル・タジムJDTに次ぐ2位でリーグ中断期間に入ったペラTBGは運営するPAFAの財務状況が安定していることがその好成績につながっているのかも知れません。

ケランタン州FAへの寄付は2日間でおよそ10万4000円
 ケランタン州サッカー協会KAFAは、かつて在籍した外国籍選手の未払い給料62万9620リンギ(およそ1560万円)を今月末までに支払わうことを国際サッカー連盟FIFAに命じられています。もし支払えなければ、KAFAが運営するMリーグ2部のケランタンFAがリーグ戦の勝点剥奪(はくだつ)などの処分を受ける可能性がありますが、この他にも100万リンギ(およそ2480万円)近い従業員積立基金の雇用主負担分の未払いなどもあるとされ、KAFAの台所は火の車であることから、サポーターに寄付を募る告知を行ったことは先日のブログでも取り上げました。
 そしてこの告知から2日間で4197リンギ(およそ10万4000円)が集まったと、マレー語紙ブリタハリアンが報じています。
 KAFAのアーマド・ムザッキル・ハミド実行委員長によると、およそ2000名のサポーターが一人当たり1リンギ(およそ25円)から10リンギ(およそ248円)の寄付を行ったということです。
 「KAFAは全ての寄贈者に感謝したい。数千人のサポーターが寄付をしたという事実によって、ケランタンFAが多くのサポーターに支持されていることがわかる。寄付はクダFAなど他のクラブのサポーターからも受けており、このまま寄贈者の数が数十万人になるかも知れない。」と夢のようなことを語っています。
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 支払い期限とされる5月30日まであと20日足らずですが、かつてはKAFAの会長も務め、本来ならクアラルンプールFA会長になるべきアヌアル・ムサ現連邦直轄地大臣はKAFAの支援を公言しています。ケランタン州出身でKAFAのアドバイザーを務めるアヌアル大臣の他、ザレッドウォリアーズTRWとして知られるケランタンFAのケランタン州外のサポーターも支援を明言していますが、果たして期限までに支払いできるのかどうかに注目が集まります。

「今でも代表でプレーする準備はできている」-サフィー・サリ
 2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは決勝での3ゴールを含めた5ゴールを挙げ大会得点王としてマレーシアの優勝に貢献したサフィー・サリは、現在も代表でプレーしたい気持ちは決して衰えていないようです。
 Mリーグ1部のPJシティFCでプレーするサフィー選手は、現在中断中のFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場する代表チームに招集されることがあれば、攻撃陣の強化に貢献できる自信があると、マレーシアの通信社ベルナマに話しています。
 .「これまで言い続けてきたように、現役選手としてプレーしている間は代表チームでプレーしたい、という気持ちは少しも衰えていない。招集される用意はいつでもできている。」、「これまでの経験と(自分のポジションが)代表では人材不足のストライカーであることから、きっと代表チームに貢献できる。」と語る36歳のサフィー選手が最後に代表に招集されたのは2017年のフィリピン代表との国際親善試合です。
 代表キャップ数79、代表通算ゴール23を誇るサフィ選手はスランゴールFA、インドネシア1部リーグのペリタ・ジャヤFC、JDT、PKNS FCを経て、昨季2019年シーズン途中からPJシティFCに加入しています。