AFCチャンピオンズリーグ2023/24
グループステージI組第2節-ジョホールは4発快勝で今季初勝利


2023/24シーズンのAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第2節が行われ、グループステージI組のACL5季連続出場となったジョホール・ダルル・タジムFC(ジョホール)はアウェイでのBGパトゥム・ユナイテッド戦に臨み、4-2で逆転勝利し、得失差で川崎フロンタールに注ぐグループ2位に浮上しています。

ジョホールは9月27日の国内リーグPDRM FC戦から5日空いたこともあってか、第1節9月19日の0-1で敗れた川崎フロンターレ戦と全く同じ11名が先発、一方のBGパトゥム・ユナイテッドは、9月29日のランプーン・ウォリアーズ 戦から中3日。トンチャイ・スッコキ監督は1-3で敗れている第1節の蔚山現代戦からは5名を入れ替え、前川崎のチャナティップ・ソングラシンや、前清水のティーラシン・デーンダーを今季ACL初先発させています。(以下は両チームの先発XI)


第1節で共に敗れた両チームの顔合わせとなったこの試合は、開始早々、ジョホールのシェーン・ローリーが自陣ペナルティエリア内で、BGパトゥムのダニーロ・アウヴェスへファウル。VARも入り、BGパトゥムへのPKが確定すると、これをヴィクトル・カルドソがゴール。ジョホールGKシーハン・ハズミはボールに触れるも止めることはできず、BGパトゥムが先制します。しかし、その興奮も冷めやらぬ中、自陣ハーフからジョルディ・アマトが出したロングボールを受けたアリフ・アイマンがファーストタッチからそのままシュート!BGパトゥムDFにチャージする間も与えない素早い動きを見せたアリフ選手のゴールで、ジョホールはあっという間に追いつきます。

このゴールでペースを掴んだジョホールは、12分には中央からヘベルチ・フェルナンデスがドリブルでペナルティエリア手前まで持ち込みます。BGパトゥムDFをしっかりと引きつけてから左サイドを上がってきたベルグソン・ダ・シルヴァへ。フリーとなっていたベルグソン選手がこれをゴールし、ジョホールが逆にリードを奪います。その後はこの試合を通じて躍動したアリフ選手や、フアン・ムニスらがBGパトゥムゴールを狙いますが得点には至らず、前半はジョホール1点リードで終了します。

後半に入ってもジョホールの勢いは止まらず、53分にはベルグソン選手の放ったシュートをBGパトゥムGKチャッチャイ・プドプロムが防ぐも、このこぼれ球に詰めていたムニス選手がゴールへ押し込んで、ジョホールがリードを2点に広げます。しかしその直後には右サイドのティーラシン・デーンダーからのパスをチャナティップ・ソングラシンがゴール前へ絶妙なボールを送ると、これをフェロズ・バハルディンとマシュー・デイヴィーズに挟まれながらもカルドソ選手がヘディングシュートを決め、BGパトゥムが1点差と迫ります。

しかし78分にはハーフラインからのスローインを受けたアリフ選手が右サイドで得意の高速ドリブルを駆使してBGパトゥムDFを抜き去ると、最後はGKチャッチャイ選手とゴールポストのわずかな隙間を狙ってシュート。これが決まって再びリードを2点差としたジョホールがそのまま逃げ切って、今季ACL初勝利を挙げると共に、勝点で並んだ蔚山現代を得失差で上回ってI組の2位に浮上しています。

ACL2023/24のグループステージI組の次節第3節は、BGパトゥムはホームに川崎フロンターレを迎え、ジョホールは蔚山現代とのアウェイマッチが10月24日に予定されています。

ACL2023/24 グループステージI組第2節
2023年10月3日@BGスタジアム(パトゥムターニー、タイ)
観衆:5,964人
BGパトゥム・ユナイテッド 2-4 ジョホール・ダルル・タジム
⚽️BGパトゥム:ヴィクトル・カルドソ2(5分、55分)
⚽️ジョホール:アリフ・アイマン2(6分、78分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(12分)、フアン・ムニス(53分)
🟨BGパトゥム(4):ヴィクトル・カルドソ、サーラット・ユーイェン、イゴール・セルゲーエフ、フレディ・アルヴァレス
🟨ジョホール(2):フアン・ムニス、ホン・ワン
ジョホールの邦本宜裕選手は初戦に続き、ベンチ外でした。

(試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより)

I組のもう一試合は、ホームの川崎フロンターレが試合終了間際に橘田健人のゴールで勝利し、2連勝でI組首位となっています。蔚山現代は初戦でハットトリックを決めたマルティン・アーダームがこの試合では不発で、無得点に終わっています。(以下は両チームの先発XI)


ACL2023/24 グループステージI組第2節
2023年10月3日@等々力陸上競技場
観衆:9,382人
川崎フロンターレ 1-0 蔚山現代
⚽️川崎:橘田健人(89分)
🟨川崎(1):瀬川祐輔
🟨蔚山現代(1):金太煥(キム・テファン)、

ACL2023/24 グループステージI組順位(第2節終了)

順位チーム勝点
1川崎F22002026
2ジョホール21014313
3蔚山現代21013213
4BGパトゥムU200237-40

2023マレーシアスーパーリーグ
第22節結果とハイライト映像(2)-スランゴールはマレーシアカップ準々決勝で敗れたトレンガヌ相手に4発快勝、クダはスランゴールとの勝点差を5に詰める

マレーシアスーパーリーグ第22節の1試合が行われ、9月24日のマレーシアカップ準々決勝では、ホームアンドアウェイの通算成績1-3でトレンガヌFCに敗れていたスランゴールFCが、その敗戦の鬱憤を晴らすかの様にトレンガヌのホームで4ゴールを決めて勝利しています。今季はすでにジョホール・ダルル・タジムFCが優勝を決めており、残る4節では来季新設されるAFCチャンピオンズリーグ2の出場権がかかるリーグ2位争いに注目が移っていますが、このスランゴールと、今節KLシティを破ったクダ・ダルル・アマンとの勝点差は5となり、スランゴールは残り3試合、クダは残り4試合と最後まで争いが続きそうです。
 また9月29日にスルタン・ムハマド4世スタジアム(クランタン州コタ・バル)で予定されていたクランタンFC対サバFCは、試合前の豪雨によりピッチが冠水し試合開催が不可能となったため、順延されています
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2023年9月29日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆: 7,456人
トレンガヌFC 0-4 スランゴールFC
⚽️スランゴール:ヨハンドリ・オロスコ2(26分、41分)、ファイサル・ハリム(52分)、アリフ・イズワン・ユスラン(81分)
🟨トレンガヌ(0)
🟨スランゴール(1): ハリス・ハイカル
MOM:ヨハンドリ・オロスコ(スランゴールFC)

9月24日に行われたマレーシアカップ準々決勝と同じマッチアップとなったこの試合は、5日前に引き分けてマレーシアカップ準決勝進出を逃したリーグ2位のスランゴールが、6位のトレンガヌに快勝して、3位のクダとの勝点差を5に広げています。

5日後の10月4日にAFCカップ第2節、アウェイのバリ・ユナイテッド(インドネシア)戦が控えるトレンガヌは、この試合よりもAFCカップを重視したのか正GKスハイミ・フシン、MFソニー・ノルデ、FWイヴァン・マムートら主力選手が先発から外れる一方、アディソン・クライソーンは7月16日の第17節以来、オミド・ナズリは7月28日の第18節以来の先発となるなど、マレーシアカップ準々決勝とは異なる布陣で臨みました。

