7月6日のニュース:AFCカップ東南アジアゾーンは中止に、未払い給料完済が来季のクラブライセンス発給の条件-MFL

AFCカップ東南アジア地区は中止に
 アジアサッカー連盟AFCは公式サイト上で、新型コロナウィルス感染拡大により開催できないAFCカップ予選については中止とすることを発表しています。
 AFCの大会運営委員会は会合を開き、AFCが主催するAFCチャンピオンズリーグACLとAFCカップの日程及びフォーマット変更を発表し、ACL西地区は10月16日と19日に、東地区は10月17日と20日にそれぞれ準々決勝と準決勝を行うことや、決勝も従来のホームアンドアウェイ方式から1試合方式に変更して11月22日に開催することを発表しています。なお、決勝の会場は西地区に所属する各国サッカー協会からの立候補を求めるとしています。
 またAFCカップについては、既に予選が行われている組はそのまま予定通り開催する一方で、現在も集中開催地が未定の予選組は中止が決定されています。具体的には東南アジア(アセアン)地区の予選H組とI組だけがいまだ試合を行えていないことから、アセアン地区の予選の中止が決定したことになります。昨季Mリーグ2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCはそれぞれ、AFCカップの予選H組とI組で予選を戦う予定でしたが、集中開催地として当初、立候補していたシンガポールが新規感染者数の拡大により開催地を返上し、その後は開催地が決まっていませんでした。
 今回の発表では、この他に来季2022年のACL、AFCカップとも今季同様に、予選は集中開催、ノックアウトステージは決勝まで全試合が1試合の試合フォーマットで行われることも明らかにされています。

未払い給料の完済来季のクラブライセンス発給の条件-MFL
 Mリーグを運営するマレーシアンフットボールリーグMFLは未払い給料問題を抱えるMリーグクラブに対し、速やかに問題が解決されない場合、来季2022年シーズンのクラブライセンスを発給しないとしています。
 現在Mリーグは来季のクラブライセンス申請期間中ということでが、MFLのアブドル・ガニ・ハサンCEOは「MFLは給料未払い問題解決に真剣に取り組んでいる。例えば給料未払い問題が発覚したペラFCに対しては、問題が解決されなければ今年2度目のトランスファーウィンドウ期間の新規選手獲得を禁じる警告を出したが、これに対してペラFCは直ちに未払い給料を支払った。Mリーグクラブの民営化が行われた現在は、(従来の州サッカー協会ではなく)各クラブ自体が未払い給料を支払う義務を負っているが、民営化が実現したことにより未払い給料問題の件数は例年より少なくなっている。」と話しています。
 また来季のクラブライセンスについては、合計18クラブがMリーグでプレーするためのクラブライセンスを申請中であると述べたアブドル・ガニCEOは、その内、JDT、マラッカ・ユナイテッドFC、PJシティFC、ペラFC、クダ・ダルル・アマンFC、スランゴールFC、ペナンFC、トレンガヌFC、UITM FC、KLシティFC(以上Mリーグ1部)とサラワク・ユナイテッドFC(Mリーグ2部)の11クラブがAFCライセンスも併せて申請していることも明らかにしています。
 ただしサラワク・ユナイテッドFCは2ヶ月分の給料未払いが発生しているとして、来季のクラブライセンス発給のためには8月末までにこの問題を解決する必要があると記事では述べられています。
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 現段階で18クラブが来季のMリーグクラブライセンスを申請していると記事には書かれていますが、現在のMリーグは1部と2部を合わせると24チームで構成されています。その内、JDT、トレンガヌ、スランゴール、ペラは2部でセカンドチームがプレーしており、また今季は数合わせ的にMSN -FAMプロジェクトチームが2部に参加していることから、Mリーグ1部と2部は実質的には19クラブとなっています。となるとこの19クラブの内、1クラブだけが未だ来季のクラブライセンス申請を行っていないことになります。

 

