6月2日のニュース
国際親善試合-マレーシアは香港に勝利
シャーミ・サファリが手術のため代表離脱
ペナンの新監督にザイナル前マラッカ・ユナイテッド監督が就任

6月8日から始まるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終第3次予選のE組は、マレーシア、バーレーン、トルクメニスタン、バングラディシュの4カ国が出場してクアラルンプールで開催されますが、その先陣を切って昨日6月1日にトルクメニスタンとバーレーンがクアラルンプール入りしています。

トルクメニスタンはマレーシア入り前の5月27日にタイと試合を行い0-1で敗れています。またバーレーンは5月27日にミャンマーに2-0、一昨日5月31日にはタイに2-1と東南アジアのチームに連勝しています。のこうもう一つのチームであるバングラディシュは昨日、インドネシアにスコアレスドローと、各国とも最終第3次予選に向けた準備を進める中、FIFAランキング154位のマレーシアも先日のブルネイ戦に続き、昨日はキム・パンゴン監督がかつて指揮を取った同147位の香港代表との試合に臨みました。

国際親善試合-マレーシアは香港に勝利も士気高揚以外に見所なし

この試合でキム・パンゴン監督は、先週のブルネイ戦からDFディオン・クールズとMFシャマー・クッティ・アッバ以外の8名を入れ替えた先発XIを選択しています。
GKファリザル・マーリアス(JDT)
DFマシュー・デイヴィーズ(JDT)
DFシャールル・サアド(JDT)
DFディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)
DFラヴェル・コービン=オン(JDT)
MFシャマー・クティ・アッバ(JDT)
MFアザム・アジー(スリ・パハン)
FWサファウィ・ラシド(JDT)
FWアリフ・アイマン(JDT)
FWダレン・ロック(PJシティ)
FWアキヤ・ラシド(JDT)

先発11名中8名がJDT、しかも元JDTのダレン・ロックとトランスファーウインドウ期間中にJDT移籍が噂されるアザム・アジーという布陣に対し、マレーシア同様、アジアカップ予選を控えるにもかかわらず、国内リーグの中断が長かった香港は明らかに動きが悪く、ブルネイ戦に続き、この試合もマレーシアが終始圧倒する試合になりました。

個人的には推しのダレン・ロックに両サイドのアキヤ・ラシドとアリフ・アイマンがボールを供給し、サファウィ・ラシドはダレン・ロックをサポートしながらも自由に動き回れるこのFW陣は良く機能し、この日の香港が相手ならもっと得点を挙げても良かったはずですが、前半はアキヤ・ラシドが倒されて得たPKをサファウィ・ラシドが決めた1点のみでした。

後半に入ると、キム監督はギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、サフィク・ラヒム(いずれもJDT)、ファイサル・ハリム(トレンガヌ)を投入してさらにゴールを目指すも、この抗体では何も起こらず、後半もやはりファイサル・ハリムが倒されて得たFKが相手DFに当たってゴールとなっただけで、流れの中でのゴールは奪えませんでした。ちなみにこのFKを蹴ったサフィク・ラヒムは2014年のタイ戦以来となる8年ぶりの代表ゴール(通算16点目)でした。

ブルネイ、香港に連勝したものの両チームとも明らかに動きが悪く、そんな相手に2点しか挙げられなかったことが逆に不安です。この試合と並行しながら、同時刻に行われていたインドネシア対バングラディシュ戦もネット観戦しましたが、バングラディシュはブルネイや香港とは比べ物にならないほど当たりが激しく、アジアカップ予選は今回の国際親善試合のようにいかないことは明らかです。

そしてこの試合、最も強く感じたのはアキヤ・ラシドやサファウィ・ラシド、シャマー・クティ・アッバに所属するJDTでもっとプレー時間が与えられれば…ということでした。代表選手ながらJDTでは控えとなっている彼らがもっとプレー時間を与えられればもっと良い選手になるのではないかという思いでいっぱいでした。見ているこちらが楽しくなるようなアキヤ・ラシドのドリブル、サファウィ・ラシドの左足からの強烈なシュート、シャマー・クティ・アッバの試合を冷静に読む力は、今のJDTでの使われ方は文字通り宝の持ち腐れです。

6月1日(水)国際親善試合@ブキ・ジャリル国立競技場(クアラルンプール)
マレーシア 2-0 香港
⚽️マレーシア:サファウィ・ラシド(31分PK)、サフィク・ラヒム(90分)

(下はマレーシアと香港の先発XIと試合のハイライト映像。映像はスタジアムアストロのYouTubeより。

シャーミ・サファリが手術のため代表離脱

アジアカップ最終第3次予選に向けて最後の調整に余念がないマレーシア代表にとっては痛いニュースです。先日のブルネイ戦にも先発したシャーミ・サファリ(JDT)が代表チームから離れることを、マレーシアサッカー協会FAMが公式Facebookで告知しています。

これによると、健康状態が良くないシャーミ選手に健康診断を受けさせたところ、頭痛や蓄膿(ちくのう)を引き起こす副鼻腔炎(ふくびくうえん)の疑いがあると言う診断結果が出たと言うことです。なお治療が必要ということで代表を離脱することが発表されたシャーミ選手ですが、所属するJDTはその後、シャーミ選手が本日、副鼻腔炎の手術を受けることを発表しています。

シャーミ選手の離脱により、アジアカップ予選に向けた代表候補は29名となりました。

ペナンの新監督にザイナル前マラッカ・ユナイテッド監督が就任

Mリーグ1部スーパーリーグで唯一、まだ今季勝ち星がないペナンは、トマス・トルチャ監督との契約解除し、マンズール・アズウィラ コーチを監督代行としたものの、マンズール代行監督も0勝2敗と状況は改善していません。

そのペナンが、ザイナル・アビディン・ハサン監督の就任をクラブ公式Facebookで発表しています。なおザイナル監督は今季終了まで指揮を取るということです。ザイナル監督はt2017年と2018年シーズンに前身のペナンFAの監督を務めたこともあり、今回が再登板となりますが、2017年は1部スーパーリーグで最下位12位となり2部降格、翌2018年は2部プレミアリーグで10位と前回は結果を残せませんでした。

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ペナン監督退任後、2019年シーズンから3季連続で監督を務めたマラッカ・ユナイテッドでは6位、9位、8位と満足のいく結果は残せなかったものの、給料未払い問題により勝点剥奪処分を3季連続で受け、シーズン途中で選手が退団するなど、ザイナル監督自身では何もできない環境の中、選手から支持され、選手のモチベーションを高く維持したことで、クラブの2部プレミアリーグ降格を防いだ功績は評価されるべきものです。モチベーションという点ではおそらく最低の段階にいるペナンにとっては、ザイナル新監督という人選はうってつけではないでしょうか。


6月1日のニュース
サッカー協会はU23アジアカップの準決勝進出目標を撤回
JDTはACLに向けて大型補強を敢行か
スリ・パハンもFIFAの規定を使った帰化選手を獲得か

サッカー協会はU23アジアカップの準決勝進出目標を撤回

本日6月1日にウズベキスタンで開幕するAFC U23アジアカップにはマレーシアU23代表も出場しますが、当初、マレーシアサッカー協会FAMは準決勝出場(!)を今大会の目標に挙げていましたが、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアによると、FAMは大会直前となった現在、この目標を撤回しているようです。

今大会ではマレーシアは、前回2020年大会優勝チームの韓国、各国のU23代表が出場して先月、開催された東南アジア競技大会通称シーゲームズの優勝チームのベトナムと準優勝チームのタイと同じC組に入っていますが、FAMはこれらの国と同組のグループステージを突破し、さらに準々決勝にも勝利して準決勝に進出することを目標に上げていました。

客観的に見ればグループステージ突破すら容易ではないこのC組にもかかわらず、高い目標を上げていたFAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は「準決勝進出と言う目標は撤回する。今大会はアジアの他のチームと対戦して経験を積む良い機会になることを望んでいる。」と一転してトーンダウンしています。

この目標転換についてサイフディン事務局長は、U23代表の現在の実力に基づいた現実的な目標を設定し直しただけだと述べています。「FAMはU23代表に対して悲観的になっているわけではなく、身の丈にあった目標を設定し直しただけだ。」と話したサイフディン事務局長は、目標がどうであれチームには全力を尽くすことを求めたいと話しています。

