1月1日のニュース:新監督就任のヌグリ・スンビランFAは中武駿介選手ら外国籍選手が全員残留決定、フェルダUはプレシーズンマッチでメダンの大会に参加、韓国U23代表はシャーアラムスタジアムでの練習試合をピッチ不良でキャンセル

新監督就任のヌグリ・スンビランFAは中武駿介選手ら外国籍選手が全員残留決定
 昨季2019年シーズン最終戦で、勝点で並ぶUITM FCと引き分け、得失差によりマレーシアンフットボールリーグMFL1部昇格を逃したヌグリ・スンビランFAはサザリ・ザイドン新監督の就任と昨季在籍した4名の外国籍選手全員の残留を発表しています。
 昨季のアシスタントコーチから昇格したサザリ監督は、ヌグリ・スンビランFAのU19チームに当たるプレジデントカップチームやテクニカルダイレクターなども経験していますが、そのサザリ監督は「大量の選手を入れ替えれば、チーム作りはゼロからとなり、時間がかかる」とし、僅差で昇格を逃したチームの全体的な底上げを図ることで、今季2020年シーズンは自動昇格となる2位内を目指すと英字紙スター電子版に語っています。
 チームの状況が安定していなかったことが昨季最大の問題点と考えるサザリ監督は、精神的な強さと冷静なプレーで調子が悪いときでも勝点を確実に積み上げられるようになる必要があると語っています。
 残留する外国籍選手のDFマテウス・フェルナンデス・ビーラ・リアル、FWホセ・アルミール・バロス・ネト、FWイゴール・カルネイロ・ルイス(いずれもブラジル出身)とMF中武駿介選手に加え、スランゴールFCに吸収された昨季のMFL1部クラブPKNS FCの元主将のDFムハマド・シャーロム・アブドル・カラムら6名の選手が加入する他、プレジデントカップチームから昇格する選手らが今季のチームを構成します。
 ベテランを中心に補強を行ったクアラルンプールFA(MFL1部から降格)、ペナンFA、ケランタンFAがMFL2部優勝争いのライバルであるとするサザリ監督は、これらのチームとヌグリ・スンビランFAの間に力の差はないので、シーズンを通して安定した力を出せるかどうかが鍵になると話しています。

フェルダUはプレシーズンマッチでメダンの大会に参加
 MFL開幕まで2ヶ月となり、各クラブが国内外でプレシーズンのトレーニング中です。ジョホール・ダルル・タクジムJDTはアラブ首長国連邦UAEクダFAはカンボジアへ遠征する中、フェルダ・ユナイテッドは、インドネシアのメダンで開催される大会に参加すると、インドネシアのスポーツ専門サイト、インドスポートドットコムが報じています。
 1月17日から19日まで開催される大会はインドネシアサッカー協会PSSIの元会長の名を冠したエディ・ラーマヤディカップで、インドネシア2部リーグのPSMSメダンの本拠地タラダンスタジアムで開催され、PSMSメダン、フェルダ・ユナイテッドの他、ボーウング・ケット・アンコールFC(カンボジア)、ゲイラン・インターナショナルFC(シンガポール)の4チームが参加します。

韓国U23代表はシャーアラムスタジアムでの練習試合をピッチ不良でキャンセル
 今月1月8日からタイで開催されるアジアサッカー連盟AFC U23選手権兼2020年東京オリンピックアジア予選の準備のため、マレーシアで合宿中だった韓国U23代表が、スランゴールFCのホームであるシャーアラムスタジアムで予定されていたサウジアラビアU23代表との練習試合をピッチ不良のためキャンセルしたと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。
 先月12月28日にマレーシア入りしていた韓国U23代表の試合中止は、試合前に降った大雨でピッチの状態が不良となったためとしていますが、1月3日に予定されているオーストラリアU23代表との練習試合は、現時点では予定通り行うようです。
 オーストラリアU23代表との練習試合後は、韓国U23代表は1月5日にタイ入りし、タイ南部のソンクラで開催される1月9日の中国U23代表との初戦に臨みます。
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 この時期のマレーシア東海岸側は乾季ということにはなっていますが、全く雨が降らないわけではなく、短時間に大雨が降ることも少なくありません。またマレーシアのスタジアムは、降雨量に対してピッチの排水設備が不十分なことが多く、MFL1部の試合でもピッチ上に水たまりがあちこちあるような状況下で試合が行われることもしばしばあります。韓国U223代表はオリンピック出場のかかる大事な試合前に、水が浮くようなピッチでプレーして不用意なケガは避けたいということからの判断なのでしょう。

12月21日のニュース:クラスニキはJDTに(やっぱり)加入、タム・シィアンツンはクダFAでの活躍を目指す、ミャンマーU22のスターにマレーシアやタイのクラブが触手

