6月9日のニュース:若手中心のチーム編成はアルコールのせい?、マカオはWCアジア一次予選第2戦に代表を派遣しない方針を表明、選手はマカオサッカー協会への抗議の意を表し、代表チームへの招集を辞退

若手中心のチーム編成はアルコールのせい?
国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選の第1戦でマレーシア代表と対戦し、1-7と大敗した東ティモール代表は、キャプテンで唯一の得点を挙げたジョアン・ペドロが18歳、最年長の選手でも24歳という若いチームですが、このチーム編成の理由について英字紙スターの電子版が取り上げています。
 今回のアジア一次予選はアジアサッカー連盟AFC加盟国の内、FIFAランキングが下位の12国が出場しますが、そのうちアセアンサッカー連盟AFFのメンバーではマレーシアが168位で最上位、東ティモールが195位の最下位です。この差がありながら若手中心のチーム編成となったことについて、昨年12月より東ティモール代表の監督を務める築舘範男(つきたてのりお)氏は、東ティモールのサッカー界の現状が理由であるとしてます。
 試合後の記者会見で築舘氏は、マレーシアとの試合では立ち上がりから高いところでプレスをかけられ、経験不足から自分たちの望んだ試合展開ができなくなったことが敗因としています。さらに経験のある選手を招集できなかったことも敗因の一つに挙げています。
 これに関連して今回の若い選手によるチーム編成について質問が出ると、今回のチームはU23代表の選手を中心に選んでおり、それ以上の年齢の選手たちはサッカーができるコンディションになかったからと答えています。築舘氏によると、約半年間続く国内リーグでプレーする選手たちは、シーズン終了後には全くトレーニングをしないと話しています。その間はウィスキーなどアルコールなどを飲み、オフシーズンのコンディショニングなどには無関心であるため、経験のある選手であってもワールドカップ予選のような試合でプレーできる状況ではないため、招集できなかったと述べたそうです。
 6月11日(火)に同じクアラ・ルンプールのブキ・ジャリル国立競技場で’行われる「ホーム」の試合についての抱負を聞かれた築舘氏は「残念がら、今現在は何のプランもない」とし、選手たちが大敗から立ち直って、次の試合でも貴重な経験を積んでもらいたい」と記者会見を締めくくっています。

マカオはWCアジア一次予選第2戦に代表を派遣しない方針を表明
マレーシアも出場しているFIFAワールドカップ2022年大会アジア一次予選に出場している12カ国の一つ、マカオサッカー協会は6月11日にスリランカで開催予定のアジア1次予選第2戦に代表チームを派遣しない方針を同協会のFacebookで明らかにしました。
 マカオサッカー協会のFacebookによると、今年4月にスリランカで同時多発テロが発生したことを受け、FIFA、AFCおよびスリランカサッカー協会に対して1ヶ月以上前から中立地での開催を要望してきたが、スリランカで開催する予定の変更がないため、選手およびチームの安全を最優先し、今回の決断に至ったとしています。
 なおマカオ代表(FIFAランキング183位)は6月6日にマカオのホーム、ズーハイスポーツセンタースタジアムで行われた第1戦を1-0でスリランカ代表(同202位)に勝利しています。

選手はマカオサッカー協会への抗議の意を表し、代表チームへの招集を辞退
これに関連して、スリランカのスポーツメディアThe Papare.comは、マカオ代表チームの選手たちはスリランカへの渡航の意思を示した上で、マカオサッカー協会の決定に抗議の意を表すために代表招集を辞退すると発表しています。この辞退者の中には24名のフル代表、11名のU23代表、13名のU18代表選手が含まれています。
 この記事の中では、マカオ代表のDFリー・カーヒム選手のFacebookページからの投稿も合わせて掲載しています。その中でリー選手は、これまで日が当たらなかったマカオのサッカーにとって、この試合はマカオ市民、ファン、選手の家族や友人にとってマカオ代表チームを誇りに思ってもらう機会であること、二回戦へ進めるかどうかはわからないものの、(スリランカ代表との)第2戦を戦うことが自分たちだけでなく次世代にとっても重要なことを述べた上で、マカオサッカー協会とマカオ特別行政区政府に代表チームの派遣中止の取り消しを求めています。また、この要求が受け入れられない場合には、以下の選手はマカオ代表チームへの招集を望まないことが述べられています。(以下はリー選手のFacebookページにアップされた選手のサイン入りの代表招集拒否の宣言書)

6月8日のニュース:マレーシアはWC一次予選初戦を勝利でスタート

マレーシアはWC一次予選初戦を勝利でスタート
アジアサッカー連盟AFCの最下位12チームが参加する国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選がいよいよ始まりました。
 6月6日には、カンボジアがホームでパキスタンに2-0で勝利するなど、各地で5試合が行われ、最後となる6試合目が、AFC最下位12チームの中では168位とFIFAランキングが最も高いマレーシアと195位の東ティモールの試合でした。以下、結果です。

6月7日(金)
FIFAワールドカップ2022年大会兼AFC選手権アジアカップ2023年大会一次予選
マレーシア代表7-1東ティモール代表(ブキ・ジャリル国立競技場)
得点者:マレーシア-ラヴェル・コービン=オング(12分)、シャーレル・フィクリ(23分)、ノーシャルル・イドラン・タラハ(43分)、サファウイ・ラシド2(45分、59分)、ファイズ・ナシル(78分)、アキヤ・ラシド(89分)、東ティモール-ジョアン・ペドロ(53分)