なお2018年大会に続いて2度目の出場となるマレーシアは6月2日に韓国、6月5日にタイ、そして6月8日にベトナムと対戦します。

JDTはACLに向けて大型補強を敢行か

Mリーグ1部スーパーリーグ首位のJDTは、トランスファーウィンドウで新たな戦力補強を行うことを発表しています。先日テクニカルディレクターのアリスター・エドワーズ氏の名前でクラブ公式Facebookに投稿された内容は、マレーシア人選手2名、外国籍選手2名を新たに獲得すると言う内容です。

この投稿後に俄然、注目が集まっているのが、今季は英国3部のピーターバラ・ユナイテッドでプレーした20歳のMFコービー・ジェー・チョンです。英国生まれながらマレーシア人の父親を持つコービー選手は、マレーシア人選手として登録でき、また来季の契約が更新されなかったことが明らかになっています。

JDTは昨季、英国1部EPLのウルヴァーハンプトン・ワンダラーズU23から、やはり英国生まれながら母親がマレーシア人のナタニエル・シオ・ホンワンを獲得しており、似たような経歴を持つコービー選手の獲得は可能性が高そうです。

また別のメディアでは、スリ・パハンでプレーするMFアザム・アジー、ヌグリスンビランでプレーするDFクザイミ・ピーの両代表選手もこのトランスファーウィンドウでJDTに移籍するのでは、と言った噂もあります。

さらに大穴的な予想として、2017年から昨季までJDTでプレーしたFWゴンザロ・カブレラが、同一国で5年連続プレーすることで帰化選手として登録が可能となるFIFAの規定を利用して帰化し、マレーシア人選手としてJDTの戻ってくると言う噂もあります。アルゼンチン出身でイラク国籍を持つカブレラ選手は、JDT在籍5年間で90試合に出場し、クラブ史上最多となるリーグ通算ゴール43ゴールを挙げていますが、昨季終了後は退団していました。

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悲願のACLグループステージ突破を成し遂げたJDTは、浦和レッズとの対戦が決まっている準々決勝に向けて、かつてない補強を行いそうですが、これによりますますJDTの代表チーム化が進む一方で、帰化選手と外国籍選手だけのチーム編成にも近づきそうです。ACLでマレーシアのクラブが躍進してくれれば、それは喜ばしいことですが、このような強化方針によって国内出身選手の機会は減るわけで、マレーシアのサッカー全体にとってみるとマイナスの影響もありそうです。

スリ・パハンもFIFAの規定を使った帰化選手を獲得か

Mリーグ1部スーパーリーグでここまで2勝2分4敗の8位のスリ・パハンも、JDT同様に帰化選手の獲得が近いと、サッカー専門サイトのヴォケットFCが伝えています。

英国出身のリー・タックとアルゼンチン出身のエセキエル・アグエロは、スリ・パハンが既に帰化手続きを進めている選手で、6月24日のトランスファーウィンドウ期間最終日までにはその手続きが完了しそうだと、この記事では述べられています。

33歳のタック、28歳のアグエロの両選手は、父母や祖父母にマレーシア人はいませんが、いずれも2017年シーズンからMリーグでプレーしており、FIFAが規定する「同一国に5年間以上継続して居住する」という帰化選手登録のための条件を満たしていることから、今年に入って帰化手続きが進められていました。

スリ・パハンはこれ以前にもガンビア出身のモハマドゥ・スマレ(現JDT所属)を帰化させてマレーシア人選手として登録した実績もあります。

国内クラブだけでなく、マレーシアサッカー協会FAMも代表チーム強化のための「帰化選手養成プログラム」の一環として、ブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラとコソボ出身のリリドン・クラスニキ(いずれもJDT所属)の帰化申請を行い、両選手は昨年2021年に晴れてマレーシア代表選手としてデビューしています。しかし、両選手はFIFAワールドカップ2022年大会予選などで「帰化選手」として期待されていたほどの活躍が見せられずが、FAMには批判が殺到、その結果としてFAMは「帰化選手養成プログラム」の凍結を発表する事態となっています。

しかしその一方で、FAMはMリーグのクラブによる所属選手の帰化申請についてはこれを阻むことはしないことも表明しており、タック、アグエロ両選手の帰化には特に障害はありません。

JDTも今季はスーパーリーグのペナンでプレーするブラジル出身で27歳のエンドリックを来季獲得し、帰化申請を行うことを明らかにしており、Mリーグは今後も帰化選手が続々と誕生しそうです。

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Mリーグには、マレーシア国外で生まれ育ちながら、父母や祖父母がマレーシア人であることから帰化してマレーシアパスポートを取得する「ハイブリッド」と呼ばれる帰化選手と、上記のタック、アグエロ両選手のように5年間滞在後に申請を行って帰化する帰化選手の2つのタイプの帰化選手が存在します。

JDTで言えば、ラベル・コービン=オン、マシュー・デイヴィーズ、ナチョ・インサ、ナタニエル・シオ・ホンワンが「ハイブリッド」帰化選手、ギリェルメ・デ・パウラ、リリドン・クラスニキ、そしてモハマドゥ・スマレがFIFA規定による帰化選手です。特にハイブリッド帰化選手は、2010年代後半から増え続けており、今季もブレンダン・ガン、クェンティン・チェン、サミュエル・サマーヴィル(いずれもスランゴール)、デヴィッド・ロウリー、ニコラス・スウィラッド(いずれもスリ・パハン)、ドミニク・タン(サバ)、ダレン・ロック(PJシティ)がおり、またマレーシア国外でプレーする代表選手にはディオン・クールズ(ベルギー1部SVズルテ・ワレヘム)やジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリー)がいます。

5月31日のニュース
U23アジアカップ-マロニー監督はムカイリ・アジマルとニック・アキフを大会のキーマンに指名
クダはトランスファーウィンドウで中東出身選手を獲得か
アセアン女子選手権のグループ分け決定-マレーシアは王者タイやオーストラリアと同組に

U23アジアカップ-マロニー監督はムカイリ・アジマルとニック・アキフを大会のキーマンに指名

いよいよ今日6月1日にウズベキスタンのタシケントで開幕するAFC U23アジアカップ。この大会ではグループステージC組に入っているマレーシアの初戦は明日6月2日の韓国戦となりますが、ブラッド・マロニー監督はムカイリ・アジマル(スランゴール)とニック・アキフ(トレンガヌ)の両選手をこの大会のキーマンと考えていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

「現時点では先発XIは固定せず、それぞれの試合に向けて23名の選手から先発メンバーを選ぶつもりだが、ムカイリとニックは鍵になる選手なので、全ての試合で先発することになるだろう。」と述べたマロニー監督は、それぞれの選手が対戦相手にとっては脅威となりうる長所があるとし、それを元にチーム内での競争を制した選手を起用したいと話しています。

AFC U23アジアカップC組では、マレーシアは6月2日の韓国を皮切りに、6月5日にはタイ、6月8日にはベトナムの各チームと対戦します。

クダはトランスファーウィンドウで中東出身選手を獲得か

Mリーグ1部スーパーリーグは、マレーシア代表がAFC選手権アジアカップ2023年大会最終3次予選に出場することもあり、第9節を終えてから今月半ばまで中断中です。また先月末からは今年2度目のトランスファーウィンドウとなっており、ここ数週間は選手の退団、加入のニュースが増えそうです。

そんな中、マレーシア語紙ブリタハリアンは、クダが中東出身のフォワードの選手を獲得を目指していると報じています。

クダのアイディル・シャリン監督は、ケガの治療に専念するために第9節終了後に引退を選んだDFチャン・ソグォンに代わる選手として複数のミッドフィルダーと交渉中であることを明らかにしています。「候補者の数名とは交渉中で、そのうちの1人は中東出身の選手である。」と話したアイディル監督は、スーパーリーグ後半戦だけでなく、今月6月24日から始まるAFCカップに向けて、新たな選手の獲得は欠かせないと話しています。

またアキレス腱を痛め、既に今季の復帰が無理と伝えられるFWデニス・ブシェニングに代わるアセアン東南アジア枠の外国籍選手の入れ替えも必死ですが、この枠についてもブシェニング選手同様、タイの選手が後方に上がっていることも、この記事では伝えられています。