クラスニキ(やっぱり)JDTに加入
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のジョホール・ダルル・タジムはFacebook上で、コソボ出身のリリドン・クラスニキのマレーシア人選手としての加入を発表しています。クダFAで4年間、マラッカ・ユナイテッドで1年間プレーしたクラスニキ選手は、FIFAの規定にある5年以上該当国で継続して居住することで帰化選手となることができる規定によりマレーシア人選手としての登録が可能とされており、マレーシアの国籍取得後はMFLではマレーシア人選手としてのプレーが可能です。
 過去数週間、JDTの練習施設で目撃されていたことから入団は秒読み段階と言われていましたが、やっぱりJDTに加入したようです。
 今季はMFL1部マラッカ・ユナイテッドでプレーしたクラスニキ選手は、開幕から6試合目に負傷し、それ以降は治療等でチームを離れ、今季終了後には契約満了で退団していました。昨季のクダFA退団の際、そして今季のマラッカ・ユナイテッドとの契約中に音信不通になるなど、悪い評判が立っていたクラスニキ選手について、JDTオーナーのジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下は、練習中の態度を見る限りでは何の問題もないと述べており、クダFAで高い評価を受けていた頃のクラスニキ選手に戻ったのかも知れません。
 その一方で、やはり噂になっていた、マレーシア人の母親を持ちベルギーU21代表などの経験を持つディオン・コールズ(23歳、クラブ・ブルッヘ)について、トゥンク・イスマイル殿下は、世界でもトップクラスのベルギーでサッカーを続けてもらいたいとする一方、JDTの門戸はいつでも開いていると話しています。
 またトゥンク・イスマイル殿下は、JDTのBチーム、MFL2部に所属するJDT IIに日本人選手が加入予定であること、またJDTは来年2020年1月15日からドバイでキャンプを行うことなども併せて発表しています。
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 クラスニキ選手については、アジアサッカー連盟AFCの承認を得ることでマレーシア代表でのプレーも可能で、マレーシアサッカー協会FAMも来季ペラTBGでプレーするギリェルメ・デ・パウラとこのクラスニキ選手を帰化選手として登録したい意向を表明しています。

タム・シィアンツンはクダFAでの活躍を目指す
 東京でマレーシア料理店を営むマレーシア人の両親のもとに生まれたタム・シィアンツンは2009年、13歳のときにJリーグ2部(当時)の横浜FCのU15チームにスカウトされ入団しました。しかし初のマレーシア人Jリーガー誕生かと期待されたかつての天才少年も今年24歳になりました。英字紙ストレイトタイムズ電子版はこのタム選手が、クダFAと来季の契約を結んだことを報じています。
 横浜FCU15からサガン鳥栖、そして水戸ホーリーホックと移籍したタム選手は、移籍先でチャンスを掴むことができず、2013年には中国1部リーグの上海申花のリザーブチームに加入しました。また同年には東南アジア競技大会通称シーゲームズ出場のマレーシアU22代表候補合宿に招集されましたが、当時のオン・キムスイ監督はタム選手を最終メンバーには選びませんでした。
 上海申花退団後は日本へ戻り、アビスパ福岡、カターレ富山、ガイナーレ鳥取へと移籍するも、結局、日本でも中国でも思うような成績が残すことはできませんでした。
 2016年に両親の故郷マレーシアへ戻ったタム選手はマラッカ・ユナイテッドと契約しますが、満足する結果を残せないまま契約満了とともにD’ARワンダラーズ(MFL3部)へ移籍していました。
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 来季のクダFAはAFCチャンピオンズリーグACLの予選出場権を得たこともあり、クパ・シャーマン(PKNP FCより加入)、チェチェ・キプレ(トレンガヌFCより加入)攻撃陣を中心とした大型補強を行っており、タム選手が出場機会を得ることは容易ではなさそうです。
 東京育ちということで、家庭内では両親から中国語で話しかけられても日本語で返事をすることの方が多いというタム選手。このブログでは今後もその動向を追いかけてみたいと思います。

ミャンマーU22のスターにマレーシアやタイのクラブが触手
 今月12月初旬に開催された東南アジア競技大会シーゲームズで銅メダルを獲得したミャンマーU22の主力選手にマレーシアやタイのクラブが興味を示しているとミャンマーの英字紙ミャンマータイムズ電子版が伝えています。
 関心を集めているのはFWアウン・カウン・マン(21)で現在はエー・ユナイテッドFCに所属しており、マレーシアとタイのクラブからのオファーを検討中と報じられています。先日のシーゲームズでは、準優勝したインドネシア相手の準決勝や3位決定戦でのゴールを含む5ゴールを挙げ、ミャンマーの銅メダル獲得に貢献しています。
 但し、記事の中では自分のプレースタイルに合っているのはタイのサッカーだとして、マレーシアのクラブからのオファーを受けない可能性を示唆しており、MFLでカウン・マン選手を見る可能性は低そうです。
 なお同じミャンマーU22代表からは19歳のMFミャット・カウン・カン(ミャンマー1部リーグのヤダナボンFC所属)にもタイクラブからのオファーがあることも報じられています。

12月15日のニュース:2021年のACLとAFCカップの割り当て決定、MFLは各クラブへ放映権料支給を取り止め、スランゴールFA監督がシーゲームズの結果についてコメント

2021年のACLとAFCカップの割り当て決定
 アジアサッカー連盟AFCが主催するアジアのクラブ王者決定戦AFCチャンピオンズカップACLは、2021年からは現行の32チームから40チームへと本戦出場チーム数が拡大しますが、これに伴いACLの各国割り当て枠が変更になり、マレーシアはこれまでの1+1(本戦出場枠1つと予選プレーオフ出場枠1つ)から1+0(本戦出場枠1つと予選プレーオフ出場枠0)へと、実質的には出場枠減になっています。
 なお来季2020年は、マレーシア国内最上位リーグとなるマレーシアフットボールリーグMFL1部優勝チームのジョホール・ダルル・タジムJDTがACL本戦に出場、全国レベルの国内カップとなるマレーシアFAカップ優勝のクダFAがACL予選プレーオフに出場となっています。
 なお今回の変更により東南アジアの各国は、AFC東地区でAFC加盟協会(MA-Member Association)ランキングが4位のタイが2+2、6位のフィリピンは1+1、8位のベトナム、9位のマレーシア、10位のシンガポールはいずれも1+0、12位のミャンマーは0+1の出場枠を割り当てられています。
 また今回のACLの出場枠割り当て変更に伴い、2021年AFCカップへの出場条件も変更になり、本選出場枠、予選プレーオフ出場枠を問わずACL出場枠が1つ以下のAFC加盟協会にはAFCカップの出場枠が与えられることになりました。この結果、マレーシアは本戦出場枠が2枠となり、来季2020年MFL1部2位のチームとマレーシアFAカップ優勝チームに出場権が与えられます。
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 ACL予選プレーオフ枠は減ったものの、AFCカップ出場枠が2つ増えたことで、より多くのクラブが東南アジアで、さらにはアジアで力試しをする機会を得ることになりました。ACLとAFCカップに出場するクラブは、結果を出し続けてACLの出場枠を従来の1+1に引き戻すことを目指して欲しいです。