7月5日のニュース:ACL予選G組マッチデー5-JDTは名古屋の無失点記録を破るも惜敗、ラーチャブリーは浦項と引分でACL初勝点獲得

ACL予選G組マッチデー5-JDTは名古屋の無失点記録を破るも惜敗
 前戦の浦項戦からラヴェル・コービン=オング以外の先発メンバー10名を入れ替えたJDTは開始3分でこの予選初先発となったアダム・ノー・アズリンが、これをマテウスが決め、名古屋が先制します。その後もJDTは落ち着く間も無く名古屋の連続攻撃にさらされ、致命的なチャンスを何度も逃した後、28分には阿部浩之がペナルティーエリアの外から文字通り美しいシュートを決めた名古屋がリードを2点に広げます。
 しかしJDTは守勢に回ることなく、積極的に攻め続けた42分、ペナルティーエリアの外からラヴェル・コービン=オングが放ったシュートは名古屋GKミッチェル・ランゲラックがパンチングで逃れるも、それに詰めていたラマダン・サイフラーがこぼれ球を押し込み、ここまで無失点の名古屋からゴールを奪ったJDTが1点差に迫ります。
 1−2で始まった後半は、開始からペースを上げた名古屋が攻め込むも、そこを持ち堪えたJDTも徐々に攻撃のリズムを掴み始め、62分にはハズワン・バクリがシュートを放つもゴールポストに阻まれます。その後は名古屋、JDTともチャンスを作りながらゴールに至らず後半は両チーム無得点となり、1-2でJDTが名古屋に敗れています。
 なお、この試合の結果、名古屋は勝点15となり、この前の試合でラーチャブリーFCと引き分けて勝点10となった浦項スティーラーズとの最終戦の結果に関わらず予選G組の1位突破とノックアウトステージとなるベスト16進出が決まりました。
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 警告累積などで先発XIを大きく入れ替え、Mリーグ1部では出場のなかったGKハジック・ナズリ、同じくリーグでは先発1試合のラマダン・サイフラーなど明らかに「メンツ落ち」かと思えた面々が、ここまでの5試合では最も見応えのある試合を演出しました。それでも名古屋の堅守に攻めあぐねてボール回しに終始する場面もあり、素人考えではギリェルメ・デ・パウラを投入して「高さ」というカードを切れば膠着した試合展開に変化を与えられたかも、という印象は残りました。
 いずれにせよ今日のJDTはここまでの5試合で名古屋に最も冷や汗を欠かせたチームであったのは事実なので、最終戦のラーチャブリーFC戦には高いモチベーションんで臨めるのではないでしょうか。

FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー5
2021年7月4日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 2-1 JDT
得点者:名古屋-マテウス(4分PK)、阿部浩之(28分)、JDT-ラマダン・サイフラー(42分)
(下は両チームの先発XI-名古屋のインスタグラムとJDTのFacebookより)

 G組のもう1試合はここまで4連敗だったラーチャブリーFCが浦項スティーラーズと引き分けてクラブ史上初のACL勝点を獲得しています。一方の浦項にボールポゼッションでは67%とラーチャブリーFCを圧倒しながら得点できず、この引き分けで2位でのグループリーグ突破が難しくなりました。
FCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー5
2021年7月4日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリーFC 0-0 浦項スティーラーズ
得点者:なし
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーと浦項のFacebookより)


ACL予選G組順位(マッチデー5終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋55001311115
2浦項531184410
3JDT510439-63
4ラーチャブリー5014010-101
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月7日(水)マッチデー6
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

7月2日のニュース:ACL予選G組-JDTは浦項に雪辱ならず、名古屋は4試合連続完封勝ち

ACL予選G組-JDTは浦項に雪辱ならず
 AFCチャンピオンズリーグ予選G組はこの日から後半戦となるマッチデー4の2試合が行われました。集中開催の会場となっているバンコクのラジャマンガラスタジアムでは連日2試合が行われますが、初めて1試合目に登場したJDTは3日前に対戦し1-4と敗れている浦項スティーラーズと対戦しました。
 JDTは開幕戦での負傷からラヴェル・コービン=オングが先発に復帰した一方、警告累積により出場停止となったDFマウリシオとMFレアンドロ・ヴァレスケスの両外国籍選手を欠く布陣で臨みました。
 試合開始早々ボリス・タシティがシュートを放つなど浦項優勢で始まった試合でしたが、それでもJDTは16分に敵ペナルティーエリアの外でPKを得ます。2試合ぶりの先発となったサファウィ・ラシドが得意とする位置からのキックでしたが、これがゴールポストに当たりJDTは絶好の先制機を逃します。その後は再び浦項ペースで試合が進み、33分にはイ・ソンモ、37分にはカン・サンウのゴールで浦項がリードして前半が終了します。いずれのゴールもJDT守備陣が浦項の選手に寄り切れず、完全に振り切られてのゴールで、両チームとも10日間で4試合目となるこの試合はコンディションの面では浦項がJDTを圧倒している様子が明らかでした。また、前半終了間際にはゴールにはならなかったもののカン・サンウからのクロスにイ・ソンモが反応するなど、JDTは防戦一方でした。
 後半に入っても浦項が攻勢のまま試合は進みますが、浦項攻撃陣のシュートの精度の低さに助けられてJDTは2失点で済んだ格好です。浦項のシュート数14(内オンターゲット4)に対し、JDTの攻撃はヴァレスケス不在が大きく影響してシュート数4(オンターゲットなし)と完全に封じられ、勝てる要素が全くない試合でした。
 JDTの主力は代表のW杯予選から連戦が続いている点を考慮しても、格下のチームが格上のチームにフィジカルで負けていてはそもそも話にならず、この敗戦でACL予選突破は来年以降に持ち越しとなりました。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー4
2021年7月1日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT 0-2 浦項スティーラーズ
得点者:浦項-イ・ソンモ(33分)、カン・サンウ(37分)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年7月1日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋 3-0 ラーチャブリー・ミトポンFC
得点者:名古屋-マテウス(50分)、柿谷曜一朗(73分)、山崎凌吾(79分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー4終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋44001101112
2浦項43018449
3JDT410327-53
4ラーチャブリー4004010-100
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月30日のニュース:U21、U19、フットサル各リーグの開幕が9月に延期、タン代表監督交代についてFAMは検討せず、マレーシア代表が日本代表に3連勝(e国際親善試合で!)

