10月13日のニュース(2):ケガを理由にケランタンFC退団の選手がAリーグに移籍し抱負を語る、U22代表の主力2選手をクラブが招集拒否か

ケガを理由にケランタンFC退団の選手がAリーグに移籍し抱負を語る
 Mリーグ2部のケランタンFCは10月11日にクラブの公式Facebook上で今季加入したスペイン出身のMFマリオ・アルケスの退団を発表しました。Facebookでは「マリオ・アルケスはケガにより2021年10月をもって契約解除となった。さらに母国にいる父親が新型コロナに感染し、直ちに帰国せざるを得ない状況になっている。ケランタンFCはアルケス選手の速やかな回復を願うと同時に今後もクラブとアルケス選手が良好な関係を維持できることを願っている。」という文面が感謝を表す写真とともに投稿されました。
 10月9日のこのブログでも、アルケス選手はケガにより10月29日から再開するマレーシアカップへの出場も絶望という記事を取り上げました。しかし本日10月13日のオーストラリア1部リーグ、通称Aリーグの公式サイトではこのアルケス選手がAリーグのニューカッスルジェッツに加入することが発表されています。この記事の中でニューカッスルジェッツのアーサー・パパス監督はアルケス選手がセットプレーで存在感を発揮する選手であるとして、チームに合流するのを楽しみにしていると述べる一方で、アルケス選手自身も来月11月19日に開幕するAリーグに向けて「自分の目標は出場する試合で110%を出すことで、チームの上位進出にこう貢献したい」と述べています。
 この発言を聞く限り、ケランタンFC退団の理由は純粋にケガだけではなさそうですが、ともあれアルケス選手には新天地での活躍をお祈りします。
(写真左は退団したケランタンFCの、右は加入したニューカッスルジェッツの公式Facebookより)

U22代表の主力2選手をクラブが招集拒否か
 今月10月25日からモンゴルのウランバートルで開催されるAFC U23アジアカップ予選に向けて合宿中のU22代表は、10月20日のモンゴル出発を控えて合宿の最終段階に入り、昨日10月12日のヌグリスンビランFC戦では今季のMリーグ2部優勝チーム相手に1-2と惜敗したものの、ブラッド・マロニー監督は最後の調整が順調に進んでいると話しています。
 U22代表には、先日、ヨルダン遠征を行なったフル代表からFWルクマン・ハキム・シャムスディン(19・ベルギー1部KVコルトレイク)、DFクェンティン・チェン(21・ペナンFC)、MFムカイリ・アジマル(19・スランゴールFC)、FWハキミ・アブドラ(21・トレンガヌFC)の4名も隔離検疫後に合流する予定ですが、サッカー専門サイトのヴォケットFCはこのU22代表で主力となるべき2選手の所属クラブが代表招集を拒否していると報じています。
 その2選手とはDFハリス・ハイカル(19・スランゴールFC)とFWアリフ・アイマン(19・JDT)の両選手です。ハリス選手の所属するスランゴールFCはマレーシアカップのグループステージでここまで1勝1敗ですが、守備陣に不安を抱えるクラブはハリス選手の離脱による影響は大きいことから、今回の招集を拒否したとしています。また6月のW杯予選ではフル代表でもプレーしたアリフ選手の所属するJDTはここまで2勝ながら、やはりクラブは招集を拒否したとしています。
*****
 攻守の要とも言える両選手を欠くU22代表ですが、来年6月にウズベキスタンで開催される本戦へ出場できれば、ルクマン・ハキムとアリフ・アイマンの夢のツートップの活躍も期待できるので、飛車角落(失礼!)メンバーですが、予選J組ではライバルのタイを破ってなんとか本戦出場権を獲得してもらいたいです。
 今回話がややこしくなってしまっているのは、新型コロナの影響もあります。予選が開催される10月25日から30日までの期間はFIFAの国際マッチデー期間ではないため、Mリーグクラブによる招集拒否は問題にはなりません。その一方でこの期間中に国内で予定されているのはマレーシアカップのグループステージ第3節(10月29日から30日)のみで、一見するとU22代表に加わっても出場できないのは1試合のように思えますが、新型コロナの感染拡大を防ぐためマレーシア政府は全ての渡航者に14日間の検疫隔離を義務付けており、これによりモンゴルでの予選に出場すると11月9日と10日に予定されているグループステージ第6節までの残り4試合全てに出場できなくなってしまうことから、スランゴールFCはハリス選手の、JDTはアリフ選手のU22代表招集を拒否したと思われます。

