8月8日のニュース:FAMや州サッカー協会の反論に選手会がコメント、AFF U18選手権開幕、FAMはコーチを日本へ派遣

FAMや州サッカー協会の反論に選手会がコメント
 マレーシアプロサッカー選手会PFAMのイズハム・イスマイルCEOが、現在マレーシアサッカーリーグMFL所属の12クラブが総額約640万リンギ(約1億6300万円)の未払い給料があることを発表したことに対して、ヌグリ・スンビラン州サッカー協会を貶めるものだとして事務局長が謝罪を要求したり、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が内容が不正確で無責任であると応酬した件で、PFAMのイズハムCEOが新たにコメントを発表したことをマレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版が伝えています。
  イズハムCEOは記事の中で、発表内容はFAMやMFLに向けたものではなく、給料未払い問題を抱えるクラブに対して、滞りなくその問題を解決することに意識を向けさせるためのものであるとした上で、給料未払い問題の速やかな解決を求めているFAMのラマリンガム事務局長自身が反論したことに驚いたとも述べています。
 さらに、給料未払い問題は全て解決済みであるとして、いわれのない抽象であるとして選手会に対して公式謝罪を求めたヌグリ・スンビランFAを統括するヌグリ・スンビラン州サッカー協会に対しては、昨シーズン中にパハンFAから期限付き移籍したブラジル人DFアレックス・モラエスの給料はパハンFAとヌグリ・スンビランFAが折半するとしたものの、両クラブとも支払い期限の今年7月31日までに給料を支払っておらず、実際に支払ったのはPFAMによる発表の2日後であったことを指摘し、マラッカ・ユナイテッドについては、MFLから補助金が支給済みにも関わらず、給料未払い状態が継続していること、ケランタンFAでは、一部の選手に対して5年間も給料未払い状態が続いていることを指摘しています。
 給料の未払い問題はプロリーグの根幹に関わる重要な問題であるにも関わらず、「無責任」「事実無根」といった厳しい言葉で反論し、選手会との断絶も示唆するような発言をしたラマリンガム事務局長に対しても失望していると、選手会のイズハムCEOは発言しています。
 この問題についてFAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も給料未払い問題が存在することは認識している一方で、給料未払い問題の影響はFAMが推し進める長期プランには影響はほとんどないだろうと、マレー語紙ブリタ・ハリアンに語り、選手会のイズハムCEOの発言は単なる人気取りが目的なのではないか語るなど、選手会側とFAMの間には認識に齟齬(そご)があることが見て取れます。

AFF U18選手権開幕
 U15選手権に続き、アセアンサッカー連盟AFF U18選手権がベトナムのホーチミンで開幕しました。東南アジア諸国連合ASEANの各国とオーストラリアの12カ国が参加するこの大会では、開催国ベトナム、マレーシア、オーストラリア、タイ、シンガポール、そして日本人の行徳浩二監督が率いるカンボジアがグループB、インドネシア、東ティモール、ラオス、ミャンマー、フィリピン、ブルネイがグループAに分かれて予選ラウンドを戦います。
 オーストラリア人のブラドレー・マローニー新監督が率いるマレーシアは、ディフェンディングチャンピオンとして大会に臨みますが、開幕戦でベトナムと対戦し、1−0で敗れています。

FAMはコーチを日本へ派遣
 英字紙スター電子版は、マレーシアサッカー協会FAMと日本サッカー協会JFAの間で今年4月に締結された基本合意書MOUに基づき、マレーシア人コーチが日本へ派遣されることになったと報じています。
 FAMの代表団は8月26日に日本へ向けて出発しますが、マレーシアサッカー指導者協会FCAMの会長で、マレーシアフットボールリーグMFL1部スランゴールFAのサティアナタン・バスカラン監督は、特に若手コーチがJFAとの協力関係をりようして様々な知識を学んで欲しいと語っています
 またこのような機会を設けたFAMに感謝の意を表すとともに、FAMの国内サッカー再生プロジェクトであるマレーシアフットボールDNAプロジェクトのためにFCAMも協会メンバーであるマレーシア人コーチを育てていきたいとしています。