6月2日に行われたネパール代表との国際親善試合の先発メンバーからは、FWシャズワン・ザイノンとMFハリム・サアリのスランゴールFAコンビに代わり、出場停止処分が解けたFWムハマドゥ・スマレとMFノー・アザム・アジーのパハンFAコンビがスタメンで出場しました。
 スタメンは、キャプテンのファリザル・マーリアス(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)がゴールを守り、ラヴェル・コービン=オング(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)とマシュー・デイヴィーズ(パハンFA)が左右のサイドバック、中央にはシャールル・サアド(ペラTBG)とアダム・ノー・アズリン(JDT)を配置した守備陣に、ノー・アザム・アジーとアクラム・マヒナン(PKNS FC)が中盤、攻撃陣はワントップのノーシャルル・イドラン・タラハ(パハンFA)の下に右からムハマドゥ・スマレ、シャフィク・アーマド(JDT)、サファウイ・ラシド(JDT)を配置し、ネパール戦と同じ4-2-3-1のフォーメーションでスタートしました。(下はこの試合のマレーシア代表のスタメンーマレーシアサッカー協会FAMのFacebookより)

 連日の大雨のせいで心配されたピッチは、前日6月6日の公式練習日にマッチコミッショナーが両チームにブキ・ジャリル国立競技場のピッチを使った練習を禁止するなどしてこの試合を迎えています。
 この試合はテレビ観戦しましたが、マレーシア、東ティモールとも積極的にボールを回し、ピッチの状況がプレーに影響を与えているような印象はありませんでした。

試合は開始からマレーシアが一方的に攻め、12分には公式戦初出場となったコービン=オング選手がサファウイ選手のクロスをヘディングで代表初ゴールを決めました。ネパール戦では、シャズワン・ザイノンとのコンビネーションが悪かったコービン=オング選手でしたが、前にいるサファウィ選手とはクラブではチームメートということもあってか、サファウィ選手が積極的に動いて、空いたスペースにコービン=オング選手がオーバーラップするという動きが何度も見られました。この試合では、このコービン=オング選手と右サイドバックのデイビーズ選手が積極的に攻撃参加する場面が目立ち、効果的に機能してました。
 2点目はそのデイヴィーズ選手からのクロスをケガのシャフィク・アーマドに代わって入ったシャーレル・フィクリ(ペラTBG)が、6点目も同じデイヴィーズ選手のクラスをやはり途中出場のファイズ・ナシル(スランゴールFA)がダイレクトボレーでともに公式戦初ゴールを決めました。
 この試合のダイジェストはこちらです。

東ティモールもタイリーグ3部のノース・バンコク大学FCでプレーする18歳のキャプテン、ジョアン・ペドロが後半開始早々にドリブルで持ち込んでゴールを決めますが、反撃もここまででした。
 東ティモールは、インドネシアに併合されるまではポルトガルの植民地であったこともあり、かつては同じポルトガルの植民地という歴史を持つブラジル出身の選手を多数帰化させた過去(しかし出生証明書の偽造により、2017年には罰金とアジアカップ2023年大会予選参加を禁じる処分をAFCより受けています)もありますが、近年は国内リーグが活発になり、最年長が24歳、最年少は15歳という今回の代表選手もその国内リーグでプレーする選手たちで構成されています。また監督はグアム代表やブータン代表の監督経験もあり、同国のU15やU19の監督を経て、昨年12月にフル代表の監督に就任した築舘範男(つきたてのりお)氏です。(下は試合前の記者会見の様子。左から東ティモール代表のジョアン・ペドロ主将、築舘監督、マレーシア代表のタン・チェンホー監督、ファリザル・マーリアス主将-FAMのFacebookより)

今回の一次予選はホームアンドアウェイ形式で行われますが、自国内にAFCの規格にあった競技場がない東ティモールは、ホームの試合も同じマレーシアのブキ・ジャリル国立競技場で6月11日(火)に行います。

6月6日のニュース:明日のWC一次予選メンバーが発表、スタジアム管理会社はWC予選までにピッチを整備すると約束

明日のWC一次予選メンバーが発表
明日6月7日(火)の東ティモール戦から国際サッカー連盟FIFAワールドカップ2022年大会の予選が始まるマレーシア代表。マレーシアサッカー協会FAMのホームページでは、このアジア一次予選の登録メンバー23名が発表されています。
 5月27日から始まっていた代表候補合宿で招集された26名のうち、5月18日のPKNP FC戦で足首を痛め、27日の合宿初日に合流したもののその後の練習には参加していなかったDFシャミ・サファリ(スランゴールFA)、6月2日のネパール代表選では先発したものの、やはりケガのため途中退場となったMFアブドル・ハリム・サアリ(スランゴールFA)、そして今回初めて代表候補合宿に参加したロドニー・セルヴィン・アクウェンシヴィ(PKNS FC)の3選手が外れることになりました。
 昨年のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップで主力選手として活躍し、素晴らしいゴールを決めたシャミ選手が欠けるのは痛いですが、すでに代表でプレーしているFWサファウイ・ラシド、FWアキヤ・ラシド(ともにジョホール・ダルル・タクジムJDT)らとU23代表でプレーしたMFシャマー・クティ・アバ、DFドミニク・タン(ともにJDT)やファイザル・ハリム(パハンFA)が残るなど、世代交代も徐々に進み、今回の23名の代表選手のうち30歳代はキャプテンGKファリザル・マーリアス(33歳、JDT)、FWノーシャルル・イドラン・タラハ(33歳、パハンFA)、FWシャズワン・ザイノン(30歳、スランゴールFA)の3名だけです。

