Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第15節結果とハイライト映像

今節第15節は、KLシティとクダがAFCカップ東南アジア地区準決勝に出場するため、両チームが関連する2カードが延期されており、4カードのみが開催されています。
 なおAFCカップ準決勝に進出したクダはPSMマカッサル(インドネシア)に1-2で敗れた一方で、ベトテルFC(ベトナム)と対戦したKLシティは延長戦を含めて0-0と決着がつかず、PK戦の末、勝利し決勝に進出しています。この決勝では、AFCカップのベスト8入りを目指して、8月24日にKLシティのホーム、KLフットボールスタジアムでPSMマカッサルと対戦しますが、両チームはグループステージでは同組で、その際には0-0のスコアレスドローに終わっています。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年8月9日(火)@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 1-0 サラワク・ユナイテッド
⚽️サバ:バドロル・バクティアル(63分)
🟨サバ(0)
🟨サラワク(0)
MOM:バドロル・バクティアル(サバ)
 東マレーシアのボルネオ島に本拠地を持つ両チームの「ボルネオ・ダービー」は、好調のサバがサラワクの思わぬ攻勢に手を焼いたものの、ベテランのゴールで逃げ切り、首位のJDTを追走しています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、85分に交代しています。

2022年8月9日(火)@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 3-2 ペナン
⚽️ヌグリスンビラン;ザムリ・ビン・ラムリ(35分)、マテウス・アウヴェス(59分)、エラルド・グロン(85分)
⚽️ペナン;ルーカス・シルヴァ(27分)、T・サラヴァナン(81分)
🟨ヌグリスンビラン(1):ズルカイリ・ズルキプリ
🟨ペナン(4):K・ティヴァンダラン、ジャフリ・フィルダウス・チュウ、アフマド・スクリ、クリスティアン・ロンティニ
MOM:エラルド・グロン(ヌグリスンビラン) 
 終盤の逆転劇を制したヌグリスンビランは3連勝で、4位との勝ち点差を11に広げ、昇格初年度のトップ3入りが見えてきました。
 一方、5連敗のペナンはサラワク・ユナイテッドとともにリーグ最速の10敗に到達しています。

2022年8月9日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 0-3 スリ・パハン
⚽️パハン:マリク・アリフ(27分)、スティーヴン・ロドリゲス(45+1分)、マヌエル・イダルゴ(90分)
🟨PJシティ(3):コギレスラワン・ラジ、フィレモン・アニー、シヴァン・ピレイ
🟨パハン(1):スティーヴン・ロドリゲス
MOM:マヌエル・イダルゴ(スリ・パハン)
 3試合連続となったスティーヴン・ロドリゲスのゴールなどで、スリ・パハンが今季初の3連勝。
 一方のPJシティはこの敗戦で11試合白星なしとなりました。

2022年8月10日(土)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 1-2 JDT
⚽️トレンガヌ:ハキミ・アブドラ(51分)
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ(32分)、フェルナンド・フォレスティエリ(47分)
🟨トレンガヌ(1):ズアシュラフ・ズルキフリ
🟨JDT(2):ナタニエル・シオ、シャールル・サアド
MOM:アリフ・ザカリア(トレンガヌ)
 マレーシアFAカップの決勝進出が決まっている両チームの対戦は、8月28日に予定されている決勝の前哨戦としても注目されましたが、この試合前まで16ゴール(12試合)でリーグ得点王争いを独走するベルグソン・ダ・シルヴァと11ゴール(13試合)でそれを追走するフェルナンド・フォレスティエリが揃ってゴールを挙げ、JDTを勝利に導いています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第15節終了時)

チーム勝点
1JDT1412203973238
2SAB15111325131234
3NSE158522213929
4KLC145361925-618
5SRP145272020017
6TRE135261515017
7KDA135261824-617
8SEL134452623316
9MEL134451817116
10SWU1541101536-2113
11PJC142661525-1012
12PEN1514101731-147
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第14節終了時)

ゴール数選手名所属
117ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
212フェルナンド・フォレスティエリJDT
311カイオンSEL
48ロナルド・ンガKDA
57ダレン・ロックPJC
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第14節結果とハイライト映像

変則日程が続く中、前節第13節に続いて、12チームが揃って試合を行った今節第14節は7月31日と8月1日に全6試合が行われました。
 3位と4位の間が勝点差で8点となり、上位3チームと下位チームの差は大きく開いていますが、買いに目を向けると、4位以下は11位までの8チームが勝点差6点の間にひしめく大混戦となっています。そんな中、今季未だ無敗のJDTのリーグ9連覇も見えてきましたが、勝点差4でJDTを追うサバがどこまで離れずについていき、プレッシャーをかけ続けられるか、またJDTがそんなプレッシャーをものともせずに連覇へ向かって走るのか。来季のリーグ大改編で入れ替え戦も無くなったMリーグの今季の見どころはそのくらいかも知れません。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年7月31日(土)@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 2-1 マラッカ・ユナイテッド
⚽️サバ:アムリ・ヤハヤ2(65分、90+1分)
⚽️マラッカ:イフェダヨ・オルセグン(24分)
🟨サバ(1):パク・タエスー
🟨マラッカ(3):シャズワン・アンディック、アドリアーノ、エマヌエル・オティ
🟥サバ(1):ラウィルソン・バトゥイル
🟥マラッカ(1):ハジック・プアド
MOM:アムリ・ヤハヤ(サバ)
 試合前の大雨でボールが止まるほど水が浮いたピッチでの試合は、まさしくノーガードの打ち合いとなりましたが、後半から出場した41歳のFWアムリ・ヤハヤがロスタイムでの決勝ゴールを含む2ゴールを決めてサバが4連勝を飾っています。
 マラッカはエースのイフェダヨ・オルセグンが2試合連続となるゴールを決めて先制しましたが、同点を目指したロスタイムにハジック・プアドが暴力行為で退場となってしまい万事休すでした。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。

2022年7月31日(土)@シティスタジアム(ペナン州ジョージ・タウン)
ペナン 2-3 サラワク・ユナイテッド
⚽️ペナン:ルーカス・シルヴァ2(17分、30分)
⚽️サラワク:ノー・アジジ・ラムリー(5分)、ウチェ・アグバ(28分)、ゴンサロ・ソト(84分)
🟨ペナン(2):ラファエル・ヴィトール、ラフィウディン・ロディン
🟨サラワク(0)
MOM:ルーカス・シルヴァ(ペナン)
 リーグ11位と12位の対戦となったこの試合は、終盤のゴールで逆転した11位のサラワクが12位のペナンを破って、順位を一つ挙げて10位としています。
 一方のペナンは前節に続き、左膝を痛めている司令塔のエンドリックがベンチ外となるなどベストの布陣が揃わず、5連敗となっています。

2022年7月31日(土)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴール 2-3 ヌグリスンビラン
⚽️スランゴール:カイオン(9分)、ヤザン・アル=アラブ(30分)
⚽️ヌグリスンビラン:グスタヴォ2(66分、80分)、ショーン・セルヴァラジ(88分)
🟨スランゴール(1):シャルル・ナジーム
🟨ヌグリスンビラン(2):チェ・ラシド・チェ・ハリム、グスタヴォ
MOM:ダニアル・アスリ(スランゴール)
 シーズンを通して不安定な戦いを続けるスランゴールがホームに好調のヌグリスンビランを迎えた試合は、今季2度目の2連勝を目指したスランゴールが、得点王争いで2位につけるエースの快音のゴールなどで2-0と一度はリードしたものの、試合終了まで残り26分の間に立て続けに3失点して敗れています。なお、試合終了後、クラブはミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督の退任と、同氏のスポーツディレクター就任を発表し、事実上の更迭処分を行なっています。本来はテクニカルディレクターとして若手育成の目的で2020年に招聘されたファイヒテンバイナー氏を監督に据えた運営担当者の責任が問われるべきですが、そこはマレーシア。しらっと何もコメントしないのでしょう。
 一方のヌグリスンビランは、昨季までスランゴールに在籍したショーン・セルヴァラジが決勝ゴールを決めて逆転勝利を挙げ3位を堅守し、さらに4位との勝点差を8に広げています。

2022年8月1日(日)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 5-0 KLシティ
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(7分PK、15分)、レアンドロ・ヴァレスケス(54分PK)、フェルナンド・フォレスティエリ(71分)、サファウィ・ラシド(84分)
🟨JDT(0)
🟨KLシティ(0)
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 昨季のマレーシアカップ決勝ではJDTは0-2とKLシティに敗れ、34年ぶりの優勝を許していますが、それ以降は今季開幕前のチャリティーシールドでは3-0、今季リーグ戦ではKLシティのホームで3-0と、いずれもJDTが快勝しています。そのJDTがKLシティをホームに迎えた試合は、リーグ得点王を独走するベルグソン・ダ・シルヴァの2ゴールなどで圧勝しています。