メンバーを落としたトレンガヌは立ち上がりこそ後期を作ったものの、試合は徐々にスランゴールのペースとなり、26分にヨハンドリ・オロスコがペナルティエリアの外からシュートを決めて、スランゴールが先制します。さらに40分にはムカイリ・アジマルが放ったミドルシュートをトレンガヌGKラーディアズリ・ラハリムが弾くと、そのボールに詰めていたオロスコ選手がこれを押し込んで、スランゴールがリードを広げます

後半に入ると50分には右サイドのオロスコ選手からのクロスをムカイリ選手が折り返し、これを代表のエース、ファイサル・ハリムが蹴り込んで3点目。さらにそのファイサル選手と交代して出場したU23代表でプレーする19歳のアリフ・イズワン・ユズランが81分に自身今季2得点目となるゴールを決めて、スランゴールがトレンガヌのホーム、スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアムでは5年ぶりとなる勝利を挙げています。

2023年9月30日@KLフットボール・スタジアム(クアラルンプール)
観衆:2,068人
KLシティFC 0-1 クダ・ダルル・アマンFC
⚽️クダ:イフェダヨ・オルセグン(45+2分PK)
🟨KLシティ(0)
🟨クダ(2):ファズルル・ダネル、ボヤン・シーゲル
MOM:イフェダヨ・オルセグン(クダ・ダルル・アマンFC)

AFCチャンピオンズリーグ2の出場権がかかるリーグ2位争いでスランゴールを追う3位クダは、この試合を落とせば残り4試合で勝点差が8と開くところでしたが、僅差の接戦を制して2位争いに踏みとどまっています。

今季のカップ戦では既に敗退しているクダにとっては、リーグ戦での上位進出が今季の唯一の目標となっていますが、この日の相手KLシティには4月18日の第9節ではホームで敗れています。一方、現在7位のKLシティはリーグ戦よりも今月10月に行われるマレーシアカップ準決勝に向けてケガ人が多いチーム状況を立て直したいとこ露です。それぞれの思惑が交錯する中、クダはベストメンバーで、KLシティはチーム得点王のロメル・モラレス、パウロ・ジョズエ両選手がベンチスタート、正GKケヴィン・メンドーザはベンチ外となる布陣でこの試合に臨んでいます。

試合はクダが開始直後から圧倒的な主導権を握るも、クダの放つシュートがいずれもゴールの枠を捉えることができず、得点には至りません。そんな中、前半ロスタイムにKLシティのナジルル・ナイムが自陣ペナルティエリア内でクダのファズルル・ダネルを倒してPKを与えてしまいます。これを今季途中から加入ながらチーム得点王のイフェダヨ・オルセグンが7試合で7得点目となるゴールを決めて、クダが先制します。

リードを奪われたKLシティのネナド・バチナ監督は後半からパウロ・ジョズエやロメル・モラレスを次々と投入し、ジョズエ選手得意のフリーキックなど見せ場はあったもののゴールには至らず、1点のリードを守り切ったクダが2位争いに残りました。

2023年9月30日@ダルル・マクモル・スタジアム(パハン州クアンタン)
観衆: 1,617人
スリ・パハンFC 3-2 クチンシティFC
⚽️スリ・パハン:ステファノ・ブルンド(13分PK)、クヴォンディク・ルジエフ(43分)、ラファエル・ダ・シルヴァ(62分)
⚽️クチンシティ:ペドロ・エンリケ(16分)、アブ・カマラ(25分)
🟨スリ・パハン(2):アスリフ・ナスルルハク、クパー・シャーマン
🟨クチンシティ(1): アイマン・ジョアニ
MOM:エゼキエル・アグエロ(スリ・パハンFC)
クチンシティの谷川由来選手は先発してフル出場しています。

いずれもシンガポール出身監督が指揮する両チームの対戦は、61歳のファンディ・アフマド監督率いるリーグ5位のスリ・パハンが、今季後半に就任した46歳のアイディル・シャリン監督率いる最下位14位のクチンシティをホームに迎えましたが、今季1勝のクチンシティを相手に苦しみながらもスリ・パハンが逆転で勝利しています。

クチンシティのペナルティエリア内で微妙な判定からPKを得たスリ・パハンはステファノ・ブルンドがこれを決めて先制します。9月19日のチャレンジカップではクダ・ダルル・アマンFCを破り、アイディル監督就任以来初勝利を挙げているクチンシティは、その3分後、すぐさま反撃に転じます。右サイドで得たフリーキックをアリフ・ハサンがゴール前へ送ると、東ティモール代表FWペドロ・エンリケが頭で合わせて同点ゴールを決めます。今季途中までアイディル・シャリン監督のもとインドネシア1部のプルシカボ1973でプレーし、今季途中にクチンシティに移籍したエンリケ選手の移籍後初ゴールで追いついたクチンシティは、さらに25分、エースのアブ・カマラがコーナーキックからチームトップとなる今季11点目のゴールをヘディングで決めて、クチンシティが逆転します。しかし、スリ・パハンも43分、ペナルティエリア近くのボールに飛び出したクチンシティGKワン・アズラエの位置を見計らう様にクヴォンディク・ルジエフが絶妙のループシュートを決めて同点に追いつきます。

前半を2-2の同点で折り返すと、後半はスリ・パハンのペースで試合が進むものの、GKワン・アズラエ選手の好セーブなどもありクチンシティも粘りを見せますが、62分にクパー・シャーマンからのパスをペナルティエリア内で受けたラファエル・ダ・シルヴァが追い縋るクチンシティDF2人を振り切ってゴールを決め、これが決勝点となったスリ・パハンが勝利しています。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節途中)

順位チーム勝点
1JDT2221108677964
2SEL23171564214352
3KDA22152543251847
4SAB23134650331743
5SRP20124435211440
6TRE22105739271235
7KLC228773835331
8PDRM208392127-627
9NSE214982641-1521
10PEN2154122538-1319
11PRK2144131647-3116
12KLU2125142254-3211
13KEL2223172487-639
14KCH2114161744-277
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第22節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/59423
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1831/62717
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1632/85419
4クパー・シャーマン(SRP)1122/41721
ファイサル・ハリム(SEL)1126/38720
アブ・カマラ(KCH)1117/39119
7イヴァン・マムート(TRE)1025/54118
8ステファノ・ブルンド(SRP)919/40020
9ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ロメル・モラレス(KLC)817/31218
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
アリフ・アイマン(JDT)818/431021
フアン・ムニス(JDT)820/42420
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジムFC、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

9月29日のニュース
マレーシアサッカー協会はマレーシア滞在中の本田圭佑氏のU23代表監督就任を否定
前スランゴール監督がアジア大会でミャンマー代表を指揮-日本と対戦も0-7で敗れる
サウジアラビアでの大会位出場中の女子代表は準決勝でレバノンに敗れて3位決定戦へ

マレーシアサッカー協会はマレーシア滞在中の本田圭佑氏のU23代表監督就任を否定

自身のSNSでマレーシア滞在中であることを明らかにした本田圭佑氏に対して、マレーシアのサッカーファンからは、現在空席になっているU23代表監督に就任して欲しいという声が続々と上がり、さらにはカンボジア代表では実質上の監督を務めていたこともマレーシアではよく知られていることから、マレーシア訪問の理由がまさにU23代表監督候補としてマレーシアサッカー協会FAMとの面接ではないのか、といった噂も飛び交う中、FAMのノー・アズマン・ラーマン事務局長は、その噂を全面的に否定しています。