ポジション氏名年齢所属
GKファリザル・マーリアス33JDT
ザリフ・イルファン24PKNS FC
イフワン・アクマル23クダFA
DFアダム・ノー・アズリン23JDT
ラヴェル・コービン=オング28JDT
ドミニク・タン・ジュンジン22JDT II
シャズワン・アンディック23JDT II
マシュー・デイヴィズ24パハンFA
シャルル・サアド26ペラTBG
イルファン・ザカリア24KLFA
MFアクラム・マヒナン26PKNS FC
ケニー・パッラジ・ダバラギ26ペラTBG
ファイズ・ナシル27スランゴールFA
シャマー・クティ・アバ22JDT II
ノー・アザム・アジ24パハンFA
FWアキヤ・ラシド20JDT
サファウィ・ラシド22JDT
シャフィク・アーマド24JDT
モハマドゥ・スマレ25パハンFA
ノーシャルル・イドラン・タラハ33パハンFA
ファイサル・アブドル・ハリム21パハンFA
シャズワン・ザイノン30スランゴールFA
シャーレル・フィクリ25ペラTBG

スタジアム管理会社はピッチを最善にすると約束
6月2日(日)に行われたマレーシア代表とネパール代表の国際親善試合の会場となったブキ・ジャリル国立競技場は、試合後に両チームの監督からピッチの状況を酷評されましたが、この競技場の管理会社であるマレーシア・スタジアム社は、6月7日(金)と6月11日(火)の両日に行われる国際サッカー連盟FIFAワールドカップアジア一次予選の対東ティモール戦に向けて、試合当日にはマレーシア代表が最善の状態で試合に臨めるよう保障する、マレー語紙ブリタ・ハリアンの電子版が伝えています。
 同社のニック・ラジーン・アダム・ダウドCEOは、ピッチの状態を最善に保つための努力はこれまでも行ってきているものの、ここ数日間の天候不順によりそれが難しくなっていたことを認めています。今回もマレーシアサッカー協会FAMの要望に応えて芝(正確にはこちらではカウグラスと呼ばれる幅の広い草)を短く刈る予定だったが、連日の豪雨でピッチが非常に柔らかくなっており、結局、要望通りのピッチが提供できなかったと言い訳しています。さらにブキ・ジャリル国立競技場のピッチに使われているカウグラスは高質のものなので、世界でもトップレベルのピッチが提供できているとも発言しています。
 ちなみにこの記事の最後の部分はマレーシアでよく言われる「設備は一流、その維持は三流」を地でいく発言なので、記事を読んだ際、思わず吹き出してしまいました…。と言うのは、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチが問題になるのが今回が初めてではないからです。2013年8月には、プレシーズンツアーで東南アジアを回っていたチェルシーやバルセロナといったクラブが、ブキ・ジャリル国立競技場のピッチの悪さにプレーを拒否し、最終的にスランゴール州のシャー・アラムスタジアムへと会場を変えて試合を行い、当時の青年スポーツ省大臣が「このようなピッチで試合をすれば世界に恥をさらすことになる」と述べたこともありました…

6月5日のニュース:国際親善試合でマレーシアはネパールに勝利、両チーム監督は芝の状態に不満、

6月2日
国際親善試合(会場:ブキ・ジャリル国立競技場、クアラ・ルンプール)
マレーシア代表2-0ネパール代表
得点者:マレーシア代表-サファウィ・ラシド(51分PK)、シャールル・サアド(80分)

国際親善試合でマレーシアはネパールに勝利
観戦記にも書きましたが、6月2日(日)に行われた国際親善試合(国際Aマッチ)で、マレーシア代表がネパール代表に2-0で勝利しました。87000人収容可能なブキ・ジャリル競技場での試合は、公式発表では観衆3797人とフル代表の試合としては少々寂しいものでした。しかもメインスタンドのアウェイ席にはネパール側サポーターがかなり入っていましたので、マレーシア側のサポーターの数は3000人を切っていたかも知れません。
 6月7日(金)と11日(火)に行われる国際サッカー連盟FIFAワールドカップのアジア一次予選の準備として行われたこの試合は、FIFAランキングでは、ネパールの161位に対してマレーシアは168位と格下ですが、これにはスウェーデン人ヨハン・カリンネパール代表監督も驚いていると発言しています。
 フル代表が年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップでの準優勝、U23代表はアジアサッカー連盟AFC U23選手権でベスト8、U19代表がAFF U19選手権で優勝し、AFC U19選手権でも12年ぶりに本戦出場を果たすなどが、2018年は明るいニュースが多かったマレーシアのサッカー界ですが、言い換えればここまでFIFAランキングが下がってしまうほど、それ以前のマレーシアサッカー界の闇は深かったということです。

