10月11日のニュース
FIFA提案によるMリーグ試合増は必ずしも代表強化につながらない-AFC
JDTがプレシーズンのドバイ遠征日程を発表
Mリーグが今季の公式球にプーマのアクセラレートを採用

FIFA提案によるMリーグ試合増は必ずしも代表強化につながらない-AFC

1月6日のこのブログでは、マレーシアサッカーの現状を調査したFIFAがマレーシアサッカー協会FAM対してその結果をまとめて報告書を提示し、マレーシアの国内リーグであるMリーグの現在の試合数では代表チームのレベルアップのためには不十分だと指摘した、というニュースを取り上げました。さらにFIFAは、1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームで構成されるMリーグ各クラブがホームアンドアウェイ形式で年間22試合行う現行の日程から、シーズンを延長して3回戦制とし各クラブが年間33試合を行うべきといった具体的な変更案も提案しました。

これに対してアジアサッカー連盟AFCのウインザー・ジョン事務局長は、代表チーム強化という観点からは国内リーグの試合数を増やすことが必ずしも有効ではないと、スタジアムアストロの取材に対して応えています。さらにウインザー事務局長はFIFAの報告書でなされている提案がアジアの代表チームに適したものなのか、それともヨーロッパでのみ有効なものなのかをを精査する必要があると述べています。

「代表チーム強化が目的とは言え、Mリーグの試合の質を考慮せず、試合数だけを増やすという対策は間違えている。AFCのアンディ・ロクスバラ テクニカルディレクターは、代表選手は国内リーグで年間40試合程度の試合に出場することが望ましいとしているが、マレーシアにはMリーグに加えて、マレーシアカップやマレーシアFAカップがあり、代表選手はこれら全ての試合にに出場するため、Mリーグの試合数を増やす必要があるかどうかは、リーグ戦だけでなくカップ戦の試合数なども反映させて検討する必要がある。」とウィンザー事務局長は述べています。

JDTがプレシーズンのドバイ遠征日程を発表

Mリーグ1部スーパーリーグで8連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTは今月末から行うプレシーンのドバイ遠征の日程と現地での練習試合のカードを発表しています。

セカンドチームのJDT IIから若手数名を加えて行う今回の遠征では、現地での練習に加えて1月25日のスロヴァキア1部リーグのMŠKジリナとの対戦を皮切りに、1月29日にはラトヴィア1部リーグのリガFC、さらには2月2日にはロシア2部リーグのFCロディナ・モスクワ、そして2月5日ロシア1部リーグのFCスパルタク・モスクワとの練習試合が組まれています。

またこのドバイ遠征について取り上げた英字紙ニューストレイトタイムズは、JDTの新外国籍選手としてイタリアの年代別代表でプレー経験もあるFWフェルナンド・フォレスティエリと契約する可能性が高いと報じています。2015年から2020年までは英国2部のシェフィールド・ウェンズデイFC、そして今季はセリエAのウディネーゼでプレーしている31歳のフォレスティエリ選手は、今季はここまで出場時間がわずか54分ですが、サンプドリアとトリノを相手に2ゴールを挙げています。イタリア人の両親を持ちアルゼンチン生まれのフォレスティエリ選手はイタリアのU17、U19、U21代表などでのプレー経験もある選手です。

Mリーグが今季の公式球にプーマのアクセラレートを採用

Mリーグを運営するMFLは公式サイトで今季2022年シーズンの公式球としてプーマ社のMFLアクセラレート21.1プロを採用することを発表しています。この公式球はMFLが主催するMリーグ1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアカップ、マレーシアFAカップ、チャレンジカップの各大会で使用されるということです。

MFLは2016年シーズンから昨季2021年まではナイキ社と公式球採用に関する契約を結び、昨季のMリーグでも同社の「フライト」が使用されていましたが、創立100周年記念大会となったマレーシアカップではMFLはプーマ社のサッカーボールを公式球として採用し、さらにプーマ社と2024年までMFL主催大会での公式球提供の契約を結んだことを発表していました。なお今季のMリーグで使用されるこのアクセラレートはスペインのラ・リガ、英国2部リーグのEFLチャンピオンシップでも採用されており、アジアで採用するのはMリーグが初めてだということです。

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MFLのロゴとともに白を基調にマレーシアの国旗で使われている赤、青、黄色を使ったマレーシアリーグ向けの特別デザインが施されたこのボールは、マレーシア国内のプーマ社製品取扱店で49リンギから559リンギ(およそ1300円から16000円)で販売されるということです。

1月10日のニュース
「見えない手」の存在を明らかにせず辞任したタン前監督を元代表が批判
精巣腫瘍治療を受けたブレンダン・ガンが復帰へ
タイ1部リーグ第16節-エルドストールはベンチ入りせず

「見えない手」の存在を明らかにせず辞任したタン前監督を元代表が批判


東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でマレーシア代表はグループステージで敗退し、その責任をとってタン・チェンホー代表監督は辞任しています。今年末までの契約期間を残して辞任したタン前監督に対し、前NFDP(国家サッカー選手養成プログラム)ディレクターのリム・ティオンキム氏は、「見えない手」の存在を明らかにしないまま辞任したタン前監督を「負け犬根性」の持ち主と批判しています。

元代表選手でバイエルンミュンヘンのユースチームのコーチを務めた経験もあるリム氏は、マレーシアサッカー協会FAMがスズキカップ2020の結果では解雇しないとわざわざ発表した後で辞任したタン前監督は「責任をとって」の辞任は間違いであり、代表監督としての重圧に耐えて職を全うするべきであったと、マレーシア語ニュースサイトのマジョリティの取材に答えています。さらにリム氏は、タン前監督の自由な代表選手招集を妨げていたとされる「見えない手」の存在を明らかにしなかったことにも失望したと述べています。