4月20日のニュース:W杯予選を前に代表がワクチン接種、前KLシティ監督は契約不履行でクラブをFIFAに提訴、オーストラリアAリーグ第16・17節-クラスニキは先発せず、ベルギーリーグ最終節-ルクマンはベンチで1年目を終える

W杯予選を前に代表がワクチン接種
 マレーシアサッカー協会FAMのハミディン・アミン会長とマレーシア代表候補選手が4月19日に連邦直轄地プトラジャヤで新型コロナウィルスのワクチンの接種を受けたことをブリタハリアンが報じています。
 ハミディン会長に続き、タン・チェンホー監督、アイディル・ザフアン主将(JDT)やファリザル・マーリアス、アリフ・アイマン・アキヤ・ラシド、シャマー・クティ・アッバ(以上JDT)らが1度目となる接種を受けた他、帰化選手のギリェルメ・デ・パウラ(ペラ)らの姿も見られたということで、代表チームは選手、監督、コートを含む関係者総勢78名がこの日から始まった1度目のワクチン接種の対象となっています。

前KLシティ監督は契約不履行でクラブをFIFAに提訴
 今季2021年シーズン開幕前にKLユナイテッドFC(その後はKLシティFCに改名)を運営するクアラルンプールサッカー協会(KLサッカー協会)と今季の監督として契約しながら、開幕直前に一方的にその契約を解除されたとして、チリ出身で前東ティモール代表監督のシモン・エリゼッチ氏は弁護士を交えてKLサッカー協会、そしてKLシティと損害賠償について話し合いを行ってきましたが、その交渉が決裂したようです。
 今年1月27日にエリゼッチ氏がKLシティFCによる一方的な契約破棄に対して350万リンギ(およそ9200万円)の損害賠償を求める訴訟を起こした後、KLシティFCとエリゼッチ氏側との間で交渉が行われていましたが、マレーシア語紙のブリタハリアン電子版は、エリゼッチ氏の弁護士を務めるザフリ・アミヌルラシドの談話を掲載し、エリゼッチ氏はこの件をFIFAに提訴し、判断を仰ぐことを決めたと話しています。「これまでエリゼッチ氏はKLサッカー協会およびKLシティFCと何度か話し合いを持ってきたが、このままでは何の解決にも至らないことが明らかになった。来週にはFIFAにこの件を提訴し、判断を仰ぎたいと考えている。」
 KLシティはエリゼッチの持つプロ指導者のライセンスがMリーグ1部で監督を務めるには不十分なものであったことを理由に挙げており、エリゼッチ氏はこれを真っ向から否定し、KLシティに夜この発言が自身の信頼性を低下させたとしてこの件についても賠償を求めています。

オーストラリアAリーグ第16・17節-クラスニキは先発せず
 オーストラリア1部Aリーグの第16節と第17節が行われ、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIから期限付きでニューカッスルジェッツに移籍している帰化選手のリリドン・クラスニキは、第16節は出場なし、第17節は途中出場で19分間のみのプレーでした。
 ここまで7連敗で第16節を迎えた現在リーグ11位のニューカッスルジェッツは4月14日に同10位のパース・グローリーと対戦し、1−1で引き分け連敗を止めています。なおこの試合ではクラスニキ選手と同じくJDT IIから期限付き移籍中のシャフリアン・アビマニュ(インドネシア)はいずれも出場はありませんでした。
 また4月18日に行われた第17節のマッカーサーFC戦では、クラスニキ選手は71分に、シャフリアン選手は90分に投入されたものの、この試合でもニューカッスル・ジェッツは2-2で引き分けて、今季成績を3勝4分11敗の11位としています。
<Aリーグ 第16節>
2011年4月14日@コフスインターナショナルスタジアム(ニューサウスウェルズ州コフスハーバー)
ニューカッスル・ジェッツ 1-1 パース・グローリー
 リリドン・クラスニキはベンチ入りするも出場はありませんでした。
<同第17節>
2011年4月18日@キャンプベルタウンスタジアム(ニューサウスウェールズ州ルミア)
マッカーサーFC 2-2 ニューカッスル・ジェッツ
 リリドン・クラスニキは71分に交代出場し、最後までプレーしています。
******
 代表のタン・チェンホー監督は自身がクダFA(現クダ・ダルル・アマンFC)監督を務めていた際にエースとして活躍したのがクラスニキ選手でした。コソボ出身のクラスニキ選手が帰化選手としてマレーシア代表でプレーする資格を得た際には、タン監督は是非とも招集したいと話していましたが、Mリーグ2部プレミアリーグのJDT IIでも活躍する場がなく、試合出場機会を求めて期限付き移籍したニューカッスル・ジェッツでも出番が増えないことから、来月開催予定のW杯予選へ向けたの代表合宿にクラスニキ選手が招集される可能性は低そうです。

