8月16日のニュース:Mリーグ2部-サラワクUが首位浮上、リーグ終盤を迎え給料未払い問題の懸念が浮上、ベルギーでプレーするルクマンはU23アジアカップ出場に意欲

 第13節に予定されながら、新型コロナ陽性者がチーム内で見つかり試合が延期されていたサラワク・ユナイテッドFCが本拠地のサラワク州クチンのサラワク州立スタジアムではなくクアラルンプールのKLフットボールスタジアムでペラFC IIと対戦し、後半戦2勝目を挙げるとともにリーグ首位に浮上しています。

2021年8月15日@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
サラワク・ユナイテッドFC 4-1 ペラFC II
得点者:サラワク-ノーシャルル・イドラン・タラハ(35分)、シャフィク・イズディン(53分OG)、ウチェ・アグバ(67分)、アブドル・ラヒム(88分)、ペラ-ロイイザット・ダウド(2分)

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ順位(第18節終了時)

TeamGWDLGFGAGDP
1SU1594229111831
2TFC1678129131629
3NS1585223111229
4JDT1575329141526
5SEL165742318522
6PDRM166461718-122
7KEL166371820-221
8KU166282124-320
9PRK173591232-2014
10KCH10244912-310
11FAM1603131148-373
項目:G-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト
*今季の2部プレミアリーグは11チームが参加のため、各節で1チームだけ試合がありません。第18節はヌグリスンビランFCの試合がありませんでした。

2021年シーズンMリーグ2部プレミアリーグ得点ランキング(第18節終了時)

選手名(クラブ)ゴール数
1ジョーダン・ミンター(TFC)14
2フェルナンド・ロドリゲス(JDT)12
ウチェ・アグバ(SU)12
4ガッサマ・アルフセイネイ(KU)10
5ジョージ・アトラム(SEL)8
アライン・アコノ(NS)8
クラブ名:NS-ヌグリスンビランFC、SU-サラワク・ユナイテッドFC、TFC-トレンガヌFC II、PRK-ペラFC II、SEL-スランゴールFC 2、KEL-ケランタンFC、KU-ケランタン・ユナイテッドFC、KCH-クチンシティFC、FAM-FAM MSNプロジェクト

リーグ終盤を迎え給料未払い問題の懸念が浮上
 Mリーグ1部、2部とも第18節まで終了し、9月半ばに予定されている最終節第22節まで残り試合も少なくなってきました。そんなシーズン終盤を迎えたこの時期ですが、Mリーグの複数のクラブで給料未払い問題が再び浮上するのではという記事をマレーシア語紙ハリアンメトロが掲載しています。
 この記事の中では、マレーシア国内で代理人業務を含めたサッカー関連のコンサルティングを行なっているアクションフットボールアジア社のエフェンディ・ジャガン・アブドラ氏が運営資金、特にスポンサーによる支援が不足していることにより、小規模のクラブだけでなく、大規模のクラブにも給料未払いが発生し、選手が犠牲になる可能性があるという発言を紹介しています。
 「Mリーグは数試合を残すのみだが、その一方で選手への給料支払いが遅れているという話が聞こえてきている。現時点では非常に深刻な状況ではないように見えるが、ここから大規模な給料未払い問題に発展する可能性もあり、この状況はMリーグの大半のクラブに当てはまる。選手の立場は弱く、この状況に異議を唱えれば出場機会を失うことから、耐えることしかできない。」とアフェンディ氏はハリアンメトロの取材に答えています。
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 今季はここまで1部スーパーリーグでは主力選手が大量退団したペラFCの他、クダ・ダルル・アマンFC、サバFC、2部プレミアリーグではサラワク・ユナイテッドFCなどでも給料の未払いや遅配についての報道がありましたが、この記事の内容があれば、今後は他のクラブからも同様の報道が出る可能性がありそうです。