「監督としての重圧はサッカーでは当たり前のことであり、その重圧に耐えられないのなら、そもそも監督になるべきではなかった。マレーシア代表サポーターは馬鹿ではないので、選手が試合に全力で臨んでいるのを見れば、試合に敗れてもその姿勢を認めてくれる。6ヶ月後にはAFC選手権アジアカップ2023年大会予選があり、既に代表チームの選手たちの力を把握しているタン前監督には、スズキカップで露呈した弱点を改善してアジアカップ予選に臨んで欲しかった。また『見えない手』の存在を明らかにする機会があったにも関わらず、それをせずに辞任したことも明らかに間違えている。『見えない手』の介入がメディアやサポーターに知らされなかったことで、今後、代表監督に就任するマレーシア人指導者たちも同様にその仕事が困難になるだろう。」

精巣腫瘍治療を受けたブレンダン・ガンが復帰へ

Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCに所属するブレンダン・ガンは、昨年6月のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選後に精巣腫瘍を患っていることを明らかにし、治療に専念していましたが、マレーシア語氏ブリタハリアンはこのガン選手が今季のリーグ出場を目指してクラブの練習に復帰していると報じています。

代表の主力として活躍していた33歳のガン選手は、W杯予選後に手術を受け、その後は代表、スタンゴールFCにいずれでも出場はありませんでしたが、およそ半年ぶりとなるクラブ練習に参加した後の取材では、再びピッチに立つことを目的にリハビリに励んできた結果、またチームメートと一緒に練習ができることが嬉しいと話しています。

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いわゆる「ボックストゥボックス」MFのガン選手が不在だったことにより、2021年シーズンのスランゴールFC、代表チームとも中盤のキーマンを失い、いずれも望むような成績を残せませんでした。スランゴールFCはセカンドチームから20歳のムカイリ・アジマルを昇格させましたが、経験不足からその代わりとはならず、また代表もバドロル・バクティアル(サバFC)やナズミ・ファイズ(JDT)らを代わりに招集したものの、いずれもその穴は埋めきれませんでした。

タイ1部リーグ第16節-エルドストールはベンチ入りせず

 スズキカップ2020で中断されていたのタイ1部リーグの2021/2022年シーズン第16節が1月8日と9日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCはムアントン・ユナイテッドと引き分けてリーグ中断前のと同じ3位を維持しています。

2022年1月9日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-1 ムアントンユナイテッド
 ジュニオール・エルドストールはベンチ入りしなかったこの試合は、後半開始直後にレナト・ケリッチのゴールで同点に追いついたチョンブリーFCがそのまま引き分け、8試合負けなし(5勝3分)となっています。

タイ1部リーグ順位表(第16節終了)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU1510231632
2バンコクU1610331533
3チョンブリーFC168531429
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

1月8日のニュース
FAMはスズキカップ敗退分析を行う独立委員会設置
3年振り開催のM3リーグ今季出場の20チーム決定
次期マレーシア代表監督は韓国人か日本人?

FAMはスズキカップ敗退分析を行う独立委員会設置

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020ではグループステージで敗退し、準決勝進出を逃したマレーシア代表ですが、この敗因分析を行う独立委員会を設置したことをマレーシアサッカー協会FAMが公式サイトで発表しています。

またFAMはこの委員会の委員長に1960年代から70年代にかけてPDRM FA(現PDRM FC)やスランゴールFA(現スランゴールFC)、そしてマレーシア代表でもプレーした元クアラルンプール警察本部長のデル・アクバル・カーン氏が就任することも発表しています。またこの独立委員会の委員は元選手や元コーチの経験があり、現在はFAM内の各委員会に属していない人物からデル・アクバル委員会会長自身が選考するということです。

この独立委員会はスズキカップ2020について、代表チームのタン・チェンホー元監督(既に辞任)ら首脳陣によって作成され、FAMに提出されている大会でのパフォーマンスに関するレポートの内容を精査し。さらにこの独立委員会がFAMの代表チーム運営員会に報告を行うという手順になっているということです。

3年振り開催のM3リーグ今季出場の20チームが発表

Mリーグ3部に当たるM3リーグは2年ぶりに開催予定ですが、このM3リーグを運営するアマチュアフットボールリーグAFLが、今季2022年シーズンに参加する20クラブを公式Facebookで発表しています。

新型コロナ感染拡大防止の目的で2020年、2021年と2年連続で中止となったM3リーグですが、3年ぶりとなる今季リーグ戦には、昨季2021年シーズン参加予定だった16クラブと今季から新たに参加となる4クラブの計20クラブが参加します。20クラブは以下の通りです。

国軍FCBRM FC
FCランカウイハリニKS FC
入国管理局FCキジャンレンジャーズFC
キナバルジャガーFCKLローヴァーズFC
マレーシア大学マンジュンシティFC
プルリスユナイテッドFCPIB FC
ランカウイシティFCリアルチュカイFC
サイエンスFCアルティメイトFC
ブキットタンブンFCレスペクトFC
トゥンラザクシティFCトクジャングットウォリアーズFC

今季はこの20クラブをそれぞれ10ずつA、B組に分け、それぞれの組で2月11日に開幕するグループステージを行います。その後は各組の上位4チームがノックアウトステージとなる準々決勝に進出し、8月6日から27日に予定されている準決勝、そして9月4日の決勝へ続き、従来通りであれば優勝クラブは来季2023年シーズンはMリーグ2部プレミアリーグに昇格し、準優勝のクラブはプレミアリーグ11位と昇格をかけたプレーオフを行います。

次期マレーシア代表監督は韓国人か日本人?