U21、U19、フットサル各リーグの開幕が9月に延期
 マレーシアサッカー協会FAMは主催するU21リーグのプレジデントカップ、U19リーグのユースカップ、そしてフットサルリーグのマレーシアプレミアフットサルリーグの今季2021年シーズン開幕をいずれも9月まで延期することを公式サイトで発表しています。
 スチュアート・ラマリンガムFAM事務局長名で掲載された発表によると、この延期は6月28日までとされていた完全ロックダウンが期限を決めないまま延長となったことが理由とされていますが、同時に9月とする開幕もマレーシア政府が発表した「回復」政策次第によるとし、各リーグ開幕から30日前に参加チームの練習が許可されることを条件としており、正確には「早くとも」9月開幕ということになりそうです。
 また今回の発表では、リーグの開幕時期だけでなく、リーグフォーマットの変更や試合日程、またリーグで適用されるルールの変更などの可能性にも言及されており、そういった変更点には逐次、リーグ参加チームと共用していくとも述べられています。
 当初はプレジデントカップとユースカップはそれぞれ6月2日と6月3日に、マレーシアプレミアフットサルリーグは男子が6月12日に、女子が8月12日に開幕の予定となっていましたが、6月1日より完全ロックダウンが実施されたため延期となっていましたが、今回の発表でさらに延期となりました。

タン代表監督交代についてFAMは検討せず
 先月終了したFIFAワールドカップ2022年大会アジア二次予選では同じ予選G組だった隣国タイではサッカー協会が西野朗代表監督との契約を解除といった報道も出ているようですが、そのタイを破って3位となったマレーシア代表のタン・チェンホー監督は来年2022年12月までとなっている契約の見直しなどについての予定はないとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 マレーシアサッカー協会FAMのユソフ・マハディ会長代理は、契約期間が残っていることに加えて、アジアカップ出場というミッションが達成されていないことから、今後予定されている代表チーム運営委員会では、来年3月に予定されているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選に向けての準備以外の議題は現時点では挙がっていないと話し、W杯3次予選出場を逃したタン監督の去就について話し合われる予定はないとブルナマの取材に答えています。
 その一方で、代表チームのチームマネージャーでもあるマハディ・ユソフ会長代理は、代表チームがアジアカップ3次予選を突破して本大会出場を達成するために最適な環境を用意できるよう、運営委員会では今後新たに代表監督の人選も含めてあらゆる点が議題に上がる可能性については否定しなかったということです。

マレーシア代表が日本代表に3連勝(e国際親善試合で!)
 eスポーツのサッカーマレーシア代表が日本代表に3連勝!6月24日に行われたe国際親善試合キリンイミューズカップで2020年3月に新たに発足したeスポーツ・サッカーの日本代表「サッカーe日本代表」はサッカーeマレーシア代表と対戦し、マレーシアが3試合で3-5、3-4、0-3と3連勝で日本を一蹴しています。
 日本代表は今年2021年4月末から5月にかけて行われたFIFAeネーションズカップのアジア・オセアニア予選で優勝し、8月にデンマークで行われる本大会に出場する8月の世界大会に出場を決めたものの、アジア・オセアニア予選のグループリーグでは、やはりFIFAeネーションズカップ世界大会に出場するマレーシアに連敗、しかも予選グループでは首位マレーシアに次ぐ2位となっており、8月の本大会と同様の2on2の団体戦形式で行なう強化マッチとして企画されたこの国際親善試合をアジア・オセアニア予選のリベンジマッチとして臨んだものの、マレーシアが逆にこれを返り討ちにする形になりました。
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 私は知らなかったのですが、マレーシアはFIFAeランキングでは1位英国、2位ブラジルに次ぐ3位、一方で日本代表は18位とアジアではダントツの強さです。
 以下は日本サッカー協会JFAの公式YouTubeチャンネルにアップロードされたe日本代表対eマレーシア代表の試合の映像で、試合は2分30秒辺りからです。

