10月4日のニュース:UKM FCは初タイトルを目指してチャレンジャーカップ決勝に臨む、スリランカ戦はスタメンに新戦力起用か、WCのアセアン開催立候補に向けタイが作業部会を設立

UKM FCは初タイトルを目指してチャレンジャーカップ決勝に臨む
 マレーシアフットボールリーグMFL2部で今季2019年は8位に終わったUKM FCは、マレーシア国立大学Universiti Kebangsaan Malaysiaの学生が主体のクラブチームで、2部プレミアリーグ昇格1年目の昨季は12チーム中7位と健闘しただけでなく、昨年第1回開催となったチャレンジャーカップ(マレーシアカップに出場しないMFL1部と2部のクラブを対象としたカップ戦)で決勝まで進出しています。その決勝ではトレンガヌFCのBチームであるトレンガヌFC IIに第1戦と第2戦の通算で4-2で敗れましたが、そのUKM FCは今季2019年も再びチャレンジャーカップ決勝戦に進出しています。
 7クラブが出場する今季のチャレンジャーカップのグループステージでUKM FCは、MFL1部12位のクアラルンプールKLFA、同2部4位のトレンガヌFC II、同2部9位のスランゴール・ユナイテッドと同組になり、3勝3分0敗と堂々のグループ首位で準決勝に進出しました。準決勝ではグループA2位のサラワクFAを第1戦と第2戦の通算成績7−1で撃破し、決勝の相手はMFL1部のジョホール・ダルル・タクジムJDTのBチームでMFL2部2位のJDT IIとなっています。
 UKM FCは、この大会ここまでの8試合で5ゴールを挙げているクロアチア出身のFWマテオ・ロスカムと同じく6ゴールのイラン出身のMFミラド・ザニドプール対今大会6試合で4失点のJDT II守備陣との戦いになりそうです。
 なおチャレンジャーカップ決勝第1戦はJDT IIのホーム、ジョホール州ジョホールバルのパシル・グダンスタジアムで10月4日に、第2戦はUKM FCのホーム、KLフットボールスタジアムで10月12日に開催されます。ちなみにUKM FCのスライマン・フサイン監督は、アジアサッカー連盟AFCのプロライセンスコース参加のため日本滞在中とのことで、10月4日の試合はジュザイリ・サミオン アシスタントコーチが指揮を取るようです。

スリランカ戦はスタメンに新戦力起用か
 9月30日から始まっているFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選ベトナム戦へ向けた代表候補合宿には、DFシャルル・サアド、MFブレンダン・ガン、MFパルティバン・ジャナセカラン(以上ペラTBG)、MFノー・アザム・アジー(パハンFA)、ダニエル・アミル・ノーヒシャム(フェルダU)、アブドル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)ら候補選手が初日からケガを抱えたまま合流していますが、このうちアザム選手は9月10日のWC予選対UAE戦で蹴られた足首の腫れが引かないとして、10月10日のベトナム戦ではなく、いずれもホームでの試合となる11月14日のタイ戦、同19日のインドネシア戦に間に合うように治療を進めていくと述べていると英字紙スター電子版が伝えています。
 また数日前にはペラのFWシャレル・フィクリが練習中に鼠蹊(けいそ)部を痛めるなど、主力選手にケガ人が多く出ていることから、タン・チェンホー監督は通常は試合に出る機会のない選手にチャンスを与えることを明言しています。なかでも今回久しぶりの招集となったJDTのDFアイディル・ザフアン・ラザクへの期待が高いようで、明日10月5日に予定されているスリランカとの国際親善試合前の記者会見には、キャプテンのGKファイザル・マーリアス(JDT)ではなく、アイディル選手が列席しています。(写真は左からスリランカ代表のカヴィンドゥ・イシャン首相、ニザム・パッキール・アリ監督、マレーシダ代表のタン監督、アイディル選手。FAMのFacebookより)
*10月5日修正:英字紙ニューストレイトタイムズ電子版の報道によると、スリランカとの国際親善試合では、今回の代表候補合宿参加選手中最多のキャップ数82のアイディル選手がキャプテンを務めるようです。)