両チーム監督は芝の状態に不満
この試合後、マレーシア代表のタン・チェンホー監督、ネパールの両代表監督はグラウンドコンディションの悪さについて言及しています。
 早いペースのポゼッションサッカーを目指すタン マレーシア代表監督は、多くの得点機を逃した理由とするわけではないとしながらも、グラウンドコンディションの不良で思うようなサッカーができなかったとしています。質の高いサッカーをするのは不向きなグラウンドコンディションが直ちに改善されることを望んでいるとも発言しています。
 試合直前まで、クアラ・ルンプールとその周辺は豪雨に見舞われていましたので、それが影響していることもありますが、柔らかく湿った芝には、ネパール代表のヨハン・カリン監督も不満を述べていました。
 これについて、マレー語紙ウトゥサン・マレーシアの電子版では、国立競技場を監理するマレーシア・スタジアム社のCEOは、この両監督の不満に足してグラウンドは試合可能な状態だったと反論する記事を掲載していますが、その一方で、5月25日に同じ会場で行われたアジアラグビー選手権のマレーシア対韓国戦でグラウンドコンディションが影響を与えたかも知れないとも発言しています。
 数日後には大事なFIFAワールドカップの予選が控えるマレーシア代表にとってホームでのアドバンテージとなるブキ・ジャリル競技場の芝に苦しまないことを祈るばかりです。

観戦記:6月2日国際親善試合マレーシア代表対ネパール代表@ブキ・ジャリル国立競技場

断食月中ではありますが、今月7日にはFIFAワールドカップ2022年大会のアジア一次予選を控えるマレーシア代表は、ネパール代表をブキ・ジャリル国立競技場に迎え、練習試合を行いましたので、観戦に行ってきました。
 ブキ・ジャリル国立競技場での観戦は数年ぶりです。

オープンスタンドのチケットは20リンギ(約520円)でした。写真右は暗くてわかりにくいですが、窓口上の料金表です。練習試合ということもあってか手書きでした…。なお料金表一番下のKanak-kanakは子どものチケット代です。

人口約3200万人のマレーシアは、2018年時点で外国人労働者の数が180万人おり、非合法の労働者も含めればその数は600万人とも言われています。その内、ネパール人労働者は約50万人いるそうです。ということで、マレーシアに住んでいるであろうネパール人サポーターも大挙観戦に来ていました。またスタジアムの外にはネパール国旗をプリントしたTシャツを売る店もありました。

1998年に建てられたブキ・ジャリル国立競技場は、東南アジアではインドネシアのジャカルタにあるゲロラ・ブン・カルノ競技場に次ぐ87,411名収容のスタジアムです。2017年にはクアラ・ルンプール(KL)が東南アジア競技大会の開催地となったため、大幅な改修工事が行われたのは知っていましたが、久しぶりに足を運んでみると見違えるほど綺麗になっていました。スタンドには車椅子での観戦席も整備されています。

マレーシアの他のスタジアムや公共施設では考えられないほど、トイレが綺麗なのはある意味感激でした。

二日後にある断食明けのお祝いハリラヤは、日本で言えば正月にあたるイベントで、地方出身者にはKLから実家へ帰省する人が多く、この日も試合開始1時間前はスタンドはガラガラでした。さらに2階席へは入れず、売店も閉まっていました…。

そうこうしている内に両チームのスタメンが発表になりました。マレーシアは主力選手で帰化選手のムハマドゥ・スマレ(パハンFA)が、昨年末のアセアンサッカー連盟AFF選手権スズキカップ決勝(の試合後の暴言)で4試合の出場停止処分を受けており、今日の試合には出場できません。以下は両チームの先発メンバーです。発熱で体調不良が報じられていた新キャプテンのファリザル・マリアスもスタメンです。

両国の国旗に続いて選手が入場、そして国歌演奏という流れでインターナショナルマッチの雰囲気が高まりました。

前回のエアマリンカップでは、チケット代が高すぎるとして代表戦ボイコットを宣言したウルトラス・マラヤの皆さんもこの日は三々五々とやってきました。ゴール裏の席は開場されていなかったため、微妙な位置で応援です。

いよいよ試合開始。開始時刻は午後10時でした。

前半はほとんどの時間がネパール側サイドでのプレーでした。開始早々はチャンスが何度かあったものの、その後はネパールはいわゆる「大型バスをゴール前に駐車」し。マレーシアはパス回しはできるものの、ゴールへ向かってシュートを打つことがほとんど来ませんでした。

前半は両チーム無得点で終了。

マレーシアの競技場内は完全禁煙なのですが、ウルトラス・マラヤの皆さんは全く御構い無しの様子で、ハーフタイム中は皆さんの周りは煙が蔓延していました。

後半に入るとマレーシアのタン・チェンホー監督は、アキヤ・ラシド、ドミニク・タン、ファイザル・ハリム、シャマー・クティ・アバら、エアマリンカップと同時期に行われていたアジアサッカー連盟AFCU23選手権予選のため招集できなかったU23組を次々と投入しました。
 そして51分には、アキヤ・ラシド(ジョホール・ダルル・タクジムJDT)がゴール前で倒されPKを獲得。これをサファウイ・ラシド(JDT)が決めてマレーシアが先制します。

さらに82分にはシャールル・サアド(ペラTBG)がヘディングシュートを決めて2点目を奪います。

断食月ということもありコンディショニングが難しかったのだと思いますが、試合には勝ったものの、素人目では全体的に組織的プレーを意識しすぎた結果、クラブでは積極的に攻撃に参加するコービー・オング(JDT)やエースのサファウイ・ラシドが生きず、スピード感に欠ける試合という印象でした。
 またスマレ選手とポジションを争うシャズワン・ザイノン(スランゴールFA)やシャフィク・アーマド(JDT)もインパクトを残せませんでした。そんな中、空回りする場面も多かったのですが、アキヤ・ラシドやファイザル・ハリム(パハンFA)が持ち前のスピードで何度か突破を図ろうとするなど、これまでの代表にはなかった攻撃パターンも生まれそうな印象でした。

