7月1日から3日のニュース:FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG、オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討、U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか。

FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG
6月29日(土)と6月30日(日)の両日に行われたマレーシア FAカップ準決勝の第2戦は以下の結果となりました。(左側のチームがホーム、カッコ内は第1戦と第2戦の通算成績)
ペラTBG3-0パハンFA(4-3)
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(35分)、パルティバン・ジャネセカラン(42分)、ファイサル・ロスリ(44分OG)
 ホームゲームとなった6月22日の第1戦を3-1と勝利したパハンFAは、この準決勝第2戦に備え、6月25日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFA戦には主力の一部を休ませる布陣で臨みました。(結果はスランゴールFAに2-5で惨敗)そこまで準備周到に用意したドラー・サレー監督でしたが、その策略は功を奏さず、FAカップ連覇もかかっていたパハンFAは準決勝敗退となりました。
フェルダ・ユナイテッド3-2クダFA(3-3)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、チャントゥル・スピア(72分)、ハディン・アズマン(90分)、クダFA-フェナンド・ロドリゲズ(26分PK)、ファルハン・ロスラン(38分)
 スーパーリーグでは最下位のフェルダ・ユナイテッドですが、チームの愛称「ファイターズ」の名に恥じない奮闘を見せ、第1戦と第2戦の通算成績を3-3としたものの、アウェイゴールルールでクダFAが勝ち抜けました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は途中出場となっています。
 この結果、7月27日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで行われるマレーシアFAカップの決勝は、2004年以来3度目の優勝を目指すペラTBGと、2年ぶり5度目の優勝を目指すクダFAの対戦となりました。

オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討
6月23日に閉幕した東南アジア諸国連合ASEANの首脳会談サミットの際に、タイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明しましたが、そのASEANにも加盟しているインドネシアが隣国オーストラリアと2034年ワールドカップ共催を検討しているとAFP通信が伝えています。
 記事の中でインドネシアサッカー協会のスポークスマンは、当初はタイとの共催を模索したものの話がまとまらなかったため、オーストラリアとの共催を検討したとし、既に両サッカー協会は具体的な話し合いを始めているし、また両サッカー協会は2021年のFIFA U20ワールドカップの共催も検討しているとしています。アセアンによる共催の検討が発表されたわずか数日後のこの発表について、オーストラリアサッカー協会からはコメントが取れていないようですが、インドネシアサッカー協会はアセアン10カ国による共催とオーストラリアとの共催を天秤にかけているのでしょうか。
 アセアン10カ国による共催については、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も実現が難しいとし、現実的には3から4カ国による共催案がより現実的ではないかと述べています。

U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が、FAMがボジャン・ホダックU19代表監督との契約の更新を行わなかったことを懸念する記事を掲載しています。
 昨年2018年のアセアンサッカー連盟AFFU19選手権で初優勝、さらにアジアサッカー連盟AFCU19選手権本戦に12年ぶりの出場を果たすなど、FAMが求めた結果を全て残してきたホダック元監督の契約更新が行われなかった理由は謎のままですが、歯に衣着せぬ言動でFAMと衝突することも度々あったことから、その辺りが理由ではないかとしています。
 後任にはオーストラリア出身のブラッド・マロニーU23代表コーチが監督代行に指名されています。マロニー監督代行はU23代表のコーチとしてオン・キムスイU23代表監督を支えながら、U19代表の監督代行を務めることになっています。U19代表は8月5日から18日までベトナムで行われるAFF U19選手権には連覇がかかり、11月5日から18日までカンボジアで行われるAFCU19選手権予選が控えている一方、U23代表は12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会(オリンピックの東南アジア版)に参加します。これらの大会で好成績を残せない場合、ホダック監督を「解任」したFAMに対するファンの信頼が失われる可能性があります。

6月12日のニュース:WCアジア一次予選の結果まとめ

アジア一次予選の結果まとめ
アジアサッカー連盟AFC加盟国のうち国際サッカー連盟FIFAランキング下位12チームが参加したFIFAワールドカップ2022大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選がほぼ終了しました。結果は以下の通りです。(カッコ内はFIFAランキング)
 一次予選を勝ち抜いたマレーシア、モンゴル、ラオス、グアム、カンボジアとスリランカ/マカオは、7月17日にカタールのドーハで行われる組み合わせ抽選を経て、9月5日から開催予定の二次予選に参加します。

