観戦記:3月22日AFC U23選手権予選マレーシアU23代表対フィリピンU23代表@シャー・アラムスタジアム

関係者からグランドスタンドのチケットをいただきました。

マレーシアサッカー協会FAMのスポンサーのヤクルトもスタジアム前にトラックを設置してヤクルトを売っていました。

お約束のユニフォームやマフラーを売る屋台。Harimau Malaya(マレーの虎)のチームカラーは黄色と黒で、ホームユニの色は黄色です。

こんな屋台がずらりと並んでいました。

仕事終わりで駆けつけたので、観戦は前半残り10分程から。既にマレーシアが2点リードしていました。

途中で発表がありましたが、入場者数は7600人ほど。水曜日に行われたフル代表の対シンガポール戦の倍以上です。ちなみに、最強サポーターグループウルトラスマラヤも予告通り駆けつけて応援していました。代表戦ということでスタンドも黄色が目立ちました。

チャンスを作りながらも、点は入らず、結局、前半は2−0で終了。

後半に向けて、ピッチに入場するマレーシアU23代表。

後半に入っても何度もチャンスを作るものの、シュートまで行かなかったり、行ってもゴールの枠内へ行かないという見ていてイライラする状況が続きました。
 何度もゴール前でボールをもらいながら、チャンスを生かせなかったハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)に代わって入ったファイサル・ハリム(パハンFA)も、クロスバーにシュートを当てるなどチャンスを活かしきれませんでしたが、それでも82分にGKとディフェンダーとゴール前でかわしてゴール!写真はシュートが決まった後、スタンドへ向かってからピッチへ戻るファイサル選手。

見とれてしまったので写真を取り忘れましたが、試合後選手たちはウルトラス・マラヤが陣取るゴール裏へ向かい。ウルトラス・マラヤはマレーシアの国歌を歌ってねぎらっていました。
 マレーシアU23代表は3月24日に、中国に0−5で破れたラオスU23代表と戦います。

3月22日のニュース:U23代表の最終メンバーが決定、AFC U23選手権予選グループJの記者会見が行われる

U23代表の最終メンバーが決定
本日3月22日からシャー・アラムスタジアムを会場に行われるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選グループJに出場するマレーシアU23代表の最終メンバー23名がマレーシアサッカー協会FAMのホームページで発表されています。
 マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの首位を走るJDTと2部で低迷するケランタンFAから最多の5名が選ばれています。
 また候補選手として招集された27名からコギレスワラン・ラジ(パハンFA)、ナジルル・アフィフ・イブラヒム(ペラTBG)、アリフ・アル=ラシド・アリフィン(PKNS FC)、アリアスディアス・ジャイス(サバFA)が最終選考から漏れています。

AFC U23選手権予選最終メンバー(背番号、ポジション、氏名、所属クラブ)
01 GKムハマド・ハジック・ナズリ(JDT)
02 DFムハマド・アミルル・アシュラフ・アリフィン(UITM FC)
03 DFドミニク・タン・ジュン・ジン(JDT)
04 MFティヴァンダラン・カマン(プタリン・ジャヤ・シティFC)
05 DFエヴァン・ウェンスレイ・ウェンセスラウス(サバFA)
06 MFムハマド・ダニアル・ハキム・ドラマン(ケランタンFA)
07 FWモハマド・ファイサル・アブドル・ハリム(パハンFA)
08 DFムハマド・シャルル・ニザム・ロス・ハスニ(ケランタンFA)
09 FWムハマド・ハディ・ファイヤッド・アブドル・ラザク(ファジアーノ岡山)
10 FWムハマド・サファウイ・ラシド(キャプテン、JDT)
11 FWムハマド・ジャフリ・ムハマド・フィルダウス・チュウ(PKNS FC)
12 DFアーマド・タスニム・フィトゥリ・モハマド・ナシル(フェルダ・ユナイテッド)
13 DFディネシュ・ラジャシンガム(パハンFA)
14 MFシャマー・クティ・アバ(JDT)
15 DFモハマド・ハリズ・カマルディン(JDT II)
16 MFムハマド・ダニアル・アミエル・ノーヒシャム(以上フェルダ・ユナイテッド)
17 FWニック・アズリ・ニック・アリアス(ケランタンFA)
18 MFムハマド・イザン・シャミ・ムスタパ(トレンガヌFC II)
19 FWムハマド・アキヤ・ラシド
20 DFムハマド・シャミ・サファリ(スランゴールFA)
21 MFニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(ケランタンFA)
22 GKムハマド・アズリ・アブドル・ガニ(フェルダ・ユナイテッド)
23 GKダミエン・リム・チエン・カイ(以上ケランタンFA)
*背番号が違っていたので、修正しました。