本田氏は9月26日に”I have been visiting KL(Malaysia). I’d love to meet new people for learning new things.”「KL(=クアラルンプール)に来ています。新しいことを学ぶために新しい人たちに会いたいです。」、さらに続けて”How about if I play football in Malaysia in the future? I think you’ll get to see the best Japanese player”「もしマレーシアでプレーするとしたらどうですか。最高の日本人プレーヤーを目の当たりにすることができると思います。」と投稿すると、多くのマレーシアサッカーファンが反応しました。そんな中で多く見られたのが、A代表のコーチと兼職していたE・エラヴァラサン氏が9月18日に辞任して空席になっているU23代表監督への就任を求める声でした。

そんな声が高まる中、来月13日から始まるムルデカ大会関連のイベントでの記者会見で報道陣の質問に答えたノー・アズマン事務局長は、U23代表監督の候補者についての話し合いはFAM内で進んでおり、近いうちに正式な発表があるとした上で、本田氏がU23代表監督候補ではないと話しています。

前スランゴール監督がアジア大会でミャンマー代表を指揮-日本と対戦も0-7で敗れる

現在、中国の杭州市を中心に開催されている2022年アジア競技大会。マレーシアは今年2月には早々と男子、女子ともサッカーへの不参加を表明していますが、マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、不参加表明時には全ての大会に参加した結果、何も得られないのでは意味がないとして、U23代表は5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズ、8月の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権、そしてパリオリンピック予選に繋がる9月のAFC U23アジアカップ予選を優先することを理由に挙げていました。しかし今振り返ってみればシーゲームズはグループステージ敗退、AFF U23選手権は4位、AFC u23予選はグループ2位に終わりながらも、なんとか本戦出場を決めています。

そんなマレーシア代表が不在で進むアジア大会のサッカーに、マレーシアサッカーでは見慣れた顔が見られると英字紙スターが報じています。その顔とは2020年から2022年までスーパーリーグのスランゴールFCでテクニカルディレクターTD、そして監督も務めたミヒャエル・ファイヒテンバイナー氏です。このアジア大会では、ミャンマーU24代表の監督として出場しているファイヒテンバイナー氏は、グループステージでは開催国中国、インドなどと同組になりながらも、インドと1-1で引き分けるなどしてミャンマーをベスト16に進出させています。

スターの取材に応じたファイヒテンバイナー氏は、ミャンマーU23代表は若くて発展途上のチームであると話し、アジア大会はチームにとって様々なことを学んで成長するための場であると話しています。「今大会に出場しているミャンマーU24代表の平均年齢は21歳で、この大会に出場している他のU24代表よりも3歳以上若い選手で構成されている。選手たちはミャンマー国内リーグでプレーはしているが、よりレベルが高い他のチームとの対戦は貴重な経験となっている。」と話した63歳のファイヒテンバイナー氏はドイツ出身で、2020年にスランゴールFCのSDに就任すると、2021年には浦和でもコーチ経験がある経験があるカルステン・ナイチェル監督(当時)が成績不振でシーズン途中で解任されると監督に就任し、翌2022年には再びSDに戻り、今年3月からミャンマーサッカー協会と2年契約を結び、A代表とU24代表の監督に就任しています。

*****

なお、昨日9月28日にベスト16で3大会13年ぶりの日本U22代表と対戦したミャンマーU24代表ですが、今夏、ドイツ1部ヴェルダー・ブレーメンに明治大から加入した佐藤恵允選手(ヴェルダー・ブレーメン)の2ゴールなどで前半は5-0、後半も内野航太郎選手(筑波大学)のゴールなどで2-0となり、3日前に行われたグループステージ最終戦から10名の選手を入れ替えた日本に7-0で敗れています。

サウジアラビアでの大会に出場中の女子代表は準決勝でレバノンに敗れて3位決定戦へ

サウジアラビアサッカー協会(SAFF)が主催し、同国タイフで開催中の国際大会に出場中のマレーシア女子代表は9月27日行われた準決勝でレバノンと対戦し、90分を終えて0-0に終わった試合でPK戦3-4で敗れています。この結果、女子代表は9月30日に行われる3位決定戦に回り、開催国サウジアラビアと対戦します。

サウジアラビア、パキスタンと同組になったグループステージA組では、両チームとの対戦がいずれも0-0で終わり、勝点2となった女子代表はA組2位で準決勝に進出していました。一方のB組はレバノンが1位、ブータンが2位、ラオスが3位となっており、準決勝はA組1位のサウジアラビア対B組2位ブータン、A組2位マレーシア対B組1位レバノンとなっていましたが、サウジアラビアはブータンに0-1で敗れ、マレーシアとの3位決定戦に回り、決勝はレバノン対ブータンとなっています。

地元メディアのインタビューに答えたマレーシア女子代表のソリーン・アル=ズービ監督は、試合結果は残念だが、新たに招集した選手が多い今回のチームだったが、格上の相手に選手が全力で挑んだことを誇りに思うと述べ、最後のPK戦に関しては運がなかったとした上で、チーム強化は間違っておらず、結果は必ず現れると主張しています。

2023マレーシアスーパーリーグ
第22節結果とハイライト映像(1)-ジョホールが前人未到のリーグ10連覇達成

マレーシアスーパーリーグ第22節の1試合が行われ、今季優勝まで勝点1と迫っていた首位ジョホールが8位のPDRMに快勝し、4試合を残して優勝を決めるとともに、前人未到のスーパーリーグ10連覇を果たしています。

2023年9月27日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆: 12,666人
ジョホール・ダルル・タジム 4-0 PDRM
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ(37分)、フアン・ムニス(40分)、アリフ・アイマン(54分PK)、フェルナンド・フォレスティエリ(57分)
🟨ジョホール(0):
🟨PDRM(1): マリオ・アルケス
MOM:アリフ・アイマン(ジョホール・ダルル・タジム)
ジョホールの邦本宜裕選手は55分から出場して、試合終了までプレーしています。
PDRMの鈴木ブルーノ選手は先発して、61分に交代しています。

前日の試合前記者会見でエステバン・ソラリ監督が話したように、今季のリーグ戦21試合中20試合に先発しているインドネシア代表CBジョルディ・アマトがベンチ外となり、代わりにフェロズ・バハルディンが先発した以外は、先週のACL第1節、川崎戦と同じ11人が先発し、来週10月3日のACL第2節、BGパトゥム・ユナイテッドを想定した布陣なのは明らかでした。一方のPDRMは、ミャンマー代表DFチョー・ミン・ウー、今季18試合に先発しているDFジェイムズ・オクウォサ、さらにいずれも17試合に先発しているMFファディ・アワドとMFマーカス・マコーリーら主力選手を欠く苦しい布陣でリーグ首位のジョホールと対戦しました。

試合開始からジョホールが一方的に攻め込む展開から次々とシュートが放たれるものの、その多くが枠の外だったため得点に至りませんでしたが、ついに38分、ジョホールが先制しました。9月23日のマレーシアカップ準々決勝、ヌグリスンビラン戦でMリーグ通算101ゴール目を決めていたベルグソン・ダ・シルヴァが、相手DFを引きつけたアフィク・ファザイルからノールックのパスを受けると、PDRMのDFをかわしてシュート。これが決まってジョホールがリードを奪います。さらにその3分後には右サイドを上がってきたマシュー・デイヴィーズからパスを走り込んできたフアン・ムニスがノートラップでシュート。このゴールでジョホールは2-0として前半を折り返します。