アセアン女子選手権のグループ分け決定-マレーシアは王者タイやオーストラリアと同組に

東南アジアサッカー連盟AFFは公式サイト上で、今年7月に開催される第12回AFF女子選手権のグループ分けを発表しています。

史上最大の11ヵ国が出場する今回の大会は7月4日から17日までフィリピンで開催されますが、グループステージの振り分けを決める抽選が先日、マニラで開催され、マレーシアは、来年のFIFA女子ワールドカップに出場するフィリピンなどと同じA組となっています。このA組には過去4回都最多優勝を誇るタイ、来年の女子ワールドカップ開催国オーストラリアの他、シンガポール、インドネシアが入っています。

一方のB組には前回2019年大会のチャンピオンで、やはり女子ワールドカップ出場を決めているベトナム、ミャンマー、ラオス、カンボジア、東ティモールが入っています。

試合はラグナ州のビニャンフットボールスタジアムビナン、マニラのリサール記念フットーボルスタジアム、カヴィテ州のイムスグランドスタンドなどを試合会場に開催されます。

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先月の東南アジア競技大会通称シーゲームズでは、女子フットサルには代表チームを出場させた一方で、女子サッカーへの出場を見送ったマレーシアサッカー協会FAMは、女子サッカー軽視との批判を浴びました。女子代表が国際試合大会に出場したのは、昨年9月のAFC女子アジアカップ予選が最後でしたが、このAFF選手権に出場するのであれば、同じ東南アジアの各国と対戦できるシーゲームズは絶好の力試しだったと思うのですが、FAMはそうは考えなかったようです…。


5月27日のニュース
FIFAによるペラへの制裁は未だ解除されず
スリ・パハンの前監督はフィリピン代表監督に復帰
ノア・レインはパスポート取得が間に合わずU23代表招集は見送りか

今日はA代表がおよそ3年ぶりとなる国内での代表戦でブルネイと対戦します。キム・パンゴン監督の国内デビューともなるこの試合は、来月、クアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ2023年大会最終予選の準備の一環として行われます。キム監督率いる新生マレーシア代表がサポーターのハートを掴めるのかに注目です。

FIFAによるペラへの制裁は未だ解除されず

Mリーグ2部プレミアリーグは今日から第9節となりますが、テレコミュニケーション企業のXOX社が新たにオーナーとなったペラに対してFIFAが科している制裁措置は未だ解除になっていないと、マレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアが報じています。

選手や監督、コーチへの未払い給料問題により、新たな選手獲得禁止処分をFIFAより科せられているペラは、新たなオーナーのXOX社が在籍選手に関しては未払い給料を完済していますが、かつて在籍した外国籍選手への未払い給料の支払いが終わっていないことから、FIFAの制裁が解除されていないということです。

さらにXOX社は給料未払いとなっているかつて在籍した外国籍選手の正確な未払い額を把握できておらず、現在は各選手の代理人に問い合わせをしている最中であるとウトゥサン・マレーシアの記事では説明される一方で、今月5月28日から6月24日までのトランスファーウィンドウ期間が終了するまでには、未払い問題が解消され、新たな選手の補強が可能になるだろうという関係者の話も併せて伝えています。

また新たなオーナーとなったXOX社は、現在、プレミアリーグ最下位で勝点マイナス6となっている現場の再建を優先し、新たなCEOなどの任命は現在の最優先事項ではないと考えていることも報じています。

スリ・パハンの前監督はフィリピン代表監督に復帰

昨季2021年シーズンにMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンの監督に就任しながら、わずか2試合で「休養」となったトマス・ドゥーリー氏がフィリピン代表の監督に復帰すると、フィリピンの英字紙デイリー・インクワイアーが報じています。

元アメリカ代表として2度のワールドカップにも出場しているドゥーリー氏は2014年から2018年までフィリピン代表監督を務めており、今回は4年ぶりの復帰となります。

フィリピン代表監督復帰を自身のFacebookで公表したドゥーリー氏は、来月6月8日からモンゴルで開催されるAFC選手権アジアカップ最終予選を前に辞任したスコット・クーパー前監督を引く継ぐ形での就任となりました。

ドゥーリー氏は前回、監督を務めた際にはフィリピン代表をアジアカップ2019年大会本戦出場に導いていますが、本戦前には契約が延長されませんでした。(フィリピンサッカー協会はその後、元英国代表の主将を務めたテリー・ブッチャーの監督就任を発表も、最終的には元英国代表監督なども務めたスヴェン・ゴラン・エリクソンが本戦で指揮を取っていますが、韓国、中国、キルギスと同組のグループステージでは0勝3敗で敗退しています。)

ノア・レインはパスポート取得が間に合わずU23代表招集は見送りか

東南ジア競技大会通称シーゲームズに出場したU23代表合宿に参加したものの、選手登録が間に合わず大会出場はならなかったのが、フィンランド出身で、父親がマレーシア人のノア・レイン(SJK-フィンランド1部)でした。

来月6月に開催されるAFC U23アジアカップに向けて、U23代表は今週日曜日5月29日に開催地となるウズベキスタンへ向けて出発しますが、レイン選手は未だマレーシアパスポートが取得できておらず、U23アジアカップへの出場は難しそうだと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。

ベトナムでシーゲームズから戻ったU23代表は、U23アジアカップに向けて合宿中ですが、シーゲームズ前にケガで代表合宿を離脱したA・セルヴァン(ヌグリスンビラン)とノア・レインもこの合宿に参加しています。

U23代表のブラッド・マロニー監督はレイン選手の合宿でのプレーぶりを評価していると話す一方で、パスポートの取得に時間がかかっていることを認め、U23アジアカップには参加できない可能性が濃厚だと話しているということです。

U23アジアカップのグループステージC組のマレーシアは、韓国、そしてシーゲームズでも対戦したベトナム、タイと同組になっており、6月2日は韓国、5日にタイ、そして8日にベトナムと対戦します。

5月25日のニュース
東南アジア競技大会-PK戦敗退のマレーシアはメダルを逃す
JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表
アセアン選手権のスポンサーがスズキ自動車から三菱電機へ-今年末の大会から大会名称も三菱電機カップに

来月、クアラルンプールで開催されるAFC選手権アジアカップ最終予選を前に、2試合の国際親善試合が予定されていますが、初戦の相手がミャンマーからブルネイとなることが発表されています。最新のFIFAランキングで154位のマレーシアにとって、同152位のミャンマーはちょうど良い相手だったのですが、それが同166位のブルネイに代わった背景には、マレーシア政府がミャンマーの軍事政権に反対する「国家統一政府(NUG)」の外相と会談したことが背景にあるかも知れません。

マレーシア、ミャンマーの両国も加盟する東南アジア諸国連合ASEAN加盟国の閣僚として初めて、マレーシアのサイフディン・アブドラ外相がNUGのジン・マー・アウン外相とアメリカのワシントンD.C閣僚と会談し、人道支援やミャンマー難民の支援などについて協議したことが報じられています。当時、ワシントンD.C.では、米国とASEANのサミットが開催されており、ASEANはミャンマーの軍事政権代表者のサミット出席を拒否していました。

NUGをテロ組織としている軍事政権にとって、国際社会では承認を得られていないNUGとのみ協議を行うことを表明しているマレーシアとは代表戦は行えない、といったところかも知れません。

ちなみにマレーシア代表とブルネイ代表が最後に対戦したのは、U23代表の対戦になる前の東南アジア競技大会通称シーゲームズ1999年大会と20年以上も前のことでした。隣国ながらこれほど長い間対戦がなかったのも驚きですが、ブルネイで開催されたこの1999年のシーゲームズでは、マレーシア代表はブルネイ代表を2-0で破っています。

東南アジア競技大会-PK戦敗退のマレーシアはメダルを逃す

5月22日に開催された東南アジア競技大会シーゲームズの3位決定戦で、マレーシアU23代表はインドネシアU23代表と対戦しました。

この日の先発XIは、準決勝で負傷したGKアズリ・アブドル・ガニ(KLシティ)に代わり、ラーディアズリ・ラハリム(トレンガヌ)が今大会初先発し、またFWルクマン・ハキム(KVコルトレイク-ベルギー1部)に代わり、本来はDFながらこの大会では中盤で起用されているサフワン・マズラン(トレンガヌII)が起用されました。