2022年8月1日(日)@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 2-0 クダ
⚽️パハン:スティーブン・ロドリゲス2 (32分、67分)
🟨パハン(2):バキウディン・シャムスディン、シェルゾド・ファイジエフ
🟨クダ(3):カイルル・アズリン・カザリ、ヒシャムディン・アフマド、マフムード・アル=マルディ
MOM:スティーブン・ロドリゲス(スリ・パハン)
 AFCカップ東南アジア地区準決勝を前に、この試合に勝って勢いをつけたかったクダは、下位のスリ・パハンに手痛い敗戦となりました。
 スリ・パハンは前節はレッドカードによる出場停止となっていたマヌエル・イダルゴが復帰し、2点目にも絡むなど、クダの守備陣を翻弄する活躍を見せて勝利に貢献しています。

2022年8月1日(日)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 0-0 PJシティ
🟨トレンガヌ(0)
🟨PJシティ(2):D・クガン、K・プラバカラン
MOM:カラムラー・アル=ハフィズ(PJシティ)
 両チームとも好機を生かせずスコアレスドローに終わっています。トレンガヌが優勢に進めた試合でしたが、PJシティのGKカラムラー・アル=ハフィズがMOMに相応しい活躍で好セーブを連発してトレンガヌを無得点に抑えています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第14節終了時)

チーム勝点
1JDT1311203763135
2SAB14101324131131
3NSE147521911826
4KLC145361925-618
5TRE125251413117
6KDA135261824-617
7SEL134452623316
8MEL124451817116
9SRP124271720-314
10SWU144191535-2013
11PJC132651522-712
12PEN141491528-137
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第14節終了時)

ゴール数選手名所属
116ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
211カイオンSEL
11フェルナンド・フォレスティエリJDT
48ロナルド・ンガKDA
57ダレン・ロックPJC
66パク・タエスーSAB
6イフェダヨ・オルセグンMEL
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第13節結果とハイライト映像

7月26日と27日にMリーグ1部スーパーリーグ第13節の6試合が行われました。6試合揃って行われるのは、4月15日から17日にかけて6試合が行われた第5節以来です。
 シーズンも折り返し点を過ぎ、各チームともケガ人を抱えており、選手層の厚さも含め、その中でどれだけダメージをコントロールできるかどうかが上位進出の鍵となりそうです。
(試合のハイライト映像はMFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年7月26日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 4-1 ペナン
⚽️マラッカ:エマヌエル・オティ(4分)、アドリアーノ(36分)、イフェダヨ・オルせグン(58分)、ジャスティン・バース(60分)
⚽️ペナン:ルーカス・シルヴァ(86分)
🟨マラッカ(1):ファディル・イドリス
🟨ペナン(2):カイルル・ロキシャム、ラファエル・ヴィトール
MOM:ソニー・ノルデ(マラッカ)
 リーグ戦は6戦連続でホームでの試合となったマラッカが、外国籍選手4名のゴールでペナンを破って今季最高位の7位に浮上しています。
 FAカップ準々決勝では怒涛の5ゴールで逆転勝ちを収め、ベスト4進出を決めたペナンでしたが、その立役者となったエンドリックは先発を外れ、後半から出場も66分には交代しています。ザイナル・アビディン・ハサン監督就任以来、最多失点となったこの試合ですが、主力にケガ人が多いペナンは今後も苦しい戦いが続きそうです。

2022年7月26日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
PJシティ 1-2 サバ
⚽️PJシティ:ダレン・ロック(34分)
⚽️サバ:加賀山泰毅(48分)、イルファン・ファザイル(75分)
🟨PJシティ(1):サラモン・ラジ
🟨サバ(1):スチュアート・ウィルキン
MOM:カイルル・チェ・ファーミ(サバ)
 ボラセパマレーシアJP推しの代表ストライカー、ダレン・ロックのゴールで先制したPJシティは、攻守の切り替えの早いサバのスピードに対応できず後半に失点を重ねて敗れ、これで5戦連続未勝利となりました。
 一方のサバは、バドロル・バクティアルや、ここまで好調だったパク・タエスーらが先発を外れるなど、苦しい布陣で臨んだ試合でしたがが、逆転勝利で2位を堅守しています。。 
 今季2ゴール目を挙げたサバの加賀山泰毅選手は、先発してフル出場しています。

2022年7月27日(水)@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 2-1 トレンガヌ
⚽️ヌグリスンビラン:ヤーセル・ピント(17分)、グスタヴォ(52分)
⚽️トレンガヌ:チェチェ・キプレ(19分)
🟨ヌグリスンビラン(5):エラルド・グロン、ヤーセル・ピント、サイフル・リズワン、クザイミ・ピー、ザムリ・ピン・ラムリ
🟨トレンガヌ(0)
MOM:グスタヴォ(ヌグリスンビラン)
 リーグ戦は3週間以上試合のなかったヌグリスンビランでしたが、今季途中加入の新戦力のゴールでトレンガヌを破り、リーグ3位を死守しています。
 上進出を目指すトレンガヌは、前節のサバ、そしてこのヌグリスンビランとの上位対決にいずれも敗れて、目標とする来季のAFC大会出場が遠のいています。そんな中、FAカップ準々決勝に続き、不調を克服しつつあるチェチェ・キプレがゴールを決めたのは朗報です。

2022年7月27日(水)@ダルル・マクムルスタジアム(パハン州クアンタン)
スリ・パハン 2-0 スランゴール
⚽️スリ・パハン:スティーヴン・ロドリゲス(34分)、マリック・アリフ(39分)
🟨スリ・パハン(3):バキュディン・シャムスディン、ミオール・ダニ、アズワン・アリピン
🟨スランゴール(2):ユーリ、アリフ・ハイカル
MOM:スティーヴン・ロドリゲス(スリ・パハン)
 FAカップ準々決勝では2-0とリードしながらまさかの逆転負けで敗退したスリ・パハンが、今季初のクリーンシートでホーム2勝目(リーグ3勝目)を挙げています。
 今季調子に乗り切れないスランゴールを象徴するような試合でした。下位チーム相手に勝ち点を上げることができず、ミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督の更迭論が再燃しそうです。

2022年7月27日(火)@KLフットボールスタジアム(クアラルンプール)
KLシティ 2-1 クダ
⚽️KLシティ:ジョーダン・ミンター2(56分PK、72分)
⚽️クダ:アイマン・アフィフ(42分)
🟨KLシティ(3):カマル・アジジ、アクラム・マヒナン、ハディン・アズマン
🟨クダ(1):ロクマン・ハキム
MOM:ジョーダン・ミンター(KLシティ)
 KLシティは、トレンガヌから期限付き移籍中のジョーダン・ミンターがPKを決めて、3試合目にしてリーグ戦初ゴールを挙げて同点に追いつくと、さらに72分には逆転ゴールを決めています。
 クダは前半のリードを守ることができずに敗れ、アウェイの試合では引き分けを挟んで3連敗となっています。

2022年7月27日(水)@サラワク州立スタジアム(サラワク州クチン)
サラワク・ユナイテッド 0-4 JDT
⚽️JDT:ハズワン・バクリ(13分)、ベルグソン・ダ・シルヴァ(20分)、シャーミ・サファリ(79分)、フェルナンド・フォレスティエリ(90分PK)
🟨サラワク(1):スピアー・チャントゥル
🟨JDT(0)
MOM:アダム・ノー・アズリン(JDT)
 代表でもプレーするシャマー・クッティ・アッバが膝の手術で今季絶望となることが発表されても、代わりの選手がすぐに活躍するのがJDTのすごいところ。今季初先発どころか今季初出場のアダム・ノー・アズリンがキッチリとその代役を務めただけでなく、MOMまで獲得する活躍で、チームを3連勝に導いています。
 サラワクは12試合で29失点とリーグ最多失点の守備陣がこの試合でも崩壊する一方、リーグ最小得点の攻撃陣が沈黙し連敗しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第13節終了時)

チーム勝点
1JDT1210203262632
2SAB1391322121028
3NSE13652169723
4KLC135351920-118
5KDA125251822-417
6SEL124442420416
7MEL124441715216
8TRE115151413116
9SRP123271520-511
10PJC122551420-611
11SWU133191233-2110
12PEN131481325-127
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第13節終了時)

ゴール数選手名所属
114ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
10フェルナンド・フォレスティエリJDT
48ロナルド・ンガKDA
57ダレン・ロックPJC
66パク・タエスーSAB
75ヒラル・エル=ヘルウェ他3名PEN
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第12節結果とハイライト映像

