2月19日のニュース
アセアンU23選手権-マレーシアはラオスに逆転負け
キム新代表監督はマレーシア人コーチ候補全員と面談を希望

アセアンU23選手権-マレーシアはラオスに逆転負け

カンボジアのプノンペンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、昨日2月18日のラオスU23代表と対戦し1-2で敗れています。

2月11日のカンボジア入り以来、やっと大会初戦を迎えたマレーシアは、試合開始からチャンスをたびたび作るものの要所でパスが繋がらず、繋がってもそれがシュートまで持ち込めない展開が続きます。それでも前半終了間際にMFのA・セルヴァン(ヌグリスンビラン)がコーナーキックからのこぼれ球を押し込んでゴール!マレーシアは前半を1-0で折り返しました。後半に入ってもマレーシアは同様の展開で追加点を奪えない中、今度はラオスが同点に追いつきます。先のスズキカップ2020でも全試合に先発したMFブウンファチャン・ブウンコンがペナルティーエリアの外でボールを受けると、2人のマレーシアディフェンダーを振り切って55分に同点ゴールを決めます。さらに78分には左サイドで得たフリーキックにDFフェダヴァン・サンウィライがピタリと頭で合わせてラオスが2-1とリード奪い、試合はそのまま終了しました。

マレーシアが入るグループステージB組は、インドネシアとミャンマーが新型コロナで陽性者が出たことなどを理由に大会出場を辞退しており、マレーシアとラオスの2カ国となっていました。これによりグループステージはこの2カ国の直接対決1試合のみが予定されていましたが、試合数減を憂慮したマレーシアサッカー協会FAMとブラッド・マロニーU23代表監督はラオス側に2試合制への変更を申し入れました。これが承諾されたことから、昨日2月18日と2月21日の2試合が行われることになっており、マレーシアはノックアウトステージ出場をかけて、来週月曜日にラオスと再戦します。

******

マレーシア国内メディアはこの結果について、「格下に敗れる」「ショッキングな敗戦」といった見出しをつけていますが、上でも書いたようにラオスの同点ゴールを決めたブウンファチャン・ブウンコンはスズキカップ2020に出場に加え、既にA代表で10試合以上出場しています。一方、攻撃陣を中心に主力選手を招集せず、チームの底上げを図ったマレーシアU23代表にはA代表経験者は1人もおらず、今大会のラオスを格下扱いすること自体が間違っているようにも思えます。

ちなみにマレーシアの年代別代表が最後にラオスに敗れたのは2016年のAFF U16選手権まで遡らなければなりません。今回と同じカンボジアのプノンペンで開かれた大会で、マレーシアはラオスに0-2で敗れています。今から6年前のU16代表は、現在はU23代表に当たりますが、この6年前の試合でもラオスU16代表でプレーしていたブウンファチャン・ブウンコンはゴールを決めており、歴史は繰り返した、といったところでしょうか。

(以下のダイジェスト映像はGoal.comの公式チャンネルより)

キム新代表監督はマレーシア人コーチ候補全員と面談を希望

2月17日に就任後初の記者会見を開いたマレーシア代表のキム・パンゴン新監督は、自身が引き連れたきた4名のコーチに加えて、マレーシア人コーチをコーチングスタッフに加えることを希望しています。これを受けたマレーシアサッカー協会FAMは人選を行い、最終候補が2名に絞られていることはこのブログでも取り上げましたが、キム監督は最終候補2名に加えて他の候補者5名とも面談を希望していると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。キム新監督は、マレーシアのサッカーやMリーグの選手についての情報源としてコーチングスタッフに加わるこのマレーシア人コーチについて、信頼関係を築き上げるために自分に対して忠誠を尽くす誠実な人物であることを望んでいると話しています。

FAMが最終候補とした2名が誰なのかは明らかになっていませんが、7名の候補者は、イスマイル・イブラヒム(前JDTコーチ)、フィルダウス・タン・アジジ(背ウランゴールU19コーチ)、ワン・ムスタファ・ワン・イスマイル(前代表コーチ)、ワン・ロハイミ・ワン・イスマイル(PDRM監督)、E・エラヴァラサン(サラワクユナイテッド監督)、ザイナル・アビディン・ハサン(前マラッカユナイテッド監督)そしてアズライ・コー・アブドラ(元クダ監督)であることが明らかになています。また複数のメディアでは最終候補の1人はサラワクユナイテッドのE・エラヴァラサン監督で決定しているといった報道も出ていますが、正式な発表はまだありません。

2月18日のニュース
アジアカップ2023-マレーシアが最終予選の集中開催地に決定
U23アジアカップ2022-マレーシアは韓国、タイ、ベトナムと同組に
FAMがキム・パンゴン代表新監督とコーチングスタッフを披露

アジアカップ2023-マレーシアが最終予選の集中開催地に決定

アジアサッカー連盟AFCは6月に予定されているAFCアジアカップ2023年大会3次予選の集中開催地を発表し、その6ヶ国の中にマレーシアが入っていることが明らかになりました。インド、クウェート、キルギス、モンゴル、ウズベキスタンとともに集中開催地となったマレーシアは、来年2023年に中国で開催される本大会の残る出場枠11を争う24チームの1つです。。3次予選では、各組の1位と、2位の内の上位5チームが本大会に出場しますが、各組のメンバーは来週2月24日に行われる組み合わせ抽選によって決定します。

U23アジアカップ2022-マレーシアは韓国、タイ、ベトナムと同組に

今年6月にウズベキスタンで開催されるAFC U23アジアカップ(旧U23選手権)の組み合わせ抽選が昨日2月17日に行われ、グループステージC組に入ったマレーシアは、同じ東南アジアのベトナム、タイ、そして前回2020年大会チャンピオンの韓国と同組になっています。