マレーシア(168位)12-2東ティモール(195位)
第1戦:マレーシア7-1東ティモール@ブキ・ジャリル国立競技場、クアラ・ルンプール
第2戦:東ティモール1-5マレーシア@*ブキ・ジャリル国立競技場、クアラ・ルンプール
*東ティモール国内にAFCの規格にあった競技場がないため、同じ会場で東ティモールのホームゲームとして開催されました。
 予想通り難なく一次予選を突破したマレーシア代表ですが、前回2018年大会アジア二次予選では、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、パレスチナ、東ティモールと同組となり、8試合で2勝6敗7得点29失点という結果でした。しかもその2勝は、東ティモール代表が選手の出生証明書を偽造したことに対するFIFAによる試合没収処分によるもので、これによりマレーシアと東ティモールの対戦はいずれも3-0でマレーシアの勝利となっています。つまり、東ティモールとの対戦を除くと6試合で0勝6敗1得点29失点と壮絶な結果でした。選手自身がここ数年では最強の代表チームというマレーシア代表がどこまで進めるのか、期待が高まります。

モンゴル(187位)3−2ブルネイ(194位)
第1戦:モンゴル2-0ブルネイ@MFFフットボールセンター、ウランバトール
第2戦:ブルネイ2-1モンゴル@ハサナル・ボルキア国立スタジアム、バンダル・スリ・ブガワン)
(写真はモンゴルサッカー協会のFacebookより)

マカオ(183位)対スリランカ(202位)
第1戦:マカオ1-0スリランカ (ズー・ヘイ・スポーツセンタースタジアム、珠海-国内の競技場が改修中のため中国本土で開催)
第2戦:*マカオがスリランカでの開催を拒否し中止-詳しくはこちら
*この件については、AFCがFIFAに対応について問い合わせをしていることがAFCのホームページで告知されています。
 見出しで「ほぼ」と書いたのは、中止となった第2戦がどうなるかが確定していないためです。マカオの棄権となれば、スリランカが二次予選に進出します。

ラオス(184位)0-1バングラディシュ(188位)
第1戦:ラオス0-1バングラディシュ@国立競技場、ヴィエンチャン
第2戦:バングラディシュ0-0ラオス@バンガバンドゥ国立競技場、ダッカ
(写真はバングラディシュサッカー協会のFacebookより)
 今回のアジア一次予選では、FIFAランキング通りの結果にならなかったカードが2つありましたが、その1つがこの両チームの試合でした。

ブータン(186位)1-5グアム(193位)
第1戦:ブータン1-0グアム@チャンリミタン競技場、ティンプー
第2戦:グアム5-0ブータン@グアムサッカー協会フィールド、デデド
 FIFAランキング通りの結果にならなかった2カードのもう1つがこの両チームの試合でした。グアムのジェイソン・カンリフがハットトリックの活躍でした。

カンボジア(173位)1-5パキスタン(200位)
第1戦:カンボジア2-0パキスタン@国立オリンピック競技場、プノンペン
第2戦:パキスタン1-2カンボジア@ハミド・ビン・カリファ競技場、*カタール
*パキスタンは諸々の事情から、ホームとなる試合を国外のカタールで行いました。
 第2戦をネット観戦しましたが、パキスタンが先制してもしやと思われましたが、順当にカンボジアが二次予選進出を決めています。

6月11日のニュース:マレーシアは東ティモールに連勝でWCアジア二次予選へ進出

マレーシアは東ティモールに連勝でWCアジア予選二回戦へ進出
本日、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会兼2023年アジアカップの一次予選第2試合で、マレーシア代表は東ティモール代表を5−1で破り、通算成績12-2で二次予選進出を決めました。
 なお、この試合は東ティモール国内にアジアサッカー連盟AFCの規格にあったスタジアムがないことから、東ティモール代表のホームゲームとして行われています。
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、GKをキャプテンのファリザル・マーリアス(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)からイフワン・アクマル(クダFA)へ、左サイドバックを先日の試合で代表初ゴールを挙げたラヴェル・コービン=オング(JDT)からシャズワン・アンディック(マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDTII)へ、先日の試合でケガのため途中退場したトップ下のシャフィク・アーマド(JDT)に代わってシャーレル・フィクリ(ペラTBG)、そしてサファウィ・ラシド(JDT)からアキヤ・ラシド(JDT)と、6月7日の第1戦のスタメンから4人を入れ替えました。まt、この試合ではシャールル・サアド(ペラTBG)がキャプテンを務めました。
 ちなみにこの試合は日本人審判が担当し、プロ審判荒木友輔氏が主審を、野村修氏とプロ審判の八木あかね氏が副審を、そして第四審判を岡部拓人氏が務めました。
 この試合のハイライト映像はこちらです。試合はワールドカップ予選初先発となったシャーレル・フィクリがハットトリックを達成し、やはり初スタメンとなったアキヤ・ラシドが第1戦に続く連続ゴールを決め、自分でシュートするよりパスする方を好むというモハマドゥ・スマレも1得点を挙げ、マレーシア代表が快勝しています。

