ECP導入でマレーシアサッカーの構造改革が起こるかも
2020年よりマレーシアフットボールリーグMFLに導入される経済管理プログラム(ECP)について、既に同様のプログラムが導入されているラ・リーガのマレーシア駐在員であるジョルジオ・ロッシ氏は、スペインリーグでの成功と同じことがマレーシアでも実現可能であると英字紙スター電子版に述べています。
ラ・リーガでは2012年から導入されたECPにより、2017年までの5年間で各クラブの財務状況は改善され、総額で9000万ユーロ(およそ105億円)の負債が完済されたとし、ラ・リーガの海外戦略部門グローバルネットワークのロッシ駐在員は、MFLがECP導入を決めたことは、サッカーを持続可能な産業とするための前向きな姿勢であるとコメントしています。
MFLは多くのクラブが抱える脆弱な経営管理を改善するため、来年2020年よりこのECP導入を決めており、来季からMFL所属の各クラブは、MFLが設定する規制に従って決められた予算内での経営を行うことが義務づけられます。
記事の中で、ロッシ駐在員は、スペインのクラブがこのECPを受け入れたのは、そういった措置が必要であったからであり、罰則を含めた規定遵守を各クラブが受け入れた結果、ECP導入は成功であったと言えるとし、マレーシアでも同様の効果が期待できると語っています。さらに「サッカーとはビジネスであり、そこに持続可能性がなければ、そのビジネスに未来はないが、ECP導入で各クラブ、そしてリーグが持続可能な環境を作り出すことで、利害関係者全員が利益を享受できるだろう」とも語っています。
このECP導入によって、各クラブがいわゆる身の丈にあった経営となることで、このブログでは既に何度も取り上げている給料未払い問題がなくなることを期待したいですが、同時に資金力のあるクラブとないクラブの格差は拡大し、財務状況が厳しいクラブの降格あるいは脱退など、MFL所属クラブの再編成が起こる可能性が大いにありそうです。
前TFC監督は来季に向けて充電中
今季途中に成績不振のためMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFC監督を辞任したイルファン・バクティ前トレンガヌFC監督は、複数のクラブから来季の監督就任を要請されているものの、現時点ではどのクラブとも契約に至っていないとしています。
クアラ・ルンプールFAやペラTBGなどが、来季に向けて既にイルファン前TFC監督に接触しているという噂を否定した上で、2019年シーズンがまだ終了していないことから、時間をかけて決定したいと語っていると、オンラインポータルサイトのフォックススポーツが報じています。
2017年に当時MFL2部のトレンガヌFC監督に就任すると、その年にクラブを1部に昇格させ、さらに昨年はマレーシアカップでPK戦でペラTBGに敗れたものの準優勝へと導いたイルファン氏でしたが、今季途中で退任しています。
ペナンFAやヌグリ・スンビランFA、スランゴールFAといった国内クラブだけでなくインドネシアリーグのプルシプラ・ジャヤプラでの監督もあるイルファン氏は今年68歳ですが、その実績に期待するクラブがあるはずですので、来季もどこかの監督に就任する可能性は高いと思います。