今大会出場24カ国中、東南アジアから出場するのはベトナム、タイ、マレーシアの3カ国ですが、その3カ国全てがこのC組に集まった偶然について、マレーシアU23代表のブラッド・マロニー監督は、今年5月にベトナムで開催される東南アジア競技大会通称シーゲームズでも両国との対戦が予想されることから、2ヶ月連続の対戦となるこの組み合わせについて「興味深い」と語ったとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権出場のためにカンボジアに滞在しているマレーシアU23代表は、グループステージを勝ち上がれば、今大会でもこの両国と対戦する可能性がありますが、タイはU19代表を派遣しており、またベトナムは今季リーグ開幕を控え、所属クラブが招集を拒み主力選手不在の上、パク・ハンソ監督も指揮を取っておらず、5月のシーゲームズ、6月のU23アジアカップで対戦する両国は、今大会参加のメンバーとは全く別の顔ぶれになりそうです。

2018年の中国大会以来4年ぶり2回目の出場となるマレーシアですが、初出場となった前回大会はグループステージを突破したものの、ベスト8で韓国に敗れています。なおこの大会では、優勝したウズベキスタンに延長戦で敗れて準優勝に終わっています。

AFC U23アジアカップ2022 組み合わせ
A組:ウズベキスタン、イラン、カタール、トルクメニスタン
B組:オーストラリア、ヨルダン、イラク、クウェート
C組:韓国、タイ、ベトナム、マレーシア
D組:サウジアラビア、UAE、日本、タジキスタン

FAMがキム・パンゴン代表新監督とコーチングスタッフを披露

今年1月21日に就任が発表されながら、これまではメディアに姿を現していなかったマレーシア代表のキム・パンゴン新監督ですが、キム新監督とコーチングスタッフの入国後の隔離期間が終了したことを受け、マレーシアサッカー協会FAMは協会本部で就任披露会見を行っています。

FAMの公式サイトや公式Facebookでは今年5月1日に53歳となるキム新監督とコーチ陣のパウ・マルティ・ヴィンセンテ コーチ、チョ・ジュンホGKコーチ、ゴカン・カンデミル フィットネスコーチ、そしてリム・ジェフン パフォーマンスアナリストが紹介され、このスタッフにマレーシア人コーチが加わり、代表チームの首脳陣となります。なおマレーシア人コーチは、FAMが事前に先行した最終候補の中から、キム監督自身が面談を行って決定します。

代表監督としての機会を与えられたことに感謝すると述べたキム監督は、FAMが作成したロードマップF :30を理解しているとして、マレーシア代表を東南アジアで勝てるレベル以上のチームにするためにコーチ陣とともに全力を尽くすことを約束しています。

またマレーシア代表にはそれだけの力があると述べたキム監督は、自身とコーチ陣にはそれを実現するためにある程度の時間が必要であると説明し、まずはその礎を作ることに着手し、そこからより大きな目標実現へと進んでいくつもりであると話しています。

またこの席上では、キム新監督の初戦が3月23日のフィリピン代表戦、そして同26日のシンガポール代表選となったことも発表されています。なおこの2試合はシンガポールで行われるということで、マレーシア国内での初采配は、6月のAFC選手権アジアカップ3次予選となりそうです。


2月16日のニュース
アセアンU23選手権-ミャンマーも出場辞退でマレーシアは次戦勝利で準決勝進出決定
タイ1部リーグ第20節-チョンブリーは敗れて4位降格、エルドストールは後半出場

アセアンU23選手権-ミャンマーも出場辞退でマレーシアは次戦勝利で準決勝進出決定

カンボジアのプノンペンで開催中の東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場中のマレーシアU23代表は、昨日2月15日にミャンマーとの初戦を迎える予定でした。しかしチーム内で新型コロナ陽性者が複数見つかったことを理由にミャンマーが試合当日に大会出場を辞退することを表明しています。これによりマレーシアの初戦(そしてグループステージ最終戦)は2月18日のラオス戦となり、この試合に勝利するとグループステージ突破が決まります。

2016年にはMリーグのクランタンFA(現クランタンFC)の監督も務めたことがあるミャンマーU23代表のヴェリザール・ポポフ監督は、試合前日の記者会見の席上で、国内の政情不安から家族の安全のために国内に残ることを選んだ選手やケガから回復していない選手がいることからU23の主力選手を招集できず、今大会に参加するチームは大半はU19の選手であると話したポポフ監督は、現チームの目標は今年5月の東南アジア競技大会通称シーゲームズだと話し、今大会ではU19主体のメンバーがどこまでやれるかを見ることが目標と話していましたが、その目標を果たせないまま大会を去ることになりました。

今大会でマレーシアが入るB組は、大会開幕前に既にインドネシアが出場辞退を決めており、ミャンマー、ラオス、マレーシアの3チームとなっていましたが、ミャンマーの出場辞退でわずか2チームになってしまいました。なおマレーシア対ラオスの勝者はA組、C組のそれぞれ1位、そして3組の2位チームのうち最も成績が良い1チームとともに2月24日の準決勝に進出します。

なおマレーシアの通信社ブルナマは、インドネシアに続き、ミャンマーも出場辞退を決め、グループステージが1試合となってしまったことから、マレーシアサッカー協会FAMはラオスと2試合を行うことを提案したものの、ラオス側にこの提案が拒否されてしまったことも伝えています