6月11日(火)
FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選第2戦
マレーシア代表5-1東ティモール代表(ブキ・ジャリル国立競技場)
得点者:マレーシア-シャーレル・フィクリ3(10分、17分、64 分)、モハマドゥ・スマレ(37分)、アキヤ・ラシド(55分)、東ティモール-ルフィーノ・ガマ(72分)

6月10日のニュース:シャフィク・アーマドのケガは完治まで数週間、東ティモール代表監督はマレーシアに買い物に来ている選手もいると嘆く

シャフィク・アーマドのケガは完治まで数週間
6月7日(金)に行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選の東ティモール戦で、わずが12分で途中退場を余儀なくされたマレーシア代表のシャフィク・アーマド(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)は内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)を痛めており、最低でも2週間の休養を要することを英字紙スターの電子版が伝えています。
 メンバー変更を余儀なくされたマレーシア代表のタン・チェンホー監督は、試合までの練習を見て入れ替える選手を考えるものの、戦術的な変更はしないとしています。
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLでは、鹿島アントラーズ相手にゴールを決め、JDTに歴史的な初勝利をもたらしたシャフィク選手ですが、次の活躍は9月からのアジア二次予選になりそうです。
 このシャフィク選手の代わりとなる選手として、スターの電子版はファイズ・ナシル(スランゴールFA)、ファイザル・ハリム(パハンFA)、シャレル・フィクリ(ペラTGB)を挙げていますが、3月のエアマリンカップ、そして先日の東ティモール戦とゴールを挙げている身長150cmのファイズ選手や、やはりU23選手権予選で活躍したファイザル選手、昨年はマレーシア人選手としては三人目となったタイリーグの経験者(ナコーンラーチャシーマーFCでプレー)シャレル選手と誰が入っても楽しみな布陣となりそうです。
 また代表チームではシャズワン・ザイノン(スランゴールFA)も先週土曜日の練習中に右足首を痛めたという情報もあり、明日6月11日の対東ティモール第2戦は第1戦の先発メンバーと大きな変更はなさそうです。

東ティモール代表監督はマレーシアに買い物に来ている選手もいると嘆く
6月7日の試合後の記者会見で、若手中心のチーム編成になっている理由を年長選手の練習不足とプロ意識の欠如と非難した東ティモール代表の築舘範男(つきたてのりお)監督は、6月11日のマレーシア代表との第2戦を控えた記者会見では、チームにはマレーシアに買い物に来ているつもりの選手もいると嘆いているとGoal.comのマレーシア版が伝えています。
 「若手選手の中には国際Aマッチを戦った経験が、(今年12月にフィリピンで行われる)東南アジア競技大会で役に立つだろう」としながらも、「マレーシアへは新しいスパイクを買いに行きたい」と考えている選手もおり、少しずつは変わってきてはいるものの、そういった考え方の選手が未だに(代表チームに)いることで頭が痛いとも述べています。
 

6月8日のニュース:マレーシアはWC一次予選初戦を勝利でスタート

マレーシアはWC一次予選初戦を勝利でスタート
アジアサッカー連盟AFCの最下位12チームが参加する国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選がいよいよ始まりました。
 6月6日には、カンボジアがホームでパキスタンに2-0で勝利するなど、各地で5試合が行われ、最後となる6試合目が、AFC最下位12チームの中では168位とFIFAランキングが最も高いマレーシアと195位の東ティモールの試合でした。以下、結果です。

6月7日(金)
FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選
マレーシア代表7-1東ティモール代表(ブキ・ジャリル国立競技場)
得点者:マレーシア-ラヴェル・コービン=オング(12分)、シャーレル・フィクリ(23分)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(43分)、サファウイ・ラシド2(45分、59分)、ファイズ・ナシル(78分)、アキヤ・ラシド(89分)、東ティモール-ジョアン・ペドロ(53分)