6月29日のニュース:ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅、名古屋は3試合連続完封勝

ACL予選G組-JDTは3PK献上で自滅
 JDTは初勝利を挙げたラーチャブリーFC戦からFWアキヤ・ラシドに代えてMFアフィク・アザイルを起用し、システムを4-3-3から4-1−4-1に変更し、ナチョ・インサを司令塔に、前戦でも攻撃に絡むことが多かったサフィク・ラヒムがより攻撃参加できる布陣で臨みましたが、その布陣が功を奏し、試合開始から格上の浦項にも守勢に回ることなく互角に渡り合いました。
 先制したのはJDTでした。17分にペナルティーエリア手前からレアンドロ・ベラスケスが放ったシュートが浦項ディフェンダーに当たって角度が変わり、GKカン・ヒョンムが反応できないまま浦項ゴールに吸い込まれ、JDTがリードします。
 しかしその10分後、左サイドからペナルティーエリアに切り込んできたコ・ヤングヨンをベラスケスが倒して浦項がPKを獲得、これをボリス・タシチーが決めて浦項が同点に追いつきます。さらに35分にはペナルティーエリア内でマウリシオが「フライング」タックルでマリオ・クヴェシッチを倒して再びPKを浦項に与え2失点目となりました。なおこの悪質な反則によりマウリシオにはイエローカードも出され、マウリシオは警告累積により次戦の出場停止が決まりました。なおオーストラリアのショーン・エバンス主審は前半だけでJDTに4枚のイエローカードを出すなどややイエローカード出し過ぎのきらいがある審判でした。
 浦項1点リードで折り返した後半は、試合開始から降る雨とこの日2試合目ということで、ピッチコンディションも悪化、早く同点に追いつきたいJDTは浦項ゴールに迫り、何度かチャンスを得るもベルグソン・ダ・シルヴァがいずれのチャンスも決めきれず、逆に浦項はオフィサイドと判断して足が止まったJDT守備陣を交わして82分にゴール、その後も焦るJDTは少しずつ「荒い」プレーが見られるようになり、ロスタイムにはマシュー・デイヴィーズがアレックス・グラントをまたもペナルティーエリアで倒し、この試合3度目のPKを与えて万事休すとなり、JDTは1-4で浦項に敗れています。
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 同じカードは7月1日に組まれていますが、この試合でイエローをもらった守備の要マウリシオとアリフ・アイマンが次戦は警告累積により出場停止となりました。またこの試合でも初戦で途中交代したラヴェル・コービン=オングはベンチしておらず、ベストメンバーとは程遠い布陣で浦項と再戦する事になります。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー3
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ 4-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(17分)、浦項:ボリス・タシチー(27分PK)、カン・サンウ(35分PK)、クワン・ギピョ(82分)、イム・サンヒュブ(90+1分PK)
(下は両チームの先発XI-JDTと浦項のFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 G組のもう1試合は2戦2勝の名古屋が山崎凌吾選手のハットトリックを含む4ゴールで3連勝しています。敗れたラーチャブリーは勝ち星なしの3連敗となっています。
2021年6月28日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-4 名古屋
得点者:名古屋-山崎凌吾3(26分、31分、46分)、斉藤学(65分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー3終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋33008089
2浦項32016426
3JDT310225-33
4ラーチャブリー300307-70
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月26日のニュース:ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに、名古屋は浦項を下して2連勝

ACL予選G組-JDTはラーチャブリー戦勝利で1勝1敗のタイに
 AFCチャンピオンズリーグACL予選G組はマッチデー2の2試合が行われ、JDTはラーチャブリー・ミトポンFCと対戦し1-0で予選初白星を挙げ、通算成績を1勝1敗としています。
 いずれも初戦で敗れている両チームの対戦となったこの試合は、初戦と同じメンバーで臨んだラーチャブリーに対し、初戦の先発メンバーからサファウィ・ラシド、ラベル・コービン=オング、アフィック・ファザイル、S・クナランの4名を入れ替えて臨んだJDTが、試合開始から積極的に仕掛けます。
 名古屋戦ではロスタイムのゴールが無効となるなどフラストレーションが溜まる試合となったJDTのエース、ベルグソン・ダ・シルヴァは27分にペナルティーエリア内で倒されPKを得ますが、自らが蹴ったPKもはラーチャブリーGKカンポン・パトマッカックルに止められるなど、この試合もフラストレーションが溜まる試合でしたが、その一方で今季はトップチームどころかセカンドチームでも試合出場がなかったアズリフ・ナスルルハクのサプライズ起用を筆頭に、サフィク・ラヒムやマシュー・デイヴィーズ、アキヤ・ラシドら予選初先発となった選手がベンヤミン・モラ監督の期待に応えるようにゴールに迫ります。しかしこの試合では度々好セーブを見せた絶好調のGKパトマッカックル、そしてJDT攻撃陣のフィニッシュの質の低さから両チームとも無得点で終了します。
 後半に入るとサファウィ・ラシドを押しのけて本来の右ウイングで先発したアリフ・アイマンがドリブルで持ち込み、これがベルグソンァからゴールを背にしたレアンドロ・ヴェラスケスに渡り、ベラスケスが振り向きざまに放ったシュートが決まり、JDTが47分に先制します。このゴールを境にラーチャブリーのテンポが上がり、JDT陣内までボールを運ばれるものの、マウリシオとシェーン・ローリーの両センターバックが決定機を作らせません。その後、JDTは再三チャンスを得るものの得点には至らず、ロスタイムの絶好機もサファウィ・ラシドのシュートが外れ、1-0のまま試合終了。シュート数で7-23(内オンターゲットは1-7)と相手を圧倒しながらも快勝とはいえない勝利でJDTが勝点3を獲得し、この日が誕生日だったベンヤミン・モラ監督へ勝利をプレゼントしました。この試合の結果、JDTは得失差で浦項を抜いて予選G組の2位に浮上しています。
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 名古屋戦では最後は足をひきづっていたラヴェル・コービン=オングがこの日はベンチから外れました。代わりに入ってアズリフ・ナスルルハクは守備面では必要最低限の仕事をしたものの、コービン=オングほどの攻撃参加はできず、多くのチャンスがありながら結局、1得点で終わったことからもその存在の沖さが改めて感じられました。また勝利したとは言え、エースのベルグソンも2戦連続で不発と次戦の浦項戦に向けて攻撃陣に不安も残ります。1点差のまま試合が進んだことで、シェーン・ローリー、マウリシオのセンターバックコンビとナチョ・インサは交代させることもできず、この予選G組で2位を狙うための重要な次戦の浦項戦での、この3選手の疲労度が心配です。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー2
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
ラーチャブリー・ミトポンFC 0-1 JDT
得点者:JDT-レアンドロ・ヴァレスケス(47分)
(下は両チームの先発XI-ラーチャブリーとJDTのFacebookより)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は名古屋グランパスが浦項スティーラーズ(韓国)を3-0で破っています。
2021年6月25日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
名古屋グランパス 3-0 浦項スティーラーズ
得点者:名古屋-柿谷 曜一朗(34分)、マテウス2(65分PK、82分)
*この試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeより

ACL予選G組順位(マッチデー2終了時点)

TeamGWDLGFGAGDP
1名古屋22004046
2JDT21011103
3浦項210123-13
4ラーチャブリー200203-30
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月23日のニュース:ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗

 今季2021年AFCチャンピオンズリーグ東地区予選がいよいよ始まりました。JDTはバンコクで開催される予選G組で名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFCと同組になっています。集中開催ということで19日間で6試合という強行日程、しかも同じ試合会場ということで、疲労やピッチコンディションなどホームアンドアウェイ方式とは異なる要因も勝敗に影響を及ぼす可能性があります。

ACL予選G組-JDTは名古屋に惜敗
 AFCチャンピオンズリーグACL予選が開幕し、バンコクで集中開催となった予選G組は2試合が行われました。Mリーグ7連覇中のJDTは名古屋グランパスと対戦し0-1で敗れ、黒星スタートとなりました。
 外国籍選手登録枠の都合からFWゴンザロ・カブレラでなくDFシェーン・ローリーを登録するなど守備重視の布陣で臨んだJDTは、その守備が機能し、また試合会場となったラジャマンガラスタジアムは前の試合の影響でピッチ状態が悪かったこともあり、前半は名古屋が優勢に試合を進めながらも0-0で終了します。後半に入ると名古屋はさらに攻撃のペースを上げ、JDTは守勢に回りますがそれでも何とか持ちこたえ続けたものの60分に阿部浩之選手のゴールで名古屋が先制します。JDT守備陣がオフサイドと判断して足が止まった隙をついたゴールでした。ここから選手交代で守備を固めた名古屋に対し、JDTはボールは保持できるものの、この試合はコーナーキック0というデーターが物語る通りアタッキングサードまで持ち込ませてもらえず、このまま終了かと思われたロスタイムにJDTはマシュー・デイヴィーズからのクロスにベルグソン・ダ・シルヴァが頭で合わせて同点ゴール!しかしこれはベルグソン選手が木本恭生を押し倒した反則によりゴールと認められませんでした。結局、試合はこのまま終了し、JDTは3季連続ACL初戦黒星となりました。
*****
 攻守の要として安定のプレーを披露していたラヴェル・コービン=オングが試合中に受けたタックルで動きがわるくなったところを名古屋のマテウスがドリブルで持ち込み、それがゴールにつながりました。その後もコービン=オング選手は足を引きずる場面も見られるなど動きが悪く、次戦以降の出場が気になるところです。
 またテレビの解説者が指摘していましたが、ベルグソン選手の幻の同点ゴールはその直前に木本選手がベルグソン選手のシャツを引っ張っており、ベルグソン選手が木本選手を押し倒さず、引っ張られたまま倒れてしまえばむしろJDTがPKを獲得できた可能性があります。この辺りもMリーグでは経験できない駆け引きだったかもしれません。しかし少なくとも守備では名古屋と十分に渡り合えることを示したJDTは、攻撃陣の奮起が期待されます。

AFCチャンピオンズリーグ2021予選G組マッチデー1
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
JDT(マレーシア) 0-1 名古屋グランパス
得点者:名古屋-阿部浩之(60分)
*試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより
(下は両チームの先発XI-JDTのFacebookと名古屋のツイッターより)

 なおこの試合に先立って行われた予選G組のもう1試合は浦項スティーラーズ(韓国)がラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)を2-0で破っています。
2021年6月22日@ラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク
浦項スティーラーズ(韓国)2-0 ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)
得点者:浦項-ボリス・タシチー(11分)、リム・サンヒュブ(80分)
試合のハイライト映像はこちら-AFCの公式YouTubeチャンネルより

ACL予選G組順位(マッチデー1終了時点)

TeamWDLGFGAGDP
1浦項11002023
2名古屋11001013
3JDT100101-10
4ラーチャブリー100102-20
P-試合数、W-勝利、D-引分、L-敗戦、GF-得点、GA-失点、GD-得失差、P-勝点

ACL予選G組の日程(会場はいずれもラジャマンガラスタジアム-タイ、バンコク、試合は1試合目が午後6時、2試合目が午後10時キックオフ-いずれもマレーシア時間)
6月25日(金)
名古屋-浦項、JDT-ラーチャブリー
6月28日(月)
ラーチャブリー-名古屋、浦項-JDT
7月1日(木)
JDT-浦項、名古屋-ラーチャブリー
7月4日(日)
ラーチャブリー-浦項、名古屋-JDT
7月7日(水)
浦項-名古屋、ラーチャブリー-JDT

6月21日のニュース:FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討、元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言、AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か