ベルギーリーグ最終節-ルクマンはベンチで1年目を終える
 ベルギー1部リーグ2020/2021シーズンは最終節第34節が行われ、U19マレーシア代表のエース、ルクマン・ハキム・シャムスディンが所属するKVコルトレイクは最終戦でKVメヘレンに1-4で敗れ、今季は11勝6分17敗、得点44失点57で18チーム中14位でシーズンを終えています。
 最終戦ではルクマン選手も今季2度目のベンチ入りとなりましたが、シーズン中のケガでチームを離れて治療を行っていた時期もあり、今季の出場成績は途中出場1試合(2020年10月24日対RSCアンデルレヒト戦)に止まり、出場時間も16分間でした。
 ベルギー1部のクラブとオランダ1部のクラブが合併して新たなリーグを作る動きもあるようですが、ルクマン選手のKVコルトレイクはこの合併構想には含まれておらず、この新たなリーグに参加するクラブ・ブルッヘやアンデルレヒト、ロイヤル・アントワープなど8クラブを除いた10クラブと2部に所属する8クラブは国内の新たなリーグに所属することになるということです。
******
 Mリーグに戻って来いとは言わないものの、出場機会に恵まれない環境でトップチームにいるのであれば、クラブのU19やU21リーグでプレーする、あるいは他国リーグへ移籍してトップチームでプレーするという選択肢もありそうです。いずれにせよ、マレーシアサッカーを背負う逸材とされながら、その育て方に失敗していつの間にか消えてしまうことがないよう祈りたいです。

4月13日のニュース:タイFAカップ決勝-エルドストールのチョンブリーFCはPK戦の末惜敗、オーストラリアAリーグ-クラスニキは出場も先発機会は未だ与えられず、PDRMはスポンサー支援によるロッカー室など建設、シャーアラムスタジアム改修に大幅な遅れ

タイFAカップ決勝-エルドストールのチョンブリーFCはPK戦の末惜敗
 4月11日に2021年タイFAカップ決勝がが行われ、PK戦4-3でチェンライ・ユナイテッドFCがチョンブリーFCを破って優勝しています。
 チェンライ・ユナイテッドFCは優勝賞金500万バーツ(およそ1740万円)に加え、来季2022年のアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ本戦への出場権を獲得しています。
 タイでは感染者が再び増え始めたことから、無観客で開催されたこの試合は、リーグ4位のチェンライ・ユナイテッドFCが同12位のチョンブリーFCに対して優勢とされていましたが、アンダードッグのチョンブリーFCが31分にDFチャットモンコン・ルアンチャナロットのゴールで先制。これに対してチェンライ・ユナイテッドは41分に攻撃的MFシワコーン・ティアトラクーンのゴールで追いつきます。そしてこの後は両チームとも得点を挙げられず、試合は延長戦へ突入。延長ではチョンブリーFCが優勢に試合を進めますがゴールには至らず、最後へPK戦での決着となりました。。
 PK戦ではチョンブリーの2人目、FWエリアンドロのシュートがチェンライ・ユナイテッドGKサラノーン・アヌインに止められた一方で、チェンライ・ユナイテッドの4人目、DFシナパット・リーオのシュートをチョンブリーFCのGKチャニン・サエイアが止め返して、両チーム4人目が終了した時点で3-3となりました。その後、チョンブリーFCの5人目で主将MFクルークリット・タウィーカムのシュートはクロスバーを直撃し、チェンライ・ユナイテッドFCの5人目DFチョーティパット・プンケーウが冷静にシュートを決めて、チェンライ・ユナイテッドFCは2018年以来2年ぶりの優勝を決め、当時のプミポン国王崩御に伴い4チーム優勝となった2016年以来の優勝を目指したチョンブリーFCは準優勝に終わりました。(一部英字紙バンコクポストの記事を引用しました。)
******
 今季1部で優勝したBGパトゥム・ユナイテッドでプレーしたノーシャルル・イドラン・タラハ、同じく2部で優勝したノーンブワ・ピッチャヤFCでプレーしたニコラス・スウィラッドに続き、今季タイリーグで3人目となる優勝経験者となることが期待されたジュニオール・エルドストール (タイで の登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)でしたが、チームは敗れただけでなく、エルドストール選手自身も累積警告のためこの試合は出場停止となりベンチ入りしませんでした。