WCのアセアン開催立候補に向けタイが作業部会を設立
 マレーシアの通信社ベルナマのポータルサイトによると、2034年のFIFAワールドカップの東南アジア諸国連合ASEAN共催を目指して、国内に作業部会を設立したことをタイの観光・スポーツ省のピパット・ラチャキットプラカン大臣が発表しています。
 そもそもは今年6月にタイのバンコクで開かれたアセアンサミットの席上でタイのプラユット・チャンオチャ首相がぶちあげたこの計画は、タイ国内では観光・スポーツ省主導で進められるようです。
 また同じ記事の中で、タイ国スポーツ局SATのコンサック・ヨドマニー局長の談話として、現在タイ国内にはFIFAの規格に合うピッチを持つスタジアムがないものの、バンコクのラジャマンガラ国立競技場やチェンマイの700周年記念スタジアム、ナコーンラーチャシーマー県のタイ国王80歳記念スタジアムなど既存のスタジアムの改修する他、2026年のユースオリンピック開催への立候補に合わせて建設されるチョンブリの新スタジアムなども試合会場候補になっているようです。

9月28日から29日のニュース:スランゴールFAのGKがフル代表に招集、WC予選のベトナム戦のチケット1500枚が販売開始、かつての名選手チャンダラン選手が逝去

スランゴールFAのGKがフル代表に招集
 マレーシアサッカー協会FAMのFacebookでは、9月30日から始まる代表候補合宿に、スランゴールFAのGKカイルルアズハン・カリド(29)が、クダFAのGKイフワット・アクマル・チェ・カシム(23)に代わって招集されたことを告知しています。
 イフワット選手は9月25日に行われたマレーシアカップ 準々決勝第1戦のPKNP FC戦には出場したものの、体調が悪そうなそぶりを見せていたことから、今回の交代となったようです。
 カイルルアズハン選手は、MFL開幕時は控えGKとしてスタートしましたが、5月18日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部第14節で正GKファリザル・ハルンが対戦相手のPKNP FCの選手を殴り、5試合の出場停止処分となって以降、スランゴールFAの正GKに定着しています。(写真はFAMのFacebookより)

WC予選のベトナム戦のチケット1500枚が販売開始
 同じくFAMのホームページでは、FIFAワールドカップアジア二次予選グループGのマレーシア対ベトナム戦のチケットを販売について告知しています。
 マレーシアにとっては予選3試合目となるこの試合は、10月5日にハノイのミーディン国立競技場で行われますが、マレーシアサポーター向けのチケット1500枚がFAMを通じて販売されるようです。10月2日の午後11時59分まで販売されるチケットは40マレーシアリンギ(約1030円)でマレーシア人サポーターのみ購入可能となっており、10月9日からハノイでの受け取りが可能となりますが、ベトナム人サポーターが購入した場合には引き渡しは行われないことが警告されています。(写真はFAMのFacebookに掲載されたベトナム戦のチケット購入方法の告知)

かつての名選手チャンダラン選手が逝去
 1972年のミュンヘンオリンピックにサッカーマレーシア代表が出場した際に主将を務めたM・チャンダランが9月28日に逝去したことを英字紙スター電子版が伝えています。享年77歳でした。
 アジア予選では日本を破ってミュンヘンオリンピックの出場権を獲得したマレーシア代表で活躍したチャンダラン氏は、1974年のアジア競技大会でのマレーシア代表の銅メダル獲得にも貢献しています。(マレーシア代表は1980年にもアジア予選を勝ち上がってモスクワオリンピックへの出場権を獲得していますが、アフガニスタン侵攻に抗議する形で出場を辞退していますので、実際にオリンピックにサッカーマレーシア代表が出場したのは1972年大会だけです。)
 DF(センターバック)としてマレーシア代表では1968年から1974年まで、やはり主将を務めたスランゴールFAでは1975年までプレーしたチャンダラン氏は、スランゴールFAとマレーシア代表でも監督を務めています。
 チャンダラン氏は15年以上にわたってパーキンソン病を患っていたということですが、故人のご冥福をお祈りします。(写真はFAMのFacebookに掲載されたチャンダラン氏の逝去を伝える告知)

9月7日から8日のニュース:マレーシア代表は警察車両でスタジアムから脱出、UAE戦と言えば…2015年の悪夢、タン監督「インドネシア戦勝利に浮かれるな」、UAEは早々とマレーシア入り