AFC U23選手権予選グループJの記者会見が行われる
AFC U23選手権予選グループJの試合前に各チームの監督が参加して記者会見が開かれました。Goal.comによると、中国U23代表のフース・ヒディンクは、まずは来年、バンコクで開催されるAFC U23選手権本戦に出場することが目的であるとし、中国がグループJの1位突破最有力候補であることを否定し、各チームに同様のチャンスがあると述べています。
 前回2018年のAFC U23選手権では、開催国ながらグループステージ敗退となった中国は、母国オランダだけでなく韓国、オーストラリアでも監督としてFIFAワールドカップの出場経験を持つヒディング監督に2018年から当時のU21代表を託しています。「昨年の9月に選手をスカウトし始めたが、この年代は結果らしい結果を残していなかった」とヒディング監督自ら語っていますが、それでも中国が優位なのは揺るぎない事実。中国の開幕戦は、シンガポール人のV・サンドラモールシー監督率いるラオスと対戦します。
 また、昨年のAFC U23選手権では、監督としてマレーシア初となるベスト8進出を果たしたオン・キムスイ監督は、昨年のチームから残ったドミニク・タン、ハジック・ナジル、アキヤ・ラシド、サファウイ・ラシド、シャマー・クティ・アバ(以上JDT)やシャミ・サファリ(スランゴールFA)を中心にチームを編成、フル代表でも活躍する彼らに、新たに加わった選手たちがどの様に融合するが注目されます。記者会見でオン監督は「中国代表の優位は変わらないものの、(U23選手権予選以降の)今後も対戦するフィリピンやラオス相手にも全力で臨みたい」としています。
 予選グループ1位の他、各グループの2位のうち上位4チームまでがバンコクでの本戦に出場できるため、初戦のフィリピン戦と続くラオス戦での得失点が、最終的に本戦出場に大きな影響を及ぼす可能性がありますので、マレーシアにとっては気が抜けない試合が続きます。(写真は記者会見に臨む、左からフィリピンのサルヴァドール・サルヴァシオン監督、マレーシアのオン監督、中国のヒディング監督、ラオスのサンドラムーシー監督)

3月19日のニュース:ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆、この問題についてFAMはファンの理解を求める

ウルトラスがエアマリンカップのボイコットを示唆
マレーシア代表チームの最大サポーターグループである「ウルトラス・マラヤ」が、3月20日と23日に開催される4カ国対抗のエアマリンカップのボイコットを決めたと、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 ボイコットの理由として挙げているのが、エアマリンカップのチケットの価格です。エアマリンカップでは、オープンスタンドのチケットが35マレーシアリンギ(約960円)と設定されていますが、これまで代表の試合のチケットの価格20マレーシアリンギ(約550円)から75%も値上げされたことに加え、エアマリンカップの主催者がマレーシアサッカー協会FAMではなく、イベント企画会社であることから、この会社が不当にチケットの価格を釣り上げて、マレーシアのサッカーファンから搾取していることに対する抗議のためのボイコットであるとしています。
 さらにウルトラス・マラヤのFacebookでは、FAMのダト・ウィラ・ユソフ・ハマディ副会長がチケット価格の正当性について述べたことにも反論しています。マレーシア以外の3カ国はいずれもFIFAランキングでマレーシアより上位の国なので、質の高い試合となるとの理由には、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで、マレーシアよりFIFAランキングが上のベトナムなどとのグループリーグではチケットは20マレーシアリンギであったと反論し、また、35マレーシアリンギのチケット代には、同日行われるもう一つのカードの観戦料も含まれているので結果として割安であるとの発言には、大半のファンは見るつもりもないマレーシア代表以外の試合の分も払わせるような発言は価格差を誤魔化すための言い訳に過ぎないと非難しています。また大会の冠スポンサーであるエアマリン社からのスポンサー費用があるにも関わらず、イベント企画会社に主催させること自体がおかしいとしています。
 ウルトラス・マラヤのFacebookページでは、(エアマリンカップの会場となる)ブキ・ジャリルスタジアムのクルヴァ(ゴール裏のスタンド)ではなく、(アジアサッカー連盟AFC U23選手権予選が行われる)シャー・アラムスタジアムのクルヴァで会おう!と呼びかけています。