2021年4月11日 タイFAカップ決勝@タマサートスタジアム(パトゥムターニー県ランシット)
チェンライ・ユナイテッドFC 1-1 チョンブリーFC (PK戦4-3)
得点者:チェンライ-シワコーン・ティアトラクーン(40分)、チョンブリー-チャットモンコン・ルアンチャナロット(30分)
 ジュニオール・エルドストールは累積警告のためこの試合は出場停止となりベンチ入りしませんでした。

https://youtu.be/C17rBkwDZ1k

オーストラリアAリーグ-クラスニキは出場も先発機会は未だ与えられず
 オーストラリア1部リーグ、通称Aリーグは4月1日から6日にかけて第14節が、9日から14日にかけて第15節がそれぞれ行われ、JDTからニューカッスル・ジェッツに期限付きで移籍中のリリドン・クラスニキは両節での試合にいずれも途中出場しています。
 5連敗で第14節を迎えたニューカッスル・ジェッツは4月5日のウエスタン・ユナイテッドFC戦でも相手のFWラクラン・ウェルス に開始1分で先制ゴールを決められ、そのまま敗れて6連敗を喫し、続く第15節、メルボルン・ヴィクトリー戦では先制するも2ゴールを決められて逆転負けしています。第15節を終えて7連敗となったニューカッスル・ジェッツは、3勝2分11敗で12チーム中11位となっています。
 なお、クラスニキ選手はウエスタン・ユナイテッド戦では70分から、メルボルン・ヴィクトリー戦では75分からいずれも途中出場しています。また同じJDTからやはり期限付きでニューカッスル・ユナイテッドに移籍しているインドネシア出身のシャーリアン・アビマニュは第15節のウエスタン・ユナイテッド戦で89分から交代出場してAリーグデビューを果たし、翌16節でも84分から途中出場しています。

Aリーグ
第14節 2021年4月5日@マクドナルド・ジョーンズスタジアム(ニューサウスウェールズ州ニューカッスル)
ニューカッスル・ジェッツ 0-1 ウエスタン・ユナイテッドFC

第15節 2021年4月10日@マクドナルド・ジョーンズスタジアム(ニューサウスウェールズ州ニューカッスル)
ニューカッスル・ジェッツ 1-2 メルボルン・ヴィクトリー