マレーシア代表は警察車両でスタジアムから脱出
 9月5日に行われたFIFA国際サッカー連盟ワールドカップWC2022年大会アジア二次予選試合のインドネシア戦はアウェイながらマレーシアが3-2と逆転で勝利を収めましたが、試合終了後、敗戦に不満な一部インドネシアサポーターの暴走によりスタジアム内が混乱し、後にインドネシアサッカー協会PSSIが謝罪したものの、マレーシアサッカー協会FAMはFIFAとアジアサッカー連盟AFCに報告書を提出する事態になりました。その試合後にマレーシア代表選手が警察車両によって宿舎へ戻る映像が、マレーシアサッカー協会FAMの公式YouTubeチャンネルで公開されています。
 会場となったゲロラ・ブン・カルノスタジアムから、バラクーダと呼ばれる装甲兵員輸送車4台に分乗し、ホテルまで約6分ほどの距離を移動したようですが、警察車両での移動ということで、マレーシア代表の選手たちはくつろいだ雰囲気だった様子が見て取れます。映像は下からどうぞ。

UAE戦と言えば…2015年の悪夢
 敵地インドネシアで勝点3を獲得し好発進のマレーシア代表。WCアジア二次予選の第2戦はアラブ首長国連邦UAE戦が9月10日(火)に控えています。
 UAE戦と言えば、2015年9月3日のWC2018年大会アジア予選対UAE戦に触れずにいることはできないでしょう。現在はパハンFAの監督を務めるドラー・サレーが代表監督を務めていた当時のマレーシア代表は、敵地UAEで10-0とマレーシアサッカー史上最大の大敗を喫しました。マレーシアサッカーにとっては悪夢とも言えるこの試合でベンチ入りしていたメンバーで、今回の代表チームにも選ばれている唯一の選手であるマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)が、英字紙スター電子版で当時を振り返っています。
 当時は弱冠20歳のデイヴィーズ選手は、このWCアジア予選が代表初招集でしたが、前半終了時点で既に7-0となった試合について、今でもはっきり記憶に残っており、チーム全体が壊滅的な状況であったと述べています。
 しかしその一方で今回の代表チームは、前回とはメンバーが全く違っていること、そして不利と言われたジャカルタでのインドネシア戦でも二度リードされながら逆転勝ちしたことを挙げ、インドネシア戦前同様、過去の歴史を振り返らず、プラス思考でUAEとの試合に臨みたいと語っています。
 なお、この試合のハイライトはこちらから視聴可能です。

タン監督「インドネシア戦勝利に浮かれるな」
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、インドネシア戦勝利によって良いスタートが切れたのは事実だが、次のUAE戦はさらに厳しい戦いとなるとして、選手たちに浮かれずに気を引き締めることを求めていると、英字紙スター電子版が伝えています。
 前述した2015年の試合でもハットトリックを決めているFWアリー・マブフートや、やはり2015年の試合に出場し、マレーシアのホームゲームとなったシャーアラムスタジでの試合でゴールを決めているMFオマル・アブドゥッラフマーンなど、どのポジションにもタレントが揃っているUAEに対して、タン監督はインドネシア戦とは戦術変更を行うとも語っています。
 最新のFIFAランキングではUAEが65位に対して、マレーシアは159位と明らかに格下であり、しかもUAEとの過去7回の対戦成績は1勝6敗、しかも唯一の勝利は1980年9月20日まで遡らなければならない強豪に対して、マレーシア代表がどのような試合を見せてくれるのか楽しみです。

UAEは早々とマレーシア入り
 そのUAE代表は、マレーシアの気候と時差ぼけ対策として、マレーシアがインドネシアと対戦した前日の9月4日に早々とマレーシア入りしています。
 英字紙ニューストレイトタイムズNST電子版によれば、2015年のAFC最優秀選手FWアーメド・カリル、そして2016年のAFC最優秀選手MFオマル・アブドゥッラフマーンを含む25名のうち、マレーシア入り後にケガをし全治2週間と報道されたFWハルファン・ムバラクを除く24名から、最終ベンチ入りメンバー23名が決まるようです。
 オランダ人のベルト・ファン・マルワイク監督は、2010年大会ではオランダを、2018年大会ではサウジアラビア(ただし大会直前に監督辞任)をそれぞれワールドカップへ導いた名将で、今年2019年3月に就任したばかりですが、アル・アビヤド(アラビア語で「白」)のニックネームを持つUAE代表には才能豊かな選手が多く、その才能を伸ばして、UAE代表を次のWC(2022年カタール大会)に出場できるような競争力のあるチームにしたいとNST電子版の取材に答えています。
 親善試合のヨルダン戦、そしてWC予選のインドネシア戦では、守備陣に不安を残したマレーシア代表ですが、FWのアリー・マブフート、アーメド・カリルやMFオマル・アブドゥッラフマーンをどう抑えるかが、勝利のカギとなりそうです。