スズキカップ2020のグループステージ敗退を理由にタン・チェンホー監督が辞任し、現在は空席となっているマレーシア代表の次期監督について、様々な憶測が飛び交っていますが、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアは、韓国人あるいは日本人監督も候補者に含まれていると報じています。

Mリーグ1部スーパーリーグ、KLシティFCのボヤン・ホダック監督、マレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督などが有力視されているマレーシア代表次期監督ですが、ウトゥサンマレーシアの記事によるとFAMに近い筋からの情報として、マレーシアサッカー協会FAMの候補者の中には韓国、日本、スペイン、英国の各国出身者がおり、その内、アジア出身監督の採用の可能性が高いことも報じています。

またウトゥサンマレーシアの記事では、FAMからボヤン・ホダック監督には正式なオファーが未だ出されていないと報じる一方で、ヨーロッパや南米では自国民、あるいは外国籍であっても該当国で数年のプレーあるいは指導経験がある人間が監督に就任するのが一般的だとして、マレーシアのサッカーも選手も文化も知らない外国人に比べれば、自身の方が代表監督に向いているとホダック監督の談話も紹介しています。

1月7日のニュース
マレーシア代表新監督候補にキャティサック元タイ代表監督の名も
代表チームマネージャーは進退をFAMに一任
監督不在のA代表は1月のFIFA国際マッチデー期間は活動なし
次期代表監督候補のホダックは全権監督が就任条件

マレーシア代表新監督候補にキャティサック元タイ代表監督の名も

サッカー専門サイトのヴォケットFCはタイの有力メディア「タイ・ラット」の記事を引用し、元タイ代表監督のキャティサック・セーナームアン氏がマレーシア代表監督候補の1人となっていると伝えています。

東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020でグループステージ敗退の責任をとってタン・チェンホー監督がマレーシア代表監督を辞任した1月3日以来、多くのメディアが次期監督候補としてマレーシアU22代表のブラッド・マロニー監督や、元マレーシアU19代表監督で現在はMリーグのKLシティFCのボヤン・ホダック監督の名前を挙げています。

現役時代は「タイのジーコ」と呼ばれたキャティサック氏はMリーグのプルリスFA(当時)でもプレー経験がありますが、現役引退後はU23代表監督を経てタイ代表監督に就任すると2014年、2016年とスズキカップ2連覇を果たし、その後は2020年11月に今季ACLにも出場するベトナム1部リーグのホアンアイン・ザライFCの監督に就任していますが、その契約期間は2年間ということです。

なおタイ・ラットの記事では、マレーシア代表監督の候補者としてキャティサック氏の他にもう1人アジア出身の候補者もいるということです。

代表チームマネージャーは進退をFAMに一任

スズキカップ2020でマレーシアカップ代表がグループステージで敗退したことを理由にタン・チェンホー監督が辞任したマレーシア代表のチームマネージャーは、その進退をマレーシアサッカー協会に一任すると話していると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。

タン代表監督同様、責任をとって辞任すべきという声が上がる中、マレーシアサッカー協会FAM会長代理でもあるモハマド・ユソフ・マハディ代表チームマネージャは、ファンの失望や怒りは理解していると話す一方で、FAMの代表チーム運営員会によるグループステージ敗退原因の解明の分析後に行われる理事会での判断に自身の進退を委ねたいと話しています。

辞任の意思について問われたユソフ代表チームマネージャーは、「近い内にFAMの理事会が代表チーム運営委員会からの報告を受けて最終判断を下すことになっており、それまでは具体的な発言を控えたい」と答えています。

監督不在のA代表は1月のFIFA国際マッチデー期間は活動なし

1月24日から2月1日にかけては2022年最初のFIFA国際マッチデー期間ですが、監督不在のマレーシア代表は何も活動しないようだと、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。

この期間には世界各国の代表チームが国際Aマッチを開催する中、東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020で準決勝進出を逃したマレーシア代表ですが、1月5日にマレーシアサッカー協会FAMのテクニカルディレクター(TD)に就任したばかりのスコット・オドネル氏は、この期間に代表選や代表合宿を計画していないことを明らかにし、3月21日から29日の国際マッチデー期間に今年最初の代表合宿を行う予定であると話しています。

オドネルTDは、2月のMリーグ開幕に向けて各クラブがその準備で忙しいことに加え、1月3日に辞任したばかりのタン代表監督辞に代わる暫定監督をFAMが指名しておらず、そもそも指導者不在であることなどを理由に挙げています。

次期代表監督候補のホダックは全権監督が就任条件

マレーシア代表の新たな監督候補の1人とされるKLシティFCのボヤン・ホダック監督は、代表監督に就任する場合には「全権監督」がその条件になると話しています。

現在は出身地のクロアチアに帰国中のホダック監督は、マレーシアサッカー協会FAMが自身を代表チームの監督として採用する場合には、全てを自分のやり方で進める全権監督となることを条件とすると、マレーシア語紙ハリアンメトロの取材に答えています。

現時点ではFAMからの正式なオファーは受けていないと話すホダック監督は今季2022年シーズンに向けてKLシティFCを強化することが最優先だと話す一方で、昨季のマレーシアカップ32年ぶりの優勝を果たしたKLシティFCを含め、自分のやり方を貫き通すことでどのチームでも結果を残してきた、と述べ、代表チームでも同じことをやり遂げる自信はあると話しています。

KLシティFC以外にも、これまで監督を務めたケランタンFA(現ケランタンFC)、JDT、そしてマレーシアU19代表のいずれも外部からの干渉を拒否した結果、Mリーグ1部スーパーリーグ優勝2回(2012年のケランタンFA、2014年のJDT)、FAカップ優勝2回(2012年と2013年のケランタンFA)そしてマレーシアカップ優勝2回(2012年のケランタンFAと2021年のKLシティFC)の成績に加え、東南アジアサッカー連盟AFFU19選手権優勝(2018年)も達成しています。