この問題についてFAMはファンの理解を求める
マレーシア語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版によると、ウルトラス・マラヤのボイコットについて、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、現在FAMが直面している状況を理解し、できるだけ多くのファンにスタジアムに足を運んで欲しいと発言しています。
 昨年FAMが主催した国際Aマッチの内、ブキ・ジャリルスタジアムで4月1日に行わえたブータン代表戦は、オープンスタンドのチケットを20マレーシアリンギであったものの、3,187枚のチケット売上の結果、81460マレーシアリンギの収入があったものの、10万マレーシアリンギ(約270万円)を超える赤字となりました。同様に7月5日にKLフットボールスタジアムで行われたフィジー代表戦は、1220枚のチケット売上で7万マレーシアリンギの赤字が、11月3日のモルジブ戦では6173枚のチケット売上に対して2万6千マレーシアリンギの赤字が出ていました。
 その上で、今回のエアマリンカップについては、全ての費用をイベント企画会社が負担し、さらにこの会社からはFAMに30万マレーシアリンギ(約820万円)が支払われていることを明らかにしています。なお、この30万マレーシアリンギはマッチボーナスや、U19、U16、女子代表の強化に使われるとのことで、FAM主催でないやり方であっても、代表チームの価値を高める方法があるのであれば、そういった方法を時代にあった形で今後も活用していきたいと、ラマリンガム事務局長は話しています。。

観戦記:3月17日国際親善試合マレーシアU23代表対オーストラリアU23代表@シャー・アラムスタジアム

3月22日からスランゴール州シャーアラムスタジアムで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選のグループJに先駆けて、マレーシアU23代表がオーストラリアU23代表と練習試合を行ったので、観戦に行ってきました。
 チケットは関係者から頂きました。

試合開始は午後8時45分。駐車場から歩いていくと、スタジアムの明かりが見えてきました。途中の道にはいつもはスランゴールFAのユニフォールを売る屋台が出ているのですが、今回は代表ユニフォームを売っていました。

入場ゲート前のセキュリティーチェックでは、食べ物は持ち込みOKながら、飲み物は持ち込み禁止でした。ゲートを通ってスタンドへ向かいます。

フィールドが見えました。

バックスタンドの方に観衆が集まっていました。試合中に入場者数が6600人と発表になりましたが、80000人収容のスタジアムはガラガラでした。

試合前には、ニュージーランドのクライストチャーチのモスクで起こった惨事の被害者に対して1分間の黙祷が捧げられました。

前半はオーストラリアU23代表がフィジカルの強さを発揮して、押し気味に試合を進めるも、シュートの精度が今一つでした。一方、マレーシアU23代表はMFアキヤ・ラシド(JDT)らがサイドから仕掛けようとしますが、ワントップのハディ・ファイヤッド(ファジアーノ岡山)までボールが渡らず、コンビネーションの悪さが目立ちました。縦へのパスも少なく、苦し紛れのサイドパスやバックパスを繰り返すうちにマレーシア代表のウルトラスからもブーイングされていました。

