いよいよ今日11月26日は今季のマレーシアサッカーのフィナーレを飾るマレーシアカップの決勝です。決勝に駒を進めたリーグ9連覇中のジョホール・ダルル・タジムJDTが現在のマレーシアサッカーをリードするクラブだとすれば、その相手となるスランゴールはマレーシアカップ優勝回数22回と最多を誇るものの、近年は低迷するかつてのリーグ盟主です。タン・チェンホー前マレーシア代表監督就任以来、リーグ戦からマレーシアカップ決勝まで8試合無敗のスランゴールがその連勝記録を伸ばすのか、昨季の決勝ではKLシティに敗れたJDTが3年ぶりの優勝を果たし、リーグ戦、FAカップに続く今季国内三冠を達成するのか。本日午後9時(マレーシア時間、日本時間午後10時)キックオフのマレーシアカップ決勝はこちらから視聴可能です。
AFF選手権出場の代表候補30名が発表-お疲れのジョホールからは2名のみ選出
12月21日に開幕する東南アジアサッカー連盟AFF選手権三菱電機カップに出場するマレーシア代表の候補合宿参加メンバーをマレーシアサッカー協会FAMが発表しています。今月11月29日から始まる代表候補合宿に招集されたのは30名(29名発表後、スランゴールのファズリ・マズランが追加で招集)です。
比較的若い選手中心の構成となった今回、初のA代表招集となったのはリーグ3位のサバでプレーするMFスチュアート・ウィルキンの他、DFアリフ・ハイカル(スランゴール)、GKアズリ・ガニ、FWハキミ・アジム・ロスリ(いずれもKLシティ)、そしてMFデヴィッド・ローリー、MFリー・タック、MFエセキエル・アグエロ(いずれもスリ・パハン)の7名です。
この中で注目なのは英国出身で34歳のリー・タックとアルゼンチン出身で28歳のエセキエル・ アグエロの両選手。いずれもMリーグで5年間プレーしたことで、FIFAの規定により帰化選手となる条件を満たした両選手は、所属するスリ・パハンとパハン王室の支援もあり、今年マレーシア国籍を取得しており、今回、晴れて代表入りを果たしています。ちなみに今回初招集されたスチュアート・ウィルキンとデヴィッド・ローリーも、それぞれイギリスとオーストラリアの出身です、いずれもマレーシア人の親を持つ「ハイブリッド」帰化選手です。
なお初招集となった、DFアリフ・ハイカル、GKアズリ・ガニ、そしてMFムカイリ・アジマルとDFクエンティン・チェン(以上スランゴール)の各選手は、今年6月にウズベキスタンで開催されたAFC U23アジアカップに出場したマレーシアU23代表でもプレーしています。
また、これまで代表招集経験があるものの、キム監督就任以来初の招集となったのは、FWラマダン・サイフラー(JDT)、MFファイズ・ナシル(トレンガヌ)、FWノル・ハキム・ハサン、DFファズリ・マズラン(いずれもスランゴール)、MFアクラム・マヒナン(KLシティ)、コギレスワラン・ラジ(PJシティ)の6名です。
今回、30名中、13名の新顔が揃ったのには訳があります。三菱電機カップはFIFAの国際マッチデー期間外で開催されるため、Mリーグのクラブは選手の代表招集に応じる義務がありません。春秋制を採用するMリーグでプレーする選手にとって12月と言えば、今季の全日程を終えて、疲労も溜まり、体調も落ちている時期です。そのためか、ACLでノックアウトステージに進出するなど、今季はMリーグのどのチームよりも多く試合をしているJDTからは、ラヴェル・コービン=オングとマシュー・デイヴィーズの両サイドバックや、おそらく今季もリーグMVPを獲得するであろうアリフ・アイマンら代表主力選手(JDTからは10名程度が召集を辞退したと噂もあります)がケガや家庭の事情を理由に召集を辞退しており、これが今回の代表候補メンバーが従来のメンバーから様変わりしている理由です。
なお三菱電機カップの前には12月9日に対カンボジア、12月14日には対モルジブの国際新全試合も予定されていますが、キム監督はこの2試合後に三菱電機カップ出場の最終メンバー23名を決定するということです。
三菱電機カップではB組に入っているマレーシアは、12月21日にアウェイのミャンマー戦、12月24日にはクアラルンプールのブキ・ジャリル国立競技場でラオス戦、27日には再びアウェイのベトナム戦、そしてグループステージ最終戦はブキ・ジャリル国立競技場に戻って1月3日のシンガポール戦が組まれています。そしてB組の上位2位に入れば、ホームアンドアウェイ形式で行われる準決勝(1月6日または7日と、9日または10日)、そして決勝(1月13日と16日)が控えています。
以下が今回、代表候補合宿に参加する30名です。
POS | 選手氏名 | 年齢 | クラブ |
FW | サファウィ・ラシド | 25 | JDT |
FW | ラマダン・サイフラー | 22 | JDT |
DF | シャルル・ナジーム | 23 | SEL |
MF | ブレンダン・ガン | 34 | SEL |
MF | ムカイリ・アジマル | 21 | SEL |
DF | アリフ・ハイカル | 22 | SEL |
FW | ノル・ハキム・ハサン | | SEL |
DF | クェンティン・チャン | 23 | SEL |
DF | ファズリ・マズラン | 28 | SEL |
GK | ラーディアズリ・ラハリム | 21 | TRE |
FW | ファイサル・ハリム | 24 | TRE |
DF | アザム・アズミ | 21 | TRE |
MF | ファイズ・ナシル | 30 | TRE |
GK | アズリ・ガニ | 23 | KLC |
DF. | デクラン・ランバート | 24 | KLC |