6月2日に行われたネパール代表との国際親善試合の先発メンバーからは、FWシャズワン・ザイノンとMFハリム・サアリのスランゴールFAコンビに代わり、出場停止処分が解けたFWムハマドゥ・スマレとMFノー・アザム・アジーのパハンFAコンビがスタメンで出場しました。
 スタメンは、キャプテンのファリザル・マーリアス(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)がゴールを守り、ラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)とマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)が左右のサイドバック、中央にはシャールル・サアド(ペラTBG)とアダム・ノー・アズリン(JDT)を配置した守備陣に、ノー・アザム・アジーとアクラム・マヒナン(PKNS FC)が中盤、攻撃陣はワントップのノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)の下に右からムハマドゥ・スマレ、シャフィク・アーマド(JDT)、サファウイ・ラシド(JDT)を配置し、ネパール戦と同じ4-2-3-1のフォーメーションでスタートしました。(下はこの試合のマレーシア代表のスタメンーマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

 連日の大雨のせいで心配されたピッチは、前日6月6日の公式練習日にマッチコミッショナーが両チームにブキ・ジャリル国立競技場のピッチを使った練習を禁止するなどしてこの試合を迎えています。
 この試合はテレビ観戦しましたが、マレーシア、東ティモールとも積極的にボールを回し、ピッチの状況がプレーに影響を与えているような印象はありませんでした。

試合は開始からマレーシアが一方的に攻め、12分には公式戦初出場となったコービン=オング選手がサファウイ選手のクロスをヘディングで代表初ゴールを決めました。ネパール戦では、シャズワン・ザイノンとのコンビネーションが悪かったコービン=オング選手でしたが、前にいるサファウィ選手とはクラブではチームメートということもあってか、サファウィ選手が積極的に動いて、空いたスペースにコービン=オング選手がオーバーラップするという動きが何度も見られました。この試合では、このコービン=オング選手と右サイドバックのデイビーズ選手が積極的に攻撃参加する場面が目立ち、効果的に機能してました。
 2点目はそのデイヴィーズ選手からのクロスをケガのシャフィク・アーマドに代わって入ったシャーレル・フィクリ(ペラTBG)が、6点目も同じデイヴィーズ選手のクラスをやはり途中出場のファイズ・ナシル(スランゴールFA)がダイレクトボレーでともに公式戦初ゴールを決めました。
 この試合のダイジェストはこちらです。

東ティモールもタイリーグ3部のノース・バンコク大学FCでプレーする18歳のキャプテン、ジョアン・ペドロが後半開始早々にドリブルで持ち込んでゴールを決めますが、反撃もここまででした。
 東ティモールは、インドネシアに併合されるまではポルトガルの植民地であったこともあり、かつては同じポルトガルの植民地という歴史を持つブラジル出身の選手を多数帰化させた過去(しかし出生証明書の偽造により、2017年には罰金とアジアカップ2023年大会予選参加を禁じる処分をAFCより受けています)もありますが、近年は国内リーグが活発になり、最年長が24歳、最年少は15歳という今回の代表選手もその国内リーグでプレーする選手たちで構成されています。また監督はグアム代表やブータン代表の監督経験もあり、同国のU15やU19の監督を経て、昨年12月にフル代表の監督に就任した築舘範男(つきたてのりお)氏です。(下は試合前の記者会見の様子。左から東ティモール代表のジョアン・ペドロ主将、築舘監督、マレーシア代表のタン・チェンホー監督、ファリザル・マーリアス主将-FAMのFacebookより)

今回の一次予選はホームアンドアウェイ形式で行われますが、自国内にAFCの規格にあった競技場がない東ティモールは、ホームの試合も同じマレーシアのブキ・ジャリル国立競技場で6月11日(火)に行います。

6月6日のニュース:明日のWC一次予選メンバーが発表、スタジアム管理会社はWC予選までにピッチを整備すると約束

明日のWC一次予選メンバーが発表
明日6月7日(火)の東ティモール戦から国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会の予選が始まるマレーシア代表。マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、このアジア一次予選の登録メンバー23名が発表されています。
 5月27日から始まっていた代表候補合宿で招集された26名のうち、5月18日のPKNP FC戦で足首を痛め、27日の合宿初日に合流したもののその後の練習には参加していなかったDFシャミ・サファリ(スランゴールFA)、6月2日のネパール代表選では先発したものの、やはりケガのため途中退場となったMFアブドル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)、そして今回初めて代表候補合宿に参加したロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ(PKNS FC)の3選手が外れることになりました。
 昨年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで主力選手として活躍し、素晴らしいゴールを決めたシャミ選手が欠けるのは痛いですが、すでに代表でプレーしているFWサファウイ・ラシド、FWアキヤ・ラシド(ともにジョホール・ダルル・タクジムJDT)らとU23代表でプレーしたMFシャマー・クティ・アバ、DFドミニク・タン(ともにJDT)やファイザル・ハリム(パハンFA)が残るなど、世代交代も徐々に進み、今回の23名の代表選手のうち30歳代はキャプテンGKファリザル・マーリアス(33歳、JDT)、FWノーシャルル・イドラン・タラハ(33歳、パハンFA)、FWシャズワン・ザイノン(30歳、スランゴールFA)の3名だけです。

