6月5日のニュース:タン監督は不振のデ・パウラを擁護、代表チームへの帰化選手不要論が賑やかに、帰化選手プロジェクトに期待を懸け過ぎた

タン監督は不振のデ・パウラを擁護
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の再開後第1戦では、マレーシアはアラブ首長国連邦UAEに0-4と良いところなく敗れました。
 試合に負けてしまったので当然と言えば当然ですが、ソーシャルメディア上では不振の選手、特に帰化選手への風当たりが強く、その中でもマレーシアサッカー史上3人目の帰化選手となったブラジル出身のギリェルメ・デ・パウラは敗戦の責任を一人で背負わされるような非難の嵐の中にいます。
 UAEとの試合では、MFノー・アザム・アジー(スリ・パハンFC)やFWサファウィ・ラシド(JDT)といった主力選手が機能していないとわかると躊躇なく交代を命じたタン・チェンホー代表監督ですが、デ・パウラ選手だけは最後まで使い続けたことで、ソーシャルメディア上ではタン監督の起用方法にも疑問の声が多く挙がっています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマはタン監督の「首脳陣はデ・パウラ選手の体躯と得点能力に期待し、(0-1とUAEにリードされた後も)同点ゴールを期待して起用し続けた。」というコメントを紹介しています。しかしメディアとのオンライン会見に応じたタン監督は、次戦以降(6月11日のベトナム戦、6月15日のタイ戦)もデ・パウラ選手が先発メンバーに入るのかどうかを問われると、「敗戦は一人や二人の選手のせいではなく、どの選手もベストのプレーができなかったチーム全体のせいであり、2週間しか準備期間がなかったマレーシア代表に対してUAEは準備という点でははるかに優っていた。」と述べています。
 またタン監督はUAE戦についてディフェンスの最終ラインの健闘をたたえ、特に3日前に合流したディオン・コールズについては短期間で守備陣の一員となったことを賞賛しています。
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 ディオン・コールズが高いレベルでプレーしてきた選手であることは理解しますが、大事な試合の3日前に代表に合流させる意味が果たしてあったのかは正直、疑問です。準備期間が2週間と短かったと述べているタン監督ですが、だとすればここまでの練習試合2試合で起用し、国内での合宿からチームに馴染んでいるイルファン・ザカリアを起用する、あるいは練習試合でのイルファン選手のミスが気になるなら、少なくともUAE合宿初日から合流しているジュニオール・エルドストールでスタートし、途中からコールズという起用もあったのではないかという気もします。(実際にエルドストール選手はアイディル・ザフアンと交代で途中出場しています。)

代表チームへの帰化選手不要論が賑やかに
 可愛さ余って憎さ百倍、というわけではないでしょうが期待通りのパフォーマンスを見せることができていない帰化選手に対して、マレーシア人選手やOBから帰化選手の器用に疑問の声が上がっています。
 W杯予選前に行われたクウェート、バーレーンとの練習試合に連敗した代表に向けて、まず声を挙げたのは幻のモスクワオリンピックで代表選手だった「レジェンド」のサントク・シン氏でした。この練習試合ではクウェート戦でギリェルメ・デ・パウラがゴール挙げましたが、他のマレーシア人選手と比べても圧倒的に活躍したわけでもないことから、Mリーグでの活躍が評価されて帰化選手となり、代表に招集されたものの国際舞台では力が発揮できないのであれば帰化選手(ここでの帰化選手はマレーシア人の血を引かない外国出身選手)はそもそも代表には必要ない、と言い切っています
 この発言の根拠の一つとして挙げている、ボイコットによって幻となったモスクワオリンピックの出場を懸けた予選ではマレーシア人選手だけで勝ち抜き出場を勝ち取ったという発言は、当時と現在の状況が違いすぎるため話半分で聞くとしても、期待通りの活躍を見せられていない帰化選手に対する厳しい意見は、このシン氏だけではなくサポーターの間からも聞こえてきます。
 デ・パウラ選手についてはやはり「レジェンド」のカリド・アリ氏が、ワントップとして前線で孤立してしまう機会が多かったとして、デ・パウラ選手が問題なのではなく、そこへボールを供給できなかったサファウィ・ラシドらがむしろ問題だったという指摘もありますが、自体を冷静に見られているのは招集はのようです。
 帰化選手が増えれば、マレーシア人選手の機会が奪われることも指摘しているシン氏ですが、それも結果を出していれば、そのような意見もファンの声援にかき消されてしまうでしょう。マレーシア人選手と同じレベルの活躍では不十分なことはマレーシア代表の3名の帰化選手も当然理解しているはず。次戦のベトナム戦では意地を見せて欲しいです。

帰化選手プロジェクトに期待を懸け過ぎ
 2010年の東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップでマレーシアが初優勝した際には得点王となった元代表のエース、サフィ・サリー(KLシティFC)は、マレーシアサッカー協会FAMが進めようとしている帰化選手プロジェクトを非難する投稿を自身のFacebookに投稿しています。
 今後もさらに帰化選手を生み出そうとするプロジェクトは「詐欺」だとして、マレーシア人選手が責任感と信用を与えられれば、代表チームは良い結果を生み出すことができると、サフィ選手は述べています。
 「我々は代表チームと帰化選手プロジェクトに騙されていたと言わざるを得ない。」と投稿したるサフィ選手は、残る2試合(ベトナム戦とタイ戦)にマレーシア人選手が責任感と信用をを与えられれば、期待されている結果を出すことができるとして、帰化選手の出場を暗に否定する発言をしています。
 中東のチームと相手のホームで対戦するのは易しいことではないが、帰化選手に懸けた期待が大きすぎたため、その分の失望も大きくなったと述べるサフィ選手は、直ちに気持ちを切り替えて最大の勝点を獲得して欲しいと、マレーシア人選手に奮起を促しています。

