10月12日のニュース
AFCカップ決勝進出のKLシティを支えるガリフオッコはMリーグでプレーした12番目のWC出場選手となるか
U17アジアカップ出場権獲得のU16代表監督は中東や日本への遠征を希望

AFCカップ決勝進出のKLシティを支えるガリフオッコはMリーグでプレーした12番目のWC出場選手となるか

10月22日にKLフットボールスタジアムで開催される今季AFCカップ決勝に出場するMリーグ1部スーパーリーグのKLシティは、2度のPK戦勝利を含む5試合に勝利して決勝に進出しています。ここまでの8試合で4失点(12得点)の強固な守備陣の中心となっているのがオーストラリア出身のセンターバック、ジャンカルロ・ガリフオッコです。28歳のガリフオッコ選手は187cmの長身センターバックで、今季はKLシティで2シーズン目となりますが、昨季のマレーシアカップ優勝などにも大きく貢献し、KLシティ守備陣のまさに大黒柱です。

そんなガリフオッコ選手については、サッカーファンのSNS上では、KLシティでの活躍によって、来月にカタールで開催されるFIFAワールドカップのオーストラリア代表にガリフオッコ選手が招集されるのでは、と言った話題が上がっています。ガリフオッコ選手はオーストラリアのU17、U20、U23など年代別代表でのプレー経験はあるものの、まだA代表に招集されたことはありません。

英字紙ニューストレイトタイムズは、このガリフオッコ選手のオーストラリア代表選出について、KLシティのボヤン・ホダック監督にインタビューしていますが、ホダック監督は、ガリフオッコ選手の招集は、かつてJリーグの広島でもプレーしたグラハム・アーノルド監督次第としながらも、オーストラリア代表のトップ選手は欧州など東南アジアより厳しい環境でプレーしており、またセンターバックには多くの有力選手がいることから、代表入りは容易ではないと話す一方で、代表でプレーするだけの技量は備え持っていると話し、可能性が全く無いとは言えないとも話しています。

また同じニューストレイトタイムズの記事では、Mリーグでプレーしたワールドカップ出場選手を紹介しています。これまでMリーグではワールドカップ出場経験のある11名の選手がプレーしているということです。

  1. カレル・ストロムシック(GK、チェコスロバキア)
    プレーしたのがチェコスロバキアという国名からして時代を感じますが、1982年のワールドカップスペイン大会ではイングランド戦とフランス戦に出場しています。Mリーグでは1989年から1991年までスランゴールFA(現スランゴールFC)でプレーしています。
    *ボラセパマレーシアJP:この選手はよく覚えています。外国籍選手のGKは当時は、珍しかったですが、当時のMリーグではダントツNo.1のGKでした。ストロムシック選手が在籍した3年間は、リーグ優勝2回、カップ戦優勝1回、準優勝2回と今は見る影もないスランゴールがとてつもなく強かった時の守護神でした。
  2. エミール・ムボウ(MF、カメルーン)
    ロジャー・ミラを筆頭にIndomitable Lions「不屈のライオン」として有名になったカメルーン代表で1990年イタリアと1994年アメリカと2大会で合計6試合に出場しているムボウ選手は、1996年にプルリスFA、1997年にはクアラルンプールFA(現KLシティ)、そして1999年から2001年まではサバFA(現サバFC)でプレーしています。
    *ボラセパマレーシアJP:Mリーグでプレーするニュースを聞いて、そんな輝かしい経歴の選手がマレーシアでプレーするんだ!と驚いた記憶があります。Mリーグでプレーした選手の中ではWC最多試合出場を誇るムボウ選手はサバでのプレーを終えて引退しています。
  3. ステファン・ケシ(DF、ナイジェリア)
    1994年のワールドカップアメリカ大会では1試合出場ながら、グループステージのギリシャ戦に先発フル出場しているケシ選手は、長身のセンターバックとして1998年にプルリスFAでプレーしましたが、シーズン終了とともに引退し、その後はトーゴ代表監督としてチームを2006年ドイツ大会でWC初出場に導いた後、ナイジェリア代表の監督として2014年ブラジル大会に出場しています。
  4. ペリツァ・オグニェノヴィッチ(FW、ユーゴスラビア)
    こちらも既に存在しないユーゴスラビアという国名も時代を感じさせますが、1998年のワールドカップフランス大会ではイラン、ドイツ、アメリカとのグループステージ3試合にいずれも途中出場しましたが、ノックアウトステージのオランダ戦ではベンチ入りしたものの、出場はありませんでした。このオグニェノヴィッチ選手は、現在は解散したMPPJ FCに2006年のシーズン途中に加入しています。豊富な資金力から当時は「マレーシアのチェルシー」と呼ばれたMPPJ FCは、レアル・マドリードやレッドスター・ベルグラードなどでもプレーしたこのオグニェノヴィッチ選手を獲得しましたが、チームは給料未払い問題などが明るみに出て、オグニェノヴィッチ選手も半年でチームを去っています。
  5. ジョエル・エパル(MF、カメルーン)
    2002年ワールドカップ日韓共催大会に出場したカメルーン代表入りしたエパル選手は、試合には出場する機会がありませんでした。MリーグではサラワクFA(現サラワクFC)に2012年に加入し、出場5試合で2ゴールという記録が残っています。
  6. エル=ハッジ・ディウフ(FW、セネガル)
    2001年と2002年の2年連続アフリカ年間最優秀選手を受賞したディウフ選手は、2002年の日韓共催大会でセネガルをベスト8に立役者。その後はリバプール、ボルトン、サンダーランドなどを経て、2015年にサバFAに加入しています。その実績から、早速キャプテンとなったディウフ選手でしたが、当時のMリーグで存在感を増していたJDTのアカデミーを母国セネガルに開設する希望や、無給でJDTでプレーしたいなど、「問題発言」を繰り返し、シーズン途中の7月にはキャプテンを解任されています。
  7. ボシュコ・バラバン(FW、クロアチア)
    2002年の日韓共催大会、そして2006年のドイツ大会の2大会でいずれもクロアチア代表チームのメンバーだったバラバン選手は、WC予選では13試合で7ゴールを挙げているものの、2大会とも本戦では全く出場がありませんでした。ディナモ・ザグレブ、アストン・ヴィラなどでプレーしたこのバラバン選手は2012年にスランゴールに加入するとデビュー戦でゴールを決め、シーズン通算でも20試合で12得点と活躍したものの、契約を延長せず1シーズンで退団しています。
  8. パブロ・アイマール(MF、アルゼンチン)
    2002年日韓共催大会、2006年ドイツ大会の2大会で合計6試合に出場したアイマール選手は、リバー・プレート(アルゼンチン)、バレンシア(スペイン)などでプレーした後、2014年にベンフィカからジョホール・ダルル・タジムJDTへ加入しています。公表はされなかったもののMリーグ史上最高額と言われた給料で2年契約を結んだアイマール選手でしたが、リーグ開幕から3ヶ月で度重なるケガのため、退団しています。出場8試合で2ゴールという成績でしたが、2022年まで続く9連覇の1年目の優勝メンバーとして、優勝メダルを受け取っています。なお、アイマール氏は現在はアルゼンチンU17代表の監督を務めています。
  9. キム・ドゥヒュン(MF、韓国)
    2006年ドイツ大会でメンバーに選ばれたものの、試合出場がなかったキム選手は、35歳となった2018年にヌグリスンビランFA(現ヌグリスンビランFC)に加入し、キャプテンを勤めるなどして、1シーズンプレーしています。
  10. ジェリー・パラシオス(FW、ホンジュラス)
    2010年南アフリカ大会では、スペイン戦とスイス戦の2試合に出場したパラシオス選手は、2014年ブラジル大会でもメンバー入りしたものの、出場はありませんでした。アジアでは中国や香港のリーグなどでプレーした後、2016年に当時Mリーグ1部にいた国軍FC(ATM)に加入したものの、WC出場選手という期待に応えられず、出場2試合のみにとどまり、ATMはこのシーズンで1部から降格しています。
  11. アンドリュー・ナバウト(FW、オーストラリア)
    2018年ロシア大会でフランス戦とデンマーク戦の2試合に出場したナバウト選手は、ここまでの10名の選手とは異なり、Mリーグでプレーした後にWCに出場した選手です。2016年にヌグリスンビランFAに加入すると、リーグ前半戦の12試合でチーム最多の8ゴールを量産しました。しかし前半戦終了後にシーズン2度目のトランスファーウィンドウが開くと、何を思ったかヌグリスンビランはナバウト選手との契約を解除してしまいます。その後、母国のニューカッスル・ジェッツに加入し、再びチームトップの得点を挙げると、2018年にはJリーグ浦和へ移籍し、またオーストラリア代表としてW杯出場を果たしています。
U17アジアカップ出場権獲得のU16代表監督は中東や日本への遠征を希望