6月2日のニュース:サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心、FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止、FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令

サファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心
英字紙ニューストレイトタイムズの電子版では、AFCチャンピオンズリーグACLにジョホール・ダルル・タクジムJDTのメンバーとして出場したサファウイ・ラシドに日韓のクラブが関心を示していると英字紙ニューストレイトタイムズの電子版が伝えています。
 昨シーズンの国内最優秀選手にも選ばれているサファウイ選手はACL以外にも昨年インドネシアで開催され、韓国を撃破したアジア競技大会や今年3月のアジアサッカー連盟AFC U23選手権予選にも出場してゴールを決めていまが、そういった実績に加えて、現在22歳という若さからJ1のクラブが関心を示していると、記事の中であるエージェントが述べています。しかし同じエージェントがJDTと話したところ、現時点ではJDTはサファウィ選手の移籍を容認しないと語ったようです。
 この記事の中では、別のエージェントは韓国のKリーグ所属クラブにもサファウィ選手に関心を持っているところがあると述べています。2020年より「アセアン枠」での外国人獲得が可能となるKリーグ(詳しくはこちらを参照して下さい。)にはこの「アセアン枠」が開いているチームがあり、サファウィ選手はまさしくその枠にフィットする候補だと述べています。アジア競技大会では、英国プレミアリーグのトットナムで活躍する孫興民(ソン・フンミン)を擁するU23韓国代表相手に2ゴールを挙げ、マレーシアの勝利に貢献しているので、その活躍が注目を集めたのかも知れません。このエージェントはサファウィ選手以外に、帰化選手であるモハマドゥ・スマレやマシュー・デイビーズ(いずれもパハンFA)といったマレーシア代表の選手の他、リー・タック(トレンガヌFC)やロメル・モラレス(PKNS FC)なども国外のクラブの関心を集めていると述べています。
 国内のトップレベルの選手が国外でプレーする話は聞いたことがありませんが、個人的にはサファウィ選手には是非、Jリーグでプレーしてもらいたいです。アセアン出身者のJリーグ成功例としては、水戸のグエン・コン・フオン(現Kリーグインチョン・ユナイテッド)や札幌のチャナティップ・ソングラシンがいます。またファジアーノ岡山にはU23代表のハディ・ファイヤッドも在籍していますが、サファウィ選手も是非、国外のクラブで揉まれてもう一回り大きくなって欲しいと思います。

FAMの懲戒委員会によりスランゴールFAのGKは5試合出場停止
マレーシアサッカー協会FAMの懲戒委員会が開かれ、マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグのスランゴールFAのGKファリザル・ハルンに対し、5試合の出場停止と罰金5000リンギ(約13万円)が課されました。
 5月18日に行われたMFL第14節のスランゴールFA対PKNP FCとの試合中に、ファリザル選手がゴール前の混乱の中、PKNP FCのムハマド・アル・ファテ選手の顔面を殴りました。試合中、審判はこれに気が付きませんでしたが、ビデオ映像にはしっかり残っており、今回の処分につながっています。
 ファリザル選手はMFL第8節、4-3で勝利した対マラッカ・ユナイテッド戦でも自らのミスから失点につながったことをなじったファンに対して中指を立てるなど前科があり、またこのPKNS FC戦の後も彼の行為に対して批判的なファンに対して悪態をつくなど、一部ファンからは「スランゴールFA史上最低の選手」とも呼ばれています。
 MFLが残り7試合という状況下でのFAMによる5試合の出場停止処分に対して、ファリザル選手は裁定が重すぎると述べていますが、その一方で「サッカー選手なら一度や二度はカッとなることはあるはず」と述べるなど、反省の色は見られません。
 スランゴールFAのB・サティアナタン監督はこの裁定に対して不服申し立てを行うかどうかはクラブの上層部に任せるとし、チームにとってレギュラーGKがいなくなるのは非常に大きな痛手であるとコメントし、観客に飛び蹴りを加えたことで有名なエリック・カントナ(!)が出場停止を乗り越えて復帰したことを例に挙げ、ファリザル選手にもカントナ選手を見習って欲しいと述べています。

FAMのステイタス委員会は未払い給料支払いを命令
このブログでは何度も取り上げたマレーシアサッカー界の給料未払い問題ですが、今回はFAMのステイタス委員会が、所属選手から未払い給料請求を受けているクラブへ30日以内の支払い命令を出しています。
 その中でも最大額は昨シーズンのMFL3部(昨年までの名称はFAMリーグ)の優勝チーム、トレンガヌ・シティFCの411,900リンギ(約1070万円)で21名のマレーシア人選手から未払い給料請求が出ています。この他にはサバFAはかつて所属した外国人選手3名の契約上の賠償金と航空券代金362,000リンギを、クアラルンプール(KL)FAは外国人選手の代理人費用260,000リンギを支払うよう命令されています。またケランタンFA、ペナンFA、すでに解散したマルセラ・ユナイテッドFCなどにも選手、コーチ陣への支払い命令が出されています。またフェルダ・ユナイテッドFCは前監督で現スランゴールFA監督のB・サナティアタンに対して契約金と住居手当など未払い分の支払いを命じています。
 イスラム教国マレーシアでは、6月5日に断食月が終わり、日本で言えば正月に当たるこの時期に未払い給料問題の解決が見えてきたことは喜ばしいのですが、この話は支払い命令を出せば終わりというものではないのが、マレーシアサッカーの闇の深いところです。例えば上で取り上げたトレンガヌ・シティFCは、MFL3部の優勝チームとして2部プレミアリーグへ自動昇格の権利を得ていましたが、給料未払い問題により昇格どころか解散しており、現在ではクラブ経営陣も存在していません。このため、FAMが支払いを命じたところで存在しないクラブの責任の所在がはっきりしていません。トレンガヌ・シティFCのモハマド・ノー・デルス前監督は、トレンガヌ・シティFCはトレンガヌ州サッカー協会(トレンガヌ州FA)の加盟団体だったことから、トレンガヌ州FAが仲介しこの問題を解決するべきだとしています。さらにトレンガヌ・シティFCはFAMリーグでトレンガヌ州を代表するクラブで、その優勝はトレンガヌ州サッカーに名誉をもたらしたことへの評価を求めています。またモハマド・ノー前監督は、トレンガヌ州FAが仲介せず、FAMも命令を出す以上の関与を行わないのであれば、FAMは「窓枠に溜まったホコリを吹く」程度で掃除を終えたと言っているようなものであり、時間の無駄以外の何物でもないと非難しています。