AFCアジアカップ予選やAFC主催大会、さらにはU23代表が出場した東南アジア大会やU23アジアカップなどによる日程変更に次ぐ変更で、2月に発表されたものとは全く変わってしまっているMリーグ1部スーパーリーグ。中にはまだ10試合しか終えていないチームもありますが、12チーム編成のスーパーリーグはこの第12節からが実際の後半戦開幕です。
 JDTの首位は予想されていたものの、加賀山泰毅選手が所属するサバが2位、そして1部昇格初年喉のヌグリスンビランが3位といずれも開幕前の予想を覆す活躍を見せています。
(各試合のハイライト映像は、MFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年7月3日(日)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 2-1 スリ・パハン
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン(1分)、ファイサル・ハリム(80分PK)
⚽️スリ・パハン:アブドル・マリク(10分)
🟨トレンガヌ(2):アザム・アズミ、ファイサル・ハリム
🟨スリ・パハン(3):アズワン・アリピン、シーン・ジャンネリ、デヴィッド・ロウリー、シャールル・アイザッド、シェルゾド・ファイジエフ
MOM:クパー・シャーマン(トレンガヌ)

2022年7月3日(日)@トゥンク・アブドル・ラーマンスタジアム(ヌグリスンビラン州パロイ)
ヌグリスンビラン 0-1 サバ
⚽️サバ:パク・タエスー(62分)
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、A・セルヴァン
🟨サバ(1):ジャクソン
MOM:パク・タエスー(サバ)
 サバの加賀山泰毅選手は先発してフル出場しています。

2022年7月19日(火)@ダルル・アマンスタジアム(クダ州アロースター)
クダ 3-1 サラワク・ユナイテッド
⚽️クダ:マフムード・アル=マルディ2(9分、80分)、ロナルド・ンガ(75分)
⚽️サラワク:ウチェ・アグバ(54分)
🟨クダ(1):カイルル・アズリン
🟨サラワク(2):ノル・アジジ・ラムリー、アブドル・ラーマン・イスマウイ
MOM:マフムード・アル=マルディ(クダ)

2022年7月20日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 3-1 KLシティ
⚽️スランゴール:ブレンダン・ガン(37分)
⚽️KLシティ:ロメル・モラエス(68分)
🟨スランゴール(5):ファズリ・マズラン、ジクリ・カリリ、シャルル・ナジーム、リッチモンド・テッテー、ムカイリ・アジマル
🟨KLシティ(2):ザフリ・ヤハヤ、モハマド・ファウジ
🟥スランゴール(1):ジクリ・カリリ(🟨x2)
MOM:サミュエル・サマーヴィル(スランゴール)

2022年7月20日(火)@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 0-1 JDT
⚽️JDT:フェルナンド・ロドリゲス(69分)
🟨ペナン(2):T・サラヴァナン、クリスティアン・ロンティニ
🟨JDT(2):アリフ・アイマン、S・クナラン
MOM:ハフィズル・ハキム(ペナン)

2022年7月20日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 2-2 PJシティ
⚽️マラッカ:エマヌエル・オティ(36分)、ソニー・ノルデ(76分)
⚽️PJシティ:ダレン・ロック(43分)、K・グルサミー(63分)
🟨マラッカ(2):ファドリ・シャス、ソニー・ノルデ
🟨PJシティ(1):コギレスワン・ラジ
MOM:ダレン・ロック(PJシティ)

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第12節終了時)

チーム勝点
1JDT119202862229
2SAB128132011925
3NSE12552148620
4KDA115241720-317
5SEL114432418616
6TRE105141311216
7KLC124351719-215
8MEL113441314-113
9PJC112541420-611
10SWU123181229-1710
11SRP112271320-78
12PEN121471221-97
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第12節終了時)

ゴール数選手名所属
113ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
39フェルナンド・フォレスティエリJDT
48ロナルド・ンガKDA
56パク・タエスーSAB
6ダレン・ロックPJC
75エラルド・グロンNSE
5マヌエル・イダルゴSRP
5ヒラル・エル=ヘルウェPEN
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

7月21日のニュース
Mリーグが大改革を断行-来季は1部に日本人選手5名の可能性も

先日のこのブログでも取り上げた国内リーグMリーグ改革の具体的な内容が、リーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLより正式に発表されています。MFLの公式サイトによると、「国内リーグを各チームがよりダイナミックに競い合うものにする」目的のもと、MFLの臨時総会でスーパーリーグとプレミアリーグ全チームの同意を得て、来季2023年リーグから実施される変更は、大きく分けて6つあります。

1)現行のスーパーリーグとプレミアリーグを再編成して一本化-18チーム編成のスーパーリーグを2023年より開始し、2024年以降は16チーム編成に

来季2023年シーズンは、現行の1部スーパーリーグ12チームと2部プレミアリーグ10チームを再編して新たなスーパーリーグとして暫定的に18チーム編成で開催し、2024年シーズン以降はこれを16チームに絞って開催していきます。
 また今季のプレミアリーグ9位と10位のチームは、3部リーグのM3リーグの1位、2位と入れ替え戦を行い、この入れ替え戦に勝利した2チームは来季のスーパーリーグでプレーしますが、M3リーグのチームが勝利した場合には、スーパーリーグのクラブライセンス資格を満たすことが条件の上でスーパーリーグ参加となります。

<解説>
 現行のチーム数ならば、本来は12+10=22チームとなる2023年シーズンのスーパーリーグですが、プレミアリーグ10チーム中,3チームはスーパーリーグのクラブ(JDT、トレンガヌ、スランゴール)のセカンドチームであり、1チームはマレーシアサッカー協会FAMが運営する育成目的のチームとなっていることから、残る6チーム(クランタン、クチンシティ、クランタン・ユナイテッド、PDRM、UITM、ペラ)全てが2023年シーズンのスーパーリーグに参入することになります。
 上の説明では今季のプレミアリーグ9位と10位のチームが入れ替え戦出場と書きましたが、スーパーリーグ昇格権があるのはこの6チームなので、正確にはこの中の下位2チームが入れ替え戦に出場します。
 また現在、スーパーリーグでプレーしている日本人選手は加賀山泰毅選手(サバ)だけですが、これに今季はプレミアリーグでプレーしている本山雅志選手、深井脩平選手(いずれもクランタン・ユナイテッド)、谷川由来選手(クチンシティ)、原健太選手(クランタン)の4選手が来季残留となれば、国内トップリーグに日本人選手5名が在籍する可能性もあります。

2)スーパーリーグ18チームのU23チームを対象としたリザーブリーグの開設

新たなスーパーリーグを構成する18チームには、U23チームの保持が義務付けられるとともに、このU23チームが出場するリザーブリーグが新たに発足します。
 現行のスーパーリーグとプレミアリーグの各チームには既にU21とU19のチームを持つことが義務付けられていますが、この年代の選手たちとトップチームの選手との実力差、経験差は大きいことから、その差を埋めるものとして設置されるのがリザーブリーグです。このリザーブリーグ設置は、トップチームでは出場機会が少ない若い選手により多くの試合出場機会と試合出場時間を作り出すことを目的としています。
 リザーブリーグでプレーするU23チームには、23歳以上の「オーバーエイジ選手」5名(外国籍選手を含む)の登録が可能です。ただしリザーブリーグの主旨であるマレーシア人選手の出場機会確保の目的から、ピッチ上では同時に起用できるのは外国籍選手2名を含む3名のオーバーエイジ選手のみとなります。

<解説>
現在の2部プレミアリーグには3つのセカンドチームが在籍していますが、どのチームにも4名の外国籍選手が存在します。これらのセカンドチームがプレミアリーグでプレーするのは、若い選手の育成目的よりも、外国籍選手を含めたトップチームの選手の調整の場、という性質が強いものです。
 今回のリザーブリーグ開設により、各チームの若いマレーシア人選手は試合出場時間を得やすくなる反面、これまでU23チームを持たなかったクラブにとっては、U23チームの設置が義務付けれたことにより、クラブの経営が圧迫され、それが理由となる給料未払い問題が発生しやすい土壌を作ることにならないか、という懸念の声もあります。

3)3部リーグ以下のセミプロ化に伴う再編成が終わるまでプレミアリーグは開催なし

1部スーパーリーグと2部プレミアリーグが一本化されることにより、プレミアリーグは当面開催されません。この休止期間を利用して、MFLは現在の3部リーグにあたるM3リーグ以下を統括するアマチュアフットボールリーグと協力して「クラブ育成プログラム」を発足させます。M3リーグと2部プレミアリーグとのクラブ間では実力差だけでなく、クラブ運営面でもその差が大きいことから、MFLはこのプログラムを通じて、M3リーグ以下のクラブのセミプロ化やプロ化を支援し、国内リーグのレベルの底上げを目指します。
 またM3リーグのクラブは来季以降もFAカップに出場します。