6月3日のニュース:U19代表合宿がロックダウンにより中止に、主力選手流出のペラFCに9選手が加入、今年のスズキカップは一箇所での集中開催か

U19代表合宿がロックダウンにより中止に
 今年2021年11月からベトナムのハノイで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズに向けて今月6月に予定されていたU23代表合宿が中止になったと、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 事前に関係各所から合宿開催許可を得ていたU19代表でしたが、新型コロナウィルス感染拡大が止まらないマレーシアでは6月1日から14日まで移動制限を含む完全ロックダウンが実施されたことで、今回の合宿も中止となったようです。
 オリンピックの東南アジア版とも言えるシーゲームズでは、サッカーは各国のU23代表が出場しますが、マレーシアサッカー協会FAMは2024年パリオリンピック予選の準備としてU19代表を派遣する予定にしています。
 現在のロックダウン下では半径10kmを超えての原則として禁じられており、これによりスランゴール州プタリンジャヤにあるFAMの練習施設で開催予定だった合宿に選手が参加できない可能性があることなどが中止の理由とされています。
 オーストラリア出身のブライアン・マロニーU19代表監督は現時点ではチームをいつ招集できるかは不明だと話す一方で、新型コロナウィルスの感染状況やFIFAの国際マッチデーカレンダーなどを考慮しながら、次の合宿の予定を立てるとしています。
 U19代表はアジアサッカー連盟AFC U19選手権2020年大会の予選を勝ち抜き、ウズベキスタンで開催予定だった本戦出場の資格を得ましたが、新型コロナウィルス感染拡大により大会そのものが中止になっています。なお、この2020年大会の中止決定後、AFCはこの大会を2023年よりAFC U20選手権として開催することを発表しています。

主力選手流出のペラFCに9選手が加入
 5月31日の今年2度目のトランスファー期間が終了したMリーグですが、給料未払い問題により主力選手が多数退団した1部スーパーリーグのペラFCは公式Facebook上で新たに9選手が加入したことを発表しています。
 9選手の氏名の公表はMリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLへの登録が正式に承認されるのを待って行われるということです。
 ペラFC経営陣の署名で行われたFacebookへの投稿では、主力選手6名の退団に伴うサポーターの憂慮を理解しているとした上で、残留した選手が継続して力を発揮できるよう、バランスの取れたチーム作りをするための補強を行ったとしています。
 給料未払い問題が発覚したペラFCからは帰化選手でマレーシア代表でもあるFWギリェルメ・デ・パウラと同じく代表選手のDFシャールル・サアドがJDTへ、MFJ・パルティバンとMFケニー・パッラジがKLシティFCへ、DFナジルル・ナイム・チェ・ハシムがサバFCと、いずれも同じMリーグ1部のクラブに移籍した他、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザは母国シンガポール1部のライオンシティセーラーズFCに移籍しています。
 またマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシア電子版は、ペラFCのイシャサム・シャールディン チームマネージャーは退団した主力選手6名に感謝の言葉を述べる一方で、この6選手の退団により1ヶ月あたりおよそ50万リンギ(およそ1330万円)の支出減となり、これは経営危機を乗り越えなければならないクラブにとっては重要なことだというコメントを紹介しています。

今年のスズキカップは一箇所での集中開催か
 アセアン(東南アジア)サッカー連盟AFF選手権スズキカップは東南アジアナンバー1を決める大会です。これまではグループステージから決勝までをホームアンドアウェイ方式で行ってきたこの大会は昨年2020年11月に開催が予定されていたものの新型コロナ感染拡大により中止となり、一旦は今年2021年4月に延期されました。しかし東南アジア各国で感染拡大が止まらなかったことから、再度延期された結果今年の12月5日開幕、来年2022年1月1日決勝となる日程が発表されています。
 これについてマレーシアの通信社ブルナマは、新型コロナの感染状況が各国とも改善されていないことからAFFが今年の大会を一箇所での集中開催に方式を変更する可能性があると報じています。
 AFFのKhiev Sameth会長は従来のホームアンドアウェイ方式で大会を開催するのが本意であるとしながらも、新型コロナの影響を考慮して、いくつかの選択肢を用意しておきたいと話しており、その一つが一箇所での集中開催方式だと言うことです。
 今年8月10日に組み合わせ抽選が予定されているスズキカップですが、開催方式についての発表は7月中に行われると言うことです。

6月2日のニュース:「秘密兵器」ディオン・コールズが代表に合流、JDT退団のハリス・ハルンはシンガポール代表を離脱、ディオン・コールズの代表加入にワン・クザインが反応

「秘密兵器」ディオン・コールズが代表に合流
 マレーシアサッカー協会FAMは公式Facebook上でベルギー出身のDFディオン・コールズがFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のマレーシア代表チームに合流したことを発表しています。
 前日にはFAMのハミディン・アミン会長自身がFAMの公式Youtubeチャンネルで代表26番目の選手が新たに参加することを知らせるティーザー映像を投稿していました。
 ベルギー出身のコールズ選手は25歳で2020/2021年シーズンはデンマーク1部で2位となったFCミッティランでプレーし、今季は22試合中21試合に出場した他、UEFAチャンピオンズリーグにも3試合出場しています。また、ベルギーの年代別代表でのプレー経験があり、U19代表時代にはUEFA U19選手権にも出場しています。
 FAMの公式Facebookへの投稿によると、コールズ選手がマレーシア代表としてプレーする意思を表示して以来、FAMはFIFAの選手地位委員会よりコールズ選手がベルギー代表(フル代表)としてのプレー経験がないことの承認や、コールズ選手がサラワク州クチン生まれで母親がマレーシア人でもあることなどを示した上で、ベルギーサッカー協会との交渉を経て、マレーシア代表としてプレーする資格取得の申請を行いました。その結果、マレーシア代表としてプレーする資格を得られると、FAMは直ちにアジアサッカー連盟AFCにW杯アジア2次予選出場資格の申請を行い、その申請が認められたことで晴れて今回の代表合流発表となったとしています。
 またコールズ選手がマレーシア代表としてプレーすることを決める際には、Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下の尽力があったこともFAMの発表では明らかにされています。
(写真はFAMの公式Facebookに掲載されたハミディン会長とコールズ選手の写真)

