5月29日のニュース:代表はW杯予選前最後の練習試合でミス連発、タイ1部クラブ退団のニコラス・スウィラッドはパハンに加入、ヤクルトマレーシアはデフサッカーへの支援を継続

 1日の新規感染者数がついに8000人を超えたマレーシア。マレーシア政府は6月1日から2週間のロックダウンを行うことを発表し、6月19日から再開予定のMリーグ2部プレミアリーグ、7月9日から再開予定のMリーグ1部スーパーリーグとも試合日程の変更を迫られそうです。シンガポールの開催権返上で宙に浮いたAFCカップも含め、新型コロナウィルの影響はまだまだ続きそうです。

代表はW杯予選前最後の練習試合でミス連発
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の再開を6月3日に控えるマレーシア代表は予選前最後の練習試合となるバーレーン戦を行い、0-2で敗れています。
 試合前にはベストメンバーで臨むと話していたタン・チェンホー監督は、予選初戦は警告累積により出場停止となるMFブレンダン・ガンを先発から外し、代わりにリリドン・クラスニキを中盤に配置、さらに予選では先発が予想されるFWギリェルメ・デ・パウラがFIFAの帰化選手規定を満たしていないことから国際Aマッチとなったこの試合には出場できず、FWシャフィク・アフマッドがワントップに入る布陣で臨みました。
 試合開始から積極的に相手ゴールへ迫るマレーシアは9分にはDFマシュー・デイヴィーズが、先制された後も46分にはシャフィク・アフマドがいずれもシュートを放ちますが得点に至らず、前半を0-1で折り返しました。後半に入るとタン監督はイルファン選手に代えてDFジュニオール・エルドストールを投入、その後もノーシャルル・イドラン・タラハ、アリフ・アイマン、ルクマン・ハキム・シャムスディンと次々にFWを投入しましたが、結局無得点に終わっています。
 一方、バーレーンの1点目は41分に自陣ペナルティーエリア内でDFイルファン・ザカリアがバーレーンFWマフディー・アブドルジャバルを倒して与えたPKをマフディー選手自身がゴールを決め、2点目は41分にMFリリドン・クラスニキからのバックパスの処理にもたついたGKファリザル・マーリアスがバーレーンMFモハメド・マルフーンにボールを奪われルトそのままゴールを決められるなど、いずれもミスによる失点でした。
 FIFAランキングでは50位以上上のバーレーンを相手にしながら、中盤でシャマー・クティー・アッバと組んだクラスニキ選手が機能した反面、クウェートとの練習試合と合わせて2試合で6失点の守備陣、そして2試合で1得点の攻撃陣と予選に向けては不安要素も多かった試合でした。

タイ1部クラブ退団のニコラス・スウィラッドはパハンに加入
 昨季途中にタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤFCに加入し、チームの2部で優勝と1部昇格に貢献、来季の契約も結びながら、退団となったDFニコラス・スウィラッドがMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンFCに加入しことをマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 タイ1部で外国籍選手がプレーするには自国代表選手として最低3試合のプレー経験が必要ということですが、母親がマレーシア人のスウィラッド選手はマレーシア代表としてプレーしたことがないことから、契約を更新していたにも関わらず、ノーンブワ・ピッチャヤFCを退団していました。
 開幕から不振に苦しんだスリ・パハンFCはトランスファーウィンドウ期間に5人中4人の外国籍選手を入れ替える大ナタを振るい、そこからはマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)、アウン・カウン・マン (ミャンマー)ら新加入攻撃陣の活躍で1勝1分と復調の気配が見え始めています。今回、そこにスウィラッド選手が加わることで守備陣が補強され、後半戦ではスリ・パハンFCがリーグの台風の目になりそうです。
 

ヤクルトマレーシアはデフサッカーを含めたマレーシアデフスポーツ連盟への支援を継続
 マレーシアの通信社ブルナマは、ヤクルトマレーシア社が昨年に続き、今年2021年もマレーシアのデフ(聴覚障害者)スポーツ連盟への支援を継続することを発表したと報じています。なお支援は活動資金援助とヤクルト製品やスポーツ用具提供の形で行われ、その総額は4万リンギ(およそ106万円)ということです。
 ヤクルトマレーシア社は、昨年2020年にはデフサッカーワールドカップ初出場を目指すデフサッカーマレーシア代表の支援も行いましたが、韓国で開催予定だった大会は、新型コロナウィルスの影響で中止になっています。
 世界ランキング24位、アジアランキング6位のデフサッカーマレーシア代表は、来年2022年5月にブラジルで開催される聴覚障害者のための総合スポーツ大会、デフリンピック予選場が現在の目標ということで、ヤクルトマレーシア社はその支援を今後も行っていくということです。

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The former Kuala Lumpur City FC (KL City) midfielder, who has been playing in the Malaysia League (M-League) for 12 years, explained that UiTM FC were only lacking in experience, adding that this was evident from their match against KL City FC on May 8, which ended in a 1-1 draw.

“The coaches here (UiTM FC) saw some weaknesses in their midfield and asked me to join them to help the youngsters in the team.

“I noticed that the youngsters lack an experienced leader to give them instructions on the field,” he said in a statement issued by the Malaysian Football League (MFL) today. 

The 32-year-old Mohd Alif stressed that one of the weaknesses of the UiTM players was their lack of positional play, thus failing to close down space for their opponents to launch attacks.

UiTM FC are currently last in the 12-team Super League standings, having collected just two points from 13 matches.  

Mohd Alif, who is nicknamed ‘Elneny UiTM’ for having the same hairstyle as Mohamed Elneny, who is a midfielder with English Premier League giants Arsenal, is thankful that he could still continue his career as a professional footballer.

