8月25日から27日までのニュース:ECP導入でマレーシアサッカーの構造改革が起こるかも、前トレンガヌFC監督は来季に向けて充電中

ECP導入でマレーシアサッカーの構造改革が起こるかも
 2020年よりマレーシアフットボールリーグMFLに導入される経済管理プログラム(ECP)について、既に同様のプログラムが導入されているラ・リーガのマレーシア駐在員であるジョルジオ・ロッシ氏は、スペインリーグでの成功と同じことがマレーシアでも実現可能であると英字紙スター電子版に述べています。
 ラ・リーガでは2012年から導入されたECPにより、2017年までの5年間で各クラブの財務状況は改善され、総額で9000万ユーロ(およそ105億円)の負債が完済されたとし、ラ・リーガの海外戦略部門グローバルネットワークのロッシ駐在員は、MFLがECP導入を決めたことは、サッカーを持続可能な産業とするための前向きな姿勢であるとコメントしています。
 MFLは多くのクラブが抱える脆弱な経営管理を改善するため、来年2020年よりこのECP導入を決めており、来季からMFL所属の各クラブは、MFLが設定する規制に従って決められた予算内での経営を行うことが義務づけられます。
 記事の中で、ロッシ駐在員は、スペインのクラブがこのECPを受け入れたのは、そういった措置が必要であったからであり、罰則を含めた規定遵守を各クラブが受け入れた結果、ECP導入は成功であったと言えるとし、マレーシアでも同様の効果が期待できると語っています。さらに「サッカーとはビジネスであり、そこに持続可能性がなければ、そのビジネスに未来はないが、ECP導入で各クラブ、そしてリーグが持続可能な環境を作り出すことで、利害関係者全員が利益を享受できるだろう」とも語っています。
 このECP導入によって、各クラブがいわゆる身の丈にあった経営となることで、このブログでは既に何度も取り上げている給料未払い問題がなくなることを期待したいですが、同時に資金力のあるクラブとないクラブの格差は拡大し、財務状況が厳しいクラブの降格あるいは脱退など、MFL所属クラブの再編成が起こる可能性が大いにありそうです。

前TFC監督は来季に向けて充電中
 今季途中に成績不振のためMFL1部スーパーリーグのトレンガヌFC監督を辞任したイルファン・バクティ前トレンガヌFC監督は、複数のクラブから来季の監督就任を要請されているものの、現時点ではどのクラブとも契約に至っていないとしています。
 クアラ・ルンプールFAやペラTBGなどが、来季に向けて既にイルファン前TFC監督に接触しているという噂を否定した上で、2019年シーズンがまだ終了していないことから、時間をかけて決定したいと語っていると、オンラインポータルサイトのフォックススポーツが報じています。
 2017年に当時MFL2部のトレンガヌFC監督に就任すると、その年にクラブを1部に昇格させ、さらに昨年はマレーシアカップでPK戦でペラTBGに敗れたものの準優勝へと導いたイルファン氏でしたが、今季途中で退任しています。
 ペナンFAやヌグリ・スンビランFA、スランゴールFAといった国内クラブだけでなくインドネシアリーグのプルシプラ・ジャヤプラでの監督もあるイルファン氏は今年68歳ですが、その実績に期待するクラブがあるはずですので、来季もどこかの監督に就任する可能性は高いと思います。

マレーシアカップ グループステージ第4節の結果まとめ

8月20日(水)から25日(日)にかけて行われたマレーシアカップ のグループステージ第4節の結果です。今節から後半戦に入るグループステージ終了ご、各グループの上位2チームがノックアウトステージに進みます。左側のチームがホームです。

グループA
クダFA3-2PKNS FC
得点者:クダFA-ジョナサン・ボーマン2(51分、84分)、アリフ・ユソフ(90分)、PKNS FC-ロメル・モラエス(30分)、ニコラス・スウィラッド(71分)
 前節で引き分けたPKNS FCを破ってクダFAが2勝目。PKNS FCは課題の守備がこの試合でも崩壊して3失点でした。

ヌグリ・スンビランFA3-2トレンガヌFC
得点者:ヌグリ・スンビランFA-フェリス・ダニアル(3分)、アウミール(7分)、イゴール・ルイズ(67分)、トレンガヌFC-リー・タック(36分PK)、セルヒイ・アンドレイエフ(90分)
 ここまで3連敗のヌグリ・スンビランFAが、3連勝中だったトレンガヌFCに初黒星をつけています。
 ヌグリ・スンビランFAの中武駿介選手はスタメンでフル出場しています。

順位チーム得点失点得失差勝点
1トレンガヌFC301105 59
2クダFA21176 17
3PKNS FC11288-24
4ヌグリ・スンビランFA10349-53

グループB
ジョホール・ダルル・タクジムJDT5-0PKNP FC
得点者:JDT-マウリシオ(3分)、ゴンザロ・カブレラ(31分)、サファウイ・ラシド2(37分PK、62分)、ジオゴ(51分PK)

UITM FC0-2プタリン・ジャヤ(PJ)シティFC
得点者:PJシティFC-ワシントン・ブランダオ(33分)、サティシュ・クリシュナン(72分)
 ここまで4戦全敗のUITM FCはグループステージ敗退が決定しました。

順位チーム得点失点得失差勝点
1JDT301105 510
2PJシティFC3017529
3PKNP FC11259-44
4UITM FC00418-70

グループC
ペナンFA1-1ペラTBG
得点者:ペナンFA-、ペラTBG-レアンドロ・ドス・サントス(60分)

パハンFA1-0サバFA
得点者:パハンFA-ディクソン・ヌワカエメ(58分)
 この勝利でパハンFAはノックアウトステージ進出が、サバFAはグループステージ敗退がそれぞれ確定しています。

順位チーム得点失点得失差勝点
1パハンFA40092712
2ペラTBG12144 05
3ペナンFA12145-15
4サバFA00428-60

グループD
スランゴールFA2-2PDRM FC
得点者:スランゴールFA-テイラー・リガン(69分)、イフェダヨ・オルセグン(80分)、PDRM FC-ウチェ・アグバ(28分)、リ・チャンフン(87分)
 MFL1部スーパーリーグ3位スタンゴールFAと2部プレミアリーグ3位PDRM FCが対戦したこのカードは前節に続いて引き分けに終わりました。

フェルダ・ユナイテッド3-1マラッカ・ユナイテッド
得点者:フェルダU-ハディン・アズマン2(45分、75分PK)、ダニアル・アミエル(70分)マラッカU-ルカ・ミルノヴィッチ(37分)
 フェルダUは、8月25日から始まるワールドカップアジア二次予選代表候補合宿に招集されたハディン・アズマンとダニアル・アミエルがゴールを決めています。

順位チーム得点失点得失差勝点
1マラッカ・ユナイテッド2026606
2スランゴールFA13065 16
3PDRM FC12189-15
4フェルダ・ユナイテッド112910-14