8月7日のニュース:U15代表はAFF選手権準決勝進出、FAMやチームは選手会の発表に反論、デ・パウラは帰化選手として代表でプレーすることを希望

U15代表はAFF選手権準決勝進出
 タイのチョンブリで開催中のアセアンサッカー連盟AFFU15選手権で、マレーシアU15代表は、グループステージ最終戦でタイと1-1で引き分け、グループBの首位で準決勝へ進出を決めました。開幕から3試合連続の完封勝ちと好調だったマレーシアは、4試合目のラオス戦にも快勝して準決勝進出を決めるかと思いきや、80分を過ぎたアディショナルタイムに相手のオウンゴールで辛くも1-1の引き分け。しかも最終戦のタイ戦も同様にアディショナルタイムに相手のオウンゴールで2試合続けて1-1の引き分けでした。
 選手の資格問題なども含め、今大会台風の目となった東ティモールとの最終戦1-0で辛勝したベトナム(グループA2位)との準決勝に勝利すれば、もう1試合の準決勝インドネシア(グループA1位)対タイ(グループB2位)の勝者と決勝戦で対戦します。(以下はグループステージの結果-マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

FAMやチームは選手会の発表に反論
 マレーシアフットボールリーグMFL所属の12クラブが総額およそ640万リンギ(約1億6300万円)の未払い給料を抱えていることをプロサッカー選手会PFAM(以下「選手会」)のイズハン・イスマイルCEOが行なった記者会見で明らかにしましたが、これに対して、マレーシアサッカー協会FAMや記者会見で具体的に名前を挙げらたクラブから反論が上がっていると、英字紙スター電子版が伝えています。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はの発表は不正確であり、かつ職業倫理に反するものであると非難しています。ラマリンガム事務局長は反論の中で、ヌグリ・スンビランFAについては、係争中の未払い給料問題はFAM、国際サッカー連盟FIFAのいずれにも報告されていないとし、パハンFAについては同様の問題がFIFAに報告されていたもののの既に解決済みであるとしています。また、マラッカ・ユナイテッドは1件の給料未払い問題がFAMに、2件がFIFAに報告されているもののの資格委員会の最終的な判断を待っており、プルリスFAやケランタンFAは新たな経営陣が経営状況を安定させるために努力をしている状況下で、選手会による発表は問題解決の役に立たないどころか、状況を悪化させかねないと選手会を非難すらする逆ギレに近いコメントを出しています。
 さらに既に解散したクラブに関してはFAMの管轄外であると責任放棄の発言し、個々の選手に訴訟を起こすように促しています。
 また選手会に名前を挙げて非難されたヌグリ・スンビランFAのサトワント・シン事務局長は、先月末には未払い給料問題は解決したとし、選手会の発表を無責任な発表であると非難しています。
 とは言え、そもそもプロ選手に対して給料未払い問題が存在すること自体が問題であり、たかだか数週間前にやっと解決したくらいで選手会に謝罪を要求する州サッカー協会の姿勢や、そういった状態をこれまで放置してきながら、選手会との関係断絶をちらつかせるFAMの危機感のなさこそが、この問題の根源のように思えます。選手会のイズハンCEOの「選手は奴隷ではない。」という言葉の重みをどれだけのFAMやMFL、そして国内クラブの経営者が理解しているかは疑問です。