9月6日のニュース:WC予選でマレーシアサポーターにアウェイの洗礼、FAMはKリーグのトレーニングにも若手選手を派遣

WC予選でマレーシアサポーターにアウェイの洗礼
 マレーシアが敵地でインドネシアを3−2で破った国際サッカー連盟FIFAワールカップ2022年大会アジア二次予選では、マレーシアサポーターに強烈なアウェイの洗礼があったようです。
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版によると、安全確保のため試合開始に先立つこと4時間前に地元警察の警護とともにマレーシアサポーターを乗せたバス6台が試合会場となったジャカルタのゲロラ・ブン・カルノスタジアムに到着すると、すでにそこにいたインドネシアサポーターの一部が投石で出迎えたとのこと。幸い怪我人は出なかったようです。
 また試合中はこちらの映像でわかるように、インドネシアサポーターがピッチに乱入して試合が10分に渡って中断し(映像はニューストレイトタイムズ電子版より)、インドネシア代表のサイモン・マクメネミー監督は試合後の記者会見で「ピッチ乱入については自分としては何もできないが、影響がなかったとは言い難く、両チームにとって不都合であった。」と述べ、「インドネシアサポーターは世界一ではあるが、その反面、最悪なサポーターとなるときもある。」とも述べています。
 英字紙スター電子版によれば、試合終了後には、観戦に訪れていたマレーシア政府のサイド・サディック・サイド・アブドル・ラーマン青年スポーツ相を含むマレーシアサポーターに対して、インドネシアサポーターから金属片やビン、発煙筒が投げつけられ、マレーシアサポーターはほとぼりが冷めるまでスタジアム内の安全な場所で待機させられたようです。この後、インドネシア政府のカウンターパートであるイマム・ナーラウィ青年スポーツ相が混乱に対して謝罪し、サイド・サディック大臣もこれを受け入れたようです。
 しかしマレーシアサッカー協会FAMは、インドネシアサッカー協会PSSIの対応が不十分であったとして、国際サッカー連盟FIFAとアジアサッカー連盟AFCに対して報告書を提出することを決めたことが、FAMのホームページで告知されています。

FAMはKリーグのトレーニングにも若手選手を派遣
 U18代表選手6名が今月9月から10月にかけてセレッゾ大阪やFC東京の練習に参加するために日本へ派遣されるという記事を以前とりあげましたが、FAMはKリーグの協力を得て、韓国へも選手を派遣するようです。
 マレーシアの通信社ブルナマによると、大韓サッカー協会KFAのチョン・モンギュ会長と会談したFAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長は、Jリーグクラブへの派遣と同様に、Kリーグクラブへも1、2名の選手を派遣したいと話しています。
 また2週間という短い期間で日本へ派遣しても、選手にとっては何も良い影響が出ないという批判の声が一部から出ていることについては、FAMとJFAの間で調印された了解覚書(りょうかいおぼえがきMOU)の重要性を理解することが重要だとし、この2週間という期間は若手選手が日本のプロクラブ環境を体験することにあるとし、MOUで規定された内容を実行することが、日本のプロクラブとの関係高地につながるものであると反論しています。


 

7月17日から21日のニュース:2022年WCアジア予選でマレーシアは「アセアン組」に、サラリーキャップ導入にFAMは否定的、JDTにドイツ出身のティーンエイジャーが加入

2022年WCアジア予選でマレーシアは「アセアン組」に
 アジアサッカー連盟AFC本部のあるクアラ・ルンプールで国際サッカー連盟FIFAワールドカップWC2022年カタール大会兼2023年AFC選手権のアジア二次予選の組み合わせ抽選が行われ、一次予選を勝ち上がったマレーシア(FIFAランキング159位)は予選G組となり、アラブ首長国連邦UAE(同67位)、ベトナム(同96位)、西野朗監督が就任したタイ(同116位)、インドネシア(同160位)と同じ組になりました。この組はUAEを除けば、他の相手は全てマレーシアも属する東南アジア諸国連合ASEANアセアン域内の国々です。
 マレーシアサッカー協会FAMは2018年10月に、「2030年までにアジアのトップ5入りを目指す」ことを目的とするF:30行動計画を立ち上げており、これを実現するためには今回のWC予選で対戦する域内の国々がその前に立ちはだかることは明らかで、そう行った国々との対戦がどのような結果になるのかが楽しみです。