JDT退団のハリス・ハルンはシンガポール代表を離脱
 Mリーグ1部JDTを退団し、母国シンガポール1部のライオンシティセイラーズへ移籍したハリス・ハルンは、6月3日からサウジアラビアのリヤドで行われるW杯予選に出場するシンガポール代表を辞退することをシンガポールサッカー協会FASが公式サイト上で発表しています。
 代表チームの主将を務めるハリス選手は家庭の事情を理由に代表を辞退し、リヤドへ移動するチームには帯同しないということです。
 ハリス選手の代表辞退についてシンガポール代表の吉田達磨監督は「どんなチームであれ主将を失うのは当然、大きな損失である。自分が監督に就任以来、ハリス選手は代表チームのリーダーとしてチームに尽くしてくれてきた。」とハリス選手の代表辞退を惜しみつつも、ハリス選手不在のままであっても試合に臨まなければならない現実と向かい合い、戦術の変更は必要なものの、勝利を目指す姿勢は変わらないと話しています。
 シンガポールは6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選D組でサウジアラビア、ウズベキスタン、パレスチナとの対戦が控えています。

ディオン・コールズの代表加入にワン・クザインが反応
 上で取り上げたディオン・コールズのマレーシア代表加入のニュースに対し、同じく将来の代表候補とされるアメリカ在住のワン・クザイン・ワン・カマルがソーシャルメディアに意味深な投稿しているとサッカー専門サイトのヴォケットFCが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMによるコールズ選手の代表加入を知らせる投稿を引用した上で、疑問を表すような絵文字をつけて再投稿しています。
 ヴォケットFCは、この投稿はワン・クザイン選手自身も代表招集があれば応じる用意があるという意味ではないかと分析しています。
 両親がマレーシア人のワン・クザイン選手はこれまでフル代表に招集されたことはありませんが、2019年の東南アジア競技大会通称シーゲームズに出場するU23代表に招集されたことはあります。しかし、この時は書類の不備などが理由で、結局、最終的には大会に出場できませんでした。
 22歳のワン・クザイン選手はアメリカ2部リーグにあたるUSLチャンピオンシップのスポルティング・カンザスシティIIから今季は同じUSLのリオ・グランデ・バレーFCトロスに在籍し、今季はここまでチームの全試合5試合(うち先発4試合)に出場しています。

6月1日のニュース:W杯予選-初戦出場停止のガンはチームの集中力に期待、MFL-ロックダウン中のMリーグクラブの練習は可能、KLシティFCにナイジェリア出身ストライカーが加入

 マレーシア政府は6月1日より6月14日までの2週間について、いわゆる「ロックダウン」を実施することを発表しました。生活に必要なビジネスのみが午前8時から午後8時までに限って営業が許可され、市民生活については生活必需品の買い物も含めて移動は自宅から半径10km以内、1台の車で外出できるのは1家族2名までなど昨年2020年3月に実施されたロックダウンとほぼ同様の内容ですが、現時点で累計感染者数およそ57万人も累計死亡者数およそ2800人と当時とは異なり、より深刻な状況下での実施となっています。

W杯予選-初戦出場停止のガンはチームの集中力に期待
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けて、初戦のアラブ首長国UAE戦は出場停止となっているブレンダン・ガンはチームに対して相手のことを気にかけるのではなく自分たちのプレーに集中すべきと述べています。
 いわゆるボックストゥボックスプレーヤーとしてしられるガン選手自身が出場できないことで、チームには穴が空いてしまいますが、ガン選手は予選G組の各チームはW杯予選中断前の2019年の時点より強くなっていると話す一方で、マレーシア代表も帰化選手のFWギリェルメ・デ・パウラ(JDT)、MFリリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)が新たに加わり、またDFジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)が2016年6月以来となる代表に復帰したことで確実に強くなっていると話しています。
 初戦で対戦するUAEはFIFAランキングでは73位とマレーシア(同153位)より明らかに格上で、さらに2019年の対戦時以降はMFファビオ・ヴィルジニオ・ジ・リマ、FWカイオ・カネド(いずれもブラジル出身)、FWセバスティアン・ルーカス・タグリアブエ(アルゼンチン出身)ら帰化選手が新たにチームに加わっています。
 それでもガン選手は相手ではなく自分たちのプレーに集中すればチャンスがあると話し、むしろUAEの方がプレッシャーを感じていると指摘しています。「UAEはこの12ヶ月間で4人の監督が就任し、(2019年にマレーシアと対戦した際の)ベルト・ファン・マルワイク監督を解任しながら、その後任2名を解任すると再びファン・マルワイク監督を就任させている。まだ代表チームの選手の選考も混乱しているようだ。」と述べています。
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 ガン選手の指摘通り、UAEは2019年12月にベルト・ファン・マルワイク監督(オランダ)を任期わずか9ヶ月で解任し、その後任にはイヴァン・ヨヴァノヴィッチ監督(セルビア)が就任するも新型コロナ禍の中、1試合も指揮をとることなく解任し、さらにその後任のホルヘ・ルイス・ピント(ポルトガル)監督も昨年2020年11月に解任すると、2020年12月からはファン・マルワイク監督を再登板させています。
 またホームのブキジャリル国立競技場(クアラルンプール)での試合とはいえ、2019年9月10日のW杯予選ではマレーシアはUAEをギリギリまで追い詰めたのは事実なので、6月3日の試合がガン選手が期待するように同じような接戦になるのかどうかに注目です。

MFL-ロックダウン中のMリーグクラブの練習は可能
 前述したようにマレーシア政府は6月1日より6月14日までの2週間はいわゆる「ロックダウン」を実施することを発表しましたが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは、ロックダウン期間中であっても合宿形式であればチーム練習は可能であるという声明を発表しています。
 MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOによれば、新型コロナウィルス対策を決定するマレーシア政府の国家安全保障委員会、保健省、そして国内のスポーツを監督する青年スポーツ省より了承を得たことで、ロックダウン期間中であってもMリーグ各クラブは合宿形式での実施を条件に練習が可能になったとしています。
 この練習許可は今月6月下旬に予定されているAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTや*AFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFC、トレンガヌFCにとっては朗報だと話すアブドル・ガニCEOは、この練習許可はあくまでも合宿形式でのチーム練習を行うこと、さらには厳格な標準作業手順SOPを遵守することが条件であると強調した上で、MFLはこれまでにJDT、クダ、トレンガヌに加えて、1部ではUITM FC、2部ではトレンガヌFC IIとPDRM FCに対してチーム練習を許可したことも明らかにしています。
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 *AFCカップはクダ、トレンガヌが所属する予選H組とI組の集中開催地となっていたシンガポールが新型コロナ感染拡大を理由に開催権を返上したため、実際には6月下旬の開催となるかどうかは確定していません。