準決勝ではいずれも延長120分を戦っていた両チームですが、強烈なライバル関係もあってか、試合は疲労の後も見せず開始直後から激しくぶつかり合います。しかしマレーシアのラーディアズリ・ラハリム、インドネシアのエルナンド・アリの両GKの好セーブやゴールポストなどに阻まれ、前半は0-0で終了します。

後半に入ってもゴールシーンがないまま試合が進んだ70分、A代表でもプレーする、シン・テヨン監督の「秘蔵っ子」17歳のFWロナルド・クワテのゴールでインドネシアが先制しました。しかし、マレーシアも80分にハディ・ファイヤッド(アスルクラロ沼津-J3)が今大会3得点目となるゴールを決めてすぐに同点に追いつきます。

その後は両チームとも得点できないまま90分を終え、1-1と決着がつきませんでした。今大会では3位決定戦は延長戦はなく、PK戦が採用されており、銅メダルを賭けてのPK戦が始まりました。先攻のマレーシアは1人目のハディ・ファイヤッドがGKに止められたものの、インドネシアも1人目のアスナウィ・マンクアラムがゴールポストに当てて外しタイ、しかしマレーシアは3人目のルクマン・ハキムが枠を捉えられず、インドネシアは残る3選手が全員決めて、結局、3-4でインドネシアに敗れて、2017年のクアラルンプール大会以来となる2大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

東南アジア競技大会2021年大会
3位決定戦
5月22日(日)
ミーディン国立競技場(ハノイ-ベトナム)
インドネシア 1-1 マレーシア(PK戦 4-3)
⚽️インドネシア:ロナルド・クワテ (70分)
⚽️マレーシア:ハディ・ファイヤッド(80分)
🟨インドネシア(0)
🟨マレーシア(0)
(下はマレーシアU23代表とインドネシアU23代表の先発XIとこの試合のハイライト映像。今回はマレーシア視点、インドネシア視点、そしてシンガポールのメディアによる中立視点で見て下さい。マレーシア視点の映像はアストロアリーナ、インドネシア視点の映像はインドネシアのTV局RCTI、そして中立視点はシンガポールのメディアコープの各公式YouTubeより)

https://youtu.be/PGNhJDq2IpU

東南アジア競技大会2021年大会
決勝
5月22日(日)
ミーディン国立競技場(ハノイ-ベトナム)
ベトナム 1-0 タイ
⚽️ベトナム:マン・ドゥン・ニャム (83分)
🟨タイ(0)
🟨インドネシア(0)

インドネシア対マレーシアの3位決定戦の後に行われた決勝では、地元ベトナムがタイを破り金メダルを獲得し、前回2019年フィリピン大会に続く2連覇を達成しています。
(映像はシンガポールのメディアコープの公式YouTubeより)

https://youtu.be/-r2WIWdBH6c
JDTがクダに期限付き移籍中のシャフィク・アフマドの復帰を発表

Mリーグ1部スーパーリーグのJDTは、クラブ公式Facebook上で、同じスーパーリーグのクダに期限付き移籍してた代表FWのシャフィク・アフマドが、5月28日からのトランスファーウィンドウ期間にJDTに復帰することを発表しています。

2019年のFIFAワールドカップ2022年大会アジア予選から代表に招集されながら、新型コロナ禍の中でJDTではセカンドチームでもベンチ入りできなくなっていたシャフィク選手は、出場機会を得るために当初は1年間の期限付きでクダへ移籍と発表されていました。しかし、5月20日に発表された突然すぎるこの期限付き移籍終了については多くの憶測が飛び交っています。

ソーシャルメディアで話題になっているのは、クダ州首相でもあるムハマド・サヌシKFA(クダ州サッカー協会)会長のJDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下に対する発言が今回の移籍期限の短縮の原因ではないか、という憶測です。

これまでもJDTやトゥンク・イスマイル殿下に批判的なコメントをすることが少なくなかったモハマド・サヌシKFA会長ですが、今回は「サッカーは皆のものであり、特定の個人のものではない。ましてや特定の個人を「崇拝」するべきではない。この国のサッカー界では非常に奇妙なことが何度も起こっており、マレーシアサッカー協会FAMがこれにどう対処するかに皆の関心が集まっている。」とソーシャルメディアに投稿し、さらにその一例としてヌグリスンビラン対JDT戦で試合が0-0の中、主審がロスタイムを10分間とったことを挙げています。

ソーシャルメディア上では、MリーグがJDTに有利になるように操作されているかのようなモハマド・サヌシKFA会長の発言に対して、イスマイル殿下が報復した結果がシャフィク選手の期限付き移籍終了だという指摘です。

クダのクラブ公式Facebookには、「JDTには有り余るほど選手がおり、今、シャフィク選手を呼び戻す必要はない。モハマド・サヌシKFA会長が余計なことを言わなければ、JDTは移籍期間を突然終了させることはなかっただろう。」といった類の投稿が見られる一方で、「JDTはまさに真実を指摘されたために傷ついた。モハマド・サヌシKFA会長の発言は間違っておらず、他のクラブも同様な考えを持ちながら、それを口にする勇気がないだけの話である。それを明らかにしたモハマド・サヌシKFA会長こそが正しい。」といった意見も見られます。

しかし今回の期限短縮は誰にとってもマイナスでしかないように思えるのも事実です。当初の希望通り出場機会を得ていたシャフィク選手は、JDTに戻れば、またベンチを温めることになりそうです。またAFCカップをおよそ1ヶ月後に控えるクダにとっては、引退を決めたDFチャン ソグォン、アキレス腱を痛めて今季絶望のFWデニス・ブシェニングと既に戦力ダウンとなる中、今季は2ゴールながら主力として第9節までのクダの試合全てに出場していたシャフィク選手を失うのは、アイディル・シャリン監督とクダにとって大打撃です。その原因はともかく、誰も得をしない今回の期限付き移籍終了の最大の被害者はシャフィク選手かも知れません。

アセアン選手権のスポンサーがスズキ自動車から三菱電機へ-今年末の大会から大会名称も三菱電機カップに

東南アジアサッカー連盟AFFは公式サイト上で、AFF選手権の冠スポンサーが三菱電機となることを発表しています。これにより今年2022年に開催が予定されている第14回AFF選手権の名称も「AFF三菱電機カップ」と変更になるということです。

1996年に始まったAFF選手権は、ブルネイ、マレーシア、タイ、シンガポール、インドネシア、フィリピンのAFF創設メンバー6ヵ国とカンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの招待国4ヵ国の計10ヵ国が参加して第1回大会が開かれています。なおこの第1回大会から2004年の第5回大会までは、タイガービールを製造販売するシンガポールのアジアパシフィックブルワリーがスポンサーとなり、「タイガーカップ」の名称で開催されています。

アジアパシフィックブルワリーズ社がスポンサーを降りた後の2007年の第6回大会はAFF選手権のみの名称で開催されたものの、2008年の第7回からはスズキ自動車がスポンサーとなり「スズキカップ」として昨年2021年末の第13回まで開催されています。

5月12日のニュース
東南アジア競技大会グループステージ第3節-マレーシアはラオスに快勝でグループ首位に浮上(ハイライト映像あり)
今季未勝利のペナンがトマス・トゥルチャ監督と契約解除

東南アジア競技大会グループステージ第3節-マレーシアはラオスに快勝でグループ首位に浮上(ハイライト映像あり)

ベトナムで開催中の東南アジア競技大会通称シーゲームズ、サッカー男子に出場中のマレーシアU23代表は、グループステージB組第3節でラオスに3-1と快勝し、B組の首位に浮上しています。

初戦のタイ戦では、脳震盪の疑いで途中退場したアザム・アズミ(トレンガヌ)に代えてクエンティン・チェン(スランゴール)、負傷退場したハイリー・ハキム(トレンガヌ)に代えてサフアン・マズラン(トレンガヌII)、またアズリン・アフィク(スランゴール)に代えてファイズ・アメル(スランゴール2)とDF陣3名を入れ替えたブラッド・マロニー監督は、タイ戦同様、ルクマン・ハキム(KVコルトレイク)、シャヒル・バシャー、ダニアル・アスリ(いずれもスランゴール)のFW陣でこの試合に臨みました。