He was a household name among Negeri Sembilan fans and was one of the main pillars of the Hoben Jang Hoben’s glorious era during the 2009-2001 seasons.

Mohd Alif, who is known as a midfield hardman, played for Negeri Sembilan until 2014 and also featured for Sime Darby FC, Melaka, Felcra FC and Kuala Lumpur.

5月28日のニュース(2):北朝鮮予選辞退の影響でマレーシアの順位が2位から4位へ、デ・パウラは本番前最後の練習試合は出場資格なし

 W杯予選前の最後の練習試合となるバーレーン戦が本日5月28日午後7時30分(現地時間、マレーシア時間では5月29日深夜12時30分)から行われますが、その前に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

北朝鮮予選辞退の影響でマレーシアの順位が2位から4位へ
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、今月5月16日に北朝鮮がW杯予選の出場辞退を発表したことを受け、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の順位決定要件の変更を発表しています。
 アジア2次予選では、各組1位の8チームと各組2位の上位4チームの合計12チームが3次予選に進みますが、北朝鮮がいた予選H組がそれまでの5カ国から4カ国となった一方で、残る7組は5カ国のままであることから、各組2位と5位の対戦成績は順位決定の際に考慮しないことが正式に発表されました。
 このブログでもこうなる可能性があり、その結果としてマレーシアの予選順位に大きな影響が出ることを北朝鮮出場辞退発表直後の5月18日のニュースで取り上げましたが、その懸念が現実のものとなりました。
 この発表が出る前までのマレーシアが所属する予選G組の順位は以下の通りでした。

TeamPWDLGDPts
1ベトナム5320411
2マレーシア530229
3タイ522138
4UAE420246
5インドネシア5005-130
P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GD-得失差、Pts-勝点

 マレーシアを除くG組の各チームはいずれも最下位のインドネシアとは1試合対戦しており、来月6月3日からアラブ首長国連邦UAEで再開されるW杯予選で残る1試合を戦います、マレーシアは既にインドネシアとはホームとアウェイで対戦し2勝しています。このため、今回のAFCによる措置により、マレーシアはそこで得た勝点6を失う一方で、他のチームは1勝分の勝点3を失い、その結果、インドネシアを除く予選G組の順位は以下のように変動します。

TeamPWDLGDPts
1ベトナム422028
2タイ412105
3UAE3102-13
4マレーシア3102-13
*P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GD-得失差、Pts-勝点

 

 2019年末にインドネシア代表監督に就任した韓国出身のシン・テヨン監督は、今回のW杯予選では若い選手を多く招集していることから、インドネシアは予選を通して最下位のままの可能性が高く、ベトナム、タイ、UAEは対戦成績が予選順位に関係しないインドネシア戦では、主力選手を休ませるなど余裕を持った日程となるのに対し、インドネシア戦が残っていないマレーシアは上位進出のためには気を抜ける試合が1試合もない状況での予選となります。

デ・パウラは本番前最後の練習試合は出場資格なし
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の初戦ととなるアラブ首長国連邦UAE戦(6月3日)まで残り1週間となった本日、マレーシア代表はバーレーンのリファーにあるナショナルスタジアムでバーレーン代表と本番前の最後の練習試合を行いますが、英字紙ニューストレイトタイムズは、国際Aマッチとして行われるこの試合にはブラジル出身で帰化選手のギリェルメ・デ・パウラは出場資格がないと報じています。
 5月25日に行われたクウェート代表との練習試合ではチーム唯一のゴールを決めたデ・パウラ選手ですが、FIFAが規定する「新しい国籍を取得」した選手が代表チームでプレーする資格として「当該協会の管轄区域において、18歳以降に少なくとも5年の居住歴がある選手」の条件を満たしていないことがその理由です。この記事によれば、デ・パウラ選手は来月6月1日にはFIFAが求める条件を満たすことになり、W杯予選にはギリギリのところで出場可能ということです。また5月25日に行われたクウェート代表との試合は国際Aマッチではなかったことから、デ・パウラ選手の出場には支障がなかったようです。
 なお、5月24日に行ったウクライナ(FIFAランキング24位)との練習試合で、バーレーン(同99位)は1-1と引き分けており、マレーシア(同153位)にとっては本番前の最後の練習試合ながら厳しい戦いになりそうです。

5月25日のニュース:代表は2年ぶりの実戦でクウェートに惨敗、Mリーグ各クラブは第3次ワクチン接種プログラムで接種対象に、シャキル・ハムザも給料未払い問題のペラFC退団へ

代表は2年ぶりの実戦でクウェートに惨敗
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に向けて、アラブ首長国連邦UAEのドバイで合宿中のマレーシア代表は、5月23日に現地でクウェート代表と練習試合を行い1-4と敗れています。
 2019年11月19日のW杯アジア2次予選インドネシア戦以来551日ぶりの試合となったマレーシアは、ブラジル出身で帰化選手のギリェルメ・デ・パウラをワントップに据えたフォーメーションでこの試合に臨み、21分にアフマド・アルデフィリイがペナルティーエリアの外から放ったシュートでクウェートに先制されたものの、28分にはラヴェル・コービン=オングのクロスをデ・パウラが決めて代表初ゴールで同点とし、前半を1-1で折り返しました。
 マレーシアのタン・チェンホー監督はデ・パウラとMFシャマー・クティ・アッバを除く全員を入れ替える布陣で後半に臨みました。マレーシアはこちらも初招集となった19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンがチャンスを作るものの得点には至らず、逆に55分のファハド・アル・ハジリのゴールから13分間で3ゴールを決め、FIFAランキング148位のクウェートが同153位のマレーシアにランキング以上の差を見せつけて圧勝した試合となりました。
 マレーシアは今週金曜日5月28日にFIFAランキング99位のバーレーンとアジア2次予選ベトナム戦(6月3日)前の最後の練習試合を行います。
 