MFLは各クラブへ放映権料支給を取り止め
 マレーシアフットボールリーグMFLは、ホームページで所属各クラブへ分配予定だった放映権料の残りの支給を行わないことを正式に発表しています。
 緊急臨時総会を開いたMFLのダト・ハミディン・アミン会長は、MFLが抱える不安定な経営状況を回復させる必要があることから今回の決定に至ったと説明する一方で、今年2019年7月にはその不安定な経営状況下で各クラブに約束していた放映権料の半額を支払ったことへの理解を求めています。今年7月の時点では、MFL1部クラブには150万リンギ(およそ3970万円)が、MFL2部クラブには50万リンギ(およそ1320万円)が支給されています。
 また来季2020年分の放映権料については、MFLが得る放映権料と商業利益が総額が1800万リンギ(およそ4億7600万円)以下の場合には従来のMFL1部300万リンギ、MFL2部100万リンギから見直しを行うこと、そして2021年以降は放映権料分配は年末に行うことも併せて発表しています。
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 このブログでも取り上げたマレーシアのマルチメディア企業テレコムマレーシアTMとMFLの間で2018年1月に締結された8年間で4億8000万リンギ(およそ127億円)という放映権料を含む巨大なスポンサー契約が今年2月に打ち切られたことにより、MFLには期待していた放映権そのものが全く入らない中、各クラブに約束していた金額の半分を支給した(噂では、資金源はジョホール州皇太子で前MFL会長のトゥンク・イスマイル殿下のポケットマネー)のが7月でした。残りは8月、11月と支給予定日を先送りしてきましたが、結局、無い袖は振れぬ、ということでした。

スランゴールFA監督がシーゲームズの結果についてコメント
 2019年東南アジア競技大会通称シーゲームズのサッカー男子に出場したU22代表は、大会前は準決勝出場間違いなし、そこから何色のメダルが取れるか、と言われていましたが、結果は予選グループで敗退し、準決勝に進出することができませんでした。
 シーズン末の大会であったことから疲労の蓄積、あるいは参加した選手の意欲の欠如など、様々な理由がメディアを賑わせましたが、スランゴールFAのバスカラン・サティアナタン監督は、この大会に臨んだ選手たちの姿勢が問題ではないかと指摘しています。FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選に出場しているフル代表のメンバー7名を含むU22代表のメンバーは近年でも最高のメンバーであるとする一方、代表チームでプレーするということはサッカー選手にとって最高の栄誉であることを理解していない選手がいたのではないかと述べています。
 今大会で優勝したベトナムにもフル代表でプレーする選手が含まれていたことからシーズン末の大会であることや疲労は理由にならないだろうとし、マレーシアが初戦のミャンマー戦の引き分け以降、低下していったことを指摘、選手たちが準決勝進出を諦めてしまったように感じたと述べています。
 またその一方で、ファンやサッカー関係者、メディアの何が何でもシーゲームズでは金メダル、という姿勢も変えるべきだとしています。金メダルを目指すこと自体は間違えていないが、時にはことの全体像を捉え、各大会ごとの目標を正しく設定すルことが重要とも指摘しています。サティアナタン監督は個人的な意見であると前置きした上で、(東南アジアのチームのみが参加する)シーゲームズの結果を選手やチーム評価基準として使うことには反対で、むしろ(アジアのチームが参加する)AFC主催の各大会を評価基準とするべきとし、例えば今回で言えば、U22代表ではなくU19代表をシーゲームズに出場させる、という考え方があっても良かったのではないかとも話しています。U19の選手にとって上の年代の選手との対戦は良い経験になるだけでなく、予選を突破したAFC U19選手権の準備にもなっただろうと述べていますが、同時に現在のファンやサッカー関係者、メディアの姿勢ではそのような方針は決して許されることはないだろうとも述べています。
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 マレーシアサッカーがその域まで達しているかどうかは別として、例えば昨年2018年のアジア競技大会はU23代表が出場する大会でしたが、日本はU21代表を派遣しています。また、今回U22代表のオン・キムスイ監督はU19代表でプレーする17歳のルクマン・ハキムとウマル・ハキームの2選手を招集するなど、現場レベルでは、サティアナタン監督の考えが理解されているようですが、マレーシアサッカー協会幹部や、メダルの数が気になるマレーシアオリンピック協会(シーゲームズはオリンピック協会が統括)幹部がこの考えを理解できるかどうかは、マレーシアサッカーに対してどのくらい先まで見越した方針を持てるかどうかによりそうです。

12月11日のニュース:シーゲームズ-ベトナムがインドネシアを下して金メダル獲得、ミャンマーがカンボジアを下し銅メダル獲得、2020年ACL組み合わせ決定-JDTは日中韓のクラブと対戦、クダFAのプレーオフ対戦相手も決定