タイ1部リーグ第20節-チョンブリーは敗れて4位降格、エルドストールは後半出場

タイ1部リーグ第20節が2月12日と13日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、松村亮選手が所属するポリス・テロFCにロスタイムに決勝点を許し1-2で敗れ、リーグ順位も3位から4位に転落しています。

2022年2月13日@チョンブリースタジアム
チョンブリーFC 1-2 ポリス・テロFC
前節第19節ではベンチ外だっジュニオール・エルドストールは、今節ではベンチ入りしたものの、54分から交代出場し、89分にはイエローカードをもらったものの最後まで出場しています。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第20節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2114342142
2バンコクU2111461437
3BGパトゥムU211074737
4チョンブリーFC2110561435
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月15日のニュース
アセアンU23選手権-新型コロナ陽性選手の交代選手も入国後の検査で陽性が判明
がん克服の代表MFはキム新監督率いる代表復帰に意欲

アセアンU23選手権-新型コロナ陽性選手の交代選手も入国後の検査で陽性が判明

昨日2月14日にカンボジアのプノンペンで開幕した東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場するマレーシアU 23代表は、カンボジア入国時の検査でMFファーミ・ダニエル・ザアイム(トレンガヌFC II)が陽性反応を示し、現在はチームから隔離されています。このファーミ選手に代わり、昨日2月14日には交代選手としてMFシャフィ・アズワド・サパリ(JDT II)が早速、プノンペン入りしましたが、何とこのシャフィ選手も入国時の検査で陽性反応を示したと、マレーシアの通信社ブルナマが伝えています。この結果、本日2月15日のミャンマー戦を控えたマレーシアU23代表は登録人数制限より1人少ない27名で、この試合に臨みます。

オンラインで行われた試合前日の記者会見の席上で、U23代表のブラッド・マロニー監督は、シャフィ選手はマレーシアのクアラルンプール出国前に行なったPCR検査では陰性だったと説明し、カンボジア政府が新型コロナの陽性者に義務付けている措置に従い、7日間の検疫隔離を行なった後、再びPCR検査を受け、陰性が確定してから48時間後に隔離を解かれると説明しています。

またマロニー監督は、今大会の主将にモハマド・アイマン・アリフ(クダ・ダルル・アマンFC)を指名したことも明らかにしています。2019年からこの年代の年代別代表でプレーしているアイマン選手は、監督、コーチと選手間のコミュニケーションが円滑になるように責任を果たし、本日のミャンマー戦に向けて全力で臨みたいと話しています。

がん克服の代表MFはキム新監督率いる代表復帰に意欲

昨年6月のFIFAワールドカップ2020年大会アジア2次予選後に精巣腫瘍(精巣ガン)の初期段階と診断された代表MFのブレンダン・ガンは治療に専念するため、シーズン後半は出場がなく、ピッチからは半年以上離れていましたが、これが完治した現在は既に所属するスランゴールのプレシーズン練習に復帰して元気な姿を見せています。このガン選手が新たに就任したキム・パンゴン新監督率いる代表への復帰にも意欲を見せていると英字紙スターが報じています。

今月2月中旬に自身のコーチングスタッフを伴ってマレーシア入りが予定されているキム新監督は、3月5日に今季2022年シーズンが開幕するMリーグを視察した後、3月21日から29日にかけてのFIFA国際マッチデー期間に最初の代表合宿を行うとされていますが、33歳のガン選手はキム新監督が求めるサッカーに速やかに適応できるかどうかが代表復帰の鍵となると話しています。

「自分はこれまでにヨーロッパや南米、アジア、オーストラリアなど様々な地域からきた監督のもとでプレーしてきたが、試合に起用されるために最も重要なことはその監督が意図するサッカーに自分自身が適応できるかどうかだと考えている。キム新監督は代表に自身のサッカーを浸透させるために自分のコーチも引き連れてくると聞いている。そうであれば容易ではないかもしれないが、キム新監督のスタイルに自分が適応しなければならない。」と話すガン選手は、チームの雰囲気も良くするために選手たちも一致団結することが必要だとも述べています。

またがん治療後の体調について尋ねられたガン選手は、精神的にはこれまで以上に強くなったとして、練習であれ試合であれ常に全力を尽くすことを改めて自分に課していると話しています。「自分がサッカー選手としてこれまでしてきた努力は自分が十分に承知しているので、今は周りの評価を気にするのではなく、自分が今後もその努力を続けていけるのかどうかを見ていきたいし、それが最も重要なことだと考えている。その努力ができれば、それに見合った結果もついてくるはずだと考えている。」と述べています。

またガン選手は2月4日の国際がん啓発デーにちなんでスランゴールFCが主催したイベントに出席し、がん治療中の患者やがん克服者とともに、今季スランゴールFCが着用するセカンドジャージを発表しています。「手術とリハビリを経てがんに打ち勝ったことで、自分は生きていることが再認識できた。今回のイベントを通じて、がんに対する認識を高めたい。」

******

ガン選手が代表でプレーした昨年6月のW杯予選では、格上のアラブ首長国連邦とベトナムには敗れたものの、タイとは引き分けるなど順当な結果を残しましたが、ガン選手離脱後の代表は2勝4敗と、ガン選手不在も代表チーム不調の原因の一つでした。

2月14日のニュース
アセアンU23選手権の最終メンバー28名が発表
未払い給料問題でリーグ出場危機のペラにお家騒動
MリーグのCEOは選手登録期間の延長の可能性を否定