2021年5月23日
練習試合:クウェート対マレーシア@セブンズスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
クウェート 4-1 マレーシア
得点者:クウェート-アフマド・アルデフィリイ(21分)、ファハド・アル・ハジリ(55分)、シャバイブ・アルカルディ(61分)、ファハド・アル・アンサリ(68分)、マレーシア-ギリェルメ・デ・パウラ(28分)
(下は両チームの先発XI。写真はマレーシアサッカー協会FAMとクウェートサッカー協会の公式Facebookより)

Mリーグ各クラブは第3次ワクチン接種プログラムで接種対象に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシア政府が実施するワクチン接種プログラムの第3次プログラムでMリーグ1部と2部が接種対象となると述べたと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けてアラブ首長国連邦で合宿中の代表チームに加えて、6月22日に開幕する今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLに出場するJDTや、同じく6月29日に開幕するAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCはクラブ主導で既に新型コロナウィルスのワクチン接種を終えていますが、マレーシア政府は「より相応しい」個人や団体を優先してワクチン接種を行なっていることから、Mリーグ各クラブは第3次プログラム実施の際にワクチン接種の対象となる見込みであると述べています。
 またこれとは別件で、アブドル・ガニCEOは、Mリーグの日程変更についても言及しています。現在、マレーシア政府は全ての渡航者に対し14日間の検疫隔離を求めていますが、W杯アジア2次予選6月15日まで、JDTが出場しタイで開催されるACLは7月7日まで、クダとトレンガヌが出場しシンガポールで開催されるAFCカップは7月6日までとなっています。このW杯予選、ACLそしてAFCカップに合わせて現在中断中の1部スーパーリーグの再開予定日は7月9日、2部プレミアリーグの再開予定日は6月18日となっていることから、14日の検疫隔離期間後に各選手やクラブが練習の時間が取れるよう新たな日程を今週中に発表するとアブドル・ガニCEOは述べています。

シャキル・ハムザも給料未払い問題のペラFC退団へ
 給料未払い問題が発覚後、既に主力選手4名が退団したMリーグ1部スーパーリーグのペラFCからさらに退団者が出そうです。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザが既にクラブと退団で合意し、シンガポール1部Sリーグのタンジョン・パガーかライオンシティセイラーズに加入が予想されているということです。
 5月30日までがMリーグのトランスファーウィンドウ期間ですが、この期間中にペラFCからは代表でもプレーするギリェルメ・デ・パウラとシャールル・サアドがJDTへ、ケニー・パッラジとJ・パルティバンがKLシティへ既に移籍しています。
 また、この記事を取り上げたサッカー専門サイトのヴォケットFCは、DFナジルル・ナイムやFWフィルダウス・サイヤディもスーパーリーグの他のクラブが獲得を目指しているとし、ペラFCからの選手の流失はまだまだ止まりそうにありません。

5月23日のニュース:ペラ州FAは新オーナーがペラFCのユニフォームをピンク色にすることを容認、海外組がドバイの代表候補合宿に合流

ペラ州FAは新オーナーがペラFCのユニフォームをピンク色にすることを容認
 Mリーグ1部ペラFCの新オーナー候補にコスメ会社社長のハスミザ・オスマン氏が挙がっていることに関連し、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)はペラFCの再生のためにはユニフォームをピンク色にすることも厭わないと話しています。
 給料未払い問題により主力選手が次々に退団しているペラFCは、現在新たなオーナーを探している最中ですが、その候補に新オーナー候補に資産家でコスメ会社社長のドクター・ヴィダことハスミザ・オスマン氏が挙がっています。かつてケランタンFCのメインスポンサーとして2016年から2017年にかけて1600万リンギ(およそ4億2000万円)を支援したハスミザ氏は、本拠地のスルタン・モハマド4世スタジアムをピンク色に塗装し、またピンク色のユニフォームを採用するなどしたことがあることから、ハスミザ氏のインスタグラムにはペラFCサポーターからは新オーナーとしてチームの救済を求める声が上がる一方で、ユニフォームをピンク色にはしないで欲しいとコメントが見られました。
 この件についてペラ州FAのヤザン・モハマド会長代理は、現時点ではハスミザ氏からはペラFC買収について正式な交渉を開始する依頼は受け取っていないとする一方で、このハスミザ氏を含め複数の個人や企業と買収に関する話し合いを行っていることを認め、その際には伝統的な黄色と黒のユニフォームが維持されれば、それ以外にはピンク色をユニフォームに採用することは厭わないとしています。

海外組がドバイの代表候補合宿に合流
 マレーシアの通信社ブルナマは、海外組の1人のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が合流し、アラブ首長国UAEのドバイで行われている代表候補合宿に参加する全選手が揃ったと報じています。今回の代表候補合宿の海外組は、ルクマン選手のほか、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツ)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)の総勢4名です。
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表は、集中開催地となっているUAEで代表候補合宿を行っていますが、タン・チェンホー代表監督にとっては、自身が招集したい選手全員を集めることができた代表候補合宿は2019年11月以来となります。
 今回の代表候補合宿ではいずれも帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)とリリドン・クラスニキが代表初招集となっていますが、タン監督はこの両選手も含め全員を5月23日に行うクウェート戦、5月28日に行うバーレーン戦の練習試合2試合で精査し、予選で起用する選手を決めたいとタン監督はメディアとのオンライン記者会見で話しています。
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 国内メディアでは海外組への期待が高まっていますが、3月に閉幕したタイ1部リーグレギュラーとして試合に出続けたジュニオール・エルドストールを除けば、ケガでシーズン後半を棒に振ったドミンク・タン、今季のベルギー1部リーグでは2試合の出場のみのルクマン・ハキム・シャムスディン、そして今季は全て途中出場で最長でも45分しかプレーしていないリリドン・クラスニキと、海外にいるだけで出場機会がない選手に過度な期待をかけるのは、試合に出ない事実には目を向けず海外にいるだけ組をもてはやしたどこかの国のメディアと似ています。