 

6月1日のニュース:FAMはU19代表監督との契約を更新しないことを決定、フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴

FAMはU19監督との契約を更新しないことを決定
マレーシアサッカー協会FAMは、来月7月末に契約が切れるU19代表のボジャン・ホダック監督(48)との契約を更新しないことを執行委員会の全会一致で決定したと、マレー語紙スカン・シナールの電子版が伝えています。
 ホダック監督は2017年にU19代表の監督に就任し、2018年にはアセアンサッカー連盟AFFのU19選手権でマレーシアを初優勝に導いただけでなく、アジアサッカー連盟AFCのU19選手権へも12年ぶりにマレーシアを出場させるなど、実績は申し分ありませんが、歯に衣着せぬ発言がメディアで取り上げられ、その結果FAMと関係が悪くなる、というケースが何度かありました。直近では、今年3月に福岡県の宗像市で行われたサニック杯国際ユースサッカー大会で日本の高校チームなどに敗れ12位となった際には、マレーシアのサッカー選手養成システムを批判し、FAMから警告処分を受けていました。なお、MFLのスチュアート・ラマリンガン事務局長は、この発言と契約を更新しないこととは無関係であるとしています。
 ジョホール・ダルル・タクジム(JDT)やケランタンFAを率いた経験もあるホダック監督はマレーシアの永住権を持っていますが、契約終了後は自国のクロアチアへ帰国してUEFAのプロコーチライセンスコースに参加した後、少し休養を取ってから、次の仕事を決めたいとしています。その際にもお金ではなく、自分が興味を惹かれるような仕事を選ぶだろうと語っています。
 なお、後任にはオーストラリア出身のブラッド・マローニー(47)U23代表アシスタントコーチの名前が挙がっています。取材に対して、FAMのテクニカルダイレクターを務めるオランダ人のピーター・デ・ルーは具体的には後任候補の名前は口にしなかったものの、FAMが挙げる条件としては各年代で同じ指導方針が取れることとしており、外部からの招聘(しょうへい)はなさそうです。

フル代表候補選手のメンバーに疑問の声も監督は一蹴
明日6月2日(日)は国際サッカー連盟FIFAワールドカップのアジア一次予選前の練習試合となるネパール代表との試合が行われますが、この試合に先駆けて選ばれた代表候補選手の中には所属クラブでレギュラーとは言えない選手が複数名含まれていることから、フル代表のタン・チェンホー監督の選手選考に疑問の声が上がっていると、英字紙スターの電子版が伝えています。
 具体的にはファイザル・ハリム(パハンFA)、ケニー・パッラジ・ダバラギ(ペラTBG)、シャズワン・アンディック、シャマル・クティ・アバ(ともにジョホール・ダルル・タクジム、JDT)らが該当しますが、これらの選手たちを選んだことについて、タン監督は各監督にそれぞれの戦略があり、その戦略にあった選手を選択した結果であるとしています。その一方で、タン監督就任以来、代表チームのキャプテンを務めてきたザクアン・アドハ・アブドル・ラザク(クダFA)が今回選ばれなかったことについては、今後も再び先行される可能性がザクアン選手はもちろん、それ以外の選手にもあるとしています。
 ちなみにファイザル・ハリム、シャズワン・アンディック、ジャマル・クティ・アバは、今年3月に行われたアジアサッカー連盟AFCのU23選手権予選に参加したU23代表の主力選手だったので、年齢の割には経験を積んできている選手たちなので、タン監督がフル代表に新しい血を入れたいと考えているのであれば、まさに正しい人選だと思えます。(写真は明日7月2日のネパール代表戦前の記者会見の様子、左からネパール代表ビラジ・マハルジャン主将、同ヨハン・カリン監督(スウェーデン)、マレーシア代表タン・チェンホー監督、同ファリザル・マリアス主将

5月31日のニュース:残念!苅部選手はKLFAを退団、代表の新キャプテンはGKファリザルが就任、チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留