デ・パウラは帰化選手として代表でプレーすることを希望
 クアラ・ルンプール(KL)FAでプレーするブラジル出身のFWギリェルメ・デ・パウラは、マラッカ・ユナイテッドのコソボ出身MFリリドン・クラシニキとともに帰化選手としてマレーシア代表でプレーできるよう、FAMがマレーシア市民権取得申請書類を内務省に提出した最終候補です。
 マレー語紙ウトゥサン・マレーシア電子版の記事で、このデ・パウラ選手は今年9月から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選までに帰化申請が完了し、代表に招集されることがあれば、最高のパフォーマンスを見せたいと語っています。母国ブラジルでは代表経験のない33歳のデ・パウラ選手は、マレーシア人となってマレーシア代表としてプレーすることができれば名誉なことだと語り、その可能性を与えてくれたFAMに感謝するとともに、代表のユニフォームを着られるように努力したいと述べています。
 今年11月31日にKLFAとの契約が切れるデ・パウロ選手について、FAMの帰化プログラム委員会のダト・モハマド・ユソフ・マハディ委員長は、デ・パウロ選手とクラシニキ選手は、まず市民権付与に値する選手であることを証明する必要があり、さらに帰化申請中のフィットネスレベルと試合でのパフォーマンスが代表招集の際の参考になるだろうと述べています。

8月3日のニュース:AFF選手権でU15代表が快進撃、FAMがFBポストについて謝罪、金メダルを獲得してOCMの期待に応えたい-U23監督

AFF選手権でU15代表が快進撃
 タイで開催中のアセアンサッカー連盟AFF U15選手権に出場中のマレーシアU15代表は、グループステージの3試合目となるオーストラリア戦に3−0と快勝し、初戦のブルネイ戦8-0)、第2戦のカンボジア戦2-0)から3連勝となりました。
 出場チーム中、ここまで唯一の無失点のマレーシア代表は勝点9となり、予選グループBのトップに躍り出ました。このグループでは同じ勝点9ながら得失差により2位のタイ、そしてオーストラリアが勝点6の3位となっています。
 AFFの公式サイトでも「サプライズ」と評されたオーストラリア戦の勝利で、マレーシアは準決勝進出に近づきました。残る試合はここまで1勝2敗と苦しむラオス戦、そしてグループステージ最終戦がタイ戦となっています。
 また予選グループAは4試合を終了し、東ティモール(3勝1分0敗)、インドネシア(3勝1分0敗、得失差により2位)、ベトナム(3勝0分1敗)という上位3チームになっています。

FAMがFBポストについて謝罪
 上記でも取り上げたU15代表のオーストラリア戦後にマレーシアサッカー協会FAMがFacebookに上げたポストに対し、多くの非難が集まったことからFAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長が謝罪と真意の説明を行う新たなポストを行うと同時に、問題となったポストが削除されています。
 削除されたポストでは、U15代表の快進撃を称える一方で、この成功はFAMによるマレーシアフットボールDNAプログラムによるものであるとも書かれていたため炎上してしまいました。マレーシアフットボールDNAプログラムとは、7月初旬に発表されたばかりの選手育成プログラムで、今回のU15代表の活躍の手柄をFAMが横取りしようとしていると、非難のコメントが集まっていました。
 特に今回のU15代表チームは、国家代表選手養成プログラムNFDPによって運営されているモクター・ダハリアカデミー出身の選手が大半を占めていますが、このNFDPは昨年、マレーシアで行われたAFCU16選手権ではグループリーグ敗退によって、このプログラムを統括する青年スポーツ省大臣から非難を浴び、当時のU16代表のリム・ティオンキム監督が解任されるなどの扱いを受けていたため、そういった経緯に触れずに新たなプログラムの成果を主張するポストを上げたFAMが火だるまになったわけです。なおFAMによる謝罪のポストに対するコメントの中には解任されたリム・ティオンキム前監督に感謝するコメントも多く見受けられます。