KLシティFCにナイジェリア出身ストライカーが加入
 Mリーグ1部のKLシティFCは公式Facebookでナイジェリア出身のFWキリアン・ヌワブエズの加入を発表しています。
 アルバニア1部のKFラチから加入する28歳のヌワブエズ選手は2019/2020年シーズンには36試合で23ゴールを挙げてリーグの得点王に輝いている他、このシーズンに出場したUEFAヨーロッパリーグ予選ではハポエル・ベエルシェバFC(イスラエル)相手にゴールも決めています。
 このヌワブエズ選手を取り上げたスポーツ専門サイトのスタジアムアストロは、KLのボジャン・ホダック監督からかつてパハンに所属していた同じナイジェリア出身のディクソン・ヌワカエメの映像を見るようにとアドバイスされたこと、さらにKLのスタンリー・バーナードCEOとの面談がKL加入の決め手となったことなどヌワブエズ選手のコメントを紹介しています。
 KLはトレンガヌFCから加入したドミニク・ダ・シルヴァ(モーリタニア)が第6節(4月3日)のサバFCとの試合で負ったケガで今季の出場は絶望となっており、ヌワブエズ選手はダ・シルヴァ選手欠場で空いた攻撃陣の穴を埋めることが期待されています。
 またKLはこのブログでも以前取り上げた、地元KL出身でオーストラリア育ちのMFライアン・ランバート(22)の加入も併せて発表しています。昨季はオランダ2部リーグのFCデン・ボスのU21チームでプレーしていました。ライアン選手は英国やオーストラリアに加えてマレーシア代表としてプレーする資格もあります。

5月31日のニュース:マレーシア代表モデルのG-SHOCK販売開始-その人気に乗じた便乗商法も、選手流出が止まらないペラFCは新たな外国籍選手獲得か、ペラFC IIのマネージャーが退団

マレーシア代表モデルのG-SHOCK販売開始もその人気に乗じた便乗商法も
 マレーシアサッカー協会FAM公認のマレーシア代表モデルG-SHOCK限定版の人気に乗じた便乗商法をオンラインメディアのマレーシアンガゼットが報じています。
 マレーシア代表のニックネーム「ハリマウ・マラヤ(マラヤの虎)」モデルと名付けられたこの限定モデルは代表のチームカラーである黄色と黒を基調にしたデザインで今年3月に発表されました。そして特製Tシャツとリストバンド付きで価格はRM579(およそ1万5400円)、数量は限定999個、しかもシリアルナンバー入りで6月1日より実店舗とオンラインの両方で販売が始まることが発表されました。
 しかし5月28日になると突然、FAMの公式Facebook上では翌日5月29日にこのハリマウ・マラヤモデルの販売開始が発表され、そこから24時間も経たないうちに今度は国内のG-SHOCK代理店が声明を発表し、北部クダ州アロースターのG-SHOCK専門店G-Factory、マレー半島東海岸のパハン州クアンタンのG-Factory、そして東マレーシアのサラワク州クチンのG-Factoryの3店舗を除き、G-SHOCKハリマウ・マラヤモデルは既に売り切れとなっていることを明らかにしています。
 明日6月1日にはオンライン通販サイトShopeeのG-SHOCK公式ストアで当初の予定通り販売開始となるようですが、マレーシアンアゼットはこれに先んじてこのShopeeのサイトにはこのハリマオ・マラヤモデルを3倍以上の1889リンギ(およそ5万500円)で出品する輩も現れていることも報じています。
 なおこのハリマウ・マラヤモデルのG-SHOCKは6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選にむけてアラブ首長国連邦で合宿中の代表選手全員にも既に支給されているということです。
(下はFAM公式Facebookで告知されたG-SHOCKハリマウ・マラヤモデル販売開始の告知)

選手流出が止まらないペラFCは新たな外国籍選手獲得か
 給料未払い問題で選手の退団が止まらないMリーグ1部のペラFCは、期限が今日までとなったトランスファーウィンドウ期間中の戦力補強を進めているようですが、サッカー専門サイトのヴォケットFCによると、レバノン出身の選手が候補に挙がっているということです。
 当初、ペラFCはレバノン1部のアル・アンサールSCでプレーするセンターバックのフセイン・エル・ドーの獲得を目論んでいたということですが、両者間での合意に至らず、現在は同じレバノン出身でバーレーン1部アル・アハリ・ドバイFCでプレーする同じセンターバックのジャド・ヌールディンとの交渉が進んでいるということです。なおフセイン・エル・ドーは2019年に、ジャド・ヌールディンは2018年にそれぞれ当時のペラFAでプレー経験があり、ジャド選手はペラFCの2018年マレーシアカップ優勝にも貢献しています。
 この他、ペラFCはブルガリア生まれながらレバノン代表のMFサミル・アヤス、英国出身で昨季はシンガポール1部のホウガン・ユナイテッドFCでプレーしたMFチャーリー・マシェルとの契約合意も近いということです。
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 ペラFCのチョン・イーファット監督は、今回開幕から退団が噂されているブラジル出身のカレッカとレアンドロ・ドス・サントスは残留すると述べていますが、この記事を見る限りでは、ブラジルコンビの退団は確定的のようです。
 って言うか、給料未払い問題を抱えているクラブが新たな選手獲得はそもそも可能なのかどうか、それをFAMがゆるすのかどうかがとても気になります。