アセアンU23選手権の最終メンバー28名が発表

マレーシアサッカー協会FAMは、明日2月15日にカンボジアのプノンペンで開幕する東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場する最終メンバー28名を発表しています。なおU23代表は、当初は2月11日メンバー発表、翌日12日にカンボジア入りの予定が発表されていましたが、予定を1日はやめて2月11日にカンボジア入りしており、メンバー発表と移動の順序が逆になってしまっています。

なおU 23代表はカンボジア入国時の検査でMFファーミ・ダニエル・ザアイム(トレンガヌFC II)が陽性反応を示したことから既にチームから隔離されており、MFシャフィ・アズワド・サパリ(JDT II)が既に代替選手として昨日、プノンペン入りしています。FAMが発表したU23代表28名のリストはこちらです。

未払い給料問題でリーグ出場危機のペラにお家騒動

前身のペラFAから数えてクラブ創設100周年記念となった昨季にMリーグ1部スーパーリーグで11位となり、Mリーグが現在の形式になって以来初の2部降格となったペラFC(以下ペラ)ですが、先日のこのブログでも取り上げた通り、3名の外国籍選手とその代理人に対して総額が170万リンギ(およそ4690万円)を超える未払い給料があることからFIFAとマレーシアサッカー協会FAMより新たな選手の獲得を禁じる処分を受けています。今季1度目のトランスファーウィンドウ期間の期限が2月22日と迫っており、それまでに未払い給料を完済しなければ今季の2部出場も危ぶまれる状況ですが、その問題の解決が遠のきそうな混乱がペラ州サッカー協会内で起こっていると、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。

ブルナマによると、ペラ州サッカー協会PAFAのモハマド・ヤザン・モハマド会長代行は自身が正式な会長であるとして2021年から2025年までの任期を全うすると宣言したことにより、PAFA内の権力争いが不雑化の様相を示しているということです。昨日2月13日に行われたPAFAの年次総会の席上で、モハマド・ヤザン会長代行は、PAFAに加盟する7つの地区協会の信任を得て自身が正式な会長として承認されたと主張し、自身を支持した7つの地区協会から2人の副会長を指名したことを総会後の記者会見で明らかにしていますが、その一方でPAFA内の別の派閥である14の地区協会が昨年12月に開かれた臨時総会の席上でアズハル・ジャマルディン会長を選出していることから、現在、PAFAには2人の会長が存在する以上事態と状況となっています。

******

モハマド・ヤザン会長代行は、給料未払いによって最終的に昨季開幕戦の先発XI全員がチーム去った際にPAFAで会計を担当していた人物であり、さらに未払い給料の早期解決を求めた選手に「待てないならチームをされ」と逆ギレ発言をおこなっていた人物でもあります。今回の未払い給料問題についても、前経営陣の責任というまるで他人事のような理由を挙げた上で、会長職に固執している姿勢を見ると、このまま会長争いは残り1ヶ月を切ったMリーグ開幕前に解決しそうな気配もなく、このままでは被害を被るのは結局、選手とファンということになりそうです。

またこの外国籍選手への未払い給料以外にも、昨年の11月と12月の未払い給料が支払い期限の1月30日をすぎても支払われていないという別報道もあります。PAFAはこのシーズンオフにペラFCの株式を広告会社としては無名のインパクトメディアアンドコミュニケーション社(IMC社)に譲渡しており、本来ならそこから得た収入は外国籍選手やマレーシア人選手への給料支払いに当てられることになっていたはずなのですが、それについての報道はこれまで全く出ていませんでした。

MリーグのCEOは選手登録期間の延長の可能性を否定

上でも書いた通り今季1度目のトランスファーウィンドウ期間は2月22日が最終日となっていますが、Mリーグを運営するMFLのスチュアート・ラマリンガムCEOは、この起源を延長することはないと明言しています。

未払い給料問題により、FIFAとFAMから新たな選手との契約を禁じる処分を受けているペラに加えて、同じ今季2部降格組のUITM FCもチーム所有権譲渡の交渉中ということで、両クラブは今季の準備までは手が回っていないと、スタジアムアストロは報じていますが、スチュアートCEOはペラ、UITM両チームについて、現在、在籍している(契約済みの)選手だけでのリーグ出場には何も問題はないと話しています。

******

マレーシア人選手だけで戦うのはたとえ2部プレミアリーグとはいえ、容易ではありません。しかも今季は3部に当たるM3リーグもあり、プレミアリーグでも下位になれば入れ替え戦に回る可能性もあります。(ただし、今季のプレミアリーグは従来の12チームではなく10チームしかないので、たとえ最下位の10位となってもプレミアリーグ残留となる可能性もありますが。)

それでもやはりスッキリしないのは、ペラが未払い給料で処分を受けている外国籍選手の1人が2020年シーズン開幕前に一旦は契約しながら、その後にケガが発覚したことを理由に契約を解除したジェオン・ヒヨソク(韓国)であること。給料未払いが過去3年にわたって繰り返されたマラッカ・ユナイテッドが毎年、クラブライセンスを発給されたのは、給料未払いがクラブライセンス審査後に発覚したからという苦しい説明を行なった前科があるこのラマリンガム事務局長は、2020年から未払いが解消されていないジェオン選手の件で、ペラがFIFAから処分を受けていたことについてどうのような説明をするのか、聞いてみたいのですが、なぜどのメディアもMFLの責任問題についてはつつかないのかなぁ。