金メダルを獲得してOCMの期待に応えたい-U23監督
 今年12月にフィリピンで開催される東南アジア競技大会SEA games(シーゲームズ)は、オリンピックの東南アジア版とも言える大会で、オリンピック同様、サッカーでは各国のU23代表が出場してメダルを争います。東南アジア諸国連合ASEAN(アセアン)各国のフル代表がAFF選手権スズキカップの優勝を目指すとすれば、U23代表は2年に1度開催されるシーゲームズでの金メダル獲得が目標となります。
 このシーゲームズはオリンピックのミニ版なので、最終的な出場の判断などはマレーシアオリンピック委員会OCMが決定権を持っていますが、今年のシーゲームズでは、U23代表でもあるサッカー男子マレーシア代表は、カテゴリーAのチームとしてOCMが派遣することになったと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。カテゴリーAとは、シーゲームズ出場費用をOCMが全額負担する待遇で、金メダルが有望な個人やチームに与えられるカテゴリーです。(ちなみにカテゴリーはCまであり、カテゴリーCになると、メダルが取れない場合にはOCMが負担した費用全額を返済しなければなりません。つまりメダルが取れないのに参加したいなら、全て自腹で行く覚悟をしろ、というカテゴリーです)
 これまでマレーシア男子サッカー代表は、カテゴリーA待遇を受けたことがなく、大会前にOCMとFAMの間でカテゴリーの決定で揉めることが何度もありました。今回のカテゴリーA待遇扱いについて、U23代表のオン・キムスイ監督は、OCMがマレーシア男子代表に金メダル獲得を期待していることを表すものなので、その期待には応えたいとしています。
 過去5大会を振り返ると過去3大会はタイが優勝(2017年、2015年、2013年)、その前の2大会はマレーシアが優勝(2009年,2011年)しています。なお前回2017年大会はマレーシアが開催国となりましたが、マレーシア代表は地元ファンの前でタイに1-0で敗れています。

7月23日から24日のニュース:FAカップ決勝は日本人審判団が担当、マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却、ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める、U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる

FAカップ決勝は日本人審判団が担当
 当地の英字紙スター電子版は、7月27日(土)に開催されるマレーシアFAカップの決勝戦ペラTBG対クダFAの試合は日本人審判団が担当すると伝えています。
 マレーシア人審判に対しての国内の評価は低く、また昨年のもう一つのカップ戦マレーシアカップでは、プレーした選手ではなく審判の判定で注目を浴びたこともあり、外国人審判の採用が噂されてきました。
 FAカップを主催するマレーシアフットボールリーグMFLのケヴィン・ラマリンガムCEOによると、マレーシアサッカー協会FAMとパートナーシップ協定を締結している日本サッカー協会JFAが選抜する審判団は主審1名、副審2名の計3名で構成され、マレーシア人の第4審判がこのチームに加わることを記者会見で明らかにしています。

マレーシアの富豪がMLSチームの株を売却
 マレーシアで不動産から旅行業やホテル経営、セブンイレブンやスターバックスなどの国内フランチャイズ権を持つ企業体ブルジャヤグループの創業者のタン・スリ・ヴィンセント・タン氏がメジャーサッカーリーグMSLのロスアンゼルスFC(LAFC)の株式20%の売却を検討していると、英字紙スター電子版が報じています。
 記事によれば、この株式売却は、タン氏がいずれもオーナーを務めるイングランドフットボールリーグEFLチャンピオンシップ(イングランドプレミアリーグEPLの一つ下のリーグ)のカーディフ・シティFCとベルギー1部リーグのKVコルトレイクの経営に注力するためだとしています。特にタン氏が愛するカーディフ・シティFCはわずか1年でEPLからEFLチャンピオンシップへ降格となったため、LAFCの株式売却で得られる1億米ドルとも1億5000万米ドルとも言われる資金が、カーディフ・シティFCのEPL復帰に向けて使われるだろうとしています。