シーゲームズ-ベトナムがインドネシアを下して金メダル獲得
 第30回東南アジア競技大会通称シーゲームズのサッカー男子決勝がマニラのリザルメモリアルスタジアムで行われ、ベトナムがドゥオン・バン・ハオ(オランダ1部SCヘーレンフェーン)の2ゴールを含む3-0でインドネシアを下して金メダルを獲得しています。ベトナムは南ベトナム(ベトナム共和国)として優勝した東南ジア大会の前身となる第1回東南アジア半島大会1959年大会以来、60年ぶり2度目の優勝です。この優勝の後は、5度決勝に進出しながらいずれも準優勝に終わっていました。また今回のシーゲームズではサッカー女子もベトナムが有用しており、男女そろっての優勝となりました。
 試合は戦前の予想通りベトナムが優位に進め、試合中にはフル代表監督と兼任のベトナムのパク・ハンソ監督が主審に抗議しレッドカードで退場となる場面もありましたが、試合終了後はピッチに戻り胴上げされたとAFP通信が伝えています。
 今回の大会は、マレーシアで開催された前回2017年大会決勝に進出したタイ、マレーシアの両チームがいずれもグループステージで敗退する一方で、カンボジアが初めて準決勝に進出するなど、各チームの戦力が拮抗していることを印象付ける大会でした。その中で、ベトナムがFIFAワールドカップ予選でUAEやタイを抑えて予選グループトップに立つフル代表だけでなく、このU22世代でも東南アジアをリードする存在であることを知らしめた大会と言えるでしょう。
<東南アジア競技大会2019年大会決勝>
ベトナム3-0インドネシア
得点者:ベトナム-ドゥオン・バン・ハオ2(39分、73分)、ド・フン・ドゥン(59分)
(写真は胴上げされるパク監督と先制ゴールを決めたドゥオン選手-東南アジアサッカー協会AFFのホームページより)

シーゲームズ-ミャンマーがカンボジアを下し銅メダル獲得
 決勝の前に行われた3位決定戦では、ミャンマーがカンボジアをPK戦で下し、サッカー男子では2大会ぶりのメダルを獲得しています。今大会、予選グループではフィリピンと引き分け、マレーシアを破るなど上位チーム相手に旋風を巻き起こしたカンボジアでしたが、メダル獲得はなりませんでした。
 フルタイムを2−2で終えた両チームはPK戦に突入し、先攻のミャンマーは5人全員がPKを決め、後攻のカンボジアも4人がゴールしましたが、5番目のキッカーとなった主将のケオ・ソクペンがシュートをゴールポストに当てて外し、PK戦5-4でミャンマーが銅メダルを獲得しています。
<東南アジア競技大会2019年大会3位決定戦>
ミャンマー2-2カンボジア(PK戦ミャンマー5-4カンボジア)
得点者:ミャンマー-アウン・カウン・マン(9分)、ミヤッ・カウン・カン(35分)、カンボジア-シエン・チャンテア(1分)、ケオ・ソクペン(71分)

2020年ACL組み合わせ決定-JDTは日中韓のクラブと対戦
 アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグの組み合わせが決定し、今季2019年に続き本戦から出場するマレーシアフットボールリーグMFLチャンピオンのJDTは予選グループGに入り、日本、中国、韓国のクラブとの対戦が決定しました。
 同組となったのは、今季2019年ACL準決勝で浦和に敗れたファビオ・カンナバーロ監督率いる今季中国スーパーリーグチャンピオンの広州恒大淘宝、今季Kリーグ8位ながら韓国FAカップチャンピオンの水原三星ブルーウィングス、そして日本からは天皇杯優勝チームがこの組に加わります。
 今季初めてACL本選から出場となったJDTは、山東魯能(中国)、慶南FC(韓国)、鹿島アントラーズと同組となり、1勝1分4敗得点4失点8という成績でした。鹿島相手に1勝を挙げるなど初出場チームとしては結果を残しましたが、来季はそれぞれ過去ACL2度の優勝経験を誇る広州恒大(2013年と2015年のチャンピオン)、水原三星(2001年と2002年のチャンピオン)と同組となり、今季よりも厳しい組に入っています。
(来季2020年ACLの試合日程-JDTのFacebookより)

2020年ACL組み合わせ決定-クダFAのプレーオフ対戦相手も決定
 またマレーシアFAカップ優勝チームのクダFAは、ACL予備予選2回戦から登場しますが、1月21日にはホームのダルル・アマンスタジアムで今季香港リーグチャンピオンの大埔足球会と対戦し、この試合に勝てば1月28日に本戦出場をかけたプレーオフで今季Kリーグ3位のFCソウルと敵地で対戦します。そしてこの試合に勝つと本戦グループEに入ることができます。
(本戦までの道のり-クダFAのFacebookページより)

11月11日のニュース:U18代表はタイを破ってAFC U19選手権出場決定、フル代表はタジキスタンに勝利

U18代表はタイを破ってAFC U19選手権出場決定
 カンボジアのプノンペンで開催されていたアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選グループGで、マレーシアU18代表は最終日となった11月10日の試合でタイU 18代表を1-0で破り、4戦全勝で本戦出場を決めています。
 初戦のカンボジア戦で退場処分を受けたMFムカイリ・アジマル・マハドとDFアーマド・ジクリ・モハマド・カリリが戻り、ベストメンバーとなったマレーシアに対し、前の試合でカンボジアにまさかの敗戦を喫しタイの対戦となったこの試合では、引き分けでもグループ1位で本戦出場となるマレーシアでしたが、AFCのホームページによれば、フル代表でもプレーするスファナット・ムエアンタ率いるタイFW陣が、マレーシアサイドで試合を進め、GKフィルダウス・イムラン・ファディルの活躍で前半をなんとか凌ぎます。後半に入ってもタイの攻撃は続きましたが、マレーシアもセットプレーでチャンスを得て、タイゴールに迫るなど一進一退の攻防が続きました。
 そして試合が動いたのは84分でした。左サイドのムハマド・アザム・アズミ・ムラドからクロスに、DFをかわしたムハマド・ウマル・ハキム・スハル・レズアンが合わせ、これが決勝ゴールとなり、マレーシアが1-0でタイに勝利しました。
 この結果、グループGは全勝のマレーシアがグループ首位となり、来年2020年にウズベキスタンで開催されるAFC U19選手権出場が決定、以下2位カンボジア(3勝1敗)、3位タイ(2章2敗)、4位ブルネイ(1勝3敗)、5位北マリアナ諸島(4敗)となっています。
(マレーシア(左)、タイ(右)のスターティングXI。マレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