2月13日のニュース
キム・パンゴン新代表監督がマレーシア入り
マレーシア女子代表コーチ「11人いない!」

FIFAランキング最新版が発表され、昨年末のスズキカップ2020ではランキング下位のインドネシアに敗れたマレーシアですが、前回発表と同じ154位となっています。東南アジアではベトナムが93位で最高位、以下タイ(110位)、フィリピン(124位)、ミャンマー(137位)と続き、マレーシアの154位以降はシンガポール(158位)、インドネシア(173位)、カンボジア(174位)、ラオス(188位)、ブルネイ(191位)、東ティモール(197位)と続きます。ちなみにマレーシアの154位は153位エスワティニ(旧スワジランド)と155位モルディヴの間です。

キム・パンゴン新代表監督がマレーシア入り

マレーシア代表のキム・パンゴン新監督は2月10日に既にマレーシアのクアラルンプール入りしていることを英字紙ニューストレイトタイムズが報じていますが、この日の到着はマレーシアメディアにも知らされていなかったと言うことです。これまで代表を指揮した外国籍監督は空港でメディアに対応するのが一般的でしたが、キム新監督とコーチ陣は空港から直接、検疫隔離先へと向かったと言うことです。

キム新監督は自身のコーチ陣としてゴールキーパーコーチやトレナー、パフォーマンスアナリストを帯同していますが、アシスタントコーチで前バルセロナU18コーチのパウ・マルティ・ヴィンセンテ氏は他のコーチ陣からは遅れてマレーシア入りする予定であることを、マレーシアサッカー協会FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は明らかにしています。

キム新監督は、検疫隔離終了後はFAMが絞り込んだマレーシア人アシスタントコーチ候補と面談して人選を行い、またMリーグ各クラブの視察を行った上で、3月のFIFA国際マッチデー期間に練習試合2試合を含めた代表合宿を行い、6月のAFC選手権アジアカップ3次予選に臨むことになっています。またFAMには6カ国から練習試合の申し込みが届いてると話すサイフディン事務局長は、マレーシアとの3月の練習試合が報じられているタイについては未だ確定していないと話すにとどまっています。

マレーシア女子代表コーチ「11人いない!」

中国の優勝で幕を閉じた先日のAFC女子アジアカップはFIFA女子ワールドカップのアジア予選を兼ねて行われましたが、準決勝に進出したフィリピンと、台湾、タイとの三つ巴のプレーオフに勝利したベトナムがいずれもW杯初出場を決めています。マレーシアは既に予選で敗退しておりこの女子アジアカップには出場できずませんでしたが、女子代表チームのコーチは、その原因の一つとして国内での試合の少なさを挙げています。

アシャラフ・フォン・アブドラ女子代表コーチはマレーシア語紙ウトゥサン・マレーシアの取材に対し、女子サッカー選手は大会の数が少ないサッカーから、試合が頻繁に行われているフットサルを好んでプレーする傾向があると話しています。その結果、フットサル選手の競技人口は増える一方で、サッカー選手人口は減っており、代表クラスの選手11名を集めるのすら難しいと話しています。「女子の大会は少なく、またその期間も短いことから、女子代表合宿に集まる選手は体力に問題があったり、試合経験が明らかに不足していることが見て取れ、その結果、代表合宿に参加するの代表選手と呼べるレベルには達していない選手が大半になっている。」と話すアシュラフ代表コーチは、この状況を変えるためにはマレーシアサッカー協会FAMが男子のような国内リーグを発足させ、また年代別大会を開催するなど女子選手が年間を通してサッカーをする環境を整えるるべきだと提案しています。

*****

スズキカップで男子代表が東南アジア他国に遅れをとっていることは明らかになりましたが、女子も2015年と2019年と2度に渡り女子W杯に出場しているタイや、前述の2023年大会出場を決めたフィリピンとベトナムなどにははるかに遅れています。最近ではスランゴールやヌグリスンビランなど複数の州サッカー協会が州内女子リーグを発足させているようですが、代表チームの強化につながるまでにはまだ時間がかかるということなのでしょうか。

2月12日のニュース
アセアンU23選手権-マレーシアと同組のインドネシアがケガとコロナの影響で出場辞退
今季2部降格のペラにリーグ出場辞退の可能性が浮上
クランタンFCオーナーがFAMにVARシステム供与を提案もFAM会長は「メディアではなく俺に直接話せ」

アセアンU23選手権-マレーシアと同組のインドネシアがケガとコロナの影響で出場辞退

東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に出場するU23代表は昨日2月11日に開催地であるカンボジアのプノンペン入りしていますが、この大会ではマレーシアと同じB組のインドネシアが出場を辞退したとマレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。前回2019年大会の優勝チームでもあるインドネシアですが、インドネシアサッカー協会PSSIが昨日発表したところによると、リーグ戦で怪我をした3選手に加え、選手7名とチーム関係者1名が新型コロナの検査で陽性反応を示し、さらに合宿で彼らと同室だった4名の選手が濃厚接触者となり隔離が必要となったことから、カンボジア出発を前にして大会出場辞退を決定したということです。インドネシアの出場辞退により、B組はマレーシアの他、ミャンマーとラオスの3チームとなりました。この大会はA組からC組までの3グループの1位と各組の2位の内、最も成績の良いチームが準決勝に進出します。

今季2部降格のペラにリーグ出場辞退の可能性が浮上

クラブ創設100周年となる昨季2021年シーズンにMリーグ1部スーパーリーグで11位となり、クラブ史上初の2部降格となったペラは、その理由は給料未払いによる主力選手の大量退団でした。そのペラは、既に退団した複数の選手に対して給料がいまだに支払われていないことが明らかになり、最悪の場合には今季のリーグ辞退もあり得ると、英字紙ニューストレイトタイムズが伝えています。