AFC U17アジアカップ2023年大会予選を突破したマレーシアU16代表の監督は、大会前により強い相手との対戦経験を積むために中東あるいは日本への遠征を希望していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

予選が行われたインドネシアから帰国した直後の空港で行われた記者会見の席上、U16代表のオスメラ・オマロ監督は、予選突破は果たしたものの、チームはまだ多くの点で改善の余地があるとして、大会前に中東の国々や日本といった強豪と対戦して、さらに経験を積む必要があると話しています。

オスメラ監督は、来年開催される本戦ではベスト4進出を目指したいと話す一方で、チームマネージャーのクリストファー・ラジ氏は、予大会前にはイラン、日本、韓国などへ遠征して試合を行いたいと述べています。

開催地枠での出場も含め、マレーシアはAFC U17アジアカップ(旧AFC U16選手権)にはこれまで6度出場しており、2014年にコギレスラワン・ラジ(PJシティ)、ハジック・ナズリ(JDT)らを擁してベスト8に進出したのが、マレーシアの最高成績です。

10月11日のニュース
マレーシアが予選を1位突破し来年のAFC U17アジアカップ出場権を獲得
MFLはマレーシアカップ出場権剥奪のマラッカの選手の特例移籍案を拒否

マレーシアが予選を1位突破し来年のAFC U17アジアカップ出場権を獲得

見事なお手並み、お見逸れ致しました。

インドネシアのボゴールで開催されていたAFC U17アジアカップ予選B組は10月9日に最終第5節が行われ、ここまで2勝1分で2位につけていたマレーシアU16代表と、3勝全勝で首位のインドネシアU16代表が激突し、5-1で勝利したマレーシアがB組1位として本戦出場権を獲得しています。

前節第4節にアラブ首長国連邦UAEを相手にロスタイムのゴールで3-2と勝利し、代わってグループ2位となったマレーシアは、B組1位突破をかけて、開催国インドネシアと対戦しました。ここまでの3試合を3勝0敗、得点19失点2のインドネシアに対し、マレーシアのオスメラ・オマロ監督は、前節のUAE戦と全く同じ先発XIを起用しました。

試合は開始からからインドネシアに攻め込まれる展開となりましたが、マレーシアのGKファリシュ・ファルハンが再三、好セーブを見せてピンチを防ぐと、徐々にペースを掴み始めたマレーシアはザイヌルハキミ・ザイン(AMD U16)が今大会2点目となるゴールを17分に決めてマレーシアが先制すると、20分にはアラミ・ワフィ(AMD U16)がパレスチナ戦、UAE戦に続く今大会3点目となるゴールを決めてリードを広げます。さらに23分にはアンジャスミルザ・サフルディン(AMD U16)がやはり今大会3点目となるゴールを、また26分にはアフィク・ダニシュ(AMD U16)が今大会初ゴールを決め、試合開始から26分で4-0と大量リードします。さらに38分には相手パスを奪い、ドリブルでペナルティエリアに持ち込んだアンジャスミルザ・サフルディンが倒されてPKを得ると、アラミ・ワフィがこのPKを決めてさらにリードを広げます。

試合はこのまま進み、後半のロスタイムに失点し完封は逃したものの、マレーシアが5-1でインドネシアを破り、3勝1分で勝点10となりB組1位として、来年のU17アジアカップ本戦出場を決めています。マレーシアは開催国枠で出場した2018年大会に以来、通算6回目の出場、予選を突破しての出場は、アリフ・ハイカル(スランゴール)、アリフ・サフワン(UITM)、イズリーン・イズワンディ(KLシティ)らを擁した2016年以来となります。

また第5節のもう一つの試合は、パレスチナがグアムを4-0で破り、今回の予選で初勝利を挙げ、通算成績を1勝3敗で4位に、またグアムは通算成績を0勝1分3敗として5位で今回の予選を終えています。

*****

マレーシアは、1-1で引き分けたグアム戦以外の3試合はほぼ同じメンバーが先発し、グアム戦で主力を休ませるオスメラ・オマロ監督の戦略が功を奏しました。
 この日の試合でも、14-0と大勝したグアム戦と8名が同じ先発メンバーだったインドネシアに対し、マレーシアは1-1と引き分けたグアム戦の先発メンバーとは9名が異なっています。4試合をほぼ同じメンバーで戦ったインドネシアと、グアム戦を利用して選手を上手くローテーションしたマレーシアの選手マネージメントの差が出たと言っても良いでしょう。
 もちろんグアム戦で引き分けたときには、UAE戦、インドネシア戦が残っている中で、まさかこのまま予選敗退…という不安もよぎり、UAE戦もロスタイムのゴールで薄氷を履む勝利だったところから、この日のインドネシア戦も大丈夫か?という感じでしたが、蓋を開けてみれば堂々のグループ1位突破となりました。

AFC U17アジアカップ予選B組第5節
2022年10月9日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
インドネシア 1-5 マレーシア
⚽️インドネシア:アルハン・カカ・プトラ(90+3分)
⚽️マレーシア:ザイヌルハキミ・ザイン(17分)、アラミ・ワフィ2(20分、38分)、アンジャスミルザ・サハルディン(23分)、アフィク・ダニシュ(38分)
🟨インドネシア(2):ナビル・アシュラ、アンドレ・パンゲストゥ
🟨マレーシア(1):アフィク・ダニシュ

AFC U17アジアカップB組 最終順位表

チーム勝点
1MYS4310134910
2IDN4301207139
3UAE420217966
4PSE4103710-33
5GUM4013128-271
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

AFC U17アジアカップは、昨日までに本戦出場する16チームが決定しています。東南アジアからはB組1位のマレーシアの他、ベトナム、タイ、ラオスの4チームが出場します。本戦が新型コロナ感染拡大のために中止になってしまった2020年大会ではインドネシアが東南アジア唯一の本戦出場、2018年はインドネシア、タイ、ベトナム(マレーシアは開催国として出場)、2016年はマレーシア、ベトナム、タイ、2014年はマレーシア(タイは開催国として出場)が出場と、過去5大会では東南アジアから4チームが予選を突破したことはありません。2023年大会は当初の開催国だったカタールが開催を辞退したため、未だ開催国は決まっていませんが、東南アジアの4チームには是非、その存在感を見せつけて欲しいです。

MFLはマレーシアカップ出場権剥奪のマラッカの選手の特例移籍案を拒否

給料未払い問題が未解決のため、今季のマレーシアカップ出場権剥奪処分を受けたMリーグ1部スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッド(以下マラッカ)の選手について、マレーシアプロサッカー選手会PFAMは、Mリーグを運営するMFLに対して、マラッカ所属の選手がマレーシアカップに出場する他のクラブへの期限付き移籍を特例として認めるよう提案していましたが、MFLはこれを拒否したと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

あと2節を残す今季のスーパーリーグですが、このリーグ戦終了後の10月25日開幕するのが、国内最大のカップ戦、マレーシアカップです。昨年開催100周年を迎えたこのマレーシアカップは、スーパーリーグ1位から11位までの11チームと、2部プレミアリーグの上位5チームの合計16チームが対戦しますが、もともとカップ戦から始まったマレーシアサッカーの原点とも言える大会です。

この伝統ある大会に出場できなくなったマラッカは、収入面でも痛手を受け、その結果、選手への未払い給料問題がさらに長引く可能性他があることから、マラッカ所属のの選手の救済策として、PFAMはMFLに対して特例としてマレーシアカップ期間中の期限付き移籍を認めるよう提案していました。、