5月21日のニュース:代表が合宿地のアラブ首長国連邦へ出発、MFLはMリーグ各クラブにより厳格なスポーツバブル内での練習を義務付け、JDTはFWダ・シルヴァの完全移籍とDFローリーの加入を発表

代表が合宿地のアラブ首長国連邦へ出発
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表の候補選手と監督、コーチ他の関係者を含めた総勢45名が5月20日に代表合宿地のアラブ首長国連邦UAEのドバイへ出発したことを伝えています。
 FAMのハミディン・アミン会長に率いられたマレーシア代表団は、代表の公式エアラインでもあるマレーシア航空が用意したチャーター機。に搭乗し、クアラルンプール国際空港KLIAを午前9時に出発しました。
 代表チームはUAEでの合宿期間中、5月28日にはバーレーンのマナマでバーレーン代表との練習試合が予定されていますが、この際のドバイーマナマ間、マナマードバイ間の移動もマレーシア航空がチャーター便を用意してチームの移動をサポートするということです。
 またW杯予選終了後にはマレーシア航空が用意する、チームの愛称ハリマウ・マラヤ(日本語では「マラヤの虎」)に合わせて黄色と黒色主体に塗装されたチャーター便で帰国する予定ということです
(下は代表がマレーシア帰国時に搭乗予定のハリマウ・マラヤ仕様のマレーシア航空A330-300型機)

MFLはMリーグ各クラブにより厳格なスポーツバブル内での練習を義務付け
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、移動制限令MCOの施行が6月7日までとなったことを受け、Mリーグ各クラブに対してMCO施行地域でのチームトレーニングは合宿形式での実施のみ許可とすることを公式サイトで発表しています。
 MFLは今年2月15日より、チーム全員が一箇所に合宿し、外部との接触を遮断して練習を行う「合宿ベース」型と、選手は自宅から練習に通うことができる一方で、自宅と練習場以外への立ち寄り、さらに家族以外との接触や自宅への訪問者受け入れを禁じる「自宅ベース」型の二つのスポーツバブルを設け、各チームにはいずれかの形式を選択できるようにしていました。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、新型コロナウィルスの新規感染者数が連日記録を更新する状況下で、国家安全保障委員会NSC、国家スポーツ評議会MSN、国内のスポーツを統括する青年スポーツ省、そして保健省との会合を重ねた結果、MCO施行地域での「自宅ベース」型スポーツバブルの有効性が疑わしく、さらに感染拡大に寄与する可能性が高いとして、MCO施行地域での「自宅ベース」型の実施を禁止するとしています。
 さらにアブドル・ガニCEOは各クラブに対して、選手や監督、コーチだけでなく練習に関わる全員がPCR検査を受けること、合宿ベース型実施の際の練習場とチームの宿泊先をMFLに提出することを求め、その申請内容に基づいてMFLが練習を許可する方式とするとしています。
 この他、MCOより規制が緩和されている「条件付き移動制限令」CMCOが施行されているサラワク州とサバ州に本拠地を持つチームのうち、サバ州コタキナバルを本拠地とする1部スーパーリーグのサバFCは今後も自宅ベース型での練習が可能とする一方で、いずれも2部プレミアリーグ所属でサラワク州クチンを本拠地とするサラワク・ユナイテッドFCとクチンシティFCについては、サラワク州政府の危機管理委員会があらゆるスポーツ活動を現在禁止していることから、合宿ベース形式での練習を行うように求めています。
 またMCOよりさらに厳格な「強化移動制限令」TMCOが施行されているクダ州を本拠地とする1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCに対してはクダ州外のMCOあるいはCMCOが施行されている地域での合宿ベース形式で練習を行うよう求めています。

JDTはFWベルグソン・ダ・シルヴァの完全移籍とDFシェーン・ローリーの加入を発表
 1部スーパーリーグ首位のJDTは、期限付きで移籍していたブラジル出身のベルグソン・ダ・シルヴァの完全移籍とオーストラリア出身のDFシェーン・ローリーの加入を公式Facebookで発表しています。
 今季開幕直後にブラジルのフォルタレーザECからJDTに加入したダ・シルヴァ選手は第3節から出場し、第13節までの11試合で11ゴールを挙げていますが、6月30日までの期限付き移籍での加入であったことから、その後の契約が更新されるのかどうかに注目が集まっていました。
 一方、カタール1部カタール・スターズ・リーグのアル・アハリSCから新加入したローリー選手はオーストラリア出身ですが、リーズ・ユナイテッド、シェフィールド・ユナイテッド、ミルウォール、レイトン・オリエントなど英国のクラブでのプレー経験やオーストラリア1部Aリーグのパース・グローリーでのプレー経験もあるということです。
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 1989年生まれのローリー選手は2005年に英国1部のアストン・ヴィラと契約しましたが、その時に一緒に契約したのが、やはり1989年生まれで現在は同じMリーグ1部のトレンガヌFCでプレーするクリス・ハードだったということです。(ハード選手はケガのため長期離脱中です。)
 またJDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はさらなる補強として、英国1部ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFCのU23でプレーするMFナサニエル・シオ・ホング・ワンとも契約したことを明かし、後半戦開幕時にはチームに合流予定であるとしています。21歳のシオ選手はJDTを退団したハリス・ハルン選手の抜けた穴を埋める選手だとしており、母親がマレーシア人であることからマレーシア人選手として登録されると述べている他、さらにスペインのラ・リガからも選手が加入すると話しています。