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Mリーグクラブの監督から次期代表監督を探すのであれば、最有力なのはこのホダック監督で間違いなし。2012年のケランタンFAでのトレブル(Mリーグ、FAカップ、マレーシアカップの年間三冠)に加えて昨季のマレーシアカップではJDTを破るなど国内では複数のクラブで文字通り結果を出し、マレーシアサッカーや選手を熟知しているという利点は大きいでしょう。しかしその一方で、歯に衣着せぬ物言いから、前述のマレーシアU19代表のAFFU19選手権2018年大会優勝に加え、12年ぶりとなるAFC U19選手権出場を果たしながら、FAMとの関係が悪化し、契約が更新されないということもありました。今回の「全権監督」発言もおそらく自身が代表監督を引き受ける覚悟の現れでしょう。またホダック監督が所属するKLシティFCのスタンリー・バーナードCEOは、代表監督オファーを受けた際には、国益優先でホダック監督を引き留めないとも話しており、後任にはホダック監督と同じクロアチア出身のネナド・バチナ コーチの昇格も明言しており、自身もやる気を見せている代表監督就任のための外堀は埋まっていると言えるでしょう。マレーシア人の夫人を持ち、既にマレーシアの永住権も取得済みのホダック監督以上の候補者は国内にはいないと言って良いでしょう。

1月6日のニュース
FIFAはMリーグの試合数が不十分と指摘
FAMの新テクニカルディレクターにスコット・オドネル氏が就任
コーチ資格の名義貸しに関する不服申し立ての事実なし-MFL

FIFAはMリーグの試合数が不十分と指摘

1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグとも12チームで構成されるマレーシアの国内リーグMリーグは、ホームアンドアウェイ形式で行われ、各クラブは年間22試合を行いますが、代表チームのレベルアップをするためには現在の試合数では不十分だとFIFAが指摘していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

マレーシアサッカーの現状について調査を行ったFIFAは、スズキカップ2020ではグループステージで敗退し、東南アジアのトップに遅れをとっているマレーシア代表を強化するためには、現在の年間22試合では不十分だとして国内リーグの試合数を増やすためにシーズンを延長し、各カードを現在の2回戦制から3回戦制とすることも提案しているということです。

FIFAによる提案についてマレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、他国と比べると独特なマレーシアの国内サッカー日程に適合させることができるかどうかを検討する必要があると話し、また代表チームのための十分な日程が確保できるかどうかも合わせて検討する必要があると、ブルナマの取材に回答しています。

オンラインで行われたFIFAとの会談でこの提案を受けたサイフディン事務局長は、FAMの技術委員会と育成委員会の会合でこの提案を議題とすると述べる一方で、この提案がマレーシア国内で実現可能かどうかも検討巣つ必要があると述べています。

FIFAによる調査では、マレーシアの国内リーグ年間22試合に対し、英国1部プレミアリーグやスペインのラリガ、イタリアのセリエAは38試合、ドイツのブンデスリーガは36試合が組まれているということです。また東南アジアではインドネシア1部が34試合、タイ1部とベトナム1部はそれぞれ30試合と26試合ということです。

ここ数年は新型コロナの影響で変則になっているものの、マレーシアの国内リーグは2月開幕、7月閉幕で、その後に1部の年間上位11チームと2部の同上位5チームが出場するマレーシアカップが8月から10月まで続くというのが標準的な年間予定です。FIFAの提案に沿ってMリーグが3回戦制となれば1チームあたり年間33試合、カップ戦やACL、AFCカップなどを含めると年間50試合近くプレーするチームも出てきて、先日のスズキカップ2020で他国の選手に比べてマレーシア代表に欠けていたとされるタフさは身に付きそうですが、試合数が増える分だけ運営コストもかさむ上、試合数が増えることで質の低下も考えられることから、FAMとMFLがどのような判断を下すの鏡ものです。

FAMの新テクニカルディレクターにスコット・オドネル氏が就任

マレーシアサッカー協会FAMは、昨年2021年9月にオン・キムスイ氏が辞任して以来、空席となっていたのFAMのテクニカルディレクターにオーストラリア出身のスコット・オドネル氏が就任したことを公式サイトで発表しています。インドサッカー協会などでもテクニカルディレクターを務めた54歳のオドネル氏とFAMの契約期間は3年ということです。

FAMのテクニカルディレクターは昨年2021年1月からオン・キムスイ氏が務めていましたが、Mリーグ1部のサバFCから監督オファーを受け、同年9月に退職していました。

FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、FIFAのコーチング指導者資格を持つオドネル氏の経歴に加え、東南アジアのサッカーに精通していることがテクニカルディレクターとしてオファーを出す際の決め手になったと話しています。

オドネル氏は、1994年から1995年にかけてMリーグのクアラルンプールFA(当時、現在のKLシティFC)でのプレー経験がある他、その後は2000年までシンガポールリーグのタンピネスローヴァーズやマリーンキャッスルユナイテッド(現ホウガンユナイテッド)でもプレーし、2003年から2005年まではゲイランユナイテッド(現ゲイランインターナショナルFC)の監督を、さらには2005年から2007年までと2009年から2010年まではカンボジア代表の監督も務め、2015年から2017年まではインドサッカー協会のテクニカルディレクターを務めていました。

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就任記者会見の席では、タン・チェンホー氏が辞任して空席となっている代表監督に外国籍監督が良いと思うと発言していますが、アジアカップ2023予選まであと6ヶ月を切っている中で、そんなに軽く発言しちゃっていいのか、と。代表チームが機能しなければテクニカルディレクターのあなたも詰腹を切らされることはわかってんのかな、この人。

コーチ資格の名義貸しに関する不服申し立ての事実なし-MFL

昨日のこのブログではプロコーチライセンスを保持するコーチが、その名義を貸して報酬を得ているという噂がある、というニュースを取り上げましたが、Mリーグを運営するMFLは、これについて誰からも不服申し立てはされていないと述べています。

マレーシア語紙ブリタハリアンの取材に対して、Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、チーム内でこの事実が隠蔽されていれば、MFLがそこに調査の手を入れるのは難しいと述べる一方で、この不正行為についての不服申し立ては受け取ってないと話しています。

「MFLはリーグ規定に則って、各Mリーグクラブのコーチが必要な資格を保持していることを確認しており、これはクラブライセンス発給の手順にも含まれている。万が一、不正行為が行われていることを知る者がいれば、MFLに報告して欲しい。マレーシアプロサッカーコーチ協会PJBMによって提起されたこの問題については、MFLにはこれまで(コーチ資格の名義貸しに関する)報告は何もない。各クラブが監督、コーチを登録した後は、誰が現場で実質的なコーチなのかまでMFLが調べることは困難である。」とスチュアートCEOは述べています。

1月5日のニュース
トレンガヌはアンブロと2年5000万円のサプライヤー契約
Mリーグでコーチングライセンスの名義貸しが横行?