MFLは、現在が移籍が可能となるトランスファーウィンドウ期間でないこと、また1クラブのために特例としてトランスファーウィンドウを開くことはできないことを理由に挙げて、この提案は受け入れられないとしています。さらにマラッカは現在も継続中のスーパーリーグでプレーしており、中断期間でない時期のトランスファーウィンドウは開くことはできないこと、マレーシアカップの規定では大会のための追加登録はできないことなどを、MFLのスチュアート・ラムリンガムCEOは説明しています。

マラッカは、現在のオーナーであるケンチーム社のCEOで、マラッカの運営会社のCEOでもあるジャスティン・リム氏が、未払い給料問題を解決した後にクラブの全株式を売却するつもりであることも明らかにしており、この株式の売却が実現しなければ、マラッカは来季のスーパーリーグから撤退する最悪の可能性もあります。

Mリーグ1部スーパーリーグ 2022年シーズン第20節結果とハイライト

今季のスーパーリーグも今節を含め残りあと3節となり、今季の最終順位争いが激化する一方で、1部と2部が合併して18チーム編成になる新スーパーリーグから複数のクラブが撤退を噂されるなど、ピッチ内外共に熱いMリーグ。今節は天候不順で多くの試合が雨の影響を受け、劣悪なピッチで開催されました。

2022年9月28日@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティ 5-0 サラワク・ユナイテッド
⚽️KLシティ:パウロ・ジョズエ(28分)、ライアン・ランバート3(29分、41分、53分)、ジョーダン・ミンター(84分)
🟨KLシティ(2):デクラン・ランバート、イルファン・ザカリア
🟨サラワク・ユナイテッド(3):ボリス・コック、アメル・サイディン
MOM:ライアン・ランバート(KLシティ)
 代表漏れで奮起。
 先日、タイで開催されたキングズカップで代表に招集されたデクラン・ランバートとザフリ・ヤハヤが戻ったKLシティが、給料未払い問題で揺れるサラワク・ユナイテッドに圧勝しています。
 この試合のヒーローは、ハットトリックを決めたライアン・ランバートです。試合後のインタビューでは、これまで1試合で2ゴール以上は決めたことがないと話したランバート選手ですが、チームメイトでもあり双子の兄弟でもあるデクラン・ランバートが代表に初選出された一方で、自身は代替召集メンバーには入ったものの、結局は代表には招集されず、その鬱憤を晴らすように、いずれもペナルティーエリアの外からロングレンジの3本のゴールを決める活躍でした。

2022年10月7日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-1 スランゴール
⚽️スランゴール:ダニアル・アスリ(81分)
🟨PJシティ(3):K・プラバカラン、マハリ・ジャスリ、カラムラー・アル=ハフィズ
🟨スランゴール(1):ブレンダン・ガン
MOM:シヴァン・ピレイ(PJシティ)
 今は結果が何より大事。
 いずれもMBPJスタジアムを本拠地とする両チームの「スランゴール・ダービー」は、雨により水を多く含んだピッチでタン・チェンホー監督が目指す短いパスを繋ぐサッカーが機能せず苦しんだものの、スランゴールが途中出場のU23代表ダニアル・アスリが挙げたゴールを守り切って勝利し、タン監督就任以来、2連勝を飾っています。
 運営資金不足を理由に来季のスーパーリーグ脱退といった噂も流れているPJシティは、強固な守備でスランゴールの攻撃陣を封じていましたが、残り10分を切っての失点で敗れています。

2022年10月7日@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 4-1 ペナン
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(33分)、パク・タエスー(72分)、サディル・ラムダニ(80分)、スチュアート・ウィルキン(89分)
⚽️ペナン:アディブ・ラオプ(70分)
🟨サバ(2):ファルハン・ロスラン、ドミニク・タン
🟨ペナン(5):エンドリック、アジザン・ノルディン、アジム・ラヒム、ジャフリ・フィルダウス・チュウ、ルーカス・シルヴァ
🟥ペナン(1):ラファエル・ヴィトー
MOM:スチュアート・ウィルキン(サバ)
 2位死守。
 リーグ前半とは打って変わって失速気味のサバは2連敗中、さらに直近の4試合で勝利がなく、依然2位ではあるものの、トレンガヌとヌグリスンビランが勝点差1までせまっています。この試合も最下位のペナンを相手に、2試合ぶりの先発となったキャプテンのバドロル・バクティアルが先制ゴールを決めるも、その後は追加点を奪えないまま、70分には同点にされてしまいます。
 しかしこの日はすぐさまパク・タエスーのゴールでリードを奪うと、さらに2ゴールを決めたサバがAFCカップ出場権の懸かった2位を死守しています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、58分に交代しています。

2022年10月7日@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 2-4 トレンガヌ
⚽️マラッカ:ファリス・シャー(44分)、シャーミ・シャムスディン(52分)
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ3(3分、13分、37分)、ファイサル・ハリム(70分)
🟨マラッカ(0)
🟨トレンガヌ(1):アザム・アズミ
MOM:チェチェ・キプレ(トレンガヌ)
 相性抜群。
 2ヶ月前は6位だったトレンガヌは、6連勝中で3位に浮上し、AFCカップ出場権の懸かる2位まで勝点差1と迫っています。そのトレンガヌは2節を残し、下位チームには勝ち点を落とせない状況の中、チーム得点王のチェチェ・キプレが前半でハットトリックを達成するなど、4ゴールを挙げてマラッカに圧勝しています。
 およそ1ヶ月前の9月3日にトレンガヌのホームで行われた同じカードでも、トレンガヌは5-0と対処していますが、その試合でもチェチェ・キプレはハットトリックを達成しており、2試合で6ゴールとマラッカをいわゆる「お得意様」にしています。
 給料未払い問題が未解決のマラッカは外国籍選手がベンチ入りしておらず、好調のトレンガヌと対戦するには戦力不足でした。給料未払い問題解決の目処が立たず、来季のスーパーリーグ撤退も噂されるなど、選手もモチベーションも上がらない状態では、この結果もやむを得ないのかもしれません。

2022年10月7日@ダルル・マクモルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 0-0 JDT
🟨スリ・パハン(0)
🟨JDT(0)
MOM:ファリザル・マーリアス(JDT)
 安全第一。
 豪雨により試合開始が1時間半近く遅れた試合は、ボールが転がらないどころか、テレビで見ていても水が浮いているのがわかる田んぼのようなコンディションの中で行われました。前節のレッドカードで出場停止となっているエースのベルグソン・ダ・シルヴァ、そして相手選手と交錯して負傷したシェーン・ローリーと主力がベンチ外となったJDTは、既に優勝を決めていることもあってか劣悪なピッチでケガをしないよう「安全第一」で試合を進めた結果、スリ・パハンもそれに付き合うような形で、試合は引き分けに終わっています。

2022年10月9日@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 4-3 クダ
⚽️ヌグリスンビラン:マテウス・アルヴェス(25分)、グスタヴォ2(58分、70分)、ショーン・シヴァラジ(65分)
⚽️クダ:マフムード・アル=マルディ(45+3分)、サンワット・デーミット(82分)、マルク・ヴァレス(90分)
🟨ヌグリスンビラン(1):ナスルラー・ハニフ
🟨クダ(3):アミルル・アズハン、サンワット・デーミット、デシ・マルセル
MOM:グスタヴォ(ヌグリスンビラン)
 楽勝ムードが一転、終盤に冷や汗も2位争いに残る。
 この試合は10月8日に予定されていましたが、豪雨により試合開催が困難となったため、1日順延されて行われています。2位のサバとは勝点差1、3位のトレンガヌと勝点で並び、得失差で4位のヌグリスンビランは6位のクダと対戦。2位という明確な目標があるヌグリスンビランは、試合開始から優位に試合を進め、マテウス・アルヴェスのゴールで25分に先制しますが、前半終了間際のロスタイムにクダが同点に追いつきます。
 後半はグスタヴォの2ゴールなどでリードを3点に広げたヌグリスンビランが楽勝かと思われましたが、クダの猛攻に遭い、最後は1点差まで追い込まれながらも逃げ切っています。
 クダはこの試合後にクラブの所得税未払いが明らかになり、退任が予想されているシンガポール出身のアイディル・シャリン監督や外国籍選手の移籍に支障が起こることが考えられ、残る2試合ではさらにモチベーションが下がってしまう可能性もあります。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第20節終了時)