サラリーキャップ導入にFAMは否定的
給料の高騰により、その未払い問題が散見するマレーシアフットボールリーグについて、FAMのダト・ハミディン・アミン会長は、 各チームが選手の給与として使用できる最大の金額を、規定するサラリーキャップ制度の導入に否定的であると英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。
 サラリーキャップ制度は 選手の年俸の高騰を抑え、全チームが平等な条件で争うことを目的としていますが、この記事の中でハミディン会長は給料未払い問題を解消する役には立たないだろうと述べています。
 サラリーキャップ制度は、MFLではなくFAMがマレーシアのプロリーグを運営していた際に導入されたことがありましたが、結果として二重契約問題を引き起こした前歴があります。二重契約とは、選手とクラブが交わしFAMが承認した契約書とは別に、サラリーキャップで規定された給料の上限を超える金額でもう一つの契約書でも契約を交わし、こちらはFAMに提出しないというものです。
 これについてFAMは、自らが承認した契約書のみが有効という立場を主張する一方で、二重契約については見て見ぬ振りをした結果、二重契約で約束された給料を支払えないクラブがある一方で、その契約内容が不履行であっても監督、コーチ、選手がFAMに訴えることができないという状況を起こしてしまいました。
 この前例を踏まえ、ハミディン会長はスペインのラ・リーガを模してMFLが導入を検討している各クラブごとの年間収入に基づく出費制限制度の方が、給料未払い問題対策としてより有効であると考えていると述べています。

JDTにドイツ出身のティーンエイジャーが加入
 MFL1部スーパーリーグで6シーズン連続優勝を果たしたジョホール・ダルル・タクジムJDTは、マレーシア人の母親とドイツ人の父親を持つ16歳のDFジュリアン・ヨハン・ベックラーと契約したことをFacebookで発表しています。ドイツリーグ6部のロット・ワイス・フランクフルトのU17チームでプレーしているジュリアン選手は、母親がマレーシア人であることからマレーシア代表としてプレーする資格があり、先月退任したU19代表のボジャン・ホダック前監督がマレーシアU19の代表候補合宿にも招集したことがありますが、その際にはマレーシア人が持っている身分証明証の発行が間に合わず、U19代表入りができませんでした。
 今回、マレーシアの市民権を取得するために必要な書類を提出したジュリアン選手は、JDTとの契約後は、JDTのU21チームに当たるJDT IIIに所属することになっているようです。(写真はJDTのFacebookより)

JDTといえば、今シーズン最終節第22節、ホームでのトレンガヌFC戦の会場を無料開放しました。さすが太っ腹なJDTですね。(写真は入場無料と優勝の表彰式が行われることを告知するJDTのFacebookポスト)

7月15日のニュース:FAカップの決勝は日本人主審が担当か、FAMはWCのASEAN共催案を了承

FAカップの決勝は日本人主審が担当か
 英字紙ニューストレイトタイムズ電子版が”Arigato, Mr. Referee”の見出しで、7月27日(土)に行われるマレーシアFAカップ決勝の審判は外国人が担当することをマレーシアサッカー協会FAMが決定し、日本人になる可能性が高いという記事を掲載しています。
 マレーシアフットボールリーグMFLの試合やFAカップ、マレーシアカップといたカップ戦では、これまでもマレーシア人審判に対する不満が選手、監督、コーチ、ファンが持っており、重要な試合では外国人審判を求める声が上がっていました。
 記事の中で、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はタイ、オーストラリア、日本の各サッカー協会に審判派遣の依頼をした結果、現在は日本サッカー協会JFAとの間で最終的な合意に近づいているとしています。マレーシアFAカップを主催するMFLが費用を負担する今回の審判は主審1名、副審2名の3名を同一国から招聘する予定ですが、実現すればマレーシア国内の公式戦では初となる主審、副審全てが外国人となるようです。

FAMはWCのASEAN共催案を了承
 先月の東南アジア諸国連合ASEANのサミットの際、タイのプラユット首相がぶち上げた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2034年大会へのASEAN共催案について、ASEAN共催案がFIFAに対して公式に提案された場合には、FAMのダト・スリ・スバハン・カマル副会長がロビーイング活動を担当すると、同じくニューストレイトタイムズ電子版が伝えています。
 東南アジアサッカー連盟AFFでも検討議題に挙がっている他、マレーシアのマハティール・モハマド首相、青年スポーツ省のサイド・サディック大臣らもこの提案を支持しているとし、スバハン副会長は、今後は青年スポーツ省や国立スポーツ委員会などと今後の具体的な方針を検討していく必要があるとしています。
 また中国がワールドカップ2030年大会の招致を検討しているとされることから、AFFは中国サッカー協会と協議し、詳細を確認した上で、場合によってはアジア大陸での連続開催が難しくなるため、2038年開催招致も含めて検討したいとしています。