ベルギーでプレーするルクマンはU23アジアカップ出場に意欲
 10月に予定されているアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ予選に向けて、6月のW杯アジア2次予選にも出場した19歳のルクマン・ハキムは予選に向けて召集されればその期待に応えて全力を尽くしたいと話しています。
 モンゴルで集中開催されるこの予選にはマレーシアサッカー協会FAMは2024年のパリオリンピック出場を目指すU20代表を派遣する意向を表明しています。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロの取材に答えたルクマン選手は、U23アジアカップ予選組み合わせ抽選後に(U20代表監督の)ブラッド・マロニー監督から連絡を受けたことを明らかにする一方で、来年2月に予定されているフル代表が出場するAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選についてはFAMからは何も連絡を受けていないと話しています。
 ベルギー1部のKVコルトレイクでプレーするルクマン選手は「予選期間は1週間と短く、FIFAマッチデー期間でクラブの試合はないので、マローニー監督に(U20代表に)招集されれば、喜んでチームに加わ、信用に応えたい。」と話しています。
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 このU23アジアカップ予選には、ルクマン選手の他、やはりW杯予選にも出場しJDTでプレーするアリフ・アイマンやアメリカ生まれで前回のU23代表候補合宿にも参加したワン・クズリ・ワン・カマルに加えて、ドイツ5部のSGVフライブルグでプレーするV・アニル、セルビア1部FK IMTのU19チームでプレーするアダム・ハミドら「国外組」を初招集する予定であることをU20代表のマローニー監督は言及しています。

8月12日のニュース:U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず、MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告、MFL会長の退任意思は変わらず、MFLはMリーグ各クラブへの分配金額決定は10月

U23アジアカップ予選再抽選-マレーシアはJ組で変わらず
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイトでAFC U23アジアカップ2022年大会予選の組み合わせ再抽選の結果、香港が予選K組に振り分けられたことを発表しています。
 今回のU23アジアカップ予選は、北朝鮮が予選出場を辞退したため、北朝鮮が所属していた予選K組が日本とカンボジアの2チーム編成になってしまった一方で、他の組は3チームあるいは4チームで編成されていることから、東地区予選各組のシード国と集中開催地となる予選開催国を除いた国のチームを対象に、K組に振り分ける1チームを選ぶ再抽選を行うことをAFCが発表していました。
 昨日8月11日にクアラルンプールにあるAFC本部、AFCハウスでオンライン形式で行われた再抽選では、7月9日に行われた組み合わせ抽選で予選I組に所属していた香港がJ組に振り分けられています。また、この結果予選I組はベトナム、ミャンマー、台湾の3チーム編成となりました。
 なおマレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組と変わらず、10月27日から31日まで集中開催地となるモンゴルでの試合に臨みますが、ロンドンオリンピック出場を目指すマレーシアサッカー協会FAMはこの予選にU20代表を派遣することを発表しています。
 なお組み合わせ再抽選後の日程はこちらです。

MFLはMリーグ各クラブにSOP違反に対する厳罰処分を警告
 Mリーグを運営するMFLは標準作業手順SOPの遵守を再度求め、これに違反したクラブに対しては厳罰を課す用意があることを明言しています。
 マレーシア語紙ブリタハリアンはMFLのハミディン・アミン会長はSOP違反のクラブへの処分については理事会でその内容が決定しており、Mリーグ各クラブには近々文書で通達される予定である話しています。
 Mリーグでは1部スーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFC、そして2部プレミアリーグのクチンシティFCとサラワク・ユナイテッドFCがそれぞれ試合前に行った新型コロナウィルス検査で陽性者がいたことから、いずれも2週間の検疫隔離となり、両チームの試合計12試合が延期されたほか、リーグ自体の日程も変更されるなど混乱が生じています。

MFL会長の退任意思は変わらず
 同じブリタハリアンでは、ハミディン・アミンMFL会長が退任の意思を変えておらず、その後任は近いうちに発表されると話していることを報じています。
 FAMの会長でもあるハミディンMFL会長は、FAM会長職に専念するためにMFL会長を辞任する意思があることを今年3月に行われたマレーシアサッカー協会FAM理事会で明らかにしていましたが、今回オンラインで行われた定例会見では、その意思が変わっていないと話し、規約に則り、理事会の承認を経て後任を決定したいと話しています。。