チーム勝点
1JDT20155054114350
2SAB20123534221239
3TRE20122634181638
4NSE2011543124738
5KLC208572928129
6KDA208393034-427
7SEL207583732526
8SRP207493029125
9PJC204881930-1120
10MEL2046102240-1818
11SWU2042141849-3114
12PEN2024142142-2110
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第20節終了時)

ゴール数選手名所属
125ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
214カイオンSEL
313フェルナンド・フォレスティエリJDT
412ロナルド・ンガKDA
510チェチェ・キプレPJC
10グスタヴォ
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

10月8日のニュース
AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはUAEに劇的勝利ででグループ1位突破の可能性も
マレーシアカップの暫定組み合わせが決定

AFC U 17アジアカップ予選B組-マレーシアはUAEに劇的勝利でグループ1位突破の可能性も

ロスタイムのゴールで劇的勝利!

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組は10月7日に第4節が行われ、前節第3節にグループ最下位のグアムと引き分けたマレーシアは、グループ2位のアラブ首長国連邦UAEと対戦し、2点のリードを追いつかれたものの、ロスタイムに決勝点を挙げてUAEに勝利し、最終節第5節のインドネシア戦で勝利すればグループ1位で予選を突破できる可能性が復活しています。

初戦のパレスチナ戦から先発7名を入れ替えた第2戦グアム戦から一転して、この試合では初戦の先発XI中10名が戻ったマレーシアは、前半終了間際の45+1分にアラミ・ワフィ(モクタル・ダハリアカデミーU16)のゴールでリードすると、51分にはアンジャスミルザ・サハルディン(モクタル・ダハリアカデミーU16)のゴールでリードを広げます。

しかしUAEも76分にサイード・アメルのゴールで1点差に迫ると、84分にはアブドルアジズ・アルマズーキがゴールを決めて、同点とします。この試合を引き分ければ、本戦出場可能となる各組2位の内の上位6チームに入るのも難しくなるマレーシアは、最後まで攻め続けた結果、90+3分にファリス・ダニシュ(モクタル・ダハリアカデミーU16)が決勝ゴールを決め、UAEに劇的な勝利を収めています。

AFC U17アジアカップ予選B組第4節
2022年10月7日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
マレーシア 3-2 UAE
⚽️マレーシア:アラミ・ワフィ(45+1分)、アンジャスミルザ・サハルディン(51分)、ファリス・ダニシュ(90+3分)
⚽️UAE:サイード・アメル(76分)、アブドルアジズ・アルマズーキ(84分)
🟨マレーシア(2):アイマン・ユスフ、ザイヌルハキミ・ザイン
🟨UAE(3):ラシド・サイフ、フサイン・マフムード・イスマイル、スハイリ・カリド・オバイディ

なお第4節のもう1試合は開催国インドネシアがパレスチナを2-0で破り、3連勝を飾っています。この結果、最終節第5節で対戦するインドネシアとマレーシアの内、勝者がこのB組の首位として本戦出場を決めることになります。

AFC U17アジアカップB組 順位表(第2節終了時)

チーム勝点
1IDN3300192179
2MYS32108357
2UAE420217966
4GUM3012124-231
5PSE3003310-70
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

10月6日のこのブログでは、「或いは戦略?このグアム戦の先発XIは、初戦のパレスチナ戦の先発XIからは7名が変わっており、この試合は最初から重視されていなかったのかも」と書きましたが、マレーシアU17代表のオスメラ・オマロ監督は先発メンバーを初戦のパレスチナ戦とほぼ同様に戻し、パレスチナ戦でゴールを決めた3選手がこのUAE戦でもゴールを決めており、やはり2戦目のグアム戦は主力を温存し、このUAE戦と最終節のインドネシア戦に賭けていたのかもしれません。これで最終節のインドネシア戦であわよくば勝利、最悪引き分けでも、本戦出場が見えてきます。

マレーシアカップの暫定組み合わせが決定

マレーシアサッカーの今シーズン最後を飾るマレーシアカップの組み合わせ抽選が10月6日に行われ、その結果がマレーシアフットボールリーグMFLの公式サイトで発表されています。

日程の事情から、従来のグループステージを行わず、各チームがいきなりトーナメントで対戦する方式となった今季のマレーシアカップですが、出場するのはMリーグ1部スーパーリーグの1位から11位までの11チームと、2部プレミアリーグの上位5チーム(ただし、スーパーリーグ所属クラブのセカンドチームを除く)の16チームです。なお、スーパーリーグのマラッカ・ユナイテッドは給料未払い問題が未解決のため、Mリーグを運営するMFLから今回のマレーシアカップ出場権剥奪の処分を受けていますが、マラッカが11位以内に入った場合の対応については、今回は発表されていません。

また、既に全日程が終了しているプレミアリーグに対し、スーパーリーグは今週末の第20節を含めあと3節を残しており、最終順位は決定していません。このため、この日の組み合わせ抽選では対戦カードも確定せず、今回の組み合わせは暫定的なものになっています。

この日の組み合わせ抽選は、スーパーリーグ1位から4位までの4チームがポットA、スーパーリーグと5位、6位クダとプレミアリーグの上位2チーム(クランタン、クチンシティ)がポットB、残る8チームがポットCとなり、一回戦ではポットAあるいはポットBのチーム対ポットCのチームが対戦する形になっています。

一回戦は10月25日と26日にポットCのチームのホームゲームでスタートするマレーシアカップは、準々決勝、準決勝ともホームアンドアウェイ形式で開催され、11月26日に予定されている一発勝負の決勝まで熱い戦いが続きます。

10月6日のニュース
AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはグアム相手にまさかの引き分けで予選突破が遠のく
AFCカップ地区間プレーオフ決勝-PK戦を再び制したKLシティが決勝進出

AFC U17アジアカップ予選B組-マレーシアはグアム相手にまさかの引き分けで予選突破が遠のく

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組は10月5日に第3節が行われ、前節第2節に試合がなかったマレーシアは、グループ最下位のグアムと対戦しましたが、1-1とまさかの引き分けで、通算成績を1勝1分としています。

初戦のパレスチナ戦に4-0と快勝したマレーシアは、勝点3を目指して既に2敗のグアムと対戦しましたが、前半は両チームとも得点がなく終了。後半に入ってもこう着状態が続いたものの、マレーシアはカヒル・ザキリンのゴールで73分にリードを奪います。

初戦はアラブ首長国連邦UAEに0-9、2戦目はインドネシアに0-14と敗れているグアムを相手に、マレーシアは勝点3はもちろん、大量点を奪って10月7日の次節第4節グループ首位のUAE戦に臨みたいところでしたが、84分にはグアムのリク・メイヤーにまさかの同点ゴールを許してしまいます。

試合はそのまま終了し、大量点も勝点3も手にできなかったマレーシアは、グループステージ突破のためには、UAEとインドネシアの両チームに勝利するしかなくなりましたが、グアムと引き分けているようでは…。

なおこの日の第2試合ではインドネシアがUAEを3-2で破っており、勝点で並んだもののと得失差でインドネシアが1位、UAEが2位となり、以下マレーシア、グアム、パレスチナと続いています。

2022年10月5日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
マレーシア 1-1 グアム
⚽️マレーシア:カイル・ザキリン(73分)
⚽️グアム:リク・メイヤー(84分)
🟨マレーシア(3):アダム・ミカエル、カイル・ザキリン、ファリス・ダニシュ
🟨グアム(1):アルバン・アマンテ・テノリオ・ラミレス
🟥マレーシア(1):ナビル・フィトリ

AFC U17アジアカップB組 順位表(第2節終了時)

チーム勝点
1IDN2200172156
2UAE320115696
3MYS21105144
4GUM3012124-231
5PSE200238-50
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

或いは戦略?このグアム戦の先発XIは、初戦のパレスチナ戦の先発XIからは7名が変わっており、この試合は最初から重視されていなかったのかも知れません。
 というのも、マレーシアの入っている予選B組はマレーシア、インドネシア、UAE、パレスチナ、グアムの5チームで構成されていますが、E組からJ組の6組は4チーム編成となっています。このため、グループを首位で突破できなかった場合に、予選各組の2位チームのうち、本選に進む上位6チーム(開催予定地だったバーレーンの出場辞退により1枠増えています)の決定は、各組上位3チームの対戦成績を元にすることが決まっており、この日のグアム戦と初戦のパレスチナ戦の成績に関係なく、残るUAE戦とインドネシア戦に連勝すれば、2位での本戦出場となります。
 B組で全勝を目指してして首位突破を計るのではなく、最初から2位狙いだとしたら、マレーシアU17代表のオスメラ・オマロ監督はなかなかの策士ですが、果たして残り2試合の結果はどうなるでしょうか。

AFCカップ地区間プレーオフ決勝-PK戦を再び制したKLシティが決勝進出

KLシティの快進撃は止まりません!