前半は0−0で折り返しました。

後半は両チームとも大幅に選手を入れ替えました。オーストラリアU23代表は49分にブランドン・ウィルソンのヘディングシュートが決まり先制しました。失点したもののマレーシアU23代表も動きが良くなり、オーストラリアU23代表の動きが悪くなってきたところで何度かゴール前までボールを運びますが、シュートには至りませんでした。90分を過ぎ、このまま試合終了かと思われたところでニック・アズリ・ニック・アリアス(ケランタンFA)が同点ゴール!最後まで諦めずに走り続けた成果でした。このゴールの直後に試合終了となりました。

1対1のフィジカル勝負では、ほぼ全ての場面で競い負けてしていたマレーシアU23代表。個人的には最も見たかったサファウイ・ラシド(JDT)も出場せず、肩透かしになりましたが、後半から入ったファイザル・ハリム(パハンFA)が試合の流れを変えかけるなど、熾烈な最終メンバー入りの争いなど見どころもある試合でした。

3月16日のニュース:U19代表は初勝利も11位/12位決定戦へ、U19代表監督の発言に対してFAMは懲戒処分を検討、U23代表はオーストラリアU23代表と明日対戦

U19代表は初勝利も11位/12位決定戦へ
マレーシアサッカー協会FAMのフェィスブックによる、福岡県宗像市ので開催中のサニックス杯国際ユースサッカー大会に出場中のマレーシアU19代表は今大会初勝利を挙げました。
 グループリーグで4位となった後、各グループの3位と4位が出場するグローバルアリーナ杯に回ったU19代表は、今日の試合でV・ファーレン長崎ユース相手に1-2(前半1-1)と勝利を挙げました。
 試合は柴田豊輝選手のゴールでV・ファーレン長崎に1点を先制されるも、昨年のアジアサッカー連盟AFC U16選手権で得点王となったルクマン・ハキム・シャムスディンが35分に同点ゴールを決めて同点、さらにムハマド・フィルダウス・カイロニサムが58分に決勝ゴールを決め、今大会初勝利を飾りました。
 続く山梨学院高校戦ではフルタイムで0−0だったものの、PK戦で3−5と破れています。
 明日の最終日には、U19代表はグループステージで0−5と大敗しているサガン鳥栖ユースと11位/12位決定戦を戦います。果たしてリヴェンジとなるのでしょうか。

U19代表監督の発言に対してFAMは懲戒処分を検討
サニックス杯国際ユースサッカー大会3日目にして初勝利を挙げたマレーシアU19代表ですが、初日は昨年度の高校選手権優勝チーム青森山田高に0−2、サガン鳥栖ユースには0−5と連敗でした。この試合後にマレーシアU19代表を率いるクロアチア人のボジャン・ホダック監督が発言した内容について、FAMは懲戒処分を検討していると、当地の英字新聞ニューストレートタイムズのオンライン版が伝えています。
 問題となったのは、「マレーシアのサッカー選手育成システムがお粗末だ」という発言です。これについてFAMのユソフ・マハディ副会長は、昨年(ホダック監督率いるU19代表が)マレーシアの育成システムで育った選手でアセアンサッカー連盟AFF U19選手権で優勝した際には何も言わず、サニックス杯で連敗した途端に同じ育成システムを非難したことに対し、自らの責任を回避するために否定的な発言をするのではなく、むしろ建設的な提案をすべきだとし、帰国後にホダック監督から今回の発言の真意を問い、内容次第では懲戒処分もあることをほのめかしています。
 2017年半ばにU19代表の監督に就任したホダック監督との契約は今年の12月までとなっています