 
 

5月18日のニュース:北朝鮮のW杯予選出場辞退はマレーシアにも影響か、給料未払いを公表したサンドロにサラワク州協会会長が激怒、マレーシア女子サッカーの現状を協会女子委員長が語る

北朝鮮のW杯予選出場辞退はマレーシアにも影響か
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版は、5月16日にアジアサッカー連盟AFCが正式に発表した北朝鮮のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2時予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の出場辞退がマレーシアに与える影響について取り上げています。
 ニューストレイトタイムズによると、北朝鮮の2次予選辞退により、北朝鮮が所属するH組だけが4チーム、残りの組は5チームという編成になってしまうことから、各組の5位(最下位)チームとの対戦成績はグループ順位決定の際に考慮されない可能性があるということです。
 マレーシアが所属する予選G組はベトナム(勝点11)が首位、以下マレーシア(同9)、タイ(同8)、アラブ首長国連邦(同6)と続き、インドネシアが勝点0で現在最下位となっています。このG組でマレーシアはインドネシア相手に2勝を挙げていますが、そこで得た勝点6が考慮されないとなれば、マレーシアは3試合の合計勝点が3となり、インドネシア戦の勝点3を除いても勝点8となるベトナムだけでなく、同じく勝点5となるタイ、そしてやはり勝点3となるアラブ首長国連邦と並んで3位となってしまいます。(ただし消化試合数はアラブ首長国連邦の方が1試合少ない)
 アジアサッカー連盟から正式な発表はないものの、もしこの予想通りとなれば、アジアカップ出場が現実的な目標のマレーシアにとって、残り試合は全て勝ちに行く必要が出てきます。
 一昨日5月16日から始まった代表候補合宿で取材に応じたタン・チェンホー監督は、その影響を認め、選手たちの間に動揺があるとしながらも、自分たちの試合に集中したいと話しています。

給料未払いを公表したサンドロにサラワク州協会会長が激怒
 Mリーグ2部プレミアリーグで首位のサラワク・ユナイテッドでプレーするサンドロダ・シルヴァへの給料未払いについては先日のこのブログでも取り上げましたが、サラワク・ユナイテッドを運営するサラワク州サッカー協会(サラワク州FA)は、サンドロ選手が公表した給料未払いについて、4ヶ月分の未払いではなく1ヶ月半分の遅配であると主張し、不正確な事実を公表したとして契約解除も含めた処分を検討していると、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロが報じています。
 「わずか1ヶ月半の遅配について、なぜサンドロ選手が騒ぎ立てるのか。」と、その行動を疑問視する発言を行ったサラワク州FAのポサ・マジャイス会長は、この事態を他のクラブが知れば、サラワク・ユナイテッドの選手たちを扇動して自チームへ移籍させようとするだろうと危惧しているとし、サンドロ選手の行動に失望したと話しています。
 サンドロ選手はこの給料未払い問題が解決されなければFIFAへの提訴も辞さないということですが、これについてポサ会長は、今後のサンドロ選手の起用はE・エラヴァラサン監督に一任していると話す一方で、個人的にはサンドロ選手の顔も見たくないと話し、他のクラブがサンドロ選手を獲得したければ移籍金無しで放出して構わないと話しています。
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 プロサッカークラブとして1ヶ月半の給料遅配はそれ自体がすでに問題だと思いますが、この記事を読む限りでは、サラワク州FA会長の発言は文字通り逆ギレ以外の何物でもないように思えます。それともこれはマレーシアサッカー界では許容範囲内なのでしょうかね。

マレーシア女子サッカーの現状を協会女子委員長が語る
 マレーシアサッカー協会FAM女子サッカー委員会のスラヤ・ヤアコブ委員長は、、ニューストレートタイムズとのインタビューでマレーシアの女子サッカーが置かれている状況について語っています。
 最近の女子サッカーの話題では、国内選手権大会に出場予定のクダ州代表女子サッカーチームに対し、クダ州政府下のクダ州サッカー協会(クダ州FA)が資金不足を理由にその支援を行わない方針を明らかにしたことがニュースになりました。2018年優勝、そして2017年と2019年は準優勝という強豪(昨年2020年大会は新型コロナウィルスにより大会中止)にも関わらず支援を受けられなかったクダ州代表女子チームは、その結果、メンバーが自らがTシャツなどのグッズ販売を行なって選手権参加のための費用集めをおこない、これがまたニュースとなりました。
 皮肉なことに自身はクダ州議会議員でもあるスラヤ委員長は、国内選手権参加の費用は工学ではないこちからクダ州FAの決定に失望したと話しています。
 各州代表の女子サッカーチームは各州FAの傘下に入るのが望ましいと話すスラヤ委員長は、女子サッカー振興のためにも、国内選手権大会に出場するチームは各州FAが支援を行うことを期待していると話しています。また昨年は新型コロナウィルスにより中止となった女子国内選手権大会は、今年も今月5月に開幕予定でしたが、新規感染者急増による行動制限令MCOの施行により、日程変更を余儀なくされていますが、これについてスラヤ委員長は、2年連続で中止になれば女子サッカーの発展に与える影響も大きいとして、今年は何としても開催したいと話しています。