フル代表はタジキスタンに勝利
 11月12日にタイ、同19日にはインドネシアとFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選がホームで続くフル代表は、タジキスタンとブキ・ジャリル国立競技場で国際親善試合を行い、1−0で勝利しています。
 FIFAランキング116位のタジキスタンに同158位のマレーシアが挑んだこの試合で、マレーシアのタン・チェンホー監督は、10月10日のベトナム戦から大きくメンバーを変更して格上チームに臨みました。セカンドストライカーとしてインドネシア戦、UAE戦とゴールを挙げてきたMFアーマド・シャフィク(JDT)をワントップに上げ、本来は右サイドバックのシャミ・サファリ(スランゴールFA)を右ウイングに、左ウィングには20歳のアキヤ・ラシド(JDT)を先発起用、中盤も右にシャマー・クティ・アッバ(JDT)、中央には2年ぶりの代表復帰となったバドロール・バクティアル(クダFA)、左にケガから復帰のアダム・ノー・アジー(パハンFA)、DF陣はベトナム戦と全く同じ顔ぶれの4人、そしてGKはカイルル・アズハン(スランゴールFA)が先発しました。
(左がこの日のスターティングXI、右が10月10日のベトナム戦のスターティングXI)

 試合前半は、守備ラインを高い位置で保持するタジキスタンに対して、自陣でボールを回す時間が多く、この日発表された東南アジアサッカー連盟AFFの2018年スズキカップベストXIにも選ばれたシャマー選手はバドロル選手、アザム・アジー選手と組んだ中盤のトリオは初めの組み合わせだったためか、役割分担がはっきりしないまま、いつものようにスペースへ走り込むシャフィク選手までボールが渡ることが少なく、またボールが渡ってもそのサポートがおらず、ちぐはぐな展開でした。一方、守備陣は相変わらずオーバーラップ好きのマシュー・デイヴィーズ、ラベル・コービン=オングの両サイドの裏にボールが出ることもあり、特にデイヴィーズ選手の左サイドは何度かピンチがありハラハラする場面もありました。
 しかし後半からブレンダン・ガン(ペラTBG )が入ったことで、シャマー選手やシャフィク選手も個々の役割がはっきりし、これに呼応するようにアザム・アジー選手も機能し始めたところで、若きエース、サファウィ・ラシドが投入され、72分のゴールで挙げた1点を守り切って勝利しました。
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 素人が色々と言ってもなんなので、Goal. comのプレイヤーレイティングをこちらに載せておきます。(記事はマレーシア語です)

11月10日のニュース:U18代表は北マリアナ諸島に大勝、マラッカUは来季に向けDFを補強、インドネシアはマレーシア戦後に監督更迭

U18代表は北マリアナ諸島に大勝
 アジアサッカー連盟AFCのホームページによると、カンボジアのプノンペンで開催中のAFC U19選手権2020年大会予選に出場中のマレーシアU18代表は、北マリアナ諸島戦で10-0と大勝しています。
 ここまで開幕戦のカンボジア戦に5-4と辛勝し、次戦のブルネイ戦は11-0と2連勝中のU19代表は、エースストライカーのルクマン・ハキム・シャムスディンを休ませる余裕を見せましたが、モハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル(クダFA)がブルネイ戦の3ゴールに続き、この試合では4ゴールを決めて勝利に貢献しています。
 この日、ここまでマレーシア同様全勝だったタイがカンボジアに1-2で敗れたため、マレーシアは勝点9でグループ首位に浮上、勝点6のタイとカンボジアは得失差でタイが2位、カンボジアが3位、以下ブルネイ、北マリアナ諸島となり、今日の最終戦となるタイとの試合で引き分け以上で予選1位突破とU19選手権本選が決まります。

マラッカUは来季に向けDFを補強
 マレーシアフットボールリーグMFL1部のマラッカ・ユナイテッドは、今季2019年シーズンにプレーした韓国出身のDFジャン・スックウォンの契約更新と、オーストラリア出身でマレーシア人の母親を持つ守備的MFカラン・シン・ファーンズとの契約を発表しています。ジャン選手はAFC枠選手、ファーンズ選手はマレーシア人選手として登録されます。
 これを伝えるベルナマの記事によれば2016年から2017年にかけては、JDT II、ヌグリ・スンビラン、フェルダ・ユナイテッドなどでプレー経験があるファーンズ選手は、2018年にはタイ1部リーグのスコータイFC、今季2019年はオーストラリアのセミプロリーグ、ナショナルプレミアリーグ所属のポート・メルボルンSCでプレーしていました。

インドネシアはマレーシア戦後に監督更迭
 インドネシアの英字紙ジャカルタポスト電子版によると、インドネシアサッカー協会PSSIはフル代表のサイモン・マクメネミー監督の更迭を発表しました。
 インドネシアはFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選でここまで4連敗中、勝点0で予選グループGの最下位となっています。
 スコットランド出身のマクネミー監督は、インドネシア国内リーグ、リーガ1のバヤンカラFCの監督として2017年に国内リーグ優勝を果たしたのち、昨年2018年12月に2年間の契約でフル代表監督に就任していました。
 マクネミー監督は11月19日にブキ・ジャリル国立競技場で行われるワールドカップ予選のマレーシア戦までとなっています。
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 インドネシア国内のソーシャルメディアでは##SimonOutといった運動も起こっていたということですが、2年契約で月給2万米ドルとされる契約途中解除の賠償金として26万米ドル(およそ2840万円)が更迭されるマクメネミー監督に支払われるようです。また後任には2017年から2018年にかけてフル代表とU23代表の監督を務めたスペイン人のルイス・ミジャ氏や元韓国代表のシン・テヨン氏の名前が上がっています。