7月1日から3日のニュース:FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG、オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討、U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか。

FAカップの決勝はクダFA対ペラTBG
6月29日(土)と6月30日(日)の両日に行われたマレーシア FAカップ準決勝の第2戦は以下の結果となりました。(左側のチームがホーム、カッコ内は第1戦と第2戦の通算成績)
ペラTBG3-0パハンFA(4-3)
得点者:ペラTBG-ブレンダン・ガン(35分)、パルティバン・ジャネセカラン(42分)、ファイサル・ロスリ(44分OG)
 ホームゲームとなった6月22日の第1戦を3-1と勝利したパハンFAは、この準決勝第2戦に備え、6月25日に行われたマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFA戦には主力の一部を休ませる布陣で臨みました。(結果はスランゴールFAに2-5で惨敗)そこまで準備周到に用意したドラー・サレー監督でしたが、その策略は功を奏さず、FAカップ連覇もかかっていたパハンFAは準決勝敗退となりました。
フェルダ・ユナイテッド3-2クダFA(3-3)
得点者:フェルダ・ユナイテッド-チアゴ・ジュニオール(65分)、チャントゥル・スピア(72分)、ハディン・アズマン(90分)、クダFA-フェナンド・ロドリゲズ(26分PK)、ファルハン・ロスラン(38分)
 スーパーリーグでは最下位のフェルダ・ユナイテッドですが、チームの愛称「ファイターズ」の名に恥じない奮闘を見せ、第1戦と第2戦の通算成績を3-3としたものの、アウェイゴールルールでクダFAが勝ち抜けました。
 フェルダ・ユナイテッドの渡邉将基選手はスタメンでフル出場、池田圭選手は途中出場となっています。
 この結果、7月27日にクアラ・ルンプールのブキ・ジャリルスタジアムで行われるマレーシアFAカップの決勝は、2004年以来3度目の優勝を目指すペラTBGと、2年ぶり5度目の優勝を目指すクダFAの対戦となりました。

オーストラリアとインドネシアもWC共催を検討
6月23日に閉幕した東南アジア諸国連合ASEANの首脳会談サミットの際に、タイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明しましたが、そのASEANにも加盟しているインドネシアが隣国オーストラリアと2034年ワールドカップ共催を検討しているとAFP通信が伝えています。
 記事の中でインドネシアサッカー協会のスポークスマンは、当初はタイとの共催を模索したものの話がまとまらなかったため、オーストラリアとの共催を検討したとし、既に両サッカー協会は具体的な話し合いを始めているし、また両サッカー協会は2021年のFIFA U20ワールドカップの共催も検討しているとしています。アセアンによる共催の検討が発表されたわずか数日後のこの発表について、オーストラリアサッカー協会からはコメントが取れていないようですが、インドネシアサッカー協会はアセアン10カ国による共催とオーストラリアとの共催を天秤にかけているのでしょうか。
 アセアン10カ国による共催については、マレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長も実現が難しいとし、現実的には3から4カ国による共催案がより現実的ではないかと述べています。

U19代表監督交代は吉と出るか凶と出るか
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が、FAMがボジャン・ホダックU19代表監督との契約の更新を行わなかったことを懸念する記事を掲載しています。
 昨年2018年のアセアンサッカー連盟AFFU19選手権で初優勝、さらにアジアサッカー連盟AFCU19選手権本戦に12年ぶりの出場を果たすなど、FAMが求めた結果を全て残してきたホダック元監督の契約更新が行われなかった理由は謎のままですが、歯に衣着せぬ言動でFAMと衝突することも度々あったことから、その辺りが理由ではないかとしています。
 後任にはオーストラリア出身のブラッド・マロニーU23代表コーチが監督代行に指名されています。マロニー監督代行はU23代表のコーチとしてオン・キムスイU23代表監督を支えながら、U19代表の監督代行を務めることになっています。U19代表は8月5日から18日までベトナムで行われるAFF U19選手権には連覇がかかり、11月5日から18日までカンボジアで行われるAFCU19選手権予選が控えている一方、U23代表は12月にフィリピンで行われる東南アジア競技大会(オリンピックの東南アジア版)に参加します。これらの大会で好成績を残せない場合、ホダック監督を「解任」したFAMに対するファンの信頼が失われる可能性があります。