残念!苅部選手はKLFAを退団
マレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するクアラルンプール(KL)FAの公式FacebookページであるKuala Lumpur Hawksは、苅部隆太郎選手が退団し、代わって韓国人DFのノー・ヘンソックが入団すると発表しています。
 Kuala Lumpur HawksのFacebookでは、個人的な事情で退団とされていますが、KLFAについての記事がよく掲載されるオンラインメディアのスポータイムズでは、ご家族の健康不良が理由で帰国を希望し、自ら退団を申し出たと報道しています。リーグ戦とFAカップの予選を合わせると今シーズンは15試合に出場していた苅部選手は、ここ数試合はチームの戦術もあり守備的MFと言うよりもDFとして出場していました。苅部選手、お疲れ様でした。
 前節第15節では、降格を争うPKNP FCを4-1で一蹴して勢いづいているKLFAは、プタリン・ジャヤ(PJ)レンジャーズからDFラフィ・アジザン・マリアペンを、またPKNS FCからシャフィク・シャハルディンも獲得しています。
(左はTerima kasih. Selamat maju jaya.(マレーシア語で「ありがとう。グッドラック」の意)とともに苅部選手退団を伝えるFacebookポスト。右は新入団のノー・ヘンセク選手を紹介するFacebookポスト)

代表の新キャプテンはGKファリザルが就任
マレー語紙ハリアン・メトロのオンライン版によると、マレーシア代表チームの新キャプテンにMFL1部ジョホール・ダルル・タクジムのGKファリザル・マリアスが就任したと、代表チームの練習を訪問したマレーシアサッカー協会FAMのダト・ハミディン・モハマド・アミン会長が発表しています。ファリザル選手は6月2日に行われるネパール代表との親善試合からキャプテンを務めます。
 これまでフル代表のキャプテンを務めてきたMFL1部クダFAのモハマド・ザフアン・アドハ・アブドゥル・ラザクが今回は代表候補合宿のメンバーに選出されていないため、ファリザル選手は6月2日の親善試合だけでなく、6月7日と11日に行われる東ティモール代表とのFIFAワールドカップアジア一次予選でもキャプテンを務めます。(写真は代表候補合宿の様子を伝えるFAMのFacebookポストより。右から二人目が新キャプテンのファリザル・マリアス選手)

チャンタ・ビンはトレンガヌFCに残留
MFL1部トレンガヌFCのカンボジア出身チエリー・チャンタ・ビンは、結局、残留となったことをハリアン・メトロのオンライン版が伝えています。
 先日、イゴール・ゾンジックが退団した際に、チャンタ・ビン選手も続くのではと、このブログでも書きましたが、ハリアン・メトロの記事によると、トレンガヌFCは*アセアン枠を使ってタイU23代表でタイ1部リーグで現在、首位を走るポートFCのMFサンサーン・リムワッタナーの獲得を目指していたようですが実現しなかったようです。それに続いて触手を伸ばしたのが同じMFL1部所属のPKNP FCの同じカンボジア人MFチャン・ワタナカでしたがこちらも実現せず、結果的にチャンタ・ビン選手の残留となったようです。
 チャンタ・ビン選手残留で、トレンガヌFC移籍の噂が出ていたケランタンFAを退団したばかりのブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスは、結局、他のクラブを探すことになりそうです。
 *アセアン枠:MFL1部の各クラブは5名の外国人枠を持っていますが、そのうち三つは無条件ですが、残る二枠のうち、一つはアジア出身の選手対象、もう一つはアセアン(東南アジア諸国連合)出身選手枠となっています。例えばトレンガヌFCであれば、チェチェ・キプレ(コートジボワール)、リー・タック(イングランド)、ルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロ(ブラジル)は無条件枠の外国人選手ですが、サンジャル・シャアフメドフ(ウズベキスタン)はアジア選手枠、チエリー・チャンタ・ビンはアセアン枠での契約となっています。

5月30日のニュース:ペラTBGはPKNP FCに選手貸し出し、ルフィノ・セゴビアの今シーズン復帰はなし、ケランタンFAの外国人は全員退団

ペラTBGはPKNS FCに選手貸し出し
ともにマレーシアフットボールリーグMFL1部スーパーリーグに所属するペラTBGはペラ州サッカー協会が運営するクラブで、PKNP FCはペラ州政府の機関であるペラ州開発公社を母体とするクラブ。ペラ州サッカー協会の会長はペラ州の州知事でもあることから、この2クラブは言わば「兄弟クラブ」です。第15節を終え降格圏の3勝3分9敗の11位と苦しむ「弟」PKNP FCのスーパーリーグ残留のために、「兄」のペラTBGが二人の選手を貸し出すことを決定したと、マレー語紙ウトゥサン・マレーシアのオンライン版が伝えています。
 ペラTBGからPKNP FCへ期限付き移籍するのは、元U23代表のDFモハマド・シャズワン・ザイポル・バハリ(24)と元U19代表のDFナジルル・アフィフ・イブラヒム(22)の両選手です。ペラTBGのメフメト・ドゥラコビッチ監督は、移籍期間は年内いっぱいの6ヶ月間とし、両選手は来シーズン開幕前にはペラTBGに戻るとしています。
 PKNP FCの会長はMFL1部スーパーリーグに残留できなければクラブ解体もありうると発言しており、残留に向けてブラジル出身のFWラモン・ダ・シルヴァ(27)をトランスファーウインドウ期間中に獲得しています。(下はラモン選手獲得を知らせるPKNP FCのFacebookポスト)