<解説>
今季のMリーグ3部、M3リーグ以下は、各クラブに外国籍選手や外国籍指導者との契約を禁止するなど、上部リーグとは異なる条件で開催されています。また一昨年からM3リーグをアマチュアとプロが混在するセミプロリーグ化する意向があることを明らかにしていますが、新型コロナを理由にこれが全く進んでいませんでした。
 今回の発表では、現在のM3リーグが将来の2部プレミアリーグに該当することから、プロリーグであるスーパーリーグとの間で行われる将来の入れ替え戦に耐えうるクラブの育成が急務となります。

4)外国籍選手は1チームあたり最大9名まで契約可能-ただしベンチ入り6名でピッチ上には5名まで

現行の規定では、スーパーリーグでは外国籍選手5名(国籍問わず3名+アジア1名+アセアン1名)、プレミアリーグでは同4名(国籍問わず3名+アジア1名)が可能ですが、プレミアリーグにセカンドチームを持つJDT、トレンガヌ、スランゴールはこの規定に基づき9名の外国籍選手を登録していた一方で、セカンドチームを持たない各クラブはスーパーリーグでは5名、プレミアリーグでは4名のみの登録が可能でした。この「不均衡」を解消するため、2023年シーズンからはスーパーリーグ各チームは最大で9名の外国籍選手の登録が可能になります。

<解説>
アジアサッカー連盟AFCは、2023/24シーズンからAFCチャンピオンズリーグACLでの外国籍選手枠拡大を発表しています。現行の4名(国籍問わず3名+アジア枠1名)から6名(国籍問わず5名+アジア枠1名)へとなることから、Mリーグもそれに近づけるために、現行の5名ベンチ入りから6名ベンチ入りへと変更していますが、その一方でマレーシア人選手の出場機会の確保を目的として、ピッチ上でプレーできるのは最大5名という数字は維持しています。
 また最大9名が登録可能になったことにより、外国籍選手を多く獲得するだけの 資金のあるチームとそうでないチームとの差が大きく現れそうです。

5)FAカップおよびマレーシアカップの開催方式の変更

AFCはACLの秋春制への移行を発表していますが、この変更に伴い、マレーシアカップおよびFAカップの開催方式の変更が検討されています。

<解説>
従来はリーグ戦終了後の8月以降に開催されてきたマレーシアカップの開催方式と開催時期が見直されます。マレーシアカップは、現行ではスーパーリーグ1位から11位までとプレミアリーグのセカンドチームを除いた上位5チームの合計16チームだけが出場する大会ですが、新たなスーパーリーグの上位16チームのみが出場するのか、スーパーリーグ全18チームによる大会となるのか。今後の発表を待ちたいと思います。ACLやAFCカップの日程と重なってしまうことを避けるために開催時期も変更になることは必至です。
 またスーパーリーグ各チームの試合数が現在の22試合から34試合となることで、リーグ戦と並行して行われてきたFAカップについても何らかの変更が実施されそうです。

6)U19チーム出場のユースカップとU21チーム出場のプレジデントカップの開催方式の見直し

MリーグのU19チームが出場とするユースカップと、U21チームが出場するプレジデントカップはマレーシアサッカー協会が運営するリーグ戦ですが、MFLはFAMに協力して、各年代別チームの試合数を増やすような 開催方式を提案していくということです。

*****

「国内トップリーグであるスーパーリーグが1チームあたり年間22試合では少なすぎる」というFIFAの「助言」をもとに動き出したMリーグ改革ですが、今回の改革により試合数は確かに増えるものの、その質が担保できるのかという疑問は残ります。トップリーグのチーム数が増えることで、クラブ間の格差もより明らかになり、資金力が豊富なチームはさらに有利に、そうでないチームはさらに不利になる改革に思えます。
 例えば資金力のあるJDTがリーグ10連覇、20連覇を続け、ACLでも結果を残すようになる可能性がある反面、下位のクラブは降格しない程度に勝ち星を重ねるといった国内リーグにもなりかねず、トップリーグがその中で二極化するといった事態も考えられます。
 ボラセパマレーシア的には不安しか感じられないこの改革ですが、この改革によってMリーグがより多くのファンを惹きつけ、また商業的にも成功するのかどうかはMFLと各クラブの努力、そしてそれを支える私たちファンにかかっています。

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Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第11節結果とハイライト映像(2)

変則日程が続くMリーグ1部スーパーリーグ第11節の残り4試合が行われています。今節最大の注目は首位攻防戦となったサバ対JDTでしたが、首位攻防戦にふさわしい熱戦は最後にドラマが待っていました。
(各試合のハイライト映像は、MFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年7月15日(金)@リカススタジアム(サバ州コタ・キナバル)
サバ 1-2 JDT
⚽️サバ:パク・タエスー(23分)
⚽️JDT:フェルナンド・フォレスティエリ2(26分、90+5分)
🟨サバ(3):サディル・ラムダニ、パク・タエスー、ジョゼ・エンバロ
🟨JDT(3):マシュー・デイヴィーズ、レアンドロ・ヴァレスケス、シェーン・ローリー
MOM:フェルナンド・フォレスティエリ(JDT)
 リーグ1位JDTを2位サバがホームに迎えた首位攻防戦は、サバが勝てば順位が入れ替わるため、両チームとも試合開始から闘志を前面に出した試合となりました。
 今季9試合で13ゴールとリーグ得点王争いを独走するJDTのベルグソン・ダ・シルヴァは、7月2日のマラッカ戦で足首を痛めて途中退場し、試合も引き分けに終わっています。そのベルグソン選手はこの試合はベンチ外となっており、JDTはエース不在でこの試合に臨みました。
 しかし試合開始からJDTはサバゴールに襲いかかり、開始直後にはレアンドロ・ヴァレスケス、さらにはアリフ・アイマンらがシュートを放ちますが、サバGKカイルル・ファーミの好守もあり試合は0-0のまま進みました。
 一方のサバも守勢に回ることなくJDTゴールを狙い、それが功を奏して23分にパク・タエスーが相手DFのクリアミスを拾ってシュート。このゴールでサバが先制します。しかしその3分後、アリフ・アイマンからのパスを受けたフェルナンド・フォレスティエリがゴールを決め、JDTが直ちに同点に追いつきます。フォレスティエリ選手をフリーにしてしまったサバDF陣の痛恨のミスでした。
 前半を1-1で折り返すと、後半は試合が膠着状態となり、ロスタイムも5分と発表され、このまま引き分けかと思われましたが、90+5分にJDTがサバのペナルティエリアのすぐ外でフリーキックを得ます。デッドボールスペシャリストのフォレスティエリ選手がゴール右隅に放ったキックは、これに反応したGKカイルル・ファーミをすり抜けるようにゴールに吸い込まれ、JDTが今季の天王山とも言える試合を制しています。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して87分に交代しています。

2022年7月15日(金)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 2-1 クダ
⚽️トレンガヌ:クパー・シャーマン(13分)、マヌエル・オット(57分)
⚽️クダ:アザムディン・アキル(90+1分)
🟨トレンガヌ(1):スハイミ・フシン
🟨クダ(3):アクマル・ザヒル、カミル・アクマル、カイルル・アズリン・カザリ
MOM:アリフ・ザカリア(トレンガヌ)
 7月6日のマレーシアFAカップ2回戦の再戦となったこのカードは、9日前と同様にトレンガヌが管を破っています。
 昨季はクダでプレーしたクパー・シャーマンのゴールで先制したトレンガヌは、後半にマヌエル・オットが追加点となるゴールを決めて、4位に浮上しています。
 一方のクダは、AFCカップのグループステージを突破し、チームの調子が上向き始めたかと思われたタイミングでアンドラ出身のセンターバックのマーク・ヴァレスがケガのため手術を受けることとなり、今季中の復帰が絶望と発表されて以来、この日の敗戦で同一カード2連敗となっています。2019年に就任して以来、2019年4位、2020年2位、2021年2位とクダを着実に成長させてきたアイディル・シャリン監督が、この苦境をどう乗り越えるかに注目です。

2022年7月16日(土)@KLフットボールスタジアム(クアラ・ルンプール)
KLシティ 0-0 PJシティ
🟨KLシティ(3):モハマド・ファウジ、アリフ・シャキリン、ハディン・アズマン
🟨PJシティ(2):K・カナン、ザイナル・アビディン・ジャミル
MOM:ジャンカルロ・ガリフオッコ(KLシティ)
 今季なかなか調子が上がらず、黒星が先行する両チームの対戦はスコアレスドローに終わっています。