Mリーグ1部トレンガヌFCはクラブ公式サイトでイギリスのスポーツブランド「アンブロ」と総額180万リンギ(およそ5000万円)のサプライヤー契約を結んだことを発表しています。

2019年から2021年まではマレーシア国産ブランドのアル=イサン スポーツとサプライヤー契約を結んでいたトレンガヌFCは、このアル=イサン スポーツがそのマレーシア国内代理店となっているアンブロ社と2022年と2023年の2年間にわたるサプライヤー契約を結んだことを発表していますが、この契約はアンブロ社にとってはMリーグクラブと結んだ過去最大の契約となっています。またトレンガヌFCは今季2022年シーズンにアンブロ社と契約しているMリーグ唯一のクラブということです。

Mリーグでコーチライセンスの名義貸しが横行?

Mリーグの複数のクラブでプロライセンスを持つコーチを監督して登録しながら、実際にはライセンスを持たない人間が実質的な指導をしてると、サッカー専門サイトのスムアニャボラが伝えています。

これを告発した元代表選手のジャマル・ナシル氏は、プロコーチライセンスを所持していない人物に監督をさせたいMリーグクラブが、プロコーチライセンスを持つ別のコーチを名目上の監督に据え、そのライセンスを使って意図する人物に指導をさせる不正行為が行われているケースや、クラブが経費を節約する目的でこの不正行為を行なっているケースもあると説明しています。

さらにジャマル氏は、マレーシアサッカー協会FAMやMリーグを運営するMFLが気づいていないのか、気づいていないふりをしているのかはわからないが、この不正行為は既に数年前から続いているとも述べ、ライセンスを持つ指導者の能力が生かされず、ライセンスを持たない指導者が自由に指導できるこの不正行為が取り締まられない限り、代表チームの不振は今後も続いていくだろうと話しています

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これについてはマレーシア語紙ハリアンメトロも取り上げており、その記事の中でマレーシアサッカーコーチ協会PJBMのB・サティアナタン会長もこの名義貸しが行われているという話を聞いたことがあると認め、もしPJBMのメンバーがこの不正行為に加担していることが明らかになれば、厳重処分を科すと述べています。

元マレーシア代表監督でもあり、現在はサラワク・ユナイテッドFCのテクニカルディレクターを務めるサティアナタン氏は、PJBMのメンバーから具体的な報告を受けたことも明らかにしています。「(Mリーグ3部に当たる)M3リーグのコーチがあるクラブから監督就任の依頼を受けたが、その条件はそのクラブのアシスタントコーチが指揮を取り、このコーチには実権が与えられない、という内容だったようで、最終的にこのコーチからはその依頼を断ったと報告を受けている。」

また経費節約目的の名義貸しについては、プロライセンスを持つコーチの月給は最低でも10000リンギ(およそ28万円)、ディプロマ保持者なら25000から30000リンギ(およそ69万円から83万円)となる一方で、1ヶ月あたり2000から3000リンギ(およそ5万5000円から8万3000円)を支払ってその名義のみを借りることで、実際に雇用した場合との差額を節約できると説明しています。

この記事の最後でサティアナタン会長は多くの時間と費用を費やしてプロコーチライセンスを取得しても、不正行為を行う一部のコーチによって、それを活用する場が奪われてしまうとして、名義貸し行為はコーチが自分の首を絞めかねない自殺行為であると批判しています。

なおハリアンメトロの取材に対し、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長はコメントを控えるとし、MFLとこの不正行為疑惑について協議する予定があると回答しているということです。

1月4日のニュース:2022年シーズンのMリーグ外国籍選手枠数の変更は無し、AFCは今季も複数大会を一箇所集中開催で実施の可能性、パハンはクリストフ・ギャメル新監督の就任を発表

昨日はタン・チェンホー監督辞任のニュースで激震が走ったマレーシアサッカー界。スズキカップ2020でのグループステージ敗退を理由とした辞任ということが、それがタン監督だけの責任かどうかは別にして、この予想外の惨敗の影響はあちらこちらに現れており、今日取り上げる外国籍選手枠削減についての議論もその一つです。

その一方で2022年の国内シーズンの開幕も2月末に迫ってきています。また同じ2月には東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権があり、5月にはベトナムでの東南アジア競技大会通称シーゲームズ(U23代表が出場)、6月にはAFC U23アジアカップにAFCアジアカップ(A代表)最終予選と今年前半だけでも日程がてんこ盛りになっています。

2022年シーズンのMリーグ外国籍選手枠数の変更は無し

スズキカップ2020でマレーシア代表がグループステージで敗退したことを受け、Mリーグの外国籍選手枠が多すぎることにより、マレーシア人選手の出場機会が奪われていることもその原因ではないかという声が上がる中、マレーシアサッカー協会FAMは、今季2022年シーズンのMリーグの外国籍選手枠数の変更は行わないことを発表しています。

マレーシアの通信社ブルナマはFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長の話として、今季の外国籍選手枠数の変更を行うには時期が遅すぎると述べる一方で、Mリーグを運営するMFLとは今後も外国籍選手枠数の削減について話し合う用意があると話していることを報じています。さらに、Mリーグの外国籍選手枠についてはFAMの技術委員会が中心となって、維持すべきか削減すべきかを検討する予定であると述べたサイフディン事務局長は、外国籍選手枠の削減を行う場合でも、実施時期は最短で2024年からとなるという見解も伝えています。