後半に入ると、ペナルティエリア内で倒れて倒されてファウルを得たアリフ・アイマンが自身でPKを決めて3-0とすると、57分にはヘベルチ・フェルナンデスからのパスをPDRMのDFラインの裏で受けた途中出場のフェルナンド・フォレスティエリがそのままドリブルで持ち込み4点目のゴールを決めています。終わってみればシュート数はジョホール17本(枠内11本)に対してPDRM1本(枠内0本)と、ジョホールがPDRMに完勝。22試合で勝点64としたジョホールが、4試合を残して今季のスーパーリーグ優勝とリーグ10連覇を決めた試合でした。

ジョホールは開幕から連勝しながら、得失差により今季初めて首位に立ったのは第3節でしたが、そこから首位を譲ることなく、また2位以下との差を徐々に広げました。この日は出場がありませんでしたが、昨季途中に加入したジョルディ・アマトが今季はCBとして安定した力を見せる一方で、ケガで出遅れたDFシェーン・ローリーの穴を23歳のDFフェロズ・バハルディンが埋め、衰えが見えていたMFナチョ・インサに代わって元ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズFC U 23出身のMFホン・ワンことナサニエル・シオが今季全22試合に先発し、さらに21歳ながら2年連続リーグMVPのMFアリフ・アイマンも今季8ゴール10アシストを挙げるなど、常勝チームながら世代交代も上手く進めています。さらに前半戦を終えて13勝0敗と圧倒的な力を見せつけながらも、今季前半終了後のトランスファーウィンドウではタイ1部リーグで得点王の経験もヘベルチ・フェルナンデスをバンコク・ユナイテッドが期限付き移籍で獲得、またACLでのプレー経験もある邦本宜裕選手をポルトガル1部リーグのカーザ・ピアACから獲得するなど、貪欲な補強を行った結果がこの日の試合を含めた今季22試合で得点86失点7得失差79という数字になっています。

この日のスーパーリーグ優勝でマレーシアFAカップ優勝に続き、今季2つ目の国内タイトルを手にしたジョホールですが、昨年に続く国内三冠達成に向けてマレーシアカップ獲得が残っており、対戦相手がペラに決まった準決勝(ホームアンドアウェイ方式)の2試合、そして決勝1試合とあと3勝で、クダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)が2007年と2008年に達成して以来の2年連続国内三冠達成となります。しかしその前には来週10月3日にはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)第2節となるアウェイのBGパトゥム・ユナイテッドが控えており、ホームでの川崎フロンターレ戦に惜敗したジョホールはまずは今季のACL初勝利がかかっています。

この試合のハイライト映像。マレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより。

2023マレーシアスーパーリーグ順位表(第22節途中)

順位チーム勝点
1JDT2221108677964
2SEL22161560213949
3KDA21142542251744
4SAB22133650331742
5SRP20124435211440
6TRE21105639231635
7KLC218763834431
8PDRM208392127-627
9NSE214982641-1521
10PEN2154122538-1319
11PRK2144131647-3116
12KLU2015142053-338
13KEL2122172487-638
14KCH1914141439-257
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

2023マレーシアスーパーリーグ 得点ランキング(第22節途中-記録はMFL公式サイトを参照)

順位選手名(所属チーム)枠内/シュートアシスト
1エイロン・デル・ヴァイエ(SEL)2137/58422
2フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)1831/62717
3ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)1632/85418
4クパー・シャーマン(SRP)1121/38620
5イヴァン・マムート(TRE)1027/56117
ファイサル・ハリム(SEL)1025/37719
7アブ・カマラ(KCH)915/37117
8ウィリアン・リラ(KDA)811/36214
ステファノ・ブルンド(SRP)817/36019
ロメル・モラレス(KLC)817/31217
パウロ・ジョズエ(KLC)825/46419
アリフ・アイマン(JDT)818/431021
チーム名:JDT-ジョホール・ダルル・タジム、TRE-トレンガヌFC、SAB-サバFC、NSE-ヌグリスンビランFC、SEL-スランゴールFC、KLC-KLシティFC、SRP-スリ・パハンFC、KDA-クダ・ダルル・アマンFC、PEN-ペナンFC、KEL-クランタンFC、KCH-クチンシティFC、KLU-クランタン・ユナイテッドFC、PDRM-PDRM FC、PRK-ペラFC

9月27日のニュース
ジョホールは今日にもリーグ10連覇達成
マレーシアカップ準々決勝で試合後に主審を「蹴った」ヤザンには重い処分も

ジョホールは今日にもリーグ10連覇達成

FIFA国際マッチデーやマレーシアカップ準々決勝による中断期間が終わり、今日から1ヶ月ぶりにスーパーリーグが再開します。第21節を終えて20勝1分0敗、勝点61で首位に立つジョホール・ダルル・タジムFCは、消化試合数が1試合多い2位スランゴールFCに勝点差12をつけています。ジョホールは今季残り試合が5試合、スランゴールは4試合となっており、ジョホールは本日開催される第22節PDRM FC戦で引き分け以上であれば今季の優勝とリーグ10連覇が決まります。

中断期間直前の8月26日の第21節クダ・ダルル・アマンFC戦で勝利していればは既に優勝が決まっていたジョホールですが、この試合は3-3と今季初の引き分けを喫しています、しかし第20節までは開幕から20連勝しているだけでなく、今季は既にマレーシアFAカップで優勝、マレーシアカップでも準決勝進出を果たしており、公式戦での敗戦は昨季のAFCチャンピオンズリーグのベスト16、2022年8月22日の浦和レッドダイアモンズ戦まで遡らなければなりません。また国内での公式戦敗戦に至っては2021年11月21日のマレーシアカップ決勝でKLシティFCに敗れたのが最後、リーグ戦で言えば2021年4月24日のトレンガヌFCが最後で、国内では2年近く負けていません。

本日対戦するPDRMは現在、8勝3分8敗のリーグ8位で、エースの鈴木ブルーノ選手が5ゴールを挙げているものの、チーム総得点は21でリーグ11位、総失点は23位でリーグ4位タイと少ない得点で守り勝つチームで、直近の5試合では3勝1分1敗、得点10、失点8という成績です。また今季のジョホールとの対戦はいずれも4月で、4月14日のマレーシアFAカップ1回戦ではベルグソン・ダ・シルヴァの2ゴールなどで3-0で敗れて、4月19日のリーグ第9節ではフェルナンド・フォレスティエリのゴールにより1-0で敗れています。

試合前の会見でジョホールのエステバン・ソラリ監督は、PDRMが調子を上げてきているので注意したいと話しながらも、ホームのサポーターの前で優勝を決めるとともに、来週10月3日にバンコクで行われるACL2023/24第2節のBGパトゥム・ユナイテッド戦を念頭において、選手がケガをしないように試合に臨みたいと話すなど、余裕を見せています。

マレーシアカップ準々決勝で試合後に主審を「蹴った」ヤザンには重い処分も

9月24日に行われたトレンガヌFCとのマレーシアカップ準々決勝では、通算成績1-3で敗れて敗退したスランゴールFCですが、試合後にはハスロル・アミル主審に激しく抗議したヨルダン代表DFヤザン・アル=アラブがレッドカードを出され、それに応じるように後ろからハスロル主審を「蹴る」素振りを見せたことが波紋を呼んでいます。