今年2月の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権では、ベストメンバーではなかったとは言え、0-2、1-2とまさかの連敗を喫して準決勝進出を逃しているラオスを相手に、マレーシアはそのリベンジとばかりに、試合開始から自陣に引き気味のラオスに猛攻を仕掛けます。

ここまで5月7日のグループステージ開幕以来、5日間で3試合目となったラオスに対し、第2節は試合がなく、初戦から中3日と休養十分のマレーシアは試合を有利に進めるものの、決定機がないまま試合が進む中、36分に均衡が破れます。ニック・アキフ(トレンガヌ)がラオスDF陣の裏に出したパスを受けたルクマン・ハキムがそのまま持ち込みシュート。これが決まりマレーシアが1-0とリードします。

43分にはシャヒル・バシャーがペナルティエリアの外からシュートを決め、このシャヒル・バシャーの代表初ゴールでリードを2点と広げ、前半は2-0で終了します。

後半に入っても攻撃の手を緩めないマレーシアは68分にルクマン・ハキムがこの日2点目となるゴールを決め、3−0としますが、この辺りから気が緩んだのか、ラオス攻撃陣が徐々にマレーシアゴールに迫ります。GKアズリ・アブドル・ガニの好セーブもあり、ラオスの攻撃を凌いだものの、ついに85分には失点してしまいますが、ラオスの反撃はここまで。AFF U23選手権の借りを返したマレーシアが2連勝でB組首位に浮上しています。

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第3節
5月11日(水)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
マレーシア 3-1 ラオス
⚽️マレーシア:ルクマン・ハキム2(36分、68分)、シャヒル・バシャー(43分)
⚽️ラオス:ヴィシス・ ボーンパサース(85分)
🟨マレーシア(0)
🟨ラオス(4):チャンターウィサイ・クトーンフォン、フォウタウォン・サンウィライ、ケオ=ウドン・スワンナサンソ、フッタサイ・ホージャルーン
(下はマレーシアU23代表の先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

東南アジア競技大会2021年大会
グループステージB組 第3節
5月11日(水)
ティエンチュオン・スタジアム(ナムディン-ベトナム)
カンボジア 0-1 シンガポール
⚽️シンガポール:サイフラー・アクバル(36分)
🟨カンボジア(1):キー・リナ
🟨シンガポール(1):ジャリッド・ギャラガー

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージB組 順位表(第3節終了時)

チーム得失差勝点
1マレーシア22005236
2シンガポール311137-44
3タイ21016243
4カンボジア21014223
5ラオス301249-50

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージA組 順位表(第3節終了時)

チーム得失差勝点
1ミャンマー22004226
2ベトナム21103034
3フィリピン31116333
4インドネシア21014403
5東ティモール3003311-80

東南アジア競技大会2021年大会 グループステージ日程と結果

5月6日(金)
フィリピン 4-0 東ティモール、ベトナム 3-0 インドネシア
5月7日(土)
ラオス 2-2 シンガポール、タイ 1-2 マレーシア
5月8日(日)
東ティモール 2-3 ミャンマー、ベトナム 0-0 フィリピン
5月9日(月)
ラオス 1-4 カンボジア、シンガポール 5-0 タイ
5月10日(火)
ミャンマー 3-2フィリピン、インドネシア 4-1 東ティモール
5月11日(水)
カンボジア 0-1 シンガポール、マレーシア 3-1 ラオス
5月13日(金)
フィリピン対インドネシア、ミャンマー対ベトナム
5月14日(土)
シンガポール対マレーシア、タイ対カンボジア
5月15日(日)
インドネシア対ミャンマー、東ティモール対ベトナム
5月16日(月)
マレーシア対カンボジア、ラオス対タイ

今季未勝利のペナンがトマス・トゥルチャ監督と契約解除

Mリーグ1部スーパーリーグのペナンは、クラブ公式Facebook上でトマス・トゥルチャ監督の契約を正式に解除したことを発表しています。ペナンは開幕から6試合勝利がなく、クラブは今月に入って「安全上の理由」からトゥルチャ監督を休養させることを発表したばかりでした。

昨季1部スーパーリーグに昇格したペナンは、昇格初年度でJDT、クダに次ぐ3位となり、トゥルチャ監督の手腕は高く評価されていました。

しかし、スーパーリーグ終了のマレーシアカップでは、グループステージで1勝1分4敗のグループ最下位となり、ノックアウトステージへ進めなかった頃から、一部サポーターの間で不満の声が上がっていました。

昨季は12勝6分6敗、勝点41で3位という成績だったことから、さらに上位へと期待が高まった今季でしたが、ペナンは今季ここまで6試合の成績は0勝3分3敗、勝点3で12チーム中、最下位です。

昨季終了後、DF陣の中心だったインドネシア代表DFリュウジ・ウトモは、期限付き移籍期間を終えてインドネシア1部のプルシジャ・ジャカルタに復帰、タジキスタン代表FWのシェリディン・ボボエフも退団、またマレーシア人選手では昨季、いずれもチームの活躍が認められて初めてA代表に招集されたFWアル=ハフィズ・ハルンがクダへ、GKサミュエル・サマーヴィルがスランゴールへ移籍、さらにMFカイルル・アズリンや帰化選手のデヴィッド・ロウリーら主力選手が流出するなど、選手の顔ぶれも変わっていまた。

また今季開幕前には、スリ・パハンとのプレーシーズンマッチでのラフプレーから、FWカサグランデ、MFエンドリックと主力が2試合の出場停止処分を受けて不在となるなど、昨季と全く別のチームと言って良い陣容では、不安材料しかない中で迎えた開幕でしたが、その不安がまさに最悪の形で露呈した形になりました。

新外国籍選手のFWヒラル・エル=ヘルウェ(レバノン)はここまで出場5試合で3ゴールを挙げ、、チーム合流が遅れたDFクリスティアン・ロンティーニもここ4試合は先発でフル出場しているものの、残留したカサグランデ、エンドリックそしてDFラファエル・ヴィトールのブラジルトリオがケガなどから昨季ほどの影響力は見せられておらず、その結果が6試合で得点7、失点12という形になって現れています。

開幕6試合未勝利を理由に、事実上更迭となったトゥルチャ監督ですが、昇格初年度3位という偉業が評価されないまま、チームを去ることになりました。

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トゥルチャ監督退団語のスーパーリーグ第7節KLシティ戦では、監督代行として今季残り試合の采配を振るうことになったマンズール・アズウィラコーチが指揮を取りました。ラファエル・ヴィトールとカサグランデがケガ、フィリピンU23代表のクリスティアン・ロンティーニはベトナムで開催中のシーゲームズに出場で不在と、この試合も苦しい布陣でしたが、エンドリック、ヒラル・エル=ヘルウェと点を取るべき選手がゴールを決めたものの。ここまで6試合で12失点と課題の守備がこの試合でも機能せず、3失点した結果、3-2で敗れています

マンズール監督代行は、2020年シーズンには監督として、2部プレミアリーグでクラブを優勝に導きましたが、1部スーパーリーグで監督をするためのAFCプロライセンスを保持しておらず、1部昇格後はコーチに就任、クラブは外部からトゥルチャ監督を招聘した経緯があります。

5月2日のニュース
ペナンFCの監督が「安全上の理由」で休養
U23代表監督は代表デビューを目指す新顔選手に期待

ペナンFCの監督が「安全上の理由」で休養

Mリーグ1部スーパーリーグでペナンFCは、クラブ公式Facebook上でトマス・トゥルチャ監督が「安全上の理由」により休養することを発表しています。

当地のメディアでは練習中にその姿が見られないことから、その去就に関心が集まっていたトゥルチャ監督ですが、ペナンFCのFacebookへの投稿によると、「クラブサポーターが暴力的手段に訴えるなど犯罪行為に及ぶ可能性があるという『警察の助言』」により、トゥルチャ監督に休養を命じたとしており、成績不振などを理由とした懲戒的な理由ではないと説明されています。

ただし、その一方では入場料収入やグッズ購入で貢献するサポーターを「投資者」と呼び、この「投資者」を含めた「ステークホルダー」と公正かつ真摯な話し合いを続けているともしており、実際に「休養」がどのくらい続くのかも、現場復帰があるのかも明らかにしていません。