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス33JDT
ザリフ・イルファン24PKNS FC
イフワン・アクマル23クダFA
DFアダム・ノー・アズリン23JDT
ラヴェル・コービン=オング28JDT
ドミニク・タン・ジュンジン22JDT II
シャズワン・アンディック23JDT II
マシュー・デイヴィズ24パハンFA
シャルル・サアド26ペラTBG
イルファン・ザカリア24KLFA
MFアクラム・マヒナン26PKNS FC
ケニー・パッラジ・ダバラギ26ペラTBG
ファイズ・ナシル27スランゴールFA
シャマー・クティ・アバ22JDT II
ノー・アザム・アジ24パハンFA
FWアキヤ・ラシド20JDT
サファウィ・ラシド22JDT
シャフィク・アーマド24JDT
モハマドゥ・スマレ25パハンFA
ノーシャルル・イドラン・タラハ33パハンFA
ファイサル・アブドル・ハリム21パハンFA
シャズワン・ザイノン30スランゴールFA
シャーレル・フィクリ25ペラTBG

スタジアム管理会社はピッチを最善にすると約束
6月2日(日)に行われたマレーシア代表とネパール代表の国際親善試合の会場となったブキ・ジャリル国立競技場は、試合後に両チームの監督からピッチの状況を酷評されましたが、この競技場の管理会社であるマレーシア・スタジアム社は、6月7日(金)と6月11日(火)の両日に行われる国際サッカー連盟FIFAワールドカップアジア一次予選の対東ティモール戦に向けて、試合当日にはマレーシア代表が最善の状態で試合に臨めるよう保障する、マレー語紙ブリタ・ハリアンの電子版が伝えています。
 同社のニック・ラジーン・アダム・ダウドCEOは、ピッチの状態を最善に保つための努力はこれまでも行ってきているものの、ここ数日間の天候不順によりそれが難しくなっていたことを認めています。今回もマレーシアサッカー協会FAMの要望に応えて芝(正確にはこちらではカウグラスと呼ばれる幅の広い草)を短く刈る予定だったが、連日の豪雨でピッチが非常に柔らかくなっており、結局、要望通りのピッチが提供できなかったと言い訳しています。さらにブキ・ジャリル国立競技場のピッチに使われているカウグラスは高質のものなので、世界でもトップレベルのピッチが提供できているとも発言しています。
 ちなみにこの記事の最後の部分はマレーシアでよく言われる「設備は一流、その維持は三流」を地でいく発言なので、記事を読んだ際、思わず吹き出してしまいました…。と言うのは、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチが問題になるのが今回が初めてではないからです。2013年8月には、プレシーズンツアーで東南アジアを回っていたチェルシーやバルセロナといったクラブが、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチの悪さにプレーを拒否し、最終的にスランゴール州のシャー・アラムスタジアムへと会場を変えて試合を行い、当時の青年スポーツ省大臣が「このようなピッチで試合をすれば世界に恥をさらすことになる」と述べたこともありました…

6月5日のニュース:国際親善試合でマレーシアはネパールに勝利、両チーム監督は芝の状態に不満、

6月2日
国際親善試合(会場:ブキ・ジャリル国立競技場、クアラ・ルンプール)
マレーシア代表2-0ネパール代表
得点者:マレーシア代表-サファウィ・ラシド(51分PK)、シャールル・サアド(80分)

国際親善試合でマレーシアはネパールに勝利
観戦記にも書きましたが、6月2日(日)に行われた国際親善試合(国際Aマッチ)で、マレーシア代表がネパール代表に2-0で勝利しました。87000人収容可能なブキ・ジャリル競技場での試合は、公式発表では観衆3797人とフル代表の試合としては少々寂しいものでした。しかもメインスタンドのアウェイ席にはネパール側サポーターがかなり入っていましたので、マレーシア側のサポーターの数は3000人を切っていたかも知れません。
 6月7日(金)と11日(火)に行われる国際サッカー連盟FIFAワールドカップのアジア一次予選の準備として行われたこの試合は、FIFAランキングでは、ネパールの161位に対してマレーシアは168位と格下ですが、これにはスウェーデン人ヨハン・カリンネパール代表監督も驚いていると発言しています。
 フル代表が年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップでの準優勝、U23代表はアジアサッカー連盟AFC U23選手権でベスト8、U19代表がAFF U19選手権で優勝し、AFC U19選手権でも12年ぶりに本戦出場を果たすなどが、2018年は明るいニュースが多かったマレーシアのサッカー界ですが、言い換えればここまでFIFAランキングが下がってしまうほど、それ以前のマレーシアサッカー界の闇は深かったということです。