ペナン州サッカー協会がCASに仲裁を求める
 英字紙スター電子版は、国際サッカー連盟FIFAの裁定によりMFL2部プレミアリーグでの勝点6を剥奪(はくだつ)され、その結果、1部スーパーリーグへの昇格の機会を失ったペナンFAパンサーズを運営するペナン州サッカー協会FAPは、スポーツ仲裁裁判所CASに対してFIFAの裁定に対する不服申し立てを行なったと報じています。
 記者会見の席でFAPのアマル・プリトパル・アブドラ会長は、過去の経営陣による失態によって、今シーズンのリーグ戦での勝点剥奪というFIFAの処分には失望しているとし、アマル会長以下新経営陣は、勝点6剥奪処分が撤回されれば、その代償として罰金を支払う用意があるとしています。
 この記者会見には、ペナン州政府青年スポーツ委員会のスン・リップチー会長も同席し、ペナン州政府が毎年、500万リンギ(約1億3000万円)以上をペナンFAパンサーズに提供してチームを強化してきているとし、選手とコーチ陣の努力の結果である1部昇格が実現することを強く希望していると述べています。

U15代表がAFF U15選手権へ向けて調子を上げる
 タイのチョンブリで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U15選手権に出場するマレーシアU15代表が、中国で開催された国際大会で優勝し、好調を維持してタイに出発できそうだと、英字紙スター電子版が伝えています。
 中国のの海口(ハイコウ)で開催され、イラン、中国、北朝鮮が参加して総当たり方式で行われた大会で、マレーシアはイランに2-0で勝利中国とは1-1で引き分け、最終戦の北朝鮮には2-1で勝利し、優勝を果たしています。
 7月27日から8月9日までの期間で開催されるAFF U15選手権で、マニアム・パチャイアパン監督が率いるマレーシアU15代表は、開催国タイ、ラオス、カンボジア、ブルネイ、オーストラリアとともにグループBに入っています。
 なおこのU15代表のメンバーはこちらです。

5月13日のニュース:AFF U18選手権の候補選手が発表、AFC U19とU16の予選組み分けが決定

AFF U18選手権の候補選手が発表
アセアンサッカー連盟AFF U18選手権に出場する代表の候補合宿参加の選手がマレーシアサッカー協会FAMのホームページで発表されています。
 大会は8月5日から18日までベトナムで開催されますが、今回の合宿は5月14日から24日までの11日間行われます。
 ボジャン・ホダック監督が選んだ候補選手の中には、昨年、クアラルンプールで開催されたアジアサッカー連盟AFC U16選手権で得点王の一人となったルクマン・ハキム・シャムスディンも含まれています。ルクマン選手は今年3月に福岡県で行われたサニックス杯国際ユースサッカー大会に参加したマレーシアU19代表のメンバーでもあり、そこでの活躍からJリーグのセレッソ大阪での練習参加という話も出ている選手です。
 *所属の一つAMDはAcademi Mokhtar Dahari(モクター・ダーリ・アカデミー)の略で、マレーシア政府のスポーツ青年省が2016年に8500万リンギ(約22億円)をかけて開設した、ユースアカデミーを中心としたサッカー総合トレーニング施設です。

