2019年スーパーリーグチーム紹介(4):KLFA

2018年は、12チームの内、降格圏手前の10位でシーズンを終えたクアラ・ルンプール(KL)FA。KLFAに次ぐ11位で2部プレミアリーグに降格したケランタンFAの前監督ユスリ・チェ・ラーを新監督に迎えたKLFAの2019年の目標はとにかく1部スーパーリーグに残留することになりそうです。
 KLFAを運営するKLサッカー協会内部の権力闘争のとばっちりを受け、他のスーパーリーグが行う遠征も行わず、プレシーズンマッチはプレミアリーグのチーム相手中心になるなど、開幕前の準備は明らかに不十分な状態で2月1日の開幕戦でパハンFAと対戦します。しかも新鮮力として期待されていた帰化選手のハイル・ジョーンズ(マラッカ・ユナイテッドより移籍)とDFアクマド・ジュフリヤント(インドネシア)が揃ってケガのため開幕に間に合わないため、2018年に22試合で51失点を喫した守備陣が2019年も不安材料です。
 新鮮力として日本人MF苅部隆太郎(タイのチャイナート・ホーンビルFCより移籍)、FWシルヴァーノ・コンヴァリアス(オランダ、タイのスパンブリーFC)などを補強した一方、2018年アセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップにも出場したFWザクアン・アドハ(クダFAへ移籍)や給料未払い問題により代表チームでも主力選手のMFシャズワン・アンディック(JDTへ移籍)を失うなど、戦力も安定していません。
 そんな中で明るい話題といえば、MFインドラ・プトラ・マハユディンがあと5と迫ったスーパーリーグ通算100ゴールをいつ達成するかということでしょう。ペラ州イポー出身のインドラ・プトラ選手は、ペラFA、パハンFA、クランタンFAなどでスーパーリーグやマレーシアカップを経験している38歳の大ベテランです。また代表でも79試合に出場し31ゴールを記録するなど、まさにマレーシアの大黒柱として活躍してきた選手です。

1位のインドラ・プトラ選手以下、スーパーリーグの通算得点ランキング(2019年シーズン開幕時点)

チーム名  :クアラ・ルンプール(KL)FA
ニックネーム:ホークス、シティー・ボーイズと呼ばれることも
ホーム   :KLFAスタジアム(クアラ・ルンプール)80000人収容
2018年成績:スーパーリーグ10位(7勝12敗3分:勝ち点24)
2019年監督:ユスリ・チェ・ラー(マレーシア)

2月1日のニュース:KLFAは守備陣が不安材料、MFLは今シーズンもナイキ製ボールを使用

KLFAは守備陣が不安材料
本日2月1日に開幕するマレーシアフットボールリーグMFL。1部スーパーリーグは2試合が開催され、2018年は10位のクアラルンプール(KL)FAはホームに同4位のパハンFAを迎えます。(もう1試合はトレンガヌFCがホームでPKNS FCと対戦)そのKLFAは新外国人のDFアクマド・ジュフリヤント(インドネシア)と帰化選手のDFハイル・ジョーンズがそろってケガのために開幕に間に合わない状況です。特にアクマド選手は回復が遅れていることから、ユスリ・チェ・ラーKLFA監督はがこれ以上時間がかかるようなら、解雇もありうることを示唆しています(原文はマレー語です)。2018年シーズンは、2部プレミアリーグに降格した11位のケランタンFA(43失点)、12位のヌグリ・スンビランFA(47失点)よりも多いリーグ最多の51失点を喫したKLFA。初戦のパハンFA以降も、2018年チャンピオンのJDT、同2位のペラTBGと強豪との連戦が続きます。不安な守備陣がこの最初の3試合でどのようなプレーを見せるかで、KLFAの2019年シーズンの行方が見えてきそうです。

MFLは今シーズンもナイキ製ボールを使用
MFL1部スーパーリーグ、2部プレミアリーグ、マレーシアカップ、FAカップなど主なリーグ戦やカップ戦でナイキ製のボール「マーリン」が採用されることになりました。MFLがナイキ製のボールを採用するのは4年連続です。この最新モデルは従来の12枚のパネルではなく、4枚のパネルで構成されることで、固くなりがちな縫い目の部分が40%減少し、対照的にスイートスポットの範囲が大きくなっています。空気抵抗が少ない上、鮮やかなクリムゾンと黒のパターンによって、ボールのスピンなども見やすくなっているそうです。

2019年シーズン開幕前の小ネタいろいろ:MFL2部プレミアリーグ編

本日2月1日に開幕するマレーシアフットボールリーグMFL。2部プレミアリーグは警察のチームPDRM FCがホームに大学チームUITM FCを迎えて開幕します。
<チーム>
マレーシアはマレー半島とボルネオ島の一部で構成されていまが、プレミアリーグにはボルネオ島に本拠地を持つサバFAとサラワクFAがあります。またマレー半島東海岸に面した州からはケランタンFAとトレンガヌFC IIが参戦し、残りは西海岸に面した州に本拠地を持つチームです。その中でスランゴール州に本拠地を持つのがスランゴール・ユナイテッド、PDRM FC、UITM FCです。この内、スランゴール・ユナイテッドとPDRM FCはともにスラヤン・スタジアムをホームゲームで使用します。
<監督>
プレミアリーグに参戦する12チームの内、外国人監督はJDT IIのエルヴィン・ボバンとケランタンFAのマルコ・クラリエヴィッチの2名でともにクロアチア人です。また、2019年から指揮を執る新監督はマルコ・クラリエヴィッチ(ケランタンFA)、マット・ザン・マット・アリス(ヌグリ・スンビランFA)、アーマド・ユソフ(ペナンFA)、マンゾール・アズウィラ(プルリスFA)、ペンギラン・バラ(サラワクFA)、イスマイル・ザカリア(UITM FC)の6名です。
<外国人選手>
各チーム5名(ただしその内1名はアジアサッカー連盟AFC枠、もう1名はアセアンサッカー連盟AFF枠)が許されている外国人選手ですが、JDT IIとトレンガヌIIは2名の外国人選手が2018年シーズンから引き続きプレーし、ケランタンFA、PDRM FC、ペナンFA、サバFA、UKM FCは1名が引き続きプレーします。昨シーズンは3部にあたるFAMカップ(という名前のリーグ戦)でプレーし、2019年からプレミアリーグに昇格したスランゴール・ユナイテッドとプルリスFAは、FAMカップでは外国人選手枠がないため、2019年シーズンは新たな外国人選手を獲得しています。