両チーム監督は芝の状態に不満
この試合後、マレーシア代表のタン・チェンホー監督、ネパールの両代表監督はグラウンドコンディションの悪さについて言及しています。
 早いペースのポゼッションサッカーを目指すタン マレーシア代表監督は、多くの得点機を逃した理由とするわけではないとしながらも、グラウンドコンディションの不良で思うようなサッカーができなかったとしています。質の高いサッカーをするのは不向きなグラウンドコンディションが直ちに改善されることを望んでいるとも発言しています。
 試合直前まで、クアラ・ルンプールとその周辺は豪雨に見舞われていましたので、それが影響していることもありますが、柔らかく湿った芝には、ネパール代表のヨハン・カリン監督も不満を述べていました。
 これについて、マレー語紙ウトゥサン・マレーシアの電子版では、国立競技場を監理するマレーシア・スタジアム社のCEOは、この両監督の不満に足してグラウンドは試合可能な状態だったと反論する記事を掲載していますが、その一方で、5月25日に同じ会場で行われたアジアラグビー選手権のマレーシア対韓国戦でグラウンドコンディションが影響を与えたかも知れないとも発言しています。
 数日後には大事なFIFAワールドカップの予選が控えるマレーシア代表にとってホームでのアドバンテージとなるブキ・ジャリル競技場の芝に苦しまないことを祈るばかりです。

観戦記:6月2日国際親善試合マレーシア代表対ネパール代表@ブキ・ジャリル国立競技場

断食月中ではありますが、今月7日にはFIFAワールドカップ2022年大会のアジア一次予選を控えるマレーシア代表は、ネパール代表をブキ・ジャリル国立競技場に迎え、練習試合を行いましたので、観戦に行ってきました。
 ブキ・ジャリル国立競技場での観戦は数年ぶりです。

オープンスタンドのチケットは20リンギ(約520円)でした。写真右は暗くてわかりにくいですが、窓口上の料金表です。練習試合ということもあってか手書きでした…。なお料金表一番下のKanak-kanakは子どものチケット代です。

人口約3200万人のマレーシアは、2018年時点で外国人労働者の数が180万人おり、非合法の労働者も含めればその数は600万人とも言われています。その内、ネパール人労働者は約50万人いるそうです。ということで、マレーシアに住んでいるであろうネパール人サポーターも大挙観戦に来ていました。またスタジアムの外にはネパール国旗をプリントしたTシャツを売る店もありました。

1998年に建てられたブキ・ジャリル国立競技場は、東南アジアではインドネシアのジャカルタにあるゲロラ・ブン・カルノ競技場に次ぐ87,411名収容のスタジアムです。2017年にはクアラ・ルンプール(KL)が東南アジア競技大会の開催地となったため、大幅な改修工事が行われたのは知っていましたが、久しぶりに足を運んでみると見違えるほど綺麗になっていました。スタンドには車椅子での観戦席も整備されています。

マレーシアの他のスタジアムや公共施設では考えられないほど、トイレが綺麗なのはある意味感激でした。

二日後にある断食明けのお祝いハリラヤは、日本で言えば正月にあたるイベントで、地方出身者にはKLから実家へ帰省する人が多く、この日も試合開始1時間前はスタンドはガラガラでした。さらに2階席へは入れず、売店も閉まっていました…。

そうこうしている内に両チームのスタメンが発表になりました。マレーシアは主力選手で帰化選手のムハマドゥ・スマレ(パハンFA)が、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップ決勝(の試合後の暴言)で4試合の出場停止処分を受けており、今日の試合には出場できません。以下は両チームの先発メンバーです。発熱で体調不良が報じられていた新キャプテンのファリザル・マリアスもスタメンです。

両国の国旗に続いて選手が入場、そして国歌演奏という流れでインターナショナルマッチの雰囲気が高まりました。

前回のエアマリンカップでは、チケット代が高すぎるとして代表戦ボイコットを宣言したウルトラス・マラヤの皆さんもこの日は三々五々とやってきました。ゴール裏の席は開場されていなかったため、微妙な位置で応援です。