ペラFC IIのマネージャーが退団
 Mリーグ2部プレミアリーグのペラFC IIのチームマネージャーが退団すると、マレーシア語紙ウトゥサンマレーシアが報じています。
 Mリーグ1部スーパーリーグのペラFCのセカンドチームであるペラFCのチームマネージャーを務めるアザン・ノー氏は、今季Mリーグ3部のM3リーグのマンジュンシティFCのチームマネージャーに就任しますが、Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは複数のクラブでの要職の兼務を禁じていることから、ペラFC IIのチームマネージャーの職を辞するということです。
 ペラ州マンジュン地区サッカー協会の会長でもあるアザム氏は5月1日にペラFC IIのチームマネージャーに就任したばかりで、1ヶ月も経たない内での辞職となります。
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 一つ前の記事でも取り上げたようにペラFC IIのトップチームであるペラFCからは、給料未払いを理由に主力選手が続々と退団しています。ペラFCのチョン・イーファット監督は、主力選手の退団によってできた穴はセカンドチームのペラFC IIの選手を使って埋めたいと話しており、その通りペラFC IIの主力選手がペラFCへ昇格すれば、現在プレミアリーグで11チーム中10位に沈んでいるペラFC IIは来季は3部降格のせいもあります。
 

5月29日のニュース:代表はW杯予選前最後の練習試合でミス連発、タイ1部クラブ退団のニコラス・スウィラッドはパハンに加入、ヤクルトマレーシアはデフサッカーへの支援を継続

 1日の新規感染者数がついに8000人を超えたマレーシア。マレーシア政府は6月1日から2週間のロックダウンを行うことを発表し、6月19日から再開予定のMリーグ2部プレミアリーグ、7月9日から再開予定のMリーグ1部スーパーリーグとも試合日程の変更を迫られそうです。シンガポールの開催権返上で宙に浮いたAFCカップも含め、新型コロナウィルの影響はまだまだ続きそうです。

代表はW杯予選前最後の練習試合でミス連発
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の再開を6月3日に控えるマレーシア代表は予選前最後の練習試合となるバーレーン戦を行い、0-2で敗れています。
 試合前にはベストメンバーで臨むと話していたタン・チェンホー監督は、予選初戦は警告累積により出場停止となるMFブレンダン・ガンを先発から外し、代わりにリリドン・クラスニキを中盤に配置、さらに予選では先発が予想されるFWギリェルメ・デ・パウラがFIFAの帰化選手規定を満たしていないことから国際Aマッチとなったこの試合には出場できず、FWシャフィク・アフマッドがワントップに入る布陣で臨みました。
 試合開始から積極的に相手ゴールへ迫るマレーシアは9分にはDFマシュー・デイヴィーズが、先制された後も46分にはシャフィク・アフマドがいずれもシュートを放ちますが得点に至らず、前半を0-1で折り返しました。後半に入るとタン監督はイルファン選手に代えてDFジュニオール・エルドストールを投入、その後もノーシャルル・イドラン・タラハ、アリフ・アイマン、ルクマン・ハキム・シャムスディンと次々にFWを投入しましたが、結局無得点に終わっています。
 一方、バーレーンの1点目は41分に自陣ペナルティーエリア内でDFイルファン・ザカリアがバーレーンFWマフディー・アブドルジャバルを倒して与えたPKをマフディー選手自身がゴールを決め、2点目は41分にMFリリドン・クラスニキからのバックパスの処理にもたついたGKファリザル・マーリアスがバーレーンMFモハメド・マルフーンにボールを奪われルトそのままゴールを決められるなど、いずれもミスによる失点でした。
 FIFAランキングでは50位以上上のバーレーンを相手にしながら、中盤でシャマー・クティー・アッバと組んだクラスニキ選手が機能した反面、クウェートとの練習試合と合わせて2試合で6失点の守備陣、そして2試合で1得点の攻撃陣と予選に向けては不安要素も多かった試合でした。

タイ1部クラブ退団のニコラス・スウィラッドはパハンに加入
 昨季途中にタイ2部ノーンブワ・ピッチャヤFCに加入し、チームの2部で優勝と1部昇格に貢献、来季の契約も結びながら、退団となったDFニコラス・スウィラッドがMリーグ1部スーパーリーグのスリ・パハンFCに加入しことをマレーシア語紙ブリタハリアン電子版が報じています。
 タイ1部で外国籍選手がプレーするには自国代表選手として最低3試合のプレー経験が必要ということですが、母親がマレーシア人のスウィラッド選手はマレーシア代表としてプレーしたことがないことから、契約を更新していたにも関わらず、ノーンブワ・ピッチャヤFCを退団していました。
 開幕から不振に苦しんだスリ・パハンFCはトランスファーウィンドウ期間に5人中4人の外国籍選手を入れ替える大ナタを振るい、そこからはマヌエル・イダルゴ(アルゼンチン)、アウン・カウン・マン (ミャンマー)ら新加入攻撃陣の活躍で1勝1分と復調の気配が見え始めています。今回、そこにスウィラッド選手が加わることで守備陣が補強され、後半戦ではスリ・パハンFCがリーグの台風の目になりそうです。
 

ヤクルトマレーシアはデフサッカーを含めたマレーシアデフスポーツ連盟への支援を継続
 マレーシアの通信社ブルナマは、ヤクルトマレーシア社が昨年に続き、今年2021年もマレーシアのデフ(聴覚障害者)スポーツ連盟への支援を継続することを発表したと報じています。なお支援は活動資金援助とヤクルト製品やスポーツ用具提供の形で行われ、その総額は4万リンギ(およそ106万円)ということです。
 ヤクルトマレーシア社は、昨年2020年にはデフサッカーワールドカップ初出場を目指すデフサッカーマレーシア代表の支援も行いましたが、韓国で開催予定だった大会は、新型コロナウィルスの影響で中止になっています。
 世界ランキング24位、アジアランキング6位のデフサッカーマレーシア代表は、来年2022年5月にブラジルで開催される聴覚障害者のための総合スポーツ大会、デフリンピック予選場が現在の目標ということで、ヤクルトマレーシア社はその支援を今後も行っていくということです。

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The former Kuala Lumpur City FC (KL City) midfielder, who has been playing in the Malaysia League (M-League) for 12 years, explained that UiTM FC were only lacking in experience, adding that this was evident from their match against KL City FC on May 8, which ended in a 1-1 draw.

“The coaches here (UiTM FC) saw some weaknesses in their midfield and asked me to join them to help the youngsters in the team.

“I noticed that the youngsters lack an experienced leader to give them instructions on the field,” he said in a statement issued by the Malaysian Football League (MFL) today. 

The 32-year-old Mohd Alif stressed that one of the weaknesses of the UiTM players was their lack of positional play, thus failing to close down space for their opponents to launch attacks.