11月8日のニュース:フル代表がモルジブ代表と極秘裏に練習試合敢行、FAMはACC参加を明言せず、U18代表はブルネイに快勝して2連勝

フル代表がモルジブ代表と極秘裏に練習試合敢行
 11月9日にタジキスタンとの国際親善試合が控えるフル代表が、モルジブ代表と練習試合を行なっていたことを英字紙スター電子版が伝えています。
 ヌグリ・スンビラン州パロイにあるトゥンク・アブドゥル・ラーマンスタジアムでFIFAランキング154位のチーム相手に行われた試合について、フル代表のタン・チェンホー監督は、これまで出場機会が少なかった選手のコンディション確認のための試合だったとしています。その言葉通りこの試合では、DFマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)の影で出場機会が少ないDFシャミ・サファリ(スランゴールFA)と、2年ぶりのフル代表招集となったMFバドロル・バクティアル(クダFA)が2ゴールを挙げています。
 モルジブ代表は11月14日のフィリピン戦に備えてマレーシア国内で練習中だったということで実現したこの練習試合では、タイ戦とインドネシア戦を前にここまでの代表候補合宿で行なっていた新しい選手の戦術理解を実戦で試す場として、各選手に45分から60分の出場機会を与えられたようですが、タン監督は選手たちの動きに満足していると記事の中で語っています。
 今回新たに招集された選手たちについては、かつてタン監督が指揮を取っていたクダFAのバドロル・バクティアル、ファルハン・ロスラン、またタン監督のもとで招集経験のあるJDTのアフィク・ファザイルについては何も心配していないとし、GKのカイルルアズハン・カリド(パハンFA)はチームのスタイルにうまく適合できていると話しています。
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 この試合についてGoal. comの記事では、マレーシアカップ決勝に出場するJDTとクダFAの選手を除いた12名の代表候補合宿参加者の内、シャレル・フィクリを除く11名が先発し、途中からJDTとクダFAの選手数名が交代で参加したとのことです。(写真はこの試合のマレーシアのスターティングXI。Goal. comより)

FAMはACC参加を明言せず
 昨日、このブログで取り上げたアセアンクラブ選手権ACCについて、マレーシアサッカー協会FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、FAMとして参加決定を下すのに十分な情報が得られていないとして、MFLクラブのACC参加について明言できないとしています。
 来年の後半をめどに開催が予定されているACCについては、国際サッカー連盟FIFAとアジアサッカー連盟AFCが支持を表明したことは昨日のブログでも紹介しましたが、スポンサーと100万米ドル(およそ1億800万円)を超える賞金も既に確保されているとされるこの大会は、その優勝チームには2021年から24チームが出場するFIFAワールドクラブカップの出場権が与えられる可能性があると、ACCを主催する東南アジアサッカー連盟AFFは述べています。
 しかしFAMのラマリンガム事務局長は、ACCはAFCの承認を受けることが第一であり、その後も正しい手続きを踏んだ上で開催されることが確定した段階で参加表明を行いたいとしています。来季はAFCチャンピオンズリーグACLも拡大し、またAFCカップもあることから、ACCの試合形式と日程が確定しない限りは、FAMとしても判断材料が不十分であるとしています。
 さらにマレーシアからACCに参加するクラブにとって有意義な大会であることも重要だとし、ACLに出場するようなクラブが参加する大会なのか、国内リーグのACLやAFCカップに出場できない5位や6位のクラブが参加する大会なのかどうかなどの参加基準なども明確になった上で、再度、検討するとしています。
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 昨日アップした記事では、このACCはFIFAとAFCがサポートを表明していると書きましたが、FAMのラマリンガム事務局長には「サポート」といったあいまいなものではなく、AFCの「承認」という確たる事実が必要ということでしょう。FIFAワールドクラブカップにJDTが出場して、リバプールやバルセロナと真剣勝負をすることも起こりうるわけで、想像しただけでワクワクします。このACCについては続報が入り次第、また取り上げたいと思います。

U18代表はブルネイに快勝して2連勝
 カンボジアのプノンペンで開催中のAFC U19選手権2020年大会予選グループGに出場中のマレーシアU18代表は、2試合目となるブルネイ戦に11-0で勝利し、初戦のカンボジア戦から2連勝しています。
 この試合ではFWルクマン・ハキム・シャムスディンが4得点、モハマド・アイマン・アフィフ・モハマド・アフィズル(クダFA)が3得点など、ブルネイを圧倒しています。
 この日の勝利でマレーシアは勝点6となり、同じ勝点6、北マリアナ諸島を21-0と粉砕した首位タイに得失差で2位となっています。以下3位カンボジア(勝点3)、4位ブルネイ(勝点3、ただし3位と4位は得失差による)、5位北マリアナ諸島(勝点0)と続きます。
 U18代表は、この後11月8日に北マリアナ諸島と、そして11月10日にはこのグループ最大のライバル、タイとの試合が控えています。