ペラは昨季在籍したいずれもブラジル出身のレアンドロ・ドス・サントスとカレッカ両選手への給料が未払いとなっている他、両選手の代理人への手数料支払いも滞っているということです。また2020年シーズン開幕前に一旦は契約しながら、その後にケガが発覚したことを理由に契約を解除したジェオン・ヒヨソク(韓国)に対しても同様の未払いがあるとされ、未払い給料と手数料の総額は170万リンギ(およそ4690万円)に上るということです。またこの未払い問題により、現在、ペラはFIFAとマレーシアサッカー協会FAMの両方から、外国籍、マレーシア人にかかわらず新たな選手の獲得を制限されていることも明らかになっています。既にペラは今季に向けてインドラ・プトラ・マハユディン、ザミル・スラマット(いずれもKLシティ)、ワン・ザック・ハイカル(スランゴール)、シャミン・ヤハヤ(マラッカ・ユナイテッド)ら新加入選手を発表していますが、今季1度目のトランスファーウィンドウは2月22日までとなっていることから、この日までに未払い給料問題が解決しなければ、これらの選手加入は無効となるだけでなく、チームそのものが存続できない可能性があります。

なお、この件についてFAMとMリーグを運営するMFLはこの記事作成時までには何も声明を発表していません。

昨季のペラはシーズン開幕からわずか数ヶ月後に給料未払い問題が明らかになり、最終的には開幕戦の先発XI全員が退団、移籍する異常事態となり、チームもシーズンで4勝(22試合)で11位となりMリーグが現在の方式となった1982年以来初の2部プレミアリーグ降格となっています。 

実はさらに深刻なのはペラが降格した2部プレミアリーグで、本来は12クラブで構成されるはずのリーグは、ここ数年で消滅、撤退したクラブもある一方で、新型コロナのため3部リーグのM3リーグが過去2年間行われず、入れ替え戦も実施されていません。このため今季は10クラブのみの参加となっているプレミアリーグですが、ペラが辞退となると9チームとなり、しかもその内の3クラブは1部スーパーリーグのセカンドチームというこれまた、2部リーグなのかリザーブリーグなのかわからない状況になっています。

クランタンFCオーナーがFAMにVARシステム供与を提案もFAM会長は「メディアではなく俺に直接話せ」

Mリーグ2部クランタンFCの「物言う」オーナーとしても知られているノリザム・トゥキマン氏がマレーシアサッカー協会FAMに対してVARの導入を求め、FAMに導入する資金がなければ自身がそのシステムを購入し、FAMに貸し出すことを提案しています。

審判の質が度々問題として取り上げられるMリーグですが、ノリザム オーナーは審判のレベルが向上すれば、クラブの民営化も含めたリーグの改革も上手くだけでなく、リーグ全体のレベルアップにもつながりと話し、VARの導入を強く主張しています。その上でVAR不採用の理由がFAMの資金不足であれば、自身がそのシステムを購入しFAMに貸し出すビジネスも検討していると、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。

今回のノリザム オーナーのコメントは、クランタンFCが昨季のマレーシアカップで審判の微妙な判定によりノックアウトステージ進出を逃した上、その判定をリザル・ザムブリ監督が批判した結果、FAMの懲罰委員会から罰金処分を受けたことが根底にあります。

VARの導入については、Mリーグ1部スーパーリーグの12の本拠地に導入する場合にはおよそ750万リンギ(およそ2億700万円)の費用がかかるという試算がされており、FAMはVARの導入については検討しているとしながらも、具体的な導入時期は発表していません。

またその続報としてハリアンメトロは、FAMのハミディン・アミン会長がその提案を歓迎する一方で、FAMに直接、提案するべきだと述べている、と報じています。「ノリザムオーナーのコメントは素晴らしいが、FAMを支援する意思があるなら。私やFAMの役員に直接、話をするべきであり、FAMは常に意見に対して聞く用意があり、メディアを通じて提案をする必要はない。」と述べ、ノリザム オーナーの取った方法を暗に批判しています。

2月11日のニュース
KDDIが本山雅志選手所属のクランタンUのスポンサーに
タイ1部リーグ第19節-チョンブリーは敗れエルドストールはベンチ外

今回開幕まで残り1ヶ月を切り、各地でプレシーズンマッチが行われています。一昨日はトレンガヌII対ペナンで乱闘が勃発し、中断した試合の再開にペナンに応じず、この試合を主催したトレンガヌが公式に謝罪声明を発表しています。暴力に訴えるのは明らかに間違えていますが、映像で乱闘までの経緯を見る限りではどっちもどっちの様相でした。

KDDIが本山雅志選手所属のクランタンUのスポンサーに

Mリーグ2部プレミアリーグのクランタン・ユナイテッドは、KDDIの現地法人KDDIマレーシア社とスポンサー契約を結んだことを、クラブ公式Facebookで発表しています。KDDIマレーシア社は15万リンギ(およそ417万円)をスポンサーとして提供する他、クランタン・ユナイテッドが行うユース育成プログラムの作成などにも関わっていくということです。クランタン・ユナイテッドのスポンサーとなった日系企業はヤクルトマレーシア社についで2社目です。また今回のKDDIマレーシア社のスポンサー契約締結を支援したヤクルトマレーシア社の濱田浩志社長はクランタン・ユナイテッドの諮問委員会の委員となったことと合わせて発表されています。

タイ1部リーグ第19節-チョンブリーは敗れエルドストールはベンチ外

タイ1部リーグ第19節が2月5日と6日に開催され、マレーシア代表のDFジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・マデル・アマラン・マデルネル)が所属するチョンプリーFCは、加藤恒平選手が所属するチェンライ・ユナイテッドFCに0-1で敗れたものの、リーグ3位を維持しています。