5月16日のニュース:6月開幕予定のM3リーグが延期、FIFAがクラブ消滅による未払い給料補助を147選手に支給、M3リーグクラブに先住民族の選手が加入

6月開幕予定のM3リーグが延期
 6月4日に予定されていたM3リーグの開幕が延期となったことを、マレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 Mリーグ3部にあたるM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLのユソフ・マハディチェアマンは、新型コロナウィルス感染拡大防止のため現在、マレーシア全土に施行されている行動制限令MCOの期限が6月7日となっていることを延期の理由としています。
 新型コロナウィルスの影響により昨季は中止となったM3リーグですが、今季は中止ではなくあくまでも延期であることを強調したユソフ チェアマンはMCO施行により練習を行えない各クラブにリーグ開幕まで準備期間として少なくとも1ヶ月は確保する必要があるとも話し、7月開幕を検討しているとしています。
 その一方で、今後の国内の新型コロナウィルスの感染状況によるとし、MCO期間がさらに延長されることがあれば開幕も延期される可能性があること、またさらに開幕が遅れれば、今季は20クラブが参加するM3リーグを集中開催方式で行う可能性も示唆しています。

FIFAがクラブ消滅による未払い給料補助を147選手に支給
 マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で国内の147選手を対象にクラブ消滅による未払い給料の補助が国際サッカー連盟FIFAより交付されたことを発表しています。これにより一人当たり5000リンギから38000リンギ(およそ13万3000円から101万円)が支給されるということです。
 クラブからの給与未払いに苦しむ選手の支援を目的に2020年にFIFAと国際プロサッカー選手会FIFProが共同で創設した基金FIFA Fund for Football Players(FIFAサッカー選手基金、FIFA FFP)による支援に対しては世界36カ国の109クラブについて1000名を超える選手からの申請があった中、FIFAはマレーシアから申請した147選手について2015年7月から2020年6月までの未払い給料に対する補助交付を承認しています。
 マレーシア国内からの申請はFAMの地位委員会による審査を経たのち、同じFAMの法務部門と協力してマレーシアプロサッカー選手協会PFAMを通して行われました。またその際には消滅してしまったクラブの情報についてFAMからFIFAへ情報提供がされたということです。
 今回のマレーシアからの申請に対して、FIFA FFPは第1回の補助として総額で188万リンギ(およそ4980万円)を交付していますが、これはFIFA FFPの総額1600万米ドルの2.85%に当たるということです。
 FAMはこの補助については、該当選手の銀行口座情報を受け取った時点で直ちに支給が行われるとする一方で、これで給料未払いが完済されたわけではないとして、消滅したクラブの県警者に対して今後も引き続き残りの未払い給料について完済するよう求めていくとしています。
 なお今回の支給の対象となったのは既に消滅してしまったトレンガヌシティFC、プルリスFA、マルセラ・ユナイテッドFC、クアンタンFAそしてハネランFCの5つのクラブに所属していた選手です。

M3リーグクラブに先住民族の選手が加入
 来月6月に開幕するMリーグ3部にあたるM3リーグ。今季からこのM3リーグに参加するMNY FCにオランアスリ(マレーシアの先住民族)の選手が加入したことをマレーシア語紙ウトゥサンマレーシア電子版が報じています。
 マレー半島に住むオランアスリ(オランは「人」、アスリは「最初の、本来の」の意味のマレーシア語)はマレーシアの人口の1%にも満たない少数民族ながら、最も古くからマレー半島に居住している民族でもありますが、そのオランアスリでいずれも19歳の選手2名が今季M3リーグ初参戦となるペラ州イポーに本拠地とするMNY FCに加入しています。
 ペラ州イポーで開催された今季のチームの選手紹介イベントで加入を発表されたのケランタン州出身のレフォン・ロスランとペラ州出身のムハマド・ハイケル・アリ・レフォンで、両選手はMNY FCが創設した育成チームの出身ということです。
 MNY FCはこのオランアスリの両選手に加え、Mリーグ1部スーパーリーグでのプレー経験がある複数の選手が参加することも発表されており、2017年に創設された新しいクラブながら今季のM3リーグでは注目のクラブとなりそうです。

5月8日のニュース:W杯予選-タン代表監督はケガの昨季のリーグ得点王を招集断念、ペラFC主将はスリ・パハンからの獲得オファーを認める、JDTがスーパーリーグ4クラブに選手を期限付き移籍

W杯予選-タン代表監督はケガの昨季のリーグ得点王を招集断念
 5月16日から予定される代表候補合宿を前に、タン・チェンホー代表監督はケガを負ったFWシャーレル・フィクリ(スランゴール)を招集しないことを明らかにしています。シャーレル選手は3月に行われた代表候補合宿にも招集されていました。
 5月5日のMリーグ1部第12節スリ・パハンFC戦の後半から途中出場したシャーレル選手は、ムスリム・アフマッドのタックルを受けて負傷し、プレー時間わずか10分で交代し、タンカで運ばれて退場しましたが、その後、腓骨の骨折が明らかになり、完治まで6ヶ月から8ヶ月と診断されています。
 マレーシアの通信社ブルナマの取材に対して、昨季2020年のスーパーリーグではペラでプレーし、マレーシア人選手として最多の11ゴールを挙げたシャーレル選手が招集できないことはチームに取って痛手であり、W杯予選に向けて別の戦略を立てる必要があると話したタン監督は、ギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)、シャフィク・アフマド(JDT)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(サラワク・ユナイテッド)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)らがシャーレル選手に代わるストライカー候補であると述べています。