U23代表はオーストラリアU23代表と明日対戦
3月22日からクアラルンプールで開催されるAFC U23選手権予選に備えた最後の練習試合で、マレーシアU23代表はオーストラリアU23代表と明日対戦します。
 マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、マレーシアU23代表は、ケガのために明日の試合には出場予定がないDFドミニク・タン(JDT)、FWコギレスラワン・ラジ、MFファイサル・アブドル・ハリム(ともにパハンFA)を除いた24名が試合会場となるシャーアラムスタジアムで調整したようです。
 オン・キムスイ監督は、オーストラリアU23代表との試合は勝ち負けよりも、できるだけ多くの選手を試しながら、様々な連携を確認することを目的としたいと述べています。
 一方、サンフレッチェ広島でもプレーしたグラハム・アーノルド監督率いるオーストラリアU23代表は、やはりこの試合をAFC U23選手権予選の貴重な準備の機会としており、ルネ・ユーレンステン アシスタントコーチは、開催国となるカンボジアでの高温多湿の気候で選手たちがどのような動きをするのかを見たいとしています。
 なおマレーシアはグループEで中国、フィリピン、ラオスと同組で、グループHのオーストリアリアは韓国、カンボジア、台湾と同組です。

3月15日のニュース:MFLがTMとのスポンサー契約打ち切りを決定、U19代表の遠征2日目の結果

MFLがTMとのスポンサー契約打ち切りを決定
マレーシアフットボールリーグMFLのホームページによると、MFLはマレーシアのテレコミュニケーション企業テレコム・マレーシア(TM)とのスポンサー契約打ち切りを発表しました。
 2018年1月に発表された8年間総額4億8000万マレーシアリンギ(約130億円)の大型スポンサー契約はマレーシアのスポーツ史上最大のものでしたが、1年ほどで頓挫してしまいました。
 契約打ち切りの理由としてTMが契約に従う財政上の義務を果たしていないことを挙げたMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOは、契約不履行による訴訟も検討しているとしています。
 MFLチェアマンでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下は、MFL理事会には出席できなかったもの、理事会の決断の支持を表明しています。殿下は発言の中で、昨年5月を契機としてTMとの関係が急激に変わったとしていますが、マレーシアの昨年の5月と言えば、5月9日に実施された総選挙で、野党連合の希望連盟が113議席を獲得、79議席の獲得となった与党連合の国民戦線に34議席の差をつけて勝利し、1957年のイギリスからの独立以来、マレーシアで初めて政権交代が起こった時期と重なります。
 トゥンク・イスマイル殿下は、TMの対応の変化は(政権交代の結果)スポーツが政治化された結果だとし、国民に最も人気のあるサッカーを苦しめるようなTMの対応を非難しています。また、ラマリンガムCEOは、TMとの契約上、多くの企業からのスポンサー契約提案を断っており、MFLは今後、そういった企業と積極的に話をしていく予定であると述べています。

U19代表の遠征2日目の結果
福岡県宗像市のグローバルアリーナで開催中のサニックス杯国際ユースサッカー大会に出場しているマレーシアU19代表は、大会2日目のグループリーグ最終戦で大津高校と対戦するも0−1(前半0−0)で破れました。
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、グループリーグ3試合で得点0、失点7となったマレーシアU19代表は、予選リーグの3位、4位チームが参加するグローバルアリーナ杯へ回り、明日はまずV・ファーレン長崎ユースと対戦し、その結果次第で次戦の相手が決まります。

3月14日のニュース:日本遠征中のU19代表は連敗スタート、U23代表は全員が合流

日本遠征中のU19代表は連敗スタート
マレーシアサッカー協会FAMのFacebookによると、福岡県宗像市で開催されているサニックス杯国際ユースサッカー大会に参加しているマレーシアU19代表は、開幕戦で青森山田高校に0−2(前半0−1)、午後の試合ではサガン鳥栖ユースに0−5(前半0−2)と連敗して遠征をスタートしました。明日2日目は大津高校と対戦し、その結果を元に順位決定戦へ回ります。なお青森山田高戦の映像はこちらです。
 昨年、マレーシアで開催されたアジアサッカー連盟AFCのU16選手権では、グループステージで敗退しながら、日本の唐山翔自選手(ガンバ大阪ユース)、オーストラリアのノア・ボティック選手と並んで得点王となったルクマン・ハキム・シャムスディンは、本日は不発に終わっています。
 昨年のアセアンサッカー連盟AFF U19選手権で優勝し、アジアサッカー連盟AFC U19選手権にも12年ぶりに出場したマレーシアは、今年8月にベトナムで開催されるAFF U19選手権の連覇と、今年9月に開催される2020年のAFC U19選手権の予選突破が今年の目標です。