FAMはアジアカップ3次予選抽選前に国際Aマッチを検討
 先日のFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選では、ワールドカップアジア3次予選出場はならなかったものの、アジアカップ3次予選出場権を得たマレーシア。アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選は今年2021年10月に予定されていますが、マレーシアのFIFAランキングを上げて「より良い組み合わせ」が得られるよう、マレーシアサッカー協会FAMはこの組み合わせ抽選前に国際Aマッチを複数行う予定があると、英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。
 当初は今年12月5日から始まる東南アジアサッカー連盟AFF選手権スズキカップを利用してFIFAランキングを上げようとしていましたが、アジアカップ3次予選の組み合わせ抽選が10月となったことで、この計画の変更を迫られていました。
 2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選G組で3位となったマレーシアですが、最新のFIFAランキングでは153位で、このFIFAランキングを元に行われる組み合わせ抽選ではイエメン(同145位)、クウェート(同148位)、アフガニスタン(同149位)、モルディブ(同155位)、シンガポール(同159位)とともにポット3に回ることが濃厚です。一方、ポット2に回る可能性があるのはタイ(同106位)、タジキスタン(同121位)、フィリピン(125位)、トルクメニスタン(同130位)、ミャンマー(同130位)、香港(同144位)の6カ国で、マレーシアがこのポット2に回るためには、この6か国中最下位ランクの香港との差(ランキング9位、ポイントで言えば32.02ポイント)を詰める必要があります。
 FAMのスチュアート・ラマリンガム事務局長は、新型コロナ禍の中、8月30日から9月7日、そして10月4日から12日までとなっているFIFA国際マッチデー期間の練習試合開催は容易ではないとした上で、他国のサッカー協会と連絡を取りながら、タン・チェンホー代表監督から出ている練習試合4試合のマッチメイクを行いたいと話しています。
 来年2022年2月に予定されているアジアカップ3次予選では、参加24カ国が6組に分かれて戦い、各組の1位に加えて、各組2位の内上位5チームが、2023年に中国で開催される本戦出場権を獲得します。

元代表監督がW杯予選の結果と今後の代表の計画について発言
 Mリーグ2部サラワク・ユナイテッドFCのB・サティアナタン テクニカルディレクターTDは、予選G組で3位となったFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選について、英字紙ニューストレイトタイムズに感想を述べています。
 今回の予選では3位となり、W杯3次予選出場を逃した代表チームについて、マレーシアサッカー協会FAMは、タン・チェンホー監督とユソフ・マハディ代表チームマネージャーによる総括を元に、練習試合のマッチメイクや新たな代表候補選手招集などを行うことになるだろうと述べています。また、上の記事でも取り上げたFIFAランキングを上げるための国際Aマッチ開催もそのうちの選択肢となりうると述べる一方で、国際Aマッチはアジアカップ3次予選に向けてチーム強化を目的とすることが最優先であるべきで、FIFAランキングを上げることだけを目的としたマッチメイクはするべきではないとも話してています。
 「監督の立場なら、(強い相手と試合した結果)負け続けるチームを改善するよりも、選手をに様々な戦術や戦略を試させる場が必要になる。ランキングを上げるためにランキング上位のチームと4試合全てを戦って負ければ、選手のモチベーションにも影響し、重要な大会前のチームの仕上げ方としては良い方法とは言えない。」と話しています。
 またサティアナタンTDは、Mリーグ1部JDTのオーナーであるトゥンク・イスマイル ジョホール州皇太子がFAMに対して行った、自身を代表チームのチームマネージャーにするべきという提案に対して、イスマイル殿下は思いつきだけで発言したのではないだろうとし、JDTでの成功例を見てもわかるように、チームマネージャーとしては適任の人物の一人であると述べる一方で、最終的にはFAMが判断するべきだとしています。

AFC事務局長はAFCカップ中止は最後の選択肢と話すも今週中には何らかの発表か
 昨季2020年シーズンの優勝チームとしてJDTが出場するアジアサッカー連盟AFCチャンピオンズリーグ予選G組は明日6月22日よりタイのバンコクで始まり、JDTは初戦で名古屋グランパスと対戦します。
 一方、昨季2位のクダ・ダルル・アマンFCと3位のトレンガヌFCが出場予定のAFCカップのアセアン(東南アジア)地区は、集中開催地のシンガポールが新型コロナウィルスの感染状況悪化を理由に開催を辞退して以降、新たな開催地は決まっておらず、開催そのものが危うくなっています。
 これについてAFCのウインザー・ポール事務局長は、今季のAFCカップのアセアン地区開催を諦めていないと話す一方で、最終的な決定は今週中にも発表されるだろうと話しています。
 クダとトレンガヌが所属する予選H組とI組は当初はいずれもシンガポールでの集中開催となることが発表されていましたが、シンガポールの開催辞退表明後は、大会に出場するクラブが所属する東南アジア各国のサッカー協会、またそれ以外の中立国のサッカー協会ともに開催に名乗りをあげる国が現れていません。この2組に残るG組を加えたアセアン地区予選3組全てで現在も開催地は決まっておらず、これについてAFCのウインザー・ジョン事務局長はAFCカップアセアン地区の今季中止はあくまでも最後の選択肢だと述べる一方で、運営委員会には今週中に最終決定を行うよう依頼したことを明らかにしています。
(6/21-一部記事を修正しました。)