MFL-Mリーグ各クラブへの分配金は10月に支給予定
 MFLはMリーグの放映権収入による分配金は各クラブへ10月に支給される予定であると発表しています。
 ブリタハリアンはMFLのハミディン会長がこれを確約したと報じています。
 「各クラブに支給される最終的な金額については、MFL理事会によって決定される。各クラブに対しては既に支給は段階的に行われており、今後の増減についての決定権は理事会にあ利、マレーシアカップが終了する10月には最終的な金額がわかるだろう。」とハミディン会長は述べています。
 MFLは昨季2020年シーズンの放映権収入をもとに1部スーパーリーグのクラブには100万リンギ(およそ2600万円)、2部プレミアリーグのクラブには50万リンギ(およそ1300万円)を支給しています。

8月4日のニュース:シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団、低迷するペラFCにOB2人が支援を申し出、AFC U23アジアカップ予選出場のU20代表はチベットの合宿を検討

シーズン中ながらサバFCのマディンダが契約完了で退団
 Mリーグ1部のサバFCはMFレヴィ・マディンダとの契約完了をクラブ公式Facebookで発表しています。ガボン出身で29歳のマディンダ選手はサバFCと7月31日までの契約を結んでいましたが、クラブは契約更新を行わないことを決定し、契約が完了しています。3月13日の第3節クダ・ダルル・アマンFC戦から出場したマディンダ選手は7月28日の第15節スリ・パハンFC戦までの12試合中11試合に出場し3ゴールを挙げています。
 サバFCはクラブ公式Facebookでマディンダ選手に在籍への感謝の意を表し、マディンダ選手も自身のインスタグラムで契約完了を報告するとともにチームへの感謝を述べています。
 マディンダ選手の契約完了を取り上げたマレーシア語紙ハリアンメトロは、両者合意のもとでの契約完了であったものの、契約が延長されなかった理由は不明だとしています。
 マディンダ選手の退団により、現在リーグ7位のサバFCは残り6試合をパク・テース、リストロ・ミトレヴィスキ、ジョシップ・イヴァンチッチ、サディル・ラムダニの4名の外国籍選手で戦うことになります。
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 開幕当初の予定では7月中に第20節までが終了している予定でしたが、W杯予選やAFCチャンピオンズリーグなどの日程変更の影響で、現在は第15節までしか終了しませんでした。サバFCはリーグ終了後のマレーシアカップに向けて、各外国籍選手との契約内容を検討する予定だったと思いますが、日程変更に加え、度々噂されている運営資金不足による給料未払いなどの理由から、外国籍選手の数を減らす手段を取ったと考えられます。


低迷するペラFCにOB2人が支援を申し出
 チョン・イーファット監督の「休養」が発表されたMリーグ1部ペラFCの元選手がチーム状況改善のための支援を申し出ていると、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。
 かつてペラFC(当時はペラFA)でリーグ得点王も獲得したカリド・ジャムラスとアズミール・ユソフは今季、ここまで11位と低迷するペラFCに対し、支援を申し出ています。
 2002年にペラFAでリーグ得点王を獲得したカリド氏は、機会が与えられれば今季16試合で14得点の攻撃陣を指導し、残り試合に向けて攻撃力を改善したいとソーシャルメディア上で発言し、また2010年、11年、14年、15年と4シーズン在籍したアズミール氏は、特に具体的な内容はあげていないものの無償で良いので指導したいとやはりソーシャルメディアに投稿しています。
 なお、このペラFCに対する両OBの申し出はサポーターの間では好感を持って受け止められているとブリタハリアンは報じていますが、昨日8月3日もペナンFCに3-5と2試合連続5失点で敗れ、降格圏脱出が遠のいたペラFCがこのOB2人の申し出を受け入れるのかどうか、そして受け入れたとしても1部残留のための特効薬となるのかどうかに注目です。