また同じ投稿では、今月5月から「銀行の引き出し限度額上の都合」で給料支払いの遅れが出る可能性についても言及されていたり、クラブの運営にかかる費用についても詳細に説明されており、これを読む限りでは、クラブの経営が苦しくなっているか、そうなる予兆があることを「投資者」に対して仄めかしているように読み取れます。

ペナンFCは昨季2021年に2部プレミアリーグから1部スーパーリーグに昇格し、昇格初年度でリーグ3位と好成績を収めていますが、その後のマレーシアカップではグループステージで敗退し、一部サポーターからは監督交代を含めたチーム批判が吹き出していました。

また今季開幕前には、ペナンFCでのプレーが今季で3シーズン目となるブラジル出身のエンドリックが、2023年には同じ1部スーパーリーグで8連覇中のJDTに移籍することが、当のJDTから発表されるという不可思議なことも起こっていました。

U23代表監督はシーゲームズで代表デビューを目指す新顔選手に期待

今月5月にベトナムのハノイで開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて合宿中のマレーシアU23代表は、全部で31名を招集したものの、昨日5月1日の時点で20名しか参加していません。マレーシアは今日がイスラム教の断食月明けの休みということで、明日、明後日あたりから合流する選手もいそうです。

そんな中、ブラッド・マロニーU23代表監督は今回のシーゲームズが代表初招集となる選手が最終メンバーに残る可能性があると話していると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

数日前の練習試合では東ティモールU23代表に1-2で敗れたマレーシアU23代表ですが、マロニー監督はこれまでの選手に加えて、新たに招集された選手との組み合わせなども試していきたいと話し、5月4日のベトナム出発前の最後の練習試合となった昨日のフィリピンU23代表(2-0で勝利)との試合でも、多くの選手を試したようです。

またマレーシア語紙のウトゥサン・マレーシアは、複数のMリーグクラブがU23代表候補選手の招集に応じていないことが、徐々に影響として出始めていると報じています。記事の中では「弱小国」東ティモールU23代表との練習試合で敗れたことを「恥ずべき事態」と報じ、元U23代表監督の経験もあるアズライ・コー・アブドラ氏がMリーグクラブの非協力的な姿勢についてはマロニー監督に同情するものの、東ティモールという「弱小国」に敗れたことをサポーターは容認できないだろうというコメントを紹介しています。

さらにマロニー監督が今回のシーゲームズに出場するU23代表にはオーバーエイジの選手を招集していないことについてアズライ氏は、それぞれの監督には自身の方針があり、マロニー監督には理由があるはずだが、それは現時点で問われるべきでないと話しています。「シーゲームズは結果が全てであり、監督がその責任を負う代わり、結果が出る前にその理由を問いただすべきではない。」とも話しています。

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ブルナマとウトゥサン・マレーシアの記事を読んで感じたのは、この記事を書いた記者も、コメントを寄せているアズライ氏も現実に目を向けているのだろうか、ということです。A代表同士の試合ならまだしもU23代表に関していえば、現時点では、むしろマレーシアの方が「弱小国」かも知れません。

今年2月にカンボジアで開催された東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権で、マレーシアはグループステージでラオスに1-2、0-2と2連敗して0勝2敗で敗退した一方で、東ティモールはフィリピンやカンボジアと同組ながら2勝1分0敗とグループ1位で準決勝に進出し、準決勝では90分間で0-0の後、PK戦で3-5で敗れるという接戦を演じています。ポルトガルの植民地だったこともあり、ブルジルスタイルの個々の技術で相手を圧倒するサッカーを展開する東ティモールU23代表は、少なくとも今回のシーゲームズでは、マレーシアU23代表よりも遥かに注目度が高いチームですが、この記事を見る限りでは、その認識はなさそうです。

かつてフィリピンが弱かった頃にも、同じような発言をする国内サッカー関係者が多くいました。しかし2000年代初頭からヤングハズバンド兄弟に代表される帰化選手を揃えて強化を始めたフィリピンは、今ではFIFAランキングではマレーシアの上を行き、Mリーグのアセアン枠では最多となる8名のフィリピン出身選手が活躍しています。それを考えると、現実を見ず、かつての評価や評判に頼っていると、また痛い目に合うと思うのですが…。まぁ現場のマロニー監督は現状を理解しているでしょうけど。

5月1日のニュース
ACLグループステージI組第6節-JDTは蔚山に勝利しマレーシアクラブ史上初の16強進出決定(ハイライト映像あり)

ACLグループステージI組第6節-JDTは蔚山に勝利しマレーシアクラブ史上初の16強進出決定

悲願のベスト16進出のためには勝利しかない状況下で迎えたグループステージI組最終節の蔚山現代戦は、JDTには「劇的」という言葉さえ陳腐に聞こえてしまうような結末が待っていた試合でした。

過去2試合を休養したナチョ・インサ、また広州戦を欠場したDF陣のシェーン・ローリー、ラヴェル・コービン=オン、マシュー・デイヴィーズの3名が先発に戻ったJDTは考えられる限りのベストメンバーでこの試合に臨みました。JDT、そしてグループステージ突破のためにはこの試合で勝利が必要な2020年ACL王者は共にキックオフから激しくせめぎ合います。

そしてそんな試合は開始からわずか5分で動きました。エースのベルグソン・ダ・シルヴァが倒され、蔚山ペナルティーエリアの外で得たフリーキックをレアンドロ・ヴァレスケスがゴール右上に決めて、2-1で勝利した前回の対戦に続き、早い時間帯にJDTが先制しました。

しかし、この日の蔚山現代は前回対戦時のような動揺もなく、すぐさま反撃に転じ、そのわずか1分後には、ラヴェル・コービン=オンがゴール前で中途半端にクリアしたボールをユン・イルロクが拾います。そこから出たパスを走りこんできた天野純がシュート。歓声が悲鳴に変わる中、試合はすぐに振り出しに戻りました。

さらにその10分後、JDTに誤算が生じました。ナチョ・インサが早々と交代とすることになったのです。川崎フロンターレとの対戦では初戦は引き分けたものの再戦で大敗したのは、中盤をコントロールするこのナチョ・インサを2戦目で欠いたことが大きな要因の1つでした。最終節に備えて休養十分でこの試合に臨んだはずでしたが、ナチョ・インサの予想外の早い交代で一気に窮地へ陥るかと思われましたが、交代出場した21歳のナサニエル・シオ・ホン・ワンがこの日はその穴を感じさせないプレーを見せ、試合は一進一退の攻防を繰り返しながら進んでいきました。

ハーフタイムでは選手を交代させなかったJDTのベンヤミン・モラ監督は「今日の試合が決勝のつもりで戦う」という前日記者会見の言葉通り、思い切った交代カードを切ってきました。MFアフィク・ファザイルに代えてFWサファウィ・ラシドを投入、リーグ戦でも見られないようなフォワード4人を同時に起用して逆転を狙いました。

さらに84分には、サファウィ・ラシドの起用でサイドバックに下がっていたラヴェル・コービン=オンに代えてさらにFWラマダン・サイフラーを投入、モラ監督は残り5分で試合を決めにかかりました。ここからJDTは押し気味に試合を進めますが、、87分にはゴール前にフリーになったレアンドロ・ヴァレスケスがヘディングシュートを放つも、蔚山GKチョ・ヒョヌが容易にキャッチ、また89分にはラマダン・サイフラーのシュートをGKチョが見事なパンチングで防ぐなど、ゴールには至りませんでした。

またロスタイムが3分と発表になった直後の90分にはサファウィ・ラシドがシュートを放ちますが、GKが反応できなかったもののゴールポストに阻まれるなど、運にも見放され、このまま引き分けで終了の雰囲気が漂い始めました。しかしその直後には蔚山のオム・ウォンサングのシュートもゴールポストに当たって外れ、まだJDTにもツキが残っているようでしたが、タイムアップは刻々と迫りました。