2022年7月16日(土)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 2-0 ペナン
⚽️スランゴール:シャーレル・フィクリ(73分)、シャヒール・バシャー(79分)
🟨スランゴール(2):ヤザン・アル=アラブ、ムカイリ・アジマル
🟨ペナン(1):スクリ・ハミド
🟥ペナン(1):スクリ・ハミド(🟨x2)
MOM:シャヒール・バシャー(スランゴール)
 大勝するかと思えば、大敗するなど、負け越してはいないものの、スランゴールも今季調子が上がらないクラブの一つ。そのスランゴールが代表復帰を目指すシャーレル・フィクリとU23代表でのレギュラー定着を目指すシャヒール・バシャーの「崖っぷちコンビ」の活躍で、未だ今季1勝と最下位のペナンに完封勝ちしています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第11節終了時)

チーム勝点
1JDT108202762126
2SAB117131810822
3NSE12552148720
4TRE9513129316
5SEL104332317615
6KLC114251618-214
7KDA104241419-514
8MEL103341112-112
9PJC102441218-610
10SWU113171126-1510
11SRP112271320-78
12PEN111461220-87
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第11節終了時)

ゴール数選手名所属
111ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
39フェルナンド・フォレスティエリ
47ロナルド・ンガKDA
55エラルド・グロンNSE
5ダレン・ロックPJC
5マヌエル・イダルゴSRP
5ヒラル・エル=ヘルウェPEN
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第2節、第6節、第7節、第8節の延期試合結果とハイライト映像

今季は開幕時のコロナ禍による試合延期に始まり、JDTが出場するAFCチャンピオンズリーグやU23代表が出場した東南アジア競技大会やAFC U23アジアカップ、またKLシティとクダが出場するAFCカップとの日程調整で日程が変則となり、第11節に差し掛かったMリーグ1部スーパーリーグは、サラワク・ユナイテッドが11試合全てを終えている一方で、トレンガヌはまだ6試合しか消化していません。
 7月26日から始まる第13節からは12チームの足並みが揃う予定ですが、それまでのおよそ1ヶ月間はマレーシアFAカップと第12節までの未消化試合を解消する期間となり、変則日程での試合が続きますが、今週は第2節、第6節、第7節の未消化試合が開催されています。

2022年6月28日(火)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)JDT 4-0 PJシティ
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(23分、65分)、フェルナンド・フォレスティエリ2(26分、85分)
🟨JDT(0)
🟨PJシティ(1):D・クガン
MOM:ベルグソン・ダ・シルヴァ(JDT)
 この試合は第7節の未消化試合です。
 先週のスランゴール戦で5-1と圧勝したJDTがこの試合でも得点王争いの首位を走るベルグソン・ダ・シルヴァの2ゴールなどで圧勝し、今季の無敗記録を9に伸ばしています。2ゴールを挙げていたベルグソン・ダ・シルヴァがGKと1対1となった85分にはハットトリックのチャンスがありながら、敢えてフリーのフェルナンド・フォレスティエリにパスを出したところにJDTの強さを改めて見た気がした試合でした。
 AFC選手権アジアカップ最終予選で滑り込みで本戦出場を獲得したマレーシア代表メンバーがこの試合では先発に5名、さらにベンチも5名が控えるJDTは、いわばA代表を外国籍選手で補強した国内最強クラブ。そのJDTは今季2度目のトランスファーウィンドウでは、昨季はKLシティでプレーしながら、シーズン終了後には新型コロナワクチン接種を拒否して退団、出身地の英国に帰国していたDFダニエル・ティン、そしてスペイン生まれで各年代代表でもプレー経験があるもの、祖母がインドネシア出身であることからインドネシア代表としてプレーすることを決めたジョルディ・アマト(ベルギー1部KASオイペンから加入)を獲得するなどえげつない補強を行っています。
 一方のPJシティはGKカラムラー・アル=ハフィズが好セーブを見せ、一方的に攻められながらも4失点で済んで良かった、という印象でした。

2022年6月28日(火)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリン・ジャヤ)
スランゴール 1-1 サバ
⚽️スランゴール:カイオン(3分)
⚽️サバ:サディル・ラムダニ(56分)
🟨スランゴール(4):ユーリ、シャルル・ナジーム、ヤザン・アル=アラブ、カイオン
🟨サバ(2):ゲイリー・スティーヴン・ロバット、バドロル・バクティアル
MOM:ブレンダン・ガン(ペナン)
 この試合も第7節の未消化試合です。
 先週の試合でJDTに1-5と完敗したスランゴールのミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督は、代表GKのカイルルアズハン・カリドに代えてサミュエル・サマーヴィル今季初先発させています。昨季オフにペナンから移籍したサマーヴィルにとってはこれがスランゴールでの初出場となっています。
 ここまで3連勝中のサバに対し、スランゴールは開始3分にサバDF陣のミスからその裏に抜け出たカイオンが今季11得点目(8試合)となるゴールを決めて先制します。その後も攻撃の手を緩めいないスランゴールはブレンダン・ガン、ユーリ、ムカイリ・アジマルと次々にシュートを放つものの得点には至らず、前半は1-0で終了します。
 防戦一方だったサバは57分に同点に追いつきます。AFC選手権アジアカップ最終予選でインドネシア代表に招集された後、チーム合流が遅れたことで非難されていたサディル・ラムダニがドリブルでスランゴールDF3名をかわして見事なゴールを決めて、試合は振り出しに戻りました。
 その後もスランゴール優勢で試合は進んだものの、結局、両チームとも無得点で試合は引き分けに終わっています。
 スランゴールにとって朗報は、この日はキャプテンマークを巻いたブレンダン・ガンがJDT戦に続き、中3日の強行日程にもかかわらず2試合連続でフル出場できたことではないでしょうか。昨季後半から精巣腫瘍の治療で練習もままならなかったガン選手が完全に復調したことで、ここからスランゴールの巻き返しに期待したいところです。
 一方、この試合が今季初の引き分けとなったサバは、2度目のトランスファーウィンドウでFWネト・ペソアに代えて獲得したFWジョゼ・エンバロ(29歳、ポルトガル出身、アルメニア1部アラシュケルトFCから加入)がこの試合でMリーグデビューを果たしています。リーグ優勝はもちろん、来季のAFC大会出場権獲得のためにも、まだ2試合を残しているJDTや、開幕戦で敗れているヌグリスンビランといった上位チームとの対戦に向けて、戦力補強に怠りなし、といったところでしょうか。
 サバの加賀山泰毅選手は先発して、フル出場しています。

2022年6月28日(火)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 0-0 ヌグリスンビラン
🟨トレンガヌ(1):パペ・ディアキテ
🟨ヌグリスンビラン(2):マテウス・アウヴェス、ハリズ・カマルディン
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
 この試合は第2節の未消化試合です。
 この試合前の順位が7位のトレンガヌは、この前の試合では最下位のペナンに今季初勝利を献上し、チームの連勝も3で止まっています。ここまでリーグ戦は6試合しか消化しておらず、試合数が少ないとはいえ、上位進出のためにはここから勝点を積み上げていきたいところです。
 一方のヌグリスンビランは、今季が1部スーパーリーグ昇格初年度ながら前半戦は好スタートを切り、直近の5試合を見てもスコアレスドロー2試合を含めて2勝2分1敗、得点5失点2、敗れたのは10分と異常に長い疑惑のロスタイムに失点して0-1と敗れたJDT戦のみです。
 そんな両チームの対戦は、予定通り9時キックオフとなったものの、直後の豪雨で70分間中断。再開後もボールが走らない劣悪なピッチで行われました。前半は両チームともゴール前で苦しみ、無得点で折り返し、後半はトレンガヌが優勢ではあったものの、代表でもプレーするヌグリスンビランGKシハン・ハズミの好守もあり、やはり無得点で終了しています。

2022年7月2日(土)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 1-1 JDT
⚽️マラッカ:ジャスティン・バース(39分)
⚽️JDT:レアンドロ・ヴァレスケス(27分)
🟨マラッカ(3):ソニー・ノルデ、ブライアン・シー、ワン・アミルル・アフィク
🟨JDT(2):レアンドロ・ヴァレスケル、マシュー・デイヴィーズ
MOM:ソニー・ノルデ(マラッカ・ユナイテッド)
 この試合は第6節の未消化試合です。
 16分にエースのベルグソン・ダ・シルヴァが足首を痛めて退場したJDTが、下位のマラッカ・ユナイテッドと引き分けで連勝が2でストップしています。

2022年7月5日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 2-0 スランゴール
⚽️マラッカ:イフェダヨ・オルセグン2(39分、57分)
🟨マラッカ(2):ファディル・イドリス、ワン・アミルル・アフィク
🟨スランゴール(2):ファズリ・マズラン、リッチモンド・テタ
MOM:ブライアン・シー(マラッカ・ユナイテッド)
 この試合は第8節の未消化試合です。
 昨季はスランゴールに在籍し26ゴール(22試合)を挙げてリーグ得点王を獲得したイフェダヨ・オルセグンは、今季開幕前にマラッカに移籍しましたが、この試合までは2ゴール(9試合)と期待通りの働きができていませんでした、そのオルセグン選手が古巣相手に2ゴールを挙げ、マラッカの勝利に貢献しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第11節一部終了時)