AFC U23アジアカップ予選出場のU20代表はチベットの合宿を検討
 マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック出場を目指すための強化策として今年10月に予定されているアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ(旧U23選手権)予選ににU20代表を派遣することを明らかにしていますが、マレーシア語紙ハリアンメトロは予選前の合宿候補地としてチベットが上がっていると報じています。
 AFC U23アジアカップ予選では予マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと共に選J組に入ったマレーシアは今年10月27日から31日までモンゴルで集中開催される予選に出場しますが、10月下旬のモンゴルは気温が-1度から-5度で、年間平均気温が最高で31度、最低でも23度のマレーシアで育った選手たちには気温への適応が最大の課題となることから、予選前の合宿地とネパール、中国などとともにチベットが予選直前の合宿地候補となっているということです。
 U20代表のブラッド・マロニー監督はこれまで予定されていたアラブ首長国連邦のドバイでの合宿後に、寒冷地対策となる合宿を行うことが計画されていると話す一方で、このAFC U23アジアカップ予選は先日、北朝鮮が出場辞退を発表したことから、組み合わせ抽選のやり直しが行われることも承知しており、予選の組み分けが変わり、開催地がモンゴルでなくなる場合には、それにあわせた計画変更をFAMが予定していることも明らかにしています。

7月30日のニュース:AFC U23アジアカップ予選-北朝鮮出場辞退で組み合わせ抽選がやり直しに、マレーシアが出場権獲得のFIFAeネイションズカップが中止に

 隣国タイからは、在任中一度もマレーシアに勝てなかったタイ代表の西野朗監督とタイサッカー協会が契約解除で合意したニュースが入ってきました。理由はともあれ代表に招集したい選手がそれを拒否もとい辞退する環境で代表監督を務められた西野さん、お疲れ様でした。

AFC U23アジアカップ予選-北朝鮮出場辞退で組み合わせ抽選がやり直しに
 アジアサッカー連盟AFCは、北朝鮮がAFC U23 アジアカップ2022年ウズベキスタン大会予選出場辞退を表明したことを受け、東地区予選の組み合わせ再抽選を行うことを発表しています。
 北朝鮮が所属した予選K組は北朝鮮の出場辞退により日本とカンボジアの2チームのみの編成となり、最大で4チームで編成される他の予選組との差が大きくなったことが理由と説明されています。
 8月11日に行われることが発表された再抽選では、4チーム編成となっている予選G組、H組、I組、J組の中から選ばれる1チームがK組に振り分けられることになります。ただし予選GからJ組の各チームの内、各組の最上位チームと集中開催地となるホストチームはこの再抽選対象から除外されることも発表されています。この結果、再抽選の対象となるのは中国、ブルネイ(以上予選G組)、東ティモール、フィリピン(同H組)、ミャンマー、香港(同I組)、マレーシア、ラオス(同J組)の8チームで、この中から選ばれたチームが新たに予選K組の日本、カンボジアに加わることになります。
 なお、北朝鮮はAFC女子アジアカップ2022年インド大会予選の出場も辞退していますが、6月24日行われた組み合わせ抽選については再抽選を行われないことも発表になっています。
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 なおマレーシアは今年10月に開催が予定されているこのAFC U23アジアカップ予選に、2024年パリオリンピック出場を目指すU20代表をチーム強化の目的で派遣することを発表しています。