氏名年齢所属
シク・イズハン・ナズレル・シク・アズマン17AMD
アリ・イムラン・スカリ17AMD
ルクマン・ハキム・シャムスディン17AMD
ムハマド・ライミ・シャムスル17AMD
ハリス・ハイカル・アダム・アフカル17AMD
ムハマド・フィルダウス・ラムリ17AMD
ムハマド・ウマル・ハキーム・スハル・レズアン17AMD
アイマン・ハイカル・アズマン17AMD
サラヴァナン・ティルムルガン18スランゴールFA
ムハマド・フィルダウス・アブドル・ラザク18スランゴールFA
ムハマド・イクマル・ラムラン18スランゴールFA
ムハマド・ワジフ・ナザライル18フェルダ・ユナイテッド
ムハマド・ヤジド・アズミ18フェルダ・ユナイテッド
ムハマド・アダム・マリック・ダニエル・アディ17フェルダ・ユナイテッド
フィルダウス・イルマン・モハマド・ファディル18PKNP FC
ムハマド・ムカイリ・アジマル・マハディ18PKNP FC
ムハマド・ハキミ・マット・イサ18PKNP FC
ムハマド・イルハム・シュクリ・ジャマルディン18JDT
チア・ルオハン18JDT
ムハマド・アズミ・アルアミン・カマルディン18クアラルンプールFA
ムハマド・イルファン・ファイズ・モハマド・サハルディン18クアラルンプールFA
アクマル・ハジム・イスマイル18ペラFA
サイルル・イクラム・シャフリ18ペラFA
ムハマド・アズマン・アズミ・ムラド18トレンガヌFA
ムハマド・ムスリフディン・アティック・マット・ザヒド18トレンガヌFA
ムハマド・シャフィ・アズワド・サパリ18マラッカFA
ムハマド・アイクマル・ロスラム18ヌグリ・スンビランFA
モハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル18クダFA
ムハマド・リエズマン・イルファン・ムスタファ18パハンFA
モハマド・ダニエル・イルファン・ナズリ18ペナンFA
ニック・ウマル・ニック・アジズ18PKNS FC
ギデオン・アポイ・ガナン18サラワクFA

AFC U19とU16の予選組み分けが決定
アジアサッカー連盟AFC主催のU19選手権の予選組み分けがFAMのFacebookで公開されています。
 今年の11月に行われる予選では、マレーシアはカンボジアを開催国とする予選グループGに入りました。試合日程は、11月2日対カンボジア戦、11月6日対ブルネイ戦、11月8日対北マリアナ諸島戦と続き、最終戦の11月10日が対タイ戦となっています。2020年10月(開催国は未定)に開催されるAFC U19選手権へは、各予選グループの1位に加え、2位となったチームのうち上位4チームが出場権を得ることができます。
  サニックスカップでの発言で解任の危機もあったボジャン・ホダックU19監督は、結局、このAFC U19選手権予選でもマレーシア代表の指揮をとるようです。最終戦までにどれだけ取りこぼしを少なくできるか、できれば全勝でタイと対戦したいところですが、どうなるでしょうか。

AFC U16選手権の予選組み分けも同時にFAMのFacebookで公開されています。
P・マニアム監督が率いるマレーシア代表は、今年9月に行われる予選では、ラオスで開催国となるグループJに入っています。
 試合日程は、9月18日対カンボジア戦、9月20日対ラオス戦と続き、最終戦は9月22日対日本戦となっています。2020年9月にヨルダンで開催されるAFC U16選手権へは、各予選グループの1位に加え、2位となったチームのうち上位4チームが出場権を得ることができます。
 こちらは正直、グループ首位での予選突破は難しそうなので、カンボジアとラオス相手にできるかで多くの得点を挙げて、2位のうちの上位4チームに与えられる出場権を目指すことが現実的な目標になるでしょう。

3月16日のニュース:U19代表は初勝利も11位/12位決定戦へ、U19代表監督の発言に対してFAMは懲戒処分を検討、U23代表はオーストラリアU23代表と明日対戦

U19代表は初勝利も11位/12位決定戦へ
マレーシアサッカー協会FAMのフェィスブックによる、福岡県宗像市ので開催中のサニックス杯国際ユースサッカー大会に出場中のマレーシアU19代表は今大会初勝利を挙げました。
 グループリーグで4位となった後、各グループの3位と4位が出場するグローバルアリーナ杯に回ったU19代表は、今日の試合でV・ファーレン長崎ユース相手に1-2(前半1-1)と勝利を挙げました。
 試合は柴田豊輝選手のゴールでV・ファーレン長崎に1点を先制されるも、昨年のアジアサッカー連盟AFC U16選手権で得点王となったルクマン・ハキム・シャムスディンが35分に同点ゴールを決めて同点、さらにムハマド・フィルダウス・カイロニサムが58分に決勝ゴールを決め、今大会初勝利を飾りました。
 続く山梨学院高校戦ではフルタイムで0−0だったものの、PK戦で3−5と破れています。
 明日の最終日には、U19代表はグループステージで0−5と大敗しているサガン鳥栖ユースと11位/12位決定戦を戦います。果たしてリヴェンジとなるのでしょうか。