U23代表は全員が合流
3月10日から始まっていたU23代表合宿に、3月12日のAFCチャンピオンズリーグACLの慶南FCを戦ったJDTからGKハジック・ナジル、DFドミニク・タン、MFシャマ・クティ・アバ、MFアキヤ・ラシド、FWサファウイ・ラシドの各選手が合流したと、当地のマレーシア語新聞ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。またファジアーノ岡山に所属するハディ・ファイヤッドもケガで日本出発が遅れていたようですが、無事合流しています。
 U23代表は3月22日にシャーアラムスタジアムでオーストラリアU23代表と練習試合を行った後、3月24日から同じシャーアラムスタジアムで開幕するAFC U23選手権予選兼東京オリンピック予選を戦います。

3月9日のニュース:JDTはユベントスと提携へ向けて協議、サニックス杯出場のU19代表選出、

JDTはユベントスと提携へ向けて協議
ジョホール・ダルル・タクジムJDTのフェイスブックによると、JDTのオーナー、ジョホール州皇太子TMJことトゥンク・イブラヒム殿下は、(自家用機で)イタリアへ飛び、イタリアセリエAのユベントスFCのアンドレア・アニェッリ会長と会談し、JDTとユベントスが今後の業務提携へ向けて話を進めていくことになったとしています。
 会談後にはユベントスFCの練習施設を見学し、さらにアニェィリ会長の招きでユベントス対ウディネーゼ戦を観戦するなど、セリエAで34度の優勝を誇るクラブのエッセンスをJDTにも注入したいとしています。
 マレーシアのクラブとしてはACL本選初出場を果たしたJDTですが、そんなレベルでは満足しないイブラヒム殿下。今のマレーシアサッカー界にはこういった強烈なリーダーシップが必要です。(写真は左上からイブラヒム殿下とアニェィリ会長の会談、ユベントスFC練習施設見学、ユベントス対ウディネーゼ戦観戦の様子)

サニックス杯出場のU19代表選出
マレーシアサッカー協会FAMは、3月14日から17日まで福岡県宗像市で開催されるサニックス杯国際ユースサッカー大会2019に参加するマレーシアU19代表22名を発表しました。マレーシア代表は、昨年のこの大会の優勝チームで、全国高校サッカー選手権優勝チームでもある青森山田高校、大津高校(滋賀)、サガン鳥栖ユースと予選グループ同組となっています。
 U19代表は3月10日にマレーシアを経ち、サニックス杯終了後には大阪へ移動し、セレッソ大阪(のU18?)と練習試合をこなした後、帰国する予定です。

サニックス杯出場U19代表
GKシク・イザン・ナズレル・シク・アズマン
DFアリ・イムラン・スカリ
DFアーマド・ジカリ・モハマド・カリリ
DFムハマド・ハリス・マンソル
MFハリス・ハイカル・アダム・アフカル
MFムハマド・フィルダウス・カイロニサム
FWロクマン・ハキム・シャムスディン(以上マレーシアパハンスポーツスクールSSMP:ここはFAMが運営するアカデミーがある学校です)
DFムハマド・アイディル・アズアン
MFサラヴァナン・ティルムルガン
FWムハマド・ハジム・アブ・ザイド(以上マラッカFA)
DFムハマド・フィルダウス・アブドル・ラザク
MFムハマド・ファリス・カマルディン(以上スランゴールFA)
GKフィルダウス・イルマン・モハマド・ファジル
MFムハマド・ムカイリ・アジマル・マハディ(以上PKNP FC)
MFムハマド・アザム・アズミ・ムラド(トレンガヌFA)
DFニック・ウマル・ニック・アジズ(PKNS FC)
MFアリフ・アイマン・モハマド・ハナピ(JDT)
DFムハマド・ワジフ・ナザライル(フェルダ・ユナイテッド)
MFモハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル(クダFA)
DFムハマド・アイクマル・ロスラン(ヌグリ・スンビランFA)
MFアクマル・ハジム・イスマイル(ペラFA)
DFムハマド・イマン・ラファエイ・アブドル・ラジク(ペナンFA)