チーム勝点
1JDT87102442022
2NSE11551147720
3SAB9612168819
4KDA94231317-414
5KLC104151618-213
6SEL83322115612
7TRE731387110
8SWU113171126-1510
9PJC92341218-69
10MEL8224811-38
11SRP92261218-68
12PEN101451218-67
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第11節一部終了時)

ゴール数選手名所属
113ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
210カイオンSEL
37ロナルド・ンガKDA
7フェルナンド・フォレスティエリ
55エラルド・グロンNSE
5ダレン・ロックPJC
5マヌエル・イダルゴSRP
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第11節結果とハイライト映像

タイトルを第11節結果としましたが、6月22日から25日にかけて行われた4試合は第7節に予定されていながら順延されていたペナン対トレンガヌ、第5節に予定されていながらやはり順延されていたJDT対スランゴールの2試合が含まれており、第11節の試合はヌグリスンビラン対スリ・パハン、マラッカ・ユナイテッド対サラワク・ユナイテッドの2試合のみでした。また、クダとKLシティはいずれもAFCカップグループステージがいずれも6月24日から始まるため、今節は試合ありません。

2022年6月22日(水)@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 2-1 トレンガヌ
⚽️ペナン:ヒラル・エル=ヘルウェ(23分)、T・サラヴァナン(50分)
⚽️トレンガヌ:ファイサル・ハリム(48分)
🟨ペナン(2):ラファエル・ヴィトー、ファイザット・ガザリ
🟨トレンガヌ(0)
MOM:ヒラル・エル=ヘルウェ(ペナン)
 前節第10節のPJシティ戦ではMOMとなったエースのカサグランデが、その試合中に右頬骨を骨折し、手術は無事終了したものの、完治まで数ヶ月を要することが、この試合前にクラブの公式Facebookで報じられています。ここまでの9試合を0勝4分5敗と今季勝ち星がまだないペナンにとっては痛すぎるニュースが、しかもこの試合では3連勝中のトレンガヌと対戦ということで、この日も苦しい試合が予想されました。
 後半戦からペナンの指揮を取るザイナル・アビディン・ハサン監督の2試合目となったこの試合は、そんな予想に反してペナンがレバノン代表FWヒラル・エル=ヘルウェが今季5ゴール目となるシュートを決めて先制し、そのまま前半をリードして折り返します。
 後半に入ると好調のトレンガヌも反撃し、自陣からのカウンターからニック・シャリフ・ハセフィが一気にドリブルで持ち込み、ハビブ・ハルーンからのクロスをファイサル・ハリムが決めて48分にトレンガヌが追いつきます。
 しかしペナンも直後の50分に再びリードを奪います。ヒラル・エル=ヘルウェのシュートはトレンガヌGKスハイミ・フシンが止めたものの、詰めていたT・サラヴァナンがそのこぼれ球をゴール!その後はペナンDF陣の身体を張ったプレーやとGKハフィズル・ハキムの好セーブなどもあり、1点差を守り切ったペナンが今季初勝利を挙げるとともに、ザイナル監督にとっても就任後2試合で初勝利となりました。
 なおペナンはこの試合後、手術を受けたカサグランデに代わるストライカーとして香港リーグでプレー経験があるルーカス・シルヴァ(ブラジル)をトランスファーウィンドウ最終日に獲得しています。
 敗れたトレンガヌですが、目立ったのはスランゴールから期限付きで移籍してきたニック・シャリフ・ハセフィのプレーでした。後半からの出場だったこの試合では得点に絡んだだけでなく、右サイドから何度も攻撃の起点となるなど、次戦からは先発も期待できそうな好プレーを連発していました。

2022年6月24日(金)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 5-0 スランゴール
⚽️JDT:ベルグソン・ダ・シルヴァ2(3分、54分)、フェルナンド・フォレスティエリ(24分)、レアンドロ(35分)、モハマドゥ・スマレ(90+2分)
⚽️スランゴール:ノル・ハキム(82分)
🟨JDT(3):ナチョ・インサ、アリフ・アイマン、アフィク・ファザイル
🟨スランゴール(3):ファズリ・マズラン、ムカイリ・アジマル、サフワン・バハルディン
MOM:ラヴェル・コービン=オン(JDT)
 AFC選手権アジアカップ2022年最終予選では、マレーシア人選手のほぼ全員が代表に参加していたJDTですが、長期間にわたりチームから離れていたことを全く感じさせないプレーを各選手が見せて、スランゴールを文字通り完膚なきまでに叩きのめしています。またこの日の勝利で、ベンヤミン・モラ監督はJDT監督として通算100勝(145試合)を飾っています。
 およそ2ヶ月ぶりの試合となった前節のサラワク・ユナイテッド戦では7-0と圧勝したスランゴールは、2017年シーズン以来のJDT戦勝利が期待されていましたが、それどころから2020年の1-6で敗れて以来の大敗となりました。これでスランゴールのJDTとの戦績は2018年から0勝3分10敗となりました。

2022年6月25日(土)@スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
ヌグリスンビラン 3-0 スリ・パハン
⚽️ヌグリスンビラン:グスタヴォ(35分)、ヤセル・ピント(48分)、マテウス・アウヴェス(53分)
🟨ヌグリスンビラン(0)
🟨スリ・パハン(2):マヌエル・イダルゴ、バキウディン・シャムスディン
MOM:ヤセル・ピント(ヌグリスンビラン)
 トランスファーウインドウ期間に加入したグスラヴォ、ヤシル・ピントを含め外国籍選手3名のゴールでヌグリスンビランが快勝、4試合ぶりの勝利を挙げています。
 昨季はJ3の鹿児島ユナイテッドに在籍したものの目立った活躍ができなかったグスタヴォがこに日の先制ゴールを決まると、2年ぶりにMリーグに復帰した元チリU20代表、そしてパレスチナ代表の経験もあるヤシル・ピントが追加点を決めています。この勝利でヌグリスンビランは今節は試合のなかったサバを抜いて、2位に再浮上しています。
 今季2度目のトランスファーウィンドウで外国国籍選手3名を入れ替えたスリ・パハンですが、ヌグリスンビランとは対照的にすぐには結果が出ず、降格圏内となる11位に転落しています。

2022年6月25日(土)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ・ユナイテッド 2-3 サラワク・ユナイテッド
⚽️マラッカ:ソニー・ノルデ(18分)、シャズワン・アンディック(35分)
⚽️サラワク:ゴンサロ・ソト2(23分、61分)、フランシス・コネ(90+2分)
🟨マラッカ(1):アドリアーノ
🟨サラワク(1):ラジャ・イムラン・シャー
MOM:フランシス・コネ(サラワク・ユナイテッド)
 B・サティアナタン監督が「健康上の理由」から辞任し、S・バラチャンドラン新監督が就任したサラワク・ユナイテッドが、前節の0-7の大敗から一転、ロスタイムの劇的ゴールで試合ぶりの勝利を挙げています。サラワクの2点目、そしてロスタイムでのサラワクのペナルティーエリアでマラッカのイフェダヨ・オルセグンが倒された場面はいずれもファールのように見えましたが、判定は覆らず、この試合の勝利でサラワク・ユナイテッドは順位を最下位から7位へと順位を上げています。
 退団を表明していたソニー・ノルデが残留したマラッカ・ユナイテッドはそのソニー・ノルデのゴールで先制すると、一旦は追いつかれたものの再び逆転しましたが、後半に2失点し、順位を一つ下げて10位に転落しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第11節終了時)

チーム勝点
1JDT76102041619
2NSE10541147719
3SAB8602157818
4NSE9441117416
5KDA94231317-414
6KLC104151618-213
7SEL73222014611
8SWU103171126-1510
8TRE63038719
9PJC82331214-29
10MEL8224811-38
11SRP102261218-68
12PEN101451218-67
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第11節終了時)

ゴール数選手名所属
111ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
28カイオンSEL
37ロナルド・ンガKDA
45エラルド・グロンNSE
5ダレン・ロックPJC
5マヌエル・イダルゴSRP
5ヒラル・エル=ヘルウェPEN
5フェルナンド・フォレスティエリ
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

Mリーグ1部スーパーリーグ
2022年シーズン第10節結果とハイライト映像

A代表が出場したAFC選手権アジアカップ最終予選、そしてU23代表が出場したAFC U23アジアカップのため中断していたMリーグ1部スーパーリーグがおよそ1ヶ月ぶりに再開しました。中断期間中には、今年2度目のトランスファーウィンドウ期間が開いたこともあり、メンバーの顔ぶれが変わったチームあります。

なお今節予定されていたクダ対JDTの試合は、6月24日からインドネシアのバリ島で始まるAFCカップG組に出場するクダの要望により延期されています。
(各試合のハイライト映像は、MFLの公式YouTubeチャンネルより)