ウズベキスタンのジザフで行われたAFCカップ地区間プレーオフ決勝に出場したMリーグ1部スーパーリーグのKLシティFCは、敵地でPFCソグディア(ウズベキスタン)を撃破し、東南アジアのクラブとしては2クラブ目となるAFCカップ決勝進出を果たしています。

このブログでも取り上げた通り、KLシティのボヤン・ホダック監督は、この試合で起用する外国籍選手4名を試合直前まで検討するとしていましたが、蓋を開けてみると、この試合ではFWジョーダン・ミンターの代わりに、グループステージを含め、これまでAFCカップでは出場のなかったGKケヴィン・メンドーザを起用しました。そして、この起用が最後のPK戦も含めてこの試合の重要なポイントとなりました。

本拠地のクアラルンプールからは20度以上も低い気温に加え、時にはボールが奇妙に跳ねる劣悪なピッチに悩まされたKLシティは、試合開始からホームのPFCソグディアに攻め込まれる場面が続きます。GGことジャンカルロ・ガイオフコと、イルファン・ザカリアの両センターバックを中心に耐えるも、最後の砦となったケヴィン・メンドーザでした。ボヤン・ホダック監督の器用に答えてスーパーセーブを連発して失点を防ぎ続けました。

両チームとも無得点のまま、90分間では決着がつかなかったこの試合は、延長に入っても0-0のままで、最後はPK戦にも連れ込みました。先攻のKLシティはパウロ・ジョズエ、ロメル・モラレス、ハディン・アズマン、アクラム・マヒナン、ジャンカルロ・ガリフオコの5名全員が成功したのに対し、後攻のPFCソグディアナは2人目のシャクボツ・ジュラべコフのPKがKLシティのケヴィン・メンドーザに止められた結果、KLシティが5-3で勝利し、東南アジア地区準決勝のベトテルFC(ベトナム)戦に続くPK戦を制したKLシティが決勝進出を決めています。

10月22日に予定されている決勝では、もう一つの準決勝でアル・リファーSC(バーレーン)を4-0で破ったアル・シーブ・クラブ(オマーン)と、KLシティの本拠地、KLフットボールスタジアムで対戦します。中東のクラブが席巻するこのAFCカップですが、KLシティは、2015年に東南アジアのクラブとして初めて優勝した同じスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDT以来、Mリーグ2チーム目となる優勝を目指します。

AFCカップ地区間プレーオフ決勝
2022年10月5日@ジザフ総合運動場(ウズベキスタン、ジザフ)
PFCソグディアナ 0-0 KLシティ(PK戦3-5)
🟨PFCソグディアナ(1):サルドル・クルマトフ
🟨KLシティ(1):パウロ・ジョズエ

(下は両チームの先発XIと試合のハイライト映像。ハイライト映像はアストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第10節結果とハイライト(2)

2022年10月4日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ 1-3 JDT
⚽️クダ:ロナルド・ンガ(12分)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(36分)、レアンドロ・ヴァレスケス(60分PK)、アフィク・ファザイル(79分)
🟨クダ(4):シャーリル・サアリ、ロドニー・ケルヴィン、アクマル・ザヒル
🟨JDT(2):ナチョ・インサ、レアンドロ・ヴァレスケス
🟥JDT(1):ベルグソン・ダ・シルヴァ
 MOM:アフィク・ファザイル(JDT)
 クダ州首相でもあり、クダ・ダルル・アマンFC(以下クダ)を運営にも関与するクダ州サッカー協会のモハマド・サヌシ会長と、ジョホール・ダルル・タジムJDTのオーナーで、ジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下の間では試合前から舌戦が繰り広げられ、いやがおうにも盛り上がったこの試合は、10人となりながらも地力を見せたジョホール・ダルル・タジムJDTが、管をねじ伏せています。
 アイディル・シャリン監督の元、2020年、2021年シーズンといずれもJDTに次ぐ2位に終わったクダですが、今季はここまで5位ながら既に今季の優勝を決めているJDTとは勝点で19点離されるなど、調子の波に乗れていません。3日前の10月1日は下位のPJシティにまさかの敗戦を喫していることもあり、累積警告で出場停止となっていたGKシャーリル・サアリとMFマフムード・アル=マルディが戻ったベストの布陣で、JDTとの今季初対戦に臨みました。
 インドネシアのカンジュルハン・スタジアムで起こった事故により亡くなった方々への黙祷を捧げた後に始まったこの試合で、先手を取ったのはクダでした。センターサークル付近で相手パスをカットしたクダのロナルド・ンガがそのまま一気にJDTゴール前まで持ち込みシュート!これが決まって、クダは12分にエースのゴールという理想的な形で先制しました。
 しかしJDTも36分にアフィク・ファザイルがクダのDFラインの裏へ絶妙のパス。これにベルグソン・ダ・シルヴァが反応し、今季25得点目となるゴールを決めて、このまま前半は1-1で終了かと思われたロスタイムに、なんとJDTのベルグソン選手がクダのロドニー・ケルヴィンにパンチを見舞いレッドカード。この試合は主審の判断が安定せず、その前にはロドニー選手も退場になってもおかしくないプレーを見せていましたがお咎めなしだったことから、ベルグソン選手がそれに苛ついてのファウルだったかもしれません。
 JDTが10人となった後半は、クダ有利かと思われましたが、59分にクダのペナルティーエリア内でJDTのシャフィク・アフマドがクダのアズミール・アリスに倒されて得たPKをレアンドロ・ヴェラスケスが決めて、数的不利のJDTがリードを奪います。
 試合前のインタビューでは、クダのアイディル・シャリン監督がとにかく集中力を切らさずプレーするように指示したと、話していましたが、79分には自陣ペナルティエリア内でのパスミスからボールを奪われ、JDTのアフィク・ファザイルに3点目を決められたところでこの試合は万事休す。優勝が決まっていようと、あくなき勝利への執念を見せたJDTのメンタルの強さが際立った試合でした。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第19節終了時)

チーム勝点
1JDT19154054114349
2SAB1911353021936
3TRE19112630161435
4NSE1910542721635
5KLC208572928129
6KDA198382730-327
7SRP197393029124
8SEL196583632423
9PJC194871929-1020
10MEL194692036-1618
11SWU2042141849-3114
12PEN1924132038-1810
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第18節終了時)

ゴール数選手名所属
125ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
214カイオンSEL
313フェルナンド・フォレスティエリJDT
412ロナルド・ンガKDA
58ダレン・ロックPJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド


 

10月5日のニュース
今季のマレーシアカップはグループステージなしのトーナメントで開催
AFC U17アジアカップ予選B組-試合のなかったマレーシアは3位に後退

KLシティが出場するAFCカップ地区間プレーオフはいよいよ今日が決勝。PFCソグディアナ(ウズベキスタン)との試合はマレーシア時間で午後9時にキックオフです。

今季のマレーシアカップはグループステージなしのトーナメントで開催

Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、リーグ戦終了後に行われるマレーシアカップの開催方式を発表しています。これによると、第101回大会となる今季のマレーシアカップはグループステージを開催せず、参加する16チームのトーナメント形式で開催されるということです。