Mリーグの外国籍選手枠は1部スーパーリーグが5名(ただしその内2名はそれぞれAFC加盟国選手枠と東南アジアサッカー連盟AFF加盟国選手枠が1名ずつ)、2部プレミアリーグが4名(内1名はAFC加盟各選手枠1名でAFF枠はなし)となっています。

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外国籍選手のせいで、マレーシア人選手が育たないという意見は代表チームの成績が下降する度に議論になる話題です。この記事では特にどのMリーグクラブでもストライカーが外国籍選手であることから、マレーシア人ストライカーが育たないという、まぁどこの国のリーグでも聞かれる意見が書かれています。またこの記事ではファンや評論家だけではなく、現役の選手からも外国籍選手枠削減についての声が上がっているとしています。

この記事を読んで思い出すのは、実際に外国籍選手の登録を禁じた2009年から2011年のシーズンです。それ以前の1999年から3年間に渡りMリーグが外国籍選手の登録を完全に禁じたことがありましたが、このときはアジア通貨危機の影響による経済上の理由でした。しかし2009年からの3年間の外国籍選手登録禁止は「マレーシアサッカーのレベルアップ」が理由でした。マレーシア人選手だけのクラブでリーグを行った結果、2009年と2011年の東南アジア競技大会通称シーゲームズでU23代表が2大会連続金メダル、またA代表は2010年にはスズキカップで初優勝を飾っていることから、それなりの効果はあったのだとは思います。しかし、国内リーグは代表チーム強化のためだけにあるのではなく、興行としての目的もあるわけで、その「質」が維持できなければファンは当然離れていくので、リーグそのものが立ち行かなくなってしまいます。

今回スズキカップのベスト4各国の国内リーグを見ても、外国籍選手枠はタイはマレーシアと同じ5名(内AFC1名、アセアン1名)、インドネシアは4名(内AFC1名)、ベトナムは3名、シンガポールは5名となっており、これだけを見ればMリーグの外国籍選手枠を減らすことで代表チームが強くなるとは正直思えず、MリーグとFAMには常識的かつ論理的な判断を求めたいですが、果たしてどうなることでしょう。

AFCは今季も複数大会を一箇所集中開催で実施の可能性

アジアサッカー連盟AFCは2022年シーズンも複数の大会を集中開催する可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。この記事によれば、AFCのウインザー・ポール事務局長は2022年の日程について詳細は明かさなかったものの、ニューストレイトタイムズの取材に対して、ACLやAFCカップなどのAFC主催大会を昨年同様に1ヶ国を会場とした集中開催方式で行う可能性を示唆しています。

新型コロナの変異種オミクロン株の感染者が世界各国で急増し、アジアの各国でも渡航者に対する検疫隔離が厳格化されていることから、従来のホームアンドアウェイ形式での試合開催が困難になると予想されると述べたウインザー事務局長は、FIFAワールドカップ2022年大会が開幕する今年11月までに全ての年間日程を終了している必要があるとも話しているということです。

また今季2022年シーズンのACLとAFCカップのグループステージ組み合わせ抽選は今月1月17日に、また6月に開催されるAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の組み合わせ抽選は2月17日に、そして1月30日に開催地の立候補が締め切られるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選の組み合わせ抽選は2月24日にそれぞれ行われることも明らかにしています。

パハンはクリストフ・ギャメル新監督の就任を発表

昨季Mリーグ1部で10位だったスリ・パハンFCは、来季の監督にフランス出身のクリストフ・ギャメル氏が就任したとクラブ公式Facebookで発表しています。なお、かつてはフィジー代表の指揮を取った経験もあるギャメル監督との契約期間については明らかになっていません。

昨季2021年シーズンにスリ・パハンFCの監督に就任したトーマス・ドゥーリー監督と共にコーチとして加入したギャメル氏は、開幕から2試合でドゥーリー監督と共に「休養」をクラブから申しつけられて、その後はU21チームの指導を任されていました。

ドゥーリー、ギャメル両氏が「休養」となったことで、2020年にはスリ・パハンFC(当時はパハンFA)の監督を務めていたドラー・サレー チームマネージャーが代行監督に就任しましたが、チームは4勝6分12敗、降格した11位のクラブとは勝点差2という首の皮一枚の差で1部に踏みとどまりました。なおドラー監督代行は、今季は再びチームマネージャーに戻ることも合わせて発表されています。

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2020年シーズンに監督を務めた際にも10位、そして暫定監督として22試合中20試合の指揮を取った昨季も10位、しかもマレーシアカップはグループステージ敗退と2年間で目に見える成果は何も出せなかったドラー氏の留任の可能性はゼロであることは明らかでしたが、ギャメル監督の就任でやっと今季のMリーグの監督全員の顔ぶれが決まったことになります。

1月3日のニュース(3):速報-タン代表監督が辞任

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイトでタン・チェンホー監督の辞任を発表しました。

FAMの発表によれば、先日終了したスズキカップ2020ではグループステージで敗退し、準決勝進出を逃した責任を取り、辞任を申し出ていたタン監督と話し合いを続けていたものの、翻意が困難と判断した結果、FAMは2022年末までとなっていたタン監督との契約を双方合意の上、解除することを決定したとしています。

2005年から2009年まではU20代表、2009年から2010年まではU23代表、またU23代表と同時にA代表のコーチも2009年から2013年まで務めていたタン監督は、この間、2009年の東南アジア競技大会通称シーゲームズではK・ラジャゴパル監督(現ブルネイ代表監督)の元でコーチとして優勝を経験し、翌2010年のスズキカップではA代表監督に就任したラジャゴパル監督を支えてマレーシアの代表のスズキカップ初優勝にも貢献しています。

A代表を離れ、2014年にMリーグ1部のクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)の監督に就任すると、2015年にはMリーグ1部優勝、2016年にはマレーシアカップ優勝を果たしました。