6月23日のニュース:マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ、アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討

マレーシアFAカップ準決勝の結果まとめ
今週末はマレーシアフットボールリーグMFLは試合がありません。そこで6月22日(土)に行われたマレーシアFAカップ準決勝第1戦の結果をおしらせします。対戦カードの左側がホームチームです。なお準決勝第2戦は6月29日(土)に予定されています。

クダFA1-0フェルダ・ユナイテッド
得点者:クダFA-フェルナンド・ロドリゲス(70分PK)
 MFL3位のクダFAと最下位フェルダ・ユナイテッドの対戦は、ゴール前に上がったコーナーキックに反応したフェルダ・ユナイテッドのGKノラジアン・ラザリとクダFAの長身DFレナン・アルヴェスが交錯して得たPKをフェルナンド・ロドリゲズが決めた1点を守り切ったクダFAが先勝しました。

パハンFA2−0ペラTBG
得点者:パハンFA-エロルド・グロン2(12分、90分)、ムハマドゥ・スマレ(39分)、ペラTBG-パルティバラン・ジャナセカラン(54分)
 パハンFAの2点目は、右からのクロスを胸で受けたムハマドゥ・スマレが、それを倒れこみながらボレーでシュートした技ありのゴールでしたが、圧巻だったのはパハンFAの3点目。アディショナルタイムに入り、ハーフライン手前、自陣ハーフからエロルド・グロンの蹴った高い弾道のキックに対して、前に出ていたペラTBGのGKハフィズル・ハキムが慌てて下がりながらパンチングするも、ボールはそのままゴールへ吸い込まれるスーパーゴールとなり、パハンFAが先勝しました。

アセアンが合同で2034年ワールドカップ開催立候補を検討
タイのバンコクで本日開幕したアセアン(ASEAN、Association of Southeast Asian Nations東南アジア諸国連合)のサミット。その席でタイのプラユット・チャンオチャ首相が国際サッカー連盟FIFAワールドカップの2034年大会の立候補をアセアン各国と合同で行うことを表明し、このサミットに参加中のマレーシアのマハティール・マハティール首相もこの共催案を支持する発言をしたことを、マレーシアの英字紙ザ・スターの電子版が伝えています。
 地域内に人口およそ6億4千万人を抱えるアセアンは、タイの他、カンボジア、インドネシア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、ベトナム、ブルネイの10カ国で構成される地域協力機構で、サッカーは間違いなくこの地域のナンバー1スポーツですが、まだワールドカップ本戦に出場した国はありません。
 アセアン内の国が単独でワールドカップを開催することは現実的でないとするマハティール首相は、域内の各国が協力して招致することで実現の可能性は上がるのではないかと話しています。

6月12日のニュース:WCアジア一次予選の結果まとめ

アジア一次予選の結果まとめ
アジアサッカー連盟AFC加盟国のうち国際サッカー連盟FIFAランキング下位12チームが参加したFIFAワールドカップ2022大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選がほぼ終了しました。結果は以下の通りです。(カッコ内はFIFAランキング)
 一次予選を勝ち抜いたマレーシア、モンゴル、ラオス、グアム、カンボジアとスリランカ/マカオは、7月17日にカタールのドーハで行われる組み合わせ抽選を経て、9月5日から開催予定の二次予選に参加します。

マレーシア(168位)12-2東ティモール(195位)
第1戦:マレーシア7-1東ティモール@ブキ・ジャリル国立競技場、クアラ・ルンプール
第2戦:東ティモール1-5マレーシア@*ブキ・ジャリル国立競技場、クアラ・ルンプール
*東ティモール国内にAFCの規格にあった競技場がないため、同じ会場で東ティモールのホームゲームとして開催されました。
 予想通り難なく一次予選を突破したマレーシア代表ですが、前回2018年大会アジア二次予選では、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、パレスチナ、東ティモールと同組となり、8試合で2勝6敗7得点29失点という結果でした。しかもその2勝は、東ティモール代表が選手の出生証明書を偽造したことに対するFIFAによる試合没収処分によるもので、これによりマレーシアと東ティモールの対戦はいずれも3-0でマレーシアの勝利となっています。つまり、東ティモールとの対戦を除くと6試合で0勝6敗1得点29失点と壮絶な結果でした。選手自身がここ数年では最強の代表チームというマレーシア代表がどこまで進めるのか、期待が高まります。

