今度は国軍FCの元選手が給料未払いを告発
今季もMリーグの複数のクラブで明らかになった給料未払い問題ですが、今度は現在、M3リーグに所属する国軍FCの元選手が未払いとなっている給料についてマレーシアサッカー協会FAMに告発したようです。
マレーシア語紙ブリタハリアン電子版によると、FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長はこの告発をもとに元選手と国軍FC経営陣との工廠の仲介を行うとしています。
「FAMは元選手からの告発を受け取っており、給料未払い問題解決のために双方の話を聞き、国軍FCが元選手との間で同意した予定通りの未払い給料支払いが行われなかった理由を確認した上で、双方が納得する解決方法を模索したい。」とスチュアート事務局長は話しています。
かつてはMリーグ1部に所属したこともある国軍FCですが、今回の給料未払い問題を告発した選手は身元を明かしてはいませんが、クラブの元主力でマレーシア代表でもプレー経験があるものの、現在は漁師をしているということです。
この元選手の告発によれば、2015年から毎月分割で支払われていた未払い給料ですが、その支払いが今年の4月から滞っているということです。また、この選手の他にも3名の元選手が合計で28万リンギ(およそ707万円)の未払い給料の支払いを受けていないということです。
なお、この国軍FCはFAMがMリーグ全クラブに義務付けた民営化をM3リーグ所属ながら申請し認可を受けていますが、国軍FCの民営化認可と来季の国内リーグ参加のためのクラブライセンスについて問われたスチュアート事務局長は、「国軍FCはM3リーグに所属しているため、Mリーグ1部や2部に参加する際に必要とされるクラブライセンスの申請が必要なく、またクラブの民営化とクラブライセンス申請は関係がない。」と答えています。
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スチュアート事務局長のコメントを読む限りでは、M3リーグ以下のリーグでは参加するクラブにはクラブライセンスが必要ないということのようですが、それでも民営化を申請した国軍FCが未払い給料問題を抱えたいたことを知った上で民営化を認めたとすれば、クラブオーナーが変わることで責任の所在が不明確になり、その結果、給料未払い問題がうやむやにされてしまう危険性に対する認識が不十分な気がします。また、未払い給料問題を把握せずに民営化を認めたとすれば、FAMによる緩い審査とその節穴ぶりがまた露呈した形になります。
アイディル監督留任決定のクダFAは来季からクダ・ダルル・アマンFCに
アイディル・シャリン・サハク監督は他のクラブとの交渉に断りを入れ、クダFAとの新たな2年契約に同意してことが報じられています。
マレーシアの通信社ブルナマによれば、アイディル監督の決断は今季Mリーグで2位となり来季のAFCカップの出場権を獲得したことに加え、選手と監督、コーチとの関係が良好であること、またクラブの運営サイドが現状の改善に努力していることが理由であるとしています、また、かつて監督を務めたシンガポールリーグのホーム・ユナイテッド(現ライオンシティセーラーズFC)以来のAFCカップ出場に向けて、主力選手の90%がチームに残るだろうと話しているということです。
この他、クダFAの来季からの新クラブ名がクダ・ダルル・アマンFCとなったことが発表されています。
新クラブ名を発表したクダ州サッカー協会(クダ州FA)のムハマド・サヌシ・ムハマド・ノー会長は、このクダ・ダルル・アマンFCの運営会社ダルルアマンFC社の株式の80%をクダ州政府の政策投資会社であるMBI社が購入し、残る20%をクダ州FAが保有することも明らかにしています。またMBI社は購入したダルルアマンFC社の株式を共同事業体を設立して保有していく予定があり、現在、複数の企業と交渉中であることも発表しています。
またクダ州首相でもあるムハマド・サヌシ会長は、クダ州でのサッカー協会会長という役職の重要性を理解したとして、クダ州FAに提出していた辞職願を取り下げたことも明らかにしています。なおムハマド・サヌシ会長はより適切な人材を会長とすべきとして今月10月15日に辞職願をクダ州FAに提出していましたが、クダ州FAはこの辞職願の受け取りを拒否していました。
UKM FCは給料以外に社会保障費他の納付金も未払いが発覚
Mリーグ2部で今季は9位に終わったUKM FCは、所属する選手や監督、コーチに対して6月の給料は半額のみ、7月以降は全く給料を支払っていないと、ブリタハリアンが報じています。
この7月以降の未払い給料に加えて、クラブが負担する従業員積立基金EPFや労災補償制度SOCSOなどの納付金については今年3月から支払われていないことも明らかになっています。
この結果、UKM FCの選手の中にはプロサッカー選手にも関わらず、生活のためにアルバイトや配車サービスなどの仕事をせざるを得なくなった者もいるということです。
クラブの運営側も未払い給料の支払い時期を明言しておらず、UKM FCの選手たちはマレーシアプロサッカー選手会PFAMに問題解決の助けを求め、PMAMはクラブ側に2週間の猶予を与え、問題可決を図るように求めたということです。