2022年6月18日(土)@シティスタジアム(ペナン州ジョージタウン)
ペナン 1-1 PJシティ
⚽️ペナン:カサグランデ(83分)
⚽️PJシティ:S・クマーラン(36分)
🟨ペナン(1):シュクリ・ハミド
🟨PJシティ(2):アルーン・クマル、グルサミー・カンダサミー
MOM:カサグランデ(ペナン)
 アジアカップ最終予選のバングラデシュ戦でゴールを決めたダレン・ロックがベンチ外、同じく今回のアジアカップ最終予選で代表デビューを飾ったV・ルヴェンティランも先発から外れるなど、主力を欠く布陣でこの試合に臨んだPJシティが先制しました。36分に¥S・クマーランが放ったシュートがペナンDFのクリスティアン・ロンティーニの頭に当たって角度が変わってゴール!それまでも試合を押し気味に進めていたPJシティが先制しました。
 前半戦を0勝4分5敗の最下位で終えたペナンは、前半戦からの連敗を5に伸ばすのかと思われた83分に、それまでもシュートを放ちながらゴールにつながらなかったカサグランデがついにゴール!この試合から指揮を取るザイナル・アビディン・ハサン監督が貴重な勝点1を獲得しています。

2022年6月18日(火)@ハン・ジェバスタジアム(マラッカ州マラッカ)
マラッカ 0-0 ヌグリスンビラン
🟨マラッカ(1):ジャスティン・バース
🟨ヌグリスンビラン(2):サイフル・リズワン、ヤシル・ピント
MOM:ソニー・ノルデ(マラッカ・ユナイテッド)
 母国ガーナに帰国中のエースのエマヌエル・オティがチームに合流できていないマラッカと、不振の外国籍FWを入れ替えたヌグリスンビランの対戦は決め手を欠く試合となり、スコアレスドローで終わっています。
 なお、この試合で主将を務めたソニー・ノルデは、この試合を最後に退団することを発表しています。現ペナン監督のザイナル・アビディン・ハサン前監督が残留することを条件に、契約を延長したノルデ選手は、その約束を反故にされたことを対談の理由に挙げています。
 一方のヌグリスンビランは前半戦の好調を維持するため、昨年はJ3の鹿児島ユナイテッドでプレー(リーグ戦出場5試合、天皇杯出場1試合でいずれもゴールなし)2020年にはUITMでプレーし8試合で6ゴールを挙げたグスタヴォ(ブラジル)と、昨季はコーンケン・ユナイテッド(タイ1部)でプレーし、それ以前にはマラッカ、ペラなどでもプレー経験があるチリ生まれのヤシル・ピント(パレスチナ)を獲得していますが、この試合ではいずれも不発でした。

2022年6月18日(土)@リカススタジアム(サバ州コタキナバル)
サバ 2-1 スリ・パハン
⚽️サバ:ネト・ペソア(10分)、加賀山泰毅(18分)
⚽️パハン:マヌエル・イダルゴ(60分PK)
🟨サバ(1):ラウィルソン・バトゥイル
🟨パハン(1):バクイディン・シャムスディン
MOM:加賀山泰毅(サバ)
 前半戦からの連勝を3に伸ばしたサバが、試合数が少ないJDTを抑えて今季初の1位に浮上しています。
 10分にペソア・ネトのゴールで先制したサバは、18分には加賀山泰毅選手4名のDFに囲まれるもそれをドリブルでかわしてゴール!この加賀山選手のリーグ戦初ゴールが決勝点となっています。その後もサバは、PKを主将のバドロル・バクティアル、そしてネト・ペソアが外すなど得点機を活かせなかったものの、8試合で勝点18となり、6試合で勝点16のJDTの抜いて今季初の首位となっています。
 リーグ中断期間中の今季2度目のトランスファーウィンドウでは、外国籍選手3名を入れ替えるなど、最も積極的い動いたスリ・パハンは新加入のFWスティーヴン・ロドリゲス(コロンビア)、MFケヴィン・イングレッソ(フィリピン)、DFシェルゾド・ファイジエフ(ウズベキスタン)、MFミオール・ダニ・アルミン(ケランタンから期限付き移籍)を起用していますが、少なくともこの試合では結果を残せませんでした。
 今季2度目のマンオブザマッチMOMとなった加賀山泰毅選手は先発して90+4分に交代しています。

2022年6月18日(土)@スルタン・ミザン・ザイナル・アビディンスタジアム(トレンガヌ州ゴン・バダ)
トレンガヌ 2-0 KLシティ
⚽️トレンガヌ:ハビブ・ハルーン(51分)、マヌエル・オット(76分)
🟨トレンガヌ(3):パペ・ディアキテ、アザム・アズミ、ファイサル・ハリム
🟨KLシティ(4):ザフリ・ヤハヤ、パウロ・ジョズエ、カマル・アジジ、アクラム・マヒナン
MOM:ファイサル・ハリム(トレンガヌ)
 主力選手が東南アジア競技大会通称シーゲームズとAFC U23アジアカップに出場したことで、4月22日以来およそ2ヶ月近く試合のなかったトレンガヌは、開幕時に新型コロナ陽性者が出たために複数の試合が延期となり、今節が第10節ながらこの試合が今季5試合目。それでも代表戦から戻ったファイサル・ハリムや外国籍選手の活躍で前半戦から続く連勝を3に伸ばし、さらに3試合連続無失点と、上位進出が見えてきました。
 一方のKLシティはこの日の敗戦で4勝1分5敗と黒星先行なりましたが、今季わずか1得点のFWケヴィン・クベンバに代わり、昨季のMリーグ2部プレミアリーグ得点王のジョーダン・ミンターがトレンガヌから期限付き移籍する事が明らかになっています。KLシティが出場するAFCカップは今週から始まりますが、この補強が功を奏すかどうかは初戦のPSMマカッサル戦で明らかになりそうです。

2022年6月19日(日)@MBPJスタジアム(スランゴール州プタリンジャヤ)
スランゴール 7-0 サラワク・ユナイテッド
⚽️スランゴール:ブレンダン・ガン(7分)、ヒラル・エル=ヘルウェ(76分)
🟨スランゴール(2):ミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督、アレグザンダー・アジャルカワ
🟨サラワク(4):アスリ・チュチュ、スチュアート・ウォーク、シャルビニー・アラウィー、ノー・アジジ・ラムリー
MOM:カイオン(スランゴール)
 トレンガヌと同様に、主力選手が東南アジア競技大会通称シーゲームズとAFC U23アジアカップに出場したことで、4月29日以来およそ2ヶ月近く試合のなかったスランゴールは。精巣腫瘍の治療のため、昨季途中からチームを離れていたブレンダン・ガンがほぼ1年ぶりに今季初先発しています。ガン選手の復帰でチームのムードが高まる中、7分にはそのガン選手自身がこの試合初得点を挙げると、そこからはスランゴールが怒涛のゴールを決め、カイオンがハットトリックを決めるオマケまでつきました。ガン選手は体調が万全ではないと試合前にミヒャエル・ファイヒテンバイナー監督が話していたこともあり、ガン選手は前半で交代しましたが、リーダー不在で後半失速したチームにとってガン選手の復帰は大きな戦力となりそうです。
 サラワク・ユナイテッドは、ウチェ・アグバとボリス・コックがケガのためベンチを外れ、フランシス・コネもベンチスタートと外国籍選手不在が響き、今季リーグ最多失点となる大敗を喫しています。

2022年シーズン スーパーリーグ順位表(第10節終了時)

チーム勝点
1SAB8602157818
2JDT65101531216
3NSE9441117416
4KDA94231317-414
5KLC104151618-213
6SEL63211991011
7TRE53027529
8PJC82331214-29
9MEL722368-28
10SRP92251215-38
11SWU9217824-167
12PEN90451017-74
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

2022年シーズン スーパーリーグ 得点ランキング(第10節終了時)

ゴール数選手名所属
18ベルグソン・ダ・シルヴァJDT
8カイオンSEL
27ロナルド・ンガKDA
45エラルド・グロンNSE
5ダレン・ロックPJC
5マヌエル・イダルゴSRP
KDA-クダ・ダルル・アマン、NSE-ヌグリスンビラン、PJC-PJシティ、SEL-スランゴール、KLC-KLシティ、TRE-トレンガヌ、SRP-スリ・パハン、PEN-ペナン、SWU-サラワク・ユナイテッド、SAB-サバ、MEL-マラッカ・ユナイテッド

5月25日のニュース
東南アジア競技大会-PK戦敗退のマレーシアはメダルを逃す
JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表
アセアン選手権のスポンサーがスズキ自動車から三菱電機へ-今年末の大会から大会名称も三菱電機カップに