モンゴル(187位)3−2ブルネイ(194位)
第1戦:モンゴル2-0ブルネイ@MFFフットボールセンター、ウランバトール
第2戦:ブルネイ2-1モンゴル@ハサナル・ボルキア国立スタジアム、バンダル・スリ・ブガワン)
(写真はモンゴルサッカー協会のFacebookより)

マカオ(183位)対スリランカ(202位)
第1戦:マカオ1-0スリランカ (ズー・ヘイ・スポーツセンタースタジアム、珠海-国内の競技場が改修中のため中国本土で開催)
第2戦:*マカオがスリランカでの開催を拒否し中止-詳しくはこちら
*この件については、AFCがFIFAに対応について問い合わせをしていることがAFCのホームページで告知されています。
 見出しで「ほぼ」と書いたのは、中止となった第2戦がどうなるかが確定していないためです。マカオの棄権となれば、スリランカが二次予選に進出します。

ラオス(184位)0-1バングラディシュ(188位)
第1戦:ラオス0-1バングラディシュ@国立競技場、ヴィエンチャン
第2戦:バングラディシュ0-0ラオス@バンガバンドゥ国立競技場、ダッカ
(写真はバングラディシュサッカー協会のFacebookより)
 今回のアジア一次予選では、FIFAランキング通りの結果にならなかったカードが2つありましたが、その1つがこの両チームの試合でした。

ブータン(186位)1-5グアム(193位)
第1戦:ブータン1-0グアム@チャンリミタン競技場、ティンプー
第2戦:グアム5-0ブータン@グアムサッカー協会フィールド、デデド
 FIFAランキング通りの結果にならなかった2カードのもう1つがこの両チームの試合でした。グアムのジェイソン・カンリフがハットトリックの活躍でした。

カンボジア(173位)1-5パキスタン(200位)
第1戦:カンボジア2-0パキスタン@国立オリンピック競技場、プノンペン
第2戦:パキスタン1-2カンボジア@ハミド・ビン・カリファ競技場、*カタール
*パキスタンは諸々の事情から、ホームとなる試合を国外のカタールで行いました。
 第2戦をネット観戦しましたが、パキスタンが先制してもしやと思われましたが、順当にカンボジアが二次予選進出を決めています。

6月11日のニュース:マレーシアは東ティモールに連勝でWCアジア二次予選へ進出

マレーシアは東ティモールに連勝でWCアジア予選二回戦へ進出
本日、クアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で行われた国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会兼2023年アジアカップの一次予選第2試合で、マレーシア代表は東ティモール代表を5−1で破り、通算成績12-2で二次予選進出を決めました。
 なお、この試合は東ティモール国内にアジアサッカー連盟AFCの規格にあったスタジアムがないことから、東ティモール代表のホームゲームとして行われています。
 マレーシア代表のタン・チェンホー監督は、GKをキャプテンのファリザル・マーリアス(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)からイフワン・アクマル(クダFA)へ、左サイドバックを先日の試合で代表初ゴールを挙げたラヴェル・コービン=オング(JDT)からシャズワン・アンディック(マレーシアフットボールリーグMFL2部のJDTII)へ、先日の試合でケガのため途中退場したトップ下のシャフィク・アーマド(JDT)に代わってシャーレル・フィクリ(ペラTBG)、そしてサファウィ・ラシド(JDT)からアキヤ・ラシド(JDT)と、6月7日の第1戦のスタメンから4人を入れ替えました。まt、この試合ではシャールル・サアド(ペラTBG)がキャプテンを務めました。
 ちなみにこの試合は日本人審判が担当し、プロ審判荒木友輔氏が主審を、野村修氏とプロ審判の八木あかね氏が副審を、そして第四審判を岡部拓人氏が務めました。
 この試合のハイライト映像はこちらです。試合はワールドカップ予選初先発となったシャーレル・フィクリがハットトリックを達成し、やはり初スタメンとなったアキヤ・ラシドが第1戦に続く連続ゴールを決め、自分でシュートするよりパスする方を好むというモハマドゥ・スマレも1得点を挙げ、マレーシア代表が快勝しています。

6月11日(火)
FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選第2戦
マレーシア代表5-1東ティモール代表(ブキ・ジャリル国立競技場)
得点者:マレーシア-シャーレル・フィクリ3(10分、17分、64 分)、モハマドゥ・スマレ(37分)、アキヤ・ラシド(55分)、東ティモール-ルフィーノ・ガマ(72分)