ペラFC主将はスリ・パハンからの獲得オファーを認める
 Mリーグ1部スーパーリーグで今季は低迷するペラFCの主将で代表DFシャールル・サアドが同じスーパーリーグのスリ・パハンFCから獲得オファーを受けていることを、スポーツ専門サイトスタジアムアストロとのインタビューで明かしています。
 今季はケガで出遅れ、5月5日のスーパーリーグ第12節PJシティ戦が今季2試合目の出場となったシャールル選手ですが、移籍についてはスリ・パハンFCからのオファーを受けていることは認めながらも、今はまだ何も決定していないとして、現在はペラFCの選手として目の前の試合に集中したいとインタビューで答えています。
 ペラFCはシーズン開幕時から給料未払いが噂されており、5月3日から開いているトランスファーウィンドウ期間中に主力選手が流出するのではとソーシャルメディア上では話題になっており、今回のスタジアムアストロのインタビューはそんな中で行われたものです。ちなみに今週末の第13節でペラFCは、新加入のマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)ら新加入の選手らの活躍で前節第12節にスランゴールFCと引き分けたスリ・パハンFCと対戦します。

JDTがスーパーリーグ4クラブに選手を期限付き移籍
 Mリーグ1部スーパーリーグで首位のJDTは公式Facebook上で、同じスーパーリーグの4クラブへ選手を期限付きで移籍させることを発表しています。
 アリスター・エドワーズ テクニカルディレクター名で発表された告知では、サバ(現在リーグ7位)、マラッカ・ユナイテッド(同10位)、スリ・パハン(同11位)、UITM(同12位)が移籍先として明らかにされています。
 Mリーグは5月3日から5月30日までが今年2度目のトランスファーウィンドウ期間となっています。
 突然行われたこの告知の真意は不明で、JDTのどの選手が移籍するのかは発表になっていませんが、代表候補合宿に召集されているJDT所属の選手の中には、シャフィク・アフマドやアキヤ・ラシドなど試合出場時間が十分に確保できていない選手もいるので、この辺りの選手が移籍する可能性があります。また「飼い殺し」状態の選手を移籍させることで、下部組織からさらに若い選手の昇格なども見越しての戦略とも考えられます。

4月21日のニュース:M3リーグ参加予定の20クラブが確定、タイの国際大会に参加するフットサル代表が合宿開始、国外でプレーする代表候補選手はW杯予選前にマレーシア国内でのワクチン接種は行わず

M3リーグ参加予定の20クラブが確定
 6月開幕予定のMリーグ3部のM3リーグに参加予定の20クラブをM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLが公式Facebookで発表しています。
 3月末に既に発表されていた14クラブに加え、追加で行われた第1次書類審査を通過した6クラブをAFLのモハマド・ユソフ・マハディ会長が発表し、第1次審査を通過した全20クラブが揃いました。今回新たに発表された6クラブは以下の通りです。
1. イミグレーション(入国管理局)FC
2. KLローヴァーズFC
3. マーサ・プロタップFC
4. マレーシアン大学(連邦直轄地)FC
5. プルリス・ユナイテッドFC
6. アルティメイトFC
 この6クラブと既に発表された14クラブの計20クラブは、AFLのよる第2次書類審査を経て、今季のリーグ参加が決定されます。なお今季のM3リーグは外国籍の選手、監督およびコーチの登録が認められていないため、各クラブともマレーシア人によるチーム編成になります。
 Mリーグ1部スーパーリーグから撤退したフェルダ・ユナイテッドFCと同じく2部プレミアリーグから撤退したUKM FCのM3リーグの参加も噂されていましたが、両クラブともAFLによる書類審査は受けていないということです。

タイの国際大会に参加するフットサル代表が合宿開始
 マレーシアサッカー協会FAMは5月22日から27日かけてタイのバンコクで開催される招待制のフットサル大会SAT国際フットサル選手権に出場するマレーシア代表の合宿初日の様子を公式Facebookで紹介しています。
 5月17日までのほぼ4週間行われる長期の合宿には22名が招集され、昨年2月の大会に続き指揮を取るチュウ・チュンヨン監督は、昨年の大会出場選手14名中、アブ・ハニファ・ハサン、アワルディン・マット・ナウィ、リズワン・バクリ、サイフル・ニザム・モハメド・アリ、カイルル・エフェンディ・バーリン、アズワン・イスマイル(以上パハンレンジャーズ)、サアド・サニ、エクマル・シャリン(以上スランゴールMAC)、シャワル・サバルディン、ファリク・カビボール・ラーマン(以上ペラ)、イクマル・ナジミ・イスマイル(ペナン)の11名を再び招集しています。
 今回の合宿に招集された22名の選手中、9名が23歳以下となっており、チョウ監督は今回の大会で若手とベテランを融合させたチーム編成にしたいと話しています。
 なお今回の合宿は4月30日までの第一期、5月2日から9日までの第二期、そして断食月明けの祝日ハリラヤ後の5月14日から17日までの第三期に分けて行われ、最終的に14名に絞り込まれた代表チームは5月18日にタイのバンコクへ出発する予定だということです。
(写真は代表合宿の様子。マレーシアサッカー協会FAMの公式Facebookより)

国外でプレーする代表候補選手はW杯予選前にマレーシア国内でのワクチン接種は行わず
 6月3日に再開されるFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表は、一昨日の4月19日より新型コロナウィルスのワクチンの接種を受け始めたことはこのブログでも取り上げましたが、残る選手や関係者は明日4月22日に第1回目のワクチン接収を行うと英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が報じています。なお2度目の接種は全員が5月10日受ける予定も発表になっています。
 またマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、現在国外でプレーするルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)らについては、もし代表に招集された場合にはマレーシア国内でのワクチン接種は行わないことも明らかにし、その場合には各選手は滞在国から、予選前の練習試合が予定されているバーレーンでチームに合流することになると話しています。

4月20日のニュース:W杯予選を前に代表がワクチン接種、前KLシティ監督は契約不履行でクラブをFIFAに提訴、オーストラリアAリーグ第16・17節-クラスニキは先発せず、ベルギーリーグ最終節-ルクマンはベンチで1年目を終える