2022年2月6日@レオ・チェンライスタジアム
チェンライ・ユナイテッドFC 1-0 チョンブリーFC
チョンブリーの連勝は2でストップ。なおジュニオール・エルドストールは、今季2度目となるベンチ外でした。なお、エルドストール選手は2月9日に行われたリーグカップでもベンチ入りしませんでした。どうしたんだろう…。
(試合のハイライト映像はタイリーグの公式YouTubeチャンネルより)

タイ1部リーグ順位表(第19節終了時)

順位チーム得失差勝点
1ブリーラムU2013342042
2バンコクU2011451537
3チョンブリーFC2010551535
順位は上位3チームとマレーシア人選手が所属するチョンブリーFCのみ表示しています。

2月10日のニュース(2)
U23代表に4名が追加招集も主力以外の選手に出場機会を与える方針は変更?
キム代表監督のマレーシア人アシスタントコーチ候補が決定か

U23代表に4名が追加招集も主力以外の選手に出場機会を与える方針は変更?

マレーシアU23代表は2月14日からカンボジアのプノンペンで開催される東南アジアサッカー連盟AFF U23選手権に向けて合宿中ですが、この合宿に参加していたDFムハマド・サフアン・マズラン(トレンガヌFC II)が2月8日にチーム全員に対して行われた新型コロナ検査で陽性反応を示し、現在はチームから離れたことを、マレーシア語紙ブリタハリアンが報じています。またGKのT・シャーイースワラン、DFムハマド・アリフ、DFウマル・ハキームの3選手がいずれも所属クラブのJDT IIの求めに応じて合宿を離脱したことも併せて報じられています。

今週金曜日2月12日にはプノンペン出発が迫っての4選手離脱となったU23代表ですが、マレーシアサッカー協会FAMはこれにすかさず反応し、離脱した4名に代わりいずれもスランゴールFC所属の4選手が追加招集されたことを公式Facebook上で発表しています。追加招集されたのはいずれも昨年10月のAFC U23アジアカップ予選に出場したGKシーク・イズハンとDFトリオのアフマド・ジクリ、アズリン・アフィク、ハリス・ハイカルで、このDFトリオはアジアカップ予選全試合にフル出場し、予選3試合を無失点で終えた立役者です。この4選手が加わったU23代表は今日2月10日にKLシティと最後の練習試合を行い、翌2月11日には大会に出場する最終メンバーが発表となります。

******

U23代表のブラッド・マロニー監督はスランゴールFCの4選手の合流を歓迎するコメントを出していますが、今回のAFF U23選手権は主力以外の選手に出場機会を与え、控え組や初招集組のレベルアップが当初の目的だったはず。だとすればあえてスランゴールFCの4選手を追加招集しないという方法もありましたが、無難な選手を呼び戻したということでしょうか。A代表のスズキカップ惨敗に続き、同じアセアン東南アジアレベルでU23代表もグループステージ敗退となれば、それはそれでまた批判も起こるでしょう。しかしU23代表の今年の目標はこのAFF U23選手権ではなく、AFC U23アジアカップやアジア競技大会であることを考えれば、チームの底上げという目的を果たした上での敗退の方が、目先の勝利(勝てばの話ですが)よりも価値があるように思えます。さらに言えば、このスランゴール4人組を招集したことで、万が一、今大会でグループステージで敗退となれば。FAMとU23代表への批判はA代表のスズキカップ敗退後とは比べ物にならないほど強烈になる可能性があります。そんなプレッシャーがかかる中で結果を出すのが一流選手だと言えますが、U23代表がそこまで精神的に成熟しているのかどうかは、大会が始まれば自ずと見えてくるでしょう。

キム代表監督のマレーシア人アシスタントコーチ候補が決定か

ビザ申請書類用意の遅れを理由に未だマレーシア入りしていない代表新監督のキム・パンゴン氏ですが、このキム新監督の元でアシスタントコーチを務めるマレーシア人コーチの人選について、マレーシアサッカー協会FAMは最終候補2人を絞り込んだようだと、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。FAMのサイフディン・アブ・バカル事務局長は、スコット・オドネルFAMテクニカルディレクターと共に6名の候補者と面談を行った結果、最終的に2人まで絞り込まれ、この最終候補の名前は来週にはマレーシア入国予定のキム新監督に伝えられると話しています。

マレーシア人のアシスタントコーチについては、キム新監督自身がFAMに要望したとされおり、その候補者としてトレンガヌのナフジ・ザイン監督、サラワク・ユナイテッドのE・エラヴァラサン監督、マラッカ・ユナイテッドのザイナル・アビディン・ハサン前監督、ペナンのマンズール・アズウィラコーチ、クダのモハマド・アズライ・コー元監督、そしてフェルダ・ユナイテッド元監督で現在はスランゴールのニザム・ジャミルコーチらの名前がメディアなどで取り上げられています。

候補者の中に現役の監督が含まれている可能性について問われたサイフディン事務局長は、キム新監督が現役の監督をアシスタントコーチとして希望する場合には、その監督が契約しているクラブと交渉を行う用意があるとも話しています。なおキム新監督は、このマレーシア人アシスタントコーチの他、現在はバルセロナの下部組織ラ・マシアでU18のコーチを務めるスペイン出身のパウ・マルティ・ヴィンセンテがアシスタントコーチとして、またタイ1部チェンライ・ユナイテッドのゴールキーパーコーチを務める韓国出身のチョ・ジュンホなど4名のコーチ陣を連れてくることも明らかになっています。