その後タン監督は、2017年5月にはポルトガル出身のネロ・ヴィンガダ氏がA代表の監督に就任するとともに再びA代表のコーチに就任しました。1996年にサウジアラビア代表監督としてAFC選手権アジアカップに優勝、2010年にはFCソウル監督としてKリーグ制覇と実績十分のヴィンガダ氏でしたが、マレーシア代表監督就任後の7試合で0勝2分5敗と1勝も挙げられず、さらにAFC選手権アジアカップ2019年大会予選で敗れたことにより、その就任からおよそ半年後の2017年12月に辞任し、それを受ける形でタン監督はコーチから昇格してA代表監督に就任しました。

A代表監督となった後の2019年に出場したスズキカップでは決勝でベトナムに敗れたものの、優勝した2010年以来7年振りにマレーシアを決勝進出させた他、新型コロナによる中断前のFIFAワールドカップ2020年大会アジア2次予選では一時はグループ2位につけるなど、2017年12月のA代表監督就任以来40試合で20勝4分16敗の成績を残しています。

 スズキカップ2020は惨敗でしたが、果たしてそれがタン監督だけの責任なのでしょうか。シンガポール出発直前にそれまでは「疲労」を理由に辞退していたアリフ・アイマンが加わる一方で、同じ「疲労」を理由に今年ほぼ全ての代表戦に出場してきたラヴェル・コービン=オング、ファリザル・マーリアスを招集せず(あるいは招集を認められず)、その一方で本当に代表に必要なのかが最後まで分からなかったギリェルメ・デパウラや今季試合出場時間がほとんどなかったシャールル・サアドが代わりに招集されましたが、ここで挙げた選手は全員がJDTの選手であることから、それが「偶然」と言われても疑念が拭いきれない代表選出でした。
 あるいはこの辞任は、自身が呼びたい選手を呼べず、それをサポートする気概も覚悟もなければ責任も取らないマレーシアサッカー協会にタン監督が三行半を突き付けたのかも知れません。しかしこのタン監督辞任で得をする人物がいるんだろうなぁ、マレーシアサッカー界には。
 いずれにしてもタン・チェンホー監督、お疲れ様でした。🙇‍♂️

1月3日のニュース(2):スズキカップ2020-決勝第2戦のインドネシアの攻撃的布陣は苦肉の策だった?、また代表選手がサバ加入-今度は代表GKがマラッカUから移籍、2部降格のUITM FCは今季出場辞退の可能性も

スズキカップ2020-決勝第2戦のインドネシアの攻撃的布陣は苦肉の策だった?

タイの優勝で幕を閉じた東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップ2020ですが、決勝第2戦では逆転勝利を目指して攻撃的な布陣を採用したと見られていたインドネシア代表ですが、どうもうそういうことではなかったというチームの実情をAFPが報じています。

この記事によると、インドネシア代表でいずれもDFのリズキー・リド、エルカン・バゴット、ヴィクター・イグボネフォ、リズキー・ドウィ・フェブリアントの4選手がおよそ2時間の間、宿泊先のホテルを抜け出して「シャンプーと石鹸を買いに出た」ことが判明し、東南アジアサッカー連盟AFFの懲罰委員会による調査の結果、この4選手は新型コロナ感染対策予防手順に違反したとして、大会運営本部からタイ代表との決勝第2戦の出場を禁止されていたということです。

この4選手の内、リズキー・リド選手はタイ代表との決勝第1戦に先発し、バゴット選手も後半開始から途中出場しています。またヴィクター選手とリズキー・ドウィ・フェブリアント選手もベンチ入りしていました。

インドネシア代表のシン・テヨン監督は、決勝第2戦後の記者会見でディフェンダーの4選手が出場禁止となった理由は了承できると話す一方で、この4選手の欠場が決勝第2戦に影響を与えたことを認めて失望していると話しています。

また代表選手がサバ加入-今度は代表GKがマラッカUから移籍

昨季2021年シーズンは降格権から勝点3で1部スーパーリーグ残留を決めたサバFCは、シーズン終了後から大型補強を続けていますが、そこにまた大物が移籍です。

サバFCのクラブ公式Facebookでは、先日終了したスズキカップ2020でもマレーシア代表のゴールキーパーとしてグループステージ4試合全てに先発しフル出場したカイルル・ファーミ・チェ・マットがサバFCへの移籍を告知しています。

32歳のカイルル・ファーミ選手は、昨季途中からサバFCの指揮を取るオン・キムスイ監督のもとでプレー経験があり、2011年に東南アジア競技大会通称シーゲームズでオン監督率いるU23代表が優勝した際の正ゴールキーパーでした。

オン監督就任以来、このオフシーズンは同じスーパーリーグのクダ・ダルル・アマンFCからMFバドロル・バクティアルとDFリザル・ガザリ、またタイ1部のポリス・テロFCからはDFドミニク・タンといずれもスズキカップ2020に出場した代表選手を獲得しています。

2部降格のUITM FCは今季出場辞退の可能性も

昨季2021年シーズンにMリーグ1部スーパーリーグで最下位となり、今季2022年シーズンは2部プレミアリーグ降格が決まっているUITM FCが経営上の問題から今季のリーグ出場を辞退する可能性があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

昨季のスーパーリーグで3勝4分15敗で最下位となったUITM FCは、国立大学のマラ工科大学UITMを母体とするクラブで、2020年はに大学のクラブとして初めてスーパーリーグでプレーしています。しかもこのシーズンは新型コロナの影響で試合数が半減したとは言え昇格初年度で6位となるなど大きな話題となりました。しかし2020年シーズン終了後にこの大躍進に貢献した外国籍選手5名の内、4名が退団するなど、この時点で運営資金が潤沢ではないことは明らかでした。

2021年シーズンは開幕から連敗が続き、前年から指揮を取るフランク・ベルンハルト監督を交代、外国籍選手を入れ替えるなどしたものの、シーズン初勝利は開幕から17試合目(Mリーグの1シーズンは22試合)では、2部降格は避けられませんでした。