いよいよ試合開始。開始時刻は午後10時でした。

前半はほとんどの時間がネパール側サイドでのプレーでした。開始早々はチャンスが何度かあったものの、その後はネパールはいわゆる「大型バスをゴール前に駐車」し。マレーシアはパス回しはできるものの、ゴールへ向かってシュートを打つことがほとんど来ませんでした。

前半は両チーム無得点で終了。

マレーシアの競技場内は完全禁煙なのですが、ウルトラス・マラヤの皆さんは全く御構い無しの様子で、ハーフタイム中は皆さんの周りは煙が蔓延していました。

後半に入るとマレーシアのタン・チェンホー監督は、アキヤ・ラシド、ドミニク・タン、ファイザル・ハリム、シャマー・クティ・アバら、エアマリンカップと同時期に行われていたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選のため招集できなかったU23組を次々と投入しました。
 そして51分には、アキヤ・ラシド(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)がゴール前で倒されPKを獲得。これをサファウイ・ラシド(JDT)が決めてマレーシアが先制します。

さらに82分にはシャールル・サアド(ペラTBG)がヘディングシュートを決めて2点目を奪います。

断食月ということもありコンディショニングが難しかったのだと思いますが、試合には勝ったものの、素人目では全体的に組織的プレーを意識しすぎた結果、クラブでは積極的に攻撃に参加するコービー・オング(JDT)やエースのサファウイ・ラシドが生きず、スピード感に欠ける試合という印象でした。
 またスマレ選手とポジションを争うシャズワン・ザイノン(スランゴールFA)やシャフィク・アーマド(JDT)もインパクトを残せませんでした。そんな中、空回りする場面も多かったのですが、アキヤ・ラシドやファイザル・ハリム(パハンFA)が持ち前のスピードで何度か突破を図ろうとするなど、これまでの代表にはなかった攻撃パターンも生まれそうな印象でした。

6月1日のニュース:FAMはU19代表監督との契約を更新しないことを決定、フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴

FAMはU19監督との契約を更新しないことを決定
マレーシアサッカー協会FAMは、来月7月末に契約が切れるU19代表のボジャン・ホダック監督(48)との契約を更新しないことを執行委員会の全会一致で決定したと、マレー語紙スカン・シナールの電子版が伝えています。
 ホダック監督は2017年にU19代表の監督に就任し、2018年にはアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権でマレーシアを初優勝に導いただけでなく、アジアサッカー連盟AFCのU19選手権へも12年ぶりにマレーシアを出場させるなど、実績は申し分ありませんが、歯に衣着せぬ発言がメディアで取り上げられ、その結果FAMと関係が悪くなる、というケースが何度かありました。直近では、今年3月に福岡県の宗像市で行われたサニック杯国際ユースサッカー大会で日本の高校チームなどに敗れ12位となった際には、マレーシアのサッカー選手養成システムを批判し、FAMから警告処分を受けていました。なお、MFLのスチュアート・ラマリンガン事務局長は、この発言と契約を更新しないこととは無関係であるとしています。
 ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)やケランタンFAを率いた経験もあるホダック監督はマレーシアの永住権を持っていますが、契約終了後は自国のクロアチアへ帰国してUEFAのプロコーチライセンスコースに参加した後、少し休養を取ってから、次の仕事を決めたいとしています。その際にもお金ではなく、自分が興味を惹かれるような仕事を選ぶだろうと語っています。
 なお、後任にはオーストラリア出身のブラッド・マローニー(47)U23代表アシスタントコーチの名前が挙がっています。取材に対して、FAMのテクニカルダイレクターを務めるオランダ人のピーター・デ・ルーは具体的には後任候補の名前は口にしなかったものの、FAMが挙げる条件としては各年代で同じ指導方針が取れることとしており、外部からの招聘(しょうへい)はなさそうです。

フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴
明日6月2日(日)は国際サッカー連盟FIFAワールドカップのアジア一次予選前の練習試合となるネパール代表との試合が行われますが、この試合に先駆けて選ばれた代表候補選手の中には所属クラブでレギュラーとは言えない選手が複数名含まれていることから、フル代表のタン・チェンホー監督の選手選考に疑問の声が上がっていると、英字紙スターの電子版が伝えています。
 具体的にはファイザル・ハリム(パハンFA)、ケニー・パッラジ・ダバラギ(ペラTBG)、シャズワン・アンディック、シャマル・クティ・アバ(ともにジョホール・ダルル・タクジム、JDT)らが該当しますが、これらの選手たちを選んだことについて、タン監督は各監督にそれぞれの戦略があり、その戦略にあった選手を選択した結果であるとしています。その一方で、タン監督就任以来、代表チームのキャプテンを務めてきたザクアン・アドハ・アブドル・ラザク(クダFA)が今回選ばれなかったことについては、今後も再び先行される可能性がザクアン選手はもちろん、それ以外の選手にもあるとしています。
 ちなみにファイザル・ハリム、シャズワン・アンディック、ジャマル・クティ・アバは、今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選に参加したU23代表の主力選手だったので、年齢の割には経験を積んできている選手たちなので、タン監督がフル代表に新しい血を入れたいと考えているのであれば、まさに正しい人選だと思えます。(写真は明日7月2日のネパール代表戦前の記者会見の様子、左からネパール代表ビラジ・マハルジャン主将、同ヨハン・カリン監督(スウェーデン)、マレーシア代表タン・チェンホー監督、同ファリザル・マリアス主将