映像では既に92分と残り1分を切った状態で、オフサイドからのフリーキックを得たJDTはGKファリサル・マーリサルが全員に上がるように指示し、ゴール前へロングボールを蹴り込みます。そこからつないだボールをアリフ・アイマンがシュートするも、蔚山DF陣がブロックしたボールをGKチョ・ヒョヌがこれをパンチングでクリア。しかしこのボールがフラフラとペナルティエリア内に上がり、蔚山DFに競り勝ったアリフ・アイマンがゴール前のフェルナンド・フォレスティエリにパスするも、このパスをカットしようとした蔚山DFパク・ヨンウがまさかのオウンゴール。この直後に試合終了のホイッスルが吹かれ、まさに土壇場でJDTがベスト16進出を決めました。

JDTのオーナーでジョホール州皇太子でもあるトゥンク・イスマイル殿下は、この試合が行われたスルタン・イブラヒムスタジアム(ちなみにスタジアムの名前はイスマイル殿下の父君でジョホール州スルタンのスルタン・イブラヒム殿下にちなんで名付けられています。)だけでなく、練習施設やスタッフなどにも投資を惜しまず、勝利への熱意は国内他のクラブの比ではありません。

またこの日の先発メンバーでは、生まれも育ちもマレーシア生まれの選手は4名、帰化選手(国外生まれながら、マレーシア人の父親または母親を持つ選手)が3名、外国籍選手4名という顔ぶれでした。昨季までで国内リーグ8連覇中とその強さから国内ではファンも多いクラブですが、帰化選手で補強し、他クラブの有力選手を高給で引き抜くなど、ややもすると強引なJDTの手法に対し、正直、アンチも多いクラブです。

しかし少なくともこの試合に限っては、ファンもアンチも揃ってJDTを応援したのではないでしょうか。そして最後まで諦めずにプレーし続けたJDTの選手たちを後押しした結果がこの日のドラマにつながったような気がします。

今回のACLグループステージI組は、中立地での集中開催というには、「中立性」を欠いていたのは明らかです。JDTの試合は全てスコールのない午後10時から行われる一方で、それ以外の試合は、強い日差しも残ればスコールもある午後5時キックオフ。高麗芝のスルタン・イブラヒムスタジアムに対して、タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノスはカウグラスという言わば「野芝」のピッチなど劣悪な環境だったと言われれば、その通りだと思います。

試合前日の記者会見の席上では、スルタン・イブラヒムスタジアムでの練習希望をAFCが却下したことを蔚山現代の洪明甫監督が明らかにしましたが、AFC本部がマレーシアにあり、事務局長がマレーシア人であることを考えると、これがマレーシアのクラブ、JDTを有利にする決定だったことは明らかです。

それでも、この日のJDTの勝利で2024年/2025年シーズンのマレーシアのACL出場枠が2+2(本戦出場2チーム+プレーオフ出場2チーム)となるのであれば、限りなく黒に近いグレーなことをしてでも、JDTにその枠を取りに行ってもらいたい、とマレーシアサッカーファンなら誰でも考えることです。

今回の運営方法が不公平、不公正という批判があることはJDTも(そしてAFCも)重々承知していると思います。しかし、そんな批判を受けても、なりふりに構わずに勝ちたいと思うほどマレーシアサッカーにとってACLの価値は高く、間違ってもそれを「罰ゲーム」と呼ぶファンは1人もいないということも記しておきたいです。

ACLグループステージI組 第6節
4月30日(土)
スルタン・イブラヒムスタジアム(ジョホール州イスカンダル・プテリ)
JDT 2-1 蔚山現代
⚽️JDT:レアンドロ・ベラスケス(5分)、パク・ヨンウ(90+4分OG)
⚽️蔚山:天野純(6分)
🟨JDT(4):リ・ジアハオ、ス・ティアンシ、ファン・カイシュウ、ヤン・シン)
🟨蔚山(2):アキヤ・ラシド、シャーミ・サファリ
(下は両チームの先発XIとハイライト映像。映像はアストロアリーナの公式YouTubeより)

4月30日(土)
タン・スリ・ダト・ハジ・ハッサン・ユノススタジアム(ジョホール州ジョホールバル)
川崎フロンターレ 1-0 広州FC
⚽️川崎:知念慶(14分)
🟨川崎(0)
🟨広州(2):チェン・ジェンフン、チョウ・ティエンチェン
(下は両チームの先発XI)

ACLグループステージI組 最終順位表

チーム得失差勝点
1JDT6411117413
2川崎63211741311
3蔚山6312147710
4広州6006023-230

ACLグループステージI組結果

4月15日(金)
川崎フロンターレ 1-1 蔚山現代JDT 5-0 広州FC
4月18日(月)
広州FC 0-1 川崎フロンターレ蔚山現代 1-2 JDT
4月21日(木)
蔚山現代3-0 広州川崎フロンターレ 0-0 JDT
4月24日(日)
広州FC 0-5 蔚山現代JDT 0-5 川崎フロンターレ
4月27日(火)
蔚山現代 3-2 川崎広州 0-2 JDT
4月30日(土)
川崎 1-0 広州JDT 2-1 蔚山現代

4月30日のニュース
ACLグループステージI組最終節前記者会見にJDTのモラ監督と蔚山現代の洪明甫監督が出席
ペラFCの新オーナーはXOX社に決定
ノア・ライネはAFC U23アジアカップでU23代表に召集か

ACLグループステージI組最終節前記者会見にJDTのモラ監督と蔚山現代の洪明甫監督が出席

今日のACLグループステージI組最終節を前に、グループ1位突破をかけて激突するJDTのベンヤミン・モラ監督と蔚山現代の洪明甫監督が記者会見に出席しました。

第2節で2-1と勝利している蔚山現代について、モラ監督は「明日(今日)の試合はマレーシアサッカーとJDTの新たな歴史を作る機会となった。2020年のACL王者で素晴らしいチームである蔚山現代に対しては、闘志を持ち、戦術理解を徹底して臨みたい。」と述べ、キックオフの時間がこれまでの午後10時から午後5時となることについても、これまで練習は午後5時から行ってきているとして、問題とはならないと話しています。また蔚山現代の選手ではレアンドロが要注意であるとも話しています。

一方、蔚山現代の洪明甫監督は、今日の試合会場となるスルタン・イブラヒムスタジアムで試合前にの練習許可を求めたものの、AFCに却下されたことを明かしています。「スルタン・イブラヒムスタジアムの芝は、我々にあてがわれている練習場ともラーキンスタジアムとも全く違うので、選手たちは適応するの時間がかかるかも知れない。」と話した洪監督はマークする選手として、第2節の試合でゴールを挙げているベルグソン・ダ・シルヴァとフェルナンド・フォレスティエリの名を挙げています。

最終節のため、いずれも午後5時(マレーシア時間、日本時間午後6時)キックオフとなる川崎フロンターレ対広州FC、JDT対蔚山現代は、JDTあるいは蔚山現代が勝てば、その勝者がI組1位、この両チームが引き分けて川崎が勝利すれば川崎が1位でグループステージを突破します。

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この記者会見の席上で、AFCにスルタン・イブラヒムスタジアムでの練習を拒否された洪明甫監督から「静かな怒り」を感じた方もいたようですが、正直なところ、JDTが今回のACLではなりふり構わずグループステージ突破を目指しているのは事実です。また2月にジョホールが集中開催地に決定した翌月の3月には、I組のJDT戦以外が行われているタン・スリ・ダト・ハジ・ハサン・ユノススタジアムもスルタン・イブラヒムスタジアムと同じ芝に張り替えることが発表されていますが、今回のACLには間に合わなかった(あるいは間に合わせなかった)ようです。(下はJDTからの公式発表-JDTの公式Facebookより)

ペラの新オーナーはXOX社に決定

Mリーグを運営するMFLは公式サイト上で、Mリーグ2部プレミアリーグのペラFCの新オーナーに昨日付で、テレコミュニケーション企業のXOX社が決定したと発表しています。

ペラFCとの了解覚書MoUに調印したXOX社には、今後、法手続きを経て、およそ2週間後にはペラFCの株式が譲渡されるということです。Mリーグクラブのライセンス交付を司る第一審機関FIBによって、昨日4月29日まで有用を与えられていた新オーナーとの交渉は、XOX社からFIBに必要な書類が提出されたことで、ペラFCはさらなる処分を免れることができました。

なおペラFCは、選手夜間独、コーチへの給料未払いなどを理由に、2度の処分を受けており、リーグ戦の勝点9を既に剥奪されています。さらに、昨日までにオーナーが決定しない場合には、リーグ出場停止などの処分を受ける可能性がありました。