UiTM FC are currently last in the 12-team Super League standings, having collected just two points from 13 matches.  

Mohd Alif, who is nicknamed ‘Elneny UiTM’ for having the same hairstyle as Mohamed Elneny, who is a midfielder with English Premier League giants Arsenal, is thankful that he could still continue his career as a professional footballer.

He was a household name among Negeri Sembilan fans and was one of the main pillars of the Hoben Jang Hoben’s glorious era during the 2009-2001 seasons.

Mohd Alif, who is known as a midfield hardman, played for Negeri Sembilan until 2014 and also featured for Sime Darby FC, Melaka, Felcra FC and Kuala Lumpur.

5月28日のニュース(2):北朝鮮予選辞退の影響でマレーシアの順位が2位から4位へ、デ・パウラは本番前最後の練習試合は出場資格なし

 W杯予選前の最後の練習試合となるバーレーン戦が本日5月28日午後7時30分(現地時間、マレーシア時間では5月29日深夜12時30分)から行われますが、その前に衝撃的なニュースが飛び込んできました。

北朝鮮予選辞退の影響でマレーシアの順位が2位から4位へ
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、今月5月16日に北朝鮮がW杯予選の出場辞退を発表したことを受け、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の順位決定要件の変更を発表しています。
 アジア2次予選では、各組1位の8チームと各組2位の上位4チームの合計12チームが3次予選に進みますが、北朝鮮がいた予選H組がそれまでの5カ国から4カ国となった一方で、残る7組は5カ国のままであることから、各組2位と5位の対戦成績は順位決定の際に考慮しないことが正式に発表されました。
 このブログでもこうなる可能性があり、その結果としてマレーシアの予選順位に大きな影響が出ることを北朝鮮出場辞退発表直後の5月18日のニュースで取り上げましたが、その懸念が現実のものとなりました。
 この発表が出る前までのマレーシアが所属する予選G組の順位は以下の通りでした。

TeamPWDLGDPts
1ベトナム5320411
2マレーシア530229
3タイ522138
4UAE420246
5インドネシア5005-130
P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GD-得失差、Pts-勝点

 マレーシアを除くG組の各チームはいずれも最下位のインドネシアとは1試合対戦しており、来月6月3日からアラブ首長国連邦UAEで再開されるW杯予選で残る1試合を戦います、マレーシアは既にインドネシアとはホームとアウェイで対戦し2勝しています。このため、今回のAFCによる措置により、マレーシアはそこで得た勝点6を失う一方で、他のチームは1勝分の勝点3を失い、その結果、インドネシアを除く予選G組の順位は以下のように変動します。

TeamPWDLGDPts
1ベトナム422028
2タイ412105
3UAE3102-13
4マレーシア3102-13
*P-試合数、W-勝利、D-引き分け、L-敗戦、GD-得失差、Pts-勝点

 

 2019年末にインドネシア代表監督に就任した韓国出身のシン・テヨン監督は、今回のW杯予選では若い選手を多く招集していることから、インドネシアは予選を通して最下位のままの可能性が高く、ベトナム、タイ、UAEは対戦成績が予選順位に関係しないインドネシア戦では、主力選手を休ませるなど余裕を持った日程となるのに対し、インドネシア戦が残っていないマレーシアは上位進出のためには気を抜ける試合が1試合もない状況での予選となります。

デ・パウラは本番前最後の練習試合は出場資格なし
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選の初戦ととなるアラブ首長国連邦UAE戦(6月3日)まで残り1週間となった本日、マレーシア代表はバーレーンのリファーにあるナショナルスタジアムでバーレーン代表と本番前の最後の練習試合を行いますが、英字紙ニューストレイトタイムズは、国際Aマッチとして行われるこの試合にはブラジル出身で帰化選手のギリェルメ・デ・パウラは出場資格がないと報じています。
 5月25日に行われたクウェート代表との練習試合ではチーム唯一のゴールを決めたデ・パウラ選手ですが、FIFAが規定する「新しい国籍を取得」した選手が代表チームでプレーする資格として「当該協会の管轄区域において、18歳以降に少なくとも5年の居住歴がある選手」の条件を満たしていないことがその理由です。この記事によれば、デ・パウラ選手は来月6月1日にはFIFAが求める条件を満たすことになり、W杯予選にはギリギリのところで出場可能ということです。また5月25日に行われたクウェート代表との試合は国際Aマッチではなかったことから、デ・パウラ選手の出場には支障がなかったようです。
 なお、5月24日に行ったウクライナ(FIFAランキング24位)との練習試合で、バーレーン(同99位)は1-1と引き分けており、マレーシア(同153位)にとっては本番前の最後の練習試合ながら厳しい戦いになりそうです。

5月28日のニュース:W杯予選に臨む代表に「秘密兵器」?、移籍情報3題、トレンガヌのコナテがマリ代表招集

W杯予選に臨む代表に「秘密兵器」?
 6月3日から始まるFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会に向けてアラブ首長国連邦のドバイで合宿中のマレーシア代表に「秘密兵器」が投入されるのでは、とマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 ブルナマによればこの秘密兵器とは、今季はデンマーク1部で2位のFCミッティランで21試合に出場したDFディオン・コールズです。ベルギー人の父親とマレーシア人の母親を持ち、これまでも何度か代表入りの話が出ては消えていたコールズ選手ですが、所属するFCミッティランの公式ソーシャルメディアでコールズ選手が初の代表招集を受けたことを明らかにしたことから、俄然、信ぴょう性が高まっています。
 サラワク州クチン生まれのコールズ選手は慎重185cmの右サイドバックで、U19やU21ベルギー代表の経験もあるほか、ベルギー1部クラブ・ブルッヘ在籍時にはUEFAチャンピオンズリーグでのプレー経験もあります。
 左サイドバックやセンターバックのプレー経験もある185cmのコールズ選手が代表に加われば、代表の守備陣はマシュー・デイヴィーズ、ジュニオール・エルドストール、ラヴェル・コービン=オングと外国育ちながらいずれもマレーシア人の血を引く帰化選手による強力な布陣となりそうです。
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 さらにその後、FCミッティランの所属選手名簿からコールズ選手の名前が消えたことで、コールズ選手は代表入りだけでなく、そのままMリーグ1部JDTへの加入も噂されています。
 本日5月28日にはバーレーンのマナマで予選前最後の練習試合となるバーレーン戦が行われます。流石にぶっつけ本番ということはなさそうですので、この試合がコールズ選手の代表デビュー戦となるかもしれません。