11月1日のニュース:TMJはACL拡大に賛成、代表候補合宿にクダFAの主将が招集される、AFC U19選手権予選代表メンバーも発表

TMJはACL拡大に賛成
 アジアサッカー連盟AFCは、2021年よりAFCチャンピオンズリーグACLを現行の32チームから40チームへと拡大する意向ですが、この案にジョホール・ダルル・タクジムJDTのオーナーでTMJことジョホール皇太子トゥンク・イスマイル殿下は賛成していると英字紙スター電子版が伝えています。
 マレーシアの首都クアラルンプールにあるAFC本部でAFCのウインザー・ポール・ジョン事務局長から状況報告を受けたイスマイル殿下は、より多くのクラブに門戸が開かれるようになるのは良いことだとする一方で、クラブはACLへの参加を目指すだけでなく施設面での整備なども同時に行うべきだとしています。その上で、JDTだけでなくマレーシアフットボールリーグMFLの他のクラブも同じように設備、経営などに注力し、国内リーグや代表チームの質をあげることができれば、東南アジアでのサッカー大国になることができるとしています。
 その一方で自らを現実主義者であると述べるイスマイル殿下は、国内リーグ6連覇中のJDTでもACL優勝までの道のりは長いとし、アジア他国のクラブとの差は大きいとしています。

代表候補合宿にクダFAの主将が招集される
 マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、11月9日の国際親善試合タジキスタン戦、FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選11月14日のタイ戦、11月19日インドネシア戦に出場する代表候補合宿に参加する26名が発表になっています。26名のリストはこちらです。
 代表候補合宿は11月3日から始まりますが、先日のワールドカップ予選ベトナム戦のメンバーからはGKハフィズル・ハキム・カイルル・ニザム(ペラTBG)、DFイルファン・ザカリア(クアラルンプールFA)、MFアクラム・マヒナン(PKNS FC)、MFアブドゥル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)がはずれ、タン・チェンホー監督はその代わりとして、前回はケガで招集が見送られたノー・アザム・アブドゥル・アジー(パハンFA)とシャーレル・フィクリ・モハマド・ファウジ(ペラTBG)の2名に加えて、マレーシアカップ決勝に進出するJDTとクダFAから計5名を新たに召集しています。JDTからはMFアフィク・ファザイルとDFシャズワン・アンディック・イシャク、クダFAからは主将のMFバドロル・バクティアル、MFファルハン・ロスラン、GKイフワット・アクマル・チェック・カシムの計5名で、アフィク選手とファルハン選手は今回が初の代表候補合宿招集です。
 なお明日11月2日のマレーシアカップ決勝に出場するJDTとクダFAの選手は11月4日に合流の予定となっています。
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 英字紙ニューストレイトタイムズによる今回の招集メンバーで注目すべきはおよそ2年ぶりの代表復帰となるクダFAのバドロル・バクティアル主将と、初招集となるJDTのアフィク・ファザイルの二人のMFとのこと。これまでのキャップ数が50を超えるバドロル選手は若い選手を導く役割を、JDTではいわゆるリベロを務めるアフィク選手はACLで見せたパフォーマンスを期待されています。

AFC U19選手権予選代表メンバーも発表
 同じFAMのホームページでは、明日11月2日よりカンボジアの首都プノンペンで開催されるアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会予選に出場するU18代表最終メンバーが発表になっています。メンバーはこちらです。
 オーストラリア人のブラッド・マロニー監督率いるU18代表は、今年8月に行われた東南アジアサッカー連盟AFF U18選手権でオーストラリアに敗れたものの準優勝を果たしており、開催国カンボジア、タイ、ブルネイ、北マリアナ諸島と同じグループGでは、グループ首位での突破、そして本戦出場が期待されています。
 またこのU18代表にはこのブログでも何度か取り上げているルクマン・ハキム・シャムスディンも含まれており、ベルギー1部リーグのKVコルトレイクと契約した実力を見せてくれるかどうかが楽しみです。
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 上記のFWルクマン・ハキム選手、DFアーマド・カリリ選手、GKシーク・ナズレル選手は日本サッカー協会JFAによる11日間のキャンプを終えての合流です。

5月23日のニュース:JDTのACL初挑戦はグループステージで終わる、元FAM会長が死去

JDTのACL初挑戦はグループステージで終わる
アジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLのグループステージ、グループEの最終節が行われ、ACL初出場のジョホール・ダルル・タクジム(JDT)はアウェイで慶南FCと対戦し、0-2で敗れ、ベスト16進出はなりませんでした。
 前節の鹿島アントラーズ戦でのイエローカードで累積警告により出場停止となったサファウィ・ラシドを欠いたJDTは明らかに攻撃力がダウン、しかも後半開始早々に守備陣の要であるマウリシオも負傷退場するなど苦しい展開でした。
 この試合のマッチスタッツを見ても、JDTは劣るどころか、多くのスタッツで慶南FCを上回っているにも関わらずこの結果となったことは、前節で昨年のACLチャンピオンを破ったチームとしては、むしろ悔いが残ります。
 また0-1の時点でアキヤ・ラシドやシャフィク・アーマドといった主力を交代させたベンヤミン・モラ監督の戦術も、おそらく4日後の国内リーグ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグの試合(リーグ3位のクダFA戦)をにらんだものだと思いますが、国内リーグ戦でもほぼ出場していない選手を投入したことが個人的には疑問でした。
 国内リーグのマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグでは、昨年まで5シーズン連続優勝を果たし、今シーズンも残り7試合を残して2位に勝点10差をつけて首位を走るJDTですが、主力の欠場や交代で戦力が落ちないような厚い選手層の構築と最後まで勝利にこだわる監督がACLで勝ち抜くための第一歩になりそうです。

ACL グループE 第6節 結果
慶南FC2-0ジョホール・ダルル・タクジム
得点者:慶南FC-ルク・カスタイニョス(65分)、邦本宣裕(90分)