6月19日のニュース:FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討、サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪、JDTがACL登録メンバーを発表

FAM会長-JDTオーナーによる自身の代表チームマネージャー就任提案は慎重に検討
 Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下が自身をマレーシア代表チームのマネージャーとするよう提案した件について、マレーシアサッカー協会FAMが正式に声明を発表しタコとを、マレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 FAMのハミディン・アミン会長は前FAM会長でもあるイスマイル殿下の提案については、FAMの内規に沿って検討したいという声明を発表しています。イスマイル殿下は代表チームに最善の練習環境と最善のコーチングスタッフをできるとして、自身を代表チームのマネージャーにするよう、ハミディンFAM会長に宛てたメッセージを6月14日に自身のインスタグラムに投稿しています。
 またハミディン会長は、今回のW杯予選で不振を極め各方面から批判的な意見が出ている帰化選手について、FAM内の帰化選手プログラム委員会、技術委員会、そしてテクニカルディレクターのオン・キムスイ氏の間で帰化選手プログラムの効果についての検証を行うよう、事務局長に指示を出したことも明らかにしています。
 ハミディン会長はこの他、代表チーム運営委員会に今回のW杯予選に関する最終報告書と既に出場が決定しているAFC選手権アジアカップ2023年大会3次予選への準備計画が提出されるのを待って、その詳細をFAMの理事会で検討する予定であると述べています。

サファウィ・ラシドがタイ戦ゴール後のパフォーマンスについて謝罪
 FIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ20223年大会予選G組最終戦となったタイ戦で決勝ゴールを決めたサファウィ・ラシド(JDT)が得点後のパフォーマンスついて謝罪していると、ブルナマが報じています。
 タイを破り予選G組でマレーシアの3位とアジアカップ3次予選進出を確定させたこのゴールの後、サファウィ選手はやはりこの予選でゴールを決めていたギリェルメ・デ・パウラと喜びを爆発させた後、キーボードを打つようなジェスチャーの後に口に人差し指を当てて黙るようなポーズをスタンドに向かってしていました。
 予選通算3得点を挙げたサファウィ選手ですが、アラブ首長国連邦でのW杯予選では不調を極めたことから、一部ファンからはこのパフォーマンスについて「やり過ぎ」という声が上がっていました。
 サファウィ選手は自身のゴールパフォーマンスを不快に思ったサポーター対して、同じようなことは2度と繰り返さないようにすると謝罪しています。
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 今回のW杯アジア2次予選中、この試合で初めて先発を外れたサファウィ選手は、デ・パウラ選手とともに主力選手として期待されていた分だけ、その期待以下のプレーによって他の選手以上に連日、激しい批判にさらされていました。そんなストレスがかかる中でのこの試合でのゴールは喜びも大きかったと思いますし、ゴールパフォーマンスも個人的には理解できます。時には理不尽とも言えるような批判を受けてもで常に結果を出すことがサファウィ選手には求められていくと思いますが、それに応えていけるようになれば名実ともに代表のエースとなれると思います。

JDTがACL登録メンバーを発表
 6月22日からタイのバンコクで開催されるAFCチャンピオンズリーグ予選に出場するMリーグ1部JDTが登録メンバー30名を公式Facebookで発表しています。
 Mリーグ1部は5名の外国籍選手(内1名はAFC枠、1名はアセアン東南アジア枠)が登録可能ですが、ACLでは外国籍選手の登録は4名であることから、守備を強化するためにFWゴンザロ・カブレラが外れたことを、JDTのベンヤミン・モラ監督が別の投稿で説明しています。
 今回のACLでJDTは外国籍選手として現在リーグ得点王でブラジル出身のFWベルグソン・ダ・シルヴァ、同じブラジル出身のDFマウリシオ、アルゼンチン出身のMFレアンドロ・ヴァレスケス、そして新たに獲得したオーストラリア出身のDFシェイン・ローリーの4名を登録しています。またマレーシア人選手では、先日終了したW杯予選に参加したサファウィ・ラシド、ギリェルメ・デ・パウラ、モハマドゥ・スマレ、アキヤ・ラシド、シャフィク・アフマド、アリフ・アイマンのFW陣、シャマー・クティ・アッバ、ナズミ・ファイズのMF陣、そしてラヴェル・コービン=オング、マシュー・デイヴィーズ、アダム・ノー・アズリン、アイディル・ザフアンのDF陣、そしてGKファリザル・マーリアスの13名がアラブ首長国連邦のドバイから直接、バンコク入りした他、に加え、JDT IIからMFチア・ルオハン(20)、DFフィルダウス・ラムリ(19)、DFフェロズ・バハルディン(21)の若手選手も登録されています。
 JDTは予選G組で、名古屋グランパス、浦項スティーラーズ(韓国)、ラーチャブリー・ミトポンFC (タイ)と対戦します。
(以下はJDTのACL登録メンバー-JDTのFacebookより)

6月18日のニュース:代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国、FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず

代表チームが「マラヤの虎」チャーター便で帰国
 アラブ首長国連邦UAEで開催されたFIFAワールドカップ2022年大会アジア2次予選兼AFC選手権アジアカップ2023年大会予選に出場したマレーシア代表は、昨日の午後に無事マレーシアへ帰国したとマレーシアの通信社ブルナマが報じています。
 5月20日にマレーシアを出国して以来、ほぼ1ヶ月ぶりの帰国となった代表チームは、出国時と同様にマレーシア航空特別機で帰国しました。
 帰国途中にはバンコクを経由し、タイで6月22日から開催されるAFCチャンピオンズリーグに出場するJDTの選手13名を降ろし、マレーシアに帰国した選手は8名のみとで、マレーシア国外でプレーするディオン・コールズ(デンマーク1部FCミッティラン)、ルクマン・ハキム・シャムスディン(ベルギー1部KVコルトレイク)、リリドン・クラスニキ(オーストラリア1部ニューカッスルジェッツ)、ジュニオール・エルドストール(タイ1部チョンブリーFC)、ドミニク・タン(タイ1部ポリステロFC)の各選手は既に別途帰途についたということです。
 今回予選G組では首位UAE(勝点18)、2位ベトナム(同17)に次ぐ3位(同12)となったマレーシアは、来年2022年2月あるいは3月に行われる予定のアジアカップ3次予選出場権を獲得しています。
 (代表カラーに塗装された特別機に登場する代表チーム-FAMのFacebookより)

FAMはJDTオーナーの代表チームマネージャー就任希望に未だ回答せず
 W杯予選G組最終戦のタイ戦を前に、Mリーグ1部JDTのオーナーでジョホール州皇太子のトゥンク・イスマイル殿下がマレーシアサッカー協会FAMに対し、代表チームのマネージャー就任を希望していると自身のインスタグラムに投稿しましたが、これに対してFAMは回答を保留していると英字紙ニューストレイトタイムズが報じています。。
 イスマイル殿下は、ハミディン・アミンFAM会長に宛てて「代表チームに対して最高の練習環境と最高のコーチングスタッフを提供することを約束し、代表チームを強化するためには自分をチームマネージャに就任させて欲しい。短期間での成功は約束できないが、現実的な目標を一つ一つ達成し、必ずチームを改善する」と述べる一方で、「一部の選手は代表チームへの招集を夏休みのように考えているようだ。また今後は簡単に帰化選手を生み出すべきではない。」と述べ、代表のプレースタイルにあった選手だけを帰化させるためにその分析を行う技術委員会が管理するべきだとも述べています。
 これは今回のW杯予選に出場したマレーシア代表にはモハマドゥ・スマレ(JDT-ガンビア出身)、ギリェルメ・デ・パウラ(JDT-ブラジル出身)、リリドン・クラスニキ(JDTから期限付き移籍でAリーグのニューカッスルジェッツ-コソボ)の3名の帰化選手がいましたが、3名が3名とも不調であったことから、国内サポーターだけでなく国内サッカー界からも帰化選手と帰化選手プログラムを推し進めるFAM双方に対する批判が高まっています。
 イスマイル殿下は、JDTがMリーグ7連覇を含む多くのトロフィーを獲得している秘訣は、選手をメデイアなど外部から遮断し、ソーシャルメディアの使用も管理した上でサッカーという仕事に集中できる環境を提供している自身のリーダーシップによるものだと話しています。
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 ジョホール州皇太子の略称TMJの愛称でも呼ばれるイスマイル殿下ですが、自身の代表チームマネージャー就任希望を投稿したのは予選G組の最終戦タイ戦の前でしたが、正直なぜこのタイミングで?というのが最初の印象でした。FAM会長はじめとする役員の尻に火をつけるためのなのか、はたまた代表に13名いるJDTの選手に気合いを入れるためなのか。いずれにせよ、大事な最終戦前にマイナスに作用することはあってもプラスには採用しないのでは、というタイミングでした。(もちろんこのハッパが効いて、タイに勝利したのであればそれはそれで効果的だったとも言えますが…。)
 2017年から2018年までは自身がFAMの会長を務めたイスマイル殿下ですが、退任後のFAMはそれまではとは違い、王族も中央政府の政治家もいない組織として機能しており、また代表チームも2019年末まではタイを破り、UAEと接戦を繰り広げるなどここ数年来、最も期待できるチームでした。しかし新型コロナ蔓延後は他国も条件は同じとはいえ、代表合宿は行えず、強豪との練習試合も組めず、正確な日数は調べていないのでわかりませんが、移動制限令が連発されたマレーシアは、2020年以降で見ればおそらく代表合宿開催日数は予選G組では最低ではないかと思います。コロナ禍が落ち着けば、2019年のように代表の強化ができれば、アジアカップ本戦出場も夢ではないような気がします。
 そんな中でのイスマイル殿下の投稿は、Mリーグの優秀な選手を片っ端からJDTが獲得している手腕と合わせた上でうがった見方をすれば、自身の手中に代表チームを納めたいのという思惑があるようにすら思えてしまいます。FAMによる代表強化が手ぬるいから、と言われてしまえばそれまででしょうが、FAMがイスマイル殿下に「預けて」しまった後は、批判的な意見が出にくくなる恐ればあり、また万が一、その強化が失敗と判明した場合に誰が殿下を解任できるのか、という最大の問題が残ります。

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