この悪態には出場停止を含めた重い処分が科されることが明らかですが、それが長期間に渡ると、来季のAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)出場権がかかるリーグ2位のスランゴールにとっては大きな影響がありそうだと、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。

スランゴールのタン・チェンホー監督はセンターバックとして今季ここまで16試合に出場(14試合先発)しているヤザン選手について、感情を抑制できずに起こしてしまった行為だとして自身の比を認めてチームに謝罪はしたものの、欠場となればその影響は計り知れないと話しています。

試合前には選手に対して自身だけでなくチームにも影響を及ぼすことから、感情をコントロールすることを求めていると話したタン監督ですが、ヤザン選手が欠場となればマレーシアカップ準々決勝で敗れたばかりのトレンガヌFC戦が今週末に控えているだけでなく消化試合が1試合少なく勝点差5で迫る3位のクダ・ダルル・アマンFCも残っており、2016年のAFCカップ以来となるアジアの舞台復帰を目指すスランゴールに黄信号が灯っています。

またスランゴールは、ヤザン選手の行為に対する謝罪の声明を発表するとともに、マレーシアサッカー協会FAMに対しては審判の質の向上を求める書簡を送ったことも明らかにしていますが、それはそれ、これはこれといったところでしょう。

マレーシアカップ
準々決勝セカンドレグ結果とハイライト映像(3)-リーグ11位のペラが4位のサバを撃破してジョホールとの準決勝へ

ACLとAFCカップによるリーグ中断期間が終わり、マレーシアでは今週末にかけてマレーシアカップ準々決勝セカンドレグが行われています。このブログでも何度か書いていますが、元は各州代表チームの対抗戦という形で始まったマレーシアサッカーの歴史を反映して、リーグ戦以上にマレーシア国内が盛り上がるのがこのマレーシアカップです。昨年はジョホール・ダルル・タジムが優勝していますが、マレーシアカップは2013年、2014年に優勝したパハンFA(現スリ・パハンFC)以来、連覇するチームが出ていません。リーグ戦では残り5試合で勝点1を挙げれば優勝が決まるジョホールの準決勝の相手はペラに決まり、もう一つの準決勝はKLシティ対トレンガヌとなりました。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月25日@ペラ・スタジアム(ペラ州イポー)
観衆:14,852人
ペラ 1-0 サバ
(通算成績:ペラ 3-2 サバ)
⚽️ペラ:ワン・ザック・ハイカル(45分)
🟨ペラ(2):アイマン・ユスニ、ハキミ・マット・イサ
🟨サバ(3):ドミニク・タン、スチュアート・ウィルキン、パク・テス
MOM:ワン・ザック・ハイカル(ペラ)

今季最多入場者となる1万4852人の声援を受けたホームのペラが1-0で勝利し、ファーストレグと合わせて通算成績を3-2として準決勝進出を決めています。

13勝3分6敗でリーグ4位のサバは、今月のFIFA国際マッチカレンダーでFWダレン・ロック、MFスチュアート・ウィルキン、DFドミニク・タン、DFダニエル・ティンの4名がマレーシア代表に、またFWサディル・ラムダニがインドネシア代表に招集されるなど国内屈指のチームですが、一方のペラは今季リーグ戦では4勝4分13敗の11位に沈んでいます。今季開幕時に監督を務めていたリム・ティオンキム氏は前半戦をわずか1勝で終える解任され、その後は内部昇格でユスリ・チェ・ラー コーチが監督についたものの、その後も2勝1分6敗と調子は上がりません。しかし、このマレーシアカップではリーグ3位のクダ・ダルル・アマンを通算成績4-3で退けるジャイキリでベスト8に進出しています。

続くサバとの準々決勝ファーストレグでは、ホームのサバが2度リードしながらも、いずれもペラが追いつく展開となり、最後は2-2と引き分けとなっていました。今季のマレーシアカップではアウェイゴールルールが採用されておらず、この試合の勝者が準決勝と進出となることから、両チームともに試合開始から積極的なプレーを見せ、サバ有利の展開となる中ペラGKのT・シャヒースワランの好セーブもあり、試合は無得点のまま進みます。

30分過ぎから試合は落ち着き、ペラも徐々に好機を作り始めます。その直前にも惜しいシュートを放っていたルカ・ミルノヴィッチが37分にゴール前のサンディ・アフォラビへ絶妙なパスを出し、アフォラビ選手と交錯したサバのラモン・マシャドがハンドを犯したようにも見えましたが、ペラの激しい抗議は受け入れられずに試合は進みます。そして45分にこの試合唯一のゴールが決まります。中央のアフォラビ選手から左サイドを抜け出したワン・ザック・ハイカルへパスが渡ると、ワン・ザック選手は詰めてきたサバのウィルキン選手をかわしてシュート。14歳の時にはMリーグのU21チームでもプレーし、JFL時代のFC琉球にも在籍した32歳のゴールが決まったペラがついに通算成績3-2とリードします。そして後半のサバの猛攻をゴールポストにも助けられて逃げ切ったペラが優勝した2018年以来となる準決勝進出を決めています。

この試合で準々決勝は全て終了し、今季のマレーシアカップ準決勝のカードは2021年優勝のKLシティ対2018年準優勝のトレンガヌ、昨季2022年優勝のジョホール対2018年優勝のペラに決まっています。1921年に当時は英国の植民地だった英領マラヤで始まったマラヤカップは、1963年のマレーシア成立とともにマレーシアカップと名前を変えて、2020年は新型コロナ禍により、また1942年から47年までは日本軍によるマラヤ占領などの影響で中断されたものの、今年の第97回大会まで続いています。

マレーシアカップ
準々決勝セカンドレグ結果とハイライト映像(2)-KLシティとトレンガヌがベスト4進出を決める

ACLとAFCカップによるリーグ中断期間が終わり、マレーシアでは今週末にかけてマレーシアカップ準々決勝セカンドレグが行われています。このブログでも何度か書いていますが、元は各州代表チームの対抗戦という形で始まったマレーシアサッカーの歴史を反映して、リーグ戦以上にマレーシア国内が盛り上がるのがこのマレーシアカップです。昨年はジョホール・ダルル・タジムが優勝していますが、マレーシアカップは2013年、2014年に優勝したパハンFA(現スリ・パハンFC)以来、連覇するチームが出ておらず、ジョホールが連覇するかどうかにも注目が集まる中、そのジョホールは順当に準決勝進出を決め、さらにKLシティとトレンガヌが続いています。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月24日@ダルル・マクモル・スタジアム(パハン州クアンタン)
観衆:4,041人
スリ・パハン 1-1 KLシティ
(通算成績:スリ・パハン 1-2 KLシティ)
⚽️スリ・パハン:ステファノ・ブルンド(90+6分PK)
⚽️KLシティ:ロメル・モラレス(29分)
🟨スリ・パハン(1):ステファノ・ブルンド、ファドリ・シャス
🟨KLシティ(1):パウロ・ジョズエ、ライアン・ランバート、ジャンカルロ・ガリフオコ
MOM:ロメル・モラレス(KLシティ)

ファーストレグではホームのKLシティがロメル・モラレスのゴールで1-0で勝利しているこのカードですが、セカンドレグは豪雨のため試合開始が1時間以上遅れて始まりました。水が浮いたピッチではボールは転がらず、選手は足を取られる劣悪なコンデションの中、29分に右サイドでKLシティがフリーキックを得ると、パウロ・ジョズエの蹴ったボールをゴール前のロメル・モラレスが頭で合わせてゴール!KLシティが先制すると共とに、通算成績でも2-0とリードを広げます。