移籍情報-マラッカUはブラジル出身FW2名の新加入を発表
 Mリーグ1部スーパーリーグで11位のマラッカ・ユナイテッドFCは公式Facebook上で新加入となるブラジル出身FW2選手を紹介しています。
 今季はここまで13試合で15ゴールと得点力不足に苦しむマラッカ・ユナイテッドですが、ブラジル4部のSERカシアス・ド・スルから加入するジョヴァンニ・ゴメス・ダ・シルヴァ(26)と、同じくブラジル4部のガウヴェスECから加入するアドリアーノ・アパレシド・ナルシソ(26)には1部残留に向けての活躍が期待されています。
 なお、マラッカ・ユナイテッドFCはこれに先立ち、FWステファン・ニコリッチ(モンテネグロ、今季4ゴール)とFWアレックス・ドス・サントス・コンカウヴェス(ブラジル、同3ゴール)との契約を解除しています。

移籍情報-ペラFC退団のナジルル・ナイムはサバFCへ移籍
 給料未払い問題で主力選手が次々と退団しているMリーグ1部のペラFCから新たな退団者です。同じ1部スーパーリーグのサバFCは、ペラFCを退団したDFナジルル・ナイム(28)の加入を公式Facebookで発表しています。
 ペラ州出身で2016年からペラFCでプレーするナジルル選手は、今季13試合中10試合に出場(内7試合は先発出場)しており、サバFCでも主力として活躍することが期待されています。
 各年代や代表でもプレー経験があるナジルル選手は、2013年には当時JFLのFC琉球のトライアルを受けた後に1年契約を交わしましたが、ケガのためJFLには1試合も出場することなく契約を解除しています。

移籍情報-ザフアン・アゼマンらがケランタンUに加入
 Mリーグ2部プレミアリーグのケランタン・ユナイテッドFCは、1部スーパーリーグのペナンFCよりFWザフアン・アゼマンを獲得したことをクラブの公式Facebookで告知しています。
 来月21歳になるザフアン選手は今季ここまでペナンFCに所属していたものの出場はわずか1試合にとどまっていました。マレーシアU19代表では、フル代表のアキヤ・ラシド(JDT)やニック・アキフ・シャヒラン・ニック・マット(トレンガヌFC)らと共にプレーしたザフアン選手は、昨季はタイ3部のアーントーンFCに所属していましたが、新型コロナウィルスの影響などもあり契約が更新されず、今季開幕前にペナンFCに加入していました。
 またケランタン・ユナイテッドにはMリーグ1部のサバFCからMFアリアスディアス・ジャイスとDFエバン・ウェンズリー・ヴェンツェルも今シーズン終了までの期限付き移籍で獲得しています。
 両選手とも、開幕当初はチーム合流が遅れていた外国籍選手に代わってベンチ入りし、途中出場ながらも数試合にプレーしましたが、第3節に5名の外国籍選手全員が合流した後はベンチ入りもできていませんでした。

トレンガヌのコナテがマリ代表招集
 Mリーグ1部トレンガヌFCは、今季加入したMFマカン・コナテが母国マリの代表に招集されたことをクラブの公式Facebookで発表しています。コナテ選手はこれが代表初招集ということです。
 プロとしてプレーし始めて以来、ずっとこれを目標とし、待ち望んできたと話すコンテ選手は、自身がトレンガヌFCでプレーする映像を見た代表のコーチから直接、連絡を受け、6月1日から始まる代表合宿に参加するために直ちにマレーシアを出国するということです。
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 現在Mリーグ1部で2位のトレンガヌの快進撃の原動力となっているコナテ選手ですが、マリ代表の練習試合は6月15日まで組まれているということで、コナテ選手がこの最終戦まで代表チームに残れば、トレンガヌが出場し6月30日に初戦を迎えるAFCカップのグループステージへの出場が危ぶまれるなー、と思っていた矢先、国内で新規感染者数が増え始めたシンガポールサッカー協会FASがトレンガヌを含むグループI、そしてクダ・ダルル・アマンFCを含むグループHの両グループステージ開催を返上してしまいました。

5月25日のニュース:代表は2年ぶりの実戦でクウェートに惨敗、Mリーグ各クラブは第3次ワクチン接種プログラムで接種対象に、シャキル・ハムザも給料未払い問題のペラFC退団へ

代表は2年ぶりの実戦でクウェートに惨敗
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選に向けて、アラブ首長国連邦UAEのドバイで合宿中のマレーシア代表は、5月23日に現地でクウェート代表と練習試合を行い1-4と敗れています。
 2019年11月19日のW杯アジア2次予選インドネシア戦以来551日ぶりの試合となったマレーシアは、ブラジル出身で帰化選手のギリェルメ・デ・パウラをワントップに据えたフォーメーションでこの試合に臨み、21分にアフマド・アルデフィリイがペナルティーエリアの外から放ったシュートでクウェートに先制されたものの、28分にはラヴェル・コービン=オングのクロスをデ・パウラが決めて代表初ゴールで同点とし、前半を1-1で折り返しました。
 マレーシアのタン・チェンホー監督はデ・パウラとMFシャマー・クティ・アッバを除く全員を入れ替える布陣で後半に臨みました。マレーシアはこちらも初招集となった19歳のルクマン・ハキム・シャムスディンがチャンスを作るものの得点には至らず、逆に55分のファハド・アル・ハジリのゴールから13分間で3ゴールを決め、FIFAランキング148位のクウェートが同153位のマレーシアにランキング以上の差を見せつけて圧勝した試合となりました。
 マレーシアは今週金曜日5月28日にFIFAランキング99位のバーレーンとアジア2次予選ベトナム戦(6月3日)前の最後の練習試合を行います。
 