来月、クアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ最終予選を前に、2試合の国際親善試合が予定されていますが、初戦の相手がミャンマーからブルネイとなることが発表されています。最新のFIFAランキングで154位のマレーシアにとって、同152位のミャンマーはちょうど良い相手だったのですが、それが同166位のブルネイに代わった背景には、マレーシア政府がミャンマーの軍事政権に反対する「国家統一政府(NUG)」の外相と会談したことが背景にあるかも知れません。

マレーシア、ミャンマーの両国も加盟する東南アジア諸国連合ASEAN加盟国の閣僚として初めて、マレーシアのサイフディン・アブドラ外相がNUGのジン・マー・アウン外相とアメリカのワシントンD.C閣僚と会談し、人道支援やミャンマー難民の支援などについて協議したことが報じられています。当時、ワシントンD.C.では、米国とASEANのサミットが開催されており、ASEANはミャンマーの軍事政権代表者のサミット出席を拒否していました。

NUGをテロ組織としている軍事政権にとって、国際社会では承認を得られていないNUGとのみ協議を行うことを表明しているマレーシアとは代表戦は行えない、といったところかも知れません。

ちなみにマレーシア代表とブルネイ代表が最後に対戦したのは、U23代表の対戦になる前の東南アジア競技大会通称シーゲームズ1999年大会と20年以上も前のことでした。隣国ながらこれほど長い間対戦がなかったのも驚きですが、ブルネイで開催されたこの1999年のシーゲームズでは、マレーシア代表はブルネイ代表を2-0で破っています。

東南アジア競技大会-PK戦敗退のマレーシアはメダルを逃す

5月22日に開催された東南アジア競技大会シーゲームズの3位決定戦で、マレーシアU23代表はインドネシアU23代表と対戦しました。

この日の先発XIは、準決勝で負傷したGKアズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)に代わり、ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が今大会初先発し、またFWルクマン・ハキム(KVコルトレイク-ベルギー1部)に代わり、本来はDFながらこの大会では中盤で起用されているサフワン・マズラン(トレンガヌII)が起用されました。

準決勝ではいずれも延長120分を戦っていた両チームですが、強烈なライバル関係もあってか、試合は疲労の後も見せず開始直後から激しくぶつかり合います。しかしマレーシアのラーディアズリ・ラハリム、インドネシアのエルナンド・アリの両GKの好セーブやゴールポストなどに阻まれ、前半は0-0で終了します。

後半に入ってもゴールシーンがないまま試合が進んだ70分、A代表でもプレーする、シン・テヨン監督の「秘蔵っ子」17歳のFWロナルド・クワテのゴールでインドネシアが先制しました。しかし、マレーシアも80分にハディ・ファイヤッド(アスルクラロ沼津-J3)が今大会3得点目となるゴールを決めてすぐに同点に追いつきます。

その後は両チームとも得点できないまま90分を終え、1-1と決着がつきませんでした。今大会では3位決定戦は延長戦はなく、PK戦が採用されており、銅メダルを賭けてのPK戦が始まりました。先攻のマレーシアは1人目のハディ・ファイヤッドがGKに止められたものの、インドネシアも1人目のアスナウィ・マンクアラムがゴールポストに当てて外しタイ、しかしマレーシアは3人目のルクマン・ハキムが枠を捉えられず、インドネシアは残る3選手が全員決めて、結局、3-4でインドネシアに敗れて、2017年のクアラルンプール大会以来となる2大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

東南アジア競技大会2021年大会
3位決定戦
5月22日(日)
ミーディン国立競技場(ハノイ-ベトナム)
インドネシア 1-1 マレーシア(PK戦 4-3)
⚽️インドネシア:ロナルド・クワテ (70分)
⚽️マレーシア:ハディ・ファイヤッド(80分)
🟨インドネシア(0)
🟨マレーシア(0)
(下はマレーシアU23代表とインドネシアU23代表の先発XIとこの試合のハイライト映像。今回はマレーシア視点、インドネシア視点、そしてシンガポールのメディアによる中立視点で見て下さい。マレーシア視点の映像はアストロアリーナ、インドネシア視点の映像はインドネシアのTV局RCTI、そして中立視点はシンガポールのメディアコープの各公式YouTubeより)

https://youtu.be/PGNhJDq2IpU

東南アジア競技大会2021年大会
決勝
5月22日(日)
ミーディン国立競技場(ハノイ-ベトナム)
ベトナム 1-0 タイ
⚽️ベトナム:マン・ドゥン・ニャム (83分)
🟨タイ(0)
🟨インドネシア(0)

インドネシア対マレーシアの3位決定戦の後に行われた決勝では、地元ベトナムがタイを破り金メダルを獲得し、前回2019年フィリピン大会に続く2連覇を達成しています。
(映像はシンガポールのメディアコープの公式YouTubeより)

https://youtu.be/-r2WIWdBH6c
JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTは、クラブ公式Facebook上で、同じスーパーリーグのクダに期限付き移籍してた代表FWのシャフィク・アフマドが、5月28日からのトランスファーウィンドウ期間にJDTに復帰することを発表しています。

2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア予選から代表に招集されながら、新型コロナ禍の中でJDTではセカンドチームでもベンチ入りできなくなっていたシャフィク選手は、出場機会を得るために当初は1年間の期限付きでクダへ移籍と発表されていました。しかし、5月20日に発表された突然すぎるこの期限付き移籍終了については多くの憶測が飛び交っています。

ソーシャルメディアで話題になっているのは、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシKFA(クダ州サッカー協会)会長のJDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下に対する発言が今回の移籍期限の短縮の原因ではないか、という憶測です。

これまでもJDTやトゥンク・イスマイル殿下に批判的なコメントをすることが少なくなかったモハマド・サヌシKFA会長ですが、今回は「サッカーは皆のものであり、特定の個人のものではない。ましてや特定の個人を「崇拝」するべきではない。この国のサッカー界では非常に奇妙なことが何度も起こっており、マレーシアサッカー協会FAMがこれにどう対処するかに皆の関心が集まっている。」とソーシャルメディアに投稿し、さらにその一例としてヌグリスンビラン対JDT戦で試合が0-0の中、主審がロスタイムを10分間とったことを挙げています。

ソーシャルメディア上では、MリーグがJDTに有利になるように操作されているかのようなモハマド・サヌシKFA会長の発言に対して、イスマイル殿下が報復した結果がシャフィク選手の期限付き移籍終了だという指摘です。

クダのクラブ公式Facebookには、「JDTには有り余るほど選手がおり、今、シャフィク選手を呼び戻す必要はない。モハマド・サヌシKFA会長が余計なことを言わなければ、JDTは移籍期間を突然終了させることはなかっただろう。」といった類の投稿が見られる一方で、「JDTはまさに真実を指摘されたために傷ついた。モハマド・サヌシKFA会長の発言は間違っておらず、他のクラブも同様な考えを持ちながら、それを口にする勇気がないだけの話である。それを明らかにしたモハマド・サヌシKFA会長こそが正しい。」といった意見も見られます。

しかし今回の期限短縮は誰にとってもマイナスでしかないように思えるのも事実です。当初の希望通り出場機会を得ていたシャフィク選手は、JDTに戻れば、またベンチを温めることになりそうです。またAFCカップをおよそ1ヶ月後に控えるクダにとっては、引退を決めたDFチャン ソグォン、アキレス腱を痛めて今季絶望のFWデニス・ブシェニングと既に戦力ダウンとなる中、今季は2ゴールながら主力として第9節までのクダの試合全てに出場していたシャフィク選手を失うのは、アイディル・シャリン監督とクダにとって大打撃です。その原因はともかく、誰も得をしない今回の期限付き移籍終了の最大の被害者はシャフィク選手かも知れません。

アセアン選手権のスポンサーがスズキ自動車から三菱電機へ-今年末の大会から大会名称も三菱電機カップに

東南アジアサッカー連盟AFFは公式サイト上で、AFF選手権の冠スポンサーが三菱電機となることを発表しています。これにより今年2022年に開催が予定されている第14回AFF選手権の名称も「AFF三菱電機カップ」と変更になるということです。

1996年に始まったAFF選手権は、ブルネイ、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピンのAFF創設メンバー6ヵ国とカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの招待国4ヵ国の計10ヵ国が参加して第1回大会が開かれています。なおこの第1回大会から2004年の第5回大会までは、タイガービールを製造販売するシンガポールのアジアパシフィックブルワリーがスポンサーとなり、「タイガーカップ」の名称で開催されています。

アジアパシフィックブルワリーズ社がスポンサーを降りた後の2007年の第6回大会はAFF選手権のみの名称で開催されたものの、2008年の第7回からはスズキ自動車がスポンサーとなり「スズキカップ」として昨年2021年末の第13回まで開催されています。