PDRMはスポンサー支援によるロッカー室など建設
 現在はMリーグ2部プレミアリーグで11位に低迷するPDRM。マレーシア王立警察が運営するクラブに複数のスポンサーからの支援が集まり、今季は資金不足には悩まなくて済むようだと、マレーシア語紙ハリアンメトロが報じています。
 今季のユニフォームの胸スポンサーで、チームの最大のスポンサーでもあり、国内はもとより世界最大手のゴム手袋などゴム関連製品メーカーのトップグローブ社に加えて、携帯電話事業会社のレッドワン社、コーヒー飲料メーカーのブラックビクソン社など複数の企業から提供された資金は、クアラルンプール警察訓練施設内に新たに用意された選手用ロッカールームやミーティング室、マッサージ室などの建設にも使われています。
 PDRM FCのCEOでもあるモハマド・ハフィズ・ザイナル・アビディン警視補は、選手はこれまでフィールド横に設置した移動式の家屋を利用していたということです。
******
 ちなみトップグローブ社がPDRM FCの最大のスポンサーとなったことについては、ネット上でも警察と全く無関係と思える企業がなぜ、と話題になりました。
 ちなみのこのトップグローブ社に対しては、今年3月に米税関・国境警備局(CBP)が一部の商品が受刑者、強制労働、借金による束縛の労働で生産されていたと認定。この種の労働により作られた製品の米国への輸入を禁止した関税法に基づく措置により、港湾当局に対し同社製ゴム手袋の押収を指示する事態となっています。トップグローブの工場で働く従業員のほとんどは外国からの出稼ぎ労働者で、新型コロナウィルスのクラスターが同社の従業員宿舎でも発生し、その劣悪で法定基準が守られていない居住環境が明らかになりながら、その罰則が思いの他軽かったことから、ソーシャルメディアではトップグローブ社がPDRM FCのスポンサーとなることで「忖度」を受けたのではないかともささやかれています。

シャーアラムスタジアム改修に大幅な遅れ
 Mリーグ1部スーパーリーグのスランゴールFCが1990年から使用してきたシャーアラムスタジアム(スランゴール州シャーアラム)は昨年から改修工事中のため閉鎖が続いていますが、その改修工事が大幅に遅れているとハリアンメトロが報じています。
 ハリアンメトロに対し、スランゴール州政府内委員会のモハマド・カイルディン・オスマン理事は、昨年中に終了している予定の改修工事が現在も中断されたままであることを認めた上で、改修予算として1億8000万リンギ(およそ4億7800万円)が割り当てられているものの、スタジアムには大規模の改修が必要であり、終了までには時間がかかること、そして昨年は新型コロナウィルス感染防止のための移動制限令MCOにより、予定していた作業が行えなかったと話しています。
 シャーアラムスタジアムが使用できないスランゴールFCは、同じスランゴール州のプタリンジャヤにあるMBPJスタジアムを同じスーパーリーグのPJシティFCと共用しています。

4月3日のニュース:主審を突いたJDTのインサにFAMは2試合出場停止と26万円の罰金処分、トレンガヌのGKラハディアズリが膝前十字靭帯損傷で今季絶望、タイリーグ20/21シーズン終了-エルドストールとスウィラッドが最終戦でタイ移籍初ゴール、オーストラリアリーグ第13・14節-クラスニキは両試合に出場

主審を突いたJDTのインサにFAMは2試合出場停止と26万円の罰金処分
 マレーシアサッカー協会FAMは今季2度目となる懲罰委員会を開催し、JDTのナチョ・インサに対し2試合の出場停止と1万リンギ(およそ26万7000円)の罰金処分を課したことをバルジット・シン・シドウ委員長名で発表しています。

  1. ナチョ・インサ(JDT)
    処分対象:3月21日のMリーグ1部スーパーリーグ第5節、ペラ戦での非スポーツマン行為 
    (具体的には、試合後に両手で主審の胸を押した行為がが処分対象の行為)
    処分内容:2試合出場停止および罰金1万リンギ

 ただし今回の出場停止処分には、4月2日のマラッカ・ユナイテッド戦は出場停止が確定しているものの、残るもう1試合の出場停止処分は、今後8ヶ月間以内に同様の行為を行った場合に適用するのとの注もつけられており、出場停止試合が1試合で済む可能性もあります。
*****
 試合中に死角になっている後ろから両手で主審を突き飛ばして倒したケランタンのジャック・ヒンドルへの処分は厳重注意のみだっただけに、FAMの処分の一貫性のなさには今後再び批判が集まりそうです。