元FAM会長が死去
マレーシアサッカー協会FAMの会長を務められたスルタン・アーマド・シャー元パハン州スルタン(州の君主)が5月22日に入院中の国立心臓病センターで亡くなられたことが、FAMのホームページや当地のメディアで報道されています。
 1984年からマレーシアサッカー協会FAMの会長を務められたスルタン・アーマド・シャー元パハン州スルタン(州の君主)は、現在のマレーシア国王アル=スルタン・アブドラ殿下の父君で、2014年に退任するまで、1989年のセミプロリーグ発足、1996年のプロリーグ発足、2004年のスーパーリーグ発足などマレーシアサッカーの改革を次々と行いました。
 しかし故スルタン・アーマド・シャー殿下の30年に渡る会長在任中は順風満帆であったわけではありません。2012年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップでは、開催国でありながら代表チームが決勝に進むことができず、FAM会長として長期在任を疑問視する代表サポーターから引責辞任を求める声が上がりました。その後2014年の改選時には、FAMに加盟する複数の州FAが会長候補として擁立した自らの息子で当時のパハン州皇太子アル=スルタン・アブドラ殿下と会長職を争う可能性もありましたが、故スルタン・アーマド・シャー殿下が立候補を取りやめ、ジョホール州皇太子テンク・イスマイル・スルタン・イブラヒム殿下との決選投票に勝利したアル=スルタン・アブドラ殿下が新会長に就任したことにより、FAM会長に任期を終えました。
 FAMだけでなく、2011年から今年の任期満了までAFFの会長を務めただけでなく、1994年から2002年まではAFCの会長も務め、2002年のFIFAワールドカップでのアジア枠の拡大実現に尽力するなど多くの功績も残し、マレーシアだけでなくアジアのサッカー発展に寄与した人物です。
 故人の冥福をお祈りいたします。

5月22日のニュース:JDTは今日ACLの最終戦、背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手

JDTは今日ACLの最終戦
今シーズン初めてアジアサッカー連盟AFCチャンピンズリーグACL本戦に出場したジョホール・ダルル・タクジム(JDT)が、今日、韓国の慶南FCのホームでACLグループステージ最終戦を戦います。
 前節5月8日に行われたホームでの対鹿島アントラーズ戦では、歴史に残るACL初勝利を挙げたJDTですが、グループEでの順位は1位山東魯能泰山(3勝2分0敗-勝点11)、2位鹿島アントラーズ(2勝1分2敗-勝点7)、3位慶南FC(1勝2分2敗-勝点5)に続く4位(1勝1分3敗-勝点4)となっています。1位の山東魯能泰山はすでにグループスタージ突破が確定していますが、最下位のJDTを含めた残り3チーム全てに2位になる可能性があり、各グループの上位2チームが進むノックアウトステージ進出の可能性が残っています。
 ノックアウトステージへJDTが進むためには、まず慶南FCに勝ち、さらに鹿島が山東魯能泰山に敗れることが条件です。ACLは勝ち点で並んだ場合の順位決定規定として、
1. 当該チーム同士の対戦における勝ち点の多少(JDTと鹿島の対戦結果は1勝1敗)
2. 当該チーム同士の対戦における得失点差(両チームとも得点2、失点2で得失点差±0)
3. 当該チーム同士の対戦における、ゴール数の多少(両チームとも得点2)
4. 当該チーム同士の対戦における、アウェーゴール数の多少(JDT1、鹿島0)
となっており、JDTが勝ち、鹿島が負ければそのスコアに関わらず、規定4)により、JDTがグループEの2位でノックアウトステージに進みます。
 グループスタージ突破が確定している山東魯能泰山が、アウェイとなる鹿島戦に主力を投入してくるかどうかは疑問ですが、JDTはとにかく目の前の試合に勝って、少しでも可能性を残しておきたいところです。
 マレーシアのメディアの中には、突破の可能性が限りなく低いことから、この日曜日5月26日におこなわれるマレーシアフットボールリーグMFL第15節、3位のクダFA戦にベストメンバーで臨めるよう、主力選手をベンチに置く布陣を進める最初から敗者の発想のなんとも情けない記事を掲載するオンライン版メディアもありますが、大方の予想を覆す勝利を見せてもらいたいものです。

背番号を変えてスーパーリーグに臨む新外国人選手
5月2日から始まっているトランスファーウィンドウ期間中に、シンガポールリーグのタンピネスローバーズからMFL1部スーパーリーグのフェルダ・ユナイテッドへ移籍してきたシンガポール代表のカイルル・アムリ・カマル。3月にクアラルンプールで開催された親善大会エアマリンカップでは、マレーシア代表を倒したシンガポール代表のメンバーでもありました。
 移籍直後のマレーシアFAカップ準々決勝、対クアラルンプール(KL)FA戦に先発スタメン出場したものの、試合中に肩を痛め24分に途中交代しています。その後、ケガの回復が遅れスーパーリーグの試合も2試合に欠場、その間チームはマラッカ・ユナイテッドに0-6と大敗、その翌節もトレンガヌFCと1−1と引き分け、順位は最下位に低迷しています。
 このカイルル選手が背番号を変更したいとしていると、マレーシア語紙ハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 カイルル選手は2010年にインドネシアリーグのプルシバ・バリクパパンへ移籍した経験があり、その際にはデビュー戦でのゴールを含めて、23試合で9ゴールを挙げるなど活躍しましたが、シーズン中に足の一部筋肉断裂により、7ヶ月ほど試合に出場できない状況が続いた結果、契約期間を終了しないままシーズン途中での対談となりました。そしてプルシバ・バリクパパン時代につけていた背番号が9でした。そして今回フェルダ・ユナイテッドでもKLFAとのデビュー戦では背番号9をつけて出場したカイルル選手は、やはりケガでその後の試合を欠場することになったことから、背番号を9から他の番号へ変えることを決めています。
 なお本人の希望は19だったようですが、これはすでにチームメイトのクリスティ・ジャヤセランがつけているため、まだ新背番号は決まっていないようですが、今週末のMFLでは、新たな背番号をつけてカイルル選手が見られそうです。