KLシティがリードして前半を折り返すと、後半はパハンがギアを上げてKLシティゴールに迫りますが、強固なKLシティDF陣を崩すことはできません。終了間際のロスタイムにKLシティのDFジャンカルロ・ガリフオコがペナルティエリアでクパー・シャーマンを倒してスリ・パハンにPKを与え、これをステファノ・ブルンドが決めて1-1に追いつきますが、スリ・パハンの得点はこの1点にとどまり、KLシティが通算成績2-1でベスト4進出を決めています。

スリ・パハンのファンディ・アフマッド監督は、現役時代にはKLシティの前身、KLFAで1987年から1989年までマレーシアカップ3連覇を達成していますが、監督としてのマレーシアカップ挑戦は準々決勝止まりとなりました。

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月24日@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
観衆:10,743人
スランゴール 1-1 トレンガヌ
(通算成績:スランゴール 1-3 トレンガヌ)
⚽️スランゴール:サフワン・バハルディン(69分)
⚽️トレンガヌ:イヴァン・マムート(23分PK)
🟨スランゴール(0):ノー・アル=ラワブデ
🟨トレンガヌ(0):スハイミ・フシン
🟥スランゴール(1):ヤザン・アル=アラブ
MOM:サフワン・バハルディン(スランゴール)

ファーストレグではホームのトレンガヌが2-0で勝利しており、先制点が欲しいスランゴールは試合開始からボールを前に送りますが、トレンガヌは先日のAFCカップ、セントラル・コースト・マリナーズFC戦で完封劇を演じた若い4バックが決定機を許さず、逆にスランゴールからボールを奪ったトレンガヌがカウンターに転じるなど、試合は両チームがせめぎ合って進みます。

好機を作りながらスランゴールが得点できない中、先制したのトレンガヌでした。20分にスランゴールDFサフワン・バハルディンがペナルティエリア内でノー・ハキム・ハサンを倒してトレンガヌにPKを与えてしまいます。これをイヴァン・マムートがど真ん中に決めて先制するとともに、トレンガヌが通算成績でも3-0とリードを広げて前半を終了します。

スランゴールは後半の69分にPKを与えたサフワン・バハルディンが右コーナーキックからのヘディングシュートを決めて1-1と追いつきますが、直近の12試合で無敗のトレンガヌは、この後はスランゴールに得点を許さずに逃げ切って、通算成績3-1で準決勝進出を決めています。なおこの試合終了後には、主審に執拗に抗議したスランゴールのヨルダン代表、ヤザン・アル=アラブが退場処分になっていますが、その際には審判を蹴る様子が映像に残っており、マレーシアサッカー協会FAMから厳しい処分を受ける可能性があります。

昨季はマレーシアカップ決勝でジョホールに敗れているスランゴールは、2021年大会に続く準々決勝敗退となりました。今年で97回目となるマレーシアカップで優勝33回、準優勝17回と圧倒的な記録を誇る「赤い巨人」ことスランゴールですが、2015年の優勝が最後となっています。

マレーシアカップ
準々決勝セカンドレグ結果とハイライト映像(1)-ジョホールがベスト4進出を決める

ACLとAFCカップによるリーグ中断期間が終わり、マレーシアでは今週末にかけてマレーシアカップ準々決勝セカンドレグが行われています。このブログでも何度か書いていますが、元は各州代表チームの対抗戦という形で始まったマレーシアサッカーの歴史を反映して、リーグ戦以上にマレーシア国内が盛り上がるのがこのマレーシアカップです。昨年はジョホール・ダルル・タジムが優勝していますが、マレーシアカップは2013年、2014年に優勝したパハンFA(現スリ・パハンFC)以来、連覇するチームが出ておらず、ジョホールが連覇するかどうかにも注目が集まる中、そのジョホールは順当に準決勝進出を決めています。
(試合のハイライト映像はマレーシアンフットボールリーグMFLの公式YouTubeチャンネルより)

マレーシアカップ2023準々決勝セカンドレグ
2023年9月23日@スルタン・イブラヒム・スタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
観衆:10,561人
ジョホール・ダルル・タジム 4-1 ヌグリスンビラン
(通算成績:ジョホール・ダルル・タジム 7-1 ヌグリスンビラン)
⚽️ジョホール:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(6分、11分)、フアン・ムニス(29分)、フェルナンド・フォレスティエリ(90+1分)
⚽️ヌグリスンビラン:ザムリ・ピン(39分)
🟨ジョホール(0)
🟨ヌグリスンビラン(2):ザムリ・ピン、ハリズ・カマルディン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(ジョホール・ダルル・タジム)

今季は既にFAカップに優勝し、リーグ戦も次節には優勝が決定する可能性があるジョホールが、マレーシアカップでも準決勝進出を決めて、2季連続の国内三冠に近づいています。

ACLの川崎フロンターレ戦から中3日となったこの試合は、その川崎戦の先発XIからはFWベルグソン・ダ・シルヴァ、MFフアン・ムニスとホン・ワン以外の8名を入れ替える大幅なローテーションを行なったエステバン・ソラリ監督。しかし、結果を出したのはベルグソン、ムニスの両選手でした。

ファーストレグを終えて通算成績では既に3-0とリードしているジョホールですが、ACLでの敗戦の鬱憤を晴らすかのように試合開始から積極に攻め、早くも6分には右サイドのフアン・ムニスからのクロスにベルグソン・ダ・シルヴァがダイビングヘッドで合わせてゴール!ベルグソン選手にとっては2021年3月21日のUITM FC戦でゴールを決めて以来、ジョホールでの通算100得点目となるゴールでこの試合もジョホールが先制します。

さらにその5分後にも、右サイドからのムニス選手のフリーキックに再びベルグソン選手が頭で合わせて通算101点目のゴールを決めると、29分にはムニス選手がペナルティエリアの正面から直接フリーキックを決めて、ジョホールは開始30分で3-0とします。その後もジョホールは攻撃の手を緩めず狭続けるものの得点には至らず、一方のヌグリスンビランは39分にザムリ・ピンのゴールで1点を返しますが、前半は3-1とジョホールがリードして終了します。

前半を終えて通算成績を6-1としたジョホールのソラリ監督は、ハットトリックの期待もかかったベルグソン選手に代えてジオゴを、さらにムニス選手に代えてフェルナンド・フォレスティエリを起用します。ケガのためベンチ外が続いていたフォレスティエリ選手にとっては7月14日以来およそ2ヶ月ぶりとなる試合出場でしたが、後半終了間際のロスタイムにはジオゴ選手からのパスを受けたフォレスティエリ選手がゴールを決めて、完全復帰を印象付けています。

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この試合の2ゴールで、ジョホールでの通算101ゴールを挙げたベルグソン選手は、通算92試合出場で1試合1ゴール以上を挙げている計算になりますが、101ゴールの内訳はリーグ戦で67ゴール、マレーシアカップで22ゴール、FAカップで6ゴールそしてACLでも6ゴールとなっています。

この試合のハイライト映像。MFLの公式YouTubeチャンネルより。

9月24日のニュース
最新のFIFAランキング発表-マレーシアは2つ順位を上げて134位
U23代表のエラヴァラサン監督が辞任
U23代表新監督候補にキム・ドンジン傑志FC TDらの名前が浮上
サウジアラビア遠征中の女子代表は2試合連続スコアレスドロー