ニューストレイトタイムズの記事では、今季プレミアリーグ参戦のためのスポンサーの獲得に困難を極めているとされており、Mリーグを運営するMFLものスチュアート・ラマリンガムCEOもUITM FCからの状況説明を待っている状態であると話し、Mリーグも事態を憂慮しているとしています。


1月3日のニュース(1):スズキカップ2020-決勝第2戦は引き分けもタイが2大会ぶりの優勝

スズキカップ2020決勝第2戦

2022年1月3日@シンガポール国立競技場(シンガポール)
タイ 2-2 インドネシア
得点者:タイ-アディサク・クライソーン(54分)、サーラット・ユーイェン (56分)、インドネシア-リッキー・カンブアヤ(7分)、エギィ・マウラナ(80分)

スズキカップ2020の決勝タイ対インドネシアの第2戦が行われ、インドネシアはタイと引き分けましたが、第1戦に4−0と勝利していたタイが通算スコアを6-2として、2016年大会以来2大会ぶりとなる通算第6回目の優勝を飾っています。

4点取らなければ優勝がないインドネシアはこの試合に攻撃的な布陣で臨みましたが、試合開始早々はタイに攻め込まれたものの、リッキー・カンブアヤが7分にゴールを決めて、通算スコアを1-4としました。次の1点がインドネシアに入れば2点差となり、勝負の行方がわからなくなりそうなところでしたが、後半に入るとタイがアディサク・クライソーン、サーラット・ユーイェンが立て続けにゴールを決めて逆に5点差に開きました。それでもインドネシアは80分にエディ・マウラナのゴールで1点を返しますが、第1戦のリードを生かして逃げ切ったタイが2大会ぶり6度目の優勝を決めています。

タイの強さはここまでの試合で分かっていたものの、この試合ではインドネシアが決勝まで進出してきた理由が分かったような気がします。新型コロナ前は競った試合になることはあっても、マレーシアが負けることはなかったインドネシアはシン・テヨン監督就任ととものメンバーも変わり、この試合で先制点を決め、MOMにも選ばれたリッキー・カンブアヤはシン監督が初めて代表に選出した選手で、2点目を決めたエディ・マウラナも代表初ゴールはシン監督のもとでプレーした今年になって初めて代表初ゴールを決めるなど、全く別のチームになっていました。6度目の決勝進出となったもの今回も悲願の初優勝には手が届きませんでしたが、インドネシアはシン監督のもとで着実に力をつけているのがわかるプレーぶりでした。

マレーシアのグループステージ敗退後には、チャナティップ選手のようにマレーシア代表の選手も国外のよりタフな環境でプレーして強さを身につけるべき、といった意見もソーシャルメディアだけでなく、現地紙など印刷メディアでも見かけましたが、そもそも海外のクラブがマレーシア人選手を求めるのか、また求められたとしておそらく今よりも低くなる給料を受け入れられるか、またでそういった挑戦をするモチベーションがそもそもあるのかどうかなどの議論が起こっていました。また、今回の結果で、これまではマレーシアでステップアップしてさらに他国のリーグを目指そうとしていた東南アジアの選手は、タイやシンガポール、さらにはインドネシアを飛び石にして、マレーシアには魅力を感じないのではないか、といった意見を掲載している現地紙もあり、いずれもマレーシアサッカーが東南アジアのトップから遅れをとっていることが明らかになった点を指摘しています。

マレーシアサッカーの2022年はタイやベトナム、さらにはインドネシアやシンガポールにどうやって追いつき、追い越すのかを模索する1年になりそうです。

(試合のハイライト映像はスズキカップ2020の公式YouTubeチャンネルより)

スズキカップ2020日程および結果

*既に終了している試合の詳細については、試合結果をクリックするとスズキカップ2020公式サイト(英語)へ飛ぶことができます。

<グループステージA組>

2021年12月5日(日)
東ティモール 2-0 タイ
シンガポール 3-0 ミャンマー

2021年12月8日(水)
ミャンマー 2-0 東ティモール
フィリピン 1-2 シンガポール

2021年12月11日(土)
東ティモール 0-7 フィリピン
タイ 4-0 ミャンマー

2021年12月14日(火)
フィリピン 1-2 タイ
シンガポール 2-0 東ティモール

2021年12月18日(土)
タイ 2-0 シンガポール
ミャンマー 2-3 フィリピン

<グループステージB組>

2021年12月6日(月)
カンボジア 1-3 マレーシア
ラオス 0-2 ベトナム

2021年12月8日(水)
マレーシア 4-0 ラオス
インドネシア 4-2 カンボジア

2021年12月12日(日)
ラオス 1-5 インドネシア
ベトナム 3-0- マレーシア

2021年12月15日(水)
カンボジア 3-0 ラオス
インドネシア 0-0 ベトナム

2021年12月19日(日)
ベトナム 4-0 カンボジア
マレーシア 1-4 インドネシア

グループステージA組順位

順位チーム得失差勝点
1タイ4400912
2シンガポール430149
3フィリピン420266
4ミャンマー4103-63
5東ティモール4004-130

グループステージB組最終順位
*インドネシアとベトナムは勝点と得失点差で並んだものの、インドネシアの総得点13に対してベトナムは9のため、インドネシアがB組の1位に決定

順位チーム得失差勝点
*1インドネシア4310910
2ベトナム4310910
3マレーシア420206
4カンボジア4103-53
5ラオス4004-130

<準決勝第1回戦>

2021年12月22日(水)
シンガポール 1-1 インドネシア

2021年12月23日(木)
タイ 2-0 ベトナム

<準決勝第2回戦>

2021年12月25日(土)
インドネシア4 2- シンガポール

2021年12月26日(日)
ベトナム 0-0 タイ

<決勝第1回戦>

2021年12月29日(木)
インドネシア – タイ

<決勝第2回戦>

2022年1月1日(土)
タイ2 -2 インドネシア