ルフィノ・セゴビアの今シーズン復帰はなし
昨シーズンに31ゴールを挙げMFLの得点王となったルフィノ・セゴビアはアキレス腱を痛め欠場が続いていますが、所属先のスランゴールFAは今シーズンは治療と休養に充てるため、セゴビア選手の復帰はないことがスランゴールFAの公式ホームページで告知されています。。
 複数年契約のセゴビア選手は、来シーズンもスランゴールFAとの契約が残っています。これにより、外国人枠の関係から退団も噂されていた23歳のMFエンドリック・ドス・サントスの残留も確定しました。
 スランゴールFAは昨日終了したトランスファーウインドウ期間中にナイジェリア出身のFWイフェダヨ・オルセグンを獲得しており、エンドリック・ドス・サントス、MFサンドロ・ダ・シルヴァ(ブラジル)、DFテイラー・リガン(オーストラリア)、ミハル・グエン(ベトナム)の5人が外国人枠登録の選手です。

ケランタンFAの外国人は全員退団
以前もこのブログで何度か取り上げた給料未払い問題を抱えるMFL2部プレミアリーグ所属のケランタンFAですが、ブラジル人MFカッシオ・デ・ジーサスとアフガニスタン出身のFWムスタファ・ザザイがいずれも給料未払いにより退団を決めたとマレー語紙シナール・ハリアンのオンライン版が伝えています。なお他のメディアではカッシオ選手は5ヶ月、ザザイ選手は3ヶ月分の給料が未払いという報道もあります。
 既にラウル・タラゴナ(ウルグアイ)、フラヴィオ・ベック・ジュニオール(ブラジル)が退団し、今週はデイビット・ロウリー(オーストラリア)がケランタンFAの家賃未払いによって家族と住んでいた住居から退去させれるなどして退団し、クダFAへ移籍しています。
 今シーズン、クアラルンプール(KL)FAの監督を成績不振で退任し、その後ケランタンFAの監督に就任したユスリ・チェ・ラー監督のもと、現在プレミアリーグ最下位のケランタンFAは残る6試合をマレーシア人選手のみで戦うことになりました。2001年には国内リーグと二つのカップ戦全てを制覇し、いわゆる「トレブル」を達成したケランタンFAですが、その凋落は止まりそうにありません。

5月29日のニュース:MFLの複数クラブがトランスファーウィンドウ最終日に新戦力と契約

5月29日はマレーシアのトランスファーウィンドウ最終日ということで、マレーシアフットボールリーグMFLの複数クラブが新戦力と契約しています。
 5月24日から26日にかけて第15節を終えているMFLは、6月5日に断食月(ラマダン)が明ける(人口約3200万人のうち、60パーセントを超えるイスラム教徒にとって断食明けは一年で最大のイベントです)ことや、6月7日と11日にFIFAワールドカップのアジア一次予選があることから、6月14日からの第16節より再開されます。

パハンFAは元ナミビア代表FWを獲得
MFL1部スーパーリーグ2位のパハンFAは、31歳の元ナミビア代表FWラザラス・カイムビと6ヶ月間の契約したと、マレー語紙ブリタ・ハリアンのオンライン版が伝えています。
 カイムビ選手はバンコク・グラスFC(現BGパトゥム・ユナイテッドFC)、チェンライ・ユナイテッドFCスパンブリーFCでプレー経験があり、パハンFAでは、ディクソン・ヌワカエメととともに攻撃陣を牽引することが期待されています。
 5つの外国人枠が全て埋まっているパハンFAは、カイムビ選手に代わってゼ・ラヴことゼ・エドゥアルドが退団します。他のメディアでは退団の理由としてケガが挙げられていますが、ブリタ・ハリアンの報道では14試合で4得点と期待通りの働きができていないためとしています。

マラッカ・ユナイテッドはマレーシア人MFを補強
MFL1部スーパーリーグ4位のマラッカ・ユナイテッドは、過去2シーズンはMFL2部のヌグリ・スンビランFAでプレーした攻撃的MFのファイザル・アブ・バカルと契約したことをブリタ・ハリアンが伝えています。
 マラッカ・ユナイテッドは、今回のトランスファーウインドウ期間中、既にコートジボワール出身のFWデイヴィ・クロード・アンガン(32)とクロアチア出身のDFドミニク・バリッチ(23)を獲得しています。ペナンFAに期限付き移籍したアンセルモ・カサグランデとクアラルンプール(KL)FAに完全移籍したダルコ・マルコヴィッチに代わって入団したアンガン選手とバリッチ選手は、既に5月25日に行われたMFL第15節のペラTBG戦に出場しています。(下は両選手入団を伝えるマラッカ・ユナイテッドのFacebookポスト)

トレンガヌFCは「タンカー」を獲得
MFL1部スーパーリーグ6位のトレンガヌFCは、ブラジル出身のDFルイス・グスタボ・フランシスコ・カミロを獲得しています。「タンカー」のニックネームを持つカミロ選手は、同じDFのイゴール・ゾンジッチ(モンテネグロ)に代わって登録されます。
 このゾンジッチ選手とカンボジア出身のチエリー・チャンタ・ビンは、イルファン・バクティ監督更迭後の試合には出場していなかったことから、退団の可能性もあると以前このブログでも書きましたが、ゾンジッチ選手はその通りになりました。また、チャンタ・ビン選手についても、過去5ヶ月間の給料が未払いであることをソーシャルメディアで公表してMFL2部プレミアリーグのケランタンFAを退団することが決まったブラジル出身のDFカッシオ・デ・ジーサスがチャンタ・ビン選手に代わってトレンガヌFCに移籍する可能性があることを伝えるメディアもあります。(下はカミロ選手入団を伝えるトレンガヌFCのFacebookポスト)