最新のFIFAランキング発表-マレーシアは2つ順位を上げて134位

最新のFIFAランキングが発表され、マレーシアは前回7月20日発表時の136位から2つ順位を上げて134位となっています。この134位というランキングは、2015年に123位となって以来、近年の最高位です。

マレーシアは今月のFIFA国際マッチカレンダーではいずれも格上のランキング93位のシリアとは2-2、80位の中国とは1-1といずれも引き分けており、通算獲得ポイントが前回発表時の1091.57から3.33ポイント増えた1094.9となっています。(ランキングはいずれも対戦時)

マレーシアの134位というランキングはアジアサッカー連盟AFC内では24位で、AFCの1位は日本(全体19位)で、以下2位イラン(同21位)、3位韓国(同26位)と続いていいます。また、東南アジアサッカー連盟内ではベトナム(95位-前回95位)、タイ(112位-同113位)、フィリピン(132位-同135位)に続く4位となっています。

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マレーシアサッカー協会FAMはマレーシア代表のFIFAランキングトップ100入りを目指していますが、今回発表されたランキング100位のカザフスタンの獲得ポイントは1206.94で、マレーシアとは112.04の差があります。前述のように今月のFIFAデイズでランキング上位の2チームとの引き分けて3.33ポイントを獲得したマレーシアですが、112.04ポイントを獲得するためには、単純計算でもランキング上位チームと34試合の引き分けが必要です。現状では東南アジアの2強、ベトナムとタイの壁を超えることにすら苦しんでいるマレーシアにとっては100位以内への道のりはまだまだ遠そうです。

U23代表のエラヴァラサン監督が辞任

マレーシアサッカー協会FAMは公式サイト上で、U23代表監督を務めていたE・エラヴァラサン氏がその職を辞任し、A代表のコーチに専念することを発表しています。それれまでU23代表監督を務めていたブラッド・マロニー氏(現オーストラリアU17代表監督)が12試合で4勝3分7敗の成績を残して任期満了で退任すると、A代表とU23代表の連携を考慮したFAMが、A代表キム・パンゴン監督のもとでコーチを務めていたエラヴァラサン氏を2022年9月1日にA代表コーチと兼任でU23代表監督に任命しました。

今年61歳のエラヴァラサン氏が監督就任後のU23代表(就任時はU22代表)は、今年3月にシンガポールで開催された4カ国出場のマーラインオンカップでカンボジアU22、そして香港U22代表を破って優勝しましたが、5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズではベトナム、タイと同組となったグループステージを突破できずに敗退、さらに6月の東南アジアサッカー連盟AFF選手権では準決勝に進出したものの、そこでベトナムに1-4と大敗しています。また今月にタイで行われたAFC U23アジアカップ予選ではグループステージでタイに敗れてグループ1位での予選突破は逃したものの、各組2位の上位4チームが出場権を得られる中で4番目のチームとしてアジアカップ出場権を獲得しています。

FAMの発表によると、このU23アジアカップ予選終了後にエラヴァラサン氏とFAMのハミディン・アミン会長の間で今後のU23代表の強化方針について話し合いが持たれた際に、エラヴァラサン氏からはA代表コーチの職に専念したい希望が出された他、来年2024年にカタールで開催されるU23アジアカップに向けては自分以外の人物を監督に起用して欲しい旨の発言があったということです。

なおFAMによるとエラヴァラサン氏の後任については、これから人選が行われるということです。

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このブログでもAFC U23アジアカップ予選後に、多くのファンからエラヴァラサン氏に批判が集まっただけでなく、解任要求も出ていることは紹介しましたが、FAMもその声に対してエラヴァラサン氏を守る声明を発表することもなく、監督交代はFAMの既定路線でもあるように見えました。U23代表強化には時間がかかることを繰り返して述べていたエラヴァラサン氏ですが、好成績を収めているA代表に執着し、各年代代表の強化を疎かにしているようにも見えるFAMにエラヴァラサン氏が嫌気をさした、とも思える辞任劇です。

U23代表新監督候補にキム・ドンジン傑志FC TDらの名前が浮上

上の記事でも取り上げたように、AFC U23アジアカップの出場権を獲得しながら、国内ファンからは指導力に疑問の声が上がるなどした結果、E・エラヴァラサン氏がU23代表監督を辞任しましたが、空席となったU23代表監督候補に複数の名前が上がっていると英字紙スターが報じています。

この記事によると、U23代表監督後任の有力候補の1人が現在は香港1部リーグの傑志FCでテクニカルディレクター(TD)兼コーチを務めている韓国出身のキム・ドンジン氏ということです。キム・ドンジン氏は、マレーシア代表のキム・パンゴン監督が2008年から2017年まで香港1部のサウスチャイナFCや香港U23代表、そして香港代表の監督などを歴任していた際にを務めていた際にキム・パンゴン監督のもとでコーチを務めていたことがあることから、キム・ドンジン氏を有力候補としています。

この他には、かつてはMリーグのフェルダ・ユナイテッドFC(現在は解散)で監督を務めていたスランゴールFCのニザム・ジャミル コーチ、クダFCのナフジ・ザイン監督、そしてU23代表のトーレス・ガリド コーチらの名前も記事の中では挙げられています。

サウジアラビア遠征中の女子代表は2試合連続スコアレスドロー

サウジアラビアのタイフで開催中のサウジアラビアサッカー協会SAFF主催の国際大会に出場中のマレーシア女子代表は、パキスタン女子代表と対戦し、0-0で引き分けています。グループステージ二試合目となったこの試合では、FIFAランキング89位のマレーシア女子代表は同157位のパキスタンと引き分けており、初戦となった同172位のサウジアラビアとの0-0に続いて、2試合連続でスコアレスドローとなっています。

試合後にメディアの取材に答えたソリーン・アル=ズウビ監督は、チームの状態は初戦のサウジアラビア戦よりは改善され、試合では主導権を握っていたと話す一方で、FWを中心に得点につながる攻撃力が不十分だとして、これを改善点に上げています。

ラオス(FIFAランキング87位)、レバノン(FIFA同137位)、ブータン(同169位)も出場しているこの大会は、3チームずつに分かれたグループステージの勝者が準決勝に進みますが、マレーシアが入っているA組は、マレーシアが2分、パキスタンとサウジアラビアが1分となっており、今日9月24日行われるパキスタン対サウジアラビアの結果によって、マレーシアが準決勝に進出できるかどうかが決まります。

AFCカップ2023/24東南アジアゾーン
G組第1節-トレンガヌが相手OGで勝利
H組第1節-サバがダレン・ロックの2ゴールなどで快勝

AFCチャンピオンズリーグ(ACL)に続き、AFCカップの2023/24シーズンが開幕しています。ACLの下位大会に当たるAFCカップではマレーシアからは2015年にジョホール・ダルル・タジムFCが優勝、昨季2022年にはKLシティFCが準優勝しています。

ACLとは違い、決勝までの道のりは東南アジア(ASEAN)地区のチームにとっては果てしなく、まずはASEAN地区内でのグループステージで1位あるいは各組2位チームの中で最高位成績を残して、ノックアウトステージとなる地区内準決勝、さらに地区内決勝で勝ち抜けてASEAN1位とならなければなりません。続く南アジア地区代表との地区間準決勝に勝つと、もう一つの地区間準決勝である東アジア地区代表と中央アジア地区代表の勝者と対戦する地区間決勝で勝利すると決勝戦に進出します。決勝では西アジア地区代表となる中東のチームと対戦し、これに勝って初めて優勝となります。このようにASEAN地区からではノックアウトステージで4試合連続で勝利してやっと決勝進出となるのに対して、西アジア地区はノックアウトステージで2勝すれば決勝進出となります。