2021年5月23日
練習試合:クウェート対マレーシア@セブンズスタジアム、アラブ首長国連邦ドバイ
クウェート 4-1 マレーシア
得点者:クウェート-アフマド・アルデフィリイ(21分)、ファハド・アル・ハジリ(55分)、シャバイブ・アルカルディ(61分)、ファハド・アル・アンサリ(68分)、マレーシア-ギリェルメ・デ・パウラ(28分)
(下は両チームの先発XI。写真はマレーシアサッカー協会FAMとクウェートサッカー協会の公式Facebookより)

Mリーグ各クラブは第3次ワクチン接種プログラムで接種対象に
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグのアブドル・ガニ・ハサンCEOは、マレーシア政府が実施するワクチン接種プログラムの第3次プログラムでMリーグ1部と2部が接種対象となると述べたと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 現在、FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼アジアサッカー連盟AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に向けてアラブ首長国連邦で合宿中の代表チームに加えて、6月22日に開幕する今季のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグACLに出場するJDTや、同じく6月29日に開幕するAFCカップに出場するクダ・ダルル・アマンFCとトレンガヌFCはクラブ主導で既に新型コロナウィルスのワクチン接種を終えていますが、マレーシア政府は「より相応しい」個人や団体を優先してワクチン接種を行なっていることから、Mリーグ各クラブは第3次プログラム実施の際にワクチン接種の対象となる見込みであると述べています。
 またこれとは別件で、アブドル・ガニCEOは、Mリーグの日程変更についても言及しています。現在、マレーシア政府は全ての渡航者に対し14日間の検疫隔離を求めていますが、W杯アジア2次予選6月15日まで、JDTが出場しタイで開催されるACLは7月7日まで、クダとトレンガヌが出場しシンガポールで開催されるAFCカップは7月6日までとなっています。このW杯予選、ACLそしてAFCカップに合わせて現在中断中の1部スーパーリーグの再開予定日は7月9日、2部プレミアリーグの再開予定日は6月18日となっていることから、14日の検疫隔離期間後に各選手やクラブが練習の時間が取れるよう新たな日程を今週中に発表するとアブドル・ガニCEOは述べています。

シャキル・ハムザも給料未払い問題のペラFC退団へ
 給料未払い問題が発覚後、既に主力選手4名が退団したMリーグ1部スーパーリーグのペラFCからさらに退団者が出そうです。
 スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、シンガポール出身のDFシャキル・ハムザが既にクラブと退団で合意し、シンガポール1部Sリーグのタンジョン・パガーかライオンシティセイラーズに加入が予想されているということです。
 5月30日までがMリーグのトランスファーウィンドウ期間ですが、この期間中にペラFCからは代表でもプレーするギリェルメ・デ・パウラとシャールル・サアドがJDTへ、ケニー・パッラジとJ・パルティバンがKLシティへ既に移籍しています。
 また、この記事を取り上げたサッカー専門サイトのヴォケットFCは、DFナジルル・ナイムやFWフィルダウス・サイヤディもスーパーリーグの他のクラブが獲得を目指しているとし、ペラFCからの選手の流失はまだまだ止まりそうにありません。

5月23日のニュース:ペラ州FAは新オーナーがペラFCのユニフォームをピンク色にすることを容認、海外組がドバイの代表候補合宿に合流

ペラ州FAは新オーナーがペラFCのユニフォームをピンク色にすることを容認
 Mリーグ1部ペラFCの新オーナー候補にコスメ会社社長のハスミザ・オスマン氏が挙がっていることに関連し、ペラ州サッカー協会(ペラ州FA)はペラFCの再生のためにはユニフォームをピンク色にすることも厭わないと話しています。
 給料未払い問題により主力選手が次々に退団しているペラFCは、現在新たなオーナーを探している最中ですが、その候補に新オーナー候補に資産家でコスメ会社社長のドクター・ヴィダことハスミザ・オスマン氏が挙がっています。かつてケランタンFCのメインスポンサーとして2016年から2017年にかけて1600万リンギ(およそ4億2000万円)を支援したハスミザ氏は、本拠地のスルタン・モハマド4世スタジアムをピンク色に塗装し、またピンク色のユニフォームを採用するなどしたことがあることから、ハスミザ氏のインスタグラムにはペラFCサポーターからは新オーナーとしてチームの救済を求める声が上がる一方で、ユニフォームをピンク色にはしないで欲しいとコメントが見られました。
 この件についてペラ州FAのヤザン・モハマド会長代理は、現時点ではハスミザ氏からはペラFC買収について正式な交渉を開始する依頼は受け取っていないとする一方で、このハスミザ氏を含め複数の個人や企業と買収に関する話し合いを行っていることを認め、その際には伝統的な黄色と黒のユニフォームが維持されれば、それ以外にはピンク色をユニフォームに採用することは厭わないとしています。

海外組がドバイの代表候補合宿に合流
 マレーシアの通信社ブルナマは、海外組の1人のルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)が合流し、アラブ首長国UAEのドバイで行われている代表候補合宿に参加する全選手が揃ったと報じています。今回の代表候補合宿の海外組は、ルクマン選手のほか、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスル・ジェッツ)、ドミニク・タン(タイ1部ポリス・テロFC)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)の総勢4名です。
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場するマレーシア代表は、集中開催地となっているUAEで代表候補合宿を行っていますが、タン・チェンホー代表監督にとっては、自身が招集したい選手全員を集めることができた代表候補合宿は2019年11月以来となります。
 今回の代表候補合宿ではいずれも帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(JDT)とリリドン・クラスニキが代表初招集となっていますが、タン監督はこの両選手も含め全員を5月23日に行うクウェート戦、5月28日に行うバーレーン戦の練習試合2試合で精査し、予選で起用する選手を決めたいとタン監督はメディアとのオンライン記者会見で話しています。
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 国内メディアでは海外組への期待が高まっていますが、3月に閉幕したタイ1部リーグレギュラーとして試合に出続けたジュニオール・エルドストールを除けば、ケガでシーズン後半を棒に振ったドミンク・タン、今季のベルギー1部リーグでは2試合の出場のみのルクマン・ハキム・シャムスディン、そして今季は全て途中出場で最長でも45分しかプレーしていないリリドン・クラスニキと、海外にいるだけで出場機会がない選手に過度な期待をかけるのは、試合に出ない事実には目を向けず海外にいるだけ組をもてはやしたどこかの国のメディアと似ています。