U19代表監督の発言に対してFAMは懲戒処分を検討
サニックス杯国際ユースサッカー大会3日目にして初勝利を挙げたマレーシアU19代表ですが、初日は昨年度の高校選手権優勝チーム青森山田高に0−2、サガン鳥栖ユースには0−5と連敗でした。この試合後にマレーシアU19代表を率いるクロアチア人のボジャン・ホダック監督が発言した内容について、FAMは懲戒処分を検討していると、当地の英字新聞ニューストレートタイムズのオンライン版が伝えています。
 問題となったのは、「マレーシアのサッカー選手育成システムがお粗末だ」という発言です。これについてFAMのユソフ・マハディ副会長は、昨年(ホダック監督率いるU19代表が)マレーシアの育成システムで育った選手でアセアンサッカー連盟AFF U19選手権で優勝した際には何も言わず、サニックス杯で連敗した途端に同じ育成システムを非難したことに対し、自らの責任を回避するために否定的な発言をするのではなく、むしろ建設的な提案をすべきだとし、帰国後にホダック監督から今回の発言の真意を問い、内容次第では懲戒処分もあることをほのめかしています。
 2017年半ばにU19代表の監督に就任したホダック監督との契約は今年の12月までとなっています

U23代表はオーストラリアU23代表と明日対戦
3月22日からクアラルンプールで開催されるAFC U23選手権予選に備えた最後の練習試合で、マレーシアU23代表はオーストラリアU23代表と明日対戦します。
 マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版によると、マレーシアU23代表は、ケガのために明日の試合には出場予定がないDFドミニク・タン(JDT)、FWコギレスラワン・ラジ、MFファイサル・アブドル・ハリム(ともにパハンFA)を除いた24名が試合会場となるシャーアラムスタジアムで調整したようです。
 オン・キムスイ監督は、オーストラリアU23代表との試合は勝ち負けよりも、できるだけ多くの選手を試しながら、様々な連携を確認することを目的としたいと述べています。
 一方、サンフレッチェ広島でもプレーしたグラハム・アーノルド監督率いるオーストラリアU23代表は、やはりこの試合をAFC U23選手権予選の貴重な準備の機会としており、ルネ・ユーレンステン アシスタントコーチは、開催国となるカンボジアでの高温多湿の気候で選手たちがどのような動きをするのかを見たいとしています。
 なおマレーシアはグループEで中国、フィリピン、ラオスと同組で、グループHのオーストリアリアは韓国、カンボジア、台湾と同組です。

マレーシア代表の2018年 (3) U16代表

2014年に立ち上げられたNational Football Development Plan(通称NFDP)は、マレーシアの省庁の一つである青年スポーツ省所轄のサッカー選手育成のための国家プログラム。日本の文科省に当たる教育省とFAMマレーシアサッカー協会も協力する大プロジェクトです。そしてその第一期生となる選手たちが2018年のU16代表です。このU16代表は、7月の終わりから8月にかけてインドネシアのスラバヤで開催されるAFF(アセアンサッカー連盟)U16選手権で弾みをつけ、、9月から10月にかけては自国開催となるAFC(アジアサッカー連盟)U16選手権で好成績を収めて、FIFA U17ワールドカップの出場権を獲得することを目標としていました。2018年の年始には当時のカイリー・ジャマルディン青年スポーツ相が、このU16代表のKPI(目標達成度の評価指標)がFIFA U17ワールドカップの出場資格獲得であるとも発言するなど、マレーシアサッカー界の期待が高まりました。