MFLによると、XOX社の経営陣は既にペラFCの監督やコーチ、一部選手などと今後の方針などについて話し合いを始めているということで、未払い給料問題やそれが原因となっている新規選手の獲得禁止処分などについても、その解決について

MFLは、マレーシア証券取引所上場企業のXOX社がペラFCのオーナーとなることは、ペラFCの再興だけでなく、優良企業がマレーシアのプロサッカークラブのオーナーとなる先鞭をつけることになると期待しているとしています。

ノア・ライネはAFC U23アジアカップでU23代表に召集か

来月ベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて合宿中のU23代表に、アイスランド1部のセイナヨエン・ヤルカパッロケルホ(SJK)でプレーする19歳のノーア・ライネが参加しています。フィンランド生まれながら、父親がマレーシア人であることからマレーシアU23代表でもプレーできるライネ選手は、今回のシーゲームズには出場しませんが、スポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、ブラッド・マロニーU23代表監督は、6月のAFC U23アジアカップでの招集候補として練習に参加させていると報じています。

2018年にはフィンランドU18代表でもプレー経験があるライネ選手ですが、呼び当路危機感を過ぎていることから、今回のシーゲームに出場ができないということですが、マロニーU23代表監督はこのライネ選手にU23代表と練習させることで、その能力を見極めたいと話しています。

「ライネ選手がマレーシアへ行き、マレーシアのパスポートを取得することを所属するSJKが許可したことで、今回の合宿参加が可能となった。この機会を利用して、我々はライネ選手を評価し、ライネ選手は自身の能力を我々にアピールし、さらにフィットネスレベルを維持できる、言わばウィンウィンの状況だ・」と説明したマロニー監督は、ライネ選手の実力は未知数だとしながらも、その実力がU23代表レベルにあり、さらにパスポートなどの書類が間に合えば、U23アジアカップの代表合宿に招集する可能性もあると話しています。

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ライネ選手は昨日、非公開で行われた東ティモールU23代表との練習試合にも先発するなど、マロニー監督の評価も高そうです。アイスランドとはいえ、1部リーグでプレーしているようなので、今後も注目してみたいと思います。(下はライね選手が先発した、昨日の東ティモールU23代表戦の先発XI。J3沼津のハディ・ファイヤッドの名前も見えます。)

4月27日のニュース
シーゲームズ出場のU23代表候補合宿に11名が合流し計16名に。で、残る15名は?
体調不良で休養中の「トレンガヌのメッシ」は練習復帰へ
U17代表はユベントスの施設で合宿も
ジャアミ・クレシはマレーシア人オーナーのカーディフシティの入団テスト受験か

シーゲームズ出場のU23代表候補合宿に11名が合流し計16名に。で、残る15名は?

来月5月7日に開幕する東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表候補合宿に、新たに12名が合流したと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

4月19日から始まっていた合宿はこれまで5名の選手しか参加していませんでしたが、25日には9名が、そして昨日26日には、ハディ・ファイヤッド(J3沼津)が日本から到着するなど、さらに2名が加わり、マレーシアサッカー協会が発表した31名中、15名が合宿参加となっています。

合宿7日目となる4月25日に合流したのは、GKフィルダウス・イムラン、MFアイサル・ハディ、DFダリル・シャム、DFウマル・ハキーム(JDT II)、FW V・ルヴェンティラン、DFシヴァン・ピレイ(PJシティ)、FWアイマン・アフィフ(クダ)、DFウバイドラー・シャムスル(FAM-MSNプロジェクト)、MFニック・アキフ・シャヒラン(トレンガヌ)、そして昨日4月26日に合流したのはFWハディ・ファイヤッド(J3沼津)とDFザイナル・アビディン・ジャミル(PJシティ)の2名です。

また今回U23代表には召集されているわけではないですが、記事の中ではマレーシア人の父親を持つフィンランド生まれのMFノーア・ライネ(フィンランド1部セイナヨエン・ヤルカパッロケルホ)も合宿に合流したと報じられています。

なお残る選手は所属クラブが選手の合流許可を出しし次第、合宿に参加するということです。

体調不良で休養中の「トレンガヌのメッシ」は練習復帰へ

公称156cmの身長から「トレンガヌのメッシ」の愛称を持つファイズ・ナシルは、嘔吐と頭痛に苦しみリーグ戦を欠場していましたが、マレーシア語紙ブリタ・ハリアンは、ファイズ選手の健康状態は回復しつつあり、練習への復帰は近いと報じています。

トレンガヌのナフジ・ザイン監督は、ファイズ選手の容態は安定していると話し、すでに退院して自宅で療養していることを明らかにしています。「幸いなことにファイズ選手の健康状態は回復しているが、練習に参加する前には再度、検査を受ける必要がある。そこで問題がなければ、練習には復帰できるが、実戦に参加する前にはしばらく様子を見たい。」と話すナフジ監督は、主力選手でもあるファイズ選手の復帰はチームにとって不可欠でもあり、速やかな復帰を期待しているとも話しています。

ファイズ選手は4月16日に呼吸困難を訴えて、緊急入院しており、当初は心臓病が疑われていました。しかし、精密検査の結果、心臓に問題はなく、疲労が原因と頭痛と呼吸困難と診断されていました。

ファイズ選手が所属するトレンガヌは、9名が来月行われる東南アジア競技大会通称シーゲームズ出場のU23代表候補に選ばれており、MFLは「チームの負担を減らすために」5月の予定されていたトレンガヌの試合をすべて6月以降に延期しています。これにより5月はスーパーリーグの試合が1試合も組まれておらず、ファイズ選手が元気になっても、試合出場は6月以降になるということです。

U17代表はユベントスの施設で合宿も

マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebookで、イタリアセリエAのユベントスのマネージングダイレクターであるフェデリコ・パロンバ氏の表見訪問を受けたことを明らかにしています。

この訪問の席上では、U17代表がトリノにあるユベントスの施設で合宿を行う可能性などについても話し合われたとしています。ユースレベルの育成に関心があるユベントスの経験や知識を活かして、マレーシアのユース選手にも利益をもたらすような協力関係を築くことについても話し合ったとするFAMのハミディン・アミン会長は、今年2022年12月から来年7月の間に、マレーシア国内でユベントスの試合が開催される計画があることも明らかにしています。

今回の表敬訪問後には、FAM関係者がトリノのチーム施設に招待されたことも明かしたハミディン会長は、ユベントスはマレーシアでのアカデミー開設を検討していることについても触れ、これが実現すれば、草の根レベルの選手がユベントスのアカデミーで技術を高める機会になるとも話しています。

香港にオフィスを構え、中国国内に6ヶ所、日本、ベトナム、オーストラリア、ニュージーランドにアカデミーを持つなど、アジア戦略に積極的なユベントスは、香港オフィスの責任者でもあるパロンバ氏が積極的に活動しているようです。

ジャアミ・クレシはマレーシア人オーナーのカーディフシティの入団テスト受験か

国外でプレーするマレーシア人選手を追いかける「ハリマウ・アブロード」によると、マレーシア人の母親を持つジャアミ・クレシ選手が、英国2部カーディフシティの入団テストを受ける可能性があるようです。

カーディフシティはマレーシア人起業家のヴィンセント・タン氏がオーナーのチームです。なおタン氏はベルギー1部のKVコルトレイク、ボスニアヘルツェゴビナ1部のFKサラエヴォなどのオーナーでもあります。

英国1部プレミアリーグのブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのU18でプレーする18歳のクレシ選手は、カーディフシティU23の選手としてコヴェントリーシティU23との試合に出場したことが確認されているということです

昨季はブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFCのU17でプレーしたクレシ選手は、決勝でミドルスブラU17を破り、U17プレミアリーグカップに優勝し、自身も準々決勝のサウサンプトンU17戦ではゴールを決めて、勝利に貢献しています。

クアシ選手はこれまでも、マレーシアU17代表やU19代表に召集の可能性が取りざたされていますが、イラク出身の父親がA代表ではマレーシア代表ではなくイラク代表でプレーする可能性を示唆しており、マレーシアサッカー協会FAMからは2000年6月以降は何も連絡をもらっていないと話しています。