マレーシアが出場権獲得のFIFAe ネイションズカップが中止に
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上で、国際サッカー連盟FIFAが主催する国対抗のFIFAe ネイションズカップが新型コロナウィルスの感染状況が世界的に改善しないことを理由に中止となったことを発表しています。
 FAMに当てられた書簡によると、各国が独自に行なっている渡航制限により出場予定の代表チームの中にその影響を受けるチームがあるということ、またFIFAだけでなく関係各方面からも大会参加者の安全と健康を危惧する声も上がっていることなどが直接的な理由として説明されているということです。
 FIFAe ネイションズカップ出場を目指すFAMは今年3月に代表選手選考のための大会となる第1回eRimauカップを今年3月10日から18日まで開催し、そこで7名が選抜され代表候補合宿に参加しています。その結果、Luqmanhzqことムハマド・ルクマン・ハジック、Akmaljhdことアフマド・アクマルの両氏がマレーシア代表 eRimauのメンバーとなりました。
 このeRimauは今年4月29日から5月1日までオンラインで開催されたFIFAe ネイションズカップのアジア・オセアニア予選に出場し、日本、インドネシアに次ぐ3位となり、8月20日から22日までのデンマークのコペンハーゲンで開催される予定だったFIFAe ネイションズカップ本大会出場権を獲得し、本大会では開催国デンマーク、オランダ、イタリア、カタール、ウルグアイとともに予選A組に入ることも決定していました。
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 このFIFAe ネイションズカップについては、本大会に向けマレーシアは日本などとも練習試合を積極的に行っていることをこのブログでも取り上げました。アジア・オセアニア予選がオンラインで行えるなら、こんな時こそ安易に中止にせずに本大会もオンライン開催を検討してもと良いのでは、と素人は考えてしまいますが、言うは易し行うは難し、ということなのでしょうか。


7月11日のニュース:FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣、ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト、JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める

FAMはU23アジアカップ予選にU20代表を派遣
 昨日のコラムではアジアサッカー連盟AFC U23アジアカップ2022年大会の予選組み分けが行われ、マレーシアはタイ、ラオス、モンゴルと同じ予選J組となり、モンゴルでの集中開催となることを取り上げましたが、マレーシアサッカー協会FAMはこのU23大会にU23代表ではなく、U20代表を派遣することを公式サイトで発表しています。
 FAMのオン・キムスイ テクニカルディレクターTDによれば、このU20代表派遣は2024年のパリオリンピック出場を目指すU23代表強化プログラムの一環として行われ、オーストラリア出身のブラッド・マロニー現U23代表監督がこのチームの指揮を取る予定だということです。
 「このU20代表派遣は既にFAMの代表チーム運営委員会で提案され、FAM理事会の承認も得た上で決定されている。現在のU20代表を10月のAFC U23アジアカップ2022年大会予選、そして11月の東南アジア競技大会2021年ベトナム大会(この発表後に来年に延期が決定-筆者注)さらには、AFC U23アジアカップ2024年大会予選、東南アジア競技大会2023年カンボジア大会と継続して派遣していく予定になっている。これによりこの年代の代表チームは早い段階から様々なレベルで経験を積み重ね、長期間かけて(オリンピック2024年パリ大会予選に向けて)準備していくことができる。」とオンTDは話しています。
 またオンTDは10月のAFC U23アジアカップ予選前には次の国際マッチデー期間(8月30日から9月7日)にU20代表候補を招集して候補合宿も開催する予定も明らかにしています。
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 先月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にも出場したFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)やFWアリフ・アイマン(JDT)、代表に招集されながら合宿中のケガで代表辞退となったといったGKラハディアズリ・ラハリム(トレンガヌFC)さらにMFムカイリ・アジマル、DFハリス・ハイカル(いずれもスランゴールFC)など才能豊かな選手がU20代表の主力になる可能性がある一方で、代表選手のFWアキヤ・ラシド(JDT)、先日終了したAFCチャンピオンズリーグ予選に出場したFWラマダン・サイフラー(JDT)、リーグでは好調のMFハキミ・アブドゥラ(トレンガヌFC)、FWダニアル・アサリ(スランゴールFC)そしてFWハディ・ファイヤッド(J3沼津)など順当ならU23代表候補となる選手たちが勝負の機会も与えられず、U23アジアカップ出場の選考対象ならないのはもったいない気もしますし、さらに言えばこのような育成のための「複数年計画」は、失敗した際にその前の年代も含めて代表強化の「空白期間」ができてしまうこともあります。個人的にはU20代表に限定するのではなく、U23代表に飛び級できる能力のあるU20代表の主力を加えたチームを編成し、彼らに同年代のタイやラオスと対戦されて、本大会出場を目指す方が一足飛びにオリンピック出場を目指すよりは遥かに現実的な目標に思えます。言い換えれば、既にフル代表でもプレーするルクマン選手やアリフ選手を敢えてU20代表でプレーさせることは、むしろ開きかけている才能の芽を摘みかねない気もします。