従来はMリーグ1部スーパーリーグの11チームと2部プレミアリーグの5チームの計16チームを4チームごとの4組に分けてグループステージを行い、各組の上位2チームが、ノックアウトステージとなる準々決勝に進む方式で行われてきたマレーシアカップですが、今回のMFLの発表によると、長期気象予報では10月から12月にかけてマレーシア全国で豪雨が続くと予想される一方で、年末にはマレーシア代表が出場する東南アジアサッカー連盟AFF選手権が控えていることから、試合順延などの日程的な余裕がないため、開催方式が変更となったと説明されています。

今季のMリーグは、新型コロナの影響で開幕当初には試合の開催中止と順延が続いたことから、日程的には大きく遅れており、当初の予定では1部スーパーリーグの最終第22節は9月17日に開催される予定でしたが、現在発表されている日程では、およそ1ヶ月遅れた10月15日に最終第22節が開催されることになっています。

またMリーグのクラブは選手との契約を11月末までとしているところが大半で、マレーシアカップが12月までもつれ込むと、契約上の問題が発生する懸念もあることから、今回の方式になったこともMFLは合わせて説明しています。

またマレーシアカップの開幕日については、本日10月5日にAFCカップ地区間プレーオフ決勝でPFCソグディアナと対戦するMリーグ1部スーパーリーグのKLシティがこの試合に勝利し、10月22日に予定されているAFCカップ決勝に進出した場合には10月25日に開幕し、KLシティが今日の試合で敗れて決勝進出を逃した場合には10月22日に開幕するということです。

1回戦から準決勝までは全てホームアンドアウェイ形式で開催される今季のマレーシアカップは、決勝は11月26日で中立地で一発勝負で開催されることも併せて発表されています。

AFC U17アジアカップ予選B組-試合のなかったマレーシアは3位に後退

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組は10月3日に第2節が行われ、アラブ首長国連邦UAEがパレスチナを4-3、開催国インドネシアがグアムを0-14でそれぞれ破っています。同じB組のマレーシアは、今節は試合がありませんでした。

同じインドネシアのジャワ島東部の都市マランにあるカンジュルハン・スタジアムで起きた死亡事故を受け、今大会は第2節から無観客試合で開催されていますが、この第2節ではUAEが第1節のグアム戦に続く連勝で首位をキープ、そのグアムを相手に大勝したインドネシアが2位、インドネシアと勝点で並びながら得失差でマレーシアが3位、以下、パレスチナ、グアムと続いています。

マレーシアは本日10月5日の第3節で2連敗中のグアムと対戦し、10月7日の第4節ではUAE、10月9日の最終第5節ではインドネシアとの対戦が控えています。

AFC U17アジアカップB組 順位表(第2節終了時)

チーム勝点
1UAE2200133106
2IDN1100140143
3MYS11004043
4PSE200238-50
5GUM2002023-230
UAE-アラブ首長国連邦、IDN-インドネシア、MYS-マレーシア、PSE-パレスチナ、GUM-グアム

10月4日のニュース
AFCカップ地区間プレーオフ決勝-KLシティ監督は起用する外国籍選手の選考に悩む
KLシティも外国籍選手2名の帰化を申請
ペラFCは新スタジアムと練習施設建設のための土地提供を州政府に依頼

AFCカップ地区間プレーオフ決勝-KLシティ監督は起用する外国籍選手の選考に悩む

AFCカップ地区間プレーオフ決勝は明日10月5日にウズベキスタンで行われますが、この試合でPFCソグディアナ(ウズベキスタン)と対戦するMリーグ1部スーパーリーグのKLシティは10月3日に現地入りしています。

英字紙スターによると、試合が行われる都市ジザフは日中の気温が5度まで下がるということで、10月初旬の最低平均気温が24度、最高平均気温が34度のクアラルンプールから移動した選手たちにとっては、対戦するPFCソグディアナだけでなく、この気候も大敵となりそうです。

そんな中、KLシティのボヤン・ホダック監督は、明日の試合で起用する外国籍選手をまだ決定しておらず、試合直前まで競わせたいと取材に答えています。なおスーパーリーグは外国籍選手枠が無条件3名、アジア枠1名、東南アジア枠1名の計5名となっていますが、AFCカップは無条件3名、アジア枠1名の計4名となっています。

KLシティの外国籍選手は、FWロメル・モラレス(コロンビア)、FWジョーダン・ミンター(ガーナ)、MFパウロ・ジョズエ(ブラジル)、DFジャンカルロ・ガリフオッコ(オーストラリア)、GKケヴィン・メンドーザ(フィリピン)の5名ですが、ホダック監督は、パウロ・ジョズエとジャンカルロ・ガリフオッコについては起用が濃厚としながらも、後の2枠についてはFW2名あるいはFW1名とGK1名にするかは決めかねており、試合前の最後の練習後に決定したいと話しています。

*****

KLシティは、ここまでのAFCカップでは、グループステージから、ケヴィン・メンドーザを除く4名が起用され、GKは国内リーグでは出場がないアズリ・アブドル・ガニが全ての試合に出場しています。U23代表正GKでもあるアズリ・アブドル・ガニはここまで5試合で4失点(クリーンシート2試合)とチームの地区間プレーオフ進出に貢献しており、順当に行けばFW2名が起用されそうです。

KLシティも外国籍選手2名の帰化を申請

英字紙ニューストレイトタイムズは、Mリーグ1部スーパーリーグのKLシティが所属する外国籍選手2名の帰化申請を行うことを発表したと報じています。

キャプテンを務めるブラジル出身のMFパウロ・ジョズエと、今季、攻撃的MFからFWへのコンバートで才能が開花したコロンビア出身のロメル・モラレスの両選手は、いずれも「同一国で5年連続でプレーすればその国の幾何選手としてプレーできる」というFIFAの規定に基づき、クアラルンプールサッカー協会(KLFA)の支援を受けて帰化申請を行うということです。

これを発表したKLFAのノクマン・ムスタファ事務局長は、ジョズエ選手の帰化申請を最初に行い、その後にモラレス選手の帰化申請を行い、早ければ今年中には両名ともにマレーシア国政が取得できるだろうと、ニューストレイトタイムズの取材に答えています。

KLシティでのプレーが6年目となるジョズエ選手はブラジル出身の33歳、2017年シーズンに加入して以来、81試合に出場し、29ゴールを挙げています。また25歳のモラレス選手は、2018年シーズンにPKNS FC(現スランゴール2)に加入して2シーズンプレーしたのち、マラッカ・ユナイテッドを経て、昨季2021年シーズンからKLシティでプレーしています。

ノクマンKLFA会長は、KLシティにとっては前身のクアラルンプールFA以来、32年ぶりの優勝となった昨季のマレーシアカップでも、この両選手の果たした役割は大きいとして、KLFAとして国籍取得を支援するとしています。

またマレーシア代表のキム・パンゴン監督も両選手の実力を高く評価しており、代表チーム強化のために2人の国籍取得に期待しているとも言われています。

ペラFCは新スタジアムと練習施設建設のための土地提供を州政府に依頼

Mリーグ2部プレミアリーグのペラFC(以下ペラ)は、ペラ州政府に対して専用スタジアムと新たな練習施設建設のための土地提供を求める予定があると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

ペラの会長を務めるアブドル・アジム氏は、スタジアム建設に適した場所を探し始めていることは認める一方で、州政府に対しての申請はまだ行なっていないと述べています。その一方で州政府の関係者は会談を持ったことも明らかにしています。

スタジアムの建設に対する州政府の支援は求めないと説明したアブドル・アジズ会長は、クラブの価値を高め、真のプロクラブとなるためには自前のスタジアムの建設が必要だと述べ、 土地の提供を求めたいとしています。

スタジアムを建設する土地を州政府から購入するか、賃貸するかは価格次第だとも述べたアブドル・アジズ会長は、現在、使用しているペラ州イポー郊外にあるクラブの練習施設に隣接した地域に「空き地」があると述べ、治療施設、ジムなどを併設した新たな練習施設の建設には理想的だとも話しています。