トレンガヌのGKラハディアズリが練習中に膝前十字靭帯損傷で今季絶望
 Mリーグ1部で現在2位と好調のトレンガヌに激震です。先日の代表合宿にも初招集されたGKラハディアズリ・ラハリムが練習中に膝前十字靭帯を損傷し、今季絶望とスポーツ専門サイトのスタジアムアストロが伝えています。
 192cmの長身を生かしたプレーで昨季頭角を表し、19歳ながら今季は第5節までの全試合にフル出場している正GKのケガはトレンガヌにとっては大きな痛手です。なお、ラハディアズリ選手は手術が必要な状態で、復帰までには時間が必要と報じられており今季の出場は絶望ということです。
******
 今回の代表合宿招集でFWルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、FWアリフ・アイマン・ハナピ(JDT)ら他の10代選手ととも将来の代表の核となることが期待されていたラハディアズリ選手ですが、6月の代表チーム招集の可能性もあっただけに、クラブにとっても本人にとっても大きな痛手です。

タイリーグ20/21シーズン終了-エルドストールとスウィラッドが最終戦でタイ移籍初ゴール
 今さらですがタイ1部は3月28日に、2部は3月31日にいずれも最終節が開催され20202/2021年シーズンが閉幕しています。1部ではチョンブリーFCに所属するジュニオール・エルドストール(タイでの登録名はプテラ・ナデール・アマルハン・マダナー)が最終戦で今季初ゴールを決めてます。また同じ1部のポリス・テロFCに所属するドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りしませんでした。チョンブリーFCでは加入後は主力としてほぼ毎試合先発したエルドストール選手は検疫隔離の都合で3月の代表合宿には招集されませんでしたが、5月のW杯予選直前の代表合宿招集の可能性が高くなってきました。
 一方2部のノーンブワ・ピッチャヤFCに所属するニコラス・スウィラッドも最終戦でタイ移籍初ゴールを決めています。
タイ1部第30節
ラヨーンFC(16位-4勝3分23敗) 1-1 チョンブリーFC(12位-9勝5分16敗)
 ラヨーンFCは大久保剛志選手のゴールで先制するも、ジュニオール・エルドストールが90+4分に引き分けに持ち込む今季初ゴールを決めています。エルドストール選手は先発してフル出場しています。
ポリス・テロ(11位-10勝6分14敗)0-0 ブリーラム・ユナイテッドFC(2位-20勝3分7敗)
 ドミニク・タンはケガが完治しておらずベンチ入りしませんでした。
タイ2部第32節
ノーンブワ・ピッチャヤFC 6-0 MOFカスタムズ・ユナイテッド
 ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしませんでした。
同第33節
ノーンブワ・ピッチャヤFC 1-2 ネイビーFC 
 ノーンブワ・ピッチャヤFCは33試合目で今季初敗戦。ニコラス・スウィラッドはベンチ入りしましたが、出場しませんでした。
同第34節
カセサートFC(14位-11勝5分8敗) 0-3 ノーンブワ・ピッチャヤFC(1位-21勝12分1敗)
 既に2部優勝を決めていたノーンブワ・ピッチャヤFCが最終戦も勝利しています。90+2分に交代出場したニコラス・スウィラッドはタイ移籍初ゴールを最終戦で決めています。

オーストラリアリーグ第13・14節-クラスニキは両試合に出場
 こちらも少々古いニュースですが、オーストラリア1部リーグのAリーグの第13節と第14節が開催され、ニューカッスル・ジェッツに所属する帰化選手のリリドン・クラスニキはいずれも途中から出場しています。検査隔離の都合もあり、3月の代表合宿には招集されませんでしたが、試合出場時間を伸ばしていけば、5月のW杯予選直前の代表合宿には招集が期待されます。
オーストラリア1部(Aリーグ)第13節
ニューカッスル・ジェッツ 1-4 アデレード・ユナイテッド
  リリドン・クラスニキは45分から出場し最後まで出場しています
同第14節
パース・グローリー (8位-5勝2分6敗)2-1 ニューカッスル・ジェッツ(11位-3勝2分9敗)
 元日本代表の太田宏介選手を擁するパース・グローリーにも敗れたニューカッスル・ジェッツは5連敗。リリドン・クラスニキは59分から出場し最後まで出場しています。