FAMのホームページより


3月8日のニュース:FAMが未払い給料を肩代わり、スワラッドは待望の初代表入り、代表のネパール戦は延期

FAMが未払い給料を肩代わり
マレーシアサッカー協会FAMがマレーシアフットボールリーグMFLに所属する5つのクラブの未払い給料約118万マレーシアリンギ(約3200万円)を肩代わりして選手に支払ったことを発表しています。各クラブからの供託金などから支払われたこと発表したスチュアート・ラマリンガムFAM事務局長は、PDRM FC(2部プレミアリーグ所属)、フェルクラFC(既に解散)、MOF FC(マレーシア財務省のクラブ、2019年はMFLでの活動なし)、DBKL FC(クアラルンプール市役所のクラブ、2019年はMFLでの活動なし)、トレンガヌ・シティFC(1部スーパーリーグのトレンガヌFCの下部クラブ、2019年はMFLでの活動なし)の5クラブの未払い給料は既に各選手及びスタッフの口座に払い込まれており、フェルダ・ユナイテッド(1部スーパーリーグ)、ハネランFC、マルセラFC(いずれも既に解散)の選手、スタ風への未払い給料約134万マレーシアリンギ(約3650万円)については、数週間の内に払い込みが完了するとしています。また、ラマリンガム事務局長は、今回の支払いはFAMへの供託金などを使って支払ったものであり、全額が払われたわけではな各選手、スタッフへの残りの未払い給料については、各クラブの責任であることも強調しています。

スワラッドは待望の初代表入り
MFL1部スーパーリーグに所属するPKNS FCのDFニコラス・スワラッドが、3月20日と23日に行われるエアマリンカップに出場するのマレーシア代表選手に選ばれました。イギリス人の父親とマレーシア人の母親を持つマンチェスター出身の28歳は、2016年シーズン前にJDT IIと契約し、翌年途中ににはマラッカ・ユナイテッドへ期限付き移籍し、今年からPKNS FCでプレーしている帰化選手の一人で、マレーシアへやってきてから4年目で待望の代表入りです。彼が所属するPKNS FCは、今シーズンここまで5位と検討していますが、その理由は5試合で2失点という盤石な守備陣で、その中心にいるのがスワラッド選手です。このスワラッド選手は、豊富な運動量で知られており、PKNS FC守備陣をコントロールするだけでなく、今シーズン既に2得点を決める攻撃力も兼ね備えています。
 今回のエアマリンカップのマレーシア代表には、帰化選手としてはこのスワラッド選手のほか、オーストラリア生まれながら母親がサバ州出身のDFマシュー・デイヴィーズ(24歳、パハンFA)とマレーシアに5年住んだことで国籍を取得したガンビア出身のMFムハマドゥ・スマレ(25歳、パハンFA)も選ばれています。

代表のネパール戦は延期
上記のエアマリンカップ後の3月26日にブキ・ジャリルスタジアムで開催予定だったマレーシア代表対ネパール代表の国際Aマッチが延期になりました。FIFAカレンダーの国際マッチ期間中は、国際Aマッチは2試合まで行うことができますが、マレーシアは既にエアマリンカップで2試合行うことになっており、ネパール代表戦が3試合目となるため、FIFAが許可しなかったということです。会見でラマリンガムFAM事務局長は、アジアサッカー連盟AFCからは許可が出たものの、国際サッカー連盟FIFAからは許可が出なかったとしています。
 マレーシアは今年6月から始まるFIFAワールドカップ予選の1回戦シードとなるために、FIFAランキングを上げるのに必至なようですが、そもそも今回のエアマリンカップに出場予定だったソロモン諸島が同じ理由で出場辞退をしたはずだったにも関わらず、なぜマレーシアは3試合ができると思ったのか、正直なところ理解に苦しみます。