しかし、U16代表はいきなりAFF U16選手権でつまづきます。ホスト国のインドネシア相手にに準決勝敗退を喫してしまったのです。しかも、勝った方が準決勝進出の懸かったラオス戦すら、相手のオウンゴールのおかげで勝利した試合でした。アセアンのチーム相手に苦しい戦いを繰り広げたU16代表は、続く9月のAFC U16選手権に臨みました。

バイエルン・ミュンヘンのジュニアチームで12年間アシスタントマネージャーを務めたマレーシア人のリム・ティオンキムを監督とするU19代表は、開幕戦ではタジキスタンに6-2と大勝しましたが、アセアン域内のライバルであるタイに2−4と敗れ、勝てば自力でノックアウトステージ進出のチャンスが残っていた最終戦でも日本に0−2と敗れ、結局、グループステージ最下位で敗退しました。また皮肉なことに、この大会ではマレーシアとグループステージで同組だったタジキスタンと日本が決勝で対戦し、1−0で日本が優勝しています。大会後、リム・ティオンキム監督はマレーシアサッカー協会によってU19監督の職を解任されました

しかし、話はここで終わりません。ご存知のかたもいらっしゃるかと思いますが、2018年はマレーシアにとって激動の年でした。1957年のイギリスからの独立以来、政権を守ってきた与党が5月9日の下院議員選挙で大敗を喫し、新しい政権が樹立されたのです。これは多くのメディアの予想も外れる歴史的な出来事でした。政権交代の結果、当然のことながら、首相を始め各省庁の大臣も変わったのですが、新たに就任したサイド・サディック青年スポーツ相は、U16代表が日本に敗れた試合の後に記者会見を開き、リム・ティオンキム元監督の月給が免税の17万5000マレーシアリンギ(現在の為替レートでは450万円強)であることを公表したのです。リム・ティオンキム元監督は、政府が毎年5億円を投じることになっている国家プロジェクトであるNFDPの中心となるサッカーアカデミーの責任者も兼ねていますので、この給料が果たして高いのか安いのかはわかりませんが、青年スポーツ省が雇用主とは言え、担当大臣としてはやや感情的な行動であった印象は否めません。この時期は前政権の行った事業全てを否定するような風潮が感じられる時期でもありましたので、前政権の大臣が任命したリム・ティオンキム元監督を非難するは大臣のスタンドプレーだったようにも思われます。しかもサイド・サディック青年スポーツ相は、2020年まで残っているリム・ティオンキム元監督のNFDPアカデミー責任者としての契約の見直しについても言及しているので、この話題はこれで終了しそうもありません。

追記:ちなみにネット上で探したところ、参考までにJリーグ1部の監督の平均給与は5322万円でした。

U16マレーシア代表 2018年戦績
<AFF U16選手権>
グループステージ
2018.07.30 1-2 タイ   得点者:ムハマド・ヌル・アズラン・モハマド・ユソフ
2018.08.03 6-1 ブルネイ   得点者:ムハマド・アスマン・アスルル・スルカナ2, ムハマド・ファミ・ダニエル・ムハマド・ザイム, モハマド・イクワン・モハマド・ファイゾ, ハリス・ナイム・ジャイネ
2018.08.05 4-0 シンガポール 得点者:アリフ・ダニエル・アブドゥル・アジズ, ハリス・ナイム・ジャイネ, ムハマド・ファミ・ダニエル・ムハマド・ザイム, O.G
2018.08.07 1-0 ラオス    得点者:O.G
ノックアウトステージ(準決勝)
2018.08.09 0-1 インドネシア 得点者:なし

<AFC U16選手権>
グループステージ
2018.09.20 2-6 タジキスタン 得点者:ルクマン・ハキム 4, ナジムディン・アクマル, アリフ・ムタリブ
2018.09.23 2-4 タイ     得点者:ルクマン・ハキム, フィルダウス・カイロニザム
2018.09.27 0-2 日本     得点者:なし

AFC U16選手権に参加したマレーシアU16代表(FAMホームページより)