ペラFCはリーグ再開前の練習試合で新外国籍選手をテスト
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCは、7月24日より再開するMリーグを前に新たに獲得した外国籍選手をテストする予定だとマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 ペラFCのチョン・イーファット監督はいずれも2部プレミアリーグのPDRM FCとヌグリスンビランFCとの練習試合で、これまでは練習参加のみだった新外国籍選手を起用すると話しています。
 給料未払いにより主力5選手が他のMリーグクラブに流出したペラFCはトランスファーウィンドウ期間中に英国出身のMFチャリー・マシェル(昨季はシンガポール1部ホウガン・ユナイテッドでプレーし今季はカンボジア1部のビサカFCに移籍するも出場なし)、2018年にもペラに在籍したレバノン出身のDFジャド・ヌールディン(レバノン1部のアル・アヘドFCより期限付き移籍)、同じくレバノン出身のMFサミル・アヤス(ブルガリア1部POFKボテフ・ヴラツァより移籍)、カメルーン出身のDFゾバイロウ・ガルバ(昨季はインドネシア1部プルスバヤ・スラバヤでプレー)、フランス出身のFWジスラン・グゥエッサン(2019年にアルジェリア1部CAボルジュ・ブー・アリエージュでプレーも昨季はプレー記録なし)の5選手を獲得しています。
 なおペラFCにはMFレアンドロ・ドス・サントスとMFカレッカのブラジルコンビ、やはりトランスファーウィンドウ期間中に同じ1部のUITM FCから移籍したガーナ出身のFWナナ・ポク、そしてスリ・パハンFCから期限付き移籍しているFWセルヒオ・アグエロがおり、この9選手はペラFCに5名と2部プレミアリーグでプレーするセカンドチームのペラFC II4名がに配置される予定ということです。
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 別の報道ではブラジルコンビのレアンドロとカレッカは放出を希望していたものの、条件面でクラブとの合意に至らず、今季の残留が決まったと報じられています。守備的MFのレアンドロ、攻撃的MFのカレッカはいずれもリーグ中断前の第13節までに12試合に出場している主力選手ですが、この2人が残留となったことでペラFCではFWナナ・ポク、DFジャド・ヌールディン、DFゾバイロウ・ガルバの5名の外国籍選手が、残る4選手はペラFC IIでプレーするのではないかと予想されています。それにしてもペラFC IIは外国籍選手なしでスタートしながら、突然4名の外国籍選手を割り振られるなど、数ヶ月前までは給料未払い問題て揺れていたクラブとは思えないような大盤振る舞いです。

JDTオーナーは監督解任の声に対して冷静な対応を求める
 Mリーグ1部スーパーリーグで7連覇中のJDTは、先日終了したAFCチャンピオンズリーグACLでは同組の名古屋グランパスと浦項スティーラーズ(韓国)にそれぞれ2敗、ラーチャブリーFC(タイ)とは1勝1分のグループ3位でノックアウトステージ進出を逃しましたが、ほぼマレーシア代表とも言えるメンバーを揃えながら、この結果に不満を持つ一部サポーターがソーシャルメディア上でベンヤミン・モラ監督の解任を求めている事態について、JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下はモラ監督を擁護しているとブリタハリアンが報じています。
 自身のインスタグラムに投稿したイスマイル殿下は、ACLはJDTにとっては超えるには高い壁だとし、大志を持つことは良いことだが、現実に目を向けない大志はそうではないと述べ、モラ監督を批判するなら、モラ監督を採用した自分を非難するべきだと述べて、サポーターに現実的になることを求めています。
 2019年から連続してMリーグの唯一の代表としてACLに参戦できていることは名誉であるとも述べたイスマイル殿下は、JDTのレベルはACLのレベルには達していないと述べる一方で、2019年には鹿島アントラーズを、2020年には水原三星ブルーウィングス (韓国)を破ったことは事実だとして、今後もクラブのレベルアップを図っていくことをサポーターに約束しています。