2月10日のニュース(1)
再契約の約束を反故にされたと主張するサラワクUのブラジル出身FWが失意の帰国
マレーシア国内新規感染者増もFAMはアジアカップ3次予選開催地として立候補の意向は変えず

再契約の約束を反故にされたと主張するサラワクUのブラジル出身FWが失意の帰国

昨季はMリーグ2部プレミアリーグで2位となり、今季は1部スーパーリーグに昇格するサラワク・ユナイテッドは、昨季終了後も選手や監督、コーチへの給料が未払いとなっていましたが、オーナーが「未払いではなく遅配である」と嘯き、またこれをメディアに公開した選手に対しては「事を大袈裟にしてクラブを貶めるような選手はいらない。」などと逆ギレ気味の発言をするなど、その運営姿勢には大いに問題があるクラブですが、今度は再契約をちらつかせられた外国籍選手がマレーシアへ戻ってきたら、クラブからは不要と言われて帰国するという事件が起こっているようです。

スポーツ専門サイトのスタジアムアストロによると、昨季サラワク・ユナイテッドに在籍したサンドロ・ダ・シルヴァは再契約を約束されて今年1月22日に母国のブラジルからマレーシアへ入国したそうですが、クラブからはE・エラヴァラサン監督の決定により新たな外国籍選手と契約すると告げられて、サンドロ選手とは再契約しない旨を告げられたと報じられています。

2015年にクダに加入し、その後はスランゴールでのプレーを経て、昨季からはサラワク・ユナイテッドでプレーしていた今年38歳のサンドロ選手は、クラブ関係者からは再契約を前提としていると聞かされており、他のクラブからのオファーを受けていたがそれらを断るようにとも言われていたと話しています。「再契約の意思がないならそれを伝える電話一本で済むことで、わざわざ自分をブラジルからマレーシアまで呼び寄せる必要はなかったはずだ。」と話したサンドロ選手は、再契約をちらつかせたクラブ関係者には失望していると話す一方で、その名を明かすつもりはないとし、さらに現時点ではこのまま引退する可能性が高いとも話しています。

******

サンドロ選手について取り上げたスタジアムアストロの記事に対して、サラワク・ユナイテッドは記事の内容を否定する声明をクラブ公式Facebookに投稿しています。これによればクラブはサンドロ選手に対して昨年12月2日に今季2022年シーズンの契約を提示したものの、サンドロ選手が12月6日にこれを拒否した上で新たな再契約オファーの提案があったとしています。サンドロ選手からは「メッセージアプリのWhatsApp」を利用して回答があったことから、クラブはその提案内容を正式に書面で提出するように求めましたが、その期限とした1週間後までに書面での提出がなかったことからクラブはサンドロ選手側に契約の意思がないと判断したと説明しています。この他、サラワク・ユナイテッドはサンドロ選手に交渉のためにマレーシア入国を求めたことも否定し、今回のマレーシア入国はあくまでもサンドロ選手の意思によるものだともしています。

マレーシア国内新規感染者増もFAMはアジアカップ3次予選開催地として立候補の意向は変えず

マレーシアは成人の半数以上が3度目のブースタ-接種を終えていますが、新型コロナの1日当たりの感染者数は連日、今年最高を記録し続け、2月9日は1万7000人を超えています。そんな中でマレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長は、マレーシアがAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選の集中開催地として立候補する意向は変わっていないと述べています。

マレーシアの通信社ブルナマによるとハミディンFAM会長は、オミクロン株による国内の新規感染者数急増について、この状況は対応できる範囲内にあり、一定期間後には感染者数が減っていくとするマレーシア政府保健省の主張を信じていると話しています。その上で国内のスポーツを統括する青年スポーツ省に対しては、アジアカップ3次予選開催のための表中作業手順SOPの見直しは特に行わないとも述べています。

「新規感染者数が増加傾向にあることは理解しているが、多くの国民がワクチン接種している現在は、これまでの状況とは異なると考えている。FAMは保健省や国家安全保障委員会が設けた基準に則って、アジアカップ3次予選をマレーシアで開催する意向をAFCに文書で伝えてあり、今はそれ変更する予定はない。実際に開催地に選ばれるかどうかは今月2月24日の組み合わせ抽選以降になり、それを選ぶのはAFCだが、マレーシアだけでなく3次予選に出場する多くの国が開催地として立候補していると聞いている。」と話したハミディンFAM会長は、開催地決定は渡航者に検疫隔離を義務付けていない国などとの競合になるとしながらも、1980年大会以来となるAFCアジアカップ出場を果たすための本拠地開催に意欲を示しています。

******

マレーシアは2007年にタイ、ベトナム、インドネシアと共同開催したアジアカップで「開催地枠」での出場はあるものの、予選を突破しての出場となると上記の1980年クウェート大会まで遡らなければなりません。また国外の開催となれば、マレーシア政府が渡航者全員に義務付けている検疫隔離により国内リーグの日程も影響を受ける可能性もあることから、マレーシアは自国での3次予選開催を強く希望しています。昨日2月9日には、マレーシア政府の諮問機関の国家復興評議会NRCが渡航者に義務付けている検疫隔離措置について、3月1日付けで全面的に撤廃し、国境を完全に開放するよう政府に提案するなど、アジアカップ予選を開催する環境も整いつつあります。 とは言え、昨年末のスズキカップ2020の代表のプレーぶりを見る限りでは、自国開催が実現したとしてもキム新監督が何かマジックを使わない限り、3次予選突破は容易ではなさそうです。