昨季は新型コロナ禍もあり、グループステージが集中開催方式で行われ、準優勝したKLシティFCはホームのKLフットボールスタジアムがその集中開催地の一つとなるなどアドバンテージもありましたが、今季からはグループステージの開催方法がホームアンドアウェイ方式に戻ります。また来季からはこのAFCカップはAFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)とリブランドされることも決まっており、AFCカップの名称で行われる大会は今季が最後となります。

AFCカップ2023/24 東南アジアゾーンG組第1節-トレンガヌが相手OGで勝利

11年ぶりにAFCカップ出場のトレンガヌがまず1勝

AFCカップ2023/24のグループステージが開幕し、G組のトレンガヌFCは第1節でオーストラリアのセントラル・コースト・マリナーズFC(マリナーズ)とホームで対戦しています。昨季2022/23シーズンのリーグ2位としてAFCカップに出場するマリナーズは、現在のマレーシア王者ジョホール・ダルル・タジムFCの前身、ジョホールFAや当時はMリーグに所属していたシンガポールFAなどで1990年代にプレーしていたアバス・サアド氏が暫定監督として指揮を取るチームです。またオーストラリアは2013年から東南アジアサッカー連盟AFFに加盟していますが、AFCカップにオーストラリアのチームが参戦するのは今大会が初めてです。

下はこの試合の両チームの先発XIです。この試合では、トレンガヌは通常の黒白基調のユニフォームではなく、下のような白一色のAFCカップ用ユニフォームを着用。またオーストラリアリーグのセントラル・コースト・マリナーズは、マレーシアの格安航空会社エア・アジアが胸スポンサーというのも、個人的には興味深いところです。

試合は開始1分でマルコ・トゥリオがシュートを放つなどマリナーズが積極的に攻め、10分にはアルー・クオルがトレンガヌGKスハイミ・フシンと1対1になる場面もありましたが、これをスハイミ選手が好セーブでしのぎます。その後もマリナーズは好機を作るもののFW陣のシュートの精度の低さに助けられ、トレンガヌはゴールを許しません。逆にトレンガヌは前半終了間際の45分に右サイドからヌリロ・タクタシコフがゴール前のイヴァン・マムートへクロスを送ります。マムート選手をカバーしていたネイサン・ポールがこれをクリアしようとしたもののGKダニー・ヴコヴィッチが反応できずにオウンゴールとなり、トレンガヌが先制して前半を終了します。

後半に入ってもマリナーズが優勢に試合をするめる中、結局、前半のオウンゴールがが決勝点なり、これを守り切ったトレンガヌが勝点3を獲得する好スタートを切っています。ボールの保持率はマリナーズ53%、トレンガヌ47%、またシュート数がマリナーズが23本(枠内7本)、トレンガヌが11本(枠内3本)と試合を通してマリナーズがトレンガヌを圧倒しましたが、先月から今月にかけてのリーグ戦やカップ戦直近4試合を全て零封しているトレンガヌがこの試合でもマリナーズを完封しています。

ACLカップ2023/24 グループステージG組第1節
2023年9月20日@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディン・スタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
観衆:5.996人
トレンガヌFC 1-0 セントラル・コースト・マリナーズFC(オーストラリア)
⚽️トレンガヌ:ネイサン・ポール(45+1分OG)
🟨トレンガヌ(2):ヌリロ・タクタシコフ、スハイミ・フシン、
🟨CCマリナーズ(2):ジェイコブ・ファレル、クリスティアン・セオハラス

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

G組第1節のもう一試合はインドネシアのバリ・ユナイテッドFCがフィリピンのスタリオン・ラグナFCのホームで5-2と勝利し、得失差でG組首位となっています。

ACLカップ2023/24 グループステージG組第1節
2023年9月20日@ビニャン・フットボール・スタジアム(ラグナ州ビニャン、フィリピン)
観衆:350人
スタリオン・ラグナFC 2-5 バリ・ユナイテッドFC
⚽️スタリオン:ジュニオール・ンゴン・サム(30分)、エイブラハム・プラシト(88分)
⚽️バリ:イリヤ・スパソイェヴィッチ2(27分、72分)、ハウディ・アブディラ(33分)、モハメド・バッシム(53分)、ムハマド・ラフマト(69分)
🟨スタリオン(1):フアン・トゥリオ
🟨バリ(2):アディルソン・マリンガ、エリアス・ドラ
 スタリオン・ラグナFCの野村悠太選手は57分から交代出場、中村玲央選手はベンチ外でした。

AFCカップ2023/24 グループステージG組順位(第1節終了)

順位チーム勝点
1バリ・ユナイテッド11005233
2トレンガヌ11001013
3セントラル・コースト100101-10
4スタリオン・ラグナ100125-30
AFCカップ2023/24 東南アジアゾーンH組第1節-サバがダレン・ロックの2ゴールなどで快勝

各国のカップ戦覇者が対戦したAFCカップウィナーズカップ(現在は廃止)に1995年に出場して以来、28年ぶりにアジアの舞台に戻ってきたサバ。この試合の両チーム先発XIは以下の通りです。


昨季のマレーシアスーパーリーグ3位と昨季のシンガポールカップ覇者の対戦となったこの試合は、雨が激しく降り頻る中で始まり、サバが開始5分、カブリエル・ペレスのゴールで先制します。さらに代表FWのダレン・ロックが36分にゴールを決め、サバが2点をリードして前半を終了します。

後半に入るとホウガン・ユナイテッドは髙山和真選手が61分にヘディングシュートを放ち、サバGKのダミアン・リムがゴールラインギリギリでこれを防いだように見えましたが、オーストラリア人のジョナサン・バレイロ主審はボールがラインを超えていたとしてゴールと認定、試合は1点差となりましたが、その2分後にロック選手がこの試合2点目となるゴールを決めて、サバが再びリードを広げると、試合はそのまま終了し、グループステージ初戦を制しています。

AFCカップ2023/24 グループステージH組第1節
2023年9月21日@リカス・スタジアム(サバ州コタ・キナバル)
 サバFC 3-1 ホウガン・ユナイテッドFC 
⚽️サバ:ガブリエル・ペレス(5分)、ダレン・ロック(36分、63分)
⚽️ホウガン:髙山和真(64分)
🟨サバ(0)
🟨ホウガン(0)
ホウガン・ユナイテッドの日本人選手、髙山和真、栗山直樹両選手はいずれも先発してフル出場しています。

この試合のハイライト映像。アストロ・アリーナのYouTubeチャンネルより

H組第1節のもう一試合は、ベトナムのハイフォンFCがPSMマカッサルを3-0で破っています。

AFCカップ2023/24 グループステージH組第1節
2023年9月21日@ラックチャイ・スタジアム(ハイフォン、ベトナム)
ハイフォンFC 3-0 PSMマカッサル 
⚽️ハイフォン:エルウィン・グタワ(8分OG)、ルオン・ホアン・ナム(79分)、ジョセフ・ムバンデ(86分)
🟨ハイフォン(0)
🟨マカッサル(0)
PSMマカッサルの日本人選手、南部健造選手は先発してフル出場しています。

ACL2023/24 グループステージH組順位(第1節終了)

順位チーム勝点
1ハイフォン11003033
2サバ11003113
3ホウガン・ユナイテッド100113-20
4PSMマカッサル100103-30