2月6日のニュース:W杯アジア二次予選-ベトナムを除く4カ国同意も6月延期は未だ確定せず、帰化選手のクラスニキがオーストラリアリーグへ期限付き移籍

W杯アジア二次予選-ベトナムを除く4カ国同意も6月延期は未だ確定せず
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選は新型コロナウィルス感染拡大により現在は中断中ですが、予定されている3月の再開に向け、感染状況が改善しないマレーシアは試合の6月延期と集中開催を同組内各国サッカー協会に提案しています。これまでアラブ首長国連邦UAE、タイ、インドネシアからは同意を取り付けているとされる一方、現在はG組で首位のベトナムは変更提案にに同意していないと報じられており、先日のこのブログでも予選G組5カ国中4カ国が同意している変更について、アジアサッカー連盟AFCからベトナムサッカー協会に対しこれに同意するよう働きかけをして欲しいいうマレーシアサッカー協会FAMの要望を取り上げました。しかし、 その要望は簡単に通りそうもないと英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 AFCのウインザー・ジョン事務局長は、各国に自国での試合実施の権利があるとし、予選G組内の多数決では変更は認められないと話していると言うことです。
 「アジア二次予選は原則としてホームアンドアウェイ形式で開催されることが理解できていれば、各国にホームでの開催権が与えられていることは明らかである。(多数決で日程変更を認めるべきと主張する)多くのメディアはこの点を正しく理解していない。シンガポールを例に挙げれば、感染者数が少ない上、シンガポール人以外にも出入国を許可していることから、シンガポールにホームでの試合を取りやめて集中開催に同意することを強いることは筋が通らない。各国でホームアンドアウェイ形式での試合開催が不可能となった時点で集中開催が決定されるべきだ。」
 「またこの他に考慮するべきこととして、各国のサッカー協会が契約しているスポンサーへの義務や放映権などの問題があり、これら無視して試合開催を考えることはできない。」と話すウインザー事務局長は、予選G組を含めた各組に対し2月15日までに日程を確定するように求めており、この期日までに確定できない場合にはAFCが決定を行うとしています。
*******
 感染者数が少なかったベトナムも国内の感染拡大を受け、1月29日の今季第3節終了後に国内リーグが中断しています。W杯アジア二次予選ではマレーシアは3月30日にホームで予選G組首位のベトナムとの直接対決という重要なカードが組まれていますが、一昨年の11月から一度も代表合宿を開催していないマレーシアにとっては明らかに準備不足で臨むことになる3月開催は何としても避けたいところです。

帰化選手のクラスニキがオーストラリアリーグのクラブへ期限付き移籍
 オーストラリア1部Aリーグのニューカッスル・ジェッツは公式サイトでMFリリドン・クラスニキとシャーリアン・アビマニュをMリーグ2部JDT IIから期限付き移籍で獲得したことを発表しています。
 コソボ出身で29歳のクラスニキ選手は2015年にクダFA(現クダ・ダルル・アマン)に加入し、その後はマラッカ・ユナイテッドでのプレーを経て昨季からJDT IIに加入していました。Mリーグで5年間連続でプレーしたことから帰化選手申請の資格を得たクラスニキ選手は、昨年2月にマレーシアの国籍を取得しています。
 一方、JDT初のインドネシア出身選手でもある21歳のシャーリアン選手は各年代での代表チームでのプレー経験を持ち、インドネシア1部リーグのマドゥラ・ユナイテッドから昨年2020年12月に獲得したばかりの選手です。
 両選手は既にオーストラリア入りしており、渡航者に義務付けられている検疫隔離期間中ということで、Aリーグのトランスファーウィンドウが開く2月16日以降にチームに合流するとされています。
******
 ニューカッスル・ジェッツは現在Aリーグ1部で1勝1分4敗の12位最下位と低迷しており、すでに開幕時の監督は更迭されて、後任監督が先日決まったばかりという状況です。帰化した直後には代表に召集されW杯予選の秘密兵器となるだろうと期待されながらMリーグでは結局、トップチームに定着できなかったクラスニキ選手ですが、この移籍を機会に活躍し、クダFA時代の監督でもあるタン・チェンホー代表監督から召集される日が来るでしょうか。
(写真は両選手を告知するニューカッスル・ジェッツの公式Facebook投稿)