3月7日のニュース:今週末は「クラン・ヴァリーダービー」、エアマリンカップではコーズ・ウェイダービーも

今週末は「クラン・ヴァリーダービー」
マレーシアフットボールリーグMFLは今週が第6節。今節注目のカードの1つが「クラン・ヴァリーダービー(Klang Valley Derby)」と称されるスランゴールFA対クアラルンプールFAの対戦です。
 マレー語では「ドロの交わる場所」という意味のクアラルンプール(KL)は、19世紀にクラン川を上ってきたスランゴールの王族が、クラン川とゴンバク川が合流する地域に豊富な埋蔵量の錫(すず)鉱床を発見したことにより、その歴史が始まります。その後は錫の集散地として、現在もKL市内を流れるクラン川沿いに発展を続けました。1957年のマラヤ連邦(当時)が1957年にイギリスから独立した際には、KLはマラヤ連邦の首都となり、スランゴール州の州都でもありました。しかし1969年の下院選挙の際、スランゴール州で野党が圧勝し、下院でも与党の議席が三分の二を割る事態が起こると、当時の政権は1974年に野党勢力が優勢であったクアラルンプールを連邦直轄区としてスランゴール州から分離させて、野党勢力の弱体化と政権保持を図りました。そういった経緯もあり、スランゴールとKLは強烈なライバル関係にあります。
 クラン川沿いに発展してきたスランゴールとKLは、サッカーでもその対戦が「クラン・ヴァリーダービー」と呼ばれるライバル関係にあります。しかし残念ながら近年は両チームともタイトルを手にする機会はなく、スランゴールFAは2015年のマレーシアカップ、KLFAに至っては1999年のFAカップ優勝以降、大きなタイトルを獲得していません。しかも今シーズンのMFL第6節に組まれたこの試合で、スランゴールFA、KLFAともまだ勝ち星なしで対戦するとは思いもよりませんでしたが、それでも熱くなるのがダービーマッチですよね。

エアマリンカップではコーズウェイダービーも
研究社の英和中辞典によれば、コーズウェイ(Causeway)とは「(低湿地に土を盛り上げた)土手道、(敷石などによる昔の)舗装道路」とありますが、ジョホール海峡によって隔てられたマレー半島とシンガポール島の間も、1923年に当時この地域を支配していたイギリスによって建設されたコーズウェイによって陸路で繋がり、車や列車が行き来できるようになっています。
 これにちなんでマレーシアとシンガポールがスポーツで対戦する際には「コーズウェイダービー」という名称が使われます。1963年のマレーシア建国の際には、シンガポールもマレーシアの一部でしたが、「(マレー人だけでなく華人やインド系住民なども含めた)マレーシア人のためのマレーシア」を標榜した当時のシンガポール与党のリーダーで、後のシンガポール首相リー・クアンユーと、「マレー人のためのマレーシア」を唱えるマレーシアの初代首相トゥンク・アブドル・ラーマン率いるマレー半島側の与党UMNOの間の対立から、1965年にはシンガポールはマレーシアから独立させられてしまった経緯もあり、このコーズウェイダービーは、国と国とのプライドのぶつかり合いでもあります。
 前置きが長くなりましたが、3月20日にクアラルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで開催されるエアマリンカップの準決勝では、抽選の結果、このコーズウェイダービーが実現することになりました。FIFAカレンダーの国際Aマッチとなるこのエアマリンカップは、マレーシア代表にとってはただの国際試合ではありません。今年の6月に行われるFIFAワールドカップ2020年大会の予選1回戦では、AFCランキングで34位以上のチームはシードされ、9月の予選2回戦からの参加となるため、現在35位のマレーシアはこのエアマリンカップで好成績を収めて、何としてもAFCランキング34位に入らねばなりません。しかも現在AFCランキング34位にいるのが今回対戦するシンガポール。2016年10月7日にシンガポールのカラン国立競技場での引き分け以来の対戦となるダービーマッチは従来以上に盛り上がること間違いなしです。