MF. | アクラム・マヒナン | 29 | KLC |
FW | ハキミ・アジム・ロスリ | 19 | KLC |
GK | カラムラー・アル=ハフィズ | 27 | *PJC |
FW | ダレン・ロック | 31 | *PJC |
MF | V・ルヴェンティラン | 21 | *PJC |
FW | コギレスワラン・ラジ | 24 | *PJC |
MF. | リー・タック | 34 | SRP |
MF | デヴィッド・ローリー | 32 | SRP |
MF. | エセキエル アグエロ | 28 | SRP |
DF | クザイミ・ピー | 29 | NSE |
GK | シーハン・ハズミ | 26 | NSE |
DF | ドミニク・タン | 25 | SAB |
MF | スチュアート・ウィルキン | 24 | SAB |
DF | ディオン・コールズ | 26 | FKJ |
FW | ヌル・シャミ・イスズアン | 27 | SWU |
JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌ、SAB-サバ、NSE-ヌグリスンビラン、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、SRP-スリ・パハン、PJC-PJシティ、SWU-サラワク・ユナイテッド、FKJ-FKヤブロネツ(チェコ1部)
U23代表候補発表-ハディ・ファイヤッドが6月のシーゲームズ以来の招集
マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、U23代表候補合宿参加メンバー25名を発表しています。今回の合宿は直近の試合はないものの、A代表のコーチでもあるE・エラヴァラサン監督が指揮を取る最初の合宿となります。なおU23代表合宿は11月27日から12月6日まで予定されています。
来年2023年のU23代表の最初の公式戦はアセアン東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権です。今年2月に開催された2022年大会では、マレーシアU23代表はラオスと2チームのみとなったグループステージで1-2、0-2とラオスを相手に2戦2敗し、まさかのグループステージ敗退を喫しています。
来年の2つ目の公式戦は東南アジア競技大会、通称シーゲームズです。今年の2023年大会はカンボジアが開催国で、5月に開催が予定されています。シーゲームズは従来は隔年開催の大会ですが、新型コロナの影響で延期された2021年ベトナム大会が今年開催され、マレーシアU23代表は準決勝ではベトナムに敗れ、さらに3位決定戦ではPK戦でインドネシアに敗れるなど、2019年フィリピン大会に続くメダルなしで終わっています。
また今年は、AFC U23アジアカップ2024年大会の予選も控えています。現在、ワールドカップが開催されているカタールが開催地となるこの大会の予選は来年9月に開催が予定されています。なおマレーシアU23代表は、今年開催されたAFC U23アジアカップ2022年大会に出場しましたが、ベトナム、タイ、韓国と同組となったグループステージでは0勝3敗得点1失点9でグループ最下位に終わっています。
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POS | 選手氏名 | クラブ | 年齢 |
FW | シャヒル・バシャー | SEL | 21 |
DF | ジクリ・カリリ | SEL | 20 |
FW | ダニアル・アスリ | SEL | 22 |
GK | シャーミ・アディブ・ハイカル | SEL2 | 19 |
MF | アリフ・イズワン・ユスラン | SEL2 | 18 |
DF | ファイズ・アメル | SEL2 | 19 |
7. | ファクルル・ファリーズ・アイディ | SEL U21 | 19 |
8. | ハイカル・ハキーミ・ハイリ | SEL U19 | 19 |
DF | ハイリー・ハキム | TRE | 22 |
FW | シャフィク・イスマイル | TRE | 22 |
GK | ラーディアズリ・ラハリム | TRE | 21 |
DF | サフワン・マズラン | TRE2 | 20 |
MF | アリフ・シャキリン・スハイミ | KLC | 22 |
DF | ニック・ウマル・ニック・アジジ | KLC | 21 |
MF | ナズウィン・サレー | KLC U21 | 21 |
MF | シャキミ・ロジ | KEL U21 | 20 |
MF | イズディン・アスリ | KEL U21 | 20 |
DF | ハスヌル・ザイム | SRP U21 | 20 |
DF | イブラヒム・マヌシ | SRP U21 | 21 |
FW | ハディ・ファイヤッド | アスルクラロ沼津 | 22 |
DF | アリフ・ナジミ | KLU | 22 |
FW | アイマン・アフィフ | KDA | 21 |
MF | T・サラヴァナン | PEN U21 | 21 |
MF | A・セルヴァン | NSE | 22 |
GK | フィルダウス・イルマン・ファディル | PDRM U21 | 21 |
SEL-スランゴール、SEL2-スランゴール2、TRE-トレンガヌ、TRE2-トレンガヌII、SAB-サバ、NSE-ヌグリスンビラン、KLC-KLシティ、SRP-スリ・パハン、PJC-PJシティ、SWU-サラワク・ユナイテッド、KDA-クダ、PEN-ペナン、KEL-クランタン、KLU-クランタン・ユナイテッド