W杯予選を前に代表がワクチン接種
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とマレーシア代表候補選手が4月19日に連邦直轄地プトラジャヤで新型コロナウィルスのワクチンの接種を受けたことをブリタハリアンが報じています。
 ハミディン会長に続き、タン・チェンホー監督、アイディル・ザフアン主将(JDT)やファリザル・マーリアス、アリフ・アイマン・アキヤ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(以上JDT)らが1度目となる接種を受けた他、帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)らの姿も見られたということで、代表チームは選手、監督、コートを含む関係者総勢78名がこの日から始まった1度目のワクチン接種の対象となっています。

前KLシティ監督は契約不履行でクラブをFIFAに提訴
 今季2021年シーズン開幕前にKLユナイテッドFC(その後はKLシティFCに改名)を運営するクアラルンプールサッカー協会(KLサッカー協会)と今季の監督として契約しながら、開幕直前に一方的にその契約を解除されたとして、チリ出身で前東ティモール代表監督のシモン・エリゼッチ氏は弁護士を交えてKLサッカー協会、そしてKLシティと損害賠償について話し合いを行ってきましたが、その交渉が決裂したようです。
 今年1月27日にエリゼッチ氏がKLシティFCによる一方的な契約破棄に対して350万リンギ(およそ9200万円)の損害賠償を求める訴訟を起こした後、KLシティFCとエリゼッチ氏側との間で交渉が行われていましたが、マレーシア語紙のブリタハリアン電子版は、エリゼッチ氏の弁護士を務めるザフリ・アミヌルラシドの談話を掲載し、エリゼッチ氏はこの件をFIFAに提訴し、判断を仰ぐことを決めたと話しています。「これまでエリゼッチ氏はKLサッカー協会およびKLシティFCと何度か話し合いを持ってきたが、このままでは何の解決にも至らないことが明らかになった。来週にはFIFAにこの件を提訴し、判断を仰ぎたいと考えている。」
 KLシティはエリゼッチの持つプロ指導者のライセンスがMリーグ1部で監督を務めるには不十分なものであったことを理由に挙げており、エリゼッチ氏はこれを真っ向から否定し、KLシティに夜この発言が自身の信頼性を低下させたとしてこの件についても賠償を求めています。

オーストラリアAリーグ第16・17節-クラスニキは先発せず
 オーストラリア1部Aリーグの第16節と第17節が行われ、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIから期限付きでニューカッスルジェッツに移籍している帰化選手のリリドン・クラスニキは、第16節は出場なし、第17節は途中出場で19分間のみのプレーでした。
 ここまで7連敗で第16節を迎えた現在リーグ11位のニューカッスルジェッツは4月14日に同10位のパース・グローリーと対戦し、1−1で引き分け連敗を止めています。なおこの試合ではクラスニキ選手と同じくJDT IIから期限付き移籍中のシャフリアン・アビマニュ(インドネシア)はいずれも出場はありませんでした。
 また4月18日に行われた第17節のマッカーサーFC戦では、クラスニキ選手は71分に、シャフリアン選手は90分に投入されたものの、この試合でもニューカッスル・ジェッツは2-2で引き分けて、今季成績を3勝4分11敗の11位としています。
<Aリーグ 第16節>
2011年4月14日@コフスインターナショナルスタジアム(ニューサウスウェルズ州コフスハーバー)
ニューカッスル・ジェッツ 1-1 パース・グローリー
 リリドン・クラスニキはベンチ入りするも出場はありませんでした。
<同第17節>
2011年4月18日@キャンプベルタウンスタジアム(ニューサウスウェールズ州ルミア)
マッカーサーFC 2-2 ニューカッスル・ジェッツ
 リリドン・クラスニキは71分に交代出場し、最後までプレーしています。
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 代表のタン・チェンホー監督は自身がクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)監督を務めていた際にエースとして活躍したのがクラスニキ選手でした。コソボ出身のクラスニキ選手が帰化選手としてマレーシア代表でプレーする資格を得た際には、タン監督は是非とも招集したいと話していましたが、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIでも活躍する場がなく、試合出場機会を求めて期限付き移籍したニューカッスル・ジェッツでも出番が増えないことから、来月開催予定のW杯予選へ向けたの代表合宿にクラスニキ選手が招集される可能性は低そうです。

ベルギーリーグ最終節-ルクマンはベンチで1年目を終える
 ベルギー1部リーグ2020/2021シーズンは最終節第34節が行われ、U19マレーシア代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンが所属するKVコルトレイクは最終戦でKVメヘレンに1-4で敗れ、今季は11勝6分17敗、得点44失点57で18チーム中14位でシーズンを終えています。
 最終戦ではルクマン選手も今季2度目のベンチ入りとなりましたが、シーズン中のケガでチームを離れて治療を行っていた時期もあり、今季の出場成績は途中出場1試合(2020年10月24日対RSCアンデルレヒト戦)に止まり、出場時間も16分間でした。
 ベルギー1部のクラブとオランダ1部のクラブが合併して新たなリーグを作る動きもあるようですが、ルクマン選手のKVコルトレイクはこの合併構想には含まれておらず、この新たなリーグに参加するクラブ・ブルッヘやアンデルレヒト、ロイヤル・アントワープなど8クラブを除いた10クラブと2部に所属する8クラブは国内の新たなリーグに所属することになるということです。
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 Mリーグに戻って来いとは言わないものの、出場機会に恵まれない環境でトップチームにいるのであれば、クラブのU19やU21リーグでプレーする、あるいは他国リーグへ移籍してトップチームでプレーするという選択肢もありそうです。いずれにせよ、マレーシアサッカーを背負う逸材とされながら、その育て方に失敗していつの間にか消えてしまうことがないよう祈りたいです。