5月31日のニュース:残念!苅部選手はKLFAを退団、代表の新キャプテンはGKファリザルが就任、チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留

残念!苅部選手はKLFAを退団
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するクアラルンプール(KL)FAの公式FacebookページであるKuala Lumpur Hawksは、苅部隆太郎選手が退団し、代わって韓国人DFのノー・ヘンソックが入団すると発表しています。
 Kuala Lumpur HawksのFacebookでは、個人的な事情で退団とされていますが、KLFAについての記事がよく掲載されるオンラインメディアのスポータイムズでは、ご家族の健康不良が理由で帰国を希望し、自ら退団を申し出たと報道しています。リーグ戦とFAカップの予選を合わせると今シーズンは15試合に出場していた苅部選手は、ここ数試合はチームの戦術もあり守備的MFと言うよりもDFとして出場していました。苅部選手、お疲れ様でした。
 前節第15節では、降格を争うPKNP FCを4-1で一蹴して勢いづいているKLFAは、プタリン・ジャヤ(PJ)レンジャーズからDFラフィ・アジザン・マリアペンを、またPKNS FCからシャフィク・シャハルディンも獲得しています。
(左はTerima kasih. Selamat maju jaya.(マレーシア語で「ありがとう。グッドラック」の意)とともに苅部選手退団を伝えるFacebookポスト。右は新入団のノー・ヘンセク選手を紹介するFacebookポスト)

代表の新キャプテンはGKファリザルが就任
マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、マレーシア代表チームの新キャプテンにMFL1部ジョホール・ダルル・タクジムのGKファリザル・マリアスが就任したと、代表チームの練習を訪問したマレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が発表しています。ファリザル選手は6月2日に行われるネパール代表との親善試合からキャプテンを務めます。
 これまでフル代表のキャプテンを務めてきたMFL1部クダFAのモハマド・ザフアン・アドハ・アブドゥル・ラザクが今回は代表候補合宿のメンバーに選出されていないため、ファリザル選手は6月2日の親善試合だけでなく、6月7日と11日に行われる東ティモール代表とのFIFAワールドカップアジア一次予選でもキャプテンを務めます。(写真は代表候補合宿の様子を伝えるFAMのFacebookポストより。右から二人目が新キャプテンのファリザル・マリアス選手)

チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留
MFL1部トレンガヌFCのカンボジア出身チエリー・チャンタ・ビンは、結局、残留となったことをハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 先日、イゴール・ゾンジックが退団した際に、チャンタ・ビン選手も続くのではと、このブログでも書きましたが、ハリアン・メトロの記事によると、トレンガヌFCは*アセアン枠を使ってタイU23代表でタイ1部リーグで現在、首位を走るポートFCのMFサンサーン・リムワッタナーの獲得を目指していたようですが実現しなかったようです。それに続いて触手を伸ばしたのが同じMFL1部所属のPKNP FCの同じカンボジア人MFチャン・ワタナカでしたがこちらも実現せず、結果的にチャンタ・ビン選手の残留となったようです。
 チャンタ・ビン選手残留で、トレンガヌFC移籍の噂が出ていたケランタンFAを退団したばかりのブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスは、結局、他のクラブを探すことになりそうです。
 *アセアン枠:MFL1部の各クラブは5名の外国人枠を持っていますが、そのうち三つは無条件ですが、残る二枠のうち、一つはアジア出身の選手対象、もう一つはアセアン(東南アジア諸国連合)出身選手枠となっています。例えばトレンガヌFCであれば、チェチェ・キプレ(コートジボワール)、リー・タック(イングランド)、ルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロ(ブラジル)は無条件枠の外国人選手ですが、サンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)はアジア選手枠、チエリー・チャンタ・ビンはアセアン枠での契約となっています。