ペラは、クラブ創設100周年となった昨季は給料未払い問題により主力が大量退団した結果、1部スーパーリーグ11位となり2部プレミアリーグに降格し、今季も給料未払い問題解決の遅れにより、2度に渡り勝点剥奪処分を受け、最終的に勝点9を剥奪され、今季は10チーム中9位に終わっています。その後、今季途中に通信サービス企業のXOX社が新たなオーナーとなったことで、給料未払い問題は解決され、クラブ再建に向けて動き出しています。

有力選手を獲得するためには、それに見合った練習施設やスタジアムが必要と主張するペラのアブドル・アジズ会長は、クラブ専用スタジアムを持つ同じスーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムを引き合いに出し、現在在籍する選手のためにも環境整備が必要であると述べています。

*****

Mリーグ最古のクラブの一つでもあるペラは、クラブ創設100周年の記念の年に、クラブ史上初の2部降格となる屈辱を味わっています。今季も前半は給料未払い問題が解決しなかったために、新規選手獲得を禁じられ、本来ならU21リーグやU19リーグに出場しているはずの選手をトップチームに昇格させてリーグ戦を戦いました。今季2度目のトランスファーウィンドウが開いた後の後半戦では、外国籍選手を含めた新たな選手を獲得したものの、それまでに受けていた勝点9の剥奪処分が響き、今季は9位に終わっています。

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第19節結果とハイライト

隣国インドネシアでは10月1日に、1部リーグのアレマFC対ペルセバヤ・スラバヤが対戦した「東ジャワダービー」の試合終了後、23年ぶりとなるダービー敗戦に不満を持った一部のアレマFCサポーターがピッチに侵入し、警察とインドネシア国軍からなる暴動鎮圧部隊と衝突しました。
 ピッチ乱入のサポーターの対処に手を焼いたこの部隊は、ピッチだけでなくスタンドに向けても催涙ガス弾を発砲、4万人以上が足を運んでいたスタジアム内は多くの観衆が出口に殺到しました。この結果、一部の観衆はこの殺到に巻き込まれて下敷きになったり、催涙ガスによる呼吸困難や意識不明となり、現地の英語紙ジャカルタポストによると、警察官2名、子供17名を含む174名が死亡、180名以上が負傷したということです。
 その後の報道では、催涙ガスの水平発射が疑われる頭部への負傷などで亡くなった方もいたことや、スタジアム外でも催涙ガス弾が使用されたことが判明、この事態を重く見たインドネシアのジョコ・ウィドド大統領は詳細な調査を命じ、この調査が終了するまではリーグ戦を中断するよう、インドネシアサッカー協会PSSIに命じています。
 ボラセパマレーシアJPは、今回の件で身内や友人を亡くされた方に対して、心からお悔やみを申し上げます。

この事故が起こった10月1日、マレーシアではMリーグ1部スーパーリーグ第19節5試合が行われています。KLシティが10月5日に行われるAFCカップ地区プレーオフ決勝に出場するため、先だって9月24日に行われていたペナン対KLシティ戦と合わせて全6試合が行われた結果、ジョホール・ダルル・タジムJDTが4試合を残して今季優勝とリーグ史上初の9連覇を決めています。この日、トレンガヌに敗れたサバは残り試合を全勝しても、勝点でJDTを上回ることができないことが確定しています。
 JDTは既にFAカップでも優勝しており、またセカンドチームのJDT IIが2部プレミアリーグでも今季優勝を果たしており、リーグ戦後に行われるマレーシアカップにも優勝すれば、今季の国内タイトルを全て制覇することになります。

2022年9月24日@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナン 1-0 KLシティ
⚽️ペナン:ルーカス・シルヴァ(79分)
🟨ペナン(1):ルーカス・シルヴァ
🟨KLシティ(0)
MOM:カトゥル・アヌアル(ペナン)
 FIFA国際マッチデー期間中に、国内リーグ戦を開催する国はほとんどないと思いますが、そのほとんどない国の一つがマレーシア。KLシティは、10月5日にAFCカップ地区プレーオフ決勝となるPFCソグディアナ・ジザフ(ウズベキスタン)との対戦が控えることから、FIFA国際マッチデー期間中に試合が組まれましたが、結果は最下位のペナンにまさかの0-1で敗れています。
 タイのチェンマイで開催されているキングズカップに出場するマレーシア代表に攻守の中心選手、ザフリ・ヤハヤとデクラン・ランバートが召集されたKLシティは当然ながらベストメンバーで試合に臨めませんでした。しかもキングズカップではザフリ・ヤハヤは出場なし、代表初招集となったデクラン・ランバートも途中出場で出場時間が11分と、KLシティのボヤン・ホダック監督が「チェンマイに休暇を過ごしに行って帰ってきただけ」と皮肉混じりでコメントし、試合で使う気がないならそもそも招集するべきでないと代表のキム・パンゴン監督を批判するなど、今後に遺恨を残す敗戦となりました。
 一方のペナンは6月22日のトレンガヌ戦以来、9試合ぶりの勝利となりました。

2022年10月日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 5-0 マラッカ・ユナイテッド
⚽️スランゴール:ノル・ハキム(16分)、ムカイリ・アジマル(33分)、ブレンダン・ガン2(66分、78分)、カイオン(90分PK)
🟨スランゴール(1):ファズリ・マズラン
🟨マラッカ(0):ファドリ・シャス、アミルル・アフィク
🟥マラッカ(1):ザハルルニザム・ザカリア
MOM:ブレンダン・ガン(スランゴール)
 つかみはOK!タン・チェンホー前マレーシア代表監督がシーズン途中ながらスランゴールの監督に就任して初の試合は、相手が6試合勝ちがないマラッカとは言え、スランゴールの各選手がはつらつとプレーしている印象でした。選手の顔ぶれを見ても、現在の8位にいるべきチームではなく、今季を通して不安定だった戦いで失った自信を取り戻せば、リーグ戦後のマレーシアカップでは台風の眼となる可能性があります。
 一方のマラッカは…給料未払い問題が期限までに解決できず、Mリーグを運営するMFLからはマレーシアカップの出場権剥奪処分を受けるなど、スランゴールとは逆にモチベーションが上がる要素が全くない状況の中、この日の敗戦で直近5試合は得点0失点17となりました。

2022年10月1日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 2-0 サバ
⚽️トレンガヌ:パペ・ディアキテ (7分)、ニック・シャリフ・ハセフィ(30分)
🟨トレンガヌ(1):アリフ・ザカリア
🟨サバ(2):リザル・ガザリ、ゲイリー・スティーヴン・ロバト
🟥サバ(1):リザル・ガザリ(🟨x2)
MOM:パペ・ディアキテ(トレンガヌ)
 AFCカップ出場権のかかる2位争いを繰り広げる両チームの戦いは、チームの勢いがそのまま現れた試合でした。リーグ終盤にきてやっと調子を上げてきたトレンガヌは、この試合まで5連勝中。しかもこの5試合では得点13失点1と自慢の攻撃力が遅ればせながら機能してきています。一方、ここにきて失速気味のサバは、この試合まで3試合勝星がありません。
 前半の2ゴールを守り切ったホームのトレンガヌに対し、サバは守備の要リザル・ガザリが不必要なファウルで退場となるなど、この試合でもチームの歯車は噛み合わず、気がつけばトレンガヌとヌグリスンビランが勝点差1でそこまで迫っており、残り3試合で2位を死守できるかどうかに注目が集まります。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、前半で交代しています。

2022年10月1日@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロー・スター)
クダ 0-1 PJシティ
⚽️PJシティ:R・ルヴェンティラン(79分)
🟨クダ(1):アクマル・ザヒル、
🟨KLシティ(1):コギレスラワン
MOM:R・ルヴェンティラン(PJシティ)
 前節第19節ではJDTを相手に、2度リードされながら追いついたPJシティがこの試合でも上位チームを相手に善戦し、最後はマレーシア代表のR・ルヴェンティランのゴールで引き分けを挟んで2連勝しています。
 首の皮一枚で2位争いに残っているクダは、その争いから脱落しないためにも勝利が必要な試合でした。司令塔マフムード・アル=マルディ、正GKシャーリル・サアリの両選手をいずれも累積警告で欠く苦しい布陣では1点が遠く、この痛い敗戦で連勝が3で止まっています。

2022年10月1日@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 1-4 スリ・パハン
⚽️サラワク:ザフルル・ニズワン(45+2分)
⚽️スリ・パハン:デヴィッド・ローリー(37分)、スティーヴン・ロドリゲス2(58分、78分)、ズハイリ・アイザット(90+4分)
🟨サラワク(1):ボリス・コック
🟨スリ・パハン(1):ムスリム・アフマド
MOM:スティーヴン・ロドリゲス(スリ・パハン)
 リーグ2位の30得点(19試合)を誇るスリ・パハンが連敗を2で止めています。
 一方、リーグ最多の49失点(20試合)のサラワクは、7月31日以来、勝利がなく、引き分けを挟んで5連敗となっています。

2022年10月1日@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ジョホール・ダルル・タジム 5-0 ヌグリスンビラン
⚽️ジョホール:アリフ・アイマン2(35分、49分)、レアンドロ・ヴェラスケス(38分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ2(61分、88分)
🟨ジョホール(2):アキヤ・ラシド、シャールル・サアド
🟨ヌグリスンビラン(0):オミド・ナズリ、ナマテヴァン・アルナサラム
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ペナン)
 前2節はスランゴール、PJシティと2試合続けて引き分けるなど、小休止状態だったジョホール。残り4試合を残して、勝点差8で追いすがる3位ヌグリスンビランとの対戦となったこの試合は、若きエース、アリフ・アイマン、そして22ゴール(18試合)でリーグ得点王争いを独走するベルグソン・ダ・シルヴァがそれぞれ2ゴールを挙げるなど活躍し、快勝しています。
 またこの日、トレンガヌに敗れた2位のサバは、残り3試合で勝点36となり、勝点46となったJDTが残り試合を全敗し、サバが残り試合を全勝しても、サバは勝点でJDTを上回ることができないことが確定し、JDTの優勝となりました。
 ヌグリスンビランは、5月11日の第7節ではJDTを相手にロスタイムに失点して0-1で惜敗しており、この試合も接戦が期待されました。先月、タイで行われたキングズカップでは、いずれもマレーシア代表の主力として活躍したDFクザイミ・ピーとGKシーハン・ハズミを擁し、今季ここまで最多失点が2と、強固なDF陣を中心に勝ってきたチームは、今季チーム最多となるまさかの5失点で大敗しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第19節終了時)

チーム勝点
1JDT18144051104146
2SAB1911353021936
3TRE19112630161435
4NSE19105327161135
5KLC208572928129
6KDA188372627-127
7SRP197393029124
8SEL196583632423
9PJC194871929-1020
10MEL194682036-1618
11SWU2042141849-3114
12PEN1924132038-1810
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第19節終了時)

ゴール数選手名所属
124ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
214カイオンSEL
313フェルナンド・フォレスティエリJDT
411ロナルド・ンガKDA
59ダレン・ロックPJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

10月2日のニュース AFC U17アジアカップ予選-マレーシアは初戦でパレスチナに快勝
AFFビーチサッカー選手権-マレーシアはタイに敗れて2位に
噂関連2題-PJシティはリーグ撤退、JDTはトレンガヌ選手獲得オファーの噂を否定

AFC U17アジアカップ予選-マレーシアは初戦でパレスチナに快勝

インドネシアのボゴールで開催中のAFC U17アジアカップ予選B組に出場中のマレーシアU 17代表は、10月1日(土)に行われた初戦でパレスチナと対戦し、前半は0-0だったものの、後半に4ゴールを決めて快勝しています。

AFC U17アジアカップ予選B組第1節
2022年10月1日@パカンサリスタジアム(インドネシア、ボゴール)
パレスチナ 0-4 マレーシア
⚽️マレーシア:アンジャスミルザ・サハルディン(51分)、ファリス・ダニシュ(69分)、アラミ・ワフィ(75分)、ザイヌルハキミ・ザイン(87分)
🟨パレスチナ(1):レダ・サバー
🟨マレーシア(1):アフィク・ダニシュ

このB組第1節のもう1試合、アラブ首長国連邦UAE対グアムは9-0で、UAEが圧勝しています。

明日10月3日(月)に開催されるB組第2節ではマレーシアは試合がなく、UAE対パレスチナ、グアム対インドネシアの2試合が組まれています。

AFFビーチサッカー選手権-マレーシアはタイに敗れて2位に

東南アジアサッカー連盟AFFビーチサッカー選手権2022年大会がタイのチョンブリで開催されていましたが、マレーシアは最終戦となったタイとの試合に1-3で敗れ、2位に終わっています。

2019年以来3年ぶりの開催となった今大会には、前々回2018年大会の覇者ベトナムは出場せず、開催国タイ、マレーシア、インドネシアと3カ国のみが出場しました。マレーシアは初戦のインドネシアに9−2と勝利しており、同じインドネシアを相手に5−2で勝利したタイと最終戦で対戦しました。

得失差もあり、この試合で引き分け以上なら、自国開催だった2014年大会以来2度目の優勝となるマレーシアでしたが、結局、タイに敗れて2位となっています。一方のタイは前回2019年大会に続く2連覇となりました。

PJシティのCEOはクラブのスーパーリーグ撤退の噂を否定

今季のMリーグ1部スーパーリーグで10位と低迷するPJシティが今季をもってMリーグを撤退するのでは、といった噂がSNS上などで出ていることを受け、PJシティのCEOがこの噂を否定する事態になっていると、英字紙スターが報じています。

リ現在のチームオーナーであるQI社がクラブを売却する用意があるとも噂されていることに対して、PJシティのS・ガネシュCEOは、クラブは売りには出されてないと噂を否定する一方で、来季に向けてさまざまな構造改革がクラブ内で行われていることを明らかにしています。

その改革の具体的な内容に関しては、まだそれを明らかにする時期ではない、と話したガネシュCEOは、来季2023年シーズンに向けてMリーグのクラブライセンス、そしてAFCのガイドラインに従ったクラブライセンスの申請を既に行なったことも説明した上で、オーナーのQI社の負担を減らすよう、商業的に自立したクラブになるための改革であるとしています。

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前身のインド系マレーシア人サッカー協会MISC-MIFAから転じたPJシティは、スーパーリーグデビューとなた2019年には8位、さらに2020年と2021年には7位の成績を収め、今季は外国籍選手を1人も獲得せず、”Yakini Lokal”(「マレーシア人選手を信じろ」とでも訳せるでしょうか)をスローガンに今季はここまで18試合で3勝8分7敗、得点18失点29の勝ち点17の10位という成績ですが。その一方で、外国籍選手がいないことによってマレーシア人選手が出場機会をより多く得られることで、今季チームからはダレン・ロック、V・ルヴェンティラン、カラムラー・アル=ハフィズ、R・コギレスワランが代表に召集されています。

国体で活躍のトレンガヌ若手選手への獲得オファーの噂をJDTが否定

Mリーグ1部スーパーリーグのジョホール・ダルル・タジムJDTは、クラブ公式Facebookなどで、同じスーパーリーグのトレンガヌのセカンドチームに所属するムスリフディン・アティクに対して獲得オファーを出したという噂を否定しています。

先月9月に開催されたマレーシアの国体、マレーシアゲームズのサッカーで12年ぶりの優勝を果たしたトレンガヌの主力選手として3ゴールを挙げるなど、時の人となったムスリフディン選手ですが、トレンガヌ州政府の青年スポーツ委員会のワン・スカイリ・ワン・アブドラ委員長のもとに、このムスリフディン選手獲得について所属するトレンガヌとJDTの間で獲得交渉が行われていると発言していました。

しかしJDTはアリスター・エドワーズ テクニカル・ディレクターTD名でFacebookに投稿し、元U19代表ストライカーでもあったムスリフディン選手について、JDTのクラブ関係者は誰1人としては獲得交渉を行っておらず、